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ザ・ウルトラマン20話「これがウルトラの星だ!! 第2部」

ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)


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#20『これがウルトラの星だ!! 第2部』

凶悪星人バデル族登場

(作・吉川惣司 演出・辻勝之 絵コンテ・小田経堂)
(視聴率:関東9.0% 中部8.6% 関西7.6%。
 以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東13.9%)


(文・内山和正)
(1997年執筆)


 主人公ヒカリは地球から二百万光年離れたウルトラの星・U40(ユーフォーティ)でめざめた。
 そこは予想に反し自然にあふれた古代のような世界であった。
 最高実力者という大賢者をはじめエレク、ロト、そしてヒカリの世話を務める乙女アミアらU40人は、地球人と変わらぬ姿をしていた。
 ヒカリは自分に乗り移っていたウルトラマンが、この星の最強戦士でジョーニアスという名であることを知らされる。しかしそのジョーニアスはいまだ回復してはいなかった。


 そこにU40人の宿敵・バデル族の宇宙戦艦が空間ジャンプで突如出現して奇襲をかけてきた。
 エレクとロトは変身しウルトラマンとなって戦う。ここの人々は全てがウルトラマンになれ、どちらの姿も真の姿であった。


 U40は痛手を負うものの取り敢えず敵は引き上げた。
 次の戦闘の前にヒカリを帰そうとするU40人だが、ヒカリは事情を何も聞いていないから嫌だと言って拒む。
 仕方なくU40の歴史を立体映像で体験させて帰すことになる。


 十億年前、U40人は様々な星に移住し子孫を残そうとした。星によっては定住できず死に絶えた例もあったが、地球では成功しネアンデルタール人と出会い地球文明ができた。


 しかし宇宙には爬虫類から進化したバデル族がおり、彼らとは意思疎通ができなかった。
 彼らの攻撃によりU40は危機に陥るが百万年前、物質であって物質ではない命の素(もと)・ウルトラマインドを発見してウルトラヒューマノイド・ウルトラ人に進化したことで危機を脱せたという。


 ヒカリはジョーニアスが言った「爬虫怪獣は乗り移りだ」との言葉を口にした。
 アミアはうろたえ再確認すると、U40の指導者たちのところへ知らせに走った。
 皆は慌てだし、バデル族が暗黒星雲に隠しておいたウルトラマインドを盗んだとしか考えられないという結論になった。
 そのとき、バデル族の母星、星全体が機械化されたバデルスターが襲来して来た。
(以上、ストーリー)


 自分の足で歩いたり船に乗ったりの謂(い)わば不自由な生活を贅沢(ぜいたく)と捉えて、それを楽しむために昔のままの自然を残しつつ、地下には超科学を生かした未来都市を築いているU40。
 当時の筆者には驚きであった「絶対に判り合うことができない」という設定のバデル族など、壮大な設定で本放送当時圧倒された。
 しかしあまりにも印象が強かったために、些細な部分を除くとほとんどを暗記するほど明瞭に覚えていて、新鮮な気持ちでは視聴できなかったほどだが。


 ジョーニアスの妹・アミアは天真爛漫、多少コケティッシュで印象的な美少女キャラクターで(当時大ブームであった『宇宙戦艦ヤマト』(74・77年に劇場アニメ化)『銀河鉄道999(スリーナイン)』(78・79年に劇場アニメ化)などの漫画家・松本零士(まつもと・れいじ)原作作品のアニメ化的なキャラクターデザインの顔立ちではあったが)、彼女の登場以後ムツミ隊員がくすんで見えたし、知名度では上の“ウルトラの母”や“ユリアン”といった他の女性ウルトラマンよりも魅力的だと思ってきた。
 しかし今見るとたしかに魅力的ではあっても、当時段違いに思えたほど圧倒的には魅力的に感じられなかった。声も今の基準でいうとオバサンくさいかもしれない。


 先輩ウルトラマンたちのゲスト出演を望んでいた本放送時の筆者にとって、ウルトラマンタイプの“エレク”とウルトラセブンタイプの“ロト”の登場はこれで先輩たちは出ないのだろうと失望を同時に味合わせるものでもあったが、それを忘れさせて上回る面白さがこのU40編には溢れていた。


 『ウルトラマンA(エース)』(72・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)以来、名前(固有名詞)のついたウルトラマンに慣れていた当時の筆者にとって、四年ぶりのシリーズ再開の本作で、通常の回で“ジョーニアス”が「ウルトラマン」としか呼ばれないことは不満を感じさせたものだった。
 が、それでいて本話においては、
 「ウルトラマンは皆ウルトラマンに違いないが、それぞれに名前を持っている」
 との設定が確立したのではないかとも思い、その点でも評価している。


 だから放映から10年以上も経った83〜84年に『帰ってきたウルトラマン』(71)こと新マンに“ジャック”という名前(元々は『ウルトラマンタロウ』(73・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)の企画時のNGネームのひとつ)が付いたときも、多くの旧(ふる)いファンと違い喜んで迎えたのだった。
 地球人がジャックという名を知らなくてもウルトラマン同士はジャックと呼ぶということでいいのではないかと思う。
 反対意見が多いようだが、むしろ初代ウルトラマンにもハジメでも何でも名前をつけて徹底してほしかった(ウルトラ兄弟としては次男だからハジメはまずいか・笑)。


 話が横に逸(そ)れたが、本作は特撮系ウルトラマンの設定を流用しつつ新しい解釈や要素を取り入れ、特撮系ではあとから徐々に作られた故に曖昧にもなっているウルトラマンワールドを、特撮系とは別の世界でありながら確立させたといえるのではないか。


 U40人がウルトラマンになった理由、のちの回(第27話「怪獣島(じま)浮上!!」)で明らかになる、胸中央のカラータイマーにあたる★型の“スターシンボル”を授かった勇者のみが宇宙空間を飛行してよその星へ行けるという設定(スターシンボルが変身後カラータイマーになるらしい)、そしてそれらに関連して力の強い10名に満たない選ばれし者のみが巨大化できるという設定、バデル族によるウルトラマインドの悪用などで本話は大いに楽しませる。



 「楽しい」「凄い」反面、再視聴で気になった点もあるので最後にそれについてふれてこの項を締め括る。


 バデル族が爬虫類を怪獣化させるのは、ジョーニアスがヒカリに同化しているのと同じ原理だとのことだが、バデル族の場合バデル族自体が元から憑依先の怪獣の姿をしているわけではないから、厳密には異なるのではなかろうか?
 まあ、ウルトラマインドには様々な能力があるのかもしれないが。


 今回のラスト、爬虫怪獣が乗り移りだとのことでU40人たちは騒然となるが、それならば前回のラストでアキヤマ隊長が「あの怪獣を倒す方法はありませんか」と聞くのに対して、エレクが「今はありません」と言ったのは何の意味だったのだろうか。
 爬虫怪獣がウルトラマインドの悪用の力で乗り移りする超強敵であるから「倒せない」という意味ではなかったことになり、その時点ではまだ乗り移りであることを知らなかったことにもなる? 単に通常兵器や通常の戦い方では倒せないという程度の意味だったのだろうか?


 また中盤の戦いでケガを負ったロトがラストでは元気(?)に戦いに赴くが、あんな短時間で回復できてしまう描写も少し残念(無理して出撃するようには見えないし)


 まあ細かい不整合は、本作に限らずどの作品にも存在するものなので、鵜の目鷹の目で見なければ気にならない程度の不整合に目くじらを立てる気はないのだが……


※:製作No.20『これがウルトラの星・U40だ!!』第二部


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊98年号』(97年12月28日発行)『ザ☆ウルトラマン』特集・合評3より分載抜粋)



編集者付記:
 もちろん『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)#16「アグル誕生」を遡(さかのぼ)ること約20年も前に、主役ウルトラマンが登場しなかったパターン破りの初の回であることも忘れちゃイケナイ。
 その代わりにエレク、ロト、ウルトラの5大戦士が、変身アイテム・星型のビームフラッシャーを
 「ウルトラッ・チェーーンジッ!!」
 の掛け声と共に額にあてて、一斉に神々しく跳躍しながら変身していき、7大ウルトラマンが登場するシーンには当時、大感動したものだ。


 特撮同人誌『夢倶楽部』「ザ☆ウルトラマン」特集(97年発行)に全文採録されたこの3部作のシナリオによると、ウルトラマンジョーニアスはその「肉体」をウルトラの星に置いたまま、「精神」のみをヒカリ超一郎に「寄生」させているという設定になっていた。
 つまりその限りで、バデル族(の精神体)と爬虫怪獣の関係は、ジョーニアス(の精神体)とヒカリ隊員の関係と同じであったのだ。
 脚本を執筆した吉川惣司氏が、小田経堂名義で手懸けた絵コンテを元に完成したフィルムでは、結果的に特撮系のウルトラマンと同様に、肉体を持った存在のまま地球人と合体したという描写になっているが……。


 本作『ザ☆ウルトラマン』には、70年代のタツノコプロ作品に関わった名アニメーター&作画監督で、「ガンダム」の富野カントクによるリアルロボアニメ第2弾『伝説巨神(でんせつきょじん)イデオン』(80年)などのキャラクターデザイン&作画監督などでも有名な湖川友謙(こがわ・とものり)御大がペンネームで参加しているというが、本話がその担当回だと思われる。
 当時のTVアニメはゲストキャラクターを、各話の作画監督が務めることも多かったので、アミアをはじめとする大賢者やエレクやロトの人間体のデザインは湖川の手によるものではなかろうか?(変身後のエレクやロトや5大戦士も?)
 湖川は前年78年に超絶大ヒットしたアニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』と当時放映中のTVアニメ『銀河鉄道999』の共に総作画監督を務めており、松本零士キャラそのもののアミアのキャラデザは、まだ20代(!)の湖川がついやっちゃったものではなかったかと(汗)。
 当時はまだまだルーズな時代でしたし(アレがイケナイという声も当時はなかったハズ)、もう30年も前の作品ですから、関係各位にはご容赦願いたいとは思いますが(笑)。


編集者・後日付記:
 アミアは湖川デザインかもしれぬ……と思っていたが、2008年に購入するも2010年1月にはじめて開封した(汗)本作DVDボックスのライナーノーツを参照していて考えが変わる。
 このDVDライナーは、アニメ製作スタジオ・サンライズに保存されていた(?)設定資料や絵コンテなどにもあたって、かなり調査を行なって新事実なども明かされているが(不明であった初期編の絵コンテ担当者名や、TBS側の局プロデューサーが人手不足で1本だけゲスト的にペンネームで絵コンテを担当した件、一部のメカ怪獣のアニメ作画用の決定稿のみキャラデザの二宮常雄氏が担当されずにメカデザの河森正治氏が担当されたこと、各話の主要ゲストキャラも二宮氏による独特の筆としか思えない一貫した画風)、#31「ウルトラの女戦士」にてアミアが憑依する地球人の少女・京子のキャラデザの顔アップがあきらかにアミアの設定画の改稿・マイナーチェンジでもあるので、これらのことから類推するに、特にライナー側での「例外である」との明記もないので、やはりアミアは湖川デザインではなく、二宮デザインであろうと編集者は考える。
 まあ、下請けに出した先の本話の作画監督が、湖川さんであることを知っていて、あえて(?〜あるいはついつい)松本零士調のキャラデザになってしまったのかもしれないが……(汗)。


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