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仮面ライダーゼロワン序盤合評 ~AI化でリストラに怯える中年オタらはこう観る!(笑)

『仮面ライダーゼロワン』前半総括 ~シャッフル群像劇の極み! 滅亡迅雷net壊滅、新敵・仮面ライダーサウザー爆誕!
『仮面ライダーゼロワン』最終回・総括 ~力作に昇華! ラスボス打倒後もつづく悪意の連鎖、人間とAIの和解の困難も描く!
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『仮面ライダー』シリーズ評 ~全記事見出し一覧


仮面ライダーゼロワン』序盤合評 ~AI化でリストラに怯える中年オタらはこう観る!(笑)

(2019年9月下旬~10月5日脱稿)

仮面ライダーゼロワン』序盤合評1 『仮面ライダーゼロワン』序盤評

(文・犬原 人)


 「次のライダーは『ゼロワン』で社長? するってぇと三軒茶屋大判焼き焼いたりするのか?」


 「今の冗談について解説いたしますと、1973年にNET……現在のテレビ朝日で『キカイダー01(ゼロワン)』」という東映ロボットヒーロー特撮ドラマが放映されていたことが元ネタになっていて、主演俳優であった池田駿介氏が俳優業を引退したのち、東京都世田谷区三軒茶屋で『ゼロワンチェーン』という大判焼きのお店を経営していたことに由来するものであり……」


 ……というような、本作のメインヒロイン・イズちゃん(主人公・飛電或人(ひでん・あると)社長専属のロボット秘書)に大真面目で解説されそうな「ライダー」が始まった。2016年の『仮面ライダーエグゼイド』は医者、17年の『仮面ライダービルド』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180513/p1)は科学者、そして今年は社長……。「お母さんが息子にさせたい職業」ばかりが狙い撃ちされてるような気がするのは気のせいかなぁ? すると来年は弁護士かな? そうなったら「ライダー」の悪者退治からアクション要素が消えるかも知れないけど、ヒーローものから暴力性を排除したい東京新聞のような御仁は大喜びでしょうね。
(当誌「2019年号」P117の東京新聞2019年3月11日ほか地方新聞各紙掲載のコラム『時代を読む』「新時代の「男らしさ」へ」(関西学院大学准教授・貴戸理恵)を論じた『ヒーロー物の「脱暴力化」は可能か?』(文・仙田 冷)参照)


 それはともかく、カエルみたいにのっぺりしたライダーのビジュアルは、(力強さこそ感じないものの)確かに斬新ではあると思うが、これが『令和ライダー』第1号であることを考えると、このデザインが以後の共通コンセプトになるんだろうか? という気がしないでもない。


 とりあえずオンエアを見たかぎり、番組最大のカギはやっぱり、作品世界で幅広く活躍している高性能人型ロボット「ヒューマギア」だと思う。
 「漠然とした未来」で人間と共存しているロボットで、メタレベルでは「殺してもいい人間」として扱われているという意味においては、同じ東映特撮の『特捜ロボ ジャンパーソン』(1993)のロボットたちとほぼ同じな彼らだが、12年前の大惨事「デイブレイク」がキャラクターやストーリーの軸になっているという設定は、往年の大人気ロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(1995・GAINAX・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220306/p1)における劇中世界での過去の大惨事「セカンドインパクト」にあやかったのかもしれない(あとで聞いたら、同じく人工知能を敵に戦った『仮面ライダードライブ』(2014)も同じような過去の大惨事の原因をナゾに据えた作劇だったらしい)。


 その「デイブレイク」を「ヒューマギアによる反乱」と思い込んで、本作の2号ライダー・仮面ライダーバルカン君はヒューマギア憎しと銃を取ったわけでありますが、むしろこの世界で銃を取るべきは、ヒューマギアに仕事を奪われ、人生を破壊された人間の失業者、さらにはそんな番組世界において幸運にも仕事のある奴らの中でも「人間が余っている以上、替わりはいくらでもいる」と信じて疑わないクラッシャー上司に現在進行形で酷使されている筆者のような底辺労働者ではないだろうか?(アンジャッシュの児嶋が「ライダー」で「イヤミな悪役」を演じるようになったか。お笑いブームも遠くなりにけりだ)
 そう思うのは間違いなく、筆者が第1話でヒューマギアに取って代わられていることが明白なものにされていた現役の警備員だからなのだが、往年のイギリスの特撮人形劇『サンダーバード』(1965・ITC)でも古典『鉄腕アトム』(1952・1963にTVアニメ化・手塚治虫著)でもそういう話が散見されたのだから、ロボットSFの定石に則りロボットヘイト(憎悪)の人間がヒューマギアと敵対するのは当然だと思う。


 そうでなければ、部下がそれぞれに生活や事情を背負った個人であることを理解することなく、彼らの人生を使い潰して出世して来た、そして今になって「どうせ人間じゃないんだからどうなろうと知ったことか!」とやはり考えているブラック企業のクラッシャー上司に酷使されて、人間を憎悪することを学習したヒューマギアを敵として設定すべきだったんじゃないか? とも思う。


(編註:のちに公開される本作の映画版である『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーションズ』(2019・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200112/p1)の敵ライダー・仮面ライダー001(ゼロゼロワン)がまさに、ロボットに対する「労働の報酬」の概念を若き日の前社長が何かの冗談だと思って質問を一笑にふしたことで、内心で静かに人間を憎悪しはじめたヒューマギアであったのだが、本稿執筆時は当然ながら未公開)


 そうなると往年の名作TVアニメ『新造人間キャシャーン』(1973・タツノコプロhttps://katoku99.hatenablog.com/entry/20041102/p1)と同じになってしまうのだが、本作の敵「滅亡迅雷.net」は果たしてそういう「悪」なのだろうか? そして憎悪を学んだAIを説得して愛に目覚めさせる……という展開は、1985年にオリジナルビデオアニメ『NORA(ノーラ)』(御厨さと美監督・フィルムリンク)が既にやってるので、そういうオチは絶対ないとは思うのだけれど、人間もヒューマギアも同列に扱う或人君においては、そういう着地点を目指しているのかもしれない……と思わないでもない。


 さて、スタッフは視聴者の親世代にAI技術の現在と未来を解説するつもりで番組製作をされているそうだが、見ている彼ら親世代が最も気にかけているのは、自分や我が子の仕事をAIやロボットに奪われたその未来社会の暗部を番組がどう描くか……ということではないだろうか? という気がしてならない。
 子どもならともかく、大人のみんながみんなAI技術者になれない以上、自分たちブルーカラーや文系のホワイトカラーがそう遠くない未来、社会から駆逐される、ベーシックインカム(国家が全国民に最低限の所得を支給)も期待できず文無しになる……! という危機感は現代日本で(ぼんやりとだが)共有されているのだから。
(実際、来年からプログラミングが全国の学校で授業として開始されるそうだが、そういった勉強について来れない低学力層・文系頭の子供らは、この番組に物凄い不安と嫌悪を覚えるのではないかと心配でならない)


 とにかく、そういう懸念にスタッフが向き合わない限り、筆者がこの番組にハマることはまずないだろう。


(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評2 ヒューマギアはポンコツメイドロボの夢を見るか? ~『仮面ライダーゼロワン』とりあえず第1話見た

(文・仙田 冷)


 いや、本作と健気な美少女メイド型ロボットが登場する往年の学園ラブコメTo Heart』(無印)(原作ゲームは97年~11年、99年と04年にTVアニメ化)がコラボしたら面白いかなと思って。本作のAI大企業・飛電インテリジェンスと並ぶヒューマギアのもう一つの雄・来栖川エレクトロニクスみたいな感じで。


 それはともかく『仮面ライダーゼロワン』(19年)である。ルックスの第一印象がビミョーなのは平成ライダーでは毎度のことなんでもう慣れたけど、必殺キック・ライジングインパクト発動の際、画面に技名が表示される演出は、特撮巨大ロボット『スーパーロボット レッドバロン』(73年)のバロンパンチを思い出させる……って、ネタが古いね、どうも。まあでも、見ている子供にはわかりやすくていいかも。


 機械と人間の関わりを描いた作品は、ジャンルものに限っても、それこそ『鉄腕アトム』(原作マンガは52~68年、59年に実写TVドラマ化、63年・80年・03年にTVアニメ化・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20040403/p1)のむかしから山ほどあるけど(先述の『To Heart』も、ルートによっては該当する)、今は何といっても、将棋や囲碁やチェスでAIが人間に勝利し、車の自動運転を筆頭にAIが日常に浸透してきている時代だ。切実さは先行諸作の比ではない。
 本作の第1話でも、ヒューマギアのお笑い芸人が出てきて、それなりにウケているという有様である。彼の芸風の元ネタは、もしや往年の東映特撮『がんばれ!! ロボコン』(74~77年)に出てくるロボット・ロボペケか? という気もするが、どうなのだろう?


 第1話だけ見た段階では、まだその辺の切実さは薄い。ヒューマギアを敵視する2号ライダー・仮面ライダーバルカンが登場する第2話を経て、当面は飛電の社長となった或人と、その秘書である女性型ヒューマギア・イズが自ら外回りをするのと並行して、いろいろな仕事で働くヒューマギアを描き、徐々にその辺の切実さを出していこうということなのかも知れない。
 いずれは、ヒューマギアに仕事を奪われたと思いこんだ人物がヒューマギアを襲うような話もあるのかも知れない。反ヒューマギアを掲げる組織が出てきて、ゼロワン・内閣直属エイムズ・滅亡迅雷.netを向こうに回して四つどもえの構図になったりしたら面白いかも。


 実際本作、ドラマ的な可能性はかなり有望だと思う。たとえばCLAMP原作の『ちょびっツ』(原作マンガは00~02年、02年にTVアニメ化)みたいに、ヒューマギアの異性を愛してしまった人物の話とかあるかも知れない。メタルヒーローシリーズの頃だったら、脚本家・扇澤延男氏あたりが書きそうな話だな。てゆーか、『キカイダー01(ゼロワン)』(73年)に「ビジンダーに恋した若者」ってあったじゃん! あ、でもそっちでは、男の方はビジンダー・マリが人造人間だとは知らなかったか。


 ともかく本作は、単にヒューマギアの職業設定を変えるだけでも、いくらでもドラマが作れそうだ。公式では絶対無理だが、薄い本(同人誌)ではセックス産業に従事するヒューマギアとか出てくるかも。あとは当面縦糸になるであろう「デイブレイク」事件がどんな展開の仕方をするか、かな?


 第2話以降もいい加減見たいのだが、仕事が忙しくて時間がとれない。代わりに仕事に行ってくれる身代わりヒューマギアがマジで欲しいかも知れない今日この頃。虚しい日々だ。


追伸:或人とイズだが、なんか夫婦漫才コンビ組んだら、会社の忘年会とかでウケそうな気がするのは私だけだろうか。


(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評3 『仮面ライダーゼロワン』初期評

(文・フラユシュ)


 さて始まりました、お笑い芸人(しかもツマラナイのがポイント)から社長になったアルト君が主役の仮面ライダー。#5まで放映の現在、#4のバスガイドの話以外は視聴。


 まぁここ最近子供のなりたい職業で久々に社長が上の方に来た影響かもしれぬが。舞台はすでに機械が人間と共存している世界。石森章太郎先生と複雑な関係である手塚治虫原作の『鉄腕アトム』(52年)か石森氏の『がんばれ!! ロボコン』(74年)的な世界か?
 石森氏なら同じロボットテーマである『人造人間キカイダー』(72年)もあるが、あちらがヒーローもの的な展開をせざるをえず、その関係上あまり人間とロボットが共存している世界的な描写は少なく、むしろそういった要素はのちに作られた『ロボコン』の方に受け継がれたかも? そういえば第一話の腹筋崩壊太郎(ネットの呼び名)はロボコンのロボペケが元ネタでは? との考察も。


 で、今のところは社長自らプレゼンというか売り込み営業しつつも、毎回様々な職業のアンドロイドがテロリストに改造されてテロを起こすというテンプレが続く。同人仲間曰く「人間を被害者にできない苦肉の策では?」との面白い考察も。
 秘書のアンドロイドの姉ちゃんもなかなかの端正な美少女で無自覚なクールな突っ込み役も兼ねていますが、OP(オープニング)のロングヘアーの怖い顔(同型機?)や、何故かテロリストには狙われない不可解さなど、彼女にも何やら秘密がありそう。
 2号ライダー・仮面ライダーバルカンも観ているこちらが心配になるぐらい血の気が多い人で、子供が引かないかな? まあそうなる理由は理解できるが。あとこんなに3号ライダー(女ライダー・仮面ライダーバルキリー)出るのが早いのも珍しいかも?
 彼らは石森氏作品の東映特撮『ロボット8ちゃん』(81年)あたりのロボット管理局みたいなもんか? じゃ彼が新世紀のバラバラマンであの姉ちゃんがバラバラギャルか?


 ここから、各話の所感。


 #3の寿司屋の話。寿司屋のおやじさんの言動がなにか東映特撮『ロボット刑事』(73年)の老刑事の芝のおやっさん的でオマージュ?


 #5の漫画家話。この手の漫画家がやれ機械化やプロダクション化を押し進めた果てに、たいてい終盤で主人公などが自分の手で考えて描いてくださいと批判するというアリガチな展開は、あまりにルーティンだし、かつそういう正論に正直疑問を覚えてきた。
 この手の話の元祖は若き日の藤子不二雄をモデルにした漫画『まんが道』(70年~13年)の「コロコロコミック」連載の子供向け翻案版『ハムサラダくん』(77年)あたりが筆者の目にした最初か? それから業界暴露の大問題作の漫画『編集王』(94年)とか。漫画なんてもんは恐ろしく手間暇の掛かるもので、いかに効率化するかが命題なのだから、それを「魂が入ってない」だなどと根性論で批判してもねー。


 余談だが、漫画『こちら葛飾区 亀有公園前派出所』(76年)での作者の半自伝的なエピソードで出てきた、大プロダクションを率いる大漫画家が一コマのキャラの目玉にしか作画をしないというギャグがあり、それが元祖・分業的プロダクション制度を設立した長寿人気シリーズ『ゴルゴ13(サーティーン)』(68年~)で有名な劇画漫画家「さいとう・たかを」がモデルと噂されたために、何年かに一度はマスコミにそのことで取材され、そのたびに否定するために自ら作画をするシーンを実演せざるをえないという風評被害があるそうだ。
 「やはり漫画は個人で作ってほしい」という変な幻想が正しいとされてしまったゆえの、いまだに存在している悪習慣である。それを言ったらM先生とかFF先生とか(以下自主検閲)。個人的にはその最大のA級戦犯は『編集王』だと思う(笑)。大体あの漫画は大手出版社からの超・上から目線でテメエ何様? という態度が鼻につく作品でした。


 まぁ『ゼロワン』のこの話に関しては、一話で完結させなければならない単発エピソードだし、メイン視聴者である子供たちに分かりやすくするためという同情的な意見もわかるのだが、この手の「漫画家はすべて手描きたるべし」というムダな幻想に基づく作劇パターンはいまだ解決していない根深い問題だと思う。


 『ロボコン』の後番組で、機械に仕事を奪われるエピソードがあった往年の東映特撮『ロボット110番(ひゃくとおばん)』(77年)みたいな話は、今後『ゼロワン』でもあるのだろうか? とか色々興味は尽きない。


 #6がまた、似たような物議を醸しそうな声優のアンドロイド・ネタで不安だった(笑)。声優の仕事を奪う展開とか、内心期待していたジブリの某監督批判(笑)な展開ではなく、実は死んだ娘の身代わりロボットのネタであった(というかイメクラ?)。
 こんな展開が『太陽戦隊サンバルカン』(81年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120206/p1)11話「哀しみのメカ少女」や『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)42話「幻の母は怪獣使い!」にもあったよな? 東映特撮『宇宙鉄人キョーダイン』(76年)も、中の兄弟の本体は敵母星に囚われの身で、地球で活躍するのは兄弟に似せた身代わりのアンドロイドで、それがヒーローに変身していたのだが、この世界ならアウト認定か?
 ただこういう身代わりロボットが普及した場合、初期は法整備が整わないので許されるだろうが、しばらくしてから倫理的にも法的にもアウトになってしまうというのはありそうなので、この話には感心した。敵側も親子関係で悩む。ラストは多少腑に落ちないところもありましたが。サウンド・オンリーって合法?


 バスケ部顧問の話。同時期公開の邦画『任侠学園』(19年)みたいにサラリーマン化する学校とかの教育問題。狙いは悪くなかったがラスト、なんの葛藤もなくコーチ復帰のオチに、安直な展開を感じる。少し息切れか?


(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評4 『仮面ライダーゼロワン』序盤評

(文・久保達也)
(2019年9月28日脱稿)

*リアルで身近な恐怖を描く「新時代」の仮面ライダー


 20年にもおよぶ歴史を誇(ほこ)った「平成」仮面ライダーシリーズを継承する、改元後初の仮面ライダーとなる『仮面ライダーゼロワン』(19年)の世界観はAI(エー・アイ)=人工知能をそのモチーフとしている。
 「時代の鏡」といえるほどに、放映されていた各時代を作風・世界観に反映させることで幅広い支持を集めてきた「平成」仮面ライダーだったが、『ゼロワン』で描かれることとなったAIもまた、「新時代」を生きる人々にとっては決して無視することのできない存在となり得ているものであるだろう。


 配送業や警備業に観光業、喫茶店や理髪店に遊園地のスタッフといったサービス業、果てはお笑い芸人に至るまでありとあらゆる業種に派遣され、人間とともに働いているAIを備えたヒューマノイド型ロボットが、サイバーテロリスト的な悪の集団によって暴走し、全人類の抹殺(まっさつ)を開始する……
 こうしたロボットの人類に対する反乱は、古今東西のSFジャンルの小説・映画・漫画作品などでさんざん扱われてきたものではある。
 ただ、たとえば『ウルトラセブン』(67年)第43話『第四惑星の悪夢』が放映された50年前は、ロボットが支配する星で人間が奴隷(どれい)のように扱われ、抵抗すれば即刻処刑されるさまが描かれようが、視聴者はほぼ絵空事としてのんきにかまえていられたのではなかったか?


 そんな当時とは異なり、2010年代ではAIは国家的プロジェクトに位置づける国もあるほどに世界各国で開発が進められ、すでに人権抑圧や軍事目的に悪用されている例もあるほどだ。
 2018年3月に亡くなったイギリスの世界的に著名な物理学者、スティーブン・ウィリアム・ホーキング博士は、AIの発明は人類史上「最大」の出来事ではあったが、同時に「最後」の出来事になってしまう可能性もあると懸念(けねん)していた。
 現在人間が従事している労働の大半は、AIに置き換えることが充分に可能だとする話はよく聞くところである。重労働なのに低賃金、つまり人間がやりたがらない業界での労働力不足がこの国では深刻な状況だ。
 いや、それ以外の業界でも、企業の経営を圧迫する最大の原因は人件費だ。今後数十年の間に日本に限らず、全世界的にAIの導入は飛躍的に進むことだろう。そうなれば我々はどう暮らすことになるのか……!?


 これはまさに「今そこにある危機」である。かつてなら絵空事として笑い飛ばすことのできた話が、いつのまにか我々が現実に直面する問題と化しているのだ。
 視聴者にリアルで身近な恐怖を感じさせるAIをモチーフにした『ゼロワン』は、やはり「平成」仮面ライダーが支持を集めた要因のひとつである「時代性」を立派に継承しているといえるだろう。


*『ゼロワン』と『ルパパト』のビミョーな関係


 先述したAIロボ=劇中ではヒューマギアと呼称されるが、これの派遣サービスをはじめとするテクノロジー企業・飛電インテリジェンスと日本政府の協力で開発されたヒューマギア運用実験都市が12年前に謎の爆発を起こし、多くの犠牲者を出した「デイブレイク」と呼ばれる大事故を、『ゼロワン』はその発端(ほったん)としている。


 主人公の飛電或人(ひでん・あると)=仮面ライダーゼロワンは、小学生当時にこの「デイブレイク」で父親――回想場面でメカが露出しているようにヒューマギアであり、人間の或人と親子関係である理由は今後語られるだろう――を亡くしており、自身を守ってくれたヒューマギアを、暮らしを豊かにしてくれる人類の「夢」だと考えている。
 一方、内閣官房直属(!)の人工知能特務機関・A.I.M.S.(エイムズ)でヒューマギアの犯罪を取り締まる隊長・不破諫(ふわ・いさむ)=仮面ライダーバルカンは、中学生当時に「デイブレイク」で教室にいた同級生をすべてヒューマギアに殺害され、自身も校内を逃げ回ったあげくに重傷を負っており、ヒューマギアを「殺人マシン」「人類の敵」として激しく憎悪しているのだ。


 同じ大事故に遭遇し、それを引き起こした滅亡迅雷.net(めつぼうじんらいネット)なるテロリスト集団を共通の敵としながらも、その立場や思惑の違いでヒーロー同士が対立する構造こそ、「平成」ライダー最大の魅力のひとつだったが、「新時代」の『ゼロワン』もやはりそれを継承することで群像劇として盛りあげていく作風だ。
 ただ今回かなり驚いたのが、この1号ライダーと2号ライダーの対立に加え、不破と同じA.I.M.S.で技術顧問(こもん)を務め、武装指揮権は私にあると主張して不破と対立する女性・刃唯阿(やいば・ゆあ)が、第3話『ソノ男、寿司職人』でいきなり仮面ライダーバルキリーに変身したことだ!――筆者は今となっては雑誌やネットなどで事前情報を仕入れて観るタイプではないので(笑)――
 「平成」仮面ライダーにも女性が変身するライダーは登場したが、前作『仮面ライダージオウ』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190527/p1)の仮面ライダーツクヨミは最終回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191020/p1)の手前だったし、『仮面ライダーエグゼイド』(16年)の仮面ライダーポッピーや『仮面ライダーウィザード』(12年)の仮面ライダーメイジは第3クールに入ってからの登場であり、これは「新時代」ならではの新機軸として歓迎したいものがある。


 ここで注目したいのが、『ゼロワン』でパイロット――第1話&第2話――を演出したのが、「平成」ライダーで大半のパイロットを撮った田崎竜太監督ではなく、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190405/p1)のメイン監督を務めた杉原輝昭(すぎはら・てるあき)監督であることだ。
 宇宙犯罪集団・ギャングラーを共通の敵としながらも、大事な人を取り戻すために「お宝」を盗むルパンレンジャーと、警察組織としてそれを許せないパトレンジャーが対立する『ルパパト』は、まさに「平成」ライダーのヒーロー対立の図式を導入した、スーパー戦隊としては変化球となる異色作だった。
 父を失った悲しい過去がありながらも、普段はそれをひた隠し、お笑い芸人として「アルトじゃ~~~ないとぉ~~!」(笑)などとかなり軽薄な面がめだつ『ゼロワン』の或人は、兄がギャングラーに奪われたのは自身のせい? との自責の念に苦しみつつも、基本的にはチャラいキャラとして描かれた『ルパパト』の夜野魁利(やの・かいり)=ルパンレッドを彷彿(ほうふつ)とさせるものがある――「チョイ悪(ワル)」的な不良っぽさがないところは異なるけれど――。
 或人を演じる高橋文哉(たかはし・ふみや)の「アルトじゃ~~~ないとぉ~~!」の顔とは別に、シリアスな場面では別人のように精悍(せいかん)な顔つきとなる表情演技もまた然(しか)りであり、これも「平成」ライダーの魅力だった多面的な人物描写を早くも実践(じっせん)できているといえるだろう。


 一方の不破はルックスこそは正統派のイケメンであるも、ヒューマギアを憎むあまりに、ヒューマギアを人類の「夢」とする或人に敵意をむきだしにしたり、変身時に「うぉぉぉ~~~っ!」と絶叫したりする熱血キャラとして描かれており、これまた『ルパパト』の朝加圭一郎(あさか・けいいちろう)=パトレン1号を少々彷彿とさせるキャラではある――熱血さと同時にニヒルなところも強調しているあたりは異なるけれど――。
 また唯阿も色白で低血圧っぽいルックスやかなりのスレンダーな体型をスーツに包んだ姿は大幅に異なるものの、その男言葉やクールビューティーなキャラは『ルパパト』の明神(みょうじん)つかさ=パトレン3号のイメージが投影されているようにも思えるのだ。
 第1話『オレが社長で仮面ライダー』のクライマックスにて、『ルパパト』でよく見られた周囲360度からの回転バトル撮影をさっそく演出した杉原監督だが、本編演出の方でも世代交代として『ルパパト』を逆輸入したかのような群像劇を見せてくれることを期待したいものである。


*「新時代」にふさわしいアクション&特撮演出


 さて世代交代といえば、『仮面ライダーアギト』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011103/p1)から『仮面ライダージオウ』に至るまで――『仮面ライダー響鬼(ひびき)』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070106/p1)を除く――、スーツアクターとして「平成」仮面ライダーの主人公ライダーを長年演じてきた高岩成二(たかいわ・せいじ)が、『ジオウ』をもってついにその道を譲ったことが「新時代」最大のトピックスとしてあげられるだろう。
 ゼロワンのスーツアクターを務めるのは『仮面ライダーエグゼイド』の仮面ライダーゲンムや『仮面ライダージオウ』で仮面ライダーゲイツなどを演じてきた縄田雄哉(なわた・ゆうや)であり、アクション監督はメインの杉原監督の意向により、『仮面ライダーウィザード』の仮面ライダービーストや『仮面ライダードライブ』(14年)の仮面ライダーマッハ、『仮面ライダーゴースト』(15年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160222/p1)の仮面ライダースペクター、『仮面ライダーエグゼイド』の仮面ライダーブレイブなど、これまで2号ライダーを中心に演じてきた渡辺淳が担当している。


 これは高岩氏には大変失礼な話となってしまうが、やはり年齢や体型の変化などにより、近年の「平成」仮面ライダーは氏が動ける範囲内でのアクション演出が構築されていたような感が個人的にはあり、スピード感やアクロバティックな印象がやや薄いように思えたものだ。
 ゼロワンを演じる縄田氏は177cmの長身でありながら体重が約60kgとかなりスリムな体型だが、その変身過程で通信衛星から転送され、ピョンピョンと跳(と)びはねた末にいくつものパーツに細かく分離してゼロワンに合体する巨大でも身軽でシャープな黄色いバッタの印象ともマッチしていて、氏が選ばれたのは妥当(だとう)のように思える。
 特に第2話『AIなアイツは敵? 味方?』のクライマックスバトルにて、造成地(笑)ではなく、都心のオフィス街で敵怪人とバイクを併走(へいそう)させ、ともに赤レンガの階段をバイクで駆け降りてみたり、バイク上にて格闘を演じたり、歩道橋の高さスレスレにバイクをジャンプさせたりといったアクション演出は、「新時代」の仮面ライダーに対する意気ごみをおおいに感じさせるものだった。
 同じ第2話にて、不破と唯阿がCGで描かれた怪人のブーメラン攻撃を体を反転させてよけるさまを俯瞰(ふかん)してスローで表現したり、仮面ライダーバルカンが埠頭(ふとう)に高々と積まれたコンテナを移動しながらバトルを演じたり、第3話で仮面ライダーバルキリーに蹴(け)られた戦闘員が大地をすべりこんで倉庫のシャッターにぶつかったりなどの演出もまた然りであり、「新時代」の仮面ライダーにふさわしい革新的な見せ方といえるだろう。


 こうした絶好調なアクション演出にCG演出も華麗に融合しており、第1話のクライマックスで怪人の攻撃で宙に舞った多数の車をゼロワンがジャンプを繰り返して飛び越えてみたり、第2話ではじめて描かれたバルカンの変身が、銃型の変身アイテムから発砲された弾丸が戦闘員を狙撃したあとにターン、それを不破がたたきつけて割る(!)ことで細かなパーツに分離し、不破に合体して『仮面ライダードライブ』の3号ライダー・仮面ライダーチェイサーのようなメタリックな水色と白を基調とするヒーロー――白いマスクはドクロをモチーフにしたかの印象であり、元々はダークヒーロー・魔進(ましん)チェイサーなる「死神」だったチェイサーとも共通している!?――が誕生するという、あまりに華(はな)にあふれる描写は実にカッコいいものがある。
 さらに第3話でイカ型の怪人に対してサメ型にタイプチェンジしたゼロワンの戦いが、怪人の長く伸びる多数の足や水しぶきのCGが効果的に映るように水路で演じられたり、第4話『バスガイドは見た! アンナ真実』での不破と多数の戦闘員との戦いを、暗くてかなり狭い密室のような閉所で撮影するなど、その舞台の選定も凝(こ)っているように感じられる。


 黒地に蛍光色(けいこうしょく)の黄色いバッタのパーツが全身描かれたゼロワンのデザインは装飾も少なく、かなりシンプルな印象が強いが、やはりスーツアクターが世代交代となったのを機に動きやすさを重視したのかと思えるし、第3話でのサメに第4話でのハヤブサなど、今後も多数のタイプチェンジを披露することを想定して、あえてそうしたのだと推測される。
 アタッシュケースが剣に変型するゼロワンの武器の名称はアタッシュカリバーなのに、それを使った必殺技が「ライジング“カバン”ストラッシュ!」なのは、「子供番組」である以上やむを得ないところだが、筆者は大スキである(笑)。平成ライダー初期のころの特撮マニア間で「リアル至上主義」が全盛だった時代とは異なり、今では多くの特撮マニア諸氏もこういう適度にB級・イロモノ感覚も確信犯で随所に混ざってくる作風は、好意的に受け取られてイイ意味で笑いながら観ているのは読者諸兄もご承知の通りであろう。
 女性版仮面ライダーバルキリーはネコ型のマスク――実際はチーターのようだが――でオレンジを基調としたヒロインであり、これは映画『劇場版 ウルトラマンR/B(ルーブ) セレクト! 絆(きずな)のクリスタル』(19年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1)でデビューを飾った、ネコ耳でオレンジのウルトラウーマングリージョとモロにかぶっているのだが(笑)、少子化の昨今を思えばこんなヒロインを序盤から登場させることで、少しでも女児をライダーファンに取りこもうとする戦略はおおいにアリだろう。
 さらに暴走プログラムをインストールされることで、人類を絶滅させる怪人と化したヒューマギアのデザインは、昆虫・爬虫類(はちゅうるい)・哺乳類(ほにゅうるい)などのすでに絶滅した生物たちからモチーフが選ばれているのは秀逸(しゅういつ)にすぎるものがある。


*ドラマ演出も快調な『ゼロワン』


 さて或人は元々売れないお笑い芸人として活動していたが、祖父であり飛電インテリジェンスの社長だった飛電是之助(ひでん・これのすけ)が亡くなり、その遺言状(ゆいごんじょう)によって2代目社長に急遽(きゅうきょ)任命されてしまう。
――飛電是之助を演じるのは、『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)以来、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)や『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1)などでウルトラの父の声を務めてくれている西岡徳馬(にしおか・とくま)!――


 自分の夢はお笑い芸人の頂点をめざすことだとしてそれをいったんは断ったものの、暴走したヒューマギアに活動の舞台としていた遊園地が襲撃され、世話になった支配人の危機を前に、黒髪ショートボブで人間の言動を理解できない際に首を傾(かし)げるさまがカワイイ秘書型ヒューマギア・イズが持参したセキュリティシステムを使うことを決意し、やむなく社長の座にもつくこととなる、仮面ライダーとしては伝統の巻きこまれ型の主人公として描かれている。
 或人が就任したために社長の座を逃した副社長・福添(ふくぞえ)が或人の失脚を望むさまが点描されることから、今度の仮面ライダーの敵は決して悪の組織ばかりではない(笑)。


 だがヒューマギアを憎む不破にとっては、その製造元である飛電インテリジェンスは立派な悪の組織であり、「デイブレイク」が起きた真の理由を隠蔽(いんぺい)する同社を激しく糾弾(きゅうだん)するさまが、やはり同じく事故で父を失ったゲストの中学生少年と不破を重ね合わせた第4話で描かれた。利益を守るために真実を隠すのが企業経営だとして、福添が往年のロッキード事件(76年)で国会に証人喚問された小佐野賢治のごとく「記憶にございません」を繰り返すさまも実にリアルだ(苦笑)。
 その隠蔽体質を不破と同様に嫌うがために、イズにとめられていたにもかかわらず、第4話で隠しごとはしたくないと或人が不破の前で変身して早くもゼロワンの正体を明かしてしまうのは、或人のキャラの掘り下げとしては実に効果的だったかとは思える。


 ただラストでその姿勢にウソはないからと、不破が早くも或人に対して笑顔を見せるのは……頼むからもう少しケンカしてくれよ(笑)。
 せめて第1クールのラストとかで最強怪人の襲撃を受け、正体がバレようが或人がここで変身しなければ不破が命を落としてしまう! なんてシークエンスまでひっぱって盛りあげる手法もあったかと思えるのだが。
 まぁ『ゼロワン』のメインライターを務める高橋悠也(たかはし・ゆうや)は、今回プロデューサーに返り咲いた東映の大森敬仁(おおもり・あきひと)とともに『仮面ライダーエグゼイド』を最高峰(さいこうほう)の群像劇として盛りあげただけに、今後も期待しているのだが。


 実際第3話や第4話はこれまで仮面ライダースーパー戦隊でやや人間ドラマ主導の演出を手がけてきた印象が強い中澤祥次郎(なかざわ・しょうじろう)監督だったこともあり、或人がヒューマギアにも「心」があると信じるハートウォーミングな話が描かれていたものだ。
 第1話で怪人と化すお笑い芸人型のヒューマギアが、人間の漫才コンビのステージを見て当初は無表情だったものの、客席が人々の笑いで包まれているのを情報として認識したことではじめて笑顔を見せる描写は、AIの本質を的確に描いた名演出だったかと思える――演じたのは『ウルトラマンタイガ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1)に登場するウルトラマンタイタスみたいな(笑)マッチョな芸人「なかやまきんに君」だが、「人類に夢を見る未来は来ない!」などと、ひたすら凶暴な怪人の声の演技は絶品だった――。


 つまり、AIに「心」は存在しないのだが、第2話に登場する警備員型のヒューマギア・マモル(笑)の負傷した右腕に、或人が「家族みたいなもん」として包帯代わりに気持ちとして黄色いハンカチを巻いてあげたり――山田洋二監督の名作映画『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』(77年・松竹)が元ネタか?――、第3話で寿司職人型ヒューマギア・一貫(いっかん)ニギロー(爆)――先述した『ウルトラマンメビウス』の防衛組織・GUYS(ガイズ)のクゼ・テッペイ隊員や、『仮面ライダー電王』(07年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080217/p1)でイマジン(怪人)のキンタロスが当初憑依(ひょうい)していた柔道部員などを演じた内野謙太(うちの・けんた)だった――が怪人化し、いつでも復元できるただの道具として攻撃をかけた唯阿に、或人が「せっかく人間と通じあえたのに壊せるかよ」と戦いを拒絶、ゼロワンが頭部やベルトのポイント攻撃で怪人をマモルやニギローに戻す描写はやはり泣けるものがあったのだ。


 こういった泣ける描写も先述したような仮面ライダーのカッコいいアクション演出や或人のコミカルな描写が強調して演出されていたからこそ、過剰(かじょう)に湿っぽくならずに視聴後にさわやかな印象が残ることとなったのであり、どうにも後味の悪さばかりがめだつ(汗)『ウルトラマンタイガ』と比べると、本編のドラマ演出においても『ゼロワン』の方が一枚上であるかのように思えてならないものがある。
 ちなみに動画無料配信サイト・YouTube(ユーチューブ)では『タイガ』第1話の再生回数は1週間で100万回を超えていたが、『タイガ』と違って地上波で全国同時ネット放送もされているハズの『ゼロワン』の第1話は、1週間で『タイガ』の倍の200万回(!)を記録しており、円谷プロ東映のアクションやコミカルさを強調して本来は重たいドラマやテーマがあっても明朗に見せている『ゼロワン』を見習って、いい加減にその悪い意味でのドラマ主導の姿勢をあらためるべきではないのか?
 「新時代」早々に好調なスタートを切った『仮面ライダーゼロワン』、今後も期待大である。


2019.9.28.
(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評5 『ゼロワン』が新たな時代を切り拓く!!

(文・J.SATAKE)


 「人工知能搭載ロボ・ヒューマギアが
  様々な仕事をサポートする新時代。
  AIテクノロジー企業の若き社長が
  人々の夢を守るため、いま飛び立つ!!」


 『仮面ライダークウガ』(00・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001106/p1)からついに連続第21作目となる新作は『仮面ライダーゼロワン』(19)。
 人工知能の研究は日進月歩。様々なデータを集積することでAIが俳句を詠み、人類の未来を予測することも可能だ。人体を再現できるロボット工学がさらに進歩すれば、本作のようなヒューマギアが現実世界で活躍することも絵空事ではないだろう。
 しかしAIが人類の知性を越えることで人の生活が激変するシンギュラリティ(技術的特異点)を人類のさらなる発展の契機と見るか、種としての衰退が始まると見るかで、古典SFの時代からあった議論がついに現実の社会でも熱く交わされるようになった。我々ジャンルファンにとっても大変興味をひかれるこの問題を「仮面ライダー」ではいかに描くのか?!


 東映プロデューサーは大森敬仁氏、脚本は高橋悠也氏。このコンビは「ゲーム」と「医療」というまさかの組み合わせで平成仮面ライダーの新たな可能性を開拓した『仮面ライダーエグゼイド』(16)を送り出している。
 アクションに関しては、長らく主役ライダーのスーツアクターを務めてきた「ミスター平成ライダー」=高岩成二氏が前作『仮面ライダージオウ』(18)をもって勇退。アクション監督は宮崎 剛氏から渡辺 淳氏へと、ジャパンアクションエンタープライズ=JAEも新たなスタッフが活躍の場を広げる。
 そして本作の方向性を指し示す第1・2話の監督は杉原輝昭氏。1年間のテレビシリーズを通してふたつのスーパー戦隊が対決した『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18)において緊迫したキャラクター配置が生み出す充実したドラマと、新たなカメラワークによる斬新なバトルアクションを見せてくれた杉原氏が令和時代の新たな仮面ライダーを撮る!


 とにかく見せなくてはならない設定やキャラクターが目白押しの初期編。巻頭は街頭に浮かぶ巨大ビジョンから流れる人工知能ロボット=ヒューマギアのプロモーションビデオで端的にその設定と世界観を提示。それを背にして自転車を必死に走らせるのは、遊園地のステージショーに寝坊したひとりのお笑い芸人・飛電或人(ひでん あると)であった!
 芸人とAI企業というこれまた異色の取り合わせだが、ビデオでヒューマギアが導く未来を示していた開発企業・飛電インテリジェンス社長=飛電是之助(ひでん これのすけ)の訃報で事態が大きく動き出す……。メカニックなヒューマノイドのビジュアルと、是之助役の俳優・西岡徳馬氏の組み合わせが大きなインパクトを与え、一気に作品世界への興味も惹起できている導入部だ。


 なんとかステージに間に合ったアルトだが、オーバーアクションを交えた駄洒落ギャグはスベりまくり「アルトじゃあ~ないと~!」のキメ台詞もむなしく響く……。
 一方、お客を爆笑させた芸人は腹筋崩壊太郎! 筋肉モリモリ・ヒューマギアの彼は、自身の強みである腹筋のパーツをはじき飛ばすパフォーマンスで老若男女からウケをとり会場を笑顔で満たす! 耳から後頭部を覆うデータ受信機を装備している以外は人間と寸分違わないヒューマギアは、お笑いの世界でも活躍しているのだ。
――腹筋崩壊太郎役は筋肉がウリの芸人・なかやまきんに君東映特撮にお笑い芸人の出演が増えている。個性的な容姿・言動が役柄にフィットしていれば今回のように見事にハマることもあるので、キャスティングの挑戦は続けていただきたい――
 アルトは遊園地の社長からお暇を言い渡される。来園したみんなを笑顔にする、それはヒューマギアにもできるからね、と。……落胆するアルトの前に現れた少女=ヒューマギア社長秘書・イズは、彼を飛電インテリジェンス本社へと招き入れる。


 是之助の遺言状には、ヒューマギアが危機にさらされるとの予言が。それを救うためのアイテム・飛電ゼロワンドライバーの存在。そして孫であるアルトを新社長に迎え、一丸となって立ち向かってほしいと記されていた……!
 同族経営は会社の私物化だ! 騒然となる幹部会議室。アルトもまた社長就任を固辞する。社長という仕事ではみんなを笑顔にできない、芸人を続けることが自分の夢だと遊園地に戻るアルトだが、そこでは惨状が広がっていた!!


 自分のパフォーマンスで笑顔が広がる。データを集積して「何か」をつかむ腹筋崩壊太郎。そこへフードで姿を隠した人物が現れ、人類抹殺を促す。
 人とともに歩むことをプログラミングされたヒューマギアには当然承服できないこと。しかし「滅亡迅雷.net」の男は崩壊太郎の腰に悪の変身ベルト、人類抹殺ドライバー・ゼツメライザーを強制装着! ヒューマギアのプログラムをすべて抹殺プログラムへ書き換えてしまう。さらに武装変身のためのアイテム・ゼツメライズキーをセットし、崩壊太郎を抹殺の尖兵=カマキリの能力を付加した怪人・ベローサマギアへと変貌させてしまう!


 滅亡迅雷.netは「デイブレイクタウン」と呼ばれる立ち入り制限区域の都市に潜伏している青年・滅(ほろび)と迅(じん)のふたりだ。12年前、ヒューマギアの運用実験都市が動力炉の爆発を起こし甚大な被害をもたらした場所、とされているが、そこではヒューマギアの暴走により多くの死者が発生したとも……。「マギア作戦」=ヒューマギアを暴走させ人類抹殺を望む彼らの胸の内には何が潜むのか?


 ベローサマギアは周辺のヒューマギアのプログラムも汚染して三葉虫の能力を持ったトリロバイトマギアを作って人々を襲う! 笑顔は奪われ恐怖が広がる遊園地に絶望する社長の姿に、アルトの怒りの火がついた!
 イズからゼロワンドライバーを受け取って腰に装着! カード型のプログライズキーをドライバーのサークル部分に当てスキャンさせると、プログライズキーをさらに長方形型に展開してドライバーにセット。そのデータは通信衛星ゼアに瞬時に送られ、アルトは電脳世界と直結した!
 AIとつながることでベローサマギアの攻撃が到達する数秒間で、ゼロワンの機能を習得するチュートリアルモードをクリアするアルト。「初変身でなぜかしっかり戦える」問題に説得力ある回答を与えていた!
――通信衛星ゼアのシステムガイダンス・ザットの声を担当するのは、現実世界のナビゲーションボイスにも採用されているベテラン声優・日高のり子氏! これによってさらに違和感なく『ゼロワン』の世界が今と地続きであるかのような気持ちにさせられる――


 アルトの全身を漆黒のアンダースーツが包み、超高空の衛星ゼアから送られた光線エネルギーが巨大なバッタ=ライズホッパーを形作ると彼の周りを飛び跳ねる! それが再び光線となってスーツ上を走ると身体の各部に鮮やかな蛍光イエローグリーンの装甲が施された戦士「仮面ライダーゼロワン・ライジングホッパー」が完成した!!
 昭和の元祖・仮面ライダー1号と同じく大自然の象徴=バッタと人類が獲得した科学技術を掛け合わせたヒーロー像を本作のテーマにそってデザインされたゼロワンは、新たなスタンダードを生み出そうとするスタッフの決意の現れだろう。


 「お前を止められるのはただひとり。オレだ!」


 ゼロワンに変身したことで攻撃力が跳ね上がったアルト。一蹴りのジャンプで遊園地のジェットコースターのレールの高さまで飛び上がったことに驚く! ベローサマギアとの対戦は『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』で培った自在に視点が動き続ける自撮り棒的なカメラワークと、ゼロワンからの主観映像でこれまでになく被写体に近接した画で臨場感を高めている!
 マギアが繰り出す鎌状のエネルギー波を避けながら車上を飛び跳ねるゼロワン。さらに爆発で舞い上がったバスの車内という限定空間をすり抜けて、最後に降車ボタンを押してから脱出するお茶目さも見せつつ(!)、接近してのパンチを見舞う!
 このシーンは実景でのスーツアクターのライヴアクションに、デジタルのキャラクターやその他のストラクチャーを合成する特撮技術を総合したエキサイティングなバトルアクションとなっていた!


 連続キックで怪人ベローサマギアを空に蹴り上げ、ゼロワンはエネルギーをチャージ。高空からのライダーキックがマギア怪人を貫く「ライジングインパクト」が炸裂する!
 画面一杯に一文字ずつ打ち出し、あらためてL字型に必殺技名を表示する決めの画は、漫画の見開きページやゲームのフィニッシュシーンのような爽快感をもたらしてくれる!
 スライディングで着地したアルトは誤って足首をひねり、アスファルトがはじけ飛ぶ! アトラクション施設をなんとか壊さずにとどまり、ゼロワンはデビュー戦をクリアしたのであった。


 遊園地の被害は小さくはないが、これからもみんなの笑顔のために営業を続けると子供たちに約束する遊園地の社長。そして彼の決意にゼロワンでしかできない「笑顔の取り戻し方」を見いだしたアルト。社長役のベテラン俳優・金田明夫氏の演技も相まって、アイコンタクトでそれぞれが進む道でみんなを笑顔にしようと確認しあうふたりの絆が、胸を熱くさせるシーンであった。


 ゼロワンドライバーを使用したことで飛電インテリジェンスの新社長となったアルト。しかし型破りの存在はさまざまな壁に突き当たる。
 副社長の福添 准(ふくぞえ じゅん)は正式な人事異動もないうちに是之助社長に代わる自身の巨大な肖像画を手配してしまううかつな男だ。しかし、アルトの想定外の言動には「成功すれば会社の利益、問題となればすべての責任は社長にあり」として彼を失脚させようと狙ってもいる。お笑いコンビ・アンジャッシュ児嶋一哉氏が、大人の小狡さをさらけだすコメディリリーフとして好演していた。


 社長秘書のイズはアルトにつき従って業務をサポートするだけでなく、ゼロワンの戦闘データを収集し通信衛星ゼアのメインシステム=ザットに報告。それにより、多様なマギア怪人の特徴・バトルスタイルに対応するプログライズキーの設計データが返送され、大型3Dプリンターのような工作室において短時間で製造されるのだ。
 そしてアルトを通して人間の心を学んでゆくイズ。ふたりの関係から人間が生み出した技術とどう付き合っていくかをさまざまな角度から見せてくれる。
 アルトが絞り出す渾身の駄洒落ギャグを、イズがこれとこれをかけ合わせたものとあまりに無粋(ぶすい)に解説してしまい、「説明しないでぇ~~!」とアルトが絶叫したり、「アルトじゃ~ないと~!」のキメ台詞をイズが絶妙なタイミングで彼から奪って披露したりと笑わせるシーンがある。
 はたまたヒューマギアと人間が向き合う場である職場の「仕事」から派生するさまざまな感情にアルトも揺れ動き、それを見つめるイズがどう行動するかがハートフルドラマにうねりを持たせる。


 実直に安全を保持する警備員ヒューマノイド・マモルの怪我にバンダナを巻いてやるアルト。寿司職人の親方の無意味な動きを取り入れた握り方のなかに客を「喜ばせる心」が込められていることを知る寿司職人ヒューマノイド・一貫ニギロー。彼らの行動を追うことで我々視聴者も、実生活で子供から大人まで人生に関わり続ける「仕事」にあらためて向き合う時間になるのも興味深い。


 日本政府が「働き方改革」を打ち出して久しいが、新旧の制度と意識の溝が埋まらず混沌としているのが現状だろう。テレビドラマでも「仕事」をテーマにする作品が注目されている。遊川和彦氏が脚本を担当した『ハケン占い師アタル』(19)や『同期のサクラ』(19)は、ピュアであるがゆえエキセントリックに映る主人公が周囲を巻き込む展開で「仕事」の理想と現実を浮き彫りにし、視聴者に「仕事の意義」を問いかける。
 『ゼロワン』は「仕事の夢」を主に扱っているが、現実に我々が手にするであろう「AIと歩む未来の仕事と社会」をシミュレートするという点で幅広い層に響くのではないだろうか?


 謎多きヒューマギアの暴走。その脅威に対抗するのはゼロワンだけではない。A.I.M.S.=エイムズは内閣官房直属の対人工知能特務機関だ。人工知能特別法に基づきヒューマギアが人類の脅威となった時は、実力を行使する権限を持っている彼ら。
 隊長・不破 諌(ふわ いさむ)はすべてのヒューマギアを悪と見なし、その存在すら許すまじと殲滅を心に誓い戦う男だ。その憎しみの源はデイブレイクタウンにあった。実験都市に住んでいた彼はヒューマギアの反乱をその身で体験していたのだ! 通常の武装ではマギアの残虐行為を止めることはかなわない。特殊車両から秘密兵器=ブルーのハンドガンを持ち出す諌! これならマギアに有効な攻撃ができるのだ。そしてプログライズキーをセットしようとするが……ロックがかかっており「使用許可」がなければ発砲もできない兵器であることが示される。
 しかし諌はこのロックをヒューマギアへの憎しみの力で強制解除してしまう!! エイムズショットライザーにプログライズキーをセットしトリガーを引くと弾丸状の「変身バレット」が発射。一旦敵へ向かったバレットが急旋回して諌の手許に戻ってくる! それに正拳をブチこんだ彼の全身にバレットが展開して強化スーツへと変化してゆく!!
 「仮面ライダーバルカン・シューティングウルフ」の誕生だ。シルバー&ホワイトのシンプルなスーツに、「武装+動物」に特化したアーマーを装着する。プログライズキーは共通のシステムだが、ゼロワンとは系統が異なるのか? エイムズも独自の開発能力を備える機関のようだ。


 メイン武装である銃が変身ドライバーを兼ねるパターンは『エグゼイド』でも採用されたものだが、複数ヒーロー制となりそれぞれの勢力・立場で「正義」を主張する時代の仮面ライダーにおいては、それを設定的にも象徴させる変身アイテム・ドライバーの複数タイプ化――細部に共通性も持たせつつ――も当然の流れだろう。その強大な力をどのように使うのか? ヒューマギアへの憎悪が過剰に勝っているキャラクターをひとり設定することで、神にも悪魔にもなる選択を鋭く突きつけるのも、元来は悪の組織出自の改造人間であった『仮面ライダー』のテーマの変奏でもある。


 ヒューマギアへ「夢と愛」を見るアルト。そして「罪と罰」を見る諌。正反対の感情で対立するふたりのヒーローを見事にドラマ&バトルに織りこんでいる。
 「デイブレイク」で互いに生命の危機に見舞われたふたり。アルトは父・其雄(それお)がヒューマギアであるその身を挺して爆発から守ってくれたことで、機械の身体にも「親の情愛」が宿ることを実感していたのだ! 其雄役に目を引くように高名な俳優・山本耕史氏を配し、父が機械の身体であるというショッキングなシーンで謎を提示する構成は見事だ。
 しかし一方の諌は、家族と居場所を奪ったマギアを憎み、真実を隠蔽する飛電インテリジェンスを信じることはない……。


 それぞれがマギア怪人を倒すため戦う仮面ライダーゼロワンと仮面ライダーバルカン。一度悪のプログラムに染まったヒューマギアは破壊するしかない。
 怪人化したヒューマギアらを救うために苦渋の選択として戦うゼロワン! 近年テレビシリーズではご無沙汰だったバイク同士のバトルチェイスアクションを展開! 旧来からの固定牽引によるバイク上の肉弾戦、バイクテクニックを駆使したライヴの追跡戦、デジタル合成ならではの物理法則を越えた迫力あるビル壁面の走行シーンなど、多彩な組み合わせでアクションを見せてくれる!
 一方、ヒューマギアの存在自体を許さず、激しい殲滅戦を展開するバルカン! 大型コンテナが積まれた集積場を舞台に、素早く移動するクエネオマギア怪人のくりだすブーメランとバルカンの銃撃が交差する!


 互いの信念を体現するバトルアクションを交互に見せてゆくことで、対立する「正義」も際立たせている。


 ゼロワンの必殺キック・ライジングインパクトが炸裂し、エカルマギアは爆散。そしてクエネオマギアを追い詰めたバルカンは、エイムズショットライザーのエネルギーをフルチャージして必殺技・シューティングブラストを発射!――こちらも画面に必殺技名を一文字ずつ打ち出す漫画的なインパクト大の演出を踏襲――


 諌の怒りを載せたかのような灼熱の弾丸はマギア怪人を貫き後方のコンテナをも熔解させる! その先には別のマギア怪人を倒したゼロワンが佇んでいた……という図もカッコいい! マギアだけでなく飛電インテリジェンスも倒すべき相手だと心に誓う諌の復讐の炎は燃え上がる。


 エイムズの技術顧問であり武装指揮権を持つ女性=刃 唯阿(やいば ゆあ)。彼女も人工知能特別法に基づき任務を遂行する。しかし、諌のようにヒューマギアを敵視せず、アルトのように思い入れや愛を見いだすこともしない第3の立場のキャラとして描かれる。
 ファニーフェイスとは対照的なクールな視点で、彼らを人類に有効な存在として利用すべしとするリアリストだ。マギア化を恐れ破壊することに逡巡するアルトは彼らにも「命」はあると主張するが、唯阿は「保存されたデータさえあれば再生できる」とするところが顕著だ。


 彼女は諌の暴走を止める武装指揮権者だけでなく、前線に立つ戦士でもある。エイムズショットライザーを腰のベルトに装着しプログライズキーをセットすると、メタリックオレンジのアーマーが鮮烈な印象をあたえる「仮面ライダーバルキリー・ラッシングチーター」へと変身! 女性特有のしなやかで俊敏な動きで翻弄し、四方からの連続射撃でマギアを封じ込める必殺技・ラッシングブラストを見舞う!
 さらに電撃と蜂の能力を組み合わせた「ライトニングホーネット」では、水中に逃げ込んだマギアを蜂の竜巻で捕獲し、つま先に電撃を集約させた「蜂の一刺し」=サンダーライトニングブラストフィーバーで撃破するという「プロの腕前」を見せつける!
 技術顧問である唯阿は使用した武装・プログライズキーのデータを収集し報告する任務もある。その「闇の上司」が新たなプログライズキーやアタッシュケースが変形する新武装=アタッシュショットガンを提供してくるのだ。国策を左右する重大プロジェクトであるヒューマギアの技術を独占しようとするのはいかなる人物か?! 清濁あわせ飲む唯阿の動向も見逃せない。


 アルトも新社長としてヒューマギアには「夢と希望」があると知らしめるために行動を始める。ヒューマギアの暴走は「滅亡迅雷.net」が行ったことだと記者発表。そしてかねてより疑惑が持たれていたデイブレイクタウンの爆発事故の真相に迫るため、アルト自身が潜入を決行! 同じく爆発事故の責任者を父に持ったことで、いまだに責められている少年・郷と出会った諌も真実を確かめなければ前に進めない、とふたりで工場地帯へと侵入する。
 マギアたちの襲撃を退けてアルトたちは旧型ヒューマギアからデータを回収。ヒューマギア暴走の事実と、さらなる拡大を防ぐために動力炉の爆発を選ばざるを得なかった郷の父の決死の判断を目の当たりにする!――ここでも正しい歴史をお客に伝えることを信条とするバスガイド・アンナと、被害を最小限にしようと戦った郷の父の仕事への使命感をバトルアクションドラマに組み込んで見事に構成できている――
 会社のイメージダウンを憂いて口を閉ざしていた福添たちを抑えて事実を公表するアルト。隠し立てすることなく真実を明かし、これからどうするかをしっかりと示す。これしか信頼を取り戻す道はないだろう。郷少年と父の名誉は回復し、ゼロワンの正体がアルトであると明かされた諌も飛電インテリジェンスへの疑念が少し晴れたようだ。
――第2話でアルトの駄洒落ギャグに拳を震わせていた諌。それはアルトへの怒りのアクション、と見せておき、この第4話で実はダジャレが諌のツボにハマって笑いを必死にこらえていたことがわかる!(笑) シリアス至上主義で考えれば台無しな描写なのだが、日曜朝の子供向けファミリー番組でもある本作としては、過剰に深刻の域に踏み込ませないためのストッパーであろうし、たとえ幼児向けでも対立するふたりにもわかりあえる余地があることを示唆している優しい演出だ――


 デイブレイクの真実を暴かれ、滅亡迅雷.netはゼロワン打倒へと動く。マギアを使いファルコンのプログライズキーを強奪した迅は、腰に装着した変身ドライバー・滅亡迅雷フォースライザーにキーをセットすると仮面ライダー迅・フライングファルコンへと変身!――本来、プログライズキーは選ばれた者しか展開できないが、この変身ベルト・フォースライザーはそれを強制解除できるシステムを実装しているという設定がワクワクとさせてくれる――
 仮面ライダー迅はマギア怪人を上回る攻撃力と飛行能力でゼロワンを圧倒する! 蛍光ピンクのスーツは悪役らしからぬ配色だがマスクに配された鋭角的な隼(ハヤブサ)のデザインが、同じモチーフのゼロワン・フライングファルコンとは違う凶暴さを印象付ける。


 そして新たな衝撃。滅は迅を「息子」と呼び、子は親に従えばよいと言い放つ! 迅は滅が造ったヒューマギアであった……。
 歪んだ「親子の情愛」に怒りを燃やすアルト! 子を守るためなら自分の命も厭わない、その気持ちがわからない者に親子を名乗る資格などない! ましてや愛を語り、子に悪事をはたらかせることがどれだけ罪深いかを!
――アルト自身の過去の体験はもとより、ヒューマギア声優としてデビューした香菜澤セイネが、所属社長・多澤が亡くした娘の姿と記憶を再現した女性であり、ヒューマギアが「家族」として命を代替することがはたして幸福となるのか否かをも提起して物語に組み込む!――


 人類の未来の可能性と、心の奥の感情を引き出す新たな技術=ヒューマギア。その存在を核として、アルトの飛電インテリジェンス・諌と唯阿のエイムズ・滅と迅の滅亡迅雷.net。三つの勢力がせめぎ合う!――しかもそれぞれが一枚岩ではなく、様々な思惑(おもわく)が交錯する微妙なバランスを保っている点にも注目――
 そしてヒューマギアと向き合う一般市民の反応・感情も取り込んでバトルアクションドラマとしての一編に仕上げる。非常に密度の高い内容で、毎回グイグイと引き込まれてしまう。


 SFドラマとしては古典ともいえる「人に限りなく近い機械」へ抱く人間の感情。そして「機械に感情・自我は生まれるのか?」という問い。そこに「働き方改革」を声高に唱える今の日本の情勢と「AIシンギュラリティ」が重ねられた。さらに撮影技術と演出が進歩した東映特撮ヒーローとしてのエンターテインメント・バトルアクションも加味されて、幅広い年代に訴えかける三世代型ヒーロー作品としてのバランスも良好であろう。
 これからの展開にも大いに期待しつつ、「令和の仮面ライダー」だからこそ描けるより進化した特撮ヒーロー作品を楽しみたい。


(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評6 仮面ライダーと野球ネタ。バッターだけに(社長)

(文・戸島竹三)


 第1、2話のマギアナ役はテレビ朝日島本真衣アナウンサー。父親はプロ野球近鉄の選手だった島本講平


 他に元・プロ野球選手の娘が特撮キャラを演じた例は、


・映画『宇宙人東京に現わる』(56)の苅田とよみ(青空ひかりとその姿を模写した天野銀子(パイラ星人)。東急の苅田久徳
・映画『ウルトラマンコスモスVS(ブイエスウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE』(03)の吹石一恵(ゲストヒロイン・ジュリ=ウルトラマンジャスティス。近鉄吹石徳一
・『超人機メタルダー』(87)の青田浩子(メインヒロイン・仰木舞。巨人の青田昇


 まで判明。


 当然ながら、長嶋一茂主演の郵便配達員を描いた映画『ポストマン』(08)は別カテゴリーとした。
 脱線するが、メインヒロイン・イズ役の鶴嶋乃愛(つるしま・のあ)が、同じ石ノ森章太郎原作マンガ『サイボーグ009』(64年)の主役・島村ジョーと同じ姓である、女性向け廉価服飾チェーンのファッションセンター「しまむら」のCMに出ているのも興味深い(笑)。


(了)


仮面ライダーゼロワン』序盤合評7 『仮面ライダーゼロワン』第1クール評 ~主要キャラの「人物相関図」が早くも激変!

(文・久保達也)
(2019年12月14日脱稿)


 「平成」仮面ライダー第2期シリーズの大半の第1クールがそうだったように、「新時代」の仮面ライダー第1作『仮面ライダーゼロワン』(19年)の第1クールも本編ゲストの境遇を主要キャラと重ね合わせて展開する、いわゆる「お悩み相談」方式が採用されていた。


 もっとも『ゼロワン』の場合はゲストが純然たる人間キャラではなく、AI(エー・アイ)=人工知能を備えたヒューマノイド型のロボット=ヒューマギアだったのだが、「平成」ライダー第2期のゲストが自身のなんらかの「悪意」が原因で怪人と化していたのに対し、ヒューマギアの場合は怪人となるまではほぼ「善意」のかたまりであり、あくまで敵組織の滅亡迅雷.net(めつぼうじんらい・ネット)の「悪意」によって怪人となるのだ。
 それが『ウルトラマンタイガ』(19年)に登場してきた「お気の毒な宇宙人」たちと同様の印象を受けただけに、個人的にはそんな「お気の毒なヒューマギア」をゼロワンが倒すことに対し――いくら再生可能とはいえ――、勧善懲悪(かんぜんちょうあく)のカタルシスは得られにくいのでは? と正直思っていた。


 だが『ゼロワン』の場合、大物俳優・大和田伸也が本人役で出演した第10話『オレは俳優、大和田伸也』(笑)&第11話『カメラを止めるな、アイツを止めろ!』(笑)あたりから、序盤の1話完結形式ではなく連続ものとしての趣(おもむき)が強くなり、その中で早くも主要キャラの心の変遷(へんせん)や人物相関図の変化が描かれている。
――実は大和田伸也は特撮作品への出演は今回が初めてではなく、映画『ゴジラVS(たい)モスラ』(92年・東宝)のありあけ丸の船長役や、映画『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』(01年・東宝)の三雲陸将役、映画『侍戦隊シンケンジャー 銀幕版 天下分け目の戦(たたかい)』(09年・東映http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100810/p1)の敵妖怪・脂目(あぶらめ)マンプクの声などをすでに務めていた――


 第8話『ココからが滅びの始まり』&第9話『ソノ生命(いのち)、預かります』で、滅亡迅雷.netが大病院に勤務する多くのヒューマギアを次々に暴走させた事件の中で、不破諫(ふわ・いさむ)=仮面ライダーバルカンが重傷を追うも、ヒューマギアの医者・Dr.(ドクター)オミゴト(爆)に命を救われたことで、中学生だった12年前に滅亡迅雷.netが起こしたデイブレイクなるヒューマギア暴走事件で重傷を負って以来、ヒューマギアを「人類の敵」と見なしてきた諫は、ヒューマギアを「人類の夢」と信じる主人公・飛電或人(ひでん・あると)との対立関係をやや軟化(なんか)させた印象が感じられた。


 いくら「子供番組」とはいえ、これはちょっと早すぎだろ(笑)と思っていたら、滅亡迅雷.netのリーダー格・滅(ほろび)=仮面ライダー滅(ホロビ・爆)――ただし、スーツアクターは『仮面ライダージオウ』(18年)で主人公ライダーをついに後身に譲(ゆず)った高岩成二(たかいわ・せいじ)である――がデイブレイクの首謀者(しゅぼうしゃ)だったと判明するや、以前にも増してヒューマギアに対する憎悪(ぞうお)を増幅(ぞうふく)させ、さらに激アツの絶叫キャラとして磨(みが)きをかける(笑)など、決して一筋縄(ひとすじなわ)ではいかないキャラとなっているのは「平成」ライダーから立派に継承された要素だろう。


 一方、いきなり序盤から変身する女性ライダーとして注目を集めた刃唯阿(やいば・ゆあ)=仮面ライダーバルキリーは、実は或人が超若手社長として経営する飛電インテリジェンスと同様に、AIや宇宙開発などを手がける大企業ZAIA(ザイア)の社員であり、対人工知能特務機関・A.I.M.S.(エイムズ)には「出向」で来ているのだとか(笑)。
 しかも、第10話でようやく姿を見せたほどに、これまで表情が映されない謎の存在として描かれてきたZAIAの社長・天津垓(あまつ・がい)は、ライバル企業の飛電インテリジェンスを崩壊(ほうかい)させることが夢なのだ。
 そうなると唯阿は諫以上に或人の敵と解釈してしまうのだが、第1クールラストとなる第13話『ワタシの仕事は社長秘書』ではゼロワン・バルカン・バルキリーの共闘が描かれていたりするだけに、その立ち位置は「平成」ライダーのように味方が敵に、敵が味方にとシャッフルを繰り返して描かれることで視聴者の興味を持続させていくのだろう。


 さらに敵の滅亡迅雷.net内でも早くも関係性に変化が生じており、メインで登場してきた滅と迅(じん)=仮面ライダー迅(ジン)は同世代の対等な関係かと思いきや、実は迅は滅につくられたヒューマギアであり(!)、滅は迅にオレはおまえの父親であり、子供は親の云うことを聞けばいいと語ったのだ!
 第6話『アナタの声が聞きたい』で、亡くなった娘を忘れられずに娘をモデルにした声優型ヒューマギア・香菜澤セイネをつくり、暴走してもなお守ろうとした父親の姿と、どんなときでも子供を守ろうとするのが父親だとする或人の言葉に葛藤(かっとう)し、自身が暴走させようとした声優型ヒューマギアから変身ベルト・ゼツメライザーを必死にハズそうとする迅の姿には、たとえ悪といえど感情移入した視聴者は多かったのではなかろうか?


――なお、第6話には女児向けアニメ『Yes! プリキュア5(ファイブ)』(07年)でチーム内最年少の黄色いプリキュアキュアレモネードをキンキン声で演じたことで知られる、個人的には学園ものの深夜アニメ『惡の華(あくのはな)』(13年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20151102/p1)で主人公の文学少年を転落させるダミ声のやさぐれ不良少女・仲村佐和(なかむら・さわ)の絶叫演技が特に印象深い、声優の伊瀬茉莉也(いせ・まりや)も顔出しでゲスト出演していた! ちなみに、メインゲストの声優型ヒューマギア・香菜澤セイネの苗字は、今や中堅の人気アイドル声優花澤香菜(はなざわ・かな)の名前をもじったものだろう(笑)。彼女を演じるのは有名子役上がりで、『キラキラ☆プリキュア アラモード』(17年)の主人公・キュアホイップも演じた美山加恋(みやま・かれん)!――


 「滅」と「迅」がいるのだから「亡」(ぼう)と「雷」(かみなり)もいると諫が推理したように(笑)、TVアニメ化(12年)もされた人気青年誌漫画『宇宙兄弟』(07年)ならぬ第14話『オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!』には、その「雷」=宇宙野郎雷電(らいでん)=仮面ライダー雷(イカヅチ)が新たに登場したのだが、この雷電がゼロワンにさまざまな武器を供給する通信衛星ゼアのメンテナンスを担当していた宇宙飛行士というのも、実に大胆な立ち位置シャッフルだといえるだろう。
 それにしても滅亡迅雷.netの残るひとりはやはり「亡」なんだろうが、「仮面ライダー亡」なんてネーミングだけは、さすがに縁起(えんぎ)でもないからカンベンしてもらいたいものだが(大爆)。


 あと第12話『アノ名探偵がやってきた』&第13話で先述した大和田伸也を第11話で暗殺(!)した犯人の推理劇が描かれたことが、『ゼロワン』に連続ものとしての印象をさらに強くさせたかと思えるのだが、この前後編にゲストで登場した探偵型ヒューマギアのワズ・ナゾートクは、本作のメインヒロインで或人の秘書を務めるヒューマギア・イズの兄だった!
 ずっと兄のワズを毛嫌いし、決して「おにいさん」と呼ばなかったイズが、自らを犠牲にしてゼロワンを救おうとしたイズの身代わりとなったワズを初めて「おにいさん」と呼び、「もっと早くそう呼んでほしかった」とつぶやいて息絶える描写は、ほとんど深夜アニメの兄と妹の関係に近いものがあるのだが(笑)、第1クール終了までの間にここまで主要キャラたちに劇的な変化が描かれたのは、歴代「平成」ライダーシリーズでさえあまり前例がなかったのではなかろうか?


 主人公の或人も序盤ではお笑い芸人をひきずったコミカルな面を中心に描かれていたが、先述してきたような展開の中でかなり深刻に思い悩む描写が増えており、実は或人が誠実なキャラであることを主演の高橋文哉(たかはし・ふみや)が硬軟(こうなん)にメリハリをつけて立派に演じわけていることには好印象が感じられる。
 『ウルトラマンタイガ』の主演俳優も、かなりまじめそうで少々堅(かた)さが感じられる兄ちゃんよりももう少し見た目が軽薄そうな役者さんだったら「話が重い」(笑)という印象も少しは軽減されたように思えるのだが。


 『ゼロワン』は視聴率的には第8話&第9話で2%台となっていたが、第10話以降は上昇傾向へと転じ、第14話は3.6%と第1話『オレが社長で仮面ライダー』の3.7%に迫る勢いを取り戻している。
 連続ものとしての印象が薄く、「昭和」のウルトラマンみたいに1話完結形式に見える『タイガ』が苦戦していることを思えば、やはり『ゼロワン』の視聴率が回復したのは連続ものとしての要素を強めたことがその一因であるかのように思えるのだ。


 早くも第2クールに突入した『ゼロワン』だが、「平成」ライダーのような連続ものの群像劇としての側面を今後もいっそう強めることで、きっと視聴者を楽しませてくれることとなるだろう。


2019.12.14.
(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2019年初秋号』(19年10月6日発行)~『仮面特攻隊2020年号』(19年12月28日発行)所収『仮面ライダーゼロワン』序盤合評1~7より抜粋)


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