(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映「全話評」連動連載!)
『ザ☆ウルトラマン』#15「君がウルトラマンだ」 〜超人に選ばれし者の条件。ウルトラ史に残すべき超名作!
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『ザ・ウルトラマン』第17話「ベータミーが消えた!!」 ~5話のニシキ老教授が再登場!
こん虫獣バダン登場
(作・若槻文三 演出・石田昌久 絵コンテ・鳥海永行 怪獣原案・鯨井実)
(サブタイトル表記の他、地底子怪獣タフギラコ登場)
(視聴率:関東9.4% 中部10.4% 関西8.8%。
以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東10.2%)
『ザ・ウルトラマン』第17話「ベータミーが消えた!!」 ~合評1
(文・内山和正)
(1997年執筆)
地球防衛軍・極東ゾーンの気象班の要請で、異常な進路をとる謎の台風を追いかける科学警備隊のトベ隊員。砂漠で調査をしていた、5話に登場したヘンリー・ニシキ教授と再会して同行することになる。しかし、ふたりの乗った科学警備隊の戦闘機・ベータミーは台風に巻き込まれる。その中には……
トベの連絡を受けたアキヤマ隊長らは大型戦闘機・スーパーマードックを発進させて、それ以来、通信の途絶えてしまったベータミーを捜した。
(以上、ストーリー)
バッタが異常発育して問題になったのはいつころだったろうか? もちろん、バッタ類のイナゴが大量発生する現象は古代からあったことだそうだが、この作品はそれを取り入れた映像作品としては、悪魔のシンボルでもあるイナゴの大群が登場するホラー映画『エクソシスト2』(77年・アメリカ)などと同様、かなり早い部類なのではないだろうか? そういう意味でかなり興味を引かれるのだ。
本作では台風を起こしていたのがバッタの大群であった。ベータミーのフロントガラスがぶつかって潰れていくバッタの死骸で汚れ塞がっていく描写や、その恐るべき「虫台風」の中で昆虫怪獣バダンにまで襲撃されてしまうのは、シチュエーション的には凄まじいものがある。映像・作画的にはそれほど迫力のあるものではないので、二度・三度と観返していくと他愛ない気もしてくるが。
そのような状況を別にしたら、ドラマ的に心から充分に楽しめたとはいえない。怪獣バダンやバッタたちの弱点はフェア(公平)にデータとしても提示されていたとはいえるが、ミエミエといえばミエミエであるし。
第5話「パッセージャー号地底突破!!」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090530/p1)でウルトラマンのリトル光線によって縮小化され、ニシキ教授に引き取られた怪獣タフギラコたちが本話のラストで、ニシキの家のシーンで再登場するのは嬉しい配慮だった。(回想シーンでは、5話の地底怪獣タフギラン・タフギラス夫妻も登場)
※:製作No.24『砂漠に消えたベータミー(仮)』
シナリオでは、別名は「超巨大昆虫」名義。
『ザ・ウルトラマン』第17話「ベータミーが消えた!!」 ~合評2
(文・久保達也)
(2019年10月20日脱稿)
『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)第38話『ウルトラのクリスマスツリー』は、ウルトラ兄弟や防衛組織・ZAT(ザット)が第5話『親星子星一番星』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071230/p1)で大亀怪獣の親子を救った美談の裏で起きていた悲劇を鋭くえぐった後日談だった。
今回は地底怪獣タフギラン&タフギラスが登場した『ザ☆ウルトラマン』(79年)第5話『パッセージャー号地底突破!!』の後日談として、そのゲストだったニシキ先生のみならず、第5話でウルトラマンジョーニアスに救われ、ニシキ先生が飼うこととなったタフギラコ兄弟のその後までもが描かれているのが秀逸だ。
こうした連続性のある作劇は平成ウルトラからだと思いこんでいるマニアが多いようだが、すでに昭和ウルトラでもやっていたので誤解のなきように。
それにしても大ベテランの名声優・熊倉一雄(くまくら・かずお)が声を演じたヘンリー・ニシキ先生の素っ頓狂でコミカルなキャラが実に楽しい。現在放映中の『ウルトラマンタイガ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1)などにもこんなキャラがほしいものだ。
[関連記事] ~ヘンリー・ニシキ教授4部作!
ザ☆ウルトラマン#5「パッセージャー号地底突破!!」
ザ☆ウルトラマン#17「ベータミーが消えた!!」
(当該記事)