(ファミリー劇場『ザ★ウルトラマン』放映開始記念「全話評」連動連載開始!)
『ザ・ウルトラマン』総論 ~総括・ザ☆ウルトラマンの時代
『ザ☆ウルトラマン』最終回 #50「ウルトラの星へ!! 完結編 平和への勝利」 ~40年目の『ザ☆ウル』総括!
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『ザ・ウルトラマン』第11話「科学警備隊へのチャレンジ!!」 〜ヒマラヤを舞台に、重機+液体怪獣の機械怪獣ともピグの機転で対決!
#11『科学警備隊へのチャレンジ!!』
機械怪獣ヘクトール登場
(サブタイトル表記の他、液体怪獣登場)
(作・吉川惣司 演出・安濃高志 絵コンテ・布川郁司 怪獣原案・鯨井実)
(視聴率:関東10.4% 中部11.9% 関西8.5%。
以上、ビデオリサーチ。以下、ニールセン 関東12.3%)
(文・内山和正)
(1997年執筆)
科学警備隊アキヤマキャップ(隊長)の友人だが5年前、怪獣出現を予測して新兵器開発を計画したものの、相手にされず地球防衛軍を辞めた大河原大介(おおかわら・だいすけ)。
彼は、自力で対怪獣用ブルドーザー兵器・ヘクトールを造りあげ、アキヤマの止めるのも聞かず「怪獣を倒す」と言って怪獣反応のあった地底へ向け発進するが、液体怪獣に襲われてヘクトールを乗っ取られてしまう。帰らぬ父を心配する一郎少年はピグとともに洞窟へ入るが……
(以上、ストーリー)
タマラ島(9話『目覚めた古代生物の恐怖!!』・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090628/p1)や、ザローム砂漠(10話『見えたぞ! まぼろしの怪獣が…』・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090706/p1)に続いて、「ヒマラヤ山脈」が舞台になる海外モノの第3弾。まぁ、前回の10話のメインの舞台は日本だったが。
5年前は怪獣の出現が笑いごとであったというのが、第1話『新しいヒーローの誕生!!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090505/p1)冒頭の世界観に沿った状況設定であった。しかし、7話『攻撃指令 目標はピグ!!』〜電子怪獣コンビューゴン登場(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090613/p1)では、5年前にすでに「宇宙攻撃隊」が組織されていたという少々の矛盾とも取れる描写が存在してしまっていた。
しかし、本話でこそ、この作品における
「地球防衛軍・極東ゾーン・科学警備隊が世界中へ派遣されている。そして、新鋭大型戦闘機スーパーマードックが防衛の要である」
といった設定が納得できるというものだ。
大河原大介の名前はもちろん、同時期の名作TVアニメ『機動戦士ガンダム』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19990801/p1)なども担当した、本作のメカニックデザイナー・大河原邦男(おおかわら・くにお)氏から取られたものだろう。この大河原を演じるのはベテラン声優・内海賢二。
科学警備隊のコミカルメーカーにして憎まれ役の隊員も兼ねているマルメ隊員は相変わらずの非常識ぶりで、防衛軍の装備であるはずの科学警備隊のマスコットロボット・ピグを勝手に改造して、その腹部にガスレンジを取り付けて「鍋焼きうどん」を作る暴挙に出る(笑)。しかしそれが単なるお笑いだけに終わらず、ピグが傷付いた大河原一郎少年を励ますための「情」の部分にも、偶然にも怪獣の弱点を知ってしまう結果を生む「小道具」としても生かされている。
大河原一郎少年を演じるのは、当時の人気声優・太田淑子(おおた・よしこ)。可愛らしい少年声である。
本話のピグはマルメ隊員や一郎少年に利用されるは、怪獣ヘクトールに襲われるは、さらには……と哀れな被害者役であり、その被害ぶりがコミカルに描かれている。意識を失ったピグのボケたような表情がケッサクである。
そのシーン以外でも今回は崩れたような絵が多いが、それによりふだんよりもデザインモチーフであった初代『ウルトラマン』(66年)の人間サイズの怪獣ピグモンっぽく見えるような気がする。ロボットなのだから、生き物っぽくない方がいいのかもしれないが(笑)。
大河原が開発した対怪獣用の黄色いブルドーザー型兵器・ヘクトールが対戦した液体怪獣によって寄生されて誕生した機械怪獣ヘクトールは、その姿は元々の姿と変わらないが、最初から両腕状の巨大なアームショベルも付いていて、ウルトラマンとも格闘戦を演じる。巨大なブレード(排土板)の中央にはドリルも付いており、地中も掘り進むあたりも、この手の怪獣ものとしての変化球としては魅力的だ。
7話「攻撃指令 目標はピグ!!」に登場した電子怪獣コンビューゴンも宇宙怪獣とコンピューターの融合だったが、本話も対怪獣用の巨大重機ヘクトールと液体怪獣の融合としたあたりも、怪獣ものとしての怪獣設定としては魅惑的だし、暴走したヘクトールがウルトラマンと戦うことに必然性を与えている。
宇宙ロボット・キングジョーに対するウルトラセブン、怪魔ロボット・ガンガディンに対する仮面ライダーBLACK RXのように、生身のヒーローはロボットに弱いということか、本話のウルトラマンジョーニアスは苦戦する。
ネタ自体はありふれていると思う。しかし、傑作というほどのものではないものの、楽しく観られるまとまった作品といえるのではないだろうか?
◎本話でのマルメ隊員がピグを改造するシーンでの背景に登場する小型戦闘機・バーディーはメタリックなリアルタッチであった(未塗装状態?)。
◎本話の演出を担当した安濃高志(あんのう・たかし)氏は、80年代のアニメ製作会社・スタジオぴえろ(現・ぴえろ)製作の魔法少女シリーズの監督としても有名。しかし本作では、後年のリリカル(叙情的)な演出は片鱗(へんりん)も見られない(笑)。
◎絵コンテを担当した布川郁司(ぬのかわ・ゆうじ)氏は、アニメ製作会社・タツノコプロ出身で名作TVアニメ『新造人間キャシャーン』(73年)の演出などを担当し、同じくタツノコ出身の本作『ザ☆ウルトラマン』シリーズ前半の監督・鳥海永行(とりうみ・ひさゆき)氏らといっしょに、『ザ☆ウル』放映中の79年、先のスタジオぴえろを設立した御仁。あまたのぴえろ作品のオープニングテロップにて、“制作”・“企画”の名義でお名前を拝見することができる。
※:製作No.11『雪山によみがえる友情』
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