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ウルトラマンメビウス13話「風のマリナ」 ~「僕にも『タロウ』の脚本は書ける」の元ネタ話のムカデンダー登場の意味!? 『筑紫哲也NEWS23』で「ウルトラ」特集も!

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『ウルトラマンメビウス』13話「風のマリナ」 〜「僕にも『タロウ』の脚本は書ける」の元ネタ話のムカデンダー登場の意味!? 『筑紫哲也NEWS23』で「ウルトラ」特集も!

(脚本・長谷川圭一 監督&特技監督 村石宏實)
(『ウルトラマンメビウス』〜ウルトラマンヒカリ編・短期集中連載!)
(文・久保達也)


 第13話『風のマリナ』には、『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)第26話『僕にも怪獣は退治できる!』に登場した百足(むかで)怪獣ムカデンダーが再登場!


 第3話『ひとつきりの命』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060629/p1)に登場した火山怪鳥バードンに続いて、『タロウ』に登場した怪獣・ムカデンダーが再登場! というのはかなり意表をつくところだ。もっとメジャーな怪獣がいくらでもいるわけだし。正直、今回の話に再登場する必然性は何もないのだ(笑)。


 だが、スレたマニア諸氏であれば、こんな部分にこそ、『メビウス』製作スタッフの隠れた主張を深読みしてしまいたくもなるだろう!


 本邦初の草創期のマニア向け書籍『ファンタスティックコレクション№10 ウルトラマンPARTⅡ 〜空想特撮映像のすばらしき世界〜』(78年・朝日ソノラマ)における『ウルトラマンタロウ』についての解説文の中で、



「ファンに「僕にも『タロウ』のシナリオは書ける!」と云わせたほど、この時期の内容的な後退は著しかった。つまりほとんどの話が怪獣に親を殺された子供の復讐話か、過去の作品の完全な焼き直しに終わっていたのである」



といった、『ウルトラマンタロウ』第26話のサブタイトルをパクったイヤミったらしい一節があったからだ。


 この記述によって、のちに東映制作の刑事ドラマ『特捜最前線』(77年)では、かの長坂秀佳とメインライターの座を争った、現在は小説家でもある阿井文瓶(現・阿井渉介)のデビュー作でもある『タロウ』第26話については、ウルトラ批評史上、もっとも偏見にさらされた回となってしまったからだ。


 しかし、実際の作品は、再鑑賞してみれば、理解をしてもらえるであろうが、生身で人間が怪獣にしがみつくような『タロウ』の第1話などから想起される作風、つまりはヤンチャで元気いっぱいな子供がひとりで怪獣に挑むような無謀な話などではなかったのだ!


 むしろ、『タロウ』における、そういった描写に対するアンチテーゼ編として、「怪獣とケンカばかりしているタロウなんかキライだ!」「お父さんは僕に暴力を振るえというの?」などと非暴力・絶対平和主義の精神を実践して(汗)、小さな子をいじめる中学生をトガめたことで、逆に袋叩きにあってしまう白鳥健一少年をそのまま見ているだけであったり、父・仙吉の紙芝居屋という職業を毛嫌いしているような、妙に冷めている竹雄というゲスト少年が登場するのだ。


 仙吉が子供たちを逃がすためにムカデンダーに重傷を負わされたり、小さな子ばかりか光太郎をも救出しようとする健一の姿を見ていくうちに、次第に変容していき、ラストでは紙芝居の列に割り込む少年にケンカを挑むまでに成長する姿を描いた作品でもあったのだ。


 仙吉の以下のセリフが、このエピソードのテーマを端的に表現している。


「男には、自分の損になるとわかっていても、他人のために働らかなきゃならないときがある。そのときに逃げないのが本当の男なんだ!」


 ……往年の名作テレビアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』(78年)のセリフじゃないよ(笑)。


 実に感動を呼ぶこのセリフを放つ仙吉を演じたのは、声帯模写を得意とする芸人で、『快獣ブースカ』(66年)の屯田大作の父・栄之助や、『ジャンボーグA(エース)』(73年)第20話『ポンコツ自動車の大反乱!』でも父親役を演じた故・江戸屋猫八であった。


 前述の「ほとんどの話」うんぬんが完全にイメージに基づいた誤解であったことは、『タロウ』を視聴すれば明らかであった。本文中で具体的に挙げられた作品は「怪獣と人間のドラマが分離して並行する奇妙な現象」の例として挙げられた第40話『ウルトラ兄弟を超えてゆけ!』のみであった。


 そして、実際に「怪獣に親を殺された子供の復讐話か、過去の作品の完全な焼き直し」に該当するであろうエピソードは3本くらいのものだろう。そして、怪獣に家族を殺された子供の復讐話というプロット自体がダメだというのならば、特撮マニア連中が評価している怪獣映画『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』のプロットも否定をしてみせなければスジが通らないのだろう!


 などとエラそうに語ってきたが、小学6年生でこの書籍を読んだ筆者は、中学1年生のときに再放送された『タロウ』を妙な先入観をもって視聴することになった(よりにもよって、前番組は『ウルトラセブン』(67年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20240211/p1)であった!)。「やっぱり本に書いてあるとおりだ!」と思ってしまったのだ(笑)。同じような偏見の目を植えつけられたのは、筆者だけにととまらず相当の数にのぼった。これが現在まで脈々と続く「第2期ウルトラ批判」を形成しているのであった。
 ただし、この書籍に子供ながらに惑わされなかった者も少数ながらいる。そのようなヒネくれた奇人変人たちが特撮評論同人界には巣くってもいる(爆)。その意味では、筆者も洗脳されやすい凡俗であったということで、エラそうにする資格はないのだが(汗)。


 なお、この文章は、『ファンタスティックコレクション№2 空想特撮映像のすばらしき世界 ウルトラマン』(77年・朝日ソノラマ)と合本し、『ザ★ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971117/p1)や『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971121/p1)を加えて、『ウルトラマン白書』(82年・朝日ソノラマ)として復刻されて以降、87年の第2版、91年の第3版(ISBN:4257033223)、95年の第4版(ISBN:4257034505)に至るまでそのままのかたちで掲載され続けたために、その影響力はやはり計り知れないものがあった。


 以前は「こんな事実誤認をいつまでそのままにしておくのか?」と大いに疑問だったものだ。しかし、現在ではむしろ時代の貴重な記録として、今日のマニア世論の元凶として、そのままの形でぜひ復刻してもらいたいものだと思ったりもするのだが(ただし注意書きを添えること!)。とはいえそれらの言説を得々とウケウリしてしまった我々後続世代も、いわゆるA級ではなくてもB・C級には戦犯であることも自覚していなければならないのであった……



 閑話休題。ムカデを怪獣にデザインしようと思えば、ふつうならば長い胴体をそのまま巨大化させて多少の飾りを付けて、『ウルトラセブン』第11話『魔の山へ飛べ』に登場した宇宙竜ナースのように操演で動かすところだろう。しかし、『タロウ』では、あくまで人間が入って動かす着ぐるみでの表現を試みた。


 そのデザインは全身触手だらけの胴体の股間から長い首が生えているという、長じてからの目で見るとエロチックなものではある(笑)。先の『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(99年)の怪獣イリスの準備デザインも同趣向ではあったが、ムカデンダーはそのデザインアイデアを先取りもしていたということだ。


 『帰ってきたウルトラマン』(71年)第1話『怪獣総進撃』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230402/p1)~第2話『タッコング大逆襲』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20230409/p1)に登場したオイル怪獣タッコング、第5話『二大怪獣東京を襲撃』~第6話『決戦! 怪獣対マット』に登場した古代怪獣ツインテールらと同様に、妙な部分に顔を配置した独特のフォルムで意外性と動きの面白さを追求し、着ぐるみ怪獣としての造形の限界に果敢に挑戦した秀逸なものでもあったのだ。メジャー級のタッコングやツインテールに一歩も劣らぬものであり、もっとスポットが当てられてもよいように思われるのだ!


 ちなみに、玩具会社のバンダイが1983年から2006年現在まで継続して発売しているロングセラーのソフビ人形『ウルトラ怪獣シリーズ』においてもムカデンダーは、『タロウ』中では最も人気の高い部類に属する宇宙大怪獣アストロモンス・極悪宇宙人テンペラー星人・暴君怪獣タイラントらとともに、1989年(平成元年)に商品化されている(残念ながら2000年に絶版になった)。


 筆者が収集したソフビ人形をズラッと並べてみても、このムカデンダーの独特のスタイルは極めて異彩を放っている。玩具としての面白さは他の追従を許さないものである。今回の再登場を機に復刻発売、もしくは新造形版の発売を願いたいところであるが……


 今回のムカデンダー再登場も、あくまで『タロウ』登場怪獣中で、デザイン的に最も奇抜で印象に残りやすく、大暴れやメビウスとのバトルが映えるという理由で選ばれただけであろう。見せ場重視の姿勢による『メビウス』らしい選択であり、「必然性」うんぬんなんぞは知ったこっちゃないのである(笑)。


 ちなみに、冒頭でムカデンダーに襲われる登山客は、2006年7月17日(月)にTBSで放送された『筑紫哲也NEWS23(ちくし・てつや ニュース・ツースリー)』(89~08年)内の特集『誕生40年“ウルトラマンが見た日本”』にもVTR出演していた円谷プロの渋谷浩康プロデューサーかと思われるのだが? 特集『誕生40年“ウルトラマンが見た日本”』については後述としたい。



 マリナが休暇で、かつて所属していたオートレースチームの監督・カドクラと「ツーリング」に行ったことを聞いたミライは、


「ああ、『釣り』に行ったんですか!」


と大ボケをかます(笑)。失笑している古いマニアも多いであろうが、地球に来て間もないミライ=メビウスが地球の風俗・習慣に馴染みが薄いのは当然のことであり、それがこうした描写を時折りに交えて表現されるのはある意味での究極のリアル志向(笑)であるともいえる。モロボシ・ダン=ウルトラセブンにはこうした描写は一切なかったなぁ(笑)。……『ウルトラセブン』第4話『マックス号応答せよ』に登場した反重力宇宙人ゴドラ星人は、「飛んで火に入る夏の虫」なる言い回しを知っていたが、どこで覚えたのだろうか?(爆)


 八幡ヶ岳(はちまんがたけ)で、マリナはかつて防衛組織・GUYS(ガイズ)入隊試験をともに受けた、女性クライマー(登山家)のリンコと再会する。


 この登山服姿のリンコを演じたのは、『七星闘神(しちせいとうしん)ガイファード』(96年・東宝)のメインヒロイン・九條麗、『超星神(ちょうせいしん)グランセイザー』(03年・東宝・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20041104/p1)で獅堂未加(しどう・みか)=セイザーミトラス役だった清水あすか! ってまた太ったかな?(笑)
 ちなみに、マリナ役の斉川あいは、雑誌『Cawaii(カワイイ・笑 主婦の友社)』の専属モデル出身で、今回はヘソが丸見えの妙に丈の短いタンクトップ姿(上着が邪魔して見づらいが)、回想シーンでは超ミニスカートを披露していた!(2006年7月3日発売の集英社『週刊プレイボーイ No29』や、2006年7月20日発売の小学館『週刊ヤングサンデーNo34』ではビキニ姿を披露しておりました!)


 ムカンデンダーに襲われそうになったマリナ・カドクラ・リンコは洞窟へと逃げ込んだ。そして、マリナはメモリーディスプレイで怪獣のデータを検索する。古代怪獣キングザウルスⅢ世・化石怪獣ステゴン・水牛怪獣オクスター・大羽蟻怪獣アリンドウ。そして、ドキュメントZAT(ズィー・エー・ティー)に同種の怪獣・百足怪獣ムカデンダーを発見!
 さまざまな怪獣の姿が次々に映し出されるメモリーディスプレイの描写を見ていると、こりゃあ子供たちがバンダイ製の玩具に対する購買意欲をかきたてられるというもの。筆者もほしくなる(爆)。でも、けっこう値が張るので、放映終了時の安売りを狙うことにしたいと思う(笑)。


「スゴいな、この通信機。怪獣図鑑にもなってんのか?」


と驚くリンコに、マリナは、


 「あ、でも仲間にひとりもっとスゴい子が……」


と、ひと目見ただけで怪獣の名前や特徴を云い当てる怪獣博士・テッペイ隊員を紹介する。すると、「誰かが自分の噂をしている」とばかりにテッペイが大きなクシャミ!


 ちなみに、ムカデンダーの襲撃を受ける前には「アタシ、熱血風吹かせる男って、大キライでさあ」と語ったリンコに、マリナは「GUYSにもいるんだよねえ。ホントに熱っくるしい熱血バカが」とリュウ隊員のことを語り、リュウがクシャミをする場面が描かれていた。



「熱血バカに怪獣オタクか(笑)。他にはどんな奴がいるんだ?」


と興味津々でたずねるリンコに、マリナはGUYSのメンバーを次々に紹介する。



「見栄っぱりでプレイボーイの元サッカー選手でしょ。


 気が弱いけど、頑張り屋さんの眼鏡っ娘。


 それにふだんはボ〜ッとしてるけど、やるときはやる隊長。


 あっ、それからなんにでもすぐ感動して、なんだって一生懸命で、人類みぃんな大好きみたいな感じの不思議ちゃんがひとり!!」(もちろん、ウルトラマンメビウスことミライ隊員のことである・笑)



 このシーンにおける、仲間たちを思い浮かべて、幸せそうな表情をしているマリナが本当によいのだ!


 ジョージとコノミが本部で次々とクシャミをするなかで、ミライのみがクシャミをしない描写にも注目! 先述のツーリングの一件同様に、こんなさりげない演出で、ミライが地球人ではないことを端的に表現しているのだ!


 ちなみに、かのサコミス隊長はクシャミをしない…… と思ったら、クシャミをしそうになって、こらえた(笑)。


 サコミズの正体は地球人なのか!? ウルトラ兄弟の長兄・ゾフィーなのか!? 両者の合体なのか!? ドッチなんだよ!? と年長視聴者にヤキモキさせることが、ここでの演出や脚本の狙いでもあったのだ(笑)。



 洞窟を脱出した3人は再度ムカデンダーに出くわす! カドクラに、


「おまえ、GUYSなら光線銃とか持ってないのか!?」


と云われたマリナは、コノミ隊員に、


「みなさんにひとつずつ、お守りだと思って、持っててください(ハートマーク)」


として、マケット怪獣を手渡されていたのを思い出した!



「メテオール規約第7条。危機的状況において使用許可をとることが不可能な場合のみ、特例として解禁す!」


 この規約にのっとって、今後もGUYS各隊員が危機的状況に陥った際にミクラスやウインダム、「みなさんにひとつずつ」のカプセルがそれぞれ別々のマケット怪獣であるならばアギラ(!?)たちをも登場させることが、大いに期待できるようになったのだ! ロートル特撮世代にとっては、まさに夢のようである!


「行け! ミクラス!」


 マリナのこのときの掛け声は、凛としているけど、同時にけっこうカワイイかも(笑)。


 マケット怪獣をメモリーディスプレイに装着し、マリナはムカデンダーに向けてこれを発射! 光の輪から勇姿を見せる怪獣ミクラス!


 ……と思いきや、ミクラスは第9話『復讐の鎧(よろい)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060706/p1)での怪獣ボガールモンス以上に醜悪なムカンデンダーの姿に恐れをなして、ドカドカとマリナたちの方に逃げてきてしまう(爆)。


「ミクラス! いい子だからムカデンダーと戦って!」


 女性の励ましに発奮したのか、ミクラスの目は怒り目に形を変え、なんと往年の野球アニメ『巨人の星』のように、瞳の中で炎が燃えるのだ! CGを駆使して、ミクラスの感情を実にわかりやすく表現したマンガチックな描写が絶大な効果をあげている(笑)。


 ミクラスはツノから青い稲光のようなエレキ攻撃をムカデンダーに浴びせかける!


 だが、活動限界の1分間が切れて、ミクラスは消滅してしまった!


 これによって再び危機に陥る3人!


 ムカデンダーはかつても火炎攻撃を得意としていたが、今回は平成ガメラのプラズマ火球のような攻撃を口から情容赦なく3人に連続で浴びせかける!


 3人がいる実景に、ムカデンダーが合成で出現する秀逸な場面のあとで、マリナはおとりになって山道をバイクで激走する!


 ムカデンダーが連続で発射するプラズマ火球を次々に交わして、バイクでひた走るマリナ!


 しかし、カドクラはマリナの聴覚の鋭さが、かえってクラッシュ(事故)の恐怖を感じさせてしまって減速につながり、レースでは不本意な結果に終わっていたマリナの弱点を指摘して、いま減速してしまったならば、マリナはムカデンダーの餌食になってしまう可能性を指摘する!


 だが……


「なんだろう? この声…… 風だ! 風の声が聞こえる! 風が私を励ましてくれる!」


 ミライ・リュウ・ジョージ・テッペイ・コノミの姿がマリナの脳裏に次々に浮かぶ! 洞窟でリンコに


「変わった奴ばかりだな。でもマリナ、そいつらのこと好きだろ?」


とたずねられて、マリナは大きくうなずいていたのであった!


 ここでは実感がこもった演技で、本当に仲がよいんだなと思わせてくれるのだ。大方のマニア諸氏は、翌週の第14話『ひとつの道』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060921/p1)の方に高い評価を下しそうだ。しかし、ベタでシンプルな展開だけれどツボを押さえているのと、第1話『運命の出逢い』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060625/p1)から本話までのストーリー展開で、マンガチックではありながらもGUYSの隊員たちのキャラは立ちまくっていたので、本当に効果的で感動的であった。


 そして、ついに登場するウルトラマンメビウス!


 長い首にパンチと回し蹴りを喰らわす!


 しかし、胴体に生えた長いムチがメビウスを連打!


 さらには、プラズマ火球が襲う!


 これをメビウスは側転で交わした!


 今度はムカデンダーの長い首にチョップの連打と回し蹴り!


 これにかなわぬと見たムカデンダーは、首を分離(!)させてメビウスを襲った!


 しかし、メビウスがこれをつかんでブン投げるや、連動してムカデンダーの胴体はムチを振り回して七転八倒!



 「七転八倒」などと四字熟語で記載してしまうと、まるで往年の平日帯番組『ウルトラファイト』(70年)のナレーションのようだが(笑)。


 ちなみに、2006年6月28日にポリドール映像株式会社から発売された『ウルトラファイト スーパーアルティメットBOX』(asin:B000CBNYCS)には、往時の新規撮影部分に登場したウルトラセブン・アギラ・ウー・エレキング・イカルス・バルタン・テレスドン・ガッツ・ゴドラ・ケロニア・シーボーズ・キーラ・ゴーロンに、『ウルトラセブン』第12話『遊星より愛をこめて』が1970年の秋に欠番になったことから、同話の特撮アクション部分のみのフィルムを抜き焼きして制作した『ウルトラファイト』(70年)の制作第45話『遊星の悪魔スペル星人』も同様に欠番となってしまったために、差し替え分として急遽製作された回であった『怪獣死体置場(モルグ)』のみに登場したゴモラをも加えた(笑)、アトラクションショー用の着ぐるみのヘタヘタ感を再現したソフビ人形が付属していた。


 ただし、これらのソフビ人形は、バンダイの食玩(食品玩具。お菓子や飲料のオマケとしての玩具)によくあるような、わずか10センチ大のミニソフビであった。ソフビが付属しない通常版のDVDが税抜価格39800円であったことを考えると、この限定版が税抜価格52800円というのはあまりのボッタクリであった。ミニソフビセットごときが13000円(!)ということになってしまうからだ!(笑) 筆者もそれでも購入してしまうようなバカなオタクのひとりではあるのだが、同作のナレーションの山田二郎(当時のTBSの局アナウンサー)のように、「山師(やまし=投機的な詐欺師)・ゴーロンの策略に、まんまとしてやられました……」などとボヤきたくなるのであった(笑)。



 閑話休題。


 空中に舞い上がったメビウスは両手を赤熱させ、必殺光線・メビュームシュートを発射する!!


 ついにメビウスが勝利したかと思いきや!


 まだ生きていた、分離したムカデンダーの長い首だけが背後からメビウスを襲ってきた!


 間一髪と思いきや、それにトドメを刺す一条の光!!


 ウルトラマンヒカリの必殺光線・ナイトシュートだ!!



リュウ「まぁた、オイシいところ、持っていきやがった」


 そのとおり。本話におけるウルトラマンヒカリは、たったこれだけの出番なのだ! その意味ではドラマ的にはまるで意味はない登場なのだが、ヒーローものとしては、それでも面白くてカッコよいのだから、それでよいではないか!?


 危機を救ってくれたウルトラマンヒカリと向き合うウルトラマンメビウス。


 いつの間にか、夕暮れ時になっていた。そして、メビウスの背景が西の空で夕焼けになっており、ヒカリの背景が東の空ですでに夜空になっているのだ。



 ちなみに、『ウルトラマンタロウ』第46話『日本の童謡から 白い兎は悪い奴!』(脚本・石堂淑朗(いしどう・としろう) 監督・筧正典(かけい・まさのり))において、ウルトラシリーズへは初参加となった特撮研究所の矢島信男特撮監督によって、すでに同様の演出は試みられている! こちらは朝焼けではあったが…… 特撮巨大バトル中に、ナイトシーンからじょじょに夜明けになっていくといった演出が見られるのだ。


――なお、まったくの余談になるが、『タロウ』第26話『僕にも怪獣は退治できる』同様に、イロモノ話に思われがちな『タロウ』第46話『白い兎は悪い奴!』ではあった。しかし、パッケージ・意匠がコミカルでも、テーマ的にはなかなかに含蓄の深いエピソードではあったのだ。第2期ウルトラシリーズを再評価するという目的を二次的には持っているに相違ない本作「ウルトラマンメビウス』にカコつけて、同エピソードの秀逸性をこの誌面にて語っておきたい。


 ペットの飼育を禁止されていたアパートで太一少年が飼っていたウサギを、『帰ってきたウルトラマン』第30話『呪いの骨神(ほねがみ)オクスター』や『ウルトラマンA(エース)』(72年)第30話『きみにも見えるウルトラの星』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061125/p1)に同作の第43話『冬の怪奇シリーズ! 怪談・雪男の叫び!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070224/p1)や『ウルトラマンタロウ』第8話『人喰い沼の人魂』など、第2期ウルトラシリーズの常連ゲストであったチョビ髭とユーモラスな演技が印象的な故・大泉晃(おおいずみ・あきら)が演じた大家(おおや)さんが、毒のエサで殺してしまった! そして、そのことに、わんぱく宇宙人ピッコロが大激怒!


 「ウルトラマンタロウ! こんなくだらぬ星、腐った心の地球人、よく守っているな!」と叫ぶピッコロ! そして、太一少年はウサギを殺された悲しみのあまり、「ウルトラマンタロウなんか負けろ! 負けろ!」と叫んでいる! それに対して、「少ない悪人のために、多くの良い人を見捨てるわけにはいかないんだ!」といったタロウのセリフ! 「人類批判」と「人類肯定」テーマの両立・並存の深みがまた最高なのでもあった!――



 閑話休題。ラストシーンでミライとリュウと初対面し、「不思議ちゃんと熱血バカか」とつぶやいたリンコに対して、マリナは心の声でこう答える。


「そう、私に風の声を聞かせてくれた、大切な仲間よ!」


 1クール目を締めくくるにはふさわしい、GUYSの仲間の結束力の強さを描いた話ではあった。しかし、特に登場怪獣が往年のムカデンダーであるべき必然性はなかった。『タロウ』第26話をこの機会に再鑑賞してもらって、再評価もしてもらおう! といったウラの意図があったかどうかもわからない。しかし、必然性なぞはなくても、こと本エピソードについて云えば、それで何も問題はなかったのであった!(笑)


『筑紫哲也NEWS23』内の特集「誕生40年“ウルトラマンが見た日本”」


 余談になるが、初代『ウルトラマン』(66年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20240204/p1)の放映が開始された1966年7月17日からちょうど40年を迎えたその日に、『筑紫哲也NEWS23』において、特集『誕生40年“ウルトラマンが見た日本”』が放送されて、『メビウス』第13話『風のマリナ』の特撮現場と企画会議の模様が登場していた。


 家庭と職場でヒーローになろうと奮闘する広告代理店に勤務する30代男性の姿。『メビウス』第13話の村石宏實(むらいし・ひろちか)監督や脚本家の長谷川圭一に円谷プロの渋谷浩康プロデューサー。円谷プロの怪獣倉庫で着ぐるみのメンテナンスを担当する打出親五らの声によって、「ヒーローとは何か?」「怪獣とは何か?」が考察されていく。


 『帰ってきた』第43話『魔神月に咆(ほ)える』において、この3年間まったく休暇をとっていなかった伊吹隊長が(今なら大問題になる・笑)、隊員たちに休暇をとるように勧められて、「休暇か。そんなもんは怪獣にくれてやった!」と語った場面のあとで、休日に子供との「怪獣ごっこ」(怪獣ソフビの数がスゴい!)で疲れ切った父親の姿を見せて、「むかしの父親は職場でヒーローであればよかったが、現代はそうはいかない」とナレーションが入る演出は、父親像の変遷が端的に表現されていて、なかなかうまいと思ったものだ。


 だが、「怪獣にはさまざまな社会問題が託されていた……」などとして、初代『ウルトラマン』第23話『故郷は地球』の棲星怪獣ジャミラの悲劇や『ウルトラセブン』第26話『超兵器R1号』における(ともに70年代末期の第3次怪獣ブームにおいて、マニアが絶賛した作品である!)、後者であればウルトラセブンことモロボシ・ダン隊員の「侵略者はそれに対抗してもっと強力な兵器をつくりますよ!」などといったセリフなどの紹介、あげくに脚本家の金城哲夫・上原正三をからめて「沖縄人と差別」を語り出す段になると(キャスターの筑紫哲也は左翼の代表としても知られており、この番組においても沖縄に関する話題をひんぱんに取り上げている)、半ば予想していたとはいえ「あ〜あ、やっぱりこういうノリなのね」と軽く失望させられた。


 サブキャスターの草野満代(1967年2月4日生まれ)が、「私と佐古さん(TBSアナ・佐古忠彦。1964年8月8日生まれ)はウルトラマン世代ですけど、こんなに深いものだったとは思わなかった」と語り出した時点で、「結局、こういうオチでまとめるのね」と思った気の早い筆者は、このあと山田玲奈チャンの天気予報が始まったことで、今回の特集はこれで終わりかと思ってしまったのであった……(そう早合点して、視聴を打ち切った人も結構いるんじゃないかなぁ)。


 基本的に、娯楽活劇作品とは道徳的な目的で製作されているわけでは決してない。まずは「面白い」ことが第一なのである。テーマの方がむしろ結果論的なものとして、あとで備わってくるのだ。1980年前後の第3次怪獣ブーム時の初期の特撮評論では完全にこれを取り違えていたのだ。しかし、今回の特集もまたそういったことを踏襲しており、ウルトラシリーズを「大人の鑑賞に耐える」作品(笑)として紹介しているようにも思えたのであった。


 「人のフリ見て、我がフリ直せ」になるのだが、今回の特集を視聴後、ふと本誌の少部数・少ページのコピー誌「2006年初夏号」に記した自身の『メビウス』序盤10話総括に目をやると、GUYSのメンバー間のキャラの違いによるやりとりの応酬の面白さを強調したいつもりが、勢いあまって「現代社会に警鐘を鳴らす」だの、「子供たちに希望を与える」などと記述した個所に「しまった!」と思ったものであった。


 そういった視点では、結局は『筑紫哲也NEWS23』の特集同様に、「テーマ至上主義」となんら変わりはないのであった。これ以上、若い特撮マニア諸氏に妙な先入観を与えないためにも、筆者は今後、ヒーロー作品を語る際には「カタルシス至上主義」を貫いていく所存である。時には「ギャグ描写至上主義」、もしくは「ヒロイン至上主義」に脱線することがあるかもしれないが(笑)。


 だが、実はそのあとの『マンデープラス』のコーナーの方にもこの特集は続いていったのだ。ウルトラシリーズの諸作品を授業で教材として活用する、北海道苫小牧市立緑陸中学校の教師・神谷和宏氏(33才)の姿が紹介されたのであった。『M78星雲より愛をこめて』(93年・文芸社・ISBN:4835563263)なる書籍を自費出版していた御仁で、VTR上でも関連書籍が並ぶ氏の書棚の中にしっかりと写っていた(笑)。


 この日の教材は、『帰ってきたウルトラマン』第33話『怪獣使いと少年』であった。たしかにこればかりは純然たる娯楽作品とは云いがたい。宇宙人呼ばわりされて、地域の全ての人々から迫害される佐久間良少年、良を助けようとして警官の凶弾に倒れる宇宙調査員メイツ星人、「あんた、MATの隊員だろ? 怪獣やっつけてくれよ!」と巨大魚怪獣ムルチの襲撃から避難する群集に対して、「勝手なことを云うな! 怪獣を呼び起こしたのはアンタたちだ!」と怒りを燃やす郷秀樹……といった、既知ではあってもあらためてそのダイジェスト映像を見せられてしまうと、これに対して強いメッセージ性を感じないわけにはいかないのだ(ただし、同話を含む『帰ってきた』第31話から第34話を「11月の傑作群」とする考え方に対しては、他の時期のエピソードがまるで凡作ばかりであるかのようなイメージを喚起してきて、誤解を招く表現ではあるので、個人的には賛同できないものの)。


 今回の特集の前半では、上原正三の「僕は差別の象徴として、鬼を使うことが多いんです」という言葉が紹介されていた。まさに本エピソードはそういったことが如実に表れた代表的な作品ではあったのだ。


 あくまでも娯楽作品であるウルトラシリーズからテーマ性を見いだして、それを学校の授業というある意味ではタイクツな場所で、感想文・レポートとして提出をさせるといった、この授業に対しては賛否両論があることであろう。かえって、その作品を純粋には観られなくなってしまうかもしれないからだ。個人的には非常にユニークであるとは感じる。しかし、賛成でもなく反対でもなく、一個人の信条としてやっていることであるから、安易に口出ししたくはないようには思うのだ。この授業は10年以上も続けられているらしいから(それを許す校風もスゴいが!)、生徒や父兄からもそれなりに評判が高いのであろう。以前に、この授業を受けて、現在は高校生となっている少年が「映画とかを違う観点から観るようになった。何を伝えたいのかなって」と語っていたことから、それだけでも充分に成果を上げているとはいえないだろうか?


 神谷氏がこの授業を続ける理由として、「ひとりひとりがヒーローになるということ」がテーマにあるようだ。ウルトラマンを頼りにせずに、自分自身がヒーローになってほしい。『怪獣使いと少年』と同じく上原正三が執筆した『帰ってきた』第51話(最終回)『ウルトラ5つの誓い』において、次郎少年がラストで砂浜を走りながら、故郷へと帰還していく新ウルトラマンことウルトラマンジャックに向けて叫んだ「他人の力を頼りにしないこと!」が映像で紹介されていた。この一節を劇中で連呼する『メビウス』にも、やはりスタッフのそうした想いがあるだろう。


 だが、神谷氏のそうした想いとは裏腹に、「自分はこれだったら光輝くことができると思うものがあるかな?」といった氏からの問い掛けに対して、「野球!」「テニス!」と答える生徒がいる一方で、「なんにもないかも……」とズッコケて見せた生徒が存在したことも事実ではあった。特集のラストで、ヒーローについての街の声を紹介していたが(BGMは『ウルトラマンレオ』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20250330/p1)の名挿入歌『星空のバラード』!)、「自分がなれたらええんやけど、そんなん絶対ムリやと思うわ〜」と語る大阪のオバチャン(笑)もいたことだし。
 「ヒーローになりたい?」と問われて、「ヒーローになれない。だって人だもん」と答えた、まるで第2期ウルトラシリーズにゲスト子役として登場しそうな、妙に冷めた幼児までいたのだ(笑)。


 そういえば、筆者も子供のころから、そういうタイプの子供であった。いや、オタクになってしまうような運動神経や腕力には乏しくて気も弱いタイプの子供たちであれば、ヒーローにはあこがれつつも、ヒーローには決してなれないであろう自分を秘かに直観的に自覚はしているものだ。そう、やはり誰もがヒーローになれるわけではないのであった(汗)。


 『メビウス』を観れば、どんなヘボヘボな子供でも未来に希望が持てる! とでも解釈ができそうな文章を書いてしまった筆者ではあった。しかし今後は、『メビウス』を観ることで、「不器用で控え目な子であれば、対外的な人格には自信がなくても、それ以外の特殊な技能でなにか自信がつくものを見つければいいな」とか、「『ドラえもん』に登場するジャイアンみたいなガキ大将タイプの子であれば、個性の違うメンバーたちの強い結束力を見て、自分よりも弱い子たちにも少し配慮や敬意を感じてくれればいいな」くらいの提言にとどめようとは思うのだ。



 あと、今回の特集のサプライズとして、06年9月16日から松竹系で公開される映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070128/p1)の名場面が、ほんの少しだけ紹介されていた!


 『ウルトラマンタロウ』第33話『ウルトラの国大爆発5秒前!』~第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』の前後編以来のことである、ハヤタ・ダン・郷・北斗の連続変身がひと足先に拝めたのだ!


 そして、彼らが語るヒーローの条件とは……


ハヤタ(黒部進)「まず強いこと、そして優しいこと」
ダン(森次晃嗣)「こんなことを云ったら今の世の中、笑われるかもしれませんが、やはり正義感」
北斗星児(高峰圭二)「優しさだけではなく、厳しさ」
郷秀樹(団時朗)「世の中が正しいと決めつけるようなものに対して戦っていけること」


 ちなみに、ミライ役の五十嵐隼士(いがらし・しゅんじ)が語るヒーローとは? 「誰かを守る存在であり、最後まであきらめない!」


 そして、やっぱりというかなんというか(笑)、脚本家の市川森一(いちかわ・しんいち)先生も例によって登場! 2006年7月11日から9月24日まで川崎市岡本太郎美術館で開催中の『ウルトラマン誕生40年の軌跡 ウルトラマン伝説展』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070325/p1)の会場で、筑紫哲也自身が氏にインタビューを行っていた。


 市川氏が「正義の味方の罪」を描いたと語る際に挿入されたのは、『ウルトラマンA』第14話『銀河に散った5つの星』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060805/p1)における、異次元超人エースキラーがゴルゴダの星でエースロボットを相手にする場面であった。以下のナレーションが「正義の味方の罪」を如実に象徴する!


「今まで幾多の怪獣や宇宙侵略者を倒してきたウルトラ兄弟の武器が、彼らの最愛の弟であるウルトラマンエースを倒すために使われようとしていた!」


 さらに、市川氏は「正義は仮面である」と語り、アメリカやイスラムの原理主義をひきあいに、「仮面をつければどんな弱いものいじめをしても正義の行使となる」とする。これを象徴するのに最もふさわしいのが、氏が執筆した『A』第52話(最終回)『明日(あす)のエースは君だ!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070429/p1)において、ゾフィ・初代マン・セブンのお面を付けた子供たちが遊牧星人サイモン星人の子供をいじめる場面かと思うのだが、この映像はここでは使用されなかった(尺の都合だろう)。ただ、同話における、


「やさしさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようと……それが私の最後の願いだ」


なるエース最後のメッセージが紹介されたのは、せめてもの救いであった。


 あと市川氏は、「ヒーローには2つのタイプがある」と語っていた。「私を助けてくれるヒーロー」と「私が助けたいと思うヒーロー」。2006年9月に任期が切れる小泉純一郎首相は「なんとなく頼りなく、応援したくなる。自分が支えなければ行政改革もできないのではないか」という大衆の想いに支えられ、まんまと後者のタイプに乗っかったとしていた。しかし、エルヴィス・プレスリー邸を訪問した際に、彼がプレスリーのモノマネをしたことを指して、「ヒーローが別のヒーローのマネをしたらおしまい」とも語っていた。市川先生、おもろ過ぎるぞ(笑)。


 それにしても、90分の放送枠の中で、こんな特集に3分の2もの時間を費やしてしまうとは!? テレビ局か、下請け製作会社か、筑紫哲也の事務所の若い、いや中年(爆)の連中の主導による企画であったのであろう!(笑)

2006.7.25.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年準備号』(06年8月12日発行)『ウルトラマンメビウス』ウルトラマンヒカリ編・合評②より分載抜粋)


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ウルトラマンメビウス13話「風のマリナ」
風のマリナ
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