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からかい上手の高木さん・上野さんは不器用・宇崎ちゃんは遊びたい!・イジらないで、長瀞さん ~女子の方からカマってくれるアニメ4本評!

『宇崎ちゃんは遊びたい!』 ~オタクvsフェミニズム論争史を炎上作品のアニメ化から俯瞰する!?(長文)
『女子高生の無駄づかい』『ちおちゃんの通学路』 ~カースト「中の下」の非・美少女が主役となれる時代!
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 いわゆる「高木さん系」の決定版!? 『イジらないで、長瀞(ながとろ)さん』が放映中記念! とカコつけて…… 「高木さん系」の深夜アニメ4作品、『からかい上手の高木さん』(18年)・『上野さんは不器用』(19年)・『宇崎ちゃんは遊びたい!』(20年)・『イジらないで、長瀞さん』(21年)評をアップ!


からかい上手の高木さん』『上野さんは不器用』『宇崎ちゃんは遊びたい!』『イジらないで、長瀞さん』 ~女子の方からカマってくれる、高木さん系アニメ4本評!

(文・T.SATO)

からかい上手の高木さん

(2018年冬アニメ評)
(2018年4月27日脱稿)


 落ち着いてるけど少々コケティッシュな、栗色の髪を真ん中分けしたセミロングの女子高生・高木さん。彼女が片ヒジをついて傾げた小首を片手に乗せて、隣席の男子生徒をジッと見ているビジュアルが印象的だ。


 シニカルに解剖すれば、ある種の男子どもが女である自分の眼差しにテレてくれることで、広いイミで間接的・限定的に男子を手玉に取ってプチ・コントロールできるワケだから、彼女は自分のルックスや女性性にも自信を持てて、オボコい男子よりも精神的には優位に立てるだろう。
 あぁ何という不平等。近代的で対等な個人の付き合いとは程遠い。実に嘆かわしい。日本に「近代」がやってくる日は遠い。……などと思いつつ、筆者もこんなコが相手なら屈服して溺れて靴の底までナメてみたい(オイ)。


 とはいえ、彼女にはクラスの中心で君臨するギャル娘ほどの強さやコミュ力はナイし、運悪く付き合った男がDV野郎だったら反撃できずに精神的に支配されてしまう程度の強さしかナイようにも思える(私見)。コレは彼女のことをバカにしているワケではない。強すぎず弱すぎずもせず、ちょうどイイ塩梅だなぁと(笑)。


 ただし、キャラ造形はそれなりに秀逸でも、それだけで間が持つワケでもない。それ以外の面ではキャッチーさに欠けるようにも思えて、ワンアイデアだけの作品に留まっているとも私見。加えて、現在主流の萌え4コマの人畜無害な美少女キャラを愛するオタにもウケそうにはないけど、ニッチな鉱脈には思うので支持者は貢ぐべきだろう……と思っていたら。意外な爆死の「漫画タイムきらら」系の萌え4コマ原作の同季深夜の美少女アニメスロウスタート』をはるかに上回る6千枚超のヒットを記録!
DJCD「TVアニメ『からかい上手の高木さん』Presents からかい上手の高"橋"さんラジオ」

からかい上手の高木さんVol.1(初回生産限定版) [Blu-ray]
(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.71(18年5月4日発行))


『上野さんは不器用』

(2019年冬アニメ)
(2019年4月27日脱稿)


 ラブコメ・ギャグ作品とでもいうべきか?


 大雑把に云えば、内向的な性格に分類される我々オタに近しそうな人種が住まう「文化系部活」――ここでは理系の「科学部」――。その部室に、女の子2名とさわやか安全癒やし系の中性的なハスキーボイスの小柄でオボコい黒髪少年が集っている。
 そして、そこでコジらせた自問自答の自意識を、「私小説」テイストで見せるのではなく、「ドタバタ悲喜劇」テイストとして見せるような作品である。


 基本は痩身小柄なオレンジ色髪でツインテールの美少女だけど、性格は三枚目でスットコドッコイな荒々しい言動をする上野さん。彼女はこの少年クンに対して秘かに――公然と?(笑)――好意を持っていて、部室でさまざまな遠回しでクドクドしいモーション(誘惑)を顔を真っ赤にして掛けてくる。
 頭デッカチで俗っぽい知識だけはあるので、思春期の男のコであれば同年齢の異性のソコかしこに性的刺激を受けるであろうと計算して、あの手この手を繰り出しもする。


 しかし、主人公男女が片方の告白を受け容れて相思相愛となって結ばれてしまっては、それまでの接近・離反・誤解といった「綱引き」の妙味を眼目とするこのジャンルの物語は終焉を迎えてしまう(笑)。
 そこで、ラブコメ作品の連載を継続させるための永遠の歌舞伎的様式美・作劇的本能というのかご都合主義で(笑)、少年クンは異性からの誘惑には「鈍感」であったりもする。


 コレが陳腐化してきたところで、新たに勃興してきたのが、空気や他人の言動に鋭敏ではあっても「照れ屋さん」であり、加えてオトナの度量の大きさで異性を受け止めて包容するだけの器量がナイばかりか、パニくってしまうであろう自身の小心さ&動揺を隠すために、何も聞こえていないフリをして、耳に手をあて「エッ!? 何だって!?」とふるまう、いわゆる「ヘタレ難聴」パターンである。


――告白者の女性キャラの方も赤面して、「もう、恥ずかしいこと二度も云わせないでよネ!(プンプン!)」……となる可愛いサマを見せることで、視聴者に「萌え感情」をも惹起させるので、作劇的には一挙両得ではある(笑)――


 で、本作の眼目は、水面下では相思相愛である両者の接近模様を描くのではなく、オレンジ髪ツインテ少女の一人相撲の滑稽さで笑いを取ることにある。よって、少年クンは無垢なる天然で、気付かないフリや難聴のフリではなく先祖返りの「鈍感」としての描写で徹底されていて、それはそれで絶妙にイイ味を出している。


 てなワケで、


 オレンジ髪ツインテのモーション → 少年クンの鈍感ボケ → オレンジ髪ツインテ


 以上の「赤面自爆」の連発で、楽しく鑑賞することができる佳作である。


 主演は少女マンガの深夜アニメ化『3D彼女 リアルガール』(18年)主演や、昨2018年も『魔法少女サイト』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201122/p1)・『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201206/p1)などで主要キャラを演じた新進のアイドル声優芹澤優


 イジワルに引いた視線で作品を観れば、このオレンジ髪ツインテ嬢が耳年増なだけで手足身体が棒(笑)の未成熟なキャラデザ(もしくはヒラメ的・平面的な身体)だから、この誘惑失敗ギャグが成り立つし、怒って殴ってきても非力そうだから安全に回収されるのであって、アイドルアニメ『ラブライブ!』シリーズ(13年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150615/p1)やら近年の『響け! ユーフォニアム』(15年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160504/p1)などの京都アニメ作品のように、デッサン骨格・太モモに筋肉・躍動・バネも感じられるような性的・腕力的にも成熟した身体描写だったら、このギャグは成り立たないであろう。
TVアニメ『上野さんは不器用』オリジナル・サウンドトラック

上野さんは不器用
(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.74(19年5月4日発行))


『宇崎ちゃんは遊びたい!』

(2020年夏アニメ)
(2020年8月11日脱稿)


 低身長で銀髪ショートカットだけど八重歯に奇形的な超巨乳の少女・宇崎ちゃんが、無口で無愛想で(ひとり)ボッチ気味な長身の先輩青年クンに明るくウザったくチョッカイをかけてくるのがキモの深夜アニメである。
 ググってみると、元々はツイッター媒体で展開していた個人連載マンガが商業媒体にスカウトされて、ついに深夜アニメ化されるまでに至ったモノ。


 通常、マンガやアニメにおいては「銀髪」は影のウスさや意思の弱さや理知的なイメージを象徴させるモノであり、小ナマイキさを示す「八重歯」やお色気要員であることを示す「巨乳」といった記号とは組み合わせにならないハズだけど、この作品では「銀髪」なのに「八重歯」と「巨乳」を掛け合わせたキャラクターデザインともなっている。


 いや、だから「スゴい!」とか「斬新だ!」とか云う気もまったくナイけれど(笑)。でもまぁ「黒髪」や「赤髪」の美少女がオトコにチョッカイをかけてきたら、やや重たいオンナ臭がするやもしれないので、それをウスめるためには「銀髪」がちょうどイイのかもしれないネ――金髪の場合は華麗なオンナ臭が強まってサバサバ臭が出ないかも――。


 まぁ基本はおバカな作品なので(失礼)、そのへんを意識化・言語化・理論化してキャラデザしたともツユ思わないし、作者が本能的・直感的・フェティッシュにデザインしていったらこうなっただけだとは思うけど。


 いわゆる女子の方からコミュ力弱者や頼りない系の男子クンに声をかけたりチョッカイを出してきてくれてコミュニケーションが始まる『からかい上手の高木さん』(18年)の系列が近年流行っているけど、この作品も広い意味ではその類い。
 ググってみると……「高木さん系」という用語がすでにあり、同工異曲のマンガが数十本も出現している事実にブチ当たる(爆)。


 で、この作品を評価する方々にはスイマセン。筆者にはワンアイデアだけの出オチ作品、さしたる物語的膨らみもキャラ的膨らみもない作品に思えてイマイチです(汗)。
宇崎ちゃんは遊びたい! 1-5巻セット (ドラゴンコミックスエイジ)

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.77(20年8月15日発行))


『イジらないで、長瀞(ながとろ)さん』

(2021年春アニメ)
(2021年8月9日脱稿。2022年1月3日に当該ブログ記事に追加)


 浅黒い肌のやや小柄スレンダーなギャル少女・長瀞(ながとろ)さんが、気弱そうな文化系メガネ男子を意地悪くちょっかいを仕掛け続けるという作品。という内容であることは、作品タイトルでも作品内容を象徴させているキービジュアルでも想像はついた。


 が、#1を観て衝撃! 冒頭の夕方の放課後、図書室に向かう少年と、図書室内から聞こえてくる傍若無人なギャル少女たちの喧噪! 彼女らの嗜虐的かつ礼節欠如を直観しつつ扉を開けて入室。するとギャル少女たちが不敵に一瞬振り返ると、そこに宿るは猛獣・肉食動物が小動物を見つけて飛びかからんとするような値踏みの視線! 動物的本能で人間・生物として負けを察知(汗)、彼女らと目を合わせず関わり合いにならないように図書室の奥の席へと移動する。身に覚えがアリすぎる(涙)。


 近代的な人間は互いに平等であるのだ! とはいっても、それが通じてそう振る舞えるのは極少数。人間は良くも悪くもサルの一種で動物でもある以上は、「価値判断」としては肯定しないが、親の教育や社会の風潮以前に「事実」としては動物的な力関係を直観して生きている。そして筆者は幼少時から常にそれで負けてきた(爆)。そーいう意味で、人間は本来性善かつ平等だという近代の理念は信じない。全員とはいわず人間の過半は性悪で差別もスキな奴が多数派だからこそ善や平等を目指すべきなのだ! と云ってくれたら納得するのだが。


 図書室でギャル少女が近づいてくる緊張でカバンを落として中からメガネ少年直筆の手描きマンガ原稿も露出! 気付かぬフリして墓場まで持っていってあげればイイのに、即座に嗜虐心をそそられて仲間を呼び寄せ原稿を読み上げての嘲笑! 今の時代、ネット言説もウスめられて普及しているので、このヒーローファンタジー漫画が弱者男子の欲望&古クサい女性観がダダ漏れであることまで正しく指摘!(政治的に正しいからって罵詈雑言OKではなく、糾弾にも礼節は必要なのだけど・汗)


 女子の方から情けない男子にチョッカイかけてくる漫画の深夜アニメ化『からかい上手の高木さん』(18年)・『上野さんは不器用』(19年)・『宇崎ちゃんは遊びたい』(20年)など通称「高木さん系」の真打ち登場! と思いきや、本作『長瀞さん』が時系列的には元祖だと!? ナ、ナンだってェェェェ~!?
 80年代以降の私的快楽至上主義の鬼子でもある若者間での「小さなイジメもOK!」なノリを批判的かつギャグの視点で映像化してみせた作品が遂に登場! と感動すら覚えて、この#1を繰り返し何度も観てしまう。という見方もまた筆者個人のネジクレた問題意識ゆえのマゾ的なモノであり、トラウマ刺激で直視できない御仁、ポワポワした萌え4コマ漫画が大好物な御仁、一部で流通した涼宮ハルヒでさえキツい女だというプチ風潮に賛同していた御仁にはウケつけない作品だとも思うけど。


 長瀞さんを演じるのは、もう中堅のアイドル声優上坂すみれ。現在放映中の『ウルトラマントリガー』(21年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211021/p1)でも悪の女ウルトラマンの声を演じることになったけど、それとも異なる性悪一歩手前で寸止めのサディスティック感、弱者男子を試してくる小悪魔的イタズラ感と余裕ぶりに、こーいうボイスも出せるのかと感心もする。
 ただ、#1に大感銘をウケた筆者としては、#2以降で早々に長瀞さんが根っ子は常識人でありメガネ男子くんにも少々デレてくるあたりで、こんなのは長瀞さんじゃないやい! と思わないでもない(むろんコッチの勝手な思い入れ・笑)。とはいえ、筆者個人の性悪説(正確には個人の中で性善と性悪が相半ば拮抗して存在している説)の文脈で本作を観る義理はないワケで、根っ子は常識人かつデレも見せていく本作の作り方自体は正しいとは思うのだ。
イジらないで、長瀞さん
ASIN:BB091XSPV2Q:detail

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.80(21年8月15日発行))


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