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くまみこ・ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?・ネト充のススメ ~コミュ症女子を描いた3作品の成否は!?

『はたらく魔王さま!』『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』『まおゆう魔王勇者』『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』『百錬の覇王と聖約の戦乙女』 ~変化球の「魔王」が主役の作品群まで定着&多様化!
『せいぜいがんばれ!魔法少女くるみ』『魔法少女 俺』『魔法少女特殊戦あすか』『魔法少女サイト』『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』 ~爛熟・多様化・変化球、看板だけ「魔法少女」でも良作の数々!
『魔法使いの嫁』『色づく世界の明日から』 ~魔法使い少女にコミュ力弱者のボッチ風味を加味した良作!
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 2020年10月から深夜アニメ『くまクマ熊ベアー』が放送記念! とカコつけて……。熊さんつながりで、深夜アニメ『くまみこ』(16年)。『くまみこ』がコミュ力弱者女子を描いていたので、その系譜の作品ということで、深夜アニメ『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』(16年)と同じく深夜アニメ『ネト充のススメ』(17年)評をアップ!


くまみこ』・『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』・『ネト充のススメ』 ~コミュ症女子を描いた3作品の成否は!?

(文・T.SATO)

くまみこ

(2016年春アニメ)
(2016年12月16日脱稿)


 しゃべる熊さんと女子中学生の巫女さんが東北の山奥で同居する癒し系の美少女アニメかと思いきや……。シリーズ中盤から内容が怪しくなり、その最終回にネット世論は炎上!
 #1切りしていたけど、ウワサを聞いて興味をそそられ、オタ友の伝手を頼って鑑賞してみた。


 ……面白いやないけー!


 黒髪でほっぺたプニプニ笑顔と仕草がかわいい、中学の制服姿もまぶしいメインヒロイン。ITリテラシーの高い保護者然とした直立歩行する熊さん(笑)。鬱蒼とした山林に囲まれた高低差のある山村の光景。それらが最高級の作画&演出で描かれる。……我ながらナンで#1で切ってしまったのか?(汗)


 が……。コレはヒドい最終回(爆)。


 ヒロインは被害者妄想・対人恐怖をコジらせて、都会の高校への進学を断念し(?)、熊さんとのふたりきりの暮らしを選んで、田舎に引きこもる鬱(うつ)エンド!


 しかし、この最終回は極めて批評的なのかもしれない!? この作品自体に内在している、あるいは美少女アニメ作品一般に胚胎・内蔵されている、精神的に自立した美少女ではなく弱々しい美少女キャラを囲っておきたい! できれば適度にコチラに依存してもらい――あるいは男の方が女に依存して――、いつまでもイチャイチャとしていたい! という男性オタの「共依存」的な願望を、実は容赦なく露悪的に体現してみせている!?


 この最終回は原作漫画にはないオリジナル展開であるそうだ。が、原作自体にこの最終回の要素もあるのだろう!?


 原作に依拠したとおぼしきTVアニメシリーズ序盤でも、ファッション・カーストを議題とするエピソードが登場!


 ド田舎の山中かと思いきや、山を降りればすぐ一面が平野の田んぼであって、国道沿いには「ユニクロ」や「ファッションセンターしまむら」などの安価な服飾店舗もある現代日本ファスト風土


 ふだんは学校の制服ばかり着てるけど、人並にカジュアルな私服も買い求めねば! と思いつつも、そもそも街に出掛けるにあたっての私服がない! 「ユニクロ」に着ていくための最低限オシャレな私服自体がない!(笑)
 「ショッピングモール」で私服ではなく制服姿なのはアタシだけ!? と他人の蔑みの視線に怯えて、そもそもの立ち位置が人並のスタート地点に立っていないことに気付いて、その前で立ちすくんで、劣等感と敷居の高さに悶々とするヒロインの自意識の堂々巡りが描かれる。


 ……お前はオレか!?(笑)


 本作の萌え萌えメインヒロインのメンタルの内実は、(ひとり)ボッチ漫画の金字塔『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(11年・13年に深夜アニメ化・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190606/p1)のコミュ力弱者の主人公・黒木智子(くろき・ともこ)ことモコッチじゃん!
 ただし、ルックスには恵まれているから、自信を持てそうなのに――その点では劣等感を抱かなそう――、生来のシャイで謙虚な性格ゆえか彼女は増長しないし、モコッチのように他人や世間を憎まない(爆)。
 作品自体も『私モテ』のように主人公の愚行をブラックな笑いに転化して救っていくこともない。そして、人前に出ることが苦手なメインヒロインが、村興しの晴舞台に動員されて疲弊していくサマが延々と描かれていく……(汗)。


 80年代中盤以降、日本も高度大衆消費社会化を達成すると、人間の本性というモノはホントウに品性下劣だというべきか、若者は微差を誇って優位に立とうと差異化競争を繰り広げて、イケてる系イケてない系のカーストは拡大して、強迫の域にまで達して、髪型・服飾も細分化し、性格・趣味嗜好までもがそれによって可視化され、劣位の者は前代よりも過剰に劣等感を持たされるようになったと私見する。……ソースは俺(笑)。


 教室内の一体感がなくなって細分化・カースト化していく感覚は、筆者の見聞だと80年代中盤にすでに大学生や社会人であった60年前後生まれのオタク第1世代では乏しいけど、その下の世代だと80年代前半にタレントのタモリが流行らせたネアカ・ネクラ・ダサいなどの用語に加えて、70年代までの若者みんながGパン&ボタンシャツだった時代は終わって、元祖「ユニクロ」的な店舗がカジュアル服の販売を始めたことと併せて強烈な記憶であろう。
 地方だと80年代末期、都心の私立の中高だと80年代初頭の時点で自身のダサい私服をバカにされたトラウマ(心的外傷)を語る本誌ライターもいて時差はあるけど、いつの時代にもあったとしても今日的なスクールカーストは80年代中盤が起源であると見る。


 アレから30年(爆)。90年代末期には脱オタクファッションガイドなどのサイトも登場して、それが書籍化もされて、オタク自身もキモオタ/ライトオタに細分化するなどして変化を遂げている。


 人間性や善良さではなく見た目・ルッキズムで選別してくる「社会」――というか「若者」たち――の方が不純なのでありオカシいにせよ、その当の「社会」の方を変革しようとしている間に「思春期」も「結婚適齢期」も過ぎてしまうであろうことを思えば(爆)、「社会」の根源的な変革のことは棚に上げて、世知辛い世の中でせめて侮られないようにドー具体的に眼の前で生じる事態や差別や蔑視に対して処世をしていくのかを、若年オタたちが模索していくのもやむをえまい。


 そんな問題意識がこの深夜アニメのスタッフたちにもあったのだと信じたいけど、中途半端な問題意識ゆえか、それともハッキリと性格弱者などは助ける気もない悪意ゆえなのか、作品は壮絶な空中分解を遂げている。


 「ヤレばできる」「夢はかなう」などのキレイごとの言説は「欺瞞」である。性格による「向き」「不向き」などもやはりある。書籍『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』(05年・ISBN:4331511170)などといった現実処世的な書籍も発行されている昨今、都会で友達をいっぱい作ってみせるようなキレイごとのエンドではなく、田舎に閉塞してしまう鬱エンドでもない、第3の道! 都会の高校の文化部あたりで、気が合う少数のテンション低くてオトナしい同性の友人を見つけて、彼女がリハビリしていけるような、慎ましくても現実的で実効性もあるようなエンドなども提示してほしかったモノなのだけど……。
くまみこ(A) 2017年カレンダー

くまみこ 壱 - くまぼっくす - [Blu-ray]
(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.68(16年12月30日発行))


ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?

(2016年春アニメ)
(2016年4月28日脱稿)


 西欧中世風ファンタジー異世界を舞台にしたネトゲ(オンライン・ネット・ゲーム)では、現実世界での性別を無視したキャラクターに成りきれる。それは異性へのフェティッシュなハァハァした気持ちを我が身の全身を使って(?)代理発散するマスターベーション的なキモい行為である面も否めない。
 オンラインの中では可愛い美少女が、3次元=オフラインの世界ではムクつけき野郎=ネカマ(ネット・オカマ)である可能性は非常に高い(笑)。


 「そんなのはわかってますよ! そんなのはわかってますよ! そんなのはわかってますよ!」と、往年の名書籍『電波男』(05年・三才ブックスISBN:4861990025 08年に講談社文庫化・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070318/p1)や『電波大戦 ぼくたちの“護身”入門』(05年・太田出版ISBN:4872339835)を著した本田透(ほんだ・とおる)大センセイのような幾重もの鉄壁のガード・バリア・障壁・結界を張って、「最初から期待しないようにしよう」「裏切られないようにしよう」「冷めていよう」と構えていたところのオフ会に現れたゲーム内での「俺の嫁」。
 そいつはホントに女の子で美少女だった! しかもゲームとリアルを混同して、主人公のオタク少年を好いてくれている! という。
 しかも、「そんなことあるワケないじゃん!」「ご都合主義じゃん!」「弱者男子にとっての性的ファンタジーじゃん!」という容易に想定されうるツッコミに対しても、事前にしつこくクドいくらいに作品タイトルも込みで一生懸命弁明している、とてもとても言い訳がましい作品になっている(笑)。


 しかも彼女は気が弱そうでコミュニケーション弱者で、引きこもり気味で半ば不登校でたまに学校へ行くと好奇の眼で見られてしまうという。他人に対して悪意や害意などは持ちそうになく、どころかオドオドビクビクしており伏し目がちで、他人に声をかけるのも一大事だからか、代わりに袖をツンツン引っ張ってきて(笑)、自尊感情も低そうだから70年代乙女チック漫画的に「私なんて……」という感じで、イケてる系とは云いがたい主人公のオタク少年を上から目線で値踏みしてくる気配もナイ。
 美少女だけど、ボリュームのあるロングヘアの黒髪は美容院でバッチリ決めたという感じではなく、適度にモッサリあちこちハネていて、黒っぽい地味めの服装も、ゲームにしか関心がナイという趣味嗜好も、オタク少年をファッション方面からイケてるかダサいかで測ってこないような安心感をもたらす(笑)。
 しかもそのオタク少年が演じるゲームキャラの名前で、彼女はその可愛らしい声でニコニコとつぶらな瞳と上目づかいで呼びかけて、片腕にしがみついて誘惑の意ではなく天然でその巨乳を押しつけてきやがる! 休み時間に他のクラスから出張してきて、まとわりつきやがる!


 「こ、こ、こ、こんな女子がいたら、こ、こ、こ、こんなダメなボクでも、その少女の経験値のなさと弱みに付け込んで上位に立って、恋人にできるかも!!! 連れて帰って、床の間に飾りたい!!!」
 ……とオタク男子どもを悶絶させているのに違いない! ……フン、筆者のことじゃないからネ。くれぐれも筆者のことじゃないからネ(……く、苦しい)。
 こーいうオタク男子・弱者男子にとっての欲望ダダ漏れ、都合のイイ女子像ばかりを描いているから、このジャンルは高邁・深遠・高尚にはならずに、自堕落でダメなんだよ!(……我ながら人格的な説得力がナイな・笑)


 最強の美少女ヒロインの誕生と、世紀の大傑作の誕生の予感がしています(……ってオイ!・汗)。
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(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.74(16年5月1日発行))


ネト充のススメ

(2017年秋アニメ)
(2017年12月26日脱稿)


 スマホ漫画原作の深夜アニメ。
 ガチのオタク系漫画やラノベ原作アニメだと、良くも悪くもキャラ萌えを見せるための作劇という印象を受ける。しかし、スマホ漫画の場合はターゲットがもう少し広いせいか、シチュエーションコメディ・シチュエーションありきの奇抜なストーリーから来る面白さの方を優先した作劇が多いという印象を個人的には受ける。


 この作品も#1のナチュラルな吸引力にはホレボレとする。


 夜も遅くに足取りも重く、ウス暗い2階建てのアパートの階段を昇る黒スーツ姿の女子。鍵を開けてひとり暮らしの部屋に入るや、送別会で渡されたとおぼしき花束をゴミ箱に放り投げ、ベッドに俯せで倒れて着たきりスズメのままで爆睡。


 翌朝、会社に行かなきゃ! と目覚めるや、


「そうだ、会社を辞めたんだ」


と安堵する。


 その彼女がまた後ろに束ねていた髪を降ろした黒髪ロング女子で、顔の造作の素材はよくても、やはりこのヒロインも眼の下にクマがあり(汗)、眉毛も3本線で描かれることで、おそらく女子なのに眉毛を剃り整えていないのであろうと想起させる、不健康なアラサー女子がソコにいる。


 2代目カリフみたいな名前の、ソトでは才色兼備・ウチではカウチポテト(死語?)なオタク女子高生美少女『干物妹(ひもうと)うまるちゃん』(15年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150901/p1)の15年後の姿がココにある!?(……ウソです・笑)


 そこでブツブツと始まるウンチク言い訳トーク


「自分はそのへんの無職とは格がちがう」
「自らニートの道を選んだエリート・ニートだ」(大意・笑)


 さらに求職サイトでも見ればイイのに、新たなネトゲ(オンライン・ネットゲーム)に入会して、その西欧中世ファンタジー異世界のイケメン男性ゲームキャラの林さん(爆)としてログインし、現実世界からは逃避する。


 そこで出逢ったピンク髪にピンクの巨大リボン、ピンクのふわりとしたロングコートを身にまとった美少女キャラクター!


「か、かわいい!」


とデフォルメキャラと化したアラサー女子が相好を崩してデヘヘヘヘとヨダレを垂らしている。……彼女の中身・メンタルはオッサンやないけー!(笑)


 次第に仲を深めていくふたり。ゲーム世界の海底のイソギンチョクの中にいっしょに入ってイチャイチャしたりするその光景自体は美しいけれど、カメラが一歩引くや、そこにはモニターを見つめてニヤニヤしているキモ~い我々の似姿でもあるアラサー女子の傍から見たら怖い笑顔が!(爆)


 ほとんど空の冷蔵庫や、クリスマスでカップルだらけのコンビニで缶ビール・ポテチ・弁当だけを買い込み


「(こんなところにいたら)死んでしまう!」


と内心でだけ叫ぶ描写なども、いちいちリアルなダメ人間の生活臭が漂っていて、ニガいけれども優しい「笑い」も喚起する。


 そんなリアルな描写の積み重ねの末に、コンビニのレジ上の保温ガラス箱にあったチキンを同時に注文したことから、イケメンでも腰が低そうなメガネ青年クンとまずはファースト・コンタクト!


 というところで、天文学的な確率であるピンク髪の美少女ヒロインの中の人(?)とそれとは知らずに遭遇できるワケだけど、そこまでに至るリアルな生活描写の助走台が延々とあったので、ご都合主義的なイヤ~ンな感じはせず、ドラマチックでロマンチックな感慨の方が優先されてくる。フィクション作品はドコまで行っても大ウソだけど、ウソであってもかく作るべし!


 コレで、このピンク髪の美少女の中の人も、ラノベ原作の深夜アニメ『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』(16年)同様、ウラのウラをかいて結局はオモテとなることで、その正体は女のコであり、しかもオタク男子にも物怖じしてしまうくらいのオボコい気弱なオタク女子でした! という展開であったら私的にはウェルカムなのだが(笑)、この作品の主人公は高校生男子ではなくクタビれたアラサー女子なのである(爆)。
 彼女の恋(?)の行く末も心配だが、それ以上に生活や蓄えの方が心配だ(汗)。


 主演声優は能登麻美子(のと・まみこ)。よく似た声質の10年代における人気声優・早見沙織(はやみ・さおり)のポジションを00年代においては彼女が務めていて、胸の奥のやわらかい臓腑を優しく手の平で包まれるような、その甘くて柔らかい声質をキライなオタク男子はいなかったとは思うけど(笑)。
 メインヒロインは少女漫画原作の深夜アニメ『君に届け』(09年)シリーズ主演が最後で、世代交代とともにフェードアウトするのかと思いきや……。英仏百年戦争を舞台とした深夜アニメ『純潔のマリア』やギャングものの深夜アニメ『ギャングスタ』(共に15年)などでも本作同様、低音ボイスでアラサー年増女性を演じており、延命には成功したようだ。今年2017年には深夜アニメ『地獄少女』(05年)の第4期こと『地獄少女 宵伽(よいのとぎ)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191201/p1)でも10年弱ぶりに主演!


 ところで、リアル=現実世界で充実した「リア充」ならぬ、ネット=仮想世界で充実している「ネト充」。
 この言葉を90年代のオタキング岡田斗司夫(おかだ・としお)のように、黒人運動における「ブラック(黒人)・イズ・ビューティフル!」ならぬ「オタク・イズ・ビューティフル!」という、確信犯でもヒネりのないガチでポジティブな意味で使いだしたのならば、我々オタには手に入らない「リア充」たちの「果実」をホントウはマズいのにちがいない! と云い換えてゴマカしている「酸っぱいブドウ」的な必死さがドコかで漂ってきてしまって、ドーしてもイタくなってしまったことであろう。


 しかし、現今ではイイ意味で自らを「負け犬」だと認めて、オタクは自分たちを「イタい」「ネト充」と自嘲して、自分のダメさ加減をも「ネタ」に「笑い」として消費する。痛車(イタしゃ)・痛バッチ・非モテ・キモオタ・自宅警備員(笑)。


 天然での無自覚なイタいふるまいは最悪だけど、自覚していてブレーキもかけつつ、それでも「半笑い」としてやってみせている「イタい行動」にならば、イタいなりの行き過ぎにはならない「節度」といったモノもやどるだろう。
 この自虐的な風潮を、古いタイプの60年前後生まれのオタク第1世代の「オタク・エリート」説的なエリート主義のオタたちは批判的に見ているようで、場合によっては理解すらもができないようだけど(汗)、程度問題ではあるけれど、自らを「自嘲」して相対化して天狗・増上慢にはならないようにふるまう、今の若いオタの道化・ピエロ的なメンタリティの方が、筆者個人は道義的にも上だと思うし、信頼も置けるモノだと私見もしている。
TVアニメ「ネト充のススメ」オリジナルサウンドトラック

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.80(17年12月30日発行))


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