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コロナ禍で中断していた深夜アニメ『ギャルと恐竜』が2020年10月から放送再開、無事に完結するであろう記念! とカコつけて……。
ギャルやビッチを描いた深夜アニメ『はじめてのギャル』と『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』(共に17年)評をアップ!
『はじめてのギャル』・『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』 ~オタの敵・ギャルやビッチのオタ向け作品での料理方法!
『はじめてのギャル』
(2017年夏アニメ)
『はじめてのギャル』合評1
(文・T.SATO)
(2017年7月23日脱稿)
オタの天敵である女子高生巨乳ギャルがヒロインである深夜アニメが登場。ヤンキー色漂う一般層向けの少年マンガ誌出自かと思いきや、コアなオタ層向けではなくとも一応はオタ層寄りとおぼしきマンガ誌『少年エース』が出自だと!?
とはいえ、彼女はルーズソックスを履いている……。今時そんな女子高生はいねェーよ!(笑)
というワケで、リアルなギャルではなくマンガ的記号としてのギャルだともわかる。しかも#2以降、実は彼女はその内心はウブだとも明かされる。
……コ、コレはギャップ萌え!(爆) まぁ公共心皆無の自己中・私的快楽至上主義者の真性ギャルがメインヒロインであったら、我々モラリストでもある(?)オタク男子たちにとっての憧憬の対象にはならないだろうからネ。順当なマンガ的アレンジだろう。
気弱だけど人並みにスケベな男子高校生主人公クンが、同級生のムサい眼鏡・デブ・金髪のスクールカースト低位の仲間たちにそそのかされて、付き合えばヤラせてくれるかも!? ……とのナンちゃって下心で告白したらOKで(爆)、ふたりが付き合い始めたことから始まる珍騒動。
ラブコメのお約束であるご都合主義で、このまったく冴えない男子に実は気があった、下級生の妹系チビロリ爆乳&ツンツンした黒髪ロング学級委員のふたりがモーションをかけてくる歌舞伎的様式美も入れている。
ただし変化球も投げており、主人公男子にでなくメインヒロインギャル高生に懸想している別の褐色肌の女子高生ギャルをもうひとり設定して、2017年の同季(夏季)深夜アニメ『恋と嘘』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200202/p1)とも同様に、女性同士の百合・同性愛要素も入れている!
ロリ声の小倉唯(おぐら・ゆい)ちゃんが演じるチビロリ爆乳は途中で髪を染めて黒髪からピンク髪となり、少年に上目遣いでアピールしてくる。ちょっとドキドキ(笑)――「無意味なブラック校則で中高生たちはガンジガラメになっている!」なぞとサヨク連中はガナっているけど、今日びの高校生たちはそもそも校則なんて守っていないっていうことでもあるよネ?――。
自宅ではギャル風カツラ&トークでナマ配信をしているユーチューバーの学級委員女子は、あずにゃんペロペロから幾星霜の竹達彩奈(たけたつ・あやな)嬢が好演。
序盤のツカミはよかったと思う。傑作だ! なぞと主張をする気もないけれども、一応は観られる作品に仕上がっているとも私見する――ヒトさまに薦める気もないけれど(汗)――。
しかし、我々オタを露骨に蔑(さげす)むギャルたちは、オタ向け作品では脇役か悪役か教室にはいないことになっていて(爆)、ギャルではなく巨乳キャラですらもがサブキャラ止まりのお色気要員でメインヒロインに昇格しなくなって久しい昨今、本作が覇権を取ることなどアリエナイだろうけど、アニメ化される程度にはニッチなニーズもあるようで、日本のオタの未来も安心だ。
いやまぁ女性の側で男子をリードしてほしい、筆下ろししてほしいという願望の発露と取れば、日本のオタの未来がやはり不安だけれども(笑)。
女子高生が一律にミニスカ&ルーズソックスと化したのは今は昔の1993年。その10年後の2003年でもミニスカ&ルーズソックスは健在だったけど、00年代の終わりまでには
「ミニスカは死なず、ただルーズソックスは消え去るのみ!」
にて消滅し、ルーズソックスファンの筆者は残念で残念で仕方がナイ(オイ)。『とある魔術の禁書目録(インデックス)』シリーズ(04年。08・10・18年に深夜アニメ化)の女子高生ヒロイン・御坂美琴(みさか・みこと)ちゃんにだけは、コレからも末永くルーズソックスを履き続けてほしいものである(笑)。
『はじめてのギャル』合評2
(文・久保達也)
(2018年1月18日脱稿)
第4話まで試しに鑑賞。第1話で切ってしまったアニメファンが多かったのでは? と思えるほど、こんなクダラない作品を公共の電波で流していいのかと思えるほど面白かった(爆)。
特にあの主人公男子の脇を固める「3バカ」たちがいい。第2話で連中がギャルと付き合いはじめた主人公男子を「裏切り者!」呼ばわりしたり――同様の展開は元祖オタクサークルを描いた深夜ドラマ『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』(16年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170628/p1)にもあったけど・笑――、第3話の黒ギャルや第4話の性悪美少女キャラなど、みんな行動原理が相応にリアルなので感情移入ができるし、本来ならばありえないハズの頼りない主人公男子がハーレム状態に至ることに充分な説得力を持たせていると思える。もっと早くに観ておけばよかったと少々後悔。
前季の妹ネタの深夜アニメ『エロマンガ先生』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20221211/p1)もそうだが、全編「バカ演出」を炸裂させながらも毎回「泣き演出」もさりげなく入れてくるのも素晴らしい。第8話ラストの線香花火が消えるセンチメンタルな描写などなど。メインヒロインのギャル子にしろ、ホントはいい子という部分を徐々に小出しにしていくのもうまい。
それにしても「あるある感」満載の「3バカ」たちのイタさは絶妙。初期東宝特撮映画の音楽・伊福部昭(いふくべ・あきら)のマーチみたいな音楽も流れるけど誰の趣味なのか?(爆)
第9話と最終回(第10話)は前後編。直前の第8話まではあれだけ「バカ演出」を炸裂させていたのに、この前後編はもう涙なしでは見られないほど感動する出来(笑)。
『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
(2017年秋アニメ)
(文・T.SATO)
(2017年12月27日脱稿)
銀髪ショートの学級委員である美少女女子高生がメインヒロインである作品。
彼女は容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能ゆえ、余人に見下されたりイジられたりすることはナイので、劣等感や自己憐憫の気配もナイ。と同時に、まったく媚び媚びしておらず、対外的に笑顔やお眼めを大きく見開いたり、同性との会話で共感したフリをして大げさにウンウン相槌を打ったり、異性向けに身をよじってシナを作るようなこともナイ。
昭和中期の歌手・東海林太郎(しょうじ・たろう)のように(古!)直立不動の無表情で訥々とクールに丁寧語にて会話する!
とはいえ、シニカルさや虚無感やイヤミな感じはせず、ヒトの良さはにじみ出ており、天然の性格であることはよくわかる。
しかも、自分の浮き世離れを自覚もしており、世間一般並の異性との交流や性の知識、男性の性癖(汗)などはおそらくネット経由にて学習済!(笑)
そんなマジメさが徒花(あだばな)な方向にも向いた彼女に、オボコい男子高校生主人公クンが告ったら、あっさりOKしてくれるも、真顔で明後日な方向の下ネタを連日くりひろげてきて少年は困惑しつつも、マンザラでもないのであった……という角川オタク系マンガが原作である深夜アニメ。
おそらく編集者側の発想としては、同社のマンガ『はじめてのギャル』(16年・17年に深夜アニメ化)における「主役ギャル」をそれとは対極の「学級委員」に反転、あちらの「ギャル」の本性が「ウブ」ならば、こちらの「学級委員」の本性は「ビッチ」にしてみせよう! といったところであろうか!?(多分違う・汗)
別に破裂的に面白いとは云わないけど、個人的には程々に面白い。
スケベなオッサンオタクとしては、マジメだけれどもビッチだなんて「昼は淑女、夜は娼婦」みたいでサイコーじゃねーか!?(ヨダレ) 異性に対する要求水準は低そうだし、何気に主張はしてないけどパイオツもデカいし、相手をコレだと定めたらひとりの男に尽くしてくれそうだし……などと、映像作品では描かれていないことまで筆者の妄想は回転するけれど(笑)。
しかし、マンガマニアではなくアニメマニア、その実態は萌えアニメファンでもあるような円盤(映像ソフト)を主に購入するような現今のコアで清純派志向のオタ層には多分売れないだろうし人気も出ないだろうとも思う(爆)――まぁ原作マンガの売上が深夜アニメ化で多少なりとも伸びればそれでイイ! というようなビジネスモデルなのでしょうかネ?――。
好事家ならばご承知の通り、原作マンガのタイトルは『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』(15年)である。深夜アニメ化に際して「処女ビッチ」の語句が生々しくてクレームが付くかも……とでも目されて自粛したのか、先回りした変更をも含めてムダに深読み・話題にしてもらおうとでも思ってか「しょびっち」に変更されている(笑)。
主演声優はけっこうなキャリアがあるハズなのに、今年2017年になってもいまだに深夜アニメ『幼女戦記』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190304/p1)・『アホガール』などで主役をゲットできている七色の声音を持つ身長145センチのロリちび声優・悠木碧(ゆうき・あおい)嬢。
彼女もアラサーになったので、こんな汚れキャラを演じられるポジションになったのか? と思いきや……。まだ25歳だったのかよ! どんな羞恥プレイだよ!(笑)
余談。悠木碧はあずにゃんペロペロこと声優・竹達彩奈(たけたつ・あやな)嬢と一時はコンビを組まされてふたりでよく歌唱していたけど、天真爛漫アイドルタイプの全身女のコ! といった彩奈嬢に、クールな自意識・懊悩する近代的自我(笑)を有していそうな碧ちゃんが内心では少々ヒイている気配があり(?)、このふたりは真の意味では気が合わなさそうに感じられるのは筆者だけではないだろう!?(笑) そー考えると、碧ちゃんは意外と本作のクールなメインヒロインに近いのかもしれん!?(邪推)
ただそーなると、碧ちゃんが顔出しでその身をくねらせながら披露する、甘ったるい媚び媚びとした本作主題歌の中CMは、彼女がドーにもややムリをしている自意識も透けて見えてきて(?)それもまた愛おしい。今回オデコも出して女の子らしからぬ太ッとい眉毛も披露するのには賛否両論あろうけど……(筆者個人は許す!・笑)。
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http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061119/p1
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#はじギャル #はじめてのギャル #僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件