假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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がっこうぐらし!・それが声優!・アクエリオンロゴス 〜2015年夏アニメ評


[アニメ] 〜全記事見出し一覧
GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり・六花の勇者・おくさまが生徒会長!・干物妹!うまるちゃん・実は私は・下ネタという概念が存在しない退屈な世界 〜2015年夏アニメ中間評
キズナイーバー・ハイスクールフリート・甲鉄城のカバネリ・少年メイド・坂本ですが?・ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?・文豪ストレイドッグス 〜2016年春アニメ序盤評
ももくり・この美術部には問題がある!・チア男子!!・初恋モンスター・Rewrite・ReLIFE・orange 〜2016年夏アニメ中間評

2015年夏アニメ評! 〜がっこうぐらし!それが声優!アクエリオンロゴス

(文・T.SATO)
(15年10月3日脱稿)

アクエリオンロゴス

(金曜24時 TOKYO MXほか)
「♪ヤマイダレ、ダ〜リン、ダ〜リン。神託のカンムリィ〜〜〜〜〜(フォーッ!・掛け声)」。
 いやぁノリノリのカッコいい主題歌で、先に引用したイントロの歌詞&楽曲は、耳についてヘビーローテーションになりますナ。しかし、「病」の部首の「ヤマイダレ」とは(笑)。


 「カッコよさ」と「おバカさ」の同時両立をねらった人気合体ロボットアニメ『創聖のアクエリオン』(05年)シリーズも早くも10周年! その第3作目である本作は、本稿執筆時点の今のトコロは前2作とは無関係のようだ。


 絵面からして、時代設定も舞台設定もよくわからない(筆者だけ?・汗)、文明退行後の終末世界ぽかった、陰鬱で古代・中世の石造りっぽい建造物群の印象が強い前2作とは異なっている。
 今回は舞台がモダンで喧噪に満ち満ちた現代で、東京は杉並区のJR中央線・阿佐ヶ谷駅周辺のご近所商店街!
 伏せ字も変名もあまりなく、店舗名や会社名がだいたいそのまま出てくる。
 阿佐ヶ谷は、パチンコ会社SANKYO傘下の我らが河森カントクが重役を務めるアニメ制作会社・サテライトの所在地だそーで、遠隔地へのロケハンの必要もナシ(笑)。
 キャラデザも、オープニングの人物カット群に象徴されるよーに、8等身でもポップでライトな描線もやわらかい印象。個人的にはけっこう好みのキャラデザだ。


 あとで知ったことだけど、コレまた実在・既存の、声優の卵たちを店員にそろえているとゆー、阿佐ヶ谷のアニメコラボカフェ・SHIROBACO(KOではない・笑)を、地球防衛組織のカモフラージュ基地にナゾらえる。往年の『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)か『太陽戦隊サンバルカン』(81年)かヨ!
 イザとなるや、とゆーか毎週毎週、店員たちがオタクっぽいお客サンたち(笑)を追っ払い(そんな無体な!)、カフェは端末とモニターに満ち満ちたヒミツ基地の司令室と化す!


 そして、ふだんは店員を務めている青年・少年・少女たちは、声優の卵ではなく「創聖」ならぬ「創声力」とやらの持ち主で、6原色の戦闘機に搭乗して出撃!
 #1では戦闘機の出撃に際して、阿佐ヶ谷の駅前ロータリーの区画が封鎖されて変形! カッコいいけど、リアルに考えたらスッゲェー迷惑!(笑)
 そんな彼らは「創声力」を鍛えるために、ふだんは「創声部」を結成し、ときおり朗読劇をも披露する。……今、流行りの部活モノかよ!? しかも朗読劇の内容は「3匹の子豚 in 白鳥の湖」などと来たモンだ。


 しかも、SNS系のIT会社を隠れミノにした敵さんの団体もそーとーオカシい。
 形而上(けいじじょう)世界で「漢字」1文字1文字の理念・イデア(?)に対して注射器みたいなモノをブッ刺して破壊せんとすると、「漢字」そのものが苦悶しだす。「漢字」さんは生き物かヨ!?
 すると、現実世界でもその「漢字」にまつわるデタラメな怪事件が発生!
 ちなみに、形而上世界では「漢字」そのものが化け物となって、漢字の「読み」まんまの鳴き声(笑)をあげている。


 今までにターゲットにされた漢字は、「巻」とか「夢」とか「恋」とか「夏」とか「炎」などなど。
 しかしそれによって起きる怪事件も法則性がデタラメ。当初はその文字が差し示す「概念」が人類の知的・文化的蓄積から消失して、無かったことになる過程において、その「概念」が一時的に暴走して、大騒動! になるのかと思いきや。
 「巻き」寿司が動き出し、ネクタイが首に「巻き」付き、ソフトクリームが「巻いて」なくて(笑)、竜「巻」が発生する!
 「夏」の概念にお注射すると、現実世界で一時的には「夏」が暴走するのかと思いきや、飛び越えてイキナシ「真冬」となる!
 「炎」の概念にお注射したから、この世から「炎」が消失するのかと思いきや、ネット上での「炎上」が現実世界での物理的「炎上」に!


 ……落語かよ!? 整合性が取れてねーヨ!(笑)
 一瞬でもマジメに古代ギリシャの哲学者・プラトンイデアの世界だの、原始の漢字(甲骨文字など)の部首から古代中国人の呪術的な風俗を解読する白川静センセイの「漢字学」を連想して――『侍(さむらい)戦隊シンケンジャー』(09年)や土6アニメ『天保異聞 妖奇士(てんぽういぶん あやかしあやし)』(06年)でも同様のことをやってたよネ――、本作はバカっぽさの中にもハイブロウなものがあるのかも!? と深読みしよーと構えた筆者がバカでした。
 もう女児向けアニメ『プリキュア』シリーズに毎週出てくるギャグ怪獣と変わらないよーな、「笑い」を取りに来るデタラメなコンセプト!(ホメてます!・笑)


 着崩した青いブレザーの高校の制服に身を包んだ長身の高校生男子の主人公もカッコ・オカシい(笑)。#1で唐突に登場して、ヒミツ基地の戦闘機を強奪してナゼだか知らないけど操縦もできる! 戦闘機群も巨大ロボットに強制合体させて、敵の「漢字」の巨大怪物も撃破!!
 もうリクツもナニもあったモンじゃない! #2ではヒミツ基地の防衛組織の警備員たちに拘禁されるも、平気で脱獄して再度大活躍し、その功績が認められ(認めるナ!)、#2の最後では仲間として迎え入れられる超展開。彼の氏素性はいまだ不明だろ! この作品の作劇自体もそーとーオカシい――いや、視聴者のツッコミを待っている誘い受けなのはわかりますヨ(笑)――。
 トドメは彼が毎回毎回何度も何度も自信満々に繰り出すキメ台詞。……「なぜならオレは、救世主だからだ!」(爆笑!)。
 いやぁヒーローもの的にはカッコいいすけどネ。リクツにも説明にもなってないヨ! 単なるヘンタイさん・誇大妄想狂だよネ。劇中でものっけからその旨でツッコミされてるし(汗)。


 敵の首領の背広姿のダンディなオジサン社長に正義側の組織をスパイしろ! と云われて、正義の味方に寝返ったフリをしている、戦闘しか知らず世間のことをまるで知らないので、ズッコケたボケを盛大に毎回カマしてくれる銀髪ショートのメインヒロイン。
 選挙演説台を載せたクルマをレンタルしている(爆)政治家志望のイケメン青年に、落語家志望のバンカラで気サクな三枚目青年。チャイドルの金髪ロリ幼女。
 彼らは全員、戦闘機に乗って巨大ロボットも操縦してみせる……が、ロリ幼女だけは明らかに労働基準法に違反してなくネ?(笑)


 極めつけは、女優志望なのに虚栄心皆無の性格よさげ。小鳥がさえずっているよーな可愛らしい小声だけれども吃音(きつおん=ドモリ)ぎみなので、「身の程をわきまえろ!」とも云いたくなる(汗)、ボリュームある黒髪セミロングの常に高校のミニスカ制服姿でいる太ましいサブヒロイン・心音(ここね)ちゃん!
 いやぁ健気ですねェ。いじらしいですねェ。癒されますねェ。肉感的ですねェ。筆者は大好物ですヨ! 食べてしまいたい!(笑) 性格がやさしすぎるから強気に迫ればイヤと云えなくて、お持ち帰りできそうな性的ファンタジーをも妄想させてくれる(……オイ・汗)。


 道で転んだお婆さんに手を差し伸べて助けるも、続く会話でうまく言葉が出てこずに、イチイチ「エッ? エッ?」と聞き返されて、意志疎通がうまくいかないことにプチ・パニックとなってますます言葉が出なくなり、ついにはスマホの画面を使っての筆談を始めてしまうとゆー!
 ……アアッッ! オマエはオレか!? フツーの人々が呼吸をするよーに自然にできること(日常会話・雑談など)が流暢にできず、それにストレスを感じて気後れしてしまう人種の苦悩をよくぞ描いてくれました!
 氏、氏にたくなってきた。……けど、ボクまだがんばるもん!(意味不明) 思えば筆者もブザマで恥辱にまみれて地ベタを這いずりまわりながら人生を生きてきました。だから、読者のみなさんも今後ともコラえて生きていきましょう!(笑)
 あー、かわいそ、かわいそ、かわいそ。……自分がかわいそ。とゆー、コレは弱者への慈悲心を視聴者へ訴えかけているよーで、実は自己憐憫の心に訴えかけている、実に高度もとい自堕落な、コミュニケーション弱者である我々オタどもをコロッと転がすための周到なキャラ設定&作劇なのである。
 まぁ筆者自身はこんな安っぽいテには転がされナイけどネ。……心音ちゃん、命!(笑)


 心音ちゃんを演じるのは、深夜アニメ『SHIROBAKO(シロバコ)』(14年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160103/p1)で、売れない声優志望のズカちゃんことしずかを演じて1億人の涙を振り絞った千菅春香(ちすが・はるか)ちゃん! エンディング主題歌の歌唱も担当し、中CMではご尊顔も披露する! いやぁお仕事が引き続いてあってホントによかった(現実と虚構を混同・汗)。


 でもなんか、この吃音・緘黙症(かんもくしょう)ぎみの設定には既視感もあるよーナ? ……今年、各映画館で散々予告編をやっていて、この9月に劇場公開されたばかりのアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』(15年)の黒髪と白い制服姿がまぶしい女子高生ヒロインと同じ設定やないけー! いやまぁアッチは小柄なスレンダー少女で身長&体型はまるでちがうけど(笑)。


 銀髪のそそっかしいメインヒロインが
「なぜアイツを常時、眼で追っている!?」
 と容赦なくハズかしいことを詰問するや(オマエもスパイ任務か!? の意・笑)、サブヒロインが
「わからない。気付いたら眼で追っちゃってて……。胸がドキドキして、頭がボーっとしちゃう……」
 とマジレスして、メインヒロインが
「病気か!?」
 と天然ボケに天然ボケを重ねていく一連に象徴されるよーな、人情や恋情の機微にあまりにも鈍感で幼くておバカすぎるラブコメ図式もサイコー!(笑)
 てなワケで、前2作よりも本作の方が、バカっぽさに拍車がかかっていて、個人的には気に入っていたりする。


 ただ、アクエリオンがヨロイ武者風のヒト型合体ロボットになること自体が本作ではマレで、「ココで笑ってください!」とばかりに「鳥」とか「虫」とか「ウサギ」型の色物ロボットにバリエーション合体して必殺ワザを繰り出しすぎるあたりだけはドーにも(汗)。
 タマの変化球ならばイイけれど、ソッチ系ばっかじゃねーか! 長い手脚をブルンブルンと振り回したり足を踏ん張ったりミエを切ったり武器を構えたり拳をギュッと握ってみせたりするヒト型でないと「力感」「ヒロイズム的な勇ましさ・カッコよさ」「敵をやっつけるカタルシス」には欠けてしまうよーに思うのだけれど。
 ……「カエル」型のアクエリオンが登場した時点で、もうナニを云ってもムダですかネ?(笑)


(了)



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それが声優!

(火曜23時 TOKYO MXほか)
 ようやっとデビューできたばかりで先行きも定かでナイ、若手女性声優3人組のドタバタ悲喜劇を、シリアスにではなくマッタリとオブラートに包んで描く深夜アニメ。


 黄緑色のボリュームあるロングヘア。オットリとしつつもシッカリしている、いかにも性格よさげな子役上がり。常に薄紫色でロングスカートの学校制服で身を包んだ、小柄な可愛らしい現役中学生声優のサードヒロイン!
 コリン星ならぬイチゴ星からやってきた! とゆー設定を作ってテンション高くブリブリと演じている、ピンクのツインテール、膝上まである長い白タイツ&苺イメージのミニスカの合い間のせま〜い絶対領域(笑)に素ハダの太モモも見せつけてくれる、いわゆる萌え萌えの可愛いコぶりっコのサブヒロイン!
 そして、薄紫髪のショートカットにメガネ。丈がとても長〜いカーデガン、スネまである細みのロングスカート、短い上げ底ブーツの3点セットで、貧乳・痩身・胴長短足気味の貧相なボディラインをゴマカしているとおぼしき(失礼・汗)、少し地味めなメインヒロイン!
 ……オマエがメインヒロンかよ!?(笑)


 いや、別にイイんですけれどもネ。実にフツーに日常生活次元では、安心させてくれるイイ娘だとは思います。
 往年の美少女アニメの金字塔『涼宮ハルヒの憂鬱』(06年)における文芸部の部室の窓際で文庫本を読んでいる銀縁メガネのサブヒロイン・長門有希(ながと・ゆき)をも想起させるビジュアルだ。
 しかし、性格は少し弱気でも常識人だし、健気でイヤミなトコロもナイけれど、男に対して媚び媚びした女子力や「華」には乏しくて、フツーの美少女アニメだったらよくて3番手か4番手のヒロインじゃネ? 的なルックスではある。
 彼女ら3人が作品内で結成する若手女性声優3人組の歌唱ユニットの中でも、センターを務めてすらナイし!(笑)


 セカンドヒロイン・イチゴ姫の方も、自身で作りこんだキャラ設定でのふるまいは、ヘタをするとアザトくてハナに付くトコロ。だけど、イマ半でキマりきっていなかったり、元ネタの一部にしたとおぼしき00年代の某女性アイドル同様、ドーしても設定のテッテイにムリが生じて破綻しているトコロも含めて、「笑い」として機能する。
 加えて、実はビンボーの身の上であり、狭くてボロいアパートで実に質素な暮らしをしていて、パートのオバサンたちばかりの工場の製造ラインで健気にアルバイトもしているあたり、リア充が大キライな我々オタ的にはそのギャップが実にポイント高い(笑)。


 サードヒロインの現役中学生声優はイイ子ではあっても、オトナしめでキャラ薄。だが、シリーズ後半では主役編をもうけて、メタ的ながらもキャラ薄を自覚させ、幼少時から子役だったがために皮肉にもフツーの女子中学生の演じ方がわからないと困惑させることで、その人物像を逆説的に肉付け。
 加えて、裕福とはいわずとも生活には特に困っていない実家住まいのフツーの身で、声優とは名ばかりのバイト三昧の前2者とは対比の妙も出す。
 コレで彼女が大金持ちで洋館に住まって、公的な天下国家や他人へのいたわりなどには毛頭関心がなく、ファッション&スイーツで、同性と差別化して上位に立って男の注目を浴びたがり、イイ男に色目を使うなどの私的快楽だけがアイデンティティのビッチであったならば、我々オタの敵として認定されるけど(笑)、実家は素朴な和菓子屋である。


 ドコかで既視感がある設定。そう、アイドルアニメ『ラブライブ!』(13年)の元気系メインヒロインや、『Wake Up,Girls!』(14年)のサブヒロインなどの実家も、ダサいとは云わないけどイケてる系とも云いがたい和菓子屋であった。
 出自がリア充女性ご用達のファッション&洋風スイーツではナイあたり、この処置は、元気なコミュニケーション強者でもソッチ系のイケてる系キャラクターに行きかねないトコロを中和したり、ウラ側から癒し系のキャラクター性をも補強する。
 性的弱者である我々オタク男子を安心させて、やさしくスポイルもしてくれる実に自堕落な、もとい高度なキャラクター設定でもある!?


 キャラクターデザインは、各話の下請けアニメーターの技量が多少乏しかったとしても、それが露わに現れて過剰に見劣りすることもなさそーなシンプルな描線。
 線が少なくても何気に高度なセンスを要するよーな萌え曲線・萌え描線を最初から達成する気もナイよーなお手軽さ――コレはコレで過剰に媚びずにサッパリしててイイけれど――。


 主題歌も、メインキャラ3人の名前や性格&境遇設定を冒頭でベタにも歌詞にして、「茨の道」だの「ドンと来い!」だの、後半で転調してからはさらにイモっぽくなる(笑)B級・C級志向! トドメには主演声優3人組のユニット名が「イヤホンズ」と来たもんだ!
 「ヘッドホンズ」とかではなく「イヤホンズ」! ……「イヤホンズ」……「イヤホンズ」……(やまびこ調で読んでください)。
 耳穴に挿すイヤホンですよ! ナンというミミっちいユニット名。だけど本作には実にふさわしく思える。「♪アナタのお耳にプラグイン!」。まぁ出オチ的なねらったネーミングなのもわかるけど(笑)。


 ……声優さんの苦労談とゆーと、ナニかつい最近にも、円盤売上が大ヒットを記録したアニメ業界モノの深夜アニメの大傑作『SHIROBAKO(シロバコ)』(14年)で、メインキャラのひとり、声優志望のしずかことズカちゃんで散々っぱらに描いていたじゃねーか!? と多くのアニオタが想起したであろうと思われる。
 で、本作のテロップのシリーズ構成(メインライター)担当者を見てみれば、コレまた『SHIROBAKO』と同じく大ベテランの横手美智子センセイ! ……オイオイ。
 コレは損なタイミングで放映されちゃって、近過去の大傑作と過剰に比較にサラされちゃうであろう不運なめぐりあわせの作品になっちまったよなぁ……と思いきや。


 あにはからんや意外と面白い! ユルくてヌルい作品だけども面白い! グイグイと引き込まれるとゆーことはナイけれど、それでも視聴がサクサク進む! 『SHIROBAKO』とチョットだけカブりつつも全然テイストのちがう作品に仕上がっている!
 『SHIROBAKO』ほどの密度感、胃がイタくなるよーな切迫感はまるでナイ。ナイのだが、『SHIROBAKO』もカナリ際どいトコロ、アンハッピーエンド・絶望一歩手前のイヤ〜ンな感じを散々経由してからのハッピーエンドのシークエンスの連発(笑)で成立している作品なので、ヒトによっては重すぎるであろう、ヤリすぎっちゃあヤリすぎな作品ではあった。
 漫画・アニメの本義が、娯楽・気休めであるならば、本作のユルい在り方・作り方もまちがっているとは思われナイ!


 つーか、本作の初出は4年も前の2011年末の冬コミ同人誌(!)なのだそーである。そーなると『SHIROBAKO』の方が後追いであったのか?
 『SHIROBAKO』においては主人公女性キャラには、仕事上で見舞われる艱難辛苦(かんなんしんく)に対する不平不満を極力その唇にナマでは語らせなかった。
 その代わりに主人公が所有する可愛らしいヌイグルミ2体に、トロトロと甘ったるい幼児言葉の対話調で不平不満を代弁・分散させていた。コレにより、論理的には云ってることは同じでも、感覚的にはやわらかく感じさせられる。
 スタッフもバカではナイのだから、そのキャラの性格がキツめだと受け取られないよう、声援もしたくなるアイドル性を残した萌えキャラとして踏みとどまれるように、主人公女子の描写をヌイグルミとも込みで、さりげに印象コントロールもしていたと私見する。
 本作にもヌイグルミを使った同様のシチュエーションが存在しているが、原作マンガにもある設定? アニメのオリジナル設定? 『SHIROBAKO』と本作でドッチが先なの? 教えて、エラいヒト!(笑)


 「相対的にはユルい」と書いてきたが、それはひょっとすると失礼な物言いで、本作の原作者であられる中堅女性声優さん的には、声優業界内部の悲喜劇をしごくマジメに訴えているつもりなのかもしれない。
 だが、別に声優さんだろーが役者だろーが音楽だろーが、生活に恒常的に必要なカタギの「実業」ではなく、世の中全体にプチ・ブルジョワ的な余剰があってはじめて成立する水モノ・人気商売である「虚業」の世界が、不安定な雇用状況にあることは、大方の人間であれば人生の途上のドコかで見聞きしてきたことでもあり、そのイミでは想定内だともいえる。
 とはいえ、だから陳腐(ちんぷ)でダメだとゆーことでもナイ。「物語」化することで、単なる知識・情報ではない、多少の血肉も感じられる疑似体験となったり、疑似体験にまで至らなくとも、そんな彼女らに共感・同情はさせてくれる装置となるのも事実であり、ジャーナリズムならぬフィクションの効用のひとつとはまさにソレだろう。


 ただ、作品の外のことになるけれど本作の原作者、アラフォー中堅女性声優・浅野真澄の人格的イメージと、本作のイヤホンズの面々の弱々しいイメージがまったく重ならない。……いや、重ならなくってホントによかったと思うけど(笑)。
 だってホラ、個人的には筆者のようなロートルにとって、浅野真澄っつったら、『三国志』の登場人物の名前でなぜか生まれついた(笑)肉感的な爆乳女子高生たちが格闘バトルを繰り広げる、今だに新作が継続している『一騎当千』シリーズ(03年〜)の陽性ノーテンキな女子高生主人公・孫策だったので。
 演技力や声量を要求されそーな、大向こうを敵にまわしての堂々としたキップのイイ啖呵(たんか)を切る芝居もコナせる彼女には、コッチが応援せずとも放っておいても踏んづけても、自力で世に出てきそうな実にタフでしぶとい生命力にあふれた力強い自立したイメージしかない(笑)。
 今年は女児向けアニメ『Go! プリンセスプリキュア』(15年)で、クールでお上品なお姉さまの生徒会長ことセカンドヒロイン・キュアマーメイドを演じている浅野だが、コチラもやはり実に頼りなさそーで可憐な小輪の野花のよーなイヤホンズの3人のイメージとはまったく重ならない。
 あの浅野にイヤホンズの3人のような、か弱いド新人時代があったなんて、筆者は毛頭信じない(オイ・笑)。


(了)


後日付記

 終賞間際はダンスでの足の故障という『Wake Up,Girls!』終盤でも観たよーな展開となり、最終回は声優事務所・青二プロならぬ青空プロにおける若手声優に対する定期的な選抜で事務所に残留できるか否かが眼目となって、シビアな中での希望を謳う『SHIROBAKO』化したかたちで終了! とゆーのが筆者の印象。
 いやまぁこーいう他の作品のタイトルを列挙して「似ている」とかゆー類いの文章で、その作品を語った気になるのもドーかとは思いますけれど(汗)。もちろん、似てるからダメだとゆーワケではなく、似ていても非なる展開ではあったワケで。
 ダンスでの足の故障で、『Wake Up,Girls!』をつい想起してしまうのは筆者が腐っているからで(汗)、冷静に考えてみればギョーカイ的には「あるある」ネタなのでしょうネ。オッサンの繰り言でスイマセンけど、70〜80年代までのアイドルってゆーのは今思うと、右手にマイクで左手でちょっと手をヨコに伸ばしたりしているだけの単なる「振り付け」であって、90年代以降のアイドルは激しいキレッキレの「ダンス」だからネ。今のアイドルの方が高度なモノを要求されて大変ですよネ。
 メインヒロインを演じる高橋李依(たかはし・りえ)は本作のテロップで初めて認識したけど、2015年夏アニメでは『がっこうぐらし!』の追加(?)メンバーのあの娘と『乱歩奇譚 Game of Laplace(らんぽきたん ゲーム・オブ・ラプラス)』ではコバヤシくんと、主役級キャラのレギュラーを一挙に3本もゲット!
 エンディングのテロップを見なければ気づかないので、つまりはキチンと演じ分けもできている! 本作中でもメインヒロインが少年の声をマネてみせるシーンなどは、素人クサいボキャ貧の賛美で恐縮だけれど、やっぱり達者だなぁ〜と感心。



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がっこうぐらし!

(木曜23時30分 TOKYO MXほか)
 #1以降に関しても、ネタバレ禁止的な意表外の展開が少々あるので、それについてはマナーとして明かさないよーにするけど、話題になった例の#1に関しては、もう本放映も終了した時期だし、ネタバレしてもイイよね!?
 「学校生活部」という部活で、女子高生たちが学校で生活している! とゆー「部活モノ」であり、00年代末期以降はいわゆる「日常系」「空気系」と呼称されるよーになったジャンルの深夜アニメ。
 と思わせておいて、#1ラストで実は「ゾンビもの」であり、学校での生活は余儀なくされていたモノだったのだ! とゆーことが判明し、アニオタ間で話題を呼んだ作品。


 なのだが、リアル系ではなく等身低めのマルっこい美少女キャラたち数名のホントに何気ない、起承転結のメリハリもほとんどないグダグダして脱力した日常を描く、いわゆる「萌え4コマ」転じて、00年代末期以降は「日常系」「空気系」と呼称されるよーになったこのジャンル。
 コレも純粋な「作劇の妙」でのサプライズとゆーより、まずは「日常系」「空気系」モノの絵柄や作風にフリーライドして、ソコから途中で降りることでのギャップ・落差をもって、サプライズを倍増させているトコロがあるので、少しズルいよーな気はする(笑)。


 学校の校舎で制服姿の女子高生たちが起居を共にし、時折り校外に生活必需品を求めて繰り出して、さらにはソコに人間ドラマもカラめて……といった基本設定にも既視感がある。
 昨年の金曜深夜にテレビ東京系で放映されていたアイドルユニット・AKB48(エーケービー・フォーティエイト)の二軍メンツによる深夜ドラマの佳作『セーラーゾンビ』(14年)じゃねーか!?
 まぁ隣接ジャンルの2.5次元でさえも敵視するセクショナリズムの方々も多いよーなので、アニオタのみなさんの視野にそもそも『セーラーゾンビ』とか、アニメ版直前季放映の実写版『ワカコ酒』(15年・コレも佳作)が入っていなかったのも、ワカります(笑)。


 それでは、本作は「ゾンビもの」として論じるべきなのか? とゆーと、コレがまたそーでもナイ。
 怪獣もとい、ゾンビをメインの存在にしよー、怖く見せよー、ショッキング演出・ホラー演出をいかに凝ろーとか、あるいはジャンルやシリーズの爛熟の果てに「ゾンビもの」の歌舞伎的様式美を究めよーとか、その逆にゾンビ・ジャンルの陳腐化(ちんぷか)したお約束に自覚的になって、ジャンルやシリーズのお約束それ自体をメタ的にギャグとするよーな作品にもなっていない――なっていないからダメだとゆーのでもなく――。


 実際にはゾンビとの闘争それ自体は描かれないエピソードの方が多い。むしろ、ゾンビ自体は背景・舞台装置にすぎない。
 世界中がゾンビで蔓延した理由や、部員たちや途中参加メンバーが今のような境遇に至ってしまった過去の経緯を、作品内の時系列をイジった回想形式で1本まるまる費やしたりもする。
 校舎の屋上のプールとゆーか貯水池で、水着姿になって清掃したりハシャいだり、教室で教科書を使ってお勉強をしたり、古文の『方丈記』を起点に宛てのないお手紙を書いたり、学校生活部の4人での起居・食事・就寝光景を描いていくのが本作のメインであったりする――その伝では広いイミでの「日常系」ではあった――。


 このかぎりでは本作は、「ゾンビもの」の本質・中核であるともいえる、ゾンビとの闘争、ゾンビからの逃走や、戦闘時の感情の高揚に、ゾンビを正当防衛としてやっつけるカタルシス、サバイバルのためのスリル&サスペンスが、作品の主目的になっているワケではなかった。
 ドチラかとゆーと、極限状況に追い込まれた密室内の登場人物たちによる、ロリ少女・戦闘系・お姉さん系・ボーイッシュ少女の性格類型ごとに想定されうるよーなリアクションや心情の相違、その落差の心的水流を元にして水車・エンジンを起動させるよーな状況劇の方が主眼となっている。
 コレは優劣ではなく云うのだが、そのかぎりでは「ゾンビもの」とゆーよりかは「人間ドラマ」になっている。


 ピンクのショートカットで、学校生活部員の中では一番小柄で非力で幼女のよーな天真爛漫のドジっ娘でも、実は最年長の高校3年生である幼女キャラのメインヒロイン。
 我々弱いオタク男子の劣等感を刺激したり侵害してこないよーな見てくれ・ルックス・性格で、オタク男子のゆがんだ庇護欲(笑)&萌え感情を惹起する。そんな彼女を演じるのは、ここ1〜2年で急速にこのテの幼女的キャラを演じる第一人者としてノシてきた水瀬いのり嬢。


 そんな白痴的なメインヒロインの性格設定を逆手に取って、彼女が実はもうすでに、このおぞましき現実を受け入れられなくて、精神が半ば壊れており、ありもしない幻想――ゾンビに犯される前の変わらぬ「日常」として目の前の世界を翻訳し直した世界――を見続けていることがシリーズ序盤で徐々に判明していく。
 ソコが本作のヒネリでありキモのひとつであり特色でもありタテ糸でもある。
 「現実逃避」を一概には否定せず、一時的な迂回路としてはアリだと周囲の部員たちも許容して、彼女の罪のないオカシな言動に癒されたり、長い目での改善を見守っていくあたりも――それは決して平等で対等な自立したオトナの近代的個人同士のやりとりではナイとは思うものの、完全に平等で対等な個人もまたアリエなくて、そこには経験値や人間力の優劣・器の大小・品性の差なども残念ながらあることを思えば――2010年代においては妥当な、実にクレバーで多面的な、補い合い助け合う人間関係の表現であったとは思う。


 批評・感想オタク界隈の一部でささやかれる、「大傑作」「さすがニトロプラス原作」などの大絶賛に接すると、さすがにそれは過大評価されすぎだろ! とは思うものの、程々に良くできた「佳品」に仕上がってはいると思う。
 とキレイにシメて、筆を置こうと思ったが。円盤(ブルーレイ&DVD)の売上は意外にも爆死したよーだ。……スイマセン、感情論ですけど、ちょっとザマぁ見ろと思わないでもナイです(汗)。
 でもアレだけそのテの界隈では話題になったのに! そのテの界隈もアテやバロメーターには必ずしもならないモノだナ。ノイジーマイノリティーサイレントマジョリティー問題がココにも!
 いやまぁだからって、売上厨のよーに「売上」が絶対の尺度・葵の印籠だ! などとはツユほども思ってはいないけど。作品数が増えた現在、仕方がナイとも思うけど、作品評価が分析ではなくって、競馬の勝ち馬予想のよーになり、作品の内実解題ではなく、勝ち馬に乗れ・長いものには巻かれろ、オレは前からこの作品に眼を付けていたとかの類い(笑)の、自分を高く見せよーとか寄らば大樹の陰な風潮の蔓延にはプチ不快な思いもいだいている。
 とはいえ、作品の内実・優劣を批評的に解題する「評論」の類いも、多分に個人の主観・価値観・美意識に左右される、ある程度は相対的なモノであることを思えば、多数のプレイヤーによる「評論」と「売上」を総合的に突き合わせることで、またよりよく見えてくるであろー、その作品の複雑に入り組んだ多面的な「実相」もあるハズで、「売上」のことも無視はできない。


(了)


後日付記

 文中でもふれた通り、ピンクヘアのメインヒロインを演じるのは水瀬いのり嬢。
 ゾンビものの歌舞伎的様式美でシャベル(笑)で戦う戦闘系女子高生は、昨2014年に『月刊少女野崎くん』のピンク髪に巨大リボンの可愛いらしい娘々したメインヒロイン役で鮮烈な印象を残した小澤亜李(おざわ・あり)嬢。
 ボーイッシュな途中追加メンバーは、先にもふれた『それが声優!』で主演を務めた高橋李依嬢。
 んで、我々(?)特撮オタク的には、「学校生活部」の部長の女子高生役を演じたのが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)で快活でキップのいいゴーカイイエローを演じた市道真央ことM・A・O(マオ)嬢であったことにドーしても注目。
 こんな母性的・お姉さん的なお声も出せるのかと感嘆。全然気づかなかったワ(汗)。昨2014年あたりからチョクチョク名前を見かけて、それでもそんなに声優業界も甘くはねェだろと思っていたのだが、途切れずにレギュラーをゲットできていて敬服。
 中CMでの本作主題歌CMでは、旬の若手女性声優が勢ぞろいして4人のご尊顔も披露してくれるが、M・A・O嬢だけはゴーカイイエローの変身前の姿のままなので我々的にはすぐにわかります(笑)。
 本作の円盤第1巻の売上は集計ミスだったそーで、実際には1600枚ではなく3000枚だった模様。その意味では爆死ではなく並の売上だったことにはなるが……。ヒットの部類ではナイですよネ(汗)。



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(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』VOL.72(15年10月4日発行))


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