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ウルトラマン80 4話「大空より愛をこめて」 〜スーパーの父姉登場編!

(「大空より愛を込めて」という表記は間違い。ひらがな表記の「こめて」ですよ・笑)

第4話『大空より愛をこめて』 〜評1

だだっ子怪獣ザンドリアス 親怪獣マザーザンドリアス登場

(作・阿井文瓶 監督・深沢清澄 特撮監督・高野宏一 放映日・80年4月23日)
(視聴率:関東13.9% 中部18.1% 関西14.6%)


(文・内山和正)
(1999年執筆)


 これまではゲスト生徒がストーリーの中心だったが、今回はレギュラー四人組(ハカセ・落語(らくご)・スーパー・ファッション)の生徒のひとり、スーパー(実家がスーパーであることからついたニックネーム。本名はススム)が中心となる。


 母亡きあとスーパーと父を世話するために結婚しないでいた姉が、ついに結婚することになった。
 娘が家族のことを心配せずに嫁(とつ)がせるため、父は自分も再婚を準備しているように装う。
 本心では思春期の息子のスーパーを傷つける再婚などせず、ふたりで暮らすつもりだ。
 矢的はスーパーの気持ちを思って進言する。再婚の件は演技だと父から告白されて家族愛に感動するが、真実を知らないスーパーは荒れる。


 彼は学校をさぼり、『80』放映前年の79年に発売され、当時大ヒットした携帯カセットプレーヤー・ソニーウォークマンを楽しみながらローラースケートに興じる。
 矢的が学校をさぼる理由を問いただすと、スーパーは


 「教科書を捨てよ、町に出よう! 寺山修司 (註:有名な劇作家)」


 とおちゃらけたかと思えば、


 「世の中なんて、ブッ壊れちゃえばいいんだ!」


 と叫ぶなど、思春期独特の揺れ動く少年の心を多面的に見せた、的確な演出が秀逸であった。



 これまでの回に比べると教師ドラマとしての比重は軽めか?


 それでも当事者たちにとっては重大問題のはずで、主人公・矢的猛(やまと・たけし)とオオヤマキャップ(隊長)がパトロール中に防衛組織・UGMの専用車両を止め、街の灯りを見下ろしながら、


矢的「あの灯りのひとつひとつに、いろんな人間、いろんな愛や喜び、悲しみがあるんですね」


オオヤマ「うん、あの灯りの下のひとつひとつの生活を守る。それがわれわれUGMの使命なんだよ」 


 ひとつひとつの灯火のなかに家族の愛が存在していることを思って、感慨にひたるシーンは、作品構成のなかでは蛇足のような妙なバランスの悪さや、子供番組らしい綺麗事っぽさをあたえながらも重要な要素でもある。


 それだけに


 「からだは一人前だというのに甘えてやがんのかアイツは。まるでスーパーだな」


 と子供怪獣ザンドリアスを見て矢的が言うのは、当事者の痛みを考えないようなセリフで個人的には少しいやだった。


 2話「先生の秘密」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100507/p1)に登場した羽根怪獣ギコギラーと同様に翼竜タイプであるザンドリアスは、かわいい系・かわいそう系わけありキャラクターの一種たる存在だろうが(親怪獣とケンカして地球に来た)、顔が悪党的なのは『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)30話「怪獣動物園」の変異怪獣キングモーラットなどに先鞭(せんべん)をつけたものか。
 団地の赤ちゃんがねむっている部屋をザンドリアスがのぞきこんで何もしないシーンは、怖(こわ)さとザンドリアスの子供っぽさが両方表現されていて良い。


 ワケありとはいえ破壊力が強い怪獣なだけに、怪獣の事情を知った途端にオオヤマが攻撃中止命令を出すのはやや不自然で、最終的には中止するにしろ、もうすこし様子をうかがうとかの演出の間がほしかった。
 (当時の子供番組では普通のことなのだろうが)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評8「ウルトラマン80全話評」より分載抜粋)


第4話『大空より愛をこめて』 〜評2

(文・黒鮫建武隊)
(1999年執筆)
 わざと怪獣に負けてやるウルトラマン! 本放映時に感激したシチュエーションである。


 既存シリーズの主人公に比べると、矢的猛は三枚目ぶりが強調されている一方、(3話「泣くな初恋怪獣」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100516/p1)までの)ウルトラマンエイティは従来通りのヒーローという感が強かった。
 故に、変身してしまうと何だか取っつきにくくなるなあ、という漠然とした思いが筆者にはあったのだ(特にエイティは地球人と合体したのではなく、ウルトラセブンウルトラマンレオ同様に地球人に化けただけであり、猛とエイティは全くの同一人格の筈(はず)なのだから)。
 それが、4話にして遂に、その人格的一致を実感できる活躍が描かれたのだ。


 エイティのカッコイイ活躍を期待する幼児・児童からすると、今回のエイティの姿は物足りなかったかも知れぬ。
 しかし、当時既に高校生だった筆者には、今回のエイティは普段以上にカッコよく思われた。俺は惚れたね。


 我々の実生活上では「損な役回り」が必要とされるケースが多い。
 その役回りを自ら買って出る度量とそれに必要な実力(マザーザンドリアスは地球防衛軍アメリカエリアの戦闘機隊を全滅させた強敵である。これにザンドリアスを加えたペアと戦い、自分が殺されない程度に敗北を演じなければならない)の双方を兼ね備えたエイティは、実にカッコイイ、正しくウルトラマンの名にふさわしいヒーローであると、筆者は今でも思う。
 さらに、エイティの魅力の一端を見せた今回の活躍が、(コミカル路線に転換したシリーズ後半でなく)4話という初期に用意されたことの意義にも注目したい。


 本編の方は、スーパーことススムが主人公。
 姉の結婚・父の再婚に揺れる弟、というけっこう深刻な役回りだが、レギュラー四人組の一人であるため、2話「先生の秘密」の塚本幸夫(つかもと・ゆきお)・3話「泣くな初恋怪獣」の真一といったゲスト生徒たちよりもカラッとした印象が強い。
 同じ悩むにしても、学校をさぼってウォークマンを聴きつつローラースケートで滑り回るといったように、陽性の悩み方なのだ。
 その親父(おやじ)さんの方も良い味を出しており、カラッとした良い親子関係が描き出されていたと思う。
 親子関係を猛が性急に修復してしまう(父の思いをススムに直接伝えてしまう)あたりが多少惜しいかな、とも感じられるが、その時の父親の表情も良いので、まあ良しとしたい。
 ラストでのファッションの「恋人バイト」オチも明るく効いている。


 学校とUGM(怪獣)との配分も良く、レモンのような『80』特有の爽やかさが全体を覆っているエピソード。
 欲を言えば、人間の親子と怪獣の親子をあまりにも直接的にオーバーラップさせ過ぎた点が短所と指摘されようか。



(重箱のスミ)
・戦闘機シルバーガルがα(アルファ)とβ(ベータ)に初分離。
・4話のゲストというと島本須美(しまもと・すみ。前作『ザ★ウルトラマン』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100430/p1)の科学警備隊ムツミ隊員や、のちの『風の谷のナウシカ』(84年)や『めぞん一刻』(86年)の主役で有名なベテラン声優)が有名だが、『帰ってきたウルトラマン』(71年)48話「地球頂きます!」・『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)41話「母の願い 真冬の桜吹雪!」・『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)26話「ウルトラマンキング対魔法使い」で憎まれ役を演じた五月晴子も主婦役で顔を出している。
・怪獣襲来で校内が大騒ぎになる描写(校内放送で怪獣襲来が放送されるなど)は、日常と非日常を交互に描く本番組ならではの面白さが出ている。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2000年号』(99年12月26日発行)『ウルトラマン80』大特集・合評1「ウルトラマン80教師編・各話評」より分載抜粋)


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  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100501/p1



『ウルトラマン80』全話評 〜全記事見出し一覧

(CSファミリー劇場にて「ウルトラマン80のすべて」(ゲスト・長谷川初範!)が5月中はほぼ毎日放映!)