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ウルトラマンタイガ序盤総括 ~冒頭から2010年代7大ウルトラマンが宇宙バトルする神話的カッコよさ! 各話のドラマは重めだが豪快な特撮演出が一掃!

(文・T.SATO)
(19年8月9日脱稿)


 2010年代の「ウルトラマン」シリーズもついに7年連続の番組製作という快挙を達成!――そーいう意味では円谷一族や旧態依然のメンツによる万年赤字体制で通年での番組製作が不可であった時代よりも、映像会社やパチンコ会社を経てバンダイに主導権を握られた今の時代の体制の方を筆者は高く評価する――
 この間、敵も味方もソフビ人形を使って怪獣を召喚したりヒーローに変身したり、右腕をあまたの怪獣の豪腕に換装できたり、幾多のカードでヒーローや怪獣の属性を備えた複数のヨロイに着替えるウルトラマンや、ふたりの先輩ウルトラマンの能力をブレンドして活躍するウルトラマン、ついには常時ふたりのウルトラマンが主役ヒーローとして活躍する作品までもが作られてきた。
 もちろんそれは競合ジャンルや刺激の多い現今の移り気な子供たちの関心を喚起し、「前作と同じじゃん」と見クビられて早めに卒業されてしまうことを回避するためでもあるが、作品ごとの目先の新しさや旗印、キャッチーなヒキとして、本作では3人ものウルトラマンが主役級として同時に登場するサプライズを採用!


・しかも、3人の中核となる新ウルトラマンこと「ウルトラマンタイガ」は昭和の「ウルトラの父」と「ウルトラの母」の実子でありサラブレッドでもある「ウルトラマンタロウ」のそのまた息子(!)と設定され、顔のデザインもタロウを踏襲しつつもやや丸顔で未熟さ&可愛さをアピール、両耳部から斜め上方にはタロウのようにツノが生えている!
・ゴッツいマッチョな「ウルトラマンタイタス」は、往年の70年代末期の第3次怪獣ブームの頂点で誕生して、昭和ウルトラとは別世界であるも第3期ウルトラシリーズのトップバッターであるTVアニメシリーズ『ザ☆ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971117/p1)ことウルトラマンジョーニアスの故郷の惑星・U40(ユー・フォーティ)を出自とし、かの星のウルトラマンたち同様に額や胸中央のカラータイマーが五芒星のかたちとなっている!
・ネーミングからして忍者モチーフでありスマートで身軽そうな青いウルトラマンこと「ウルトラマンフーマ」の出自は、『ウルトラマンオーブ』(16年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170415/p1)や『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20180826/p1)の2大ウルトラマンことウルトラマンロッソとウルトラマンブルの故郷の惑星・O50(オー・フィフティ)!


 2009年の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20101224/p1)で「ウルトラ」作品にも「平行宇宙」のSF概念が導入されたことで、異なる作品世界の「次元」の壁を超えて「平成ウルトラマン」たちと「昭和ウルトラマン」たちが共演できるようになってから早10年! 2010年代に入ってからは、平成ウルトラとも昭和ウルトラともまた別の並行宇宙で作品ごとに異なる地球を舞台として、太古の伝説超人・ウルトラマンノアから受領した並行宇宙を越境できるヨロイ・ウルティメイトイージスを装着したウルトラマンゼロが各世界のウルトラマンたちを友人知人としてつないできた(※1)。
 それがついに本家のTV正編でも、往年のTVアニメ『ザ☆ウルトラマン』まで正式に連結されて、それがサプライズ&マニアの大勢の喜びとともに歓迎されて、昭和ウルトラ・平成ウルトラ・2010年代ウルトラ・TVアニメのウルトラも全肯定されて奇跡の共演が果たされる日が来ようとは!
 幼少時に昭和のウルトラ兄弟が共演するサマに驚喜しつつも、70年代末期から始まるオタク第1世代による「特撮ジャンルに市民権を得るためには特撮ジャンルはオトナの鑑賞にも堪えうる本格志向でなければならない。そのためにはイロモノ要素は不要。怪獣には恐怖性を、ヒーローには人間味ではなく神秘性を、そのためには人類がヒーローや怪獣と初遭遇した作品こそが至上とされて、ヒーローの共演などは邪道であり子供たちへの媚びへつらいだ!」(大意)とされたことで、昭和のウルトラ兄弟たちのTV本編での共演・共闘が長年叶わなかった時期から幾星霜!(感涙)
――もちろんアトラクショーや児童向け漫画などでは、好き者でそのへんの機微もよくわかっているマニア上がりの世代人のスタッフや漫画原作者が、昭和のウルトラ兄弟ウルトラマンジョーニアスを当時の最新ヒーローたちと共闘させてきた。90年代中盤に児童誌『コミックボンボン』で連載された漫画『ウルトラマン超闘士激伝』(93~97年)でもウルトラマンジョーニアスが同族のU40のウルトラ戦士、エレク・ロト・5大戦士らと噛ませではなく頼れる助っ人として二度も参戦したことを覚えている御仁もいることであろう――


『レオ』準備稿に登場したウルトラマンタイガーを知ってるか!?(笑)

 そして、「ウルトラマンタイガ」なる新ウルトラマンのネーミング。実はこの名前に酷似したウルトラ戦士は、往年の『ウルトラマンレオ』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090405/p1)#1準備稿の冒頭にも登場している由緒ある(?)名前でもあったのだ――「タイガ」ではなく「タイガー」ではあるのだが――。
 レオがまだ亡国の獅子座L77星出自ではなく昭和のウルトラ兄弟の故郷・M78星雲ウルトラの星出自の設定であった時期に執筆されたこの検討稿では、ウルトラセブンの下で若きウルトラマン3人が修行に励んでいる。その3人の名前がウルトラマンレオウルトラマンタイガー・ウルトラマンジャック(帰マンそのヒトではナイけど)なのだ! 前作『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)や学年誌でのグラビア特集記事であの時点なりの完成の域に達していたウルトラ一族とその故郷や彼らが結成した宇宙を守護する「宇宙警備隊」の下部組織などのウラ設定! すでに学年誌での内山まもる先生の漫画版『ウルトラマンタロウ』終盤などでも南極大陸での超巨大怪獣vsウルトラ兄弟&ウルトラの一般兵士数百名といったスペクタクルなビジョンは提示されていたけど、それにも通じる人間世界とはまた別の「天上世界」でも繰り広げられている抗争劇を70年代中盤の『レオ』の時点でTV正編でもやろうとしていた構想には、スケール雄大な世界観の拡大が感じられてワクワクせずにはいられない!
――以上は老舗特撮サークル『夢倶楽部』主宰・大石昌弘氏が所有していたシナリオの提供を受けて、同じく老舗特撮サークル・ミディアムファクトリーで特撮同人ライター・黒鮫建武隊氏がそれを紹介した往年の名同人誌『続ウルトラマンレオ大百科事典』(92年)からの情報に基づく。レオが単調な訓練にアキて持ち場を離れた際に、マグマ星人&怪獣マグマギラスが襲撃してきてセブンは重傷を負い、タイガー&ジャックは惨殺されてしまうという役回りではあるけれど――


冒頭から10年代7大ウルトラマンが活躍、新ヒーローへバトンタッチ!

 
 それから45年の『タイガ』#1の冒頭! 幻のセブン・レオ・タイガー・ジャックの宇宙での戦いを再現どころかそれをブローアップしたかのような、エメラルド色に輝く巨大な「ウルトラの星」を間近にした宇宙空間で、光に照らされた部分とそーでない部分との陰影が照明の当て方で強調された2010年代の全主役ウルトラマンたち、通称ニュージェネレーションことウルトラマンギンガ・ウルトラマンビクトリー・ウルトラマンエックス・ウルトラマンオーブウルトラマンジード・ウルトラマンロッソ・ウルトラマンブルらの7大ウルトラマンたちがのっけから全員集合して超高速で軽快に飛行・旋回、敵の光線をアクロバティックにかわしながら、ナゾの青黒い超人とのバトルを繰り広げる!
 ようやく合わせ技の連発と強力なWパンチで悪の超人を小惑星群のひとつに叩きつけることでその強さも見せて、そこに降り立った7人のウルトラマンのヨコ並びの勢揃いを斜めヨコから写した映像!
 たしかにこの7人勢揃いの映像は、本作『タイガ』の前番組にして1週間前の過去作再編集番組『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』(19年)最終回にも使用されていたモノだが、『ニュージェネレーション』最終回用に撮り下ろされた番外サービスカットだとばかりに思っていたけど、まさか『タイガ』本編の映像からの抜粋であったとは!
 それだけでもワクワクさせられるのだが、そこに後輩として「先輩!」と叫びながら本作の主人公ウルトラマンたち、タイガ・タイタス・フーマも駆けつける! さらには御大(おんたい)・ウルトラマンタロウも駆けつける! 都合10人もの新旧ウルトラマンが集結する感動!!


 もちろんヒーローの頭数が大ければイイというワケではない。たとえばポッと出の新戦隊ヒーローが新番組#1の序盤でこのようにイキナリ出てきても、さしたる感動はナイであろう。
 あくまでも半年なり1年なりあるいは1本の映画作品で看板を張った単独主役級のウルトラマンなり仮面ライダーなりアメコミ洋画ヒーローなり東宝特撮怪獣たちが集合するからこそ、それら単独主演作の次元をひとつ上回るメタ的・高次元的な作品の品格という感慨をもたらすのだ。


 70年代前半の第2期ウルトラシリーズの先輩ウルトラマン客演編ではよくあった、現役最新ウルトラマンを立てるために噛ませ犬として先輩が敗北してしまうことで、爽快感や先輩たちの魅力を減じてしまうパターンでもあまり意味はナイ。
 同時期の昭和の第1期仮面ライダーシリーズでは先輩ライダーが客演すると勝って勝って勝ちまくることでドラマ性よりエンタメ性やイベント性を優先させることで当時の子供たちを熱狂させていた。ヒーロー共演のイベント編でこそニガ味のあるドラマをブッ込んできた往時の第2期ウルトラの製作者たちのキマジメな意図も長じてからの再視聴でわからなくもないけれど、やはりそのへんは第2期ウルトラのあれやこれやをムリやりにでも全肯定をしないと気が済まないというのも狂信者のふるまいで公平さや説得力に欠けるのであって、残念ながら第2期ウルトラのそれより昭和ライダーの先輩ヒーロー客演編に一日の長があったことを認めざるをえない――100かゼロかではなく、6対4か7対3の違いの指摘で第2期ウルトラの客演編が無意味であったと云いたいのではナイので、くれぐれも誤解のなきように――。


 『タイガ』#1の冒頭では新米戦士のタイガ・タイタス・フーマが悪の超人に敗北、タロウと悪の超人は全身を互いに炎上させて自爆特攻する超必殺ワザ・ウルトラダイナマイトで相打ち! というかたちで、ニュージェネレーションの7大ウルトラマンは直接的な敗北描写が巧妙に避けられることで、勝ったワケでもないけれども、彼らが弱かったようには写らないように描かれている塩加減・アクション演出のマジックも実にうまい。


 そして、新旧ウルトラマンが10人がかりで対峙しないとイケナイくらいに強い、新たなる強敵超人の出現! その正体は仮面舞踏会の黒い仮装目飾りを付けたような群青の青い悪のウルトラマンことウルトラマントレギア!
 本作『タイガ』放映をさかのぼること4ヶ月前、春の映画『劇場版ウルトラマンR/B(ルーブ) セレクト!絆のクリスタル』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1)でも先行して同作の主人公青年やゲスト青年を試してくる悪魔・メフィストフェレスのような立場のボスキャラとして終始出ずっぱりで戦闘力も高かった彼だが、こうして直前作のヒーローと最新ヒーロー作品をまたいで登場することで醸される、ユルやかでメタ的な連続感や越境感や架橋感! コレ、コレ! こーいう感覚が現今の子供たちやマニアたちの知的関心や興味関心を惹きつけるのに必要なモノなのだ!――いやもちろん先の映画を観ていないと理解ができない、観客を絞る類いのドラマ的な連続性ではなく、一般層にも開かれたモノにはなっているので、閉じた方法論だとの批判は当たらない――


ゲスト怪獣に加えて、レギュラー敵や第三勢力を設定して、作劇を拡張!


 なんというか、ヒーローvs怪獣の1vs1の戦いを1話完結で描くのが、近代的ヒーロー以前の古来からのヒーローものの基本フォーマットではあるので否定もしないけど、それもまた一長一短ではあって、あまりにもマンネリのルーティンに過ぎると、幼児はともかく児童であれば次第に単調・退屈・幼稚に感じられてくるのも事実だろう。
 しかし、そこに1話ぽっきりのヤラれ怪人やヤラれ怪獣だけではなく話数をまたいで中長期にわたって登場するライバルヒーロー・ハカイダー(『人造人間キカイダー』72年)やタイガージョー(『快傑ライオン丸』72年)などの第三勢力を配すればアラ不思議、作品は予定調和を逸脱して戦闘シーンのパターン破りや、作品に二層構造が与えられることで物語の展開は豊穣性をハラみだす。
 このへんの機微を30年以上も前に分析したのは、女流作家の故・中島梓による書籍『わが心のフラッシュマン』(88年・91年にちくま文庫化・ISBN:448002591X)である。TVのない中島家で(爆)子供にせがまれて買い与えていたヒーローvs怪人の単調バトルを描くのかと思われたスーパー戦隊超新星フラッシュマン』(86年)の写真絵本に、中盤から第三勢力として銀河の彼方から美形のダンディーな顔出し悪役、サー・カウラーとボー・ガルダンが乱入して混戦となるサマにワクワクしてしまう。そして、彼ら美形悪役の知られざる前日談や隙間の物語をつい妄想したり創作したくなる衝動を自覚して、自身が執筆する小説も子供向け作品もあるいは物語作品全般が、結局はそのような情動に突き動かされて生産され、あるいは消費されていることに思い至る……といった内容だ。


 本作『タイガ』も各話単位では古典的なヒーローvs怪獣のフォーマットを取っている。しかし、メタ・上位の構造としては、タイガのみならずウルトラ一族とも因縁があって敵対している悪の超人ウルトラマントレギアとの戦いも潜在的に背後にハラまれているという二重構造となっている。劇中ではまだ語られていなかったと思うが、事前のマスコミ情報ではウルトラマントレギアはタイガの父・ウルトラマンタロウと過去には親友同士であったという!――第3次怪獣ブームの時期の79年にも、過去に親友同士であったタロウとエルフという名のウルトラマンが対決する内山まもるの漫画があったことも思い出す。同名のTVアニメとはまた別の『ザ・ウルトラマン』名義の漫画作品として単行本に再録されているので未見の読者はぜひに!――
 そしてそれは各話単位での怪獣をも上回る格上の強敵をも同時に相手にしなければならない身震い・ヒロイズムを喚起して、「天上世界」では神話的な神々の抗争劇も控えているといった広大なスケール感をも感じさせてくる!


 ……コレですよ! 「ウルトラ」にかぎらず「仮面ライダー」であろうが「スーパー戦隊」であろうが「ライダー」&「戦隊」が共闘する「スーパーヒーロー大戦」であろうが「2代目宇宙刑事」たちが「新旧東映ヒーロー」たちをクロスオーバーする「スペーススクワッド」であろうが、各話のルーティンバトルの背部にある上層での巨悪との抗争劇の二重構造! かつてのヒーロー・仮面ライダーV3(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140901/p1)はヨーロッパで、人造人間キカイダー(72年)はモンゴルで、仮面ライダーアマゾン(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20141101/p1)は南米でいま戦っているとされた映画『ジャッカー電撃隊VS(たい)ゴレンジャー』(78年)冒頭のようなモノである。
 このへんで子供たちやマニアたちの興味関心を中長期にわたって喚起して、あまたの作品群が連結もしている広大なメタ作品世界の中で、我々マニア観客たちを人間的にスポイル・廃人・ダメにしていく(笑)、もとい空想の広大な作品世界の中で中長期にわたって遊ばせてくれる方向性を、ジャンル作品全般は目指すべきではなかろうか!?


 そして実際に『タイガ』#1冒頭の4分間強こそウルトラマンが総計10人も登場して神話的な大バトルを繰り広げてくれたけど、本稿執筆時点の#5までを観るかぎりでは、まだ本作には明瞭な連続性のようなモノは発生していないし、作品の背景に神話的な神々の戦いがあったとはイチイチ描かれない。しかし、イチイチ描かれてはいないけど#1冒頭の圧倒的な残り香で、この作品の背部にはそれがあると我々の脳内の片スミをイチイチ刺激してくることで、作品世界にプリプリとした密度感やワクワク感、イイ意味での底上げ(笑)で、作品世界への興味関心・視聴意欲を惹起してくるのだ。


本編ドラマ部分に等身大宇宙人とのアクションを導入! そのメリット!


 「天上世界」の話ばかりしてしまったので、『タイガ』の「地上世界」の話にも戻ろう。
 本作における「昭和ウルトラ」の地球とも「平成ウルトラ」の地球とも「2010年代ウルトラ」のあまたの地球とも異なるこの地球では、すでにあまたの歴代ウルトラ宇宙人が潜伏していることは、オープニング主題歌映像の冒頭でナレーションにて毎回毎回クドいくらいにごていねいにも説明している通りだ。
 この世界観ビジョンは『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』(18年)や先ごろフル3D-CGアニメ化(19年)もされた漫画『ULTRAMAN』(11年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190528/p1)にも見られるモノでもある――細かく云うとウルトラシリーズの元祖『ウルトラQ』(66年)#21「宇宙指令M774」が初出やもしれないが、アレはラストのナレーションでその可能性を提示しているだけなので(汗)――。
 コレによりゲスト役者に予算を使わなくても、既存の宇宙人の着ぐるみ&スーツアクターの投入で安く済ませることができるし(笑)、幼児の目から見ればフツーの人間の悪党よりも着ぐるみの宇宙人の方に視線が向くであろうから、幼児を特撮ならぬ本編ドラマ部分でも退屈させないというメリットもある。2010年代のウルトラでは同様の試みがすでに散々になされてきたけど、人間サイズの宇宙人たちを東映ヒーローものにおける戦闘員のように扱ってバトルアクションを盛り込むことで、――ここは筆者個人が特に愛する第2期ウルトラに対する少々の批判にもなってしまうけど――子供番組としてはやや重ためでイヤ~ンな感じも残ってモヤモヤしかねない本編ドラマ部分、いわゆるBパート終盤でのウルトラマンvs怪獣の特撮バトルに至る前菜・前段の部分であるAパートの部分でも、東映ヒーロー作品のように子供の目を引く活劇性やエンタメ性を高めることができている。


各話のドラマは重め。しかし、豪快な特撮演出がそれまでの重さを一掃!


 などと『タイガ』のバトルエンタメとしての軽妙さを賞揚するようなことをココまで散々につづってきたけど、そーは云うものの各話のドラマの出来は2010年代のウルトラとしては重ためで、ナゼだか映像も後処理でやや明度や彩度を下げている気配もある――いやもちろんウルトラにかぎらず70年代前半の特撮・アニメ・時代劇などと比すれば軽やかなのだけど、牧歌的な60年代作品や経済的安定の70年代後半以降の作品と比すると、あの時代は例外・特殊な特異点なので(笑)――。

 #3は、宇宙空間の人工衛星軌道上で事故にあった宇宙飛行士の夫妻カップルのうちの旦那さんの方が地上に怪獣化して復讐しに来るという、テーマとしては重たいエピソードである。長年の特撮マニアであれば、初代『ウルトラマン』(66年)の欧州の宇宙飛行士が怪獣化して地球に復讐に来る棲星怪獣ジャミラが登場する#23「故郷は地球」。搭乗員まるごと宇宙船自体が怪獣化して襲来してくる『ウルトラマンティガ』(96年)#4「サ・ヨ・ナ・ラ地球」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961201/p1)を想起せずにはいられない。
 #4は、副主人公ともいえる青年・宗谷ホマレ隊員を今エピソードの主人公として、地元の下町でギャング宇宙人どもを巻き込んでダーティーでもある捜査をするうちに、往年の東映Vシネマばりのバイオレンスな展開ともなっていき、ホマレ隊員とは幼なじみである青年との悲痛な展開になっていく――と同時に#1につづいて彼もまた超人的な体力や跳躍力を誇ることから、その正体は地球人ではなくウルトラマンでもないけれども宇宙人であることは示唆していく――。
 #5では、女性隊員・ピリカちゃんを主人公として、彼女と偶然接点を持った女性ゲストとの交流が描かれる。ややブラック企業が入った彼女のリアルな労働疲労感が吐露されて、オッサンオタクとしては実に滋味も感じられるけど、#3~5のコレらの一連は幼児がタイクツしそうなストーリー展開だろうと思いきや!
――ヒロイン・ピリカ役の当初の女優さんが台湾の民主化の英雄、李登輝・元総統の映画に出演していたばかりに、中国に忖度(爆)して放映直前で交代・撮り直しが発生したミソが付いたのは残念だけれども――


 #3では宇宙飛行士夫妻の片割れの嫁さんの精神体(魂)が飛来してきて、彼女を通じてウルトラマンタイガと合体しているヒロユキ青年主人公の許に、長年生き別れであった力持ちの賢者・ウルトラマンタイタスも帰ってきて合体し、巨大ヒーローとしても実体化! 夜のビル街でのハデハデでダイナミックな特撮怪獣バトルが、タイタスのユカイなトークとともに明るく繰り広げられることで、このエピソードの重めの雰囲気が一掃されるどころか、ある意味ではタイタスがすべてを持っていってしまう! コレは脚本の時点でそれを目論んでいたのやもしれないけど、それを実現してみせる特撮演出側のパワーであるともいえる。
 #4も同様で、ウルトラマンフーマのスピーディーで忍者チックなカッコいい特撮バトルで、それまでの東映Vシネマばりのダーティーさを忘れてしまう(笑)。
 #5もまた同様で、女性ゲストの述懐や女性隊員とのやりとりがその回のゲスト怪獣との攻防劇と分離しすぎだろ! と思っていたら、ゲスト女性こそ侵略宇宙人(の手先)でもあり、尖兵として彼女が怪獣を召喚していたとすることで、本編ドラマと特撮バトルが一体化!
 理性ではそれでもシミったれた重ためな話だよなぁ、子供はこーいう話はスキじゃないだろと思いつつも、改心したゲスト女性が自身の身を犠牲にしてでも怪獣の暴虐を阻止せんと身を呈するのを、女性隊員がやめさせようとする熱演の一連に、感情面では筆者もホダされて実は落涙していたりもするのだが。
 コレもゲスト女性がもたらした解毒ワクチンにより復活したウルトラマンタイタスの豪快な反撃が始まるや、ジメジメした泣きの要素を一掃、愉快痛快な読後感の方が勝ってしまうのだ!
――ゲスト女性の正体が宇宙人だとはいっても、それはセリフのみで処理されて着ぐるみの異形の宇宙人の正体はさらさない。彼女が担当したのは抽象や観念が優先されるキャラクター仮面ドラマではなく、あくまでもナマっぽい地ベタの人間ドラマなので、彼女が人間の姿を終始取りつづけること自体はこのエピソードには合っているし、作り手もバカではナイのだから(汗)、意図的にそのようにもしているのであろう。もちろん後付けの怪獣百科的な設定は地球人・ヒューマノイド型の宇宙人ということになるのだろうけど――


 映像作品の演出・ディレクション・方向付けによる視聴者の情動の誘導――広い意味での洗脳(笑)――。本作序盤は本編ドラマ部分よりも特撮バトル部分の演出の方がイイ意味で主導権を握って、陰鬱なドラマをカタルシス強制発生装置でもある各話の終盤の定型バトルで払拭して昇華してしまった好例だともいえるだろう。
――とはいえ何事も程度問題ではあって、往年の『ウルトラマンエース』(72年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070430/p1)の名編、#48「ベロクロンの復讐」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070402/p1)のように、「シリアス」な本編演出と「ヒロイズム」ではなく「オフザケ」の方向に行ってしまった特撮演出とが水と油にすぎて観客をシラケさせてしまっては失敗なので、それをも擁護しようとする一部の狂信者のふるまいはかえって第2期ウルトラ擁護派全体のお株を下げて脚も引っ張るネトウヨやパヨクのような行為であってメーワクなので、そーいう低次な論法はやめてくれ(汗)。まぁ80年代前半の『宇宙刑事』シリーズの時代あたりまでは、本編ドラマが異色作や泣きの話なのに、アクション部分はいつもと同じ演出で、今やJAC社長の金田治アクション監督、脚本を読まずに殺陣(たて・アクション)を付けてるだろ? と思わせるようなことがむかしは多々ありましたとサ(笑)――
 あと、音楽演出も大きくて、コレも第2・3期ウルトラや平成ウルトラ3部作の音楽演出に対する批判になってしまうけど、他社のヒーローものや合体ロボットアニメと比して、ピンチのときに「いかにもピンチです!」という楽曲を定型的に流しすぎてしまうと、そのヒーローがやや弱く見えたり殺陣の流れがマンネリに見えすぎてしまうところを爽快な楽曲一発で通してみせるところも大きいと思う。
――筆者などもウスウスとその欠点を子供心に感じつつも信者的に黙っていたところを、子供番組卒業期の小学校の同級生たちが忖度せずに(笑)このテの音楽演出のマンネリさで「ウルトラ」を小バカにしていた光景の記憶が、彼らに一理も二理もあるだけにトラウマとなっていて――


マニアの成熟。リアル・シリアスよりエンタメ性重視が当たり前な今日!


 などとエラそうにホザいてきたけど、まとめサイト巨大掲示板に個人ブログなどをザザッとググって巡回してみると、「やや重ための本編ドラマを豪快で壮快でカッコいい特撮バトルで一掃して明朗なカタルシスを喚起!」といったレビューが今の時代はけっこうフツーにどころか膨大にありますネ。というか、特撮世論の多数派だよネ。
 ナンという成熟度合い! イイ歳こいて子供番組を観ている自分をナンとか自己正当化するために、この作品には人間ドラマや社会派テーマがあるんだゾ! と息巻いていた時代。そして、ドラマ性やテーマ性の素晴らしさも充分に理解したその上で、でもそれもまた幼少時の素朴な感慨とは離れたモノであり、幼児置いてけぼりの本末転倒になる危険性もあるよネ! とそんな風潮を相対化しようと長年四苦八苦していた筆者やあまたの80年代後半の第3世代以降の特撮評論同人ライターたちの労苦も遠くなりにけり。
 コレはもちろん筆者ごときの泡沫の努力の成果ではなく(汗)、結局のところ特撮同人ライターの努力はムダとはいわずともほぼ影響力は皆無であり(笑)、特定のオピニオンリーダーがいたとかでもなく、時代を経るうちに特撮マニア諸氏が20年にもわたる巨大掲示板などでの言説や論戦の積み重ねで、徐々にそのような変遷を遂げるに至って、作り手たちもまたそのようなシリアス至上ではなくエンタメ性至上の理念で番組製作や作劇を考えるようになっていった……といったところが事の真相だろうと思う。
 ロートルな特撮評論同人としては、現実の方が追いついたどころか先に行ってしまって置いていかれたような気にもなるので、今後の身の振り方としては、現状のイイ意味での追認的な言説化くらいしかヤルことがナイような気もしてくるけれど……(汗)、いや待て。本邦特撮ジャンル作品をアメコミ洋画『アベンジャーズ』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190617/p1)や来年2020年公開予定の『ゴジラvsキングコング』のような複数の「作品世界」を連結&シリーズ化していく路線はまだまだうまく行っていない。ここが残された最後の尽きない物語的な鉱脈だと見定めて、それが実現するメリットを高らかに主張していくこととしよう(笑)。


「ウルフェス」に新造スーツのジョーニアス登場! 本編への逆採用を!


 なので、『ウルトラマンX(エックス)』(15年)みたく、クールの変わり目の中盤回には前作のO50のウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルが助っ人参戦するようなエピソードも毎年毎年作ろうよ~。U40のウルトラマンジョーニアスが助っ人参戦するようなエピソードも作ろうよ~。毎夏開催されるイベント『ウルトラマン フェスティバル2019』のアトラクショーでは、ウルトラマンジョーニアスの超スマートでハンサムな顔&スタイル抜群の着ぐるみが新造されて助っ人参戦して、観客たちを感動のルツボに叩き込んでいるのだからさぁ――この新造着ぐるみは『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』最終回には登場しなかったことから、アトラク部門の円谷プロ直属のアクションチーム「キャスタッフ」側の今年度の予算でそちらの好き者スタッフが新造させたモノだろうと憶測しているけど、TV本編でも逆採用してほしい!――。
 ヘンに人間ドラマ主導やレギュラー主導で物語や続編劇場版のストーリーを構築しないて、もっとイベント性主導でそっち方面から逆算するかたちでお話を構築していってほしいものである。
 とりあえず、ジョーニアスの登場が実現した暁には、ギャラ面では厳しそうだけど、原典通りのベテラン俳優・伊武雅刀(いぶ・まさとう)氏にボイスをアテてほしい! 実はちょうど10年前にCSファミリー劇場で『ザ☆ウルトラマン』の毎週放映が開始されるにあたっての宣伝番組『ザ☆ウルトラマンのすべて』――同局での昭和ウルトラシリーズの毎週放送と連動していた『ウルトラ情報局』の出張版で、各作の『~のすべて』のゲストは該当作品の主人公を演じた役者さんが登場し、この流れの熱気が昭和ウルトラの直系続編『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)の一源流にもなっているとも私見!――で、TVガイド誌等の出版物でも伊武雅刀氏がゲストだと表記されたことがあったのだ。
 この勢いで実写の映画版ウルトラマンにも伊武雅刀にワンポイントでもイイのでゲスト出演してもらって、スポーツ新聞に騒いでもらうことで話題性を高めてもらい、ついでに科学警備隊のヒカリ超一郎隊員を演じたベテラン声優・富山敬(とみやま・けい)があの時点でも故人であったので、ヒカリ隊員と合体していた古代ギリシャ風の貫頭衣を着けていた人間体のジョーニアス本人として地球に登場してウルトラマンジョーに変身してほしいと思って幾星霜!――実際にはスケジュールが合わなかったのか伊武雅刀は同番組には出演せず、同作の科学警備隊の2代目隊長・ゴンドウキャップを演じた大ベテラン声優・柴田秀勝が出演した――


 レギュラーたちの人間ドラマの集大成とかは別にイイので(爆)、本作の来春の続編劇場版は「ウルトラマン フェスティバル2019」を見習って、まずは映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』シリーズ(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20171229/p1)(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190128/p1)みたいなイベント・お祭り性重視の総力戦体制で行くべきなのである!



(※1)厳密にはウルトラシリーズにおける「並行宇宙」の導入は、映画『ウルトラマンティガウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(99年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19981206/p1)が初である。当時のマニア上がりの作り手たちはティガに変身するジャニーズ・V6(ブイシックス)の長野博が出演不能でダイナに変身するつるの剛士(つるの・たけし)は出演可能でも、『ティガ』『ダイナ』いずれかに偏らずに中立を気取るためか、『ティガ』&『ダイナ』世界とはまた別の「並行宇宙」を映画の舞台とした。
 とはいえ、それならば昭和のウルトラ兄弟と「並行宇宙」のSF概念を使って共演した方が、話題面でも客寄せ面でも盛り上がるのでは? などと筆者は主張していたのだが、当時のウルトラ兄弟の設定を悪とする特撮マニア間での風潮の中では「ナニを奇妙キテレツなことを云っているの?」的に華麗にスルーされたのであった(笑)。
(ウルフェス情報提供:佐藤弘之・清水忠彦)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2020年準備号』(19年8月10日発行)所収『ウルトラマンタイガ』序盤合評7より抜粋)


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