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ももくり・この美術部には問題がある!・チア男子!!・初恋モンスター・Rewrite・ReLIFE・orange 〜2016年夏アニメ中間評

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2016年夏アニメ中間評 〜ももくりこの美術部には問題がある!チア男子!!初恋モンスターRewriteReLIFE・orange

(文・T.SATO)
(16年8月7日脱稿)

ももくり

(金曜22時30分 TOKYO MXほか)
 デザイン骨格シッカリしてない系で、手足体が棒の淡泊な細い描線による萌え絵のキャラデザ。
 小鳥がさえずっているような超音波系の声と、ソバージュ・ヘアで全身女のコ! といった風情の小柄で小顔な制服姿の美少女高校生主人公――サブ主人公?――が、同じく小柄で細身で色白で非力そうなお坊ちゃんお坊ちゃんした、年齢相応なりの背伸び・虚勢は張ってはいるけど、それも危険性や不良性感度はゼロで安全に回収されてしまう範囲である人畜無害な美少年を、校内で遠目に眺めてファンになり、どころかストーカーやフェチ的変態にも近しくなって、勝手にひとりで、
「○○クン、可愛い。○○くん、ハァハァ」
と顔を真っ赤にしてコーフンしている姿を、我々視聴者は愛でて萌えるアニメ。


 多少突き放して、ハシゴ外し的に分析してみると、ジャンルの歴史の原初においては、あるいは今でもオタク系ではない一般の少年マンガ系であれば、男のコの方から女のコの方へと能動的・狩猟・ハンティング的にアタックをかける作劇になると思う。
 ところがドッコイ、我々が住まうオタクジャンルとは、世間や若者一般のマジョリティからは脱落した、もしくはそこで伍していくことに苦手意識を持つ「弱者」が愛好しているジャンルであるという側面が否めないとも思う。残念ではあることに。認めたくはないやもしれないけれど。


 で、そんな我々、「性格弱者」や「性的弱者」は、普通の一般的な少年マンガにおける男のコから女のコへとモーションをかける流儀には親近感・リアリティを持たないか無意識下で自分にはムリだと判定して、プチ疎外感や劣等感さえ感じているのではないかとも思う――ソースは俺!(笑)――
 そんな我々オタクたちのネバーランド・安息地・駆け込み寺として、女のコの方から男のコの方へとモーションをかけてくれる美少女アニメというジャンルが成立して、勃興を極めているのだとも愚考する。


 しかし、女のコからの好意を男のコの方がすぐに受け入れて、男のコが了承して結ばれてしまっては、物語はそこで終わってしまう。そこを回避するために、男のコには鈍感属性を、もしくはヘタレ難聴属性(笑)を与える。
 加えて、声を荒げた威嚇・恫喝的な野蛮なコミュニケーション込みの暴力的なヤンキー漫画が多少苦手な、心優しい――ヘタレともいう(笑)――、可愛いものがわかってしまうボク!(笑)でもある、コミュニケーション不全でありインポテンツにも近しいような我々オタク男子諸君は――ただしインポテンツそのものではなく性欲はある(笑)――、男性キャラ(=自身の分身)が女性キャラに対して性的に発情している見苦しい姿(=自身の似姿・鏡像)を、たとえフィクション作品の中であってさえも、あまり直視はしたくナイという心理的なメカニズムが働いているようにさえ思う。


 それに対する半ば無意識、半ば意識的な解決策も、作り手と受け手の側が共犯して、ここ10年ほどで急速に樹立されてきたと愚考する。
 それが、女性に対する男性の側の性的興奮を、完全に否定はせずとも消臭・脱臭してキレイなものとして回収・消費するための換骨奪胎のメカニズムである。
 それすなわち、美少女ハーレムものでも、男のコはやはり欲情させずに、美少女キャラが別の美少女キャラのことを好いたり執着したりボディータッチしたりコーフンしたり嫉妬したりする……といったサマである。
 美少女による男性チックな性的コーフンは見苦しくないのである(笑)。ついでに、その美少女に女性的恍惚と男性的興奮を二重にダブらせる、一粒で二度オイシいダブル・ミーニング!


 このようにムダに奇形的に進化したキャラクターシフトが、現今のジャンルには蔓延して普及している。
 そのかぎりでコレらの描写は、野郎の性的興奮を美少女キャラに代替させているだけであって、いわゆる女性同士の愛・ガールズラブの意味での「百合」ではないのでは? とも私見するけど、本作評では「百合」についての議題は脱線にすぎるので、またの機会に別の作品評にカラめて。


 あとひとつ。本作のような作品にはやっぱり小ズルいマジックがあり、性的に興奮している人物が、デザイン骨格シッカリ系でボン・キュッ・ボンと行かずとも、適度に厚みがあって肉体感もあるキャラデザの成熟した女性キャラであったなら、もっと生グサく重たくなってしまうだろう。
 しかし、あくまでも本作のヒロインは小柄で小顔でスレンダーで、声質とニコニコした笑顔とルックス・髪型も含めて、母性というより少女性、フェミニンさを強調したものとなっている。
 それゆえにこそ、安心して美少女ヒロインのプチ性的興奮を、安全な範囲で消費できる作品として成立しているのだともいえる。


 だから、このテの作品は偽善であり欺瞞でありダメであり否定されるべきなのだ! と主張したいのでもない。こーいう作品もジャンルの豊饒さの現れとして存在しても大いに結構だとは思う――そんなに高尚なものだとも思われないけどネ(笑)――。
 しかし、作品を分析して、その内実を矛盾や混乱や、受け手の側の偽善や欺瞞に慰謝をも込みで、全的に捉まえてナットクしたいような――それによって何の得もナイけれど、プチ優越感には浸ろうとする――それはそれで病的(笑)な批評オタクの気がある人種には、そんな解題をしてみせることも勧めたい。


 結論。主人公女子の栗原さんは可愛いと思います!(……我ながらダメじゃん・汗)


(了)



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この美術部には問題がある!

(木曜26時28分 TBSテレビほか)
 『ももくり』と同趣向の作品であった(爆)。
 制服姿で小柄な黒髪オカッパの女子高生が、同じ美術部の部員でもあり低血圧系の鈍感美少年――唯一の欠点は部室のキャンパスに絵具で2次元美少女キャラをせっせと描くこと(笑)――にホレこんでいて、彼女の彼に対する一喜一憂している姿を眺めて愛でて萌えるアニメ。


 同じような題材・テーマの深夜アニメが同季に複数登場することは、毎季に数十本も深夜アニメが制作されている今日では、今季にかぎったことではないけれど。
 そこでスレたマニア諸氏であるならば、似て非なる「微差」を探し出してそれを言語化していくのがミッション・使命なのである!――そうなのか? とセルフ・ツッコミ(汗)――


 ンで、『ももくり』との「微差」について。本作のヒロインは彼氏へは告白はしていません! お近づきになろうとはしてますが、露骨にベタベタとまとわりつくことはありません!
 むしろ照れからか、その気のないフリをしていて、ツンデレ気味ではありますけど、ツンデレゆえに時々瞬間湯沸かし器的にフットウして小爆発してるので、そのために70年代乙女チック少女マンガ的な、イジイジウジウジした内面での堂々巡りなどの過剰に内省的な方向へは行かずにカラッとしています。……以上!


 同じく美術部という設定から、筆者のまわりのロートル・オタクたちの間では、「先ごろ逝去された小山田いく先生による往年の『週刊少年チャンピオン』連載のマンガ『すくらっぷ・ブック』(80年)ガー」、とかいう意見も出そうだけれども……。
 オイオイ、それって35年も前のマンガなんだから、今の若いコにとっては、往時の我々から見た『のらくろ』とか『タンクタンクロー』並みに古いマンガだゾ(汗)。自分の年齢を客観視しろい! 仮に影響があっても、直接ではなく隔世遺伝、原オタク的な感性のモノとして位置付け・分析しろや!(笑)


 同じく美術部(高校美術科)を舞台のひとつにした00年代の萌え4コマ『ひだまりスケッチ』(04年・07年にTVアニメ化)なんかを挙げるのもまた形態・表層的類似だけの近視眼的な分析であって、フツーにライトノベルの金字塔『涼宮ハルヒの憂鬱』(03年・06年にTVアニメ化)のSOS団以降に隆盛を極める「文化系部活もの」の系譜として、加えてやはりスポーツや体育会系のムダにテンション高いノリや空気が苦手な我々オタにとっての、まだしも安心して息がつける穏やかな場所としての舞台装置の一環として捉える方がクレバーだとは思います。


 結論。本作のヒロイン・宇佐美さんは非常に可愛いと思います!(……我ながら直前までの分析とつながってないゾ・汗)


(了)



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チア男子!!

(火曜23時 TOKYO MXほか)
 「チアダンス」を踊る男子という題材からも、絶対にイロモノのナンチャッテ的なギャグアニメだろう、タイトルからして「笑い」を取りに来てるよネ? ……などと思っていたら、マジメな作りの深夜アニメであった。


 スタッフはラノベ原作の深夜アニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』第1期(13年)や少女マンガ原作の深夜アニメ『アオハライド』(14年)などの監督で名をなした吉村愛――私見では両作ともに傑作!――。
 脚本も今やベテラン実力派脚本家で、近年では特撮でも坂本浩一カントクと組んだ『白魔女学園』(13年)――コレも傑作!――なども執筆している吉田玲子。


 絵柄は少女マンガ系。よって、少女マンガが原作か? タイトル末尾が「!!」とケーハクであることからライトノベルが原作か? と思いきや……。
 なんと、スクールカースト文学の金字塔『桐島、部活やめるってよ』(10年)――まぁ筆者も映画版(12年)しか観てないですけど――の朝井リョウ原作の小説なのでした!


 ただし少女マンガ絵でも、近年では少女マンガにもよくある(?)、BL(ボーイズ・ラブ)ではないけどBL的な消費も可能な、男のコたちだけのホモ・ソーシャルな世界が中心で、女の子キャラは基本的に脇役としてしか登場しない――序盤を見ているかぎりでは――。


 単なるイロモノ作品としては終わらせないためか、主人公の可愛いお坊ちゃん系の大学生男子は淡泊で巻き込まれ型のキャラであり、我ら凡俗たる視聴者に近しい存在ではあるけれど、物語が開幕した早々で、柔道一家の落ちこぼれであり、相手を投げ飛ばす際に自身の方が痛そうな顔をしていると、コレまたよく見ている友人に指摘させ、彼を心優しい共感能力に優れた人物として造形してみせて、視聴者の感情移入を誘うあたりの作劇はお見事。
 で、凡人が主人公の作品の典型で(?)、彼の一応の相棒である男子の方が能動的で、彼の方が男子チアリーディング部を能動的に設立していくサマを描いていく。


 そこに集っていく、センスのなさそうなデブの初心者や、ご都合にもバック転なども最初からできる運動神経バツグンのチャラ男、元・男子チア経験者らしきコーチ業のみを希望する青年……。
 といった感じで、集結劇・群像劇としても、物語的には拙(つたな)いところはない。ないのだが、もう少しコレ見よがしのケレン味やスパイスがほしいような気はする。


(了)



(『チア男子!!アマゾンプライムビデオ 〜なぜかリンク不能だが、経験則からその内にリンクされるハズ・汗)
TVアニメ『チア男子!!』ED主題歌「LIMIT BREAKERS」

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初恋モンスター

(土曜25時 TOKYO MXほか)
 冒頭から出てきた、腰まで届く黒髪ロングだけれども気高そうではなく、お目めキラキラしてるけど垂れ目で意志薄弱そうで儚げでもある小柄な美少女高校生。
 肩幅狭くて、手の甲まで隠した黒い長ソデ制服と、素肌を隠した黒ストッキングにより、コンサバ(保守的・控えめ)な印象も醸す。
 両腕の黒長ソデで目立たないけど、腰骨は左右に張っていて、制服ミニスカートと黒ストッキングの隙間のいわゆる絶対領域にのぞく太モモは適度にムッチリしていて、微量にエロくもある。
 コ、コレはイイ! と身を乗り出したのだが……(笑)。


 その内実は野郎オタク向けの作品ではなく、女のコ、もとい女のコのオタクの中の、そのまた腐女子向けの作品であった!?
 主人公(?)女子が高校入学を機に、ナントカ荘に入居しようとするや、そこはイケメン・パラダイス!


 なーんだ。ただの逆ハーレムものか……と見切ったつもりでいたら、さらなるサプライズ!
 ナントカ荘に住まう長身のイケメン男子はどう見ても高校生以上なのに、その正体は小学5年生!(爆)
 声をアテているのはイケメンボイスの櫻井孝宏。小学生っぽい演技はまったくしていません。どころか毎度おなじみウラがアリそうな声してます(笑)。


 しかも長身イケメン小学5年生が3人も登場してきて、小柄な美少女高校生の後ろから覆いかぶさるように両手を降ろして抱きついてきたり……。キャ〜〜〜〜!!!(黄色い声)


 なんじゃコリャ。イケメンとショタ(年下少年愛好)を左右に花の、クロスオーバー・フュージョンアップ作品ですか!? またまたムダに奇形的に進化して新たなステージに立ったのか、それとも進化の袋小路に入っているのか、筆者にはわかりかねるけど。


 ちなみにヒロイン声優はアラフォーのアイドル声優堀江由衣でした(笑)。


(了)



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Rewrite(リライト)

(土曜23時30分 TOKYO MXほか)
 普通星で生まれた普通星人の高校2年生の主人公男子がこのままでは普通怪獣チカチーになってしまう! ガオー、ギャオギャオ、ビビーー、ドカーンと焦って――別の番組と一部を混同しております(笑)――、自分を変えようとオカルト研究会を結成するんだが入会するんだか……といったお話らしい。
 Rewrite(上書き)なんていう、一般用語でもありIT用語(?)でもありながら、ゲーム的リアリズム(笑)なループもの的「人生やり直し」や「リセット」の切なさも想起させる――かもしれない――秀逸なタイトリングで、実は主人公少年の実年齢は17歳ではなく10歳ほど年上である!? というウワサも仄聞したことで、チョットだけ期待する。


 が、個人的にはあんまり面白くないなぁ。
 製作母体は恋愛アドベンチャーゲームで00年代に一世を風靡したKey。だが、信者の方々には申し訳ないけれども、あくまでもTVアニメ化された作品群に対する感想ではあるけれど、筆者個人はKey系の作品は狙いもわかるけど、そんなに出来がイイ代物には見えなかったものでして(汗)。


 ナンなのだろう。題材というよりも語り口・叙述・広い意味での演出の問題なのだろうか? 狙いのワリにはすぐに悪い意味でのマンガ・アニメ的な楽屋オチ、お約束反復ギャグに走ることに、違和感と内容の空中分裂感をいだいてしまうのか? もちろんこーいう判断には個人の好みの要素が強いことは自覚しています。


 まぁアニメにかぎらずフィクション作品のキャラクターなんて全て記号だともいえるけど、ジャンル的なお約束反復ギャグが多用されると、そのキャラの血肉・実在感が減じて記号性がますます高まっていくワケで。そのこと自体も決して悪いワケではないけれど、本作の最終的な狙いであるハズの(?)文学的な興趣からは遠ざかっていくような気がしてしまうのだ。


 その意味ではKey系の近年の作品『Angel Beats!(エンジェル・ビーツ)』(10年)や『リトルバスターズ!』(12年)に『Charlotte(シャーロット)』(15年)などともまったく共通する弛緩した印象を醸す――くれぐれもスイマセン、あくまでも一使用者の感想です。効能には個人差があります(笑)――。


(了)



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Rewrite - PSVita

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ReLIFE(リライフ)

(金曜24時 TOKYO MXほか)
 『Rewrite』とネーミングがカブってるよなぁ……と思いきや。
 筆者が(勝手に)妄想していた『真・Rewrite』がココにある!?


 大学院まで進んだものの就職した会社を3ヵ月で止めて、ニートになって下宿に引きこもってしまった27歳の主人公青年。
 サラリーマン生活を送る友人たちとの飲み会に、ミエを張って無職であることを隠して背広姿で参加する姿が、彼の追い詰められている心境・切迫感をいや増す。


 そんな彼を見定めた某研究所の申し出にいぶかりながらも彼は乗る。それは薬(錠剤)で見た目を10歳若くして、高校3年生として1年間を過ごす実験であった!


 そしてはじまる高校生生活。
 もうすでに3年生なので知己同士も多くて、その輪の中へ入りづらい感などの描写もさもありなんでリアル。
 ついついクセで缶ビールをたしなみタバコを吸ってしまうのもリアル。かつては解けたハズの数学の問題がまったくわからないのもリアル(笑)。
 姉御肌系のボイスが印象的な沢城みゆき嬢が演じるジャージ姿の体育会系女教師にも、主人公が物怖じせずについ年上目線で接してしまうのもまた笑える。


 同様に若返りして彼とクラスメートになる、研究所のニコニコ笑顔な青年。


 ボッチ少女マンガ『君に届け』の地味な黒髪主人公を想起させる極度のコミュ弱者で、「愛想笑い」の概念をつい最近身に着けた(!)けど、表情筋の未発達ゆえ(笑)、一部に嘲り笑いだとの誤解を与えている低血圧っぽい優等生の黒髪少女。


 かつては学級委員を務めたのに、3年生に進級してみれば、先のボッチ優等生の学業成績と、幼馴染の女子バレーボール部長の身体能力には勝てないことで、その栄冠を奪われて内心キーキー云って対抗心・敵愾心を燃やしている、コレまた戸松遥の華のある早口元気ボイスが絶妙にハマる、赤髪サイドテールのツンデレ女子。


 もちろん女子ばかりのハーレムものではなく、男子キャラも公平に数名が重要な役回りの友人となっていきますが……、以下略(笑)。


 #4〜5では、勝気な戸松遥、もとい少女キャラが嫉妬心にかられてつい魔が差して、低血圧優等生少女の学生カバンを突発的に盗んで隠そうとしてしまった(!)ところを目撃した主人公男子との一悶着となる!
 そして、涙を流して爆発する戸松遥の劣等感と激情! たしかに人間なんて自身の劣情を自覚できても制御できずに往々にして衝動に走ってしまうものですナ。心を打たれます。
 てなワケで、なかなかにドラマチックな群像劇が今後も繰り広げられそうであり、もちろん平穏なふだんの学園生活描写も実に味わいがあり、おすすめです!


 ……ま、筆者自身はこんな男女混合のグループに所属するような、健全な高校生生活は送ってこなかったけどナ!(笑)


(了)



ReLIFE

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orange(オレンジ)

(日曜24時 TOKYO MXほか)
 全文字が小文字の「orange」表記。
 同名タイトルの邦画が、特撮マニアの文脈的にはエメラナ姫(『ウルトラマンゼロ』)の土屋太鳳、キョウリュウレッドの竜星涼仮面ライダーNEW電王の桜田通などのメンツで、昨年末の正月映画として公開されたことは知っていたけれど。
 おなじみ少女マンガ誌『別冊マーガレット』に連載されていた少女マンガ――のちに『月刊アクション』に移籍――のTVアニメ化作品。


 10年後の未来の世界で後悔している自分から手紙が届く。その内容に基づいて、主人公少女が人生をやり直そう(?)とするのが本作の内容。
 ……って、『ReLIFE』や場合によっては『Rewrite』とも、イコールではないにせよ類似を連想してしまって、つまりはネタがカブっていやしないか!?(爆)


 まぁいつものことですか。人間のイマジネーションなんてのも限界があるのだし、パクったワケではなく、サメとイクチオサウルスとイルカが似てたり、フクロオオカミやフクロアリクイにフクロモモンガなどの有袋類が哺乳類のそれと似てても無関係かつ類似の進化を遂げた「収斂進化」みたいなモノであるのだろうとも推測。


 手紙の内容には半信半疑でありながらも、好ましい寂しげなイケメン男子の転入生のことが気になったり、手紙に従って彼との今後の歴史を変えようとドーにかコーにかしようとしたり、なにぶんにも控えめな性格なので、心の中で思っても直前で行動に移せなかったり、それどころかそもそも声掛けすらもができなかったりと、延々と逡巡していくサマを見せる……というのが序盤の展開。
 特にベタでアリガチで既視感はあっても、手作りのお弁当を前日の晩から、当日も早起きして作ってあげているのに、それを手渡せない、声も掛けられないというサマが実にイジらしい(萌え〜・笑)。


 まぁ控えめとはいっても、クラス内の男女が複数いるグループに所属しているので、ご同輩のみなさま方にはボッチ属性の付与までは期待しないでおくんなまし(汗)。


 SFチックな設定でありながらも、未来からの手紙は携帯メールではなく手書きの便箋であることからも、クールなSF性よりもとことん文学的・誌的な興趣の方を重視していて、しかもそれは成功もしている。


 #4〜5では突然、時系列が10年後の未来へと飛ぶ。10年後の少女の成れの果てが過去の自分へ欝々と手紙を書いている……なぞということなど微塵もなさそうな、ナゾすぎる光景なのだが……。
 かの転入生ははるかむかしにもう死んでいて、命日にグループのみんなで彼の実家へお線香をあげに行くという展開に!
 しかも主人公女子は転入生ではなく、別の男子と結婚していて一児まで儲けている……。ナ、ナンダッテェェェェ〜〜〜!


 てなワケで、秘めた純愛のようでもあり、時空を超えたヨロメキの不倫のようでもあるフカシギな感慨までをも醸し出してきた。
 いやぁ面白いです。おすすめです!


(了)



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(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』VOL.75(16年8月13日発行))


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