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機動戦士ガンダムSEED DESTINY最終回 〜総括・肯定評

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(15年) ~ニュータイプやレビル将軍も相対化! 安彦良和の枯淡の境地!
『機動戦士ガンダムNT』(18年) ~時が見え、死者と交流、隕石落下を防ぎ、保守的家族像を賞揚の果てに消失したニュータイプ論を改めて辻褄合わせ!
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機動戦士ガンダムSEED DESTINY』中後盤評

(文・T.SATO)


 本来あるべき『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』(85年)がここにある!?


 ……いや、冗談ではなく、マジでそう思っているのだ。


 「地球」と「宇宙植民者」との間での対立構図で、前作においては「地球」側、続編たる本作においては「宇宙」側に新主人公チームが存在しているという変化の妙が、『ゼータ』と比較すると相対的にわかりやすい!


 前作の副主人公――ライバルキャラ〜のちに和解――のレギュラー化! および、新主人公の先輩格としての役回り!


 ツボを押さえて、華も与えた前作の主要キャラクターたちの再登場に、前作主人公のあまりにもカッコいい感じでの再登場!!


 ファースト『ガンダム』至上主義者であるロートルオタク的には、『Zガンダム』ではウマくいっていなかった、期待をウラ切ってくれていた要素が、本作ではことごとく成功している!


 本作は、富野カントクが手掛けてきた『ガンダム』シリーズとは世界観を別にして展開させた近年のヒット作『機動戦士ガンダムSEED』(02年)の直接の続編である。つまり、位置付け的には、ファースト『ガンダム』(79年)の続編たる『機動戦士Zガンダム』(85年)と同じ立ち位置にあたるのだ。


 ファンの方には申し訳ないのだけど、現今での『Zガンダム』に対する世間での高評価とも相反するけど、筆者個人の『Zガンダム』に対する評価は極度に低い(汗)。個別の作品としても、続編作品としてもだ。


 ファースト『ガンダム』自体はエポックメイキングな作品である。筆者も原作者である富野喜幸カントクを神格視していた時期があった。


 だが、古クサい話をさせてもらうけど、『Zガンダム』放映当時、前番組『聖戦士ダンバイン』(83年)&『重戦機エルガイム』(84年)も含めて、その無様なありさまを見るにつけ、ファースト『ガンダム』の偉大さは、富野カントクが「総監督」といった役職を務めているとはいえ――ご存じのとおりで、富野作品は脚本家の裁量が小さく、詳細な富野メモに従って脚本を作成し、それもまた素材に過ぎなくて、さらに絵コンテやアフレコ時に監督が改変を重ねていく――やはりカントクと年齢的にも同世代の脚本家&作画監督の意見具申や牽制もあったがゆえに、バランスが取れてウェルメイドになっていたことに思い至ったものだった。


 一世代・二世代下のスタッフと組むようになって、ワンマン体制に近くなった作品群の、生硬な富野ゼリフや富野カラー全開のエキセントリックさや見通しの悪さ。それは思い返せば、それ以前に富野カントクが執筆していた小説版ファースト『ガンダム』の印象とも同じものでもあったのだ!


 前作『ガンダムSEED』の題材は、冷戦終了直後の世界的なベストセラーで『歴史の終わり』(92年・三笠書房ISBN:4837905501)を唱えたフランシス・フクヤマが、持説を撤回(!)して放った言説群――『バイテク革命の問題』(02年)・『人間の終わり』(02年・ダイヤモンド社ISBN:4478180350)など――で予言していた、遺伝子工学の進歩によって生じる身体能力・知性・容姿(!)の格差が新たな闘争の火種になるとの言説から、直接間接に着想したものでもあっただろう。


 もちろん、それらは基本的には、作品の舞台背景にしかすぎない。しかし、従軍下の少年少女集団における、内部の異質な者――遺伝子操作をほどこされたデザイナーズ・ベビーこと宇宙植民者たち――への差別心の発露など、人間ドラマの一端にも見事に結晶させていた。


 そして、前作の真骨頂。戦争状況時の普遍の心理。敵味方双方で、戦友に死者が出るがゆえの憎しみの連鎖! 敵の捕虜を自艦に抱えることでのドラマチックな感情爆発!


 前作『ガンダムSEED』シリーズ終盤は、そんな状況下でも融和に成功していく敵味方の若者集団! といった、善意が勝利していく、あるイミでは楽観的、悪く云えば人間賛歌に過ぎている、やはりフィクション・ウソの世界へと化していく。そこを手放しでホメる気もないのだけれども、アン・ハッピーエンドな後味が悪すぎる「リアル」で「ヘビー」な物語に結実さえすれば、それだけでその作品は「高度」だといったものでもナイだろう。ウソでもエンタメ作品としてウェルメイドな希望の持てる物語へと落とし込んでいった作劇自体も、個人的には評価するのだ。


 一方で、『SEED』最終回にて、品行方正なストイック主人公少年がすべてを――個別具体には悪女ヒロインを――救い切れなかったことで、理想主義だけで終わったワケでもないのだし。最終回ですべてが台無し? ネット上の有名サイト・ちゆ12歳のウケウリならば嘲笑ですネ(笑)。



 本作『ガンダムSEED DESTINY』では、前作の正副主人公ふたりがあまりにストイックなイイ子だったのとは対称的に、平和主義国家ゆえに戦災には無策であって亡国の民となってしまったことで、戦い自体は肯定している少年が新主人公であった。もちろん、あまりに楽観的な平和主義が勝利してしまったこと前作に対する、テーマ的なアンチテーゼであることは明らかだ。


 「宇宙」側の一部過激分子が暴走したことでの「宇宙」と「地球」の再度の開戦! しかして、「宇宙」側政府は穏便に済ませんとするのに対して、「地球」側の黒幕は一気に猛攻をかけて、「地球」諸国の同盟をも拡大せんとする!


 メインヒロインが住んでいる南洋の平和主義・中立国家も同盟拡大に屈して、本作『DESTINY』では「地球」側を相対的な「悪」扱いとするのかと思いきや……。「宇宙」側の議長は、戦争の影どころか、歴史の影に常にあった軍需産業を敵視する。


 それでは、軍需産業こそが本作の「根源悪」かと思いきや……。「地球」軍との戦いにて形勢を逆転した「宇宙」側の議長がそのカリスマ演説をするや、「地球」諸国は軍需産業敵視でナダレを打って「宇宙」側と同盟し、しかして怪しい「宇宙」側の議長……。


 そう来たか! いやはや、やってくれますョ、本作『DESTINY』は。


 本作がキャラクター人気だけのミーハー作品だって? オイオイ、その眼はフシ穴か?


 もちろん、ヒロインの結婚式にガンダムで乗り込んで花嫁を強奪したり(笑)、誰と誰が付いた離れただの、どう見ても死ぬであろう描写でやっぱり生きていたりして……(笑)。たしかに女子層が喜ぶような要素やマンガチックな要素が多数散りばめられてはいる。


 しかし、しょせんはフィクションであって商業作品でもある本作。コアなマニア層にだけ受ける、干からびただけの「政治戦争劇」の弊にはおちいらずに、メインターゲットの視聴者たる10代の少年少女たちに身近な接点も与えているという意味では、そういった思春期的な色恋の導入もツカミのひとつとしては必要なことだとは思うのだ。アニメや『ガンダム』を卒業できなかった、声はデカいけど、実は少数派に過ぎない、我々のようなムクつけき中年男性オタクだけが騒いでも、ムーブメントにはならないのだし(笑)。


 とはいえ、『ガンダムSEED』シリーズ自体は難解だということはまったくナイにせよ、作品世界やキャラクターたちもウェルメイドなばかりで明快な作品だったのか? すべての要素が成功していたのか? というとそーでもなかったし、まだまだ最終展開ではコケる可能性もあるけれども(汗)、とりあえず現時点での筆者の総合的な評価は、前作『SEED』と同様に、とても高い! ということで。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.37(05年8月13日発行))


機動戦士ガンダムSEED DESTINY』終了評


 しかし、ホントに本作は『ガンダム』マニアたちのネット世間でボロクソに叩かれまくっている(汗)。


 そんなにヒドいか!? 本作よりもはるかにヒドい、ツマラないアニメなんて、昔も今も山ほどあったと思うゾ~。


 そーいう同時代的、あるいは歴史的で、計量的・比較論的な視点もヌキに、細部の矛盾をいくら突っつきまわしてもなァ。


 許されないほどのヘンさなのか? しょせんはフィクションなのだから、素人視聴者ならばスルーしてしまう程度のよくあるバグなのか? その高低深浅を言語化しないで、逐次的に奇矯点を指摘しまくって悦に入られてもネ〜。その醜く歪んだツラに顔パ〜ンチ!(笑)


 現今の『ガンダム』オタクたちが押し頂いている『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』(85年)の方がはるかに破綻しまくってたとも思うゾ~。


 まぁ、作品の好悪・批評といったものも、しょせんは相対的なものなので、最終的にはドーでもイイようなものなのかもしれない。よって、筆者個人も自分の感性や価値判断が絶対に正しいと強弁する気もない。しかし、最終審判ではもちろんなく、途上の便宜的な中間審判としては「筆者はそうは思わない!」「現状に対して一言なかりせば!」と言上をした次第であった(汗)。


 本作は、「地球」と衛星軌道上の「宇宙植民者」間にてロボット戦争をくりひろげている、今ではご存じものとなった『機動戦士ガンダム』シリーズの最新作。その何度目かの世界観のリセットで、新世紀の若年マニア層に大ヒットを果たした『機動戦士ガンダムSEED』(02年)の直接の続編である。


 そして、ロートル世代の『ガンダム』オタクたちにはキャラクター人気だけのミーハー作品だとしてケナされることも多い。


 しかし、筆者個人の評価は前作も含めてとても高いのだ――ちなみに、筆者自身はファースト『ガンダム』世代であるので、念のため――。


 今シリーズでは、「身体・知性・容姿を遺伝子操作された人々」と「自然人」との長年の抗争の果てに、次第に前者は「宇宙の植民都市」に依拠。そして開戦とあいなったという舞台背景が独自性でもあり斬新な点でもあった。


 それで、くわしい作品説明はハショって、本作の終盤についてなど。


 前作では、出自的には「宇宙」側に味方すべきところを「地球」側にひとり味方する「遺伝子操作ベビー」のキマジメ誠実ストイック美少年主人公――加えて、のちには主人公チームは「地球」軍の揮下すら離脱して、「地球」と「宇宙」のいずれにも付かない第三勢力と化す!――と、「宇宙」側に残ったこれまた美少年(笑)の大親友との悲劇の対立! といった、王道のベタな作劇(ホメ言葉)を経て、和解して最終第4クール目では共闘する! といった、真の意味でリアル・現実的に考えれば、まずはアリエないであろう(笑)、しかしてたとえ甘ったるくても物語的には希望が持てる展開を用意してみせていた。


 イジワルに見てしまえば、終盤にて狂気の悪人化をさせてしまった指導者たちを駆逐さえしてしまえば、物語もハッピーエンドとして落着させやすかったともいえる(笑)。


 続編『ガンダムSEED DESTINY』でも、そのあたりは同じなのだ。


 『DESTINY』では「地球」側が相対的に「悪」なのか? いや、軍需産業こそが「悪」なのか? いや、軍需産業の撲滅という一応の正論(?)を唱えてみせた「宇宙」側の議長が「最終悪」らしい!? といったストーリー展開自体は難解なモノではない。小学校高学年あたりでもスナオに鑑賞さえしていれば、そのまま誰でも理解ができる程度のストーリー展開なのだ。しかし、それをあまりに安直にはせず、ていねいに手順を踏んで、時に難解にならない程度に適度にスパイスをまぶしつつ、説得力を持ったかたちで肉付けして描いていってくれていたのだ。


 とはいえ、ココからが、各視聴者ごとに評価が別れて当然な部分となっていく。


 個人的な結論だけを云うならば、本作の終盤に関して、一応は満足しており及第点も与えてはいる。もちろん、文句なく手放しで絶賛してみせたり、たしかな手応えまであったとは、のたまう気持ちもナイけれど(汗)。


 軍需産業の関係者を抹殺していくという展開は、一部の「好戦的平和主義者」(笑)や「左翼過激派テロリストタイプ」のような御仁ならば喜んでいるのだろうが、すでに家庭用ビデオ機器の回転ヘッドの技術が軍事ミサイルに転用されていたり、インターネットの由来は軍事用途であったように、アニメをビデオに録画してインターネットを閲覧している我々もまた、「軍事」技術を利用しているのだともいえるワケで、それゆえに完全なる「無罪」の人間もまた、現代社会においてはアリエないのだ。


 そういったことにも思い至っている御仁たちであれば、『DESTINY』劇中での一部の物の見えた登場人物たちも指摘するとおりで、軍需産業に少しでも関係している人間たちを次々に「粛清」=「抹殺」していくことはたしかに狂気なのだ!


 だが、それはそれとして、最低限は爽快であるべきエンタメ活劇としての「巨悪」としてのサプライズ面ではチト弱いであろう。


 本作『DESTINY』においては、軍需産業の関係者の粛清が完了したあとに、「宇宙」側の議長が実現せんとした「真の平和」のビジョンとして、「デスティニー・プラン」なるものが披露される!


 つまり、各個人の「遺伝子」的な「運命」を開示してしまう世界を提起するのだ! ここに至って、単なるSF的な意匠の背景舞台装置にすぎないとも思わえていた要素が大浮上!


 デスティニー(ガンダム) VS フリーダム(ガンダム)!


 そう来たか!


 コイツは一本取られたゼ。


 まぁ、いささか唐突だったともいえるけど(笑)。


 筆者個人は、自身の限界をわかっていて、それでもあえて強引に「汚れ仕事」の「軍事的統一」を押し進めて、結果的に「平和主義国家」の王女にあとを譲ってみせる、『新機動戦記ガンダムW(ウイング)』(95年)における、歴史を達観していたトレーズのようなヤツであろうと、「宇宙」側の議長の目論見を予測していたので、ゆえに続編『DESTINY』の新主人公シン・アスカに、軍揮下を離れてしまって自己判断で動いてもイイ! といった資格を持たせた「フェイス」なる勲章を授与してみせたのは、自身が彼に討たれてしまうことまで許容して、そこまで見通していたゆえであった……との穿った最終ストーリー展開を予想していたのだけど……。もちろん、その予想は外れてしまって、全然さにあらずであったとサ(笑)。


 とはいえ、個別具体で云うならバ、新主人公が駆るデスティニーガンダム VS 前作の主人公が駆るフリーダムガンダム などではなく、組み手を変えて新主人公チーム2人 VS 前作正副主人公2人 となったあたりで、対比的なテーマの論議の次元において、「物語」が収束していったワケでもなかったリ。


 それはもちろん、「物語」といったものが、単なるテーマ(の図式的な構造)の従属物でもないからだ。


 主要キャラクターの性格や思想などに人格的な成長、彼らの力関係や劇中内での相対的な比重の軽重ともあいまって……あるいは逆に、「物語」の最後で特定キャラクターを立たさせねばならない……といった別ベクトルの力――端的に云えば、「物語」的な結構・体裁を満たすための都合論(笑)――によっても、「物語」は駆動するのだ。


 新旧の主役が真っ向対決ではなく、新主役VS彼の先輩たる前作の副主役、前作の美少年主役VS本作の金髪ナゾめく美少年パイロットに、最終的な対決はある意味ではスリ変わってしまう。


――コレまた、遺伝子操作ベビーの最高傑作たる前作主人公を造るための前段の実験段階におけるクローン人間だったようで、テロメア細胞分裂回数)が少なくて余命がいくばくもないといった彼であれば、前作の主人公を批判して対決してみせる資格は充分にあった。しかし、コレまでにその両者には感情的な接点がなかったことは、リアリズム的にはともかく「物語」的にはやはり欠点にはなってしまっただろう(汗)――


 「物語」的な結構という「大の虫」を活かすために「小の虫」を殺してしまった。


 だから、『DESTINY』終盤はダメだった! といった意見にも一理は認めるのだ。しかし、個人的にはパーフェクトな出来だったとは云わないまでも、コレはコレでまぁまぁイイとは思うのだ。作劇のバランス論としては正しいとすら思うのだ。


 もちろん新主人公チームが、「究極の目標」についてはともかくその過程における「平和主義」には異を唱えてしまったとはいえ、前作主人公チームに匹敵・拮抗ができていなくて分が悪くなっている、といったこの結末が爽快感に欠けていたことは認めるのだ。


 新チーム側の登場人物たちの人格的な成長については、失敗したとは云わないものの、大成功でもなかった、ウラを返せば、作り手たちの「物語」途中での練り込みが不充分であったとはいえるので、残念に思ったことも筆者個人にとっての事実でもあったのだが……。


 まぁ、なかなかにムリであろう、困難であろうと思いつつも、ごくごき個人的に筆者が本作『DESTINY』終盤に期待していたことは、キレイごとの「平和主義への屈服・服従」では終わらせずに、「平和主義への懐疑」といったことを積極的に新主人公が担うことであったのだ(汗)。


 その個人的な願望はウラ切られてしまったけど、あるイミでは真に「戦争根絶」と「平和」をもたらすことができる、遺伝子レベルでの「デスティニー・プラン」に対する、前作主人公たちの反抗――=限定条件付きでの「戦争」!(笑)――を肯定してみせた結末には共感をいだくのだ。「平和主義」へのアンチテーゼとなる「弁証法的発展」(正→反→合)を体現した、限定条件付きでの「戦争」の肯定! といった、筆者の個人的な願望は、新作主人公ではなく前作主人公によって満たされたともコジツケできなくはなかった(笑)。


 前作の主人公たちも気付いたとおりで、この『SEED』世界にも「現実世界」にも「絶対平和」は訪れることはないであろう……。


 とはいえ、それとは真逆の「絶対戦争」といったこともまたアエリないのだ。もしもそういったことであれば、とうに人類は殺し合って全滅してるハズなのだ。


 結局のところ、「絶対平和」と「絶対戦争」のいずれでもない、その中間の地点で我々人類は生きている……といったところが結論なのだろう。とはいえ、ムダな戦争は避けるべきではある。とかとって、「奴隷的な服従の平和」といったものが受け入れがたい。そういったケースでは、反抗・抵抗としてはの「戦争」は、ある程度まではは肯定せざるをえないのではなかろうか?



追伸:


 まぁ、この「デスティニー・プラン」自体もツッコミができるスキがあるのだ。しかし、本家の富野ガンダムでも、『機動戦士V(ヴィクトリー)ガンダム』(93年)終盤などでは、巨大な衛星要塞・エンジェルハイロウの「平和の祈り」の「精神波」で、地上の人々が呆けてしまうといった、さらにもっと奇矯なことをやっていたりもするのだ(汗)。そーいうのは見えないフリですか!? 宗教の信者の域に達している富野カントク絶対主義もイイカゲンにしようよ(笑)。


 最後に、本作『DESTINY』終盤にて気に喰わなかったことをもうひとつだけ。「仮面の男」の正体が、前作『SEED』終盤にて死んだハズであった兄貴キャラの記憶喪失した姿だった! というのは……、絶対にダメだとまでは云わないけど、ちょっとなぁ(笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』VOL.32(05年10月23日発行))


後日付記:『SEED』シリーズの福田カントク自身は本作のテーマは「非戦」だと云っていた。ウ~ム。そのようなキレイごとのテーマだとツマラないなぁ(汗)。ただし、それはそれとして、視聴者たる受け手側が作り手の意図とはまったく別の読み方をしてしまってもイイとは思うのだ。……と自己正当化をさせてもらおう(笑)。


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