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BanG Dream! ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)

『刀使ノ巫女』 ~『BanG Dream!』2期の柿本広大カントク作品ほか、2018年冬アニメ12本評!
『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』 ~『BanG Dream!』2期の柿本広大カントクが副監督を務めた傑作アニメ!
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[アニメ] ~全記事見出し一覧


 2019年9月13日(金)からアニメ映画『BanG Dream! FILM LIVE(バンドリ! フィルム・ライブ)』が公開記念! とカコつけて……。同作の前日譚たる深夜アニメ『BanG Dream!』(17年)&『BanG Dream! 2nd Season』(19年)評をアップ!――2022年4月15日(金)、続編劇場版『BanG Dream! FILM LIVE』(19年)評も追加アップ!――


『BanG Dream!』 ~「こんなのロックじゃない!」から30数年。和製「可愛いロック」の勝利!(笑)

(文・T.SATO)
(2017年4月28日脱稿)


 『BanG Dream!』と書いて「バンドリ!」と読ませる。ガールズハンドを組む5人の美少女を描くアニメ。3次元でも声優たちが演奏し、大規模ライブも開催する。多数の出資者が集って広くウスく回収するのではなく、カードゲームのブシロードが主幹事で、かの会社の取り分を多めにするビジネスモデルのようだ――と思ったけど、天下の芸能プロダクション・ホリプロも「製作」に入っていましたネ(汗)――。


 昨2016年夏からあまたの深夜アニメの中CMの楽曲宣伝やアニメ化決定告知で、散々ぱらに露出してきた『バンドリ!』がついに真打ちのTVアニメ版にて登場!
 関東圏では東京MXが深夜ワクのみならず浅い時間帯でも再放送。テレビ神奈川テレビ埼玉、BSでもBS11(再放送もアリ)やBSフジのワクまで買いつけて、続く春からは冬アニメなのにMXとBS11では早くも再放送を開始(笑)。どんだけチカラを入れてんだヨ。


・美少女キャラ複数モノの定番で、主役のコは明るく元気で華(はな)も情もあり、少しオツムや語彙は足りないけど憎めない猫耳髪形のバカ少女でボーカル&ギターを担当
・サブヒロイン(?)は学力も語彙もあるけど、自意識過剰のテレ屋さんで自分を出して割り込んでいくのは苦手そうであり、集団不適応で浮いていたのか不登校気味でもあったけど、話し掛ければ早口で返してくる金髪ツインテールの質屋の娘でキーボードを担当
・いかにも内気そうでオドオドしてトロトロと甘ったるくしゃべっているオカッパのコがベース
・黒髪ロングヘアで一見クールそうでも、別にシニカルでもニヒルでもなく、性格はいたってフツーで言葉少なめな長身のコはギター
・実家がパン屋で家業のお手伝いもする茶髪ポニーテールの少々姉御ハダのコがドラム


 ……エッ、ドラマーのコは、同2017年冬季放映のモテ/非モテ問題を扱った、筆者もお気に入りのラブコメ深夜アニメ『政宗くんのリベンジ』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190909/p1)で、黒髪ロングを束ねたお嬢様メインヒロインを演じて主題歌も熱唱し、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(15年)の主役・島村卯月しまむら・うづき)も演じてたコだったの!? しかもこのコ、天下のホリプロ所属だったの!? ドラムまで叩けるの!?


 ……こんなヤサグレ度や不良性感度ゼロの健気な女のコたちが、キラキラやドキドキを求めてバンド活動するだなんて、生き方がちっともロックじゃないよネ!(爆)


 今から30数年も前(汗)の80年代中盤、「ロッキンオンJAPAN」誌などで当時の日本の若手ロッカーたちが上の世代の評論家や音楽ライターたちから「こんなのロックじゃないやい! 日本語の一音一音を音符の一音一音に乗せるな! コレじゃ歌謡ロックだ!」なぞと散々に批判されてたモノだけど、アレから幾星霜。
 ロックの衝撃はさらに目減りして、往時はトンガった怖いヤツらがやるのが定番だったのに、いつの間にやら学級でも中の上くらいのシャイさを残す連中が自らを変えるためにヤルものへと変質、ついにはカースト最底辺の我々ダサいオタも愛玩する「可愛いロック」に成り果ててしまって、コレでイイのかよ!?


 なーんてネ。筆者は別にロック至上主義者じゃないし、あんなの真のイミでの左翼や反逆ではなく、若者世代の中では強者のポジションにある連中が、表向きはラブ&ピースを唱えようとも、ヘナヘナとした性格弱者を威嚇してイキがってワルぶって虚栄心を満たすためにヤルものだと思っているので、昨今の堕落ぶりにはむしろ愉快痛快。


 なので、本作も安心して楽しむことができる。図々しいメインヒロインに付きまとわれてメーワクがってはいてもマンザラでもなく、質屋の蔵の地下室を練習部屋に提供して、マンザラをごまかすために顔を赤くして「違えーし!」「○○だっし!」を連発する金髪サブヒロインのお約束ツンデレも個人的には楽しい。


 部室や自宅でグダグダ会話してゴロゴロしたりお菓子喰ってるだけでロクに練習はしていないのに、イザとなるや神演奏を披露していた深夜アニメ『けいおん!』(09年)が大ヒットして、この世の無常(笑)を感じていた筆者は、楽器との出会いやライブハウスでの先達の演奏に衝撃を受けるとかメンバー探しや練習場所の確保などの一連をていねいに描いている本作に、本来あるべき『けいおん!』がココにある! という思いでもいる――『けいおん!』ファンの皆さまにはゴメンなさい(汗)――。


 今夏(2017年夏)にはもう日本武道館でのライブが開催決定! 同じくブシロード主導であった『探偵オペラ ミルキィホームズ』(10年)の武道館ライブと同様に、こんなモノになんでそんなに集客力があるのか、正直ナゾ過ぎるけど(汗)――いや、同時に痛快さも感じてはいます(笑)――。
TVアニメ「BanG Dream!」OP主題歌「ときめきエクスペリエンス!」

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.69(17年5月4日発行))


『BanG Dream!』第1期・中後盤評

(2019年9月14日書き下ろし)


 いわゆる美少女キャラにかぎらず主要登場人物がふたりであれば、片方は熱血元気でもう片方はクールかおしとやかが、作劇の便宜やキャラ対比の面でも定番となる。
 しかし、3人以上の複数キャラ登場モノとなると、熱血猪突派やクール頭脳派はワキにまわって、センターに立つ主人公キャラを中庸の性格か、もしくは明るく元気でもキツさの域には達せさせずに、腕力や知性には欠けていても明るさや愛や癒しや場のなごみを与えることで、仲間や敵をもその人徳の力で癒していく、ある意味では東洋的・宗教的ともいえる方向性にて主人公を立てていくキャラ造形や作劇も定番となっている。


 多分、この手法をはじめて自覚的に実施したのが、古くは原作マンガ版ではなくTVアニメ版の方の『美少女戦士セーラームーン』(92年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20041105/p1)である。21世紀以降の女児向けアニメ「プリキュア」シリーズ(04年~・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201227/p1)でも、『Yes! プリキュア5(ファイブ)』(07年)以降の3~6人体制の作品の場合には、センターを務める主人公にこのような性格設定の少女を配置して、腕力や頭脳だけでも解決できない高次な諸問題や心理問題の解決はセンター少女の人徳に解決させることで、物語やテーマ的な豊穣さも達成させている。


 まぁ、そのような大上段の物語やテーマ的な達成ありきで、無為自然・無用の用・天真爛漫ハクチ少女が造形されていったワケではなく(笑)、ホントウはその真逆であって、まずは天真爛漫ハクチ少女がありきで、それを主人公らしく作劇的にも意味があるようにも立てていく方策をスタッフ各位が考えていったら、このような作劇&キャラクター造形パターンが確立されて、新たな定番となっていった……というのが事の真相だろうとは思うけど。
――もちろん『三国志』の主人公・劉備玄徳や、『項羽と劉邦』の劉邦など、腕力や頭脳などの才気や近代合理的な手腕には欠けるけど、人徳がある主人公というのは、2000年も前から史実としても存在するのは置いといて(笑)――


 女子高生が部活動としてアイドル活動を実施して覇を競い合う世界を描いたアイドルアニメ『ラブライブ!』(13年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160330/p1)や、元祖『アイドルマスター』(11年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20150615/p1)のセンター主人公の美少女キャラもこのパターンであった。


 ちなみに、本作『BanG Dream!』第1期でも、『ラブライブ!』第1期の物語の終盤と同様に、主人公少女に失敗や試練を与えるかたちで少々の鬱屈を作り、それが解決されることで解放&成長のカタルシスにも満ち満ちたクライマックスを構築している。
 『BanG Dream!』1期の終盤の多少の独自性も云うならば、主人公少女には盲目的な「何かをヤリたい」という気持ちはたしかにあって、仲間も引っ張ってはきたけれど、実はメンバーの中では彼女が一番技量がナイことを、大ベテラン・小山茉美が演じるライブハウスの初老の域に達しているけど痩身で颯爽としつつも低音ハスキーボイスでしゃべるキビしい女オーナーに指摘されてしまって、彼女が審査するステージに立つ資格を得るオーディションに数回連続で落ち続けることで、主人公少女を自信喪失&発話・発声恐怖(!)へと陥(おとしい)れて、そこからの復活劇を見せてくれることになる!


 エエ~~ッ!? もっと脳天気でおバカなアニメだと思っていたのにィ~(笑)。
 いやぁ筆者個人にとってはウェルカムな見応えのある展開だったけれども、『ラブライブ!』第1期終盤の主人公少女の試練でさえ、「そんなのは不要だ! 鬱アニメだ! 美少女たちのキャッキャウフフだけがあればイイんだよ!!」という批判が若いアニオタ間ではまかり通っていた昨今、セールス的には大丈夫なのであろうか!? と心配もしてしまったけれども(汗)――単なる神経質なノイジー・マイノリティーの意見であり、彼らはサイレント・マジョリティーではなかった?――。


――元気さだけが取り柄で技量がナイことに悩むのとは正反対に、シリーズ前作との差別化による弊害か、自身が端正にすぎて無個性であることに美少女キャラが悩んだ作品としては、奇しくも本作のドラマーの娘を演じた声優さんが新主人公少女を演じていた『アイドルマスター シンデレラガールズ』(15年)終盤なども思い出す。コレなども作り手側がキャラ造形の弱点に気付いて、逆にそこを真正面から堀り下げることで肉付け、アイデンティティ・クライシスのドラマも構築してみせようとした……といったところかと憶測するのだが――


 順番は前後するけど、第1期中盤では最後の加入メンバー、パン屋の娘でドラマー経験者の娘が、主人公たちのバンドに加入するか否かの葛藤でドラマを構築していく。そのドラマも二段構えである。母親が心臓が弱くて過去にも救急車や病院のお世話になっており、自宅を極力留守にはしたくない、家事も母親任せではなく自分が主導したいという気持ち&事情。加えて、過去に参加していた別のバンドで母の病気のことでメーワクをかけた末に脱退したことから、今さら新たなバンドに参加するだなんて彼らに顔向けができないという気持ち。
 この二重の葛藤から単調ではないドラマを構築していくけど、もちろん我らが主人公たちのバンドに彼女が加入するのはこの作品の既定路線でもあって、最終的にも加入してくれなかったらそれこそ看板倒れの詐欺である(笑)。ならばそこで、最終的なオチはミエミエでも説得力のある加入ドラマが展開されてくれるのであれば、我々視聴者もナットクして、彼女のことをも応援したくなるワケだ。


 詳細は本作を未見の読者にはネタバレに過ぎるので端折(はしょ)るけど、いろいろあって過去に参加していた別バンドのメンバー少女たちまで登場させて、最後には彼女たちも背中を押してくれて、パン屋の娘の代わりに参加した新ドラマーのコからも緊急でステッキを貸与されるダメ押しで、土壇場で駆けつけた高校の文化祭でのライブに参加もできて、テーマ的には過去の仲間たちからも認められて託されたことが表象されるビジュアル演出の一連も実に泣かせてくれるのであった……。


 本作でもアイドル部アニメ『ラブライブ!』シリーズや戦車部アニメ『ガールズ&パンツァー』(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190622/p1)に合唱部アニメ『TARI TARI』(12年)や吹奏楽部の『ハルチカ』実写映画版(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201011/p1)や、『ウルトラマンメビウス』(06年)#41「思い出の先生」(中学教師も兼任していた往年のウルトラマン80(エイティ)客演編・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070218/p1)などとも同様に、コレはコレで切迫感を出すための「お約束」「歌舞伎的様式美」とも化している「廃校」や「廃部」の危機といったタイムリミット要素を導入し、地元のガールズバンドたちの憧れの聖地でもあるライブハウスの閉鎖が間近に迫っているという中盤で明かされる新事実で、ビターさ・ニガ味も出していく。


 もちろんドラマやテーマがいろいろあっても、このテの音楽アニメは最後に、本作の場合であれば手書きではなくセル画ライクな3D-CGで描かれる美麗な「楽曲シーン」が最大限に盛り上がるための前段・前菜・お膳立て・助走台として、ドラマやテーマが配置されてはいるのだけれども、だとしたらなおのこと、本作はパーツ・パーツがうまく配置されており、楽曲シーンを各キャラの「心情」や「信念」や「動機」も込みで盛り上げることもできていたといってもイイと思う。
――いやまぁ、本作が特段で優れていたワケではなく、『ラブライブ!』シリーズなどの歌唱ライブシーンなども含めて、近年のその方面のジャンル作品群はそのへんはイイ意味で多分に自覚的で技巧的にも構築されていて、たいがい成功もしているとは思いますけど(笑)――


『BanG Dream! 2nd Season』

(2019年9月14日書き下ろし)


 『BanG Dream!』(第1期)が放映開始の2017年1月から2年後の2019年1月、第1期の1年後を舞台に高校1年生から高校2年生に進学した『BanG Dream! 2nd Season』(19年)の放映が開始された。


 『BanG Dream!』(第1期)は、同じくブシロード主導で2.5次元舞台とも連動した深夜アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190728/p1)の高予算・高品質でアクション場面でもヌルヌル動く作品などとも比すると、失礼ながら作画クオリティ的にはやや低予算・低作画でイマイチという出来ではあった――ただしドラマ的には面白いので、個人的には作画面を大きな不満としないけど――。


 『BanG Dream! 2nd Season』ではライブシーンや楽器の演奏シーンのみならず、全編をセル画ライクな3D-CGアニメ作品として製作されることが先に公表された。「エッ!?」と思いつつも、3D-CGアニメ制作会社はかの「サンジゲン」であるとも発表!


 「サンジゲン」といえば、旧日本海軍の巨大戦艦や潜水艦の姿を模したナゾの侵略者の精神部分が美少女型の萌えキャラとしても実体化して(笑)、人類との攻防を繰り広げたり、その一部は徐々に人間という存在の「人間性」それ自体に引かれて人間のために戦うように寝返っていく深夜アニメ『蒼(あお)き鋼(はがね)のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190922/p1)という、艦船メカバトル・美少女萌え・ドラマ性・作品人気といった4大要素も同時に達成してみせた製作会社でもあったのだ。
 ハズかしながら当方は同作を何の予備知識もなく観ていたので、その艦船バトル部分はともかく人間キャラのパートまでもが3D-CGであるとは当初は気付かずに、数話目にして艦船美少女が女児向け魔法少女アニメの変身シーンのようにムダに360度グルグル回転の回り込みで変身する、のちのちバンクフィルムとして流用するでもないムダに豪華なワンカットで、初めて本作が全編3D-CGアニメであったと気付かされるくらいにナチュラルな仕上がりの作品でもあったのだから、「サンジゲン」のクオリティは太鼓判を押してもイイのである――いやまぁ、一介のキモオタに過ぎない筆者個人の「見る目」を基準にしても説得力はナイけども(汗)――
 巨大ロボットアニメ『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100920/p1)などをはじめ、かつてはCGで描かれたエフェクトやメカロボにクルマや電車などの動作だけを担当している下請け会社のイメージであった会社さんが、近年では元請けとしてアニメ制作まで担当してしまうとは隔世の感でもある……。


 まぁ、細かい部分での違和感を顕微鏡で拡大したように過剰に気にする御仁がいるのもわかるし、そーいう感慨を一概には否定もしないけど、手書きでも作画が崩れて演技や抒情性などの表現が不充分となってしまうようなアニメとして堕してしまうくらいであるのならば、セル画ライクな3D-CGアニメの方が常に平均以上の映像クオリティを達成できるのであるから、アニメ業界の全部と云わずとも半数はこのCG映像表現の方向に進むということでイイのではなかろうか?(オズオズ・汗)


 その『蒼き鋼のアルペジオ』で助監督を務めて――実写作品で云うところの下っ端・使いっ走りとしてのAD(アシスタント・ディレクター)のイメージではなく、「助」というよりも「副監督」といったポジションなのだろうと憶測――、昨2018年には世間的にはイロモノでも個人的にはよくできた大傑作だと思った刀剣美少女アニメ刀使ノ巫女(とじのみこ)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190908/p1)でも初監督にして良作を仕上げた柿本広大(かきもと・こうだい)が、本作の監督としても登板する。


 この『2nd Season』については、同一世界で別のあまたの女性バンドたち――ロゼリアパステルパレット・アフターグロウ・ハローハッピーワールドなどなど――が、すでにゲーム版や番外編短編アニメシリーズ『ガルパ☆ピコ』(18年)などでも活躍していたことを織り込んで、『アベンジャーズ』(12年~・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190617/p1)で『ジャスティス・リーグ』(17年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20171125/p1)で『スーパーヒーロー大戦』(12年~・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201115/p1)で『プリキュア オールスターズ』(09年~)な作品世界としても構築されて登場している。


 しかし、コレらの主人公チームとは別の女性バンドたちについては、「みんな、もう知ってるよね!?」的にあまり説明がなされない状態で登場!(ヒエ~~~っっ!!!・汗) まとめてお団子状態になって区別が付かない状態で一挙に一斉に登場するのではなく、一応は各話ごとに分けて登場するし、元からビジュアル・ルックス・楽曲的にも、黒系衣服のチョイ悪・ヒラヒラフリフリ淡色ドレス・ポップでライトなチョイ悪2・赤い巨大なシルクハットをかぶったお揃いで紅白のミニスカ制服で行進するブラスバンド部みたいな色物バンド(笑)といった描き分けはできているので、ワケわかめになることはナイのだけれども。


 それでもって、前作とは打って変わった潤沢な予算で、各話のゲストの女性バンドも美麗な演奏&歌唱シーンを長尺でじっくり魅せてくれるけど、それがために我らが主人公チームである「ポッピンQ」ならぬ「Poppin’Party」の面々の影がウスく見えてしまうところが少々ひっかかる。


・ボーカル主人公少女はバンドA
・キーボード少女はバンドB
・ベース少女はバンドC
・ドラム少女はバンドD


みたいな感じで、主人公側も漫然とヨソのバンド少女たちとも友人関係にあるのだ! ということではなく、ご都合主義でも作りモノめいていても、メインの「Poppin’Party」の各々のキャラひとりずつに1バンドずつ、因縁の濃淡・執着・鏡像などを作る感じでヨソのバンドとの接点を作っていった方が、主人公側の個々のメンバーも友人バンド連のキャラも相互に立ってきて、描き分けや響き合いなども描いていけたのではないのかとも思うけど。完成作品を観るかぎりでは、同じ空間で共演していても、主人公少女たちとゲストバンド少女たちの抱えている内的主題がややスレ違っているようにも思えてしまうので……(汗)。


 シリーズ前半ではそんなモヤモヤした感じがあったけど、後半では黒髪ロングのギター少女・おたえちゃんこと花園たえがヨソのバンド――「レイズ・ア・スイレン」なるガールズ・バンド――に誘われてサポートで手伝うことになって、コレは脱退のフラグ・伏線かとメンバー間にササッと緊張・心配・不安が走ったところから、『BanG Dream!』第1期的な作品空気やドラマ性をも回復させていく。
 実力派ガールズバンドのスキルやマジ度合いに刺激を受けて、自身も成長を遂げたいという想い。当のバンドのライブと自身のバンドの高校での文化祭ライブのバッティング。懊悩。その調整&両立。しかして失敗……(爆)。


 その悔恨をバネにしたメンバー間での和解劇&結束劇も描いて、最終回では主人公バンドが主催するゲストバンドも集めた合同ライブで、美麗な楽曲シーンを連発して大団円へと持っていく……。


――主人公集団である東北地方のローカルアイドル上がりの中堅アイドルグループ以外の別グループたち(AKB48もどきの超巨大アイドル集団や、その地方支部へ左遷された末に脱退して独立したライバル少女や、各地のローカルアイドルたちに、勃興してきたバーチャルアイドル)のライブシーンも並走させることで、全存在の全肯定をも目論んだとおぼしきアイドルアニメ『WakeUp,Girls! 新章』(17年)最終回などでも見られた手法ではある……。類似しているからダメだと云っているワケではナイので念のため。類似していてもイイものはイイ! その作劇的な技巧には普遍性すらあるのだ! という意味での引用・言及です!――


 そして、2019年の夏~秋にかけては、かの因縁(?)の「ロッキンオンJAPAN」誌主催の日本最大の野外ロックフェスティバル「rockin'on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」や、泉谷しげる発起人の『阿蘇ロック・フェスティバル2019 in 北九州』にも、3次元存在(笑)として我らがPoppin’Partyが出演! 35年近い歳月にわたる闘争(?)はついにオタク的感性の勝利で決着したのであったのだ……。


――我ながらホントかよ?(汗) たしかに歳を喰ったロック野郎の連中間の過半でも「ロック至上主義」はとっくに相対化はされているだろうけど、大物の余裕から来る余技としてのイロモノ扱いでのゲスト枠に過ぎないよネ?(笑)――
Bang Dream!: 2nd Season [Blu-ray]

(了)
(初出・当該ブログ記事)


アニメ映画『BanG Dream! FILM LIVE(バンドリ! フィルム・ライブ)』

(2019年12月15日脱稿)


 ほとんどすべての深夜アニメのスポンサーを務める勢いのカードゲーム会社・ブシロードが、自社でも『アイドルマスター』『ラブライブ!』などの美少女多数登場のアイドルアニメを作って3次元での声優によるライブでも稼ごうとしたのか、趣向をアイドルではなく女子高生ガールズバンドに変えて、声優たちが3次元でもエレキやベースにドラムやキーボードでライブを繰り広げたTVアニメ『BanG Dream!(バンドリ!)』(17・19年)の続編劇場版。
 来年2020年冬季にはTVアニメ第3期も控えている相応の人気作だが、本作の公開館数を見るにその人気は、同時期に劇場版が公開されたTVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211108/p1)や『この素晴らしい世界に祝福を!』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210912/p1)ほどではナイようだ?


 アイドルアニメではなく、同じく女子高生ガールズバンドを描いた10年前の大ヒット深夜アニメ『けいおん!』(09年)の二番煎じだとの見方ももちろん正しいけど、アチラは歌や音楽より美少女のゆるわふな日常を魅せることに主眼があり(多分)、ロクに練習もせず部室や自宅でグダグダゴロゴロしているだけなのにイザとなるや神演奏を披露するデタラメな作品で、最低限の物語的な結構すら満たしていないように思えて、筆者個人の評価は低い――スキな方々にはゴメンなさい(汗)――。


 メンバー集めや地道な練習に、最後に加入するも当初は参加を躊躇するドラマー少女の家庭の事情(病身の母)に、ライブハウスでの演奏を許可されるために受けたオーディションでの主人公少女の自信喪失――発話・発声恐怖症になってしまう!――からの再起などを描いたTVアニメ第1期。
 すでにゲーム等でお披露目されていた別の複数のガールズバンドとの共演連発を前半に、他バンドの応援にメンバーのひとりが参加したことから「すわ脱退か?」との緊張・不安で後半のドラマを構築したTVアニメ第2期。本作は意外とマジメな作りでもあったのだ。


 そんな本作の劇場版なのだがナンと! 確信犯でウリのドラマを排除。説明もヌキに全編を野外ライブとして、主人公バンドや別の複数のガールズバンドを順番に登場させ、それぞれ4曲ずつほど新曲&耳に覚えのある楽曲を披露していくだけの作品なのであった――実は『マクロス7(セブン)』(94年)#1(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080930/p1)などの四半世紀も前のアニメに前例はあるけれど、それを想起するアニメファンも今や極少であろう(笑)――。そーいう意味でも閉じたファンムービーとしての作り方以外の何者でもないハズなのだけど……。


ナチュラルな主人公バンド
・チョイ悪のゴスロリ風バンド
パステルな衣装で少女性を押し出したバンド
・チョイ悪バンドPART2
ブラスバンド部みたいな色物バンド(笑)


 彼女らの個性も明瞭で、楽曲の曲調もそれらに合わせており、何より曲の合間に彼女らが自己紹介がてら「らしい」トークも放つことで、一見さんが観ても理解ができて、TV本編の全体像も仄見(ほのみ)えて、本作を起点に前日談たるTVアニメ本編を観てもイイかも! と思わせるだけのパワーがある作品に仕上がったのではなかろうか?


 一応の終幕のあと、楽屋でメンバーかスタッフの誰かがスマホで撮影した体の映像で、ハイタッチやしばしの休憩や水分補給するも会話内容は聞こえてこない映像も、実に多幸感にあふれている。
 最後はこのテのライブの大昔からのお約束のアンコールで、おなじみの楽曲を披露するも、そこにTVアニメ版の回想シーンも挿入されると、もうダメだ。涙腺が決壊してしまう(笑)。


 心の底から観て良かった。面白かった。もう一度観たいと思うのであった。
BanG Dream! FILM LIVE

(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.76(19年12月28日発行)所収)


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#アニメ感想 #バンドリ
総括『BanG Dream!』1~2期・再放送終了記念とカコつけて!
#バンドリ #ガルパ #BanGDream #PopinParty #戸山香澄 #市ヶ谷有咲 #山吹沙綾
BanG Dream!』和製・可愛いロックの勝利! 1期再放送・終了記念!
#バンドリ #ガルパ #BanGDream #PopinParty #バンドリ2期 #BanGDreamFILMLIVE
BanG Dream!』和製・可愛いロックの勝利! 2期再放送・終了記念!
#バンドリ #ガルパ #BanGDream #PopinParty #バンドリ2期 #BanGDreamFILMLIVE



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