假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありませんので、悪しからず!(笑)

キズナイーバー・ハイスクールフリート・甲鉄城のカバネリ・少年メイド・坂本ですが?・ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?・文豪ストレイドッグス 〜2016年春アニメ序盤評


[アニメ] 〜全記事見出し一覧
ももくり・この美術部には問題がある!・チア男子!!・初恋モンスター・Rewrite・ReLIFE・orange 〜2016年夏アニメ中間評
GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり・六花の勇者・おくさまが生徒会長!・干物妹!うまるちゃん・実は私は・下ネタという概念が存在しない退屈な世界 〜2015年夏アニメ中間評
がっこうぐらし!・それが声優!・アクエリオンロゴス 〜2015年夏アニメ評
SHIROBAKO 〜2014年秋アニメ評
ラブライブ!・Wake Up,Girls!・アイドルマスター 〜2013〜14年3大アイドルアニメ評
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。・私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!・琴浦さん 〜2013年3大ぼっちアニメ評

キズナイーバー

(土曜23時30分 TOKYO MXほか)
 今を時めく新進気鋭のスタジオ・トリガーと、今や権威の脚本家・岡田麿里が組んだ作品。後者は「原作」にもトリガーとともに名を連ねる。
 とはいえ、筆者個人は岡田麿里作品の全部がケッサクであるとはツユほども思っていないし、その神懸かったピークはもう5年も前の2011年ごろの『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』や『放浪息子』のあたりで、その後の量産作品群にはイマイチなものや凡作もけっこうあってブランド化されすぎてるんじゃないかとも思うけど――アッ、でも前季までの『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(15年)はケッサクだったと私見します――。


 本作のタイトルは、「キズ」と「キズナ」と「ナイーブ」のベタな掛け言葉であることは、10代前半のよほどのアニメ初心者などは別として、誰でもすぐにわかるとは思う。
 心の傷なり、繊細ナイーブな内面なり、そこに共感・同情なり、時に乱暴に踏み込んでいくことで生じていく絆なり……といった物語の基本コンセプトを想起させ、作家自身の創作意欲も喚起していくような、フザケているけど秀逸な作品タイトルだったとは思うのだが……。


 出来上がった作品は、個人的にはあんまり面白くない(笑)。
 基本設定は、高校2年の硬軟さまざまな性格の同級生の男女7人が、同じ高校の女子生徒にプチ・改造手術(?)を受けて、ひとりの物理的痛覚を残りの全員が平等に感知するようになってしまい、しかも改造を施した女子生徒が与えた試練やクイズに答えられないと、罰を与えられるというナンセンスなもの。


 今のところ、あくまでドタバタ喜劇であって、個々人の性格の相違から来るマジメなディスコミュニケーション劇などはナイことから、ナイーブのナの字もない。その要素は今のところは温存しておいてシリーズ後半で使うのやもしれないが……。
 ダメダメではないけれども、さして冴えているワケでもなく、岡田麿里信者に向かっては、今季も他にも無名・ダークホースだったけれども面白い作品はいくつかあるよ! と声を大にして主張したい(笑)。


(了)



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ハイスクール・フリート

(土曜24時 TOKYO MXほか)
 『蒼き鋼のアルペジオ ―アルス・ノヴァ―』(13年)や『艦隊これくしょん ―艦これ―』(15年)の3番煎じ。旧海軍の軍艦を使ってバトルする美少女アニメ
 実に志しの低い、またかよ! 的な設定の作品(笑)。だが、出来上がった作品は序盤を観るかぎりは面白い。見れるものにはなっている。


 このジャンルのテンプレ・お約束で、もちろんギャルのような女子高生は登場せず――まぁ筆者個人もそんなコは美少女アニメで見たくはないけれど(笑)――、いかにもナヨナヨとしてトゲトゲしさのカケラもない、小鳥がさえずっているような声で可愛さと萌えに特化した美少女たちがワンサカ登場――初期話数ではメインキャラが数名しか登場しないので、区別が付かないということもナイ。が、オープニング映像の最後には数十人(汗)がヨコ並びに一斉に登場!――。


 彼女たち女子高生らは海軍学校(?)に入学早々、生徒たちだけ(!)による訓練航海で――ハイ、そこ! ツッコミ入れないように(笑)――、突如として味方の船舶に攻撃されてしまう! 傍受した通信によると、自分たちの船舶は反乱を起こしたという濡れ衣を着せられているらしい。
 そこで始まる大海原での海戦! 出来のよいCG表現での船舶による、面舵や取り舵連発の蛇行や「8の字」航行、煙幕による目くらまし、時に砲撃戦などの操舵・戦闘の段取りやディテールをリアルに綿密に描いて、少女たちのサバイバルを描いていくことになる。


 その過程で表出されていく、イイ意味での漫画・アニメ的な各萌えキャラの性格と人物像。
 艦長となる主役のセミロングツインテールの低身長の女のコが、戦闘になるとキモが座っていて的確に物事を瞬時に判断して、ピンチを切り抜けていくあたりは、もちろんご都合主義であり主人公補正ではある。ただそこにツッコミを入れ出したら、このテの活劇モノはすべてが成立しないので(笑)。
 加えて主人公少女が単なる戦闘マシーンにもならないように、敵の船舶から脱走してきて(?)溺れかけている少女を、矢も盾もたまらずに艦長という職務を放棄してまで(!)自ら助けに行くあたりなどは――部下に行かせろよ(笑)――、ミリタリーものとしてはまったくリアリティがないけれど……。萌えアクション作品としてはまことに正しい! 美少女キャラの自己犠牲的・献身行為は正義!(笑)
 ……ン、美少女+戦車のアニメ『ガールズ&パンツァー』(12年)でも似たようなシーンがなかったっけか?(爆)


 6000年前の縄文海進のように海水面が上昇して、関東平野をはじめとする低地があらかた海没したパラレルワールドな日本! という背景美術も、眼で見てすぐにわかる、似て非なる世界観の構築に貢献。
 というワケで、志は低いけど(笑)、序盤は今のところ、見れる作品にはなっていると思います。


(了)



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甲鉄城のカバネリ

(木曜24時55分 フジテレビほか)
 カバネリは、カバネ(屍)の末尾に「リ」を付与した、劇中存在のネーミング。
 放映ワクは、オシャレ・サブカル系のフジテレビの深夜アニメ「ノイタミナ」枠――近年はベタな萌えアニメもやっているあたり、せっかくゲットしたサブカル女子層が逃げそうでドーかと思うけど(笑)――。
 キャラデザがなにゆえに21世紀の今日に、世代人には懐かしの往年の『超時空要塞マクロス』初作(82年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990901/p1)の美樹本晴彦なのか!? 今どきの最先端の絵柄とは云いがたいだろ! まぁたしかに見てくれの次元で独自性を放てるともいえるけど。


 夜のイメージが強くて、重装甲の鋼鉄の蒸気機関車が線路上を走行している、架空の戦国か江戸時代といった世界観。チョンマゲに和装のキャラクターたちが闊歩して、戦国時代のごとく殿様に対して劇中キャラたちは「お館様(おやかたさま)!」と呼ぶことで、風情も出している。
 加えてこの世界は、大挙して襲撃してくるゾンビ(カバネ)の襲撃に悩まされ、イザとなるや町民は巨大な円筒型の駅から鋼鉄の機関車に搭乗して逃走! 汽車の装甲の隙間から侵入せんとするゾンビどもは、内側から武士階級の者どもが追い払う!


 そこに登場するのは、ゾンビに噛まれて感染するも、ゾンビ化しないで済んでいる長髪の銀縁メガネの主人公青年! 彼の颯爽とした大活躍・ヒロイックさを描くのか!? と思いきや、ゾンビに噛まれた人間に特有の症状から、人間の味方だとは信じてもらえず、ワリと登場早々にボロカスに踏んだり蹴ったりの目にあってしまう。


 娯楽活劇作品としては、ボロカスはしばらくあとにして、序盤は「俺、強えェェェーーー」だけの無双状態に留めて、もっと彼のヒーロー性を担保しといた方が無難じゃねぇのかナ?
 監督が『進撃の巨人』(13年)の荒木哲郎、脚本が『コードギアス 反逆のルルーシュ』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1)の大河内一楼の実力派コンビなので、しばらくは様子見するつもりではあるけれど。


(了)



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甲鉄城のカバネリ アニメキャラスリーブ 『無名』

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少年メイド

(木曜25時58分 TBSテレビほか)
 貧乏なアパート住まいの母子家庭に育った、いかにも性格良さげで中性的、マッシュルームカットっぽいサラサラした黒髪の「お坊ちゃま・お坊ちゃま」した等身の低い可愛い少年が、その母の死をキッカケに、親戚の豪邸に住まって「少年メイド」になる話。
 その不幸な出自設定自体には大したドラマは生じず、キモはオタク女子受け・ショタ受けしそうな少年が、健気にも炊事・家事・洗濯・掃除をしてくれて、遠い親戚のズボラな長身の美形兄ちゃんやその執事の長身美形青年と、掛け合い漫才を繰り広げるというもの。


 美少女アニメに出てくる美少女キャラは、弱者男子にとっての都合のイイ女子像である! とイジワルなツッコミを日々入れている筆者だが――自分の趣味嗜好は棚に上げて(笑)――、この作品のそれは、まさに弱者女子にとっての対等なパートナーではなく、ペットであり家政婦でもあり懐柔可能な、都合のイイ男子像の体現であり、この問題はオタク男子だけに限ったことではなかったようだ(汗)。


(了)



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坂本ですが?

(木曜26時28分 TBSテレビほか)
 プッと小さく笑えるギャグではなく、本作のそれはスナオに笑える。


 黒の学ランに1960年代的な七三分けの長髪なるも――モミアゲとエリ足は短い――、シャープなメガネを掛けた長身スマート、一挙手一投足すらもがやたらとクール・スマート・スタイリッシュに一幅の絵になる形(笑)で決まっている男子高校生・坂本青年。
 彼を妬むムクつけき男子生徒どもが、彼にブザマな醜態をさらさせ恥をかかせるために、黒板消しを頭上から落としたり、着席の瞬間を狙ってイスを後ろに引いたりして、様々なイタズラやイヤがらせを試みる。
 しかし彼は、ことごとくアリエナイ方法や物理的・肉体的限界を超えるナンセンスな方法で、しかも周囲に涼風が吹き抜け、女子生徒どもが「キャー、キャー」騒ぐようなカッコいい見てくれでくぐりぬけて、ブ男の生徒たちが地団駄を踏んだり、ブ男たちの方が逆に坂本クンにホレてしまう展開になる……という不条理さを笑う作品。


 録画したビデオを観始めてしまえば超絶的に面白いのだが、連続モノではないし、この作品独自の歌舞伎的様式美の作劇パターンも透けて見えてきて(?)、この作品の罪ではないけれど、あまりに膨大な本数の春アニメの中から本作を継続視聴すべきか否かは悩ましいところではある(笑)。


(了)



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坂本ですが? 1(DVD)
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坂本ですが? 1 (ビームコミックス)

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ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?

(木曜23時30分 TOKYO MXほか)
 西洋中世風ファンタジー異世界を舞台にしたネトゲ(オンライン・ネット・ゲーム)では、現実世界での性別を無視したキャラクターに成りきれる。それは異性へのフェティッシュなハァハァした気持ちを我が身の全身を使って(?)代理発散するマスターベーション的なキモい行為である面も否めない。
 オンラインの中では可愛い美少女が、3次元=オフラインの世界ではムクつけき野郎=ネカマ(ネット・オカマ)である可能性は非常に高い(笑)。


 そんなのはわかってますよ! そんなのはわかってますよ! そんなのはわかってますよ! と往年の名書籍『電波男』(05年・三才ブックスISBN:4861990025 08年に講談社文庫化)や『電波大戦 ぼくたちの“護身”入門』(05年・太田出版ISBN:4872339835)を著した本田透(ほんだ・とおる)大センセイのような幾重もの鉄壁のガード・バリア・障壁・結界を張って、最初から期待しないようにしよう、裏切られないようにしよう、冷めていよう、と構えていたところのオフ会に現れたゲーム内での「俺の嫁」。
 そいつは、ホントに女の子で美少女だった! しかもゲームとリアルを混同して、主人公のオタク少年を好いてくれている! という作品。
 しかも、「そんなことあるワケないじゃん!」「ご都合主義じゃん!」「弱者男子にとっての性的ファンタジーじゃん!」という容易に想定されうるツッコミに対して、事前にしつこくクドいくらいに作品タイトルも込みで一生懸命弁明している、とてもとても言い訳がましい作品。


 しかも彼女は、気が弱そうでコミュニケーション弱者で、引きこもり気味で半ば不登校でたまに学校へ行くと好奇の眼で見られてしまうという。他人に対して悪意や害意など持ちそうになく、どころかオドオドビクビクしており伏し目がちで、他人に声をかけるのも一大事だからか、代わりに袖をツンツン引っ張ってきて(笑)、自尊感情も低そうだから70年代乙女チック漫画的に「私なんて……」という感じで、イケてる系とは云いがたい主人公のオタク少年を上から目線で値踏みしてくる気配もナイ。
 美少女だけど、ボリュームのあるロングヘアの黒髪は美容院でバッチリ決めたという感じではなく、適度にモッサリあちこちハネていて、黒っぽい地味めの服装も、ゲームにしか関心がナイという趣味嗜好も、オタク少年をファッション方面からイケてるかダサいかで測ってこないような安心感をもたらす(笑)。
 しかもそのオタク少年が演じるゲームキャラの名前で、その可愛らしい声でニコニコとつぶらな瞳と上目づかいで呼びかけて、片腕にしがみついて誘惑の意ではなく天然でその巨乳を押しつけてきやがる! 休み時間に他のクラスから出張してきて、まとわりつきやがる!


 こ、こ、こ、こんな女子がいたら、こ、こ、こ、こんなダメなボクでも、その少女の経験値のなさと弱みに付け込んで上位に立って、恋人に出来るかも!!! 連れて帰って、床の間に飾りたい!!!
 ……とオタク男子どもを悶絶させているのに違いない! フン、筆者のことじゃないからネ。くれぐれも筆者のことじゃないからネ(……く、苦しい)。
 こーいうオタク男子・弱者男子にとっての欲望ダダ漏れ、都合のイイ女子像ばかりを描いているから、このジャンルは高邁・深遠・高尚にはならずに、自堕落でダメなんだよ!(……我ながら人格的な説得力がナイな・笑)


 最強の美少女ヒロインの誕生と、世紀の大傑作の誕生の予感がします(ってオイ!・汗)


(了)



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文豪ストレイドッグス

(水曜25時05分 TOKYO MXほか)
 明治・大正・昭和の文豪たちがオタク女子受けするイケメンキャラになって、その文学作品にまつわるナンチャッテ的な超能力「人間失格」だの「細雪(ささめゆき)」などを駆使して(笑)、武装探偵社を名乗って戦う……というものらしい。


 主人公の青年は、髪の毛の色がウスい灰色であるという毎度おなじみの記号的表現で、気の弱さ・押しの弱さを現している、その名も中島敦(なかじま・あつし)!
 我々オッサン世代だと高校2年の現代国語の教科書に載っていた『山月記』(1942年・昭和17年・ISBN:4101077010ISBN:4003114515ISBN:4041103029)の作者として、個人的にはとても印象に残る――今でも載ってるのかしら?――。
 健全であるべき教科書の題材にあるまじき、歴史時代の中国を舞台に挫折・憤懣・焦燥・自己嫌悪にかられた青年が山野で「虎」に変化して人外の世界へと去ってしまう……という、往年のSF作家・平井和正http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160521/p1)の初期の作品群のような非現実的・伝奇SF的なアレだ。
 ハズかしい若気の至りを書くと、往時その憤懣・焦燥の心情に非常に共感・同情して、「ここにオレがいる!」と我が事のように感じたものだった(汗)。


 このほとんど無職・ホームレスだった主人公青年がスカウトされて新入りの見習いとなるところから、物語ははじまる。
 彼の超能力は土壇場になると巨大な白虎になることで……。って、そのまんまやないけ!(笑)


 で、携帯電話が出てきたり、近代的なアパートが出てくることから、舞台は文豪たちが活躍した昭和の前期〜中期ということでもないらしい?
 彼らの生業(なりわい)はあくまでも作家であり、そのウラにおいて武装探偵をやっている……というワケでもないようだ?
 少なくとも完成フィルムだけで見れば、そのように見える。
 ウ〜ム、それでは、「文豪」というタイトリングから連想される、レトロモダンな情緒・風情が出てこなくて、名前倒れでもったいないなぁ。


 本読みオタクの好事家ならばご存じ、書籍『文豪たちの大喧嘩』(03年・新潮社・ISBN:410384504X 12年にちくま文庫化・ISBN:448042976X)などにも詳しい、文壇・サロン・作家集団における、人間関係の好悪・相性・理念の相違などから来る派閥やムダな闘争、前近代的な師弟(舎弟?・笑)関係から来るモラハラパワハラなどのゴシップの数々。
 クラスの中であろうが、ママ友の集団であろうが、我々オタが住まう趣味の世界であろうが、オモテの会社の世界ですらもが、漫画『課長・島耕作』シリーズに90年代後半の漫画『重役秘書リナ』などのように、人間が集団になると人間関係の澱や濁り、ドロドロが生じてくるのはドコでも同じだナ、とつくづく思う。
 その愚行も含めて達観して愛すべき人間賛歌と捉えるか、シリア内戦・難民問題などと比すれば生命の危険もない万分の一の取るに足らない「コップの中の嵐」と捉えるべきかは悩ましいところではあるけれど(笑)。


 当時重鎮の作家・佐藤春夫に対する若輩の太宰治の女々しくてキモい執着など、往年の「文壇」それ自体が物語にしやすいネタの宝庫に見えるので――現在も総合雑誌では日本でダントツの発行部数を誇る月刊誌『文藝春秋』も創刊当初は今は亡き雑誌『噂の眞相』のような文壇ゴシップ雑誌だったそうである――、そのへんをBL(ボーイズ・ラブ)的にアレンジして(笑)、「好いた・惚れた・イヤよイヤよも好きのうち」を描いているのに違いない!? と勝手に妄想を膨らませてしまっていた筆者が悪かったのだろう(汗)。
 序盤の展開だけに限定すれば、スカしたイケメン青年たちによる単なる異能バトルものに見える。


(了)



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(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』VOL.74(16年5月1日発行))


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