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ガールズ&パンツァー ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?

『ガールズ&パンツァー 劇場版』 ~爽快活劇の続編映画に相応しい物量戦&よそ行き映画の違和感回避策とは!?
『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』 ~微妙。戦車バトルを減らしたキャラ中心の2期も並行させた方がよかった!?
『迷家―マヨイガ―』 ~水島努×岡田麿理が組んでも不人気に終わった同作を絶賛擁護する!
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 2019年6月15日(土)からアニメ映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』が公開記念! とカコつけて……。
 深夜アニメ『ガールズ&パンツァー』(12年)評をアップ!


ガールズ&パンツァー』 ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?


(文・久保達也)
(15年11月24日脱稿)

茶道や華道と同等のモノとしての戦車道! 外人かと思いきや日本人の女子高生ライバルたち!


 しっかしどうひいき目に観ても、バカな世界観だよなぁ(笑)。


 乙女が嗜む武芸として、世界中で「戦車道」が古来から女子が進むべき道として受け継がれ、それによって良き妻・良き母・良き職業婦人(笑)となり、多くの男性に受け入れられるとされている本作の世界観。
 その「戦車道」の世界大会が数年後に日本で開催されることが決定、文部科学省の要請により(爆)、全国の高校や大学が「戦車道」に力を入れることとなり、舞台となる茨城県立大洗(おおあらい)女子学園高校でも必修選択科目として、「戦車道」が20年ぶりに復活する!


 聖グロリアーナ高校との親善試合は、地元の東茨城郡大洗町で繰り広げられる市街戦として行われ、アウトレットモールに設けられた観客席で、町民たちが歓声をあげて大洗女子学園を応援!
 当然砲撃の被害を受ける住宅や店舗も出てくるが、日本戦車道連盟がそれを補償してくれるため、住民や店主たちはむしろ「これで新築できる!」と大喜び(笑)。


ダージリン「イギリス人は戦争と恋愛では手段を選ばない」


 つーか、おまえ日本人やろ!(笑)


 横浜の名門お嬢様学園・聖グロリアーナ高校の隊長である金髪娘のダージリンは、戦車の中で紅茶を嗜み、好敵手と認めた相手には試合終了後に紅茶を贈る(笑)。


 公式戦第1回戦の相手となった、長崎県佐世保市のサンダース大学付属高校は、戦車の保有台数は全国一を誇り、試合会場にシャワー車やヘアサロン車まで用意するほど裕福であり、隊長のケイは妙にフレンドリーで快活なヤンキー娘――いわゆる「不良」を意味するヤンキーではないので念のため(笑)――。その指示に従う隊員たちは「イエス・マム!」と答える(爆)。


 準決勝の対戦相手、青森県プラウダ高校の隊長・カチューシャと副隊長のノンナ――設定では身長が127cmしかないカチューシャは、ノンナに肩車してもらうことで、大洗女子学園の生徒を見下している(爆)――は、雪上を戦車で進撃しながらロシア民謡『カチューシャ』を口ずさみ、大洗女子学園に降伏を迫る間、隊員たちはたき火を囲んでボルシチを食べ、ついでにコサックダンスを踊りまくる(爆)。


 そんなワケで、大洗女子学園の対戦校はそれぞれイギリス・アメリカ・ロシアがモチーフであり、武芸どころか、これでは立派なリアル戦争ごっこである(笑)。
 もっとも大洗女子学園の戦車は旧日本軍のものではなく、どういうワケかドイツ軍のものだったりするのだが(笑)。


 そもそも第1話『戦車道、始めます!』のラストシーンには度肝を抜かれたものだった。
 戦車の格納庫、学園、街と、画面がどんどんロングになった挙げ句、それらが全て「学園鑑」と呼ばれる空母の上にのっかっていることが判明するのだから(爆)。
 先述したライバルの3校も設定では全てそうであり、試合の際はその「学園鑑」で会場に移動するのである(笑)。


 大洗学園の生徒たちは戦車をピンクや赤、金色に塗りたくり、ウサギさんチーム・アヒルさんチーム・カメさんチーム・カバさんチームなどと、各所属を命名する(笑)。
 もっとも戦車に描かれたウサギさんのマークは目が真っ赤に血走り、両手に包丁を持っていたりするのだが(爆)。


 乗ってるとお尻が痛くなるから、と、生徒たちは戦車内にカラフルなクッションのみならず、ぬいぐるみや芳香剤を持ち込み、ケータイの充電まで可能にしようとする(笑)。
 戦車喫茶のウエイトレスが軍服姿であるのは当然として、テーブルの呼び出しブザーは砲撃音、いちごショートやチーズケーキも形は全て戦車型、それらをまさに回転寿司のように戦車の模型が運ぶ徹底ぶり(笑)。


 試合で繰り出される作戦は「こそこそ作戦」「ところてん作戦」「フラフラ作戦」「モクモク作戦」「おちょくり作戦」など、『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)の防衛組織・ZAT(ザット)かよ! と言いたくなるほどのユルユルなネーミング(笑)。


 そんな中で、「キャッキャ」「ウフフ」と「戦車道」を突き進む(笑)大洗女子学園の女子高生たちは、ほぼ例外が存在しない美少女揃いである。
 公式戦では一応の軍服のつもりか、お揃いの青い制服を着用しているが、下は白のミニスカのまんま。元バレー部員たちなんかは赤い短パンだったりする――つーか、こんな仮想世界くらいブルマーにしろよ!(爆) あとその中の近藤妙子が名作OVA『トップをねらえ!』(88年)の主人公・タカヤノリコに妙にクリソツであるのが気になるが(笑)――。
 それらには目をつむるとしても、せめてヘルメットくらいかぶったらどうだ?(爆)


強気な戦闘美少女ではオタ男子に引かれる時代に、戦闘と萌えを両立させる美少女キャラ造形とは!?


 主人公で茶髪ショートヘアの2年生・西住みほ(にしずみ・みほ)は、第1話で教室であわや「ひとりめし」となりそうな場面があるほど、心優しい引っ込み思案な少女として描かれている。
 今どきの心優しいオタク男子が「圧」を感じて苦手そうな、本来のミリタリーものの主役を張るような無骨で血気盛んな暴力少女・戦闘美少女というイメージには程遠い、争いがキライで控え目な柔和な少女なので、(ひとり)ボッチ気味な弱者男子でもあるオタク諸氏も安心するし、自身とのボッチな共通項をまずは接点に感情移入もさせることで、そこを起点に応援もしたくなる、オタ向けコンテンツとしてのマーケティング的にも実に絶妙なキャラ造形だ(笑)。


 クラスメイトで、


・なんでもかんでも強引に恋愛話に結びつけるものの、実は恋愛経験がまったくないのだが(笑)、誰とでもすぐ仲良くなれることと料理が得意な、茶髪ロングヘアの武部沙織(たけべ・さおり)、
・華道の家元の娘で常に敬語を使い、「いつも堅苦しいと言われる」(爆)黒髪ストレートヘアの大和撫子という五十鈴華(いすず・はな)――女子高生アイドルアニメ『ラブライブ!』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160330/p1)のサブヒロイン・園田海未(そのだ・うみ)を想起する。海未ちゃんにはややお馬鹿キャラが入っていたけど(笑)――


にランチやお茶に誘われたみほが、「すてきな友達ができた」と喜ぶ描写は、ほとんど(ひとり)ボッチアニメの序盤の展開を思わせるほどである。


 第2話『戦車、乗ります!』では、


・いつでも野営ができるようにと、普段から飯盒を持ち歩くほどの(笑)戦車マニアであり、みほのことを軍隊調に「西住殿」と呼ぶ(爆)、くせ毛のショートボブ・秋山優花里(あきやま・ゆかり)、
・超低血圧で245日連続遅刻の記録を誇ることから、優等生なのに留年の危機にある(笑)、沙織の幼なじみで紺色のロングヘアに白いカチューシャをした、常にぶっきらぼうな冷泉麻子(れいぜい・まこ)――親善試合当日に起きない麻子を、優花里が進軍ラッパで、みほが戦車の空砲で起こそうとするのは、あまりに度のすぎた嫌がらせであるどころか、おもいっきりの近所迷惑やろ!(爆)――


が仲間に加わり、この5人で結成されるあんこうチームが、「戦車道」を選択した生徒たちの中でも主役級として描かれる。


華「なんか気持ちいいです」
沙織「告白されるよりドキドキした」


 聖グロリアーナ高校との親善試合で「戦車道」に快感をおぼえた少女たちは、サンダース大学付属高校との公式試合において、


・沙織は通信手として、相手の無線傍受に対抗し、仲間にケータイメールで連絡をとり、
・華は砲手として「花を活けるときのように集中して」と、フラッグ車を一発で狙い撃つ!――砲弾がストップモーションとなるのがまた効果的(笑)――


など、それぞれの役割を立派に果たしていく。


 沙織はコミュ力の高さ、華は芯の強さと、そのキャラクター性を存分に発揮した活躍ぶりは、延々と続く戦車ドンパチバトルを盛りあげるのに大きく貢献している。


意外なドラマ性の高さで本作を評価すべきではない!? ドラマはアクションの前段・助走台に過ぎない!?


 しかし、


・第4話『隊長、がんばります!』で描かれる、「戦車道」を反対する母に勘当されてしまう華、
・第5話『強豪・シャーマン軍団です!』で発覚する、「ずっと戦車が友達だった」ために友人ができなかった優花里の過去――沙織の考えでは、くせ毛を嫌った小学生時代の優花里が、理髪店を経営する父と同じくパンチパーマにしていた理由の方が大きいとのことだが(爆)――、
・第7話『次はアンツィオです!』で語られる、小学生のときに両親が事故死したことから、口やかましい祖母のことを誰よりも大事に思い、心配をかけたくないとする麻子の意外な一面


など、こうしたキャラの内面を掘り下げる描写は、あくまで本作における迫力あふれる戦車対決のアクションのカタルシスを、物理面だけでなく心理面でも最大限に盛りあげるための「お膳立て」、戦車対決の「舞台背景」や各人の信条などの戦う「動機」としてとらえるべきであり、それこそ『ラブライブ!』第1期における一部のアニメ評論のように、歌唱ライブシーンの盛りあがりをさておいて、その人間ドラマ性の高さばかりを持ちあげるべきではないだろう。


 本作は、


・普段は「戦争反対!」などと主張している筆者のような輩でも、おもわず興奮せずにはいられないほどの(笑)、そのデタラメな世界観とはあまりに対照的な、圧倒されるほどのリアリティと迫力にあふれたミリタリー演出、
・「戦車道」を選択した生徒たちが全員入浴する中、みほが恥ずかしそうに胸を隠しながら(笑)演説したりするような萌え要素、いわば「破壊の快感と美少女の暴力」(爆)こそが、その最大の魅力なのである。


 第8話『プラウダ戦です!』のラストにおいて、生徒会のメンバーから「公式戦で負けたら大洗女子学園が廃校になる!」という衝撃の事実が初めて明かされるのも、「ここで負けたらあとがない!」という切迫感をもたらすために加味した香辛料であり、このあとの準決勝バトルをさらに心理的にも盛りあげるための計算づくの展開と言ってよいだろう。


穏やかな主人公少女を戦わせるための、苦肉の「動機付け」や「肉付け」が成功の要因!?


 先述した『ラブライブ!』では、私立音ノ木坂学院の廃校を阻止しようと、主人公の高坂穂乃果(こうさか・ほのか)がスクールアイドルの結成を思いつき、それが周囲を巻きこんでいく展開となっていた。


 だが、本作では、


みほの母・しほ「鉄の掟、鋼(はがね)の心、それが西住流」(爆)


などという、先祖代々戦車乗りの家系(笑)に生まれ育ったものの、ある過去が原因で「戦車道」を捨てたハズのみほが、「戦車道」の選択をみほに「強要」しようとする生徒会に対して沙織と華が「かばってくれた」ことに感激し、再び「戦車道」を歩むことを決意するという、いわば逆『ラブライブ!』(笑)とでも呼ぶべき展開となっている。


 いかに「精神修養」などのキレイ事で糊塗しようとも、露骨に勝敗を決めたり、選手と補欠を定めたりするような、平等主義や人道主義とは程遠い「大の虫を生かすために小の虫を殺す」という側面が、スポーツや武道一般にはたしかにある――スポーツや武道にかぎらず、人生におけるあらゆる出来事や選択肢に大なり小なりつきまとうものでもあるけれど――。
 人との争いがキライで、「戦車道」の家元としての出自もトラウマなハズの心優しい主人公少女が「戦車道」を再度選択する「動機」として、公益性はあるものの廃校を阻止せんとする生徒会のやや上からの「要請」という、過去のトラウマも刺激する要素だけでは奮起できずに、仲間たちが一旦はそれを案じて「要請」からの「防波堤」になってくれたことで気が済んで納得することで恩に感じて、「戦車道」に主体的に再帰することを選択させていく一連の段取りも、主人公のあくまでも平和主義的な性格を強調していて、作品世界から軍国主義的なキナくささも脱臭しており――完全に脱臭できているかはともかく(笑)――、実にうまい。ここまでやってくれれば、あんなにフニャフニャとして武道とは程遠そうな彼女が「戦車道」を再選択するくだりにも説得力が醸されるというものだ。
 ……もちろんこれがホントウに「戦争」に出征する選択だったならばヤバさが漂ってしまうけど、本作における「戦車道」とは人死にが出ない「茶道」や「華道」みたいなものだとされているので、ぎりぎりセーフだ!?(笑)


 プラウダ高校から降伏を迫られる中、この学校に来て初めて「戦車道」の楽しさを知ったのだから、ここまで来たらもう充分と主張するみほに対し、あくまで徹底抗戦を主張する、生徒会広報で黒髪ショートのメガネっ娘・河嶋桃は、つい廃校の件を口にしてしまう。
 第9話『絶体絶命!』において、生徒会長の割には常に気楽なノリで(笑)低身長のツインテール娘・角谷杏(かどたに・あんず)は、学園側に「戦車道」を復活させたのは、公式戦で優勝すれば廃校を取り消すと約束したからであり、だからこそ「戦車道」の経験があったみほに選択を「強要」した事実を遂に明かす。


 降りしきる雪の中で完全に包囲され、食料も尽き、「天は我々を見放した」(笑)と、映画『八甲田山』(77年・東宝)の名セリフも出るほどに隊員たちの士気も低下する中、


みほ「来年もこの学校で“戦車道”やりたいから。みんなと」


と、みほはかつてとは一転して勝つ気マンマンとなっているのみならず、テレビシリーズ序盤に親善試合で負けた罰ゲームとして大洗町民の前で踊らされた、あまりに恥ずかしい「あんこう踊り」を自分から再披露する!


 「あの恥ずかしがり屋のみほが!」と、隊員たちが全員「あんこう踊り」を踊りだすことで一気に士気が高まり(爆)、プラウダ高校に逆転勝利をおさめる劇的な展開は、「ドンパチバトル」と「人間ドラマ」のクライマックスの華麗なる融合となっている!


 第10話『クラスメイトです!』で、決勝戦前夜に生徒たちがとんかつ・カツサンドかつ丼・カツカレー・串かつ・カツバーガーを食べる描写はひたすら微笑ましいが――ウサギさんチームの1年生たちが食べているのは、どう見てもハムカツパンにしか見えないのだが(笑)――、当日にかつて戦った高校のチームが皆応援に来ているあたりも、少年マンガによくある既視感あふれる王道の展開だとも言えるけど、


「あなたは不思議な人ね。戦った相手みんなとなかよくなるなんて」


ダージリンがみほを讃える、これまたありがちな姿で主人公キャラを戦闘力だけではなく人望・人徳面で立ててみせ、さらにメインキャラのあんこうチームが戦車の上で手をあわせて勝利を誓う姿は、それこそ『ラブライブ!』の号令「μ′s(ミューズ)! ミュージック・スタート!!」を彷彿とさせるものがあり、ここまで大洗女子学園を見守ってきた者からすれば、感慨にひたらずにはいられない演出の連続である!


本放送時のスケジュール破綻による打ち切り! 3ヵ月後に放映された大傑作の最終2話!


 ここまで盛りあげておきながら、本放映では本作はこの第10話で、リアル『SHIROBAKO』(14年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20151202/p1)――アニメ製作のウラ側を描いた深夜アニメ――を起こしてしまった(爆)。
 全12話であるにもかかわらず、2回も総集編を入れることとなり――1回目は第5.5話――、総集編2回目の第10.5話(=テレビアニメシリーズ最終回・笑)――のラストでは、


「私たちの戦いはこれからです!!」


という、あまりに無責任な字幕が流れることとなったのだ(大爆)。


 まぁ、相手が大きなお友達だったから、それも「しゃあないなぁ~」で済んだのだが(笑)、これが就学前の幼児を相手にした変身ヒーロー作品やアニメだったら、全国の子供たちが泣きわめき、親から「どうしてくれるんだっ!」なんて抗議が殺到すること必至の、立派な犯罪的行為である(爆)。


――その戦闘描写のスピード感・臨場感が圧倒的な『ガールズ&パンツァー』(12年)OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』(14年)もまた、当初は全12話ならぬ全13話構想であったものの予算や時間の都合でオミットした第7話と第8話の間に想定していた回を、OVAとして発売したとしか思えないものがあるのだが(笑)。ちなみにこれにはひょろ長で猫耳のビン底メガネ娘・ねこにゃー(猫田)が登場しているが、公式戦第2回戦当時を描いたこの話がテレビシリーズでは欠けているため、第10話のねこにゃーの初登場が、実に唐突に思えてならないのである。いったい本作の製作進行はどうなっていたのか?(笑)――。


 第11話『激戦です!』、そして最終回『あとには退けない戦いです!』で描かれた決勝戦の相手は、大洗女子学園に転校前のみほが通っていた高校であり、実の姉の西住まほが隊長を務める、因縁の黒森峰(くろもりみね)女学園!
 最終決戦が姉妹対決というのもまた、これ以上はない王道と言えるものである!


 市街地の狭い路地を進撃する戦車群をとらえた俯瞰カットや戦車からの主観カット――画面上には終始主砲が描かれている!――、さらに『機動戦士ガンダム』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19990801/p1)を彷彿とさせる、戦車内の生徒を画面に割り込ませる演出や分割画面が多用される中、


・戦車をウイリー走行(!)させ、その重みで橋を破壊して黒森峰の追撃から逃れたり、
・迷彩色の巨大な超重戦車に真正面から突撃した1台がその下にめり込み、上に1台が乗っかることで砲塔をブロックしたところを、土手を斜め走行したフラッグ車が攻撃する!
・敵戦車と激突したまま後退し、ふいに路地を曲がることで、敵を土手の下に突き落とす!


など、大洗女子学園の頭脳戦と力技が炸裂しまくる!


 つーか、これで死傷者がまったく出ないのは完全に大ウソだが(笑)。


 もちろんこれにはみほの常に冷静な知的戦略が働いていることは言うまでもないが、決してそればかりではない。


 第11話で大洗女子の戦車群が大きな川を渡る中、ウサギさんチームの戦車が川でエンストを起こし、立ち往生してしまう!
 黒森峰時代、自身が試合中に川に流された戦車を助けたことで負けた記憶を、おもわず回想するみほ――第10話のラストでその助けた相手が「あのときはありがとう」と、みほに礼を言う場面がある――。


 それを即座に察するほどに、コミュ力が高い沙織が、


沙織「行ってあげなよ」


と背中を押したことで、みほは自身にワイヤーを縛りつけ、戦車群をジャンプして渡り、ウサギさんチームの救出に向かう!


麻子「前進するより仲間を助けることを選ぶとはな」
優花里「だからみんな西住殿についていけるんです!」


 まさにこうした、的確な戦略眼だけではない人徳あふれる態度こそが、みほが隊員たちから慕われる最大の理由なのであり、


沙織「みんなみほちゃんたちを援護して!」


と、迫ってきた黒森峰に一斉砲撃を加えるほどに、その結束が固まるのも必然なのである!


華「この一撃は、みんなの想いをかけた一撃」


 西住姉妹のガチンコラストバトルを最大限に盛りあげるために、これまで本作ではキャラクター演出やドラマで「みんなの想い」が構築されてきた、と言っても過言ではない!


沙織「やったよミポリン!」


 見事優勝したことに、沙織がみほに抱きつく姿もよいが、これまでみほに比較的冷淡な態度をとり続けた広報の桃が、「感謝にたえない」と泣きじゃくる姿もひたすら微笑ましい。


 ただ、黒髪おかっぱ頭の風紀委員・園みどり子(その・みどりこ)が、約束どおりに麻子のこれまでの遅刻データを削除したことに、


麻子「おお~っ、ありがとう~!」


と豹変する麻子の姿は、まるで『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20150403/p1)の主人公・黒木智子みたいだが(爆)。


まほ「みほらしい戦いだったな。西住流とはまるで違うな」
みほ「おねえちゃん。やっと見つけたよ、わたしの戦車道」


 美しい夕焼け空の中、握手をかわす西住姉妹。
 そして、遠くから無言で拍手を贈る姉妹の母。



 本作には「少女の自立・成長」というテーマも背負わされていたことかと思える。
 しかしながら、それを湿っぽい、辛気くさいドラマではなく、小学生男子でも夢中になれそうな、ドンパチ戦車バトルによって見事に描ききったことは賞賛に値する。


 これなら本放映が『SHIROBAKO』状態に陥ったこともおもわず納得してしまうほど(笑)の力作であり、私事で恐縮だが筆者のオタク趣味の専門分野でもある、幼児や小学校低学年を対象とした特撮変身ヒーロー作品こそ、本作を最高最良のテキストとするべきではないのかと、個人的には思えてならないものがあるのだ。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.73(15年12月30日発行))


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