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仮面ライダーZX総論 ~長命シリーズ直系の続編であることに価値がある!

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仮面ライダーZX』総論 ~長命シリーズ直系の続編であることに価値がある!

(文・久保達也)
(2011年12月2日脱稿)


 1984(昭和59)年1月3日にTBS・毎日放送系にて「正月特番」として放映された、『仮面ライダーZX(ゼクロス)』こと『仮面ライダースペシャル 10号誕生! 仮面ライダー全員集合!!』。


 大学生の村雨良(むらさめ・りょう)青年が新聞記者である姉の村雨しずかとUFOの調査のための南平の密林の上空をセスナ飛行機で飛ばしていたところ、突如として姿を見せたUFO(!)に捕らえられてしまった。


 そのUFOは悪の組織・バダンの侵略兵器であった。バダンの秘密を知ってしまった姉・しずかは良の目前で処刑されてしまう! そして、良もまた強化サイボーグ兵士に改造されて、記憶も自我も奪われてしまったのだ!


 バダンの大幹部・暗闇大使は、誘拐した伊藤博士ら科学者に開発をさせていた「時空破断システム」の実験を行なった。次々と消滅していくビルや人々!


 これを恐れた博士たちは脱走をはかったが、良同様に改造兵士(怪人)にされてしまった三影英介(みかげ・えいすけ)=高性能サイボーグ・タイガーロイドによって抹殺されてしまう!


 しかし、事故によって記憶と自我を取り戻してしまった良を、バダンは「電磁解体機」で処刑しようとする! けれども、良は間一髪で脱出して、日本へと逃げのびた!


 旧知の間柄である海堂博士と少女・一条ルミに再会した良は、姉を殺害して自身を改造人間にしたバダンに強く復讐を誓うのであった!



 ……良くも悪くも、昭和の『仮面ライダー』シリーズのフォーマットを忠実に継承したこの導入部。それがまた昭和の『仮面ライダー』シリーズでナレーションを継続して担当してきた故・中江真司(なかえ・しんじ)の声によって語られる。


 だから、マスクが赤くてボディーは銀色で、「忍者ライダー」とも称されている仮面ライダーゼクロスは、その見た目の変化球さに反して、意外と昭和の『仮面ライダー』っぽさを、当時の特撮マニアたちにも想起させるドラマとなっていたのだ。


 こうしたフォーマットは、1970年代前半に放映された第1期昭和ライダー世代にとっては、『ライダー』っぽさを想起させて、郷愁さえ抱かせるものでもあった。


 しかしそれは、先に放映された『(新)仮面ライダー』(79年)が放映開始となった時点でも、すでに少々古いものとなっていたのかもしれない。


 この特番が放映された当時、東映では『宇宙刑事シャリバン』と『科学戦隊ダイナマン』(共に83年)が製作されていた。そうした1980年代の時代の空気にマッチした新しいヒーローたちに比べて、『ZX』の設定はまさに1970年代を引きずっているような感は否めない。
 私事で恐縮だが、リアルタイムで本作を鑑賞した、当時すでに高校生であった筆者も、個人的には「なんだ、相変わらずのことをやってるなぁ」といった感慨も一方では抱いていたものだ。


 アメリカの国際宇宙開発局が計画した「惑星S1(エスワン)」探索に対応しうる改造人間として仮面ライダーが誕生する『仮面ライダースーパー1(ワン)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210822/p1)を、中学生ながらにリアルタイムで視聴していた時分に、「これこそが80年代のライダーだ!」などと大喜びしていた、昭和ライダー世代としては異端であった筆者からすると、『ZX』の設定はまたまた原点に戻ってしまったかのような印象を受けていたのだ――第1期昭和ライダー世代であるにもかかわらず、筆者は昭和ライダーでは『スーパー1』が最も好みなのだ(笑)――。


 たしかに、こうした悪の組織に捕らえられて改造されるも、正義のために戦うヒーローの「悲痛」こそ、昭和のライダーなのである! といった意見を筆者も否定はしない。しかし、それはそれでその当時としても「シンプル」といえば「シンプル」で「地味」な設定なのだし、それだけでも「華(はな)」には欠如しており、80年代の子供たちにはイマいちマッチしなかったとも思うのだ。


 そして、昭和の『仮面ライダー』の魅力とはそういった、いわばシリーズ第1作目の『仮面ライダー』(71年)の第1クール(第1話~第13話)こと通称「旧1号編」(・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140501/p1)のような要素だけではなかったハズなのだ。

 
 では、どうすればよかったのか? その答えはカンタンである。『(新)仮面ライダー』がその第2クールの途中~第3クール(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210102/p1)にかけて展開したことで、その人気を上昇させることとなった歴代ライダーたちを客演させる手法なのだ!


 そして、そういった「旧1号編」的な要素だけでも、ツカミには弱いとスタッフ側も直感していたのだろう。本作『ZX』でも、一方では先輩ライダーたちを助っ人参戦させることで、たとえ良ことゼクロスに改造人間としての苦悩の描写を与えたとしても、それに早々の救いも与えて、先輩ライダーたち直々の教育をほどこして、単なる個人の復讐心からもっと公共的な正義感へと昇華させることで、仮面ライダーとしての直系のサラブレット感をも醸し出せていたのだ!



 それがために、すでに先行して『ZX』のイメージソングとしてレコードが発売されていた、串田アキラの力強いシャウトが印象的な『ドラゴン・ロード』を主題歌にした本作『ZX』のオープニング主題歌タイトルでは、『(新)仮面ライダー』第28話『8人ライダー友情の大特訓』で描かれた「8人ライダー対ネオショッカー再生怪人軍団」(!)のシーンすら流用していたのだ!


 さらに、


仮面ライダーV3=風見志郎(かざみ・しろう)を演じた宮内洋(みやうち・ひろし)
●ライダー4号ことライダーマン=結城丈二(ゆうき・じょうじ)を演じた故・山口暁(やまぐち・あきら)
仮面ライダースーパー1=沖一也(おき・かずや)を演じた高杉俊介(たかすぎ・しゅんすけ)


 歴代ライダー役者の名前が次々にクレジットされていく!


 すでに『仮面ライダー』から卒業していた世代人の中高生~若者世代であっても「正月も3日になると、ヒマやのう……」とたまたまチャンネルを合わせていたにすぎなかったとしても、「オオッ!」と思わせていたであろうことは請け合いなのだ!(笑)


 これに続けて、すぐさま歴代『仮面ライダー』の活躍シーンも、中江真司のナレーションによって紹介されていく……


 もちろん低予算番組なので、安く済ませるためにも過去作の流用フィルムの多用が前提とされていたのだろうと今になってはわかるのだ(笑)。しかしそれはさておき、特別にマニアでなくても昭和のライダーたちに夢中になっていた世代人であれば、歴代ライダーたちのことは基礎教養でもあっただろう! やっぱり画面に惹きつけられるに違いない映像の数々と、少々マニアックな感じのセレクトの数々なのである!



 先述の導入部をはさんで、本作の敵ボスである「暗闇大使」が再生怪人軍団を率いてくる。その中には、


●『仮面ライダーV3』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140901/p1)第9話『デストロン地獄部隊とは何か!?』~第10話『ダブル・タイフーンの秘密』に登場したデストロン怪人・カミソリヒトデ!
●『仮面ライダーアマゾン』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20141101/p1)第4話『走れ! 怒りのジャングラー!!』に登場したゲドンの獣人・大ムカデ!


 このレアな2体が混じっているのが、マニアとしては気になってしまう!(笑) この着ぐるみは当時のモノなのか!? さすがに10年も経っていれば、素材からして溶けてしまうだろうから、おそらくアトラクション・ショー用に新造されたものなのだろうが。


 そして、暗闇大使が歴代シリーズの悪の組織について語るシーンでは、それぞれのシリーズでの最終決戦の映像も流用してみせる!


 昭和のウルトラシリーズ、特に第2期ウルトラシリーズの最終回は、「スペクタクル性」よりも「ドラマ性」が主導であったことによって、長じてからの再鑑賞だとそのドラマ性やテーマ性の高さには驚かされるものの、その当時の子供たちに与えたインパクトは実は弱かったものであった(汗)――もちろん、作り手たちがそれらの最終回に込めていた真摯なメッセージ性については、今では敬服してしまうのだが――。


 それらに比べると、昭和ライダー各作の最終回は子供心にも印象には残るものとなっていた。もちろん、それらが大傑作でもあった! と強弁する気まではない。子供ながらにショボいと思わされたり肩透かしを喰らったところもあったからだ(笑)。
 しかし、昭和ライダー各作の最終回では、それまで秘密のベールに包まれていた悪の組織の首領がついにその姿を現すといった、子供心にもわかりやすい「イベント性」それ自体はあったことは確かなのだ! 加えて、


●『仮面ライダー』(71年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140407/p1)第98話(最終回)『ゲルショッカー全滅! 首領の最後!!』では、ダブルライダー対ゲルショッカー再生怪人軍団が大決戦を演じていた!
●『仮面ライダーX(エックス)』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20141005/p1)第35話(最終回)『さらばXライダー』でも、巨人としての正体を現わした敵首領・キングダークにXライダーが捨て身で果敢に戦いを挑んでいた!
●『仮面ライダーストロンガー』(75年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201231/p1)第39話(最終回)『さようなら! 栄光の7人ライダー!』でも、歴代昭和ライダーシリーズの悪の組織の真の黒幕であったとされた巨人・岩石大首領と7人ライダーが最終決戦を演じていた!


 『仮面ライダーV3』と『仮面ライダーアマゾン』は除くが、最終回では敵の怪人を再生させてその頭数を増やしてみせたり、敵首領を巨人として特撮を駆使した超バトルを描くなどして、「通常回」とは異なるものとしての「最終回」や「最終敵」を描くことで、子供たちも見たかった「敵首領の強さ」や「敵組織の最後のあがき」、つまりは「イベント性」が強調されることで、子供たちにも「敵首領の強さ」をもさらに上回った「ヒーローたちの知恵と力」にはナットクさせられていたものだ。


 このあたりは、極度に1話完結でルーティン化されて、その「最終回」でもラスボスをいつもの必殺ワザで倒すことができてしまうという、「パワーバランスの悪さ」や「難敵攻略のカタルシス」には欠如していたことで腑に落ちてこなかった、70年代後半~80年代の東映変身ヒーローたちよりも昭和の『仮面ライダー』シリーズが勝っていた点でもあったのだ!



 「時空破断システム」の稼働に必要な物質・バダンニウム84が、各地からトラックでバダンのアジトに向けて輸送されてくる――「84」なるこの物質の「同位体」の番号は、1984年に放映されることになったから……であったことは、まずは間違いのないところだろう(笑)――。


 それを阻止するために、次々に現れる歴代のライダーたち!


 『仮面ライダー』第1作目の主題歌『レッツゴー!! ライダーキック』のインスト(歌なし楽曲)をバックに、「トーーッ!!」と仮面ライダー1号&仮面ライダー2号ことダブルライダーが高々とジャンプして初登場を果たすシーンの様式美は、いつ観直してもたしかにカッコいいのだ!


 本作の2号ライダーは、仮面ライダー2号こと一文字隼人(いちもんじ・はやと)を演じていた佐々木剛(ささき・たけし)が、諸事情でご尊顔は出せずとも声だけは演じてくれている。だから、セリフといえば「トーーッ!!」と最終決戦での「仮面ライダー、2号!!」と名乗るだけなのが、あまりにももったいなかったとは思うのだ。佐々木氏の起用が決定した時点でもっとセリフを増やしてほしかったものだ!



 バダンの輸送トラックを襲撃するライダーマンとスーパー1! しかし、良が彼らふたりを敵だと勘違いしてしまって、仮面ライダーゼクロスに変身して戦ってしまうといった燃えるシチュエーション!


 このあたりは、シリーズ初のダブルライダー共演編であった『仮面ライダー』第1作目での同様シチュエーションの再生のようでありながらも、ゼクロスこと良がライダーマンとスーパー1を「ヒーロー」ではなく「異形の怪人」として認識していまっているあたりでは異なってはいる。


 こういった面では、筆者のような年長のマニアたちも意識して、自分の体や自分の仲間たちが「異形」と化したことから来る「苦悩」にも通じていくような「テーマ性」も想起させてくるのだ。
 つまり、本作の脚本を担当した、昭和ライダーシリーズの助監督上がりの平山公夫は、我々のような世代人をも喜ばせようとはしていたのだろう。ペンネームも含めて『仮面ライダーアマゾン』や『イナズマン』(73年)に『イナズマンF(フラッシュ)』(74年)といった、氏が脚本を担当していた作品なども見るにつけても、70年代の東映特撮としてはややマニアックな傾向はあったのだし、いわば元祖マニア上がりの御仁による作品である……といった感もあるのだ。


 そういったシチュエーションを経て、仮面ライダーたちにはもっと多くの仲間がいることを、良は仮面ライダーV3こと風見志郎によって鑑賞させられた、歴代ライダーたちの活躍を記録したデオテープによって知らされることになるのであった!


 家庭用ビデオデッキがその普及を加速しはじめていた、いかにも1980年代の半ばを思わせるような演出でもある。私事で恐縮だが、筆者なども放映当日のオンエアの時間帯には親戚の家に行く途中だったことから、本作をタイマー予約で録画していた。その録画テープはまさに「保存版」(笑)となって、飽きることなく何十回となく本作を繰り返し観返したものであった。
――先に「なんだ、相変わらずのことをやってるなぁ」とケチをつけながらも、歴代ライダーたちが登場して、歴代シリーズを全肯定してみせるようなノリについては、実は気に入ってもいたのだ(笑)――。


 ちなみに、筆者が生まれ育った名古屋地区では、『仮面ライダー』シリーズの再放送が80年代当時にはほとんどなかった。本作放映2年後の1986年に『仮面ライダー』第1作目がTBS系列の中部日本放送にて毎週土曜朝7時に再放送されるまでの80年代前半には皆無であったものだ。


 「旧1号編」テイストといった意味ではなく、昭和の『仮面ライダー』シリーズ全体のエッセンスを凝縮してみせていた本作。その最大の象徴となったのが、良が見せられたビデオに映し出される、歴代ライダーたちの変身メドレー(笑)であった!


 『仮面ライダー』シリーズ、いや「特撮変身モノの最大の魅力」とは何か!? それはやはり「変身」シーンである! 卑俗な人間を脱して超人と化して、その超能力を善行のために活かしたい! といった願望への刺激と高揚なのだ!


 役者の肖像権・映像の著作権といった権利関係や、映像の再使用だけでもギャランティーが高額化している問題もあってか、現在ではこうした流用フィルムによる演出も困難になっている。そうした意味でも、今となっては本作の時点でこうした過去作映像を流用してくれたことは幸いであった(笑)。


 『(新)仮面ライダー』の際に作曲された『8人ライダーヒットメドレー』なる歴代主題歌のモチーフをつないだインスト音楽を見事に画面にシンクロさせて、歴代ライダーの変身シーンが連続で繰り出されていく!


――これらをいったい誰が撮影していたのか!? といったリアリズム的なツッコミはナシだぞ! ……好意的に解釈すれば、各々の悪の組織の戦闘員たちが隠れて研究のために撮影していたのに違いないのだ!(笑)――


 ちなみに、本作での仮面ライダー1号の声を演じていたのは、『(新)仮面ライダー』での客演時にも1号ライダーの声を担当していたベテラン声優・池水通洋(いけみず・みちひろ))であった。



 この1号ライダーからバダンのアジトを発見したとの連絡を受けて、風見たちはバイクで急行する!


 しかし、良の前にバダン時代の親友・三影が立ちふさがってしまった!


 この三影を演じたのは、


●2号ライダー
●新1号
●V3
●Xライダー
●ストロンガー
●スカイライダー
●スーパー1


 といった、歴代の昭和の主役ライダーたちのスーツアクターを長年務めてきた中屋敷鉄也(なかやしき・てつや)その人であった。


 氏はそれまでのライダーシリーズでも、怪人の人間体や怪人に殺される役などチョイ役では数多く顔出しで出演してはいた。しかし、ここまで重要な役回りで、顔出しでの出番が多い作品は本作が初なのではなかろうか!?
 黒の皮ジャンにサングラス姿といった悪人を表現するスタイルに身を包んで、不敵な笑みを浮かべている表情の演技も絶品で、そのたたずまいからしダンディーなカッコよさがある! ずっと仮面の下に素顔を隠してきた氏の熱演もまた、マニア的には本作の見どころのひとつなのだ!


 怪人タイガーロイドに変身して、良を襲ってくる三影!


 そして、良もまた仮面ライダーゼクロスに変身する!


 タイガーロイドも背中の大砲でゼクロスを連続砲撃した!


 大量の火薬が爆発する中を走り抜けて、吹き上がってくる猛烈な噴煙を、側転の連続でカワしていくゼクロスがまたカッコいいのだ!


 これまたロケ地の確保の問題や、ガソリンを用いた火炎爆発(ナパーム爆発)は危険であり高額(汗)でもあることから、その使用の有無や是非については一概に裁断すべきではないだろう。しかし、こうしたまさに命がけの体育会系の体当りアクションこそが「昭和ライダー」を支えてきたという事実は、今後も永遠に語り継がれるべきだろう。


 ゼクロスはヒザに格納してある「衝撃集中爆弾」をタイガーロイドの足元に投げつけて、マイクロチェーンもカラみつかせて、5万ボルトの高圧電流を流しこんだ!


 雑誌媒体などでは「忍者ライダー」なる異名を誇っていたゼクロスは、こうした「飛び道具」を数多く備えていることもまた魅力的ではあったのだ。そして、こういったあたりなどは、たしかに「旧1号」的ではないのだ(笑)。


 しかし、筆者の場合、それは批判の意味ではないのだ。それは前作『スーパー1』での仮面ライダースーパー1の5種もの変化する両腕・ファイブハンドが好評を得たことによる設定だったのだろう。


 同作の放映当時、すでに中高生の年齢に達していた昭和ライダー世代の特撮マニアたちには、このファンブバンドは「武装過剰」と取られて評判が悪かったものだ。しかし、それは中高生にもなった世代人の意見であって、ふつうは武器をいっぱい持っている方が、子供たちにはインパクトが強かったハズなのだ(笑)。


 そうはいっても、筆者も保守的なことに、仮面ライダーの最大の武器はライダーキックにほかならないと思っているところはある(汗)。


 このゼクロスも高々とライダージャンプして、空中で昭和の2号ライダーの変身ポーズのように、両腕を大きく右へと水平に突き出して、全身を赤熱化させたタメのあとに、


「ゼクロス・キック!!」


を浴びせる!!


 さしものタイガーロイドもついに敗れ去ったのであった……



 そして、バダンのアジトがある奥多摩のダムに、『スーパー1』の挿入歌『九人ライダー永遠に』をバックにして次々と名乗りを挙げて集結してくる9人の先輩ライダーたち!


 これに対して、『X』の未使用音楽をバックに、


●バダン
●ドグマ
●ネオショッカー
●ゲドン
デストロン


 歴代の悪の組織が繰り出してきた混成再生怪人軍団も、次々に名乗りを挙げていく!


 そこに遅れて到着したゼクロス! そして、9人の先輩ライダーたちは、『仮面ライダー』第1作目の挿入歌『ライダーアクション』とともに最後の決戦を繰り広げるのだ!


 1号ライダーがライダーキックで、怪人バラロイドを見事に倒した!


 これを皮切りにして、『(新)仮面ライダー』の後期エンディング主題歌『輝け! 8人ライダー』が「勝利の凱歌」として流れる中で、次々に再生怪人軍団を倒していく9人のライダーたち!


 ここでの演出は、ある意味では良質のミュージカルですらある! そして、様式美でもある! 良質のアクションにおなじみの名楽曲! これに勝るカタルシスはほかにないのだ!


 こうして挿入歌を駆使することによって、画面と音楽とを渾然一体とさせて、バトルを最大限に盛り上げる手法! 昭和ウルトラではほとんど見られなかった音楽演出でもあり、このあたりは昭和ライダーの方に「一日の長」があったのだ!



 この劣勢に対して、暗闇大使はついに「時空破断システム」を発動させて、ライダーの全滅をはかった!


 しかし、9人ライダーとゼクロスは円陣を組んだ! そして、彼らの全エネルギーを放出させた合体技・ライダーシンドロームを暗闇大使に向けて放ったのだ!!


 「時空破断システム」のコントロール装置を体内に秘めていた暗闇大使もついに敗れ去る!!


 そして、バダンの恐るべき計画は阻止されたのであった……



 暗闇大使の最後の叫びはこうだ。


「暗闇死すとも、バダンは滅びず!!」


 『ウルトラマンA(エース)』(72年)のシリーズを通じた宿敵でもあった異次元人ヤプールも、その最期(さいご)には「ヤプール死すとも、超獣死なず!!」と叫んでいた。
 これらは、幕末の志士にして明治初頭に自由民権運動に邁進した板垣退助が暴漢に襲われた際の「板垣死すとも、自由は死せず!」の有名な発言をもじったものである。ちなみに、板垣はその場で死なずに、その後も永く生き延びることとなった(笑)。


 この暗闇大使は、『仮面ライダー』第1作目のショッカー日本支部の3代目の大幹部・地獄大使のイトコだとの設定がなされている。もちろん、地獄大使を演じた故・潮健児(うしお・けんじ)による再演なのだ。これには特に原点回帰志向でもない筆者としても、放映当時から非常に嬉しいものがあったし、当時のマニア諸氏も同様であったようだ。悪を体現しながらも、どことなくユーモラスで憎めないキャラであるあたりは、氏の個性・人格・人となりもあってのものだろう。



 仮面ライダーV3から「仮面ライダー10号」なる名誉ある称号を贈られたゼクロス。彼も、


「オレの名は、仮面ライダー10号!」


と叫んだ! そこに間髪入れずに挿入されてくるのは、『仮面ライダー』第1作目の超有名な主題歌にして国民的なスタンダード・ナンバーとも化している『レッツゴー!! ライダーキック』だ!


 美しい夕焼け空の中で、良・海堂博士・ルミに手を振って別れを告げている9人もの先輩ライダーたちのラストシーン。そして、本作のエンディングテロップに至るまで、懐かしの主題歌は流れ続けていくのだった……


 それすなわち、ゼクロスが『仮面ライダー』第1作目や歴代のライダーシリーズにも直結している、直系サラブレッド作品でもあったことを、この音楽演出でも念押ししていたのだ!


 ……いやぁ、本作を9人の先輩ライダーの客演はナシで、ゼクロスの単独主演で製作していたならば、このような感動やスケール雄大感などはとうてい得られなかったことだろう。


 「悪」の力によって改造されながらも、「正義」として「悪」と戦うヒーロー! しかし、それは「悲痛」なだけでもなかった。「悲痛」さを超えた先には「ヒロイック」な「高揚」もあったのだ。
 そして、そんな悪と戦うヒーローはひとりだけでもなかったのであった。安直に「苦痛」をこぼしてしまっても見苦しいところが発生してしまうものなのだが、イザとなれば「苦痛」を分かち合える仲間がいることに、心の余裕や救いも生まれてくることも確かだろう。


 そういった独自なポジションのヒーロー集団に、「仮面ライダー」も「ウルトラマン」も「スーパー戦隊」も「プリキュア」も「アメコミヒーロー」たちも今では到達しているのだ。


 「旧1号編」にも独自の良さはある。それはたしかに認めるのだ。しかし、それ以上の「高揚」が、長大なる歴史を有して全作が同一世界観としてつながっている長命なシリーズものにはあったのだ!



 本放映当時、この1時間の特番を「パイロット版」として、その春から新シリーズ『仮面ライダーZX』が始まるのだろうか? ……などと、特撮マニア雑誌などの情報も少なかった時代だったので、筆者は勝手に漠然と思いこんでしまったほどだった。しかしご承知のとおりで、仮面ライダーゼクロスが主役の映像作品は本作のみとなってしまった。


 今回の再視聴で初めて気がついたのであるが、オープニングに「技斗」として昭和のライダーシリーズでアクションを担当してきた大野剣友会の創設者でもある大野幸太郎の名が岡田勝との連名でクレジットされていた。これには少々驚いた。実際には岡田のみが担当していたものの、「これが最後だろうと思って」という氏の希望により、師匠の名も併せて最初で最後としてクレジットがなされたものであったらしい。



 『仮面ライダースーパー1』の放映終了を惜しんで、その2ヵ月後の1981年の末にはもう開催されたという、ライダーファン主宰の「仮面ライダー復活祭」なる集いで、特別ゲストとして招かれたていた『仮面ライダー』シリーズ原作者の故・石ノ森章太郎(いしのもり・しょうたろう)が、勃興をはじめていたライダー世代の青年たちの声援に心を突き動かされるかたちで「もう一度、新たなライダーをつくる」と発言したことが、本作『仮面ライダーZX』の端緒となっていた。


 その場に同席していた東映側のプロデューサー・平山亨(ひらやま・とおる)は予期せぬ勝手な発言に大あわてしてしまったともいう(笑)。しかしその翌日、早くも講談社の幼児誌『テレビマガジン』の当時の編集長・田中利雄から協賛の申し入れがあった。そして、徳間書店の幼児誌『テレビランド』、同じく秋田書店の幼児誌『冒険王』と連携して巻頭カラーグラビア展開を行なうことが内定する。



 これに関しても、以下のような興味深い発言があったので、記録に残しておこう。



「しばらくして『てれびくん』の類似誌に、この『ウルトラ超伝説』シリーズをまねた企画が登場したのを見たときには、『ウルトラ超伝説』も捨てたものではないな、と思ったものです」

(『決戦! ウルトラ兄弟』(居村眞二ミリオン出版 04年9月13日発行)「居村ウルトラ漫画と『ウルトラ超伝説』の想い出~若手スタッフが集まって創ったウルトラ世界 安井尚志」)



 フリーライター・フリー編集者でもある安井尚志(やすい・ひさし)が云うところの「アンドロメロス」なるウルトラマン似の新ヒーローが登場していた「『ウルトラ超伝説』をまねた企画」とは、明らかに『仮面ライダーZX』の巻頭カラーグラビア展開のことだろう。
 『ウルトラ超伝説』とは、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年)の放映終了によって、再びウルトラシリーズが休止することになったのを惜しんだ小学館円谷プロダクションに働きかけたことにより、『てれびくん』でカラーグラビアと居村愼二(いむら・しんじ)の同名の連載漫画を連動させて展開されたウルトラシリーズの「外伝」「後日談」といった内容の作品でもあったのだ。



 先の石ノ森発言のすぐ翌日に『テレビマガジン』が協賛を申し入れてきたのは、やはりこの「『ウルトラ超伝説』のような目玉がウチにもほしい」という想いがあってのことであろう。つまり、ある意味では『ウルトラ超伝説』もまた、『仮面ライダーZX』の「生みの親」だとは云わずとも、「助産師」ではあったのだ!



 1982年の年明け早々に平山亨によってまとめられた『仮面ライダーZX』の企画書は、当初からテレビ放映を前提としておらず、児童誌のグラビア展開を軸にすることが想定されていた。しかしそれでも、当初は『スーパー1』とのつながりが強く意識されていたようだ。その最終回で宇宙へと旅立ったスーパー1こと沖一也がバダンの動きをキャッチして、地球に帰還してくるシーンから始まる予定であったというのだ!


 燃えるではないか!? いや、ホントにこういったシチュエーションこそが最も大事なことなのだ! 印象深きシリーズ前作のラストからの継続!


 『ウルトラマンメビウス』(06年)以前の平成ウルトラシリーズ作品は、昭和ウルトラシリーズとのつながりを長らく完全に断ち切ってしまっていた。そういった手法もまたひとつの方策ではあっただろう。


 しかし、実は多くの特撮マニアたちは、そしてメインターゲットである子供たちもまた、明確に意識化・言語化できていなかったにせよ、ホントは無意識に昭和のウルトラシリーズの直系の続編作品こそが観たかったのではなかろうか!?


 あれだけ「長期シリーズ化こそが、作品の質の堕落を招くのだ」とまことしやかに語られてきたのに、実際に『ウルトラマンメビウス』が放映されてみれば、特撮マニアの全員とはいわずとも大勢が熱烈に大カンゲイしていた事態が、そういったことの何よりもの証左でもあったのだ!(笑)


 『スーパー1』との直接的なつながりは企画書のみに終わってしまっている。しかし、各誌のグラビア展開では、


●82年10月号掲載の第4回において、早くも9人の先輩ライダーが客演!
●83年1月号の第7回では、V3・ライダーマン・ストロンガー・スカイライダー・スーパー1!
●83年2月号の第8回には、スーパー1!
●83年3月号の第9回には、V3!
●83年4月号の第10回には、スカイライダー!
●83年7月号~8月号にかけて掲載された最終回では、10人ライダー対バダン再生怪人軍団! そして暗闇大使が変身したサザエの怪人・サザンクロス! との最終決戦が描かれてもいたのだ!


――余談だが、グラビア連載の最終回に登場した再生怪人軍団には、1982年8月号掲載の第2回に登場した怪人クモロイドと、10月号掲載の第4回に登場した怪人カメレオロイドの2体が欠けていた。この2体は「正月特番」にも登場していなかったのだ。グラビア展開と並行して各地の遊園地で行われたアトラクショーで酷使されて、その着ぐるみが使用不能になってしまっていたのではなかろうか?(汗)――


 映像化作品としては、『仮面ライダーZX』は「正月特番」のみで、『ウルトラ超伝説』を映像化した『アンドロメロス』(83年)もまた平日夕方の帯番組のみで、しかも後者は関東ローカルのみでの放映でたった数ヶ月の短命作品として終わってしまっている。


 しかし、最新のヒーローと過去作のヒーローたちを共演させることで、今は亡きケイブンシャによって年末になると増補版が新たに発行されていた子供向け豆百科『全怪獣怪人大百科』(74~84年)のように、旧作を知らない幼い世代を啓蒙するといった手法は、近年の『てれびくん』や『テレビマガジン』における『ウルトラマンメビウス外伝』、つづいて『ウルトラマンゼロ』などの巻頭カラーグラビア記事展開として、そのノウハウは今でも立派に継承されているのだ。それを思えば、そういったことの原点でもあった『ZX』や『ウルトラ超伝説』の存在意義や影響もまた、あまりに大きかったというべきなのであった!



 『ゼクロス』の「正月特番」から3年9ヶ月後、ついに待望の『仮面ライダー』テレビシリーズも復活する。『仮面ライダーBLACK』(87年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015/p2)であった。


 しかしながら、それはそれまでのライダーシリーズとはまったくつながりのない世界観であった。『スーパー1』の終了からすでに6年もの長いブランクが生じてもいた。冒頭にも記したように「時代の空気にマッチ」させるといった観点からすれば、その作風を一変させてしまうこともまた一案ではあったのだろう。


 だが、シリーズの流れを完全にリセットしてしまうことでのデメリットもあったハズだ。それは、その作品や、その作品の次作にノレなかった視聴者にとっては、その視聴習慣はそこで終わってしまって卒業を早々にうながしてしまうこともあるからだ。


 しかしそのような、個人的には少々ノレない作品ではあっても、先輩ヒーローが客演する可能性があるのであれば、どうであったであろうか? 先輩ヒーローと同じ空気を吸っていることに免じて許してしまう御仁もいるのではなかろうか?(笑) あるいは、助っ人参戦してくれる可能性に免じて、そのシリーズの次作も鑑賞してしまうような子供たちやライト層もそれなりに相応の数で存在しているのではなかろうか!? そうであれば、世界観を同じくするシリーズ化にもおおいなるメリットがあったのではなかろうか!?


 続編『仮面ライダーBLACK RX』(88年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001016/p1)の終盤では、前作『BLACK』では昭和ライダーシリーズとは無関係だと設定されていたハズなのに、その設定はホゴにされて昭和の10人もの先輩ライダーたちが客演してしまっていた(笑)。


 しかし、それでは1970年代前半に昭和ライダーを鑑賞していた年長世代からも大喝采を浴びたのかとえいば…… そうでもなかったのであった(汗)。『(新)仮面ライダー』の時代とは違って、製作費的にも相応のギャラを要する変身前の役者さんをゲスト出演させることはできなかったし、ライダー世代も成人年齢に突入していたために、作品を素朴に楽しむような年齢ではすでになくなってもいたからだ(笑)。


 同じように、映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091213/p1)では、昭和ライダー全員がついに再登場を果たした。


 しかし、昭和ライダーの声をご本人たちではなく声優さんたちが演じていても、製作事情のギャラ的には仕方がないよね? といった割り切りができるまでに特撮マニアの側でも成熟するどころか、もはや枯れてしまってもいたのだ(笑)。けれど、『RX』のころのまだ20代が中心であったライダー世代たちは、そのへんについてはまだまだある意味では「子供」であったのだろう。声優さんたちが演じている昭和ライダーたちのことが許せなくて、特撮マニア雑誌の読者投稿欄や特撮同人誌などでは盛大に批判が渦巻いていたものだ(爆)。


 しかし、このあたりも「世代」によって、相対的なところはおおいにあるのだろう。幼児期や小学生時分に『RX』を鑑賞していて、先輩の10人ライダー客演に遭遇していた世代には、その声がご本人ではなく声優さんたちによるものであるとはわかってはいても、それでも喜びに打ち震えていた……といった証言も今では上がってきているからだ(笑)。


 1990年代に製作された短編の3D映画『仮面ライダーワールド』(94年)でも、それまでのライダーシリーズとはつながってはいなかった(?)、一応の単独作品として製作されてきたハズの映画『仮面ライダーZO(ゼットオー)』(93年)&映画『仮面ライダーJ(ジェイ)』(94年)が平成のダブルライダーとして共演して、ビデオ販売作品『真・仮面ライダー 序章(プロローグ)』(92年)に登場した改造実験兵士や、仮面ライダーBLACKの宿敵でもある三度復活した悪の仮面ライダーことシャドームーンとも戦いを繰り広げることになっていた!
 スタッフ側での深く考えてみせた処置ではなく、製作予算を安く済ませるために、有り合わせの着ぐるみを流用したことから生じた処置だったのだろうが、この同作の登場をもって、仮面ライダー1号~仮面ライダーJについては、同一世界での出来事だとの解釈が可能となったのだ!(笑)


 こういった、年長マニアだけではなく、幼児はともかく児童の年齢にでもなれば、ついつい妄想してしまうような「世界観」の小学生レベル(笑)での知的遊戯な辻褄合わせ遊び! そういった行為もまた実に楽しいことではないか!? 「ドラマ性」や「テーマ性」よりも「世界観」! しかも「時間軸」「長大なる歴史」をも有している「世界観」! そういった要素にもまた、我々マニアも子供たちも引かれてしまうものなのだ。



 21世紀の平成仮面ライダーシリーズも、当初は各作品が独立した世界観を形成していた。しかし、映画『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(デカ)』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080810/p1)、『仮面ライダーディケイド』(09年)、映画『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101220/p1)といった作品を皮切りにして、平成ライダーたちが並行宇宙をSF的な手法で越境して共演ができてしまったり、ついにはあの昭和ライダーたちとも共演を果たすことが可能になってきてもいる!


 かの『ウルトラマンメビウス』は、ついに昭和のウルトラシリーズ直系の続編作品として製作されていた。さらに、昭和ウルトラの未来の世界での大宇宙での冒険を描いたウルトラシリーズの番外編『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(07年)では、時空の混乱によって昭和のウルトラ怪獣と平成のウルトラ怪獣が同時に併存することが可能となった世界観でもあった!


 そして、映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年)でのやや変則的な昭和ウルトラ4兄弟&平成ウルトラ4兄弟との共演作品を経て、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年)においては、ついに昭和ウルトラの世界に平成ウルトラマンであったウルトラマンダイナが並行宇宙を越境してきてしまったのだ!
 つづけて、映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』(10年)においては、昭和ウルトラ世界出身のウルトラマンゼロが平成ウルトラ世界のウルトラマンノアの超能力を託されて、平行宇宙を越境可能な銀色の鎧(ヨロイ)であるウルティメイト・イージスを授かってもいた!



 そう。今の時代、結局は本作『仮面ライダーZX』が体現していた、それまでの歴代シリーズの全肯定! 先輩ヒーローも客演可能! といった作品群が勃興を極めつつもあるのだ!


 ある意味では、本作『ZX』こそがこれらの作品の元祖といった面までもがあったのだ。『ZX』が評価されるべき先駆的な要素とは、まさにそういったところにこそあったのではなかろうか!?

2011.12.2.


(了)
(同人誌『夢倶楽部』号数失念(11年12月29日発行)所収『仮面ライダーZX』特集から抜粋)


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