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獣電戦隊キョウリュウジャー中盤~後半評 ~8・9・10人目の戦士! イベント編の質の高さ! 熱血活劇度も上昇! ついに10人戦隊が実現!

『獣電戦隊キョウリュウジャー』序盤~前半合評 ~三条陸×坂本浩一コンビだが、イイ意味でドラマ性が低い、明朗な狂躁作品!(笑)
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『獣電戦隊キョウリュウジャー』中盤~後半評 ~8・9・10人目の戦士! イベント編の質の高さ! 熱血活劇度も上昇! ついに10人戦隊が実現!

(文・久保達也)
(2013年7月24日・脱稿)

はやいぜ! キョウリュウジャー8にんめと9にんめのとうじょう!



ブレイブ17「ガチだぜ! キョウリュウグレー」 ~8人目の戦士・キョウリュウグレー登場!


 開幕早々の「10大獣電竜」というキーワードにより、本作では「10人戦隊」を実現するつもりなのか!? と、戦隊マニアたちからも予想する下馬評が出ていた『獣電戦隊キョウリュウジャー』(13年)。


 しかしながら、シリーズ後半であればともかく、全話1年間の放映がまだ半分も行っていない第2クール中盤の時点で、8番目&9番目の戦士までもが登場! さすがにここまで早いとは誰も思わなかったのでは!?


 第17話『ガチだぜ! キョウリュウグレー』では、8人目の戦士・キョウリュウグレーが登場!


 文字とおりに頭頂部が石頭状(頭蓋骨が露出!)の二足歩行型の恐竜・パキケファロサウルスがモチーフである獣電竜・ブンパッキーもまた「頭が硬(かた)い」という設定だ。
 ブンパッキーを操るキョウリュウグレーもまた、キョウリュウレッドのパンチを喰らっても全然平気なほどに頭が硬いと設定されている(笑)。


 その設定から逆算して、人間体の名前が鉄砕(てっさい・笑)! 頭髪もすべて剃っている!(爆)――特殊メイクなのだそうだが、そうだとはわからないリアルさだ!――


 そのスキンヘッドからして見るからに石頭っぽいが、それどころか、そのメンタルまでもが「頭が硬い」ならぬ「頭が固(かた)い」と設定されていた(笑)。


 そして、既存のキョウリュウジャー6人たちの前哨戦(ぜんしょうせん)を見て、


「100年、戦っても(敵に)勝てない!」


と酷評するのだ!


 ある意味では、完全無敵のヒーロー・完全無欠のリーダーとして、得体の知れない自信満々さで描かれて、そしてこれまでそれでも結果も出せてきたキョウリュウレッドことダイゴのことを、


「弱さがないから、それ以上強くなれない!」


などと論評して相対化をしてみせるのだ!! それに加えて、ダイゴをキョウリュウジャーから追放までしてしまうのだ!(汗)


 それはたしかに「最強」の存在であれば、それ以上に強くなったり、人格的にも肉体的にも成長することは論理的にもないだろう……


 そういう意味では、ダイゴというキャラクターと、『キョウリュウジャー』という作品自体に、「アンチテーゼ」をぶつけて揺さぶりをかけて、「テーマ的な深み」も出してみせるとすれば、それは「弱さがないから、それ以上強くなれない!」などという「禅」における「公案」=「禅問答」のような人物批評にまで持っていってしまうのは、実は『キョウリュウジャー』には似つかわしくない高等すぎる作劇だったかもしれない(笑)。


 静止したある「特定の時点」でだけ観れば、「弱さ」と「強さ」は矛盾している真逆のものですらある。しかし、「長い目」で観ての「時間的な変化」までをも考慮に入れれば、「善悪があざなえる縄のごとし」である!
 「弱い」からこそ、それを自覚して努力を重ねて、もろもろの「弱さ」の原因を愚直にひとつずつつぶしていったり、「欠点」は治せなくても自覚して常に注意できるように成長を重ねていければ、いずれは総合力としては「強者」よりも強くなれる可能性はあるのだ!――もちろん、常に絶対に強くなれるワケではないにしてもだ――。


 その意味では「弱さがないから、それ以上強くなれない!」という発言もあながち間違いではないのだ。間違いではないのだが、ダイゴをキョウリュウジャーから追放するというのは、現実的には現代社会ではスパルタに過ぎてムチャクチャではある。しかし、この手の子供向けエンタメとしては、そういうドラマチックな展開であった方が面白いのだ!(笑)


ブレイブ18「つかんだッ! カンフーひっさつけん」 ~キョウリュウグレー登場編の後編!


 第18話『つかんだッ! カンフーひっさつけん』で、鉄砕が出現させた「逢魔(おうま)の森」なる異世界で、ダイゴ自身がつかんだ自分の「弱さ」とは、


「仲間を失うことが怖(こわ)い」


ということだった!


 なるほど! 彼の「弱点」とは、自分個人のことや自分個人の肉体的・精神的な「弱さ」のことではなかった!


 おそらく、彼は自分ひとりでも生きていけて、戦って、人生でも勝っていける。それもエゴイズムやミーイズムの亡者ではなく、他人の心がわからない下劣な人間としての「勝者」や「強者」でもない。


 彼は一見は高飛車なようでも、仲間や他人にも気配りや配慮ができて、彼らの心理や心痛をも慮(おもんばか)ることもできる「人格者」であった。それはそれまでのストーリー展開でも、作劇上の「主人公補正」ではあったのだろうが(笑)、序盤からすでにいくつも描かれてきたところだ。


 しかしそれゆえに、なんでもできてしまう彼は、他人を信じて任せることができない。先回りしてなんでもやってしまうのだ。
 それは深堀りして云ってしまえば、実力もある仲間たちを信じて背中を任せるのではなく、彼らのことを完全には信じきっていない! 対等な個人としては観ていない! といった微量に失礼なことにもなってしまうのだ。


 そして、それはトータルとしては、「戦隊」としての「総合力」や「最大パワー」の発揮を阻害してしまった可能性もある態度であるのだ。


 とはいえ、それは仲間を見下しきっているゆえの俗物的な言動ではない。我々のような凡人とは異なる、一段階は上の次元にある地点における「弱点」なのだ!


 彼の善良さややさしさ、意外にそのメンタルの根っこは「常識人」でもあったということが、ここでは「仲間を失うことが怖い」と思ってしまうという心理につながっているのだ。


 それは「悪」ではないだろう。しかし、「戦隊」としては万全な「正義」でもない。「最善」ではなく「次善」としての「良さ」いったところなのだ。彼の場合は、この「次善」としての「良さ」が、高い基準のモノサシで測ってしまえば「弱点」でもあったということになるのだ!


 ウ~ム。これはもう我々のような凡俗にとっての世間一般的な「弱点」のことではないよなぁ(汗)。高いポジションや責任のある立場にいる人間に求められる、実に高度な水準の要求だよなぁ(笑)。


 そして、キョウリュウグレー=鉄砕は、そういったことを意識化・言語化しろ! そして、それを活かして、新たな仲間との付き合い方・振る舞い方・共闘の仕方を学べば、もっともっと強くなれる! といったことを、示唆して善導しようとしていたのだ!


 先にグレーがレッドを評して語った「怖いもの知らず」といった人物批評が、この答え合わせとも「対(つい)」になっている。


 リアルに考えれば、「怖いもの知らず」もまた、自分に対する自信・自負の現われではある。しかし、「1対1」の個人戦ではなく「1対多」や「多対多」の戦いである以上は、仮に個人としては強くても多勢に無勢で、たしかに場合によっては戦場において危機に陥(おちい)てしまう可能性も高いワケだ。これは我々の「人生」や「仕事」においても云える普遍的なことだ。


――しかし、幼児たちにはこのような高度な「機微」は理解できないものだろう(笑)。ヘタにこの手のことを懇々と教えこんでしまうと、ムダにコミュ力が高くて要領と調子のいいガキどもは、「仲間」や「友達」の数の多さを誇って調子に乗りそうでもある。その逆に、依存心が強いような気弱な子は自己保身で強い者や多数派になびいてしまいそうだ。
 そして、そのどちらにもなれない可愛げのないオタク・タイプの子供たちは、たとえ正論でも「そんなことはできない」「そもそも仲間や友達がいない(汗)」とばかりに劣等感と絶望感を抱かされてしまいそうでもある――



 「怖いものがなければダメなのか?」と問うてくるダイゴに対して、


「そりゃあそうだよ。山の怖さを知らない登山家なんかいないだろ?」


との切り返しもウマいのだ! たしかに云われてみればそのとおりなのだ。過度な用心深さ、石橋を叩いても渡らないような「怖がり」ばかりでも、人間はチャレンジ精神や進歩がなくなってしまうものだ。しかし、人知や個人の才覚・裁量を超えた警戒すべき「怖さ」があるものを的確に知っておき、それを前もって避けてみせたり、避けられないまでも備えておいて心の準備もしておいて、そのショックを最小限にとどめておくようにすることもまた大切なことなのだ!


 キョウリュウレッドことダイゴと『キョウリュウジャー』という作品自体を一度は相対化してみせる! そのうえで新キャラ・キョウリュグレー=鉄砕のキャラも立ててみせる! そして、この両者を拮抗させて、ダイゴの別の側面をも引き出して、新たな一面を肉付けして「成長」をも描くという、一石二鳥の作劇! これはバカっぽくて軽みも決して忘れてはいないものの(笑)、相応に考え抜かれた作劇でもあっただろう!


 ウ~ム。往年の『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年)並みに、良い意味での狂騒的・狂躁的なだけのバカ番組(笑)にも思えていた『キョウリュウジャー』だったが、それだけで終わらずに、なにげに深いところを突いてきた!


 ……しかし、これは小学校高学年以上の子供や年長の特撮マニア向けの一応の高度な描写であって、メインターゲットの幼児や小学校低学年には理解ができない描写だとも思うけど(笑)。


 だから、子供番組としてはダメな描写なのだというワケではない。そういう描写やドラマも幼児がタイクツしない範疇で織り込まれている分には問題ないのではなかろうか!?
 よって、年長マニア向けのハード&シリアス志向を相対化したいばかりに、その「逆張り」だけで幼児性&コミカル性だけをプッシュするようなマニア評論であってもダメなのだ。


 そういった箴言(しんげん)めいたところが幼児層にはたとえ理解ができなかったとしても(笑)、ストーリーのアウトラインだけしか理解ができていなくても、「スーパー戦隊」シリーズ史上初(?)であろう「リーダー追放」ネタは、子供でも盛り上がること必至だろう!


 ここまでの『キョウリュウジャー』は登場した7人の戦士たちは、人格が善良で温厚でもあり仲もとても良かった。「戦隊」内でのこれといった不和もなかった。


 だから、これまでのメンバーとの「差別化」の意味でも、鉄砕のような「憎まれ言」を云ってみせるような「憎まれ役」がそろそろ登場するのもアリだろう!


 とはいえ、やはり破天荒で漫画的な作風の中においての「憎まれ役」に過ぎない。


 たとえば、筆者が愛して再評価運動にも邁進してきた、70年代前半の第2期ウルトラマンシリーズに登場するレギュラーの怪獣退治の防衛組織のメンバーなどでは、


●『帰ってきたウルトラマン』(71年)に登場するMAT(マット)の岸田文夫(きしだ・ふみお)隊員
●『ウルトラマンA(エース)』(72年)に登場するTAC(タック)の山中一郎(やまなか・いちろう)隊員
●『ウルトラマンレオ』(74年)に登場したMAC(マック)の初期の隊員たち!


 そういった、シビアで重たくて苦味もあって、人間ドラマとしてはある意味では高度なのだが、時に子供番組としては重たすぎるイヤ~ンな感じがしてしまう域には全然至っていないのだ。


 もちろん、あの域に達していなくて、むしろ子供番組としては正解なのだしOKなのだけど。そういったものとは「線引き」された範疇での、良い意味でマイルドで寸止めにとどめた「憎まれ役」なのだ(笑)。


 とにかく、主人公の「強化」、ひいては「成長」物語を描こうとしたら、やはりこうした「試練」を与えてみせる状況設定は必要不可欠であるワケだ。


 主人公が最初からほぼ完全無欠のスーパーヒーローであった初代『ウルトラマン』(66年)や『ウルトラセブン』(67年)、あるいは同時代やそれ以前の時代の古典的な仮面・覆面ヒーローたちと、スポ根(スポーツ根性)ブームを経た1970年前後以降からの発展途上の青年の悩みや成長も描いたヒーローたちとで、おおいに異なっている点がこの部分にあるワケだ。


 主人公の「成長」物語という教養小説ビルドゥングスロマン的なテーマをウキボリにするために、「第2期ウルトラ」にかぎらず「青春ドラマ」や「丁稚奉公もの」の要素を持ったドラマ――子供向けであれば、往年の大人気テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』(74年)や女児向け大人気テレビアニメ『キャンディ♡キャンディ』(76年)、20世紀のむかしの80年代あたりまでのNHKの朝ドラやTBSの今は亡き昼ドラ枠のような女の半生記モノなど――では、世の理不尽や不毛な対立も含んだかたちで、「憎まれ役」との葛藤劇が描かれてきた。


 もちろん、そんな教訓じみみた「テーマ」などは、新戦士の登場を視聴者に印象づけるための口実・手段にすぎず、目的ではなかったともいえる。ここは素直にキョウリュウグレーとブンパッキーの新登場、そして、それらによるキョウリュウジャーのさらなるパワーアップ劇を素直に喜ぶべきだろう!(笑)


 近年の作品に限定して例えれば、『仮面ライダーフォーゼ』(11年)に登場した2号ライダー・仮面ライダーメテオを彷彿(ほうふつ)とさせる、グレーが「鉄砕拳」なる中国拳法を繰り出す際のポージングに、「伝説の格闘家」=故ブルース・リーが格闘する際のような通称「怪鳥音」なる


「ワチャぁぁ!!」


なる叫び声! 腐れ「戦隊」オタクであれば、『超力戦隊オーレンジャー』(95年)のオーレッドこと星野吾郎隊長や、同作における6億年前の超古代からよみがえった6番目の少年戦士・キングレンジャーことリキの掛け声をも思い出すことだろう。当時の特撮雑誌『宇宙船』誌でのインタビューだったかによれば、リキ役の子役はオーレッドの掛け声を参考にしていたそうだが(笑)。


 そして、その硬い頭が分離して、シッポの先からそれを鉄球のようにチェーンでブン回して、巨大化した敵の戦闘員キャラ・ゾーリ魔を攻撃する獣電竜・ブンパッキー!


 まるで、近所の公園にて早朝に体操代わりに中国ヨガをやっている集団のように描かれる(笑)、左腕を獣電竜・ブンパッキーに換装した戦隊巨大ロボ・キョウリュウジンカンフーの合体完了シーン!


 そのコクピット内にて、回し蹴りを繰り出しながら、示し合わせたワケでもないのに、この手の作品の常套(じょうとう)で、


「ワチャぁぁ!!」


と声をそろえて、様式美として全員で本能的に叫んでいるかのようなキョウリュウジャー


 リクツではなく「この手のジャンルはそういうものだ」的な様式美! もうすべてがひたすら、バカかっこいい!(笑)。



 このキョウリュウグレーもまた、デタラメな日本語を話す500年前の西欧中世に生きてきた白人の太ったオジサンである水色の戦士・キョウリュウシアン同様に、もうすでに死んでいて「魂」だけで存在している「スピリットレンジャー」なる設定であった。


 この鉄砕も1500年前の中国の「五胡十六国(ごこ・じゅうろくこく)時代」に生きていたそうだ。


 ちなみに「五胡十六国時代」とは、『三国志』のあとから「隋」による天下統一までの400年間の小国が乱立した動乱期のことを「南北朝時代」というが、この「南北朝時代」の中期のことを限定して指す用語でもある。
 南方に追いやられた漢民族に対して、「五胡」の「胡」とは漢民族ではなく匈奴(きょうど)やトルコ系やチベット系などの北方の5種類の異民族(騎馬民族)のことである。調味料の「胡椒(こしょう)」「胡麻(ごま)」「胡瓜(きゅうり)」「胡坐(あぐら)」などもここから来ているのだ。


 ちなみに、この時代の南朝側の地に、南天竺(みなみ・てんじく=インド南部)の小国の第3王子で――ペルシャ人(イラン人)だったとの伝承もあるが――、出家して僧となった達磨大師(だるま・たいし)が布教のためにやってきて、仏教の一派である「禅宗」の開祖となって、「拳法」でも有名な少林寺を建立(こんりゅう)したという。
 達磨大使は「面壁九年(めんぺき・くねん)」の瞑想修行で、手足が腐ってしまったという伝説でも有名で、日本の「ダルマさん」人形の基となった人物でもある(笑)。


 鉄砕の「弱さがないから、それ以上強くなれない!」といった「禅」における師匠による弟子への「公案」じみた問答テストや、「拳法」ネタはここからの着想なのだろう。



 低予算番組の宿命として予想していたスレた特撮マニアも多かったことだろう。往年の東映メタルヒーロービーファイターカブト』(96年)のシリーズ後半同様に、途中追加戦士たちがレギュラーではなく、セミレギュラーとしてたまにしか登場していない。
 鉄砕もまた実に魅力的なキャラなので、個人的にはそのことが非常に残念なのだが、「ない袖はふれない」ので致し方(いたしかた)ない処置だろう。予算の範囲・身の丈(みのたけ)の範囲で知恵をしぼって最善を尽くすしかないのだ(笑)。



 ところで、彼の「鉄砕拳」を身につけたダイゴが喰らわした拳により、キョウリュウグレーの頭に入ってしまったヒビ割れ――作画合成だが――は、マジで大丈夫だったのだろうか?(笑) あの程度ではすぐに回復してしまうようなものなのだろうか?


 あと鉄砕が、もうひとつの姿として、今どきいるワケがないような、1970年前後の欧米や日本の若者間で流行していたファッションであるラフな服装の「ヒッピー」の姿に変装していたのはナゼ?(笑)


 鉄砕を演じる出合正幸(であい・まさゆき)氏は、『轟轟(ごうごう)戦隊ボウケンジャー』(06年)のシリーズ途中参加の6番目の戦士・ボウケンシルバーこと長髪金髪メッシュのイケメン・高丘映士(たかおか・えいじ)も演じていたことで、特撮マニア間では既知の存在である。しかしスキンヘッドになっていたし、筆者は今では事前情報を追いかけるタイプではないので、全然わからなかったゾ!



「どんな人間にも、光(=『強さ』)と陰(=『弱さ』)がある。オレはその象徴の戦士、白と黒の混ざった色、それが灰色、グレーだ!」


 ここでいう「陰」とは、「闇」や「悪」といった積極的な実体ではなく、光が当たっていないウラ側の部分の「陰」や、地面に写った「影」に象徴されるような、消極的な「弱さ」のようなものだろう。「悪」は否定されるべきだが、「弱さ」であれば、個性や性格であって、それはなかなかに矯正・消去しがたいものでもある。消去ができないのであれば、開き直るという意味ではなく、せめて自覚しておくことで失敗を防ごう! といった意味合いなのだろう。


 もちろん、玩具会社・バンダイ側でのデザインやカラーリングの決定ありきでのキャラクターだとは思うものの(笑)、後付けでも「グレー」のカラーリングであることにテーマ的な意味合いを付与してみせるドラマづくり! これまた、なかなかに良いではないか!?


ブレイブ21「ズオーン! かえってきたプレズオン」 ~9人目の戦士・キョウリュウバイオレット登場!


 さて、第21話『ズオーン! かえってきたプレズオン』では、9番目の戦士・紫色のキョウリュウバイオレットが初登場!


 宇宙探検から「母なる地球」に、海棲(かいせい)の首長竜・プレシオサウルスをモチーフとした、白色主体で細部に紫色が配された獣電竜・プレズオンが変形した、スペースシャトルをメカニカルに角(かく)ばらせたような飛行機型の宇宙船を操縦して帰還してくるという、実にカッコいい姿が導入部で描かれている!


 いわゆる『キョウリュウジャー』的な原始時代のイメージビジュアルではなく、なぜに未来的なスペースシャトル型の宇宙船!? といったところでコンセプト的な不整合はある。


 しかし、「時計」モチーフの『未来戦隊タイムレンジャー』(00年)のシリーズ中盤にて、「忍者」モチーフの巨大ロボ・タイムシャドウや「恐竜」モチーフの巨大ロボ・ブイレックスが登場したのを皮切りに、その作品のメインモチーフとはまったく無関係なモチーフをブッこんでくる(笑)、21世紀以降の「スーパー戦隊」ではよくある確信犯での「B級」っぽさである。
 むしろ逆に、幼児層はそういう不整合はさほどに気にしないだろうから、こういう「目先の変化」こそを喜んだり、目が引かれていたりもしていそうだ(笑)。だから、マーケティング的な勝算もあってのものなのだろう!?


 そして、このプレズオンに搭乗していたキョウリュウバイオレットの正体とは!?


 まぁ、たとえどれだけシブい声で装(よそお)っていようが、このキョウリュウバイオレットの声を演じているのが、本作でナレーションとキョウリュウジャーメカの音声ガイダンスを担当している千葉繁(ちば・しげる)であることはマニアにはバレバレである!


 メインターゲットの子供たちやそのパパやママ層はともかく、マニアであれば100人が100人、あの特徴的な声ですぐにわかったことだろう。いや、一部の子供たちやパパにママもすぐに気づいたかもしれないが(笑)。


 しかも、その変身前の人間態も、一応は声優であられる千葉繁ご本人が「顔出し」で演じておられる!!


 そして、ノッさん=キョウリュウブルーのつまらないオヤジギャグにすら、


「ダ~~~、ハッハッハッ!!!」


と大声で大口を開けてバカ笑いしたあげく、ベタで古典的なギャグではあるものの、アゴがハズれてしまうような「ファンキーおやじ」である、天才科学者ドクター・ウルシェードなる人物として登場を果たしたのだ! 役名も「うるさい!」「うるせえぞ!」の語句を転訛(てんか)させたものだろう(笑)。


 しかし千葉繁は、声から受けるイメージそのまんまの見た目をしたオジサンだよなぁ。


 とはいえ、主人公がイケメンの青年ではなく、スキンヘッドであったりオジサンであったりすれば、メインターゲットの子供たちも引いてしまったことだろう。しかし、7番目や8番目や9番目の戦士であれば、むしろ子供たちにも「変化球」として個性的で魅惑的に映って、執着すらされるのではなかろうか!?


 自身の子供時代を振り返ってみても、東映の7人戦隊ものであったヒーロー特撮『忍者キャプター』(76年)で、東映特撮の名バイプレーヤー(脇役)であり、『仮面ライダー』(71年)の敵幹部・地獄大使役で有名な潮建志(うしお・けんじ)が演じたキャプター1(ワン)に変身するユカイなオジサン・袋三郎兵衛(ふくろ・さぶろうべえ)などが、意外と子供間で人気があったことも思い出すのだ――もちろん、潮建志が主人公だったら、この番組はカッコよいヒーロー性を伴なった、子供たちがあこがれるようなヒーローものとしては成立しなかったことは云うまでもないのだが!――。


 そんなオジサンであるウルシェードが、ジャンル作品のお約束で高い建物の上に出現! 変身ポーズを延々と取りつつ、1分くらいかけて長口上(ながこうじょう)を述べながら、キョウリュウバイオレットに変身する、フザケていてもカッコいいシーンは、戦隊マニアならずとも子供たちやパパ層・ママ層などにも大ウケしたことだろう!


 キョウリュウブルーことノッさんが30代だという設定で、スーパー戦隊ヒーロー史上、最高齢だ! などと放映当初は話題になったものだが、もはやそれどころの騒ぎではない!


 千葉氏は『ゴジラ』第1作目が公開された1954年(昭和29年)生まれだそうで、還暦(かんれき=60歳)間近の59歳なのである!


 往年の特撮巨大ヒーロー『ミラーマン』(71年・円谷プロ フジテレビ)には、何回か敵の戦闘員である「インベーダー」役のひとりとして「千葉繁」なる人物がクレジットされている。
 CS放送・ファミリー劇場では、昭和ウルトラシリーズの週1の再放送と連動して『ウルトラ情報局』(02~11年)なる番組が放映されていた。氏は声優として『ザ★ウルトラマン』(79年)にも小猿のモンキやエキストラ全般の役でレギュラー出演を果たしていた関係で、『ザ★ウルトラマン』が放映されていた2009年分の「8月号」にもゲストとして出演している。


 ここで氏は『ミラーマン』のインベーダー役として出演していたことを明言したことで、この千葉繁は氏であったことが確定したのだ! そして、同作での釣り橋の上でのバック転(!)の映像も流されていた。
 しかし当時、まだ17歳! 氏は集団就職にて中卒で上京したあと、早々に退職して舞台の世界・剣友会・スタントマンの世界などを転々としていたそうだ。氏は中学時代は体操部の部長出身だったそうだ。しかし、『ミラーマン』での氏は、インベーダーは全員が黒背広姿で黒いサングラスをかけている設定だったとはいえ、17歳には見えない。当時からフケていた(爆)。


 なお、東映ビデオから2013年10月にDVD化予定で、『キョウリュウジャー』の中CMでも宣伝されている『恐竜戦隊コセイドン』(78年・円谷プロ 東京12チャンネル→現テレビ東京)の時空管理局研究員や、『仮面ライダーBLACK RX(ブラック・アールエックス)』(88年)第23話『ブタになったRX』(爆)のゲスト・太陽学習塾の先生役など、過去にも特撮作品に顔出し出演の例があった!


 『五星戦隊ダイレンジャー』(93年)第13話『カッカブキ小僧』~第14話『イヨッ結婚ぢゃ』の前後編に登場したゲスト怪人・歌舞伎小僧(かぶき・こぞう)、『忍者戦隊カクレンジャー』(94年)第41話『かくれゴースト』に登場した妖怪・チョウチンコゾウ――どちらも「小僧」だ!(笑)――のほか、近年では『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)に登場したスニークブラザースの兄・エルダーなどのスーパー戦隊シリーズ
 『重甲ビーファイター』(95年)に登場した敵組織であるジャマールの幹部・シュヴァルツや、『ビーロボ カブタック』(97年)に登場したビーロボ9号機であったサメ型のコミカルなロボット・シャークラーなどのメタルヒーローシリーズ。
 これらの作品でも「声の出演」を果たしている。そのようなワケで、実は「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「メタルヒーロー」をすでに千葉氏は完全制覇していたのだ!


 ……それにしても、キョウリュウジャーの変身シーンの定番である、サンバのリズムに乗った変身シーンでの氏の踊りはデタラメすぎである。氏は運動神経はよいのだから、これもまたギャグとしての演出意図なのだろうけど(笑)。


 なお、もちろん後付けだが、キョウリュウジャーに変身するためのアイテムであり銃型の武器でもあるガブリボルバーはドクター・ウルシェードが開発したものであり、その音声ガイダンスもウルシェード自身の声であったとされた! 虚構作品なりの合理性も与えられており、こういった言い訳・リクツ付けは怪獣博士タイプの子供たちや年長マニアたちも喜ぶような趣向であって大賛成なのだ!


 しかし、魂だけの存在としてのスピリットレンジャーこと水色のキョウリュウシアンやキョウリュウグレーはガブリボルバーなしに、おそらく恐竜時代から存在していた「獣電池」単独でも変身できており、その際にも千葉繁の声で音声ガイダンスは流れている(爆)。


 この矛盾については、獣電池にやどっていたキョウリュウスピリットの声とドクター・ウルシェード自身の声が偶然にそっくりだったことにしている。そして、キョウリュウジャーの後見人である賢神(けんじん)トリンに


「(ウルシェードの)声を聞いて、運命を感じた……」


などと云わせることで(笑)、半ばギャグとしての言い訳もつけているのだ! 苦しいけど、ここに対して何も言い訳をつけないと、怪獣博士タイプの子供たちこそ気になって気になって幻滅して卒業してしまう危険性もあるので(笑)、なにも言及しないよりかは、多少はムリがあってもこうしたウンチクや言い訳をつけておくこともまた肝要なのである。



キョウリュウバイオレット「地球の海はオレの海! 宇宙の海もオレの海! ……海の勇者! キョウリュウバイオレット!!」


 世代人であればわかるだろうが、この名乗りは往年の東映動画製作の名作テレビアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』(78年)主題歌の歌詞の冒頭「♪ 宇宙の海は~ オ~レ~の海~~』をパロった、年長オタク向けのギャグでもあるのだ!


 そして、カッコよく名乗ったのはよいものの、ベタにも腰から「グキッ!」というニブい音がしてしまい、ぎっくり腰となって動けなくなってしまう。そして、敵味方の一同がズッコケる(笑)。


 これはこれでアリなのだが、ぎっくり腰は次回以降にまわして、初登場回ではさっそうと大活躍して、その強さを見せてほしかったものだ。そこは少々残念ではある。


 しかし、彼は歴史上の人物で肉体がないスピリットレンジャーではなく、現代人の戦士であるという。


 レッドはぎっくり腰で固まってしまったバイオレットをかかえてグルグル回して、その脚を敵にぶつけることで、敵怪人にキック!(笑)


 ドクター・ウルシェードの娘として、弥生ウルシェード(やよい・うるしぇーど)なる娘も登場している。彼女は前作『特命戦隊ゴーバスターズ』(12年)に登場したオペレーター女性のような、これはこれで野郎オタク受けがしそうな、可愛いメガネっ子キャラとしてのルックスとなっている(笑)。


 その弥生のオペレートにより、「秘密基地」からスペースシャトル型の獣電竜プレズオンが発進! ドッグへの注水完了から発進へと至るその特撮シーンは、東宝特撮映画『海底軍艦』(63年・東宝)に登場した主役メカ・轟天号(ごうてんごう)や、『マイティジャック』(68年・円谷プロ フジテレビ)に登場する空飛ぶ主役メカ・万能戦艦マイティ号の発進シーンへのオマージュを捧げたのだろうカッコよさだ!


 そのプレズオンが宇宙空間にまで飛んで、獣電巨人プレズオーなる巨大ロボに変形して大活躍!! プレズオンのメカ特撮も絶品であった!



 本話では、「隕石」「ウイルス」「氷河期」と、80年代以降は証拠が見つかったことで「隕石」説で確定しているのだが、筆者が子供であった70年代には恐竜絶滅の理由として考えられてきた、今では廃れた3つの原因(笑)をモチーフとした超強敵怪人3体である、


●デーボ・ヒョーガッキー
●デーボ・ウイルスン
●デーボ・ナガレボーシ――流れ星と帽子を掛けており、テンガロンハットをかぶっている(笑)――


が恐竜絶滅の時代から現代に復活! この強大にすぎる新ロボが大活躍してみせても、パワーバランス的に卑怯には見えなくするための必然性(笑)を構築している。


 しかし、「恐竜を絶滅させた仲良し3人組」(笑)とも名乗っていることで、こんな強力怪人であるのに「スーパー戦隊」定番のギャグ怪人であることも忘れ去られてはいないのだ。


 彼らはスーパー戦隊のように、各怪人が単独でカッコいい名乗りを上げていく! そして、背景のキレイな青空になぜかメタ的に「スーパー戦隊」各作のメインタイトルのような極太ロゴで、悪の「スーパー戦隊」名である


「ゼツメイツ」


なる語句まで浮かぶのだ!――「絶滅」と「メイツ(仲間)」の掛け言葉!(笑)――


 このあたりは年長マニア向けのギャグだとの批判も可能だろう。しかし、識字ができるようになった幼児であれば、喜べるようなギャグだとも思える。よって、やや楽屋オチ的ではあるのだが、個人的にはギリギリで問題なしだと思うのだ……



 さらにダメ押し! キョウリュウジャーが「聞いて驚け!!」と名乗ろうとしたら、


「聞かない!!」


と云って(笑)、攻撃を始めてくるのだ!


 『キョウリュウジャー』ではすでに第11話や第12話(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20231010/p1)で、本作のサンバのリズムに乗っての踊りながらの長すぎる変身シーン(笑)の途中で、敵が攻撃を仕掛けてくるパターンをやっている。


 しかしここでは、おそらく『爆竜戦隊アバレンジャー』)03年)第20話(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110613/p1)が初出だとも思われる、ヒーローの名乗りの途中での敵からの攻撃もコミカルに実現して、「パターン破りの驚き」と「バトル色の強調」とともに「笑い」をも体現してみせているのだ! まさに一石三鳥の作劇だ!


 そして、初期スーパー戦隊のようなサッカーボールを蹴っていく「デーボス・メツボール!」なる、「絶滅」ならぬ「滅亡」と「ボール」を掛けた名称である必殺技も披露!


 動きにくそうな重厚な着ぐるみで、怪人同士でボールをパスしながら、ダッシュを繰り出すスーツアクター諸氏には特撮マニア的には敬意を表してしまうが、そういったウラ方での苦労話的な美談で作品を持ち上げるクサい論法ではなく、それよりもまずはギャグとしてスナオに笑えてしまうことを指摘しておきたいし、その方がスタッフたちとっても最大のホメ言葉となるだろう(笑)。


 しかし、キョウリュウジャーはそれまでにも数回ほど披露されてきた、キョウリュウブルーをボール化(!)した「ノッさんボール」(笑)でこれに対抗!


 クライマックスでは、逆にメツボールを喰らってしまった隕石怪人が爆発した炎の中に「滅」という文字が……(笑) 自分たちの方が滅びてしまったというギャグであった。


 「滅」という漢字は小学校低学年ではまだ読めないとも思うので、完全に年長マニア向けのギャグになってしまう。しかし一瞬のシーンゆえに、子供たちが疎外感を感じる暇(いとも)もないだろうから、無問題なのだ!?(笑)


 新戦士登場&強敵怪人軍団登場編! のイベント編であったハズなのに、その内容はほとんど本家・東映が製作した「スーパー戦隊」のパロディー作品であった深夜特撮『非公認戦隊アキバレンジャー』(12年)のノリであった(爆)。


 「公認」や「非公認」といった「違い」はあいまいとなったようでも、今でも厳然として存在はするだろう。やはり、「マニア向けギャグ」と「子供向けギャグ」とは重複しているところもあるのだが、異なっているところもあるからだ。しかし、その境い目は時代とともにズレて変わってきているし、たしかにあいまいでもある。
 だから、作品全体のバランスを崩さない「点描」程度であれば、子供にはわからないギャグでも、固いことは云わずに挿入してもよいだろう!(笑)


 「ギャグ」や「パロディー」を投入したからといって、熱苦しい「ヒロイズム」や「娯楽活劇性」までもが必ずしも失われてしまうワケでもないことは、まさにこの「スーパー戦隊シリーズ」においては1990年前後の作品あたりから証明してきた。


 本話は9番目の戦士・キョウリュウバイオレットの初登場編であるのみならず、そうした「ギャグ」と「熱血バトル」との両立の好例ともなっていたのだ!


 本作のシリーズ序盤は、作風がややユルくてマイルドで、「熱血温度」や「武闘派度」が少々足りないと思ったものだったが、ここに来てそれも解消されている!



 2013年8月3日(土)から公開される恒例の「平成仮面ライダー」作品との同時上映映画『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ OF(オブ) ミュージック』(13年・東映)――もちろん、サブタイトルは名作ミュージカル洋画『サウンド・オブ・ミュージック』(65年)からの引用だろう!――。


 同作には「デスリュウジャー」なる悪のキョウリュウジャーが出演することが発表されている。このキャラクターこそが正義に寝返って10番目の戦士となるのだろうか? それとも太古に存在した番外のゼロ番目の戦士なのだろうか? 単なる悪の戦士でキョウリュウジャーとは無関係の存在なのだろうか?


 この調子で、秋前には10番目の戦隊ヒーローが登場してしまうと、クリスマス商戦よりもずいぶんと前に「10大獣電竜」が全員集合してしまって、クリスマス商戦で売るべき玩具に新作玩具がなくなってしまう!


 ということは、10番目の戦隊ヒーローや「10大獣電竜」以外にも、11番目の戦隊ヒーローや獣電竜がいた! ということで、シレッとさらなる新キャラや新ロボが登場したりして……(笑)


2013.7.24.


(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2014年準備号』(22年8月13日発行)~『仮面特攻隊2014年号』(13年12月30日発行)所収『獣電戦隊キョウリュウジャー』中盤評より抜粋)


ついに! キョウリュウジャーの10にんめもとうじょう!!

(2013年12月10日・脱稿)


 「前回は大変なことが起こりんちょ!」との冒頭ナレーションが毎回毎回披露されてきた『キョウリュウジャー』。前回どころか、毎回毎回大変なことが起こりんちょ!(汗) 例によって、追加戦隊ヒーローが登場する「イベント編」のエピソードにだけ限定して語ろう!


ブレイブ34「ふっかつ! ブラギガスしゅつげん」 ~10体目の獣電竜・ブラギガス登場!


 首長竜ブラキオサウルスがモチーフである10体目の獣電竜・ブラギガスが遂に復活! そして「超カミツキ変形!」により、巨大ロボ・ギガントブラギオーが誕生する!


 筆者のようなオジサン特撮マニアたちには、


●大人気・刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(72~86年・国際放映 東宝 日本テレビ)のスニーカー刑事編(79~81年)のスニーカー刑事こと五代潤(ごだい・じゅん)役
●学園ドラマ『スクール☆ウォーズ』(85年・大映テレビ TBS)の主人公である熱血教師・滝沢賢治(たきざわ・けんじ)役


 以上の2役が実に印象深いだろう山下真司(やました・しんじ)が、ダイゴの父・桐生ダンテツ(きりゅう・だんてつ)役で、第18話・第20話・第28話につづいて、ついに本格的に出演!


 ちなみに、深夜ドラマ『ケータイ刑事 銭形舞(ぜにがた・まい))』シリーズ(02~07年・BS-i。現BS-TBS)にも、氏は五代という名字の刑事役でレギュラー出演している。そのことで、彼はスニーカー刑事とも同一人物であり、『太陽』と『銭形』は同一世界での出来事かもしれない!? とマニアたちには思わせる趣向となっていた(笑)。


 千葉繁も59歳だったが、氏はすでに還暦(かんれき=60歳)を超えている! よって、若いころのようなアクションはさすがに披露してくれないと思っていた。
 しかし今回、わずかではあるものの、レッドとともに、敵幹部である怒りの戦騎・ドゴルドを吹っ飛ばしてみせている! これは年長マニアも子供たちにもうれしい趣向だろう!


 やはり年長キャラは、単なるやられキャラや噛ませ犬や人質要員では悲しいのだ。そのへんが筆者ら年長オタクたちが視聴してきた70年代ヒーロー特撮全般の弱点でもあって、イヤ~ンな想いや釈然としない不全感を子供心に抱いてきたものなのだ。


 そのへんに不満を抱いてきた世代がスタッフになったからだろう。ダンテツは単独でも素手でも相応に強い! として描いてみせることで、カタルシスも倍増させているのだ!


ブレイブ35「チョーすげえッ! ギガントキョウリュウジン」 ~10体目の獣電竜・ブラギガスとも合体して最強ロボが完成!


 今回からキョウリュウジャーのひみつきち・スピリットベースが、10体目の獣電竜・ブラギガスの体内に移転する! といっても、予算の都合もあるだろうから、セットのデザインなどは変わっていないが(笑)。


 前話でブラギガスが眠っている湖から釣り怪人・タイリョーン(大漁ーン・笑)が、釣り上げた小さな人形が、通常のゲスト怪人よりも強い「大地の魔神・ガドマ」なる強力怪人と化して暴れ回る! こういったノリもまた小さな「連続性」なのだ。


 新メカ・新ロボ登場編なので、巨大ロボ戦も東映側の本編班ではなく特撮研究所が担当しているのだろう。精密な都市のミニチュアセットが用意され、ギガントブラギオーやギガントキョウリュウジンとの大決戦が、巨大感を絶妙に表現するオープンセットにおけるアオリ撮影も駆使(くし)することで、存分に描かれている!
 CG全盛の昨今において、昔ながらのミニチュア特撮の伝統もひたすら守り抜いてくれて、しかもそのクオリティーが昔よりもはるかに高いことには敬服せずにはいられない!


 ブラギガスが地底から出現するさまをアオリで捉えたり、ビルの壁面の鏡面ガラスにその勇姿を映し出す特撮演出もカッコいい!


 ガドマに呪いをかけられたために本来の力を出せず、倒されてしまったキョウリュウジャーたち! 窮地の彼らをノッさん(キョウリュウブルー)の妹・優子(ゆうこ)にその娘の理香(りか)や、アミィ(キョウリュウピンク)の執事・ジェントルが救出する!


 そればかりではない! かつて、ソウジ(キョウリュウグリーン)やウッチーこと空蝉丸(うつせみまる=キョウリュウゴールド)の主役回で、ゲスト主役だった少年たちを再登場させているのが目を引くのだ!


 この手のヒーロー特撮に「連続ドラマ性」を導入することなどマニアックに過ぎる! という批判をぶつけてくるようなストロングスタイルの信奉者もごく少数ながら存在するかもしれない。
 しかし、「連続ドラマ」的な要素がまったくない、70年代後半~80年代初頭の時期の東映ヒーロー特撮のような極度にルーティン化されてしまった作品になってしまっても、幼児はともかく児童たちには万全な魅力を持った作品だとは映らないものだろう。


 事実、70年代後半には『宇宙戦艦ヤマト』(74年)の再放送を、80年代前半には『機動戦士ガンダム』(7年)の再放送を、年長マニアのみならず幼児はともかく小学校も中学年以上ともなれば夢中で鑑賞しており、前者では100円プラモデルが、後者でも300円プラモデルが大ヒットしていたからだ! そして同時に、極度にルーティン化されている東映特撮も鑑賞しつつも、心許ない、子供っぽい、やや程度が低くて幼稚だといった印象で受け止めていたこともあったからだ。


 とはいえ、だからといって、東映ヒーロー特撮を『ヤマト』や『ガンダム』のようにしろ! などとは思わない(笑)。要はブレンドや塩加減なのである。
 子供たちでも過去のエピソードに登場したゲストキャラのことくらいは覚えている。そうした慣れ親しんだキャラが再登場して、あらためてその関係性を深めてくれたり、恩返しをしてくれるようなエピソードなどは理解ができるものだろうし、潜在ニーズとしてもそれは確実に存在しているとは思うのだ。
 なぜならば、往年の不良・番長漫画や熱血バトル漫画などでは、70年代のむかしから、かつての敵やライバルが新たな敵と戦っている主人公たちの助っ人として参戦することがすでに定番であって、それがウケてもきたからだ(笑)。


 やはり、子供時代や少年・青年期にそのようなストーリー展開を妄想していた世代が、脚本家や監督やプロデューサーとなったことは大きいだろう。
 本作『キョウリュウジャー』にかぎった話ではない。すでに90年代後半以降の日本特撮では、過去のゲストキャラが再登場を果たすような熱いネタが散見されるようにはなってきている。本話のこのようなストーリー展開もそうした一環でもあったのだ!


――なお、小姑的な細かいことも云わせてもらうと、ゲストキャラが再登場を果たすような展開は、初代『ウルトラマン』におけるイレギュラーのイワモト博士などはともかく、古いところでは『ウルトラセブン』(67年)の宇宙ステーション・V3(ブイスリー)のクラタ隊長、『帰ってきたウルトラマン』(71年)の伊吹隊長の小学生の娘・美奈子、『ウルトラマンタロウ』の南原隊員の母・おたか、あまたの70年代の巨大ロボットアニメなど多数の作品がすでに達成してきたことでもあるのだ。しかし、70年代後半~80年代中盤の日本特撮では、このあたりが極度に悪い意味でルーティン化されて融通が利かなくなってしまっていたのだ――



 そして、再登場した彼らや市民たちがヒーローを応援してみせることによって、大ピンチだったハズのキョウリュウジャーが形勢逆転!


 応援されただけで逆転ができるものかよ!? といったツッコミは正当ではある。しかし、ヒーロー特撮は良くも悪くもリアリズムが優先される世界観ではない。悪く云えば、最後には神風が吹いて(汗)、正しき者が勝ってくれるという精神主義的な世界観なのである。
 現実はそうではないことを考えると、おもいっきりのご都合主義なのだが、そういったことは現実の生活や、もっと年長者向けやマニア向けの作品や社会派のオトナ向け一般ドラマなどで、放っておいても勝手に学んでいくようなことなのだから、ヒーロー特撮や子供向け漫画ではそれでもよいのではなかろうか!?


 そういったカッコ付きでの一応の「王道」なのである。しかし、これもヒーロー特撮に限定してみせれば、実はむかしは「王道」ではなかったのだ。70~80年代の等身大サイズの特撮ヒーローものでは、人知れず戦って見返りなども求めないストイック(禁欲的)な孤高のヒーローたちであったのだ。衆人環視のもとで応援も込みで戦うことなどはほとんどなかったものなのだ。


 しかし、70年前後のスポ根(スポーツ根性)漫画やスポ根ドラマの影響なのだろう。観客が主人公を応援する作劇パターンがだんだんと普及してくる。おそらく70~80年代の「週刊少年ジャンプ」などの大人気格闘漫画などにまずは導入されて、それが21世紀に入ってヒーロー特撮の方にも本格的に導入されることになっていったのだ!――これはヒーロー特撮を腐しているのではない。良いものはパクリでも採用すべきなのだ!――


 『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年)のサブライターとしても大活躍していた赤星政尚(あかほし・まさなお)が、初のメインライターを務めた『ウルトラマンメビウス』(06年)の第1話や最終3部作、本作『キョウリュウジャー』の三条陸坂本浩一監督コンビが手掛けた映画『仮面ライダーW(ダブル) FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(10年)などでは、ヒーローと敵とが衆人環視のもとで戦い、人々が驚嘆したり落胆したり応援したりする姿を描くことで、戦いのシーンをより盛り上げてみせていた!


 ある意味では「王道」なのだが、ヒーロー特撮にとっては歴史の浅い「王道」なのであり、ワリと新しく付け加わって今や新たな「古典」(笑)となりつつある手法なのだ。



 大地の魔神・ガドマに苦戦する戦隊巨大ロボ・キョウリュウジン&プテライデンオーを画面の奥に、キョウリュウジャーたちを見守る市民たちを手前に配した合成カット!


 さらに、3体の獣電竜が合体して誕生した人型巨大ロボ・キョウリュウジンに、ブラギガスも含めた3体が合体することで誕生する、ギガントキョウリュウジンの「超カミツキ合体!」の場面で、市民たちが


「ギガント! ギガント!!」


とコールすることによって、臨場感と一体感がわきあがる演出は実に心地よかった!


ブレイブ36「ギガガブリンチョ! きせきのシルバー」 ~10人目の戦士・キョウリュウシルバー登場!


 キョウリュウジャーの司令官でもある着ぐるみキャラ・賢神(けんじん)トリンは、もともとの出自が敵のデーボス軍の一員であり、筆頭敵幹部・神官カオスの弟でもあったというドラマチックな設定がすでに判明していた。


 本話では前話で大地の魔神・ガドマが断末魔に、「大地の闇」――いわゆる死後の世界の「地獄」のことだろう!――と「この世」に通路を開けてしまっていた!


 この通路を拡張するために、デーボス軍は黒いトリンことマッドトリンを差し向けてくる!


 いわゆるクローンの人造トリンなのだが、こちらもトリンと二役で、中堅イケメン声優・森川智之(もりかわ・ともゆき)が器用に声を演じ分けているのがお見事だ!


 ちなみに、往年の『ウルトラマンパワード』(93年)でも、アクション俳優ケイン・コスギが演じた主人公ケンイチ・カイ隊員の声を森川は吹き替えている――後日付記:『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』(19年)では、森川はウルトラマンパワードの声も担当!――。


 あの動きにくそうな造形の着ぐるみで、両者が剣術合戦を披露するのはスゴい!


 そして、なんと本話の見せ場! 出自的にも「強さ」が自身と拮抗する強敵に対して、それを上回ってみせる必要性を作劇的に構築して、トリンが10番目の戦士・キョウリュウシルバーへと変身することになるのだ!!


 トリンはその変身過程で、律儀(りちぎ)にも例のサンバのダンスまでをも繰り出す! 戦闘よりもダンスの方が動きはギコちなかった。あの着ぐるみだと、逆にダンスをする方がムズカしかったか?(笑)


 本話でブルーが披露する「ノブハル3倍返し!」は、やはり2013年度の流行語大賞にも選ばれた、大人気テレビドラマ『半沢直樹(はんざわ・なおき)』(13年・TBS)の決めゼリフ「倍返しだ!」からだろう。
 このへんはいかにも良い意味で「B級」で、「ギャグ」や「パロディー」も許容される「スーパー戦隊」らしさだ! 幼児向けではなく、我々年長マニアやパパ・ママ層向けの「言葉遊び的なギャグ」なのだが(笑)。



 そして本話は「再生怪人軍団編」でもあった!


 70年代前半までの東映特撮には、クール(3ヵ月)の変わり目になると「再生怪人軍団編」が配されて、スペシャル感を出してきた。しかし、70年代後半~80年代にかけてはナゼかほぼ消滅してしまっていた。
 けれど、90年代中盤の我らが「スーパー戦隊シリーズ」である『忍者戦隊カクレンジャー』や『超力戦隊オーレンジャー』や、同時期に開始された新旧2大戦隊が共闘する「スーパー戦隊VSシリーズ」において、本格的な復活を遂げたのだ!
 これも70年代の東映特撮を観て育った世代が、プロデューサー・脚本・監督・アクション監督にまわったゆえの復活だったと見るのだ!


 しかし70年代の「再生怪人軍団編」は、脚本だけの問題ではなく、尺の都合での撮影現場でのアクション演出にも問題があったのだろう。そのスペシャル感はともかくとしても、実際の映像では再生怪人が弱く見えてしまっていたのだ(汗)。いつもの必殺技ではなく、ただのパンチやチョップや背負い投げだけで爆発四散してしまったりもするのだ(笑)。
 筆者も幼児ながらに、少々の疑問や設定的な不整合を直感して少々残念に思ったものだった――それで、ヒーロー番組から卒業してしまうほどの幻滅ではなかったにしても(笑)――。


 そう感じていた子供たちはほぼ全員だったのだろう(爆)。長じてからは、この「再生怪人軍団は弱い!」というネタが、世代人の特撮マニア間での「お笑いの定番ネタ」ともなってきたほどだ。


 しかし、「再生」がなった「再生怪人軍団編」(笑)は、単なる「再生」でもなかった。70年代の「再生怪人軍団」とは異なり、そこまで弱い感じでは描かれてはないのだ! 本話もまた弱い再生怪人をやっつけた! といった感じではなく、ふつうの強さの再生怪人たちをやっつけた! といった感じで演出されることで、ショボい感じはしてこない。よって、「通常編」よりもスケールが大きいバトルになっている! といったワクワク感も増しているのだ!


 ところで、本話の次々回であるブレイブ38『らぶタッチ! うつくしすぎるゾーリま』では、「ビューティフルゾリー魔ー」(ビューティフルドリーマー・笑)なるゲスト怪人が登場している。
 そして、設定的にも戦闘員・ゾーリ魔の着ぐるみスーツの微改造で済まされている。これも一種の再生怪人なのである。これはこれで、劇中でも敵基地の機能低下で敵怪人がつくれなくなったためだとの言い訳がなされていた。そうやって「B級」であることを徹底して突き抜けてくれると、安っぽくて貧相なゲスト怪人でも許せてきてナットクができてしまうのだ(笑)。


 つまり、「B級作品」でもそのことに対する一応の「整合性」やメタ的なものも含めての「エクスキューズ(言い訳・笑)」さえあれば、視聴者や子供たちもナットクできたり半笑いしながら楽しめるのであった。まさに、そういった意味でも「スーパー戦隊」は、リアル志向的な意味とは真逆の意味で、子供も大人も楽しめる「完成形」の域にまですでに達しているのかもしれないのだ!?


ブレイブ37「リベンジ! ゆうれいデーボスぐん」 ~別の怪人のメンツでまたまた再生怪人軍団編!


キョウリュウレッド「牙の勇者! キョウリュウピンク! ……に見えるけど、キョウリュウレッド!」(爆)


 「スーパー戦隊」最大の「様式美」であるハズの「名乗り」を崩してしまうことは今となっては珍しくもないのだが、本話でもそういったネタにチャレンジしている(笑)。


 本話も再生怪人軍団編である。第14話に登場した黒板怪人キビシーデスと、第32話に登場したスポ根怪人スポコーン(笑)が復活して、厳しい教育とシゴきを受けた悪夢怪人アックムーン(=悪夢ーン(笑)。第25話に登場した怪人の再生)。しかも、「大地の闇」=「地獄」から這い出てきたとの設定があるので一応、ご都合主義ではないのだし(笑)、本作のメインストリームとの接点も持たせることができているのだ!


 アックムーンは秘密兵器・お先マックラー(枕=まくら・笑)で、キョウリュウジャーたちの肉体&精神を入れ替えて、各自の能力を存分に発揮できなくする作戦に出てきたのだ!


 しかも、前話でカッコよく登場したばかりのキョウリュウシルバーまでもが、こともあろうにあのキビシーデスと精神が入れ替わってしまった!(笑)


 近年の「平成仮面ライダー」作品にしてもそうだが、スーツアクターも華麗なアクションをカッコよくキメるだけではなく、ボケた演技まで披露しなければならない機会が増えている。
 しかし、こういった役どころこそスーツアクターは遊べるものだろう。その後の「演技の引き出し」も広がるだろうから、ヤリがいもあるだろうし、なによりも演じていて楽しいのではなかろうか? マニア的には撮影現場でのスタッフたちの笑顔や談笑光景まで目に浮かんでくるほどだ。
 ふだんの戦隊ヒーロー&ヒロインとは異なるポーズや殺陣(たて)を習得しなければならなかったために、その部分では大変だっただろうが。


キビシーデス「このバカちんが!!」


 キビシーデス・スポコーン・アックムーンは、今回の再登場においてもそのキャラが立ちまくりである!(笑) こうしたギャグ系怪人こそ、「スーパー戦隊」のサブではなくまさにメインストリームそのものなのだと、あらためて実感させられるものがあった。


 初登場のブレイブ14『あぶなァーい! スピリットベース』では巨大化する機会がなかったキビシーデスは、


「かなわなかった、あこがれの巨大化!」(笑)


などとメタ的な発言をして、喜んだのも束(つか)の間、ギガントキョウリュウジンの必殺光線「オールギガントエクスプロージョン!」を浴びたあと、スポコーンとアックムーンともども、黒板怪人・スポ根怪人は礼儀にウルさく、アックムーンも彼らのスパルタ教育のたまものなのだろう。


「一同、礼!!」


と律儀にお辞儀をしてから絶命(笑)。20世紀のむかしであれば、リアル志向がまだ強かった特撮マニア諸氏のクレームが殺到しただろうが、そんな批判はもう表立っては聞こえてこない。「スーパー戦隊シリーズ」こそが特撮マニアの価値観をも変革してしまったのかもしれないのだ!? マニアの皆さんもテレビの前で爆笑して、こういった作劇や演出を愛(め)でていることだろう(笑)。


ブレイブ39「せいぞろい! 10だいキョウリュウパワー」 ~「5人そろって、ゴレンジャー!」ならぬ「10人そろって、キョウリュウジャー!」


 なんと! 夏休み映画『劇場版 獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリンチョ OF(オブ) ミュージック』(13年・東映)の続編としても描かれていた!


 『劇場版』に登場した悪のキョウリュウジャーこと、デーボス軍の幹部でもある「獰猛(どうもう)の戦騎・D(ディー)」! そして、ダイゴの「友だち」でゲストヒロインでもあった実力歌唱派アイドル歌手といった設定だった天野美琴(あまの・みこと)が再登場するのだ!


 本話でも、「D」は実力派イケメン人気声優・宮野真守(みやの・まもる)が声を演じている。氏の演技もさることながら、デーボス軍から奪った怪人巨大化用の「復元水」をボトルでチビチビとあおっているさまが、さらにガラの悪さを強調した演出となっている。


 「D」もまた、再生怪人たちが甦(よみがえ)ってきた「大地の闇」なる死後の世界の地獄から復活してきた設定であることで、その復活にも単なるご都合主義ではない、SF的あるいは伝奇的な整合性を持たせている。このあたり、幼児はともかく児童やマニアたちであれば、作品世界への子供レベルでの知的関心・知的好奇心(笑)を喚起して没入させてもくれる嬉しい趣向なのだし、こういった要素もまた広義での「連続性」といったものなのだ!
 高度な「人間ドラマ」や「社会派ドラマ」ではなく、こういった「世界観設定」にまつわる博物学的な小ネタで子供やマニアたちの興味関心を惹起(じゃっき)していくことにも、日本特撮が延命していくための未来があるだろう!


 もちろん、数十万円はかかるだろう、敵のゲスト怪人の着ぐるみを新造しなくても済むというメリットもあるのだろう。


 しかし、視聴率が1パーセントでも100万人に相当するとされるテレビを観ている視聴者の数と、『劇場版』を鑑賞している数十万人程度の観客数では、まさにその規模は桁違いである。視聴者のうちの10人中に1人くらいしか『劇場版』を観ていなかったことだろう(汗)。


 けれど、大方の幼児でもオープニング主題歌の映像にカブせていた宣伝などで、『劇場版』が公開されていたことは理解しているだろうし、その回想シーンさえ流しておけば、幼児でも理解ができる程度のことではある。疎外感などはいだかないであろう。
 むしろ、発表媒体が異なる「飛び地」のかたちであっても、こういった「連続性」こそが子供たちの興味関心をも喚起するのではなかろうか!?


 この美琴は「D」に操られて黒いドレス姿に変身して、『劇場版』でも披露していた「祈り歌」のダークアレンジを魔笛(まてき)で奏(かな)でて、キョウリュウジャーを苦しめる!


 そればかりか、キョウリュウレッドを相手に生身で剣術のアクションまでをも披露する! もちろん、アクション監督出身で、『劇場版』も担当した本作『キョウリュウジャー』のメイン監督でもある坂本浩一が本話も担当しているからだ!


 本話でも、変身後ではなく変身前の役者たちが大量の敵を相手にアクションを披露する場面が存分に描かれている!


 キョウリュウグレー=鉄砕(てっさい)のカンフーアクション! 飛び回し蹴り! そして、「ワチャァ!!」(笑)なる怪鳥音の叫びも相変わらず快調だ!


 前話である第38話では、鉄砕の子孫が登場! 敵幹部・ラッキューロも夢中になっている劇中内での少女漫画誌『少女こずみっく』に連載中の『らぶタッチ(らぶ be ぼーる タッチダウン!)』の原作漫画家であることが判明して、鉄砕を演じる出合正幸一人二役で怪演していた。それも実に面白かったのだが――ややマニア向けの面白さなのかもしれないが(汗)――、やっぱり鉄砕はこうでなくっちゃ!


 本話では、ヒロインたちも大活躍を見せている! ダイゴと美琴の関係を知らない2代目キョウリュウバイオレット=弥生(やよい)は、おもわず美琴に嫉妬(しっと)してしまう。そして、帰国した美琴をなんと弥生が空港で狙撃するのだ!


 もちろん、美琴が「D」に操られていることを見破ったからであり、定番のショッキング演出ではある。だが、その直前のキョウリュウピンク=アミィとのシーンで、


弥生「ミーコ(美琴)は、私たちの敵ってことですよね?」(笑)


などと発言させていたことで、このフェイク演出にも説得力を持たせていたのだ。ここの点描に対して「世界の平和よりも私情で動いているやんけ!」というツッコミも正論ではある。しかし、そういった「小さな愚かさ」(笑)であれば、人間全般の古今東西「あるある」で普遍的な心情でもある。その程度であれば、やさしく「ギャグ」としても許容・包摂してあげる、ユルくて寛容な作風の世界観が「スーパー戦隊」ではすでに達成されているのだ! けれど……


獰猛の戦騎・D「最終楽章・デーボスフィニッシュ!」


 『劇場版』では「魔楽章・デーボスフィニッシュ!」なる名称だったが、「最終楽章」にパワーアップをとげて、魔笛でもある剣を振り下ろして放った必殺エネルギー光弾から、アミィはダイゴをかばって重傷を負ってしまう!


 ブレイブ22『ま・さ・か! デーボスふっかつ』で、弥生がダイゴに夢中であることを知ったのを機に、自分のダイゴに対する想いがどういったものであったのか、問い直すこととなったアミィ。これこそがその「伏線」の解答でもあったのだ!


弥生「アミィさん、あたしもミーコさんの力を信じます!」


 ダイゴの美琴に対する恋情とは異なる真摯(しんし)な想いを、弥生がようやく理解したそのとき、ふたりのメロディが共鳴する!


 これがまた、本話のクライマックスバトルの「伏線」と成り得ているのである!


 そして当然ながら、本話もアクション編・イベント編でもあるので、『劇場版』並みに派手にブチあがるガソリンのナパーム火炎爆発を背景に、ダイゴもゾーリ魔もキョウリュウシルバーも「D」も吹っ飛びまくる!(笑)


 襲いかかるゾーリ魔の大軍団に苦戦しながらも、美琴を闇の世界から取り戻そうとするキョウリュウジャーたち!


獰猛の戦騎・D「バァカが! そんな『奇跡』みたいなことができると、なぜ信じきっているんだ、貴様ら!」
ダイゴ「地獄で忘れちまったみたいだから、もう一度教えてやるよ。それはなぁ、オレたちが『戦隊』だからだ!!」


 合理的な理由・説明にはなっていない(笑)。しかし、このひとことだけでおもわず納得させてしまうだけの、ダイゴを演じる竜星涼(りゅうせい・りょう)の安定した演技は絶品である! 従来のシリーズ以上に絶叫セリフが多いハズなのに、「絶叫調」の気張った演技にはならない、余裕しゃくしゃく感があるのだ!


 そしてヒーローたちのピンチに、アミィ&弥生のダブル・ヒロインが華麗に助っ人(すけっと)参戦!


弥生「10人のキョウリュウジャーが結集し、全員のメロディーをつなげれば、強力な音階になります。その共鳴なら『D』の闇を粉砕できるハズです!」
獰猛の戦騎・D「残念だったな! すでに1000人の大軍を送って、トリンたち3人は抹殺してある! 10人揃いなど、かなわぬ夢だ! アッハハハハ……」


トリン「ハハハハハ。私たち相手に1000人では、いささか少なかったのではないかな?」


 そこに颯爽(さっそう)と姿を見せる、トリン・ラミレス・鉄砕!


 しかし、いくら雑魚(ザコ)の戦闘員相手だとはいえ、1000人ものゾーリ魔の大群を、たった3人で片づけてしまうとは! あまりにデタラメがすぎるが(爆)、同時にやはりカッコいいのだ!



 10人ものキョウリュウジャーが横一列に並び、手をつなぐことで強力な音階が発生! ここですかさず本作の「主題歌」が流れるのもまた、少なくとも音楽演出に関しては先祖返りで王道志向の坂本監督作品ならではの定番である!


 「D」は勢いよく吹っ飛ばされる! そして、黒いドレス姿から元の姿へと戻った美琴!


獰猛の戦騎・D「許さぁ~~ん!」


 このセリフとともに、崖の上にゾーリ魔の大軍団が勢ぞろいするさまを、アオリで捉えたカットが圧巻!


ダイゴ「だろうな。こっちもだ! 行くぜ、みんな!」


「ブレイブ・イン!」
ガブリンチョ! ガブティラ」
「パラサガン」「ステゴッチ」
「ザクトル」「ドリケラ」(多すぎるので、以下略・笑)


「キョウリュウ・チェンジ!!」
「スピリットレンジャー!!」
「ファイヤー!!!」


 総勢10人ものサンバのダンスが華々しく繰り出され、画面を10分割にして、全員の変身バンク映像が同時に流される!


獰猛の戦騎・D「なんだと!」


レッド「聞いて驚け!!」


「牙の勇者! キョウリュウレッド!」
「弾丸の勇者! キョウリュウブラック!」
「鎧(よろい)の勇者! キョウリュウブルー!」
「斬撃(ざんげき)の勇者! キョウリュウグリーン!」
「角(つの)の勇者! キョウリュウピンク!」
「雷鳴の勇者! キョウリュウゴールド!」
「鋼(はがね)の勇者! キョウリュウシアン!」
「激突の勇者! キョウリュウグレー!」
「海の勇者! キョウリュウバイオレット!」
「閃光の勇者! キョウリュウシルバー!」


 10人ものキョウリュウジャーが次々に名乗りを上げていく! このとき、この瞬間の映像を視聴者の全員も待ち望んでいたことだろう! お約束でもスペシャル感があって実にカッコいいのだ!


10人のキョウリュウジャー「史上最強のブレイブ(勇気・勇者)!! 10人そろって!! 獣電戦隊キョウリュウジャー!!!」


 「5人そろって! ゴレンジャー!!」は元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』の名乗りだったが、そこへのメタ的なオマージュも兼ねて「10人そろって!」なる語句までも!


 背景に派手にブチあがる様式美的な火炎大爆発!!


 今さらだが、リアルに考えるとこの背後の火炎大爆発も不自然だとはいえるのだ(笑)。しかし、様式美なのである。ちなみに、名乗り直後の火炎大爆発自体は、初期スーパー戦隊にはまだなかったものだ。スーパー戦隊シリーズ第6作『大戦隊ゴーグルファイブ』(82年)のシリーズ後半で導入されて、『科学戦隊ダイナマン』(83年)から定番化したものなのだ。


 そして、さすがに「空気」(=文脈)を読んで、本話に関してはこの10人名乗りの最中に敵が攻撃を仕掛けてくることはご都合主義にもなかったのであった(笑)。なにがなんでも常にいかなるときでも「パターン破り」で「様式美」を壊せば良いというものではない。時と場合によりけりだ。そこは作劇的にも取捨選択ができているのだ。



レッド「ウオ~~~ッ!! 荒れるぜ~~~ッ!!!」
10人のキョウリュウジャー「とめてみな!!!」


 なんと全員で定番の右手を前に突き出してみせる「とめてみな!」のポーズをそろえる! これを合図に、決戦の火蓋(ひぶた)が切って落とされた!


●レッドのガブティラキック!
●ブラックの獣電ブレイブフィニッシュ!
●ブルーのジャンピング体当たり!
●グリーンの斬撃無双剣(ざんげき・むそうけん)!
●ピンクのジャンピングキック!
●ゴールドの長剣・ザンダーサンダー!
●シアンがその怪力で大地をたたきつけるや、爆発が巻き起こってゾーリ魔が吹っ飛ぶ!
●グレーは宙を舞って、ゾーリ魔に頭突きを喰らわす!
●バイオレットはゾーリ魔にまたがり、回転して周囲のゾーリ魔を銃撃する!
●シルバーは剣術で、ゾーリ魔をバッサバッサと斬り捨てる!


獰猛の戦騎・D「美琴、もう一度オレの手に!」



 美琴に迫ってくるDを追い払ったレッドは、『劇場版』のラストで「お守り」として手渡していた獣電竜0号・トバスピノの「獣電池」を、美琴から託(たく)された!



 ブルーから投げ渡された番号「1番」ならぬ「1+(プラス)」の番号が付いた「カーニバル獣電池」を合わせることで、レッドは胸や肩にアーマーを付けて、サンバを踊るブラジルのお祭り・カーニバルでのコスプレのように、実に派手になった強化形態「キョウリュウレッド・カーニバル」(笑)へとタイプチェンジ!


 「D」が剣から繰り出したデーボスフィニッシュを、レッドはトバスピノのブーメランでハネ返す!


レッド「ビクトリー獣電池!」
ゴールド「マキシマム獣電池!」


 獣電竜ガブティラが人間の手乗りサイズと縮小化したミニティラが、口部を銃口に見立てた拳銃形態へと変型している! そこに「数字」ではなく「アルファベット」の「V」と「X」が付与されたビクトリーとマキシマムの獣電池を直列させてセット!


 そして、10人のキョウリュウジャーから放たれた「ビクトリーマキシマムフィニッシュ!」で、大爆発をとげる「D」!! 10人のキョウリュウジャーの背景に、派手に打ち上げられる炎!!



 2013年度に出版された書籍の中でも、特撮マニアの注目を多少は集めた講談社現代新書ウルトラマンが泣いている~円谷プロの失敗~』(13年6月20日発行)において、著者の円谷英明(つぶらや・ひであき)氏は、ウルトラマンの派生キャラをむやみに増やしたことが、「最大の失敗」であったように語っている。


 つまり、ウルトラ兄弟やウルトラファミリーといったキャラクターを増やして擬人化していったことが「失敗」だったのだ! という、70年代末期~90年代にかけて特撮マニア間で隆盛を極めていた1970年代の昭和の第2期ウルトラシリーズ批判の論法の流用がここで語られていたのだ。


 もちろん、その世界観において初登場を果たした単独の孤高のヒーロー作品にも良さはあるだろう。


 しかし、スーパー戦隊のような集団ヒーローや、シリーズ途中で主役級の新ヒーローが追加されていくような作品、各作品で看板を張った主役級のヒーローが共闘を果たすようなお祭り作品にも良さはあるハズなのだ! いやむしろ、そちらの方向性にこそエンタメ活劇として、そして「日本特撮」の可能性や鉱脈もあるのではなかろうか!?


獰猛の戦騎・D「こうなったら、この世界もろとも吹っ飛んでやる!」


 頭から巨大化用の「復元水」を浴びて巨大化したものの、なぜかモガき苦しみだした「D」!


 そこに流れてきたのは、『劇場版』で世界を救うこととなった美琴の「祈り歌」であった! この歌が「D」の弱点なのだ!


 その歌をバックに、宙を回転して獣電竜トバスピノが登場した!


 このCGで描かれたトバスピノが、「D」に対して華麗にキックをかます描写がお見事!


レッド「この獣電池、一度使ったのに、なくならないぞ」
シルバー「おそらく、美琴のダイゴへの深い想いがこめられているからだ」
バイオレット「なんかソコ、すごく引っかりますけど……」


 この際のバイオレットのスネたようなスーツアクターの演技がまた絶妙で、思わず笑えてしまうのだ!(笑)


ピンク「その件はあとで! キング(=ダイゴ=レッド)、スピノダイオーよ!」


 獣電竜トバスピノ・アンキドン・ブンパッキーが3体合体することで、『劇場版』限定であったハズの戦隊巨大ロボ・スピノダイオーも再登場した!!


 右手のアンキドンハンマーで砕かれた大地が砂塵(さじん)となって「D」を襲ったり、スピノブーメランが宙を回転して「D」に命中するさまが、実にカッコいい!


 しかも、この一連の描写が、美琴の「祈り歌」をバックにして描かれるのだ!


獰猛の戦騎・D「最後の最後まで、この歌に苦しめられるとは!」


 スピノダイオーは全身をコマのように高速回転させて、右腕のアンキドンハンマーと左腕のブンパッキーボールを敵にぶち当てつづける「スピノダイオー・ブレイブフィニッシュ!」を放った! 「D」も遂に滅び去る!!


 本話もまたきちんと『劇場版』を踏襲しており、「祈りの歌」の援護もあって世界を救えたのだとしたことで、テーマ的な整合性も持たせているのだ。


 「ミュージカル」をコンセプトにした『劇場版』。そのエッセンスを凝縮した「続編」でもあった本話。しかし、『劇場版』を未見の視聴者には理解ができないような閉じた作劇にもなっていない。少々の恋情も交えた王道の一大イベント編として描かれている。


 しかし、恋情だけでも女々しくて、男児にとっては気恥ずかしくなってしまうものだろうから、


弥生「美琴さんの戦力分析もできて、ダイゴさんとのデートも防げる。完璧です!」
ソウジ「策士(さくし)だよね」(笑)


などといったオチで、明るいラブコメ(ラブ・コメディー)として気持ちよく落とした第39話は、まさに第3クールを締めくくるにふさわしい娯楽巨編であった!


けつろん! スーパーせんたい、にほんトクサツはかくあるべきだ!


 来年2014年1月18日(土)に公開される映画『獣電戦隊キョウリュウジャーVS(たい)特命戦隊ゴーバスターズ 恐竜大決戦! ~さらば永遠の友よ~』(14年・東映)には、なんと前作『特命戦隊ゴーバスターズ』のみならず、往年の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(92年)と『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年)の戦隊ヒーロー&ヒロイン、つまり歴代3大恐竜戦隊も大集結するとのことだそうだ!


 おそらく、『キョウリュウジャー』に続く来年度の新スーパー戦隊の顔見せもあるだろうから、もう10人どころの騒ぎではない! 約5人×5戦隊で、合計25人くらい登場するのだろう!(笑)


 やはり、メインのヒーローが3~5人もいて、そしてむやみに途中参加のヒーローも増やして、それらを共演させたり、時に新旧ヒーローも共演させてきたからこそ、「スーパー戦隊」の人気が持続しているのだとも思えるのだ!

2013.12.10.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2014年号』(13年12月30日発行)所収『獣電戦隊キョウリュウジャー』後半評より抜粋)


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