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ウルトラギャラクシーファイト ~パチンコ展開まで前史として肯定! 昭和~2010年代のウルトラマンたちを無数の設定因縁劇でつなぐ活劇佳品!

『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』最終回 ~戦闘連発でも多数キャラの動機・個性・関係性は描破可能! 物語よりも点描に規定される作品の質!
『ウルトラギャラクシーファイト』『ウルトラマンタイガ』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』『仮面ライダー令和』 ~奇しくも「父超え」物語となった各作の成否は!?
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『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』 ~パチンコ展開まで前史として肯定! 昭和~2010年代のウルトラマンたちを無数の設定因縁劇でつなぐ活劇佳品!

(文・久保達也)
(2019年12月7日脱稿)

*「昭和」「平成後期」「令和」のウルトラマンを「ひとつの世界」に!


 2019年9月29日から無料動画配信サイト・YouTube(ユーチューブ)の円谷プロ公式チャンネル・ULTRAMAN OFFICIAL(ウルトラマン・オフィシャル)にて、毎週日曜朝10時の更新で『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』(19年)が世界同時配信されている。
 番組のフォーマットは各回約5分前後の全13回で構成されており、かつてテレビ東京系で歴代ウルトラマンシリーズのセレクト再放送や名場面集を放映する枠として存在していた『ウルトラマン列伝』(11~13年)、およびそれを継承しつつも『ウルトラマンギンガ』(13年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200819/p1)・『ウルトラマンギンガS(エス)』(14年)・『ウルトラマンX(エックス)』(15年)といった新作テレビシリーズをも放映する枠となった『新ウルトラマン列伝』(13~16年)の枠内で放映された短編シリーズである、


・『ウルトラゼロファイト』(12~13年)
・『ウルトラファイトビクトリー』(15年)
・『ウルトラファイトオーブ 親子の力、おかりします!』(17年)


と同一のスタイル・作風であり、『ファイトビクトリー』や『ファイトオーブ』と同じく脚本・足木淳一郎と坂本浩一監督のコンビが手がけている。


 ところで、この足木淳一郎なる人物は、先述した『ウルトラマン列伝』の途中から構成・脚本や音響効果として放映中の『ウルトラマンタイガ』(19年)に至るまでクレジットされている。手がけた作品を見ると『ウルトラマンオーブ』(16年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170415/p1)から『タイガ』に至るまでの第13話、つまり毎年の恒例(こうれい)であるシリーズの折り返し地点である第13話で総集編を書いてきたかと思えば、『タイガ』では『ウルトラセブン』(67年)第45話『円盤が来た』の50年後の続編である第6話『円盤が来ない』を書いているほか、設定監修として名前があったりする。
 また、近年のニュージェネレーション・ウルトラマンの放映休止期間にあたる毎年1月から6月までの半年間に、『ウルトラマン列伝』的な再放送と名場面集として放映されている『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE(ザ・クロニクル)』(17年)や『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』(18年)、『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』(19年)も手がけているのだ。
 この経歴から推測させてもらうならば、実は足木氏とは1990年代からバンダイビジュアルの『ばっちしV(ブイ)』シリーズをはじめとするウルトラマンの格闘名場面を再編集したビデオソフトや、1960年代後半から1970年代初頭に発売されたソノシートを彷彿(ほうふつ)とさせるようなウルトラマンや怪獣が大挙登場するドラマCDなどの構成・脚本・音響効果で活躍してきた、円谷プロの秋廣泰生(あきひろ・やすお)氏のペンネームではないのかと憶測したりする――違っていたら申し訳ないのだが、足木氏の名前が出るようになって以降、秋廣氏をスタッフクレジットで見たことがないので(笑)。~後日付記:67年生まれの秋廣氏よりもはるかに年下である82年生まれの別人なのだそうで、失礼いたしました(汗)――。
 いや、どちらも濃ゆいオタク過ぎてよほど波長が合うのか、坂本監督と共謀(きょうぼう)して我々のような怪獣博士的なオタク心をくすぐりつづけつつも、大衆・ライト層をもエンタメ的に喜ばせる「活劇」が描くことができる、円谷の文芸部の足木淳一郎氏は注目の人物ではある。


 さて、


・先の『ウルトラゼロファイト』は、映画『ウルトラマンサーガ』(12年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140113/p1)の直接的な続編であった。『サーガ』で競演したウルトラマンダイナとウルトラマンコスモスの力を受け継いでタイプチェンジを果たし、別個体という設定で敵の触覚宇宙人バット星人までもがひきつづき登場していた。


・『ウルトラファイトビクトリー』もまた、映画『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!!』(15年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200404/p1)の続編であった。地球の地底人であるショウ=ウルトラマンビクトリーが『劇場版』のラストで見習い隊員となった防衛組織・UPG(ユーピージー)の隊員服姿で登場していた。


・『ウルトラファイトオーブ』は、映画『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆(きずな)の力、おかりします!』(17年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200406/p1)の続編であるのみならず、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20101224/p1)では宿敵となった悪の黒いウルトラマンことウルトラマンベリアルの武器であった100体もの怪獣を自在に操れるギガバトルナイザーをキーアイテムとして描くことで、ベリアルの息子=ウルトラマンジードが主役となった次作『ウルトラマンジード』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180213/p1)の前日譚(ぜんじつたん)ともなっていた。


 本作『ウルトラギャラクシーファイト』も、映画『劇場版 ウルトラマンR/B(ルーブ) セレクト! 絆のクリスタル』(19年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1)の続編である。この『劇場版』でデビューを飾り、『ウルトラマンタイガ』のレギュラー悪となっているウルトラマントレギアが登場し、『ギャラクシーファイト』最終回で描かれるのだろう7大ウルトラマンvsトレギアの戦いが、そのまま『タイガ』第1話『バディゴー!』の冒頭(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1)へとつながっていく。
 そして、『ゼロファイト』・『ファイトビクトリー』・『ファイトオーブ』と同様に、「昭和」「平成」の歴代ウルトラマンたちを総登場させることで、「新時代」最初のウルトラマンである『タイガ』が前作の『ウルトラマンR/B』(18年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180826/p1)のみならず、「昭和」「平成」の歴代ウルトラマンシリーズとも連続性を持ち、世界観を共有する「ひとつの世界」と成りえているのだ。


*予算の都合だろうが、既存の着ぐるみキャラだけで有効活用! ウルトラマンリブット・ウルトラダークキラー・偽ウルトラマン軍団!


 本作で新規に登場するキャラとしては、宇宙の災厄(さいやく)から生命を守るウルトラ一族の故郷であるM78星雲・光の国の一組織であるギャラクシーレスキューフォースの一員でもあるウルトラマンリブット、そしてウルトラの名を冠する者をすべて抹殺しようとするウルトラダークキラーが挙げられる。


 これまでのウルトラマンの概念(がいねん)を打ち破るかのような革新的なデザインが多かったニュージェネレーション・ウルトラマンたちとは異なり、初代ウルトラマンに赤のラインを少々増やしただけに見えるウルトラマンリブット。そのデザインは平成初期に誕生したウルトラマングレート(90年)・ウルトラマンパワード(93年)・ウルトラマンネオス(94年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971115/p1)などに先祖帰りしたかのような印象が強く、逆におもわず注目してしまうものがある――ただ、手足にはギャラクシウムなる青い硬質なクリスタル状の装飾が配されて、左腕にはやはり青いクリスタルが印象的な小さな盾(たて)であるリブットブロッカーを装備している――。
 ウルトラマンリブットは幼児にイスラム文化を教える知育・情操番組としてマレーシアで放送されている3DCGアニメ『ウピンとイピン』(07年)に円谷プロの公認で2014年に登場したのを出自としているそうだ。日本の映像作品への登場は本作が初なのかと思いきや、2016年の『新ウルトラマン列伝』最終回(第155話)『グランドフィナーレ! ウルトラ戦士よ永遠に!』にもすでにモブキャラ映像として登場していたそうであり――そんなもんネットでの反響までチェックしていなければ気づけるワケがない(爆)――、今回は2度目の登場となるのだそうだ。


 ちなみに、「リブット」とはマレー語で「嵐」を意味するものだそうだ。リブットの動きにはマレー現地の武術・シラットが取り入れられている。現地でアトラクション用に製作されたスーツをベースにしたリブットのアクションを、坂本監督はこのシラットを基本に演出しているそうだ。
 初登場のEpisode3(エピソード・スリー)でリブットが『ウルトラQ(キュー)』(66年)に登場した冷凍怪獣ペギラと対戦する。映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』でグリーンバックを背景にしたワイヤーアクションによるウルトラマンの動きを確立させ、その後も継承させるに至った坂本監督である。このリブットvsペギラのバトル場面は本作『ウルトラギャラクシーファイト』におけるほかのウルトラマンたちのアクション演出と比べ、明らかに差別化されている。


 地球と同様に青空を背景とした水の惑星・リクエターの湖で冷凍光線を吐いて暴れまわり、星の住人・海底原人ラゴンを危機に陥(おとしい)れるペギラに対して空からスピーディーな高速キックを合成映像で浴びせかけるリブットこそ、いつもながらの坂本演出だが、「ギャラクシーレスキューフォースウルトラマンリブット、出動!」と、武術のような構えでリブットが名乗りをキメて以降は、そのアクションは翼竜型怪獣でもあるペギラの緩慢(かんまん)な動きに合わせるかたちで、スピード感よりも巨大感や重量感を強調した演出となっていた。
 惑星に着地したリブットを真下から超アオリで捉えた足下(あしもと)に猛烈な水しぶきが湧き上がったり、建造物がない代わりに周囲に常に樹木を配置して、そのバトルを絶えずアオリで捉えるのもさることながら、湖での戦いを斜めに傾いたカメラが手前に森をナメながら超高速で横移動しながら捉えているさまは、リブットvsペギラのバトルの重厚でもやや緩慢で今時の飽きっぽい視聴者からすればややローテンポな映像にもなりかねないシーンになりかねないところを、手前の樹木を超高速で動かすことで「重厚感」と同時に「スピード感」をも付与して、両者を両立(!)もさせている秀逸(しゅういつ)な演出なのだ!


 リブットが両腕をゆっくりと回すことで周囲から光の粒子が集結して放たれる必殺光線「ギャラクシウムブラスター!」をペギラに浴びせる場面で、リブットが振り回している両腕の残像がCGで描かれているのは、名作時代劇映画やテレビ時代劇『眠狂四郎(ねむり・きょうしろう』シリーズの必殺剣技・円月殺法(えんげつ・さっぽう)由来のもので、『バトルフィーバーJ』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120130/p1)や『電子戦隊デンジマン』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120205/p1)の戦隊巨大ロボットのバンク映像による必殺剣の特撮映像などにも引用されてきた残像処置である。これによって、やはり力押しだけではない東洋的な神秘を感じさせるワザであることも含意させており、ウルトラマングレートがオーストラリア、ウルトラマンパワードアメリカ出身であったのに対して、リブットが東南アジア出身――といっても儒教圏ではなくイスラム圏だが――であることから着想された演出でもあるだろう。


 一方のウルトラダークキラーは、2012年にパチンコメーカーの京楽(きょうらく)からリリースされた『CRぱちんこウルトラマンタロウ 戦え!! ウルトラ6兄弟』がデビュー。同作以降は同社の『CRぱちんこウルトラマンタロウ 暗黒の逆襲』(13年)・『CRぱちんこウルトラバトル烈伝 戦えゼロ! 若き最強戦士』(15年)に連続して登場した敵キャラクターである。本作『ギャラクシーファイト』にも主要キャラとして登場するウルトラマンゼロウルトラマンタロウとも深い因縁(いんねん)を持った敵であり、ウルトラ兄弟に倒された怪獣や宇宙人の怨念(おんねん)が生み出した闇の超人として描かれていた。
 『ギャラクシーファイト』ではウルトラマンエックスダークネス・ウルトラマンジードダークネス・ゼロダークネス、そしてウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ(笑・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20181104/p1)ではなくウルトラマンオーブダークネスといった闇の超人たちが敵キャラとして登場する。


 これらはもちろん、本作もまた低予算作品なので、着ぐるみキャラをゼロからデザインして新規造形すると高額の予算を要してしまうために、既存の着ぐるみの色の塗り替えだけで済む、そして強そうにも見えるニセモノのウルトラマンを登場させたといった趣向だろう。


 ウルトラダークキラー自体もタロウに酷似(こくじ)した胸のプロテクターの中央には、ウルトラマンたちのようにエネルギー切れ間近を示すワケではないものの常に赤く光っているカラータイマーを備えており、タロウと同じく両耳部分にはウルトラホーンなる巨大なツノがあり、両腕の手甲(てっこう)にはウルトラセブンアイスラッガーのような鋭利な刃物を装着している暗黒の超人である。


 デビュー作の『戦え!! ウルトラ6兄弟』ではウルトラ5兄弟と合体したスーパーウルトラマンタロウが放った特攻自爆の必殺ワザ「ウルトラダイナマイト!」に敗れて、続編の『暗黒の逆襲』ではウルトラ5兄弟をベースにした黒いウルトラ5兄弟ことウルトラダークキラーブラザース(!)を生み出し、『戦えゼロ!』では異次元空間でウルトラマンゼロを待ちかまえていたウルトラダークキラー。
――もちろん、このウルトラダークキラーも、内山まもる先生が『小学三年生』に連載した『ウルトラマンレオ』コミカライズ(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061028/p1)に登場させたオリジナル敵キャラ・ウルトラキラーゴルゴが元ネタだろう――


 本作でも数々のウルトラマンたちのダークネスこと闇の超人を生み出すのはもちろんのこと、Episode1では『ウルトラマンR/B』の2大主役ウルトラマンであるウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルが不在となった綾香市(あやかし)の森で光線の訓練をしていたウルトラウーマングリージョをかばったゼロが、ダークキラーによってグリージョとともに「無限の闇」こと「ダークキラーゾーン」に幽閉されて、Episode5ではかつてウルトラ5兄弟と合体したスーパーウルトラマンタロウが「ウルトラダイナマイト!」でダークキラーを葬(ほうむ)った過去がタロウの回想として語られる。
――つまり、本作『ギャラクシーファイト』では『ぱちんこ』展開などはパチモンである! なぞとは斬り捨てずに、うれしいことに正史・前史として全肯定的に描いてもいることになるのだ!――


 ここ数年はヒーロー共演が恒例である劇場作品でも、2010年代のウルトラ先輩戦士は客演しても昭和のウルトラマンがあまり登場していないが、足木氏と坂本監督は、


・『ウルトラファイトビクトリー』ではウルトラマンエースウルトラマンレオ&アストラ兄弟
・『ウルトラファイトオーブ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1)ではゾフィーウルトラセブンウルトラマンジャック


を放映当時の最新ウルトラマンや歴代平成ウルトラマンたちとも競演させており、たとえ回想のかたちではあっても今作でも「昭和のウルトラマン」の活躍を描くことで、平行世界を越境できるという2010年代以降のウルトラシリーズの新設定も活(い)かして、「平成ウルトラマン」や「ニュージェネレーション・ウルトラマン」とも世界観を共有する「ひとつの世界」としてまとめあげているのは評価されてしかるべきだろう。


 本作でダークキラーと手を組む悪党が、


・2010年代のニュージェネレーション・ウルトラマン最初の作品『ウルトラマンギンガ』のラスボスだった暗黒の魔神ダークルギエル
・坂本監督作品の映画『劇場版 ウルトラマンギンガS』に登場した超時空魔神エタルガー
・そして、『劇場版 ウルトラマンR/B』でデビューを飾って、『ウルトラマンタイガ』の宿敵となったウルトラマントレギア


 それぞれがタロウやゼロ、ギンガやビクトリーらに因縁がある敵をせいぞろいさせることで、いきなり初登場しただけの敵キャラでは強敵としての属性しか存在しないであろうところを、人間関係のもつれ的なドラマ性が自然と醸(かも)されてきて、加えて個別単独の作品を超えたウルトラシリーズとしての連続性のような感慨まで惹起(じゃっき)されてくるのだ。


 Episode6の冒頭でのマイナスエネルギーに満ちている惑星テンネブリスのダーク宮殿にて、ダークルギエルがギンガを、エタルガーがビクトリーはオレが倒すなどと口にする中、ウルトラマントレギアが「全ウルトラマンのダークネスをつくる本来の目的を忘れては困る」などと語るさまは、さながら昭和の時代からある東映ヒーローものや合体ロボットアニメに登場した敵組織の幹部たちのようである。
 これはそのことをマネであるなどといってバカにしている発言ではない。むしろ、正義の軍団vs悪の軍団との攻防劇を、敵キャラクターのお団子状態にはさせずに多数の各キャラクターを描き分けるためには、このようなそれぞれの思惑(おもわく)の違いを短い尺の中で点描していくことこそが正解でもあるからだ!


*バトルや幕間でも点描されていく、ウルトラマンたちの「人物相関図」!


 さて、先述したようにゼロとグリージョがダークキラーによって捕らわれの身となるのと並行して、


・惑星サンダウィンではウルトラマンエックス&ウルトラマンジードvsエックスダークネス&ジードダークネスにつづいて、ダークルギエルがエックスとジードを襲撃!
ウルトラマンオーブウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルの兄弟がウルトラマンとしての力を授(さず)かった惑星・O-50(オー・フィフティー)では、サンダウィンから移ってきたエックスダークネス&ジードダークネスがオーブを急襲!
・光の国の宇宙警備隊本部でタロウからグリージョの危機を知らされて、彼女の救出へと向かっていたロッソ&ブルの兄弟は、エタルガーによって惑星ペノルに撃墜されて、そのまま強敵のエタルガーと対戦!


 ……と、全宇宙狭しと大活躍するニュージェネレーション・ウルトラマンたちが描かれていく。


・惑星サンダウィンの背景の宇宙は、夕陽のような逆光を背景に両眼と胸中央にあるカラータイマーのみが妖(あや)しく光っているエックスダークネス&ジードダークネスのシルエットが陽炎(かげろう)の中に浮かんでいる、Episode1の冒頭におけるインパクト絶大なカットが象徴するように真っ赤
・惑星O-50は暗雲がたちこめる漆黒の空
・惑星ペノルは地球同様に青い空に白い雲


 と、その舞台が明確に映像的にも差別化されている。


 ウルトラマンたちが次々とタイプチェンジを披露しながら戦うさまは、本作が役者が演じる人間キャラが登場しない完全な「仮面劇」であり、延々とバトル場面がつづくだけに、縦横無尽(じゅうおうむじん)に目先の変化を繰り出すことで、視聴者を飽きさせないための工夫がなされている。
 ウルトラ兄弟の長男・ゾフィーウルトラマンベリアルのカードの力を借りてタイプチェンジするウルトラマンオーブ・サンダーブレスターのキックやパンチで、エックスダークネス&ジードダークネスが受ける衝撃波がCGで描かれてその衝撃度も強調されているように、スローモーで重厚な演出がなされたかと思えば、ゼロやウルトラマンジャックの力を借りたウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュにタイプチェンジした途端に、スピード感にあふれるバトル演出に一転するのはその典型例なのだ。


ウルトラマンビクトリーがテレビシリーズ以来の能力である、その右腕をどくろ怪獣EX(イーエックス)レッドキングのデカすぎる握りこぶしに変化させて、それを大地にたたきつけて前面に延びていく地割れからマグマを噴出!
ウルトラマンエックスがテレビシリーズ以来の能力である、宇宙怪獣エレキングを模(も)したアーマー(ヨロイ)を装着して、「エレキング電撃波!」をエックスダークネスに浴びせる!


 これらの描写などを観ていると、そういえばここ数作のニュージェネレーション・ウルトラマン作品にはここまで視覚的にインパクトがある、ある意味ではデタラメに誇張された漫画チックな大ワザがあまりないのは、今時の子供番組としては少々地味かもしれないなぁ……などと複雑な気持ちになったりもするのだが。


 そして、オーブをビクトリーが、エックスとジードをギンガが、ロッソ&ブルをタロウからのウルトラサイン――おなじみ、ウルトラ文字を宇宙空間に表示させる連絡手段!――を受けたリブットが救出する!
 これらの描写もまた、エックス以前のウルトラ戦士であるギンガ・ビクトリー・リブットが先輩としての強さを示すのみならず、ウルトラマン同士の関係性をも端的に表わすやりとりが点描されることで、たとえバトル場面が中心ではあってもキャラクターの個性も描いている群像劇として完成されているのだ。


・ふだんは少々ガラの悪いヤンキーキャラでありながらも、深い闇の中で苦しむグリージョに胸のカラータイマーから自身の光のエネルギーを与えるゼロ。


・「ここで負けたらウルトラマンの名が泣きますからね!」と、ダブル必殺光線でダークルギエルに一矢報いた(いっし・むくいた)エックスとジードを「上出来だ、後輩!」と讃(たた)えて、「話せる兄貴」的な姿を見せるギンガ。


・「おまえらは修行が足りてない。ゼロ、いや、(ウルトラマン)レオ兄弟に鍛(きた)えてもらった方がいい」などと、本作には登場しないレオ兄弟にも言及することで、ウルトラシリーズの作品世界の広さも示して、とはいえレオ兄弟とは面識がない後輩キャラたちであるロッソ&ブルは「レオって誰だよ?」とボケさせることで、ロッソ&ブルにもいかにもそれらしいキャラ性を同時に立てることもできていた。


 ちなみに、ウルトラマンビクトリーは『ウルトラファイトビクトリー』(15年)でウルトラマンレオ&アストラ兄弟と競演している。先述した映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』(09年)でレオ兄弟がウルトラマンゼロの師匠として描かれて以降、その続編となったオリジナルビデオ作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』(10年・バンダイビジュアルhttps://katoku99.hatenablog.com/entry/20200125/p1)でもレオとゼロとの師弟関係&共闘劇は描かれてきた。ビクトリーのロッソ&ブルに対する一喝はそれらの先行作での描写を継承するかたちで、あのゼロの上にもさらにレオ兄弟なる偉大な存在がいることを立体的に示唆(しさ)してもいるのだ。


・そんなロッソ&ブルに同じくO-50出身の後輩として「よろしくな」と暖かく声をかけるオーブの姿に、「もしかしてオーブ!?」などと突然の先輩の登場にミーハーに喜んでいるロッソ&ブル
・宇宙警備隊本部に遅れてやってきたギンガに「遅いぞ」と声をかけたビクトリーに、「ゼロが云ってたろ。主役は遅れて来るって」と、彼らが地球で所属した防衛組織・UPGの合図「ガレット!」を口にして拳(こぶし)を合わせるギンガとビクトリー


 ちなみに、ゼロが「よく云うだろ。主役は遅れて来るってな」と左手で二本指を立てて語ったのは、『ウルトラマンジード』第8話『運命を越えて行け』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200523/p1)の際だった。ギンガがこの回に登場したワケでもないのにそれを知っているのは、ゼロが遅刻の言い訳としてしょっちゅうこれを口にしているからだろう(笑)。
 そして、映画『劇場版 ウルトラマンR/B』で競演したことから「ひさしぶり!」と手を振って声をかけるロッソ&ブルに気づかないほどに――リアルに考えればコレもアリエない描写なので、ここもやはり漫画チックな描写なのだが、それが悪いというワケでもない。むしろジードのキャラクターも立つのと同時にクスッと笑えるのだ!――、「ここが光の国か!?」と初めて目にする故郷の星に感動して、「ペガやライハにも見せてあげたかった」と、『ジード』のレギュラーキャラであるペガッサ星人ペガや同作のヒロインの名前を挙げるかたちで、仲間に想いを寄せるジードも描くことで、『ジード』の作品世界や登場人物たちとも本作は確実につながっているという気持ちにさせてくれるのだ。


 Episode5で描かれたこれらの短い描写は、過去作品で描かれたセリフや世界観を受けた描写だった。しかし、たとえそれらの過去作を観てはいない視聴者にとっても、それぞれのウルトラマンのキャラクターの違いや関係性や物語性がフワッと想起させられてくる演出にはなっているのだ! ひいては、本作のこれらの描写がフック(引っかかり)となって、過去作を観てみようと思う視聴者だって少数であっても確実にいることだろう!


 そして、グリージョの救出に力を貸してほしいとのロッソ&ブルの頼みを先輩ウルトラマンたちが快諾(かいだく)し、7人のウルトラマンが光の国のエメラルドグリーンに輝くクリスタルタワーの上空にいっせいに飛び立って、ブラザースマントを着用した今や重鎮のウルトラ6兄弟たちが見送っているEpisode6の場面で、タロウが「我々にも頼もしい仲間が増えましたね」などと、2010年代のニュージェネレーション・ウルトラマンたちのことを感慨深げに昭和のウルトラ兄弟たちにつぶやく描写は、昭和のウルトラ6兄弟と2010年代のニュージェネレーション・ウルトラマンがたしかに魂の系譜としても「つながった」瞬間であるとして、多くの視聴者にも心に深く刻(きざ)まれる演出だったことだろう。


*シーソーバトルから大逆転劇へ至る、新世代ウルトラマンたちのウルトラマンゼロとの因縁&奮起!


 「来たな、ウルトラマン」と憎々しげにつぶやくウルトラダークキラーがアジトとする惑星テンネブリスに、リーダーとなるギンガを中心に横並びで着地する7人のウルトラマンにカメラが高速でズームイン! ギンガの「行くぜ、みんな!」を合図に全ウルトラマンがファイテングポーズをキメる、最高にカタルシスにあふれる描写でEpisode7は開幕する!


 ここは昭和の時代のいかにも模型ミニチュアな飛び人形などではなく(笑)、スーツアクターが着用した着ぐるみ姿で高速飛行している7人のウルトラマンが真横のアングルからカメラも高速移動で追随しているように捉えられて、それぞれのウルトラマンのニセモノことダークネスと対戦するためにエックス・オーブ・ジードは「ここはオレたちが(引き受けて戦います)!」と惑星の荒野へと着地!
 彼らに任せて奥地へと先行したギンガ・ビクトリー・ロッソ・ブルが向かったダーク宮殿ではダークルギエル&エタルガーが待ちかまえており、対戦相手としてご指名を受けたギンガとビクトリーは、ロッソとブルをゼロとグリージョが幽閉されているさらなる奥地へと急行させる!
 一度は大集結したウルトラマンたちが過去作での因縁の敵と対戦するために散り散りになっていくさまを、坂本監督はすでに映画『劇場版 ウルトラマンギンガS』のクライマックスでも描いていたが、大集合のカタルシスを描きつつも、バトルにおいて個々のキャラクターの強さやカッコよさを描くためには、再度バラバラに戦場を分散させた方が都合がよいのだ(笑)。


 エックスとエックスダークネスが画面手前に向かって空中戦を展開し、その真下ではオーブが大型の必殺剣「オーブグランドカリバー!」でイナズマを巻き起こし、オーブダークネスも剣先を回して紫色の光線を発射! その先の空ではジードダークネスが高速で舞いながらジードを攻撃! それに向かって両腕から必殺光線・レッキングバーストを放つジードを、周囲の360度から超高速で回り込みつつ下からのアオリで捉えるジード定番の必殺ワザの発射直前の演出も漏れなく見せてくれる!
 ギンガが自身の主演作での最終回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200827/p1)と同様に、ギンガスパークランスなる白い光の槍(やり)でダークルギエルと剣術バトルを繰り出すさまを真下からアオリで捉えたかと思えば、その右腕を宇宙ロボット・キンギジョーカスタムのそれに変化させて砲撃連射「キングジョー・ランチャー!」をブっ放しながら画面左奥へと高速で後ろ向きに飛んでいくビクトリーを、画面右手前から追撃するエタルガーが背面から描かれる!
 まさに「蝶(ちょう)のように舞い、蜂(はち)のように刺す」ようなアクション演出といっても過言ではないほどに、臨場感とスピード感にあふれるバトル演出は最高にカッコいい!


 だが、先輩ウルトラマンたちが善戦する中で、ゼロとグリージョを救うために戦うロッソ&ブルの必殺ワザはウルトラダークキラーにことごとく弾(はじ)かれてしまい、Episode8のラストでダークキラーはゼロの眼前でゼロから奪取していたエネルギーを正負反転させてゼロダークネスを生み出してしまう!
 このゼロダークネスは、先述した『ウルトラゼロファイト』の第2部『輝きのゼロ』(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200314/p1)終盤で、ウルトラマンベリアルの怨霊(おんりょう)がゼロに憑依(ひょうい)して誕生したものだ。Episode9では映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』(10年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20111204/p1)以来、使用されている楽曲『ベリアルのテーマ』が流れる中で、ゼロダークネスがベリアルのようにカッタルそうに首を回す動きを継承することで、ゼロの因縁の敵であることをより印象づけていた。


 そして、ダークキラーはウルトラマンたちの身長よりも倍に近い姿へと巨大化! これはもちろん、ダークキラーがウルトラマンと同サイズのままではウルトラマンたちによる集団イジメに見えてしまいかねないことを回避して、1vs多数の爽快な集団戦を描いてみせるための処置でもある(笑)。
 そんな巨大な姿となったダークキラーを背景に、ニュージェネレーション・ウルトラマンたちの大活躍を描きつつも、大ピンチの描写も重ねられてダークキラーの絶大なる力を端的に示すアクション演出が危機感をあおっていく。


 しかし、この手の作品は最後には正義のヒーローたちに勝利してもらわなければならない(笑)。そこでは音楽演出も機能してくる。ウルトラマンたちの大逆転劇を描くファンファーレとして流れ出すのは、先述した映画『ゼロ THE MOVIE』アバンタイトルで、ゼロがM78星雲を飛び出して超光速で宇宙の果てを突破し、マルチバース=多元宇宙を飛行する場面に1コーラスのみが流れた勇ましい主題歌調の幻の名曲『すすめ! ウルトラマンゼロ』なのだ!


 「ゼロさんは親子の力を教えてくれた!」と、ゼロの父であるセブン&ゼロの力を借りた姿であるエメリウムスラッガーにタイプチェンジするオーブ!


 「ゼロの想いは時空を超えてオレたちをつなぐ!」と、ゼロが装着するヨロイ・ウルティメイトイージスをコピーしたゼロアーマーをまとうエックス!


 「ゼロがいたから、僕は運命を変えることができた!」と、ゼロ&ウルトラの父のウルトラカプセルでマグニフィセントの姿に強化変身するジード!


 そして、先述した映画『劇場版 ギンガS』でゼロの特訓を受けたウルトラマンギンガ&ウルトラマンビクトリーは、ゼロの勇気と諦めない心を胸に同作同様に「ウルトラタッチ!」の掛け声とともにウルトラマンギンガビクトリーへと合体変身をとげる!


 ゼロの上半身の巨大なイメージ映像を中央バックに、


ウルトラマンギンガビクトリー
ウルトラマンエックス・ゼロアーマー
ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー
ウルトラマンジード・マグニフィセント


といった、先行シリーズでのゼロの力を継承した姿でもある4大ウルトラマンが並び立つ!


 これらの描写はあまりにも強い敵・ダークキラーを倒すためにも、ニュージェネレーション・ウルトラマンたちが過去作での設定やドラマを忘れずに、ゼロ由来の力でテレビシリーズでもお馴染みの強化形態へとタイプチェンジを果たしたことで、あれほどまでに強かったダークキラーを倒せることへの劇中内での一応の合理的・物理的・肉体的な説明としての「説得力」にも昇華しているのだ。
 加えて、ただ単にウルトラマンたちが物理的・肉体的にパワーアップしただけでもない。各自の最強・最終形態に変身したのでもなく、ゼロによる特訓や彼との交流に由来する中間形態としての強化形態に変身するかたちで、過去作でのドラマをそれらの強化形態に投影・反復・想起させることで、仮面のキャラクターたちが繰り広げるやりとりにいわゆる「人間ドラマ性」をも高く付与することができているのだ! 「アクション性」と「ドラマ性」を同時に兼ね備えさせている一粒で二度オイシい作劇&描写!


*息の長いキャラや息の長い消費をされるためにも、先輩ヒーロー助っ人参戦やヒーロー大集合作品が必須!


 Episode10では、グリージョさえもが「絆をあきらめない! 私だってウルトラマンです!」などとゼロを助けるために奮起して、あの強敵・ゼロダークネスをキックや肘(ひじ)打ちで攻撃したあげくに、全身から強烈な閃光を放ってダークキラーとゼロダークネスを遠方へと吹っ飛ばす!
 そして、兄のロッソ&ブルに逆にエネルギーを与えて回復させるという、一見は昭和の時代の特撮作品にはよくあったお荷物の人質キャラのままかと思わせて、登場キャラのすべてに見せ場を与える点描も挿入されるかたちで開幕する。


 ウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルが合体変身した姿でもある、彼らが主演のテレビシリーズ後半でもおなじみのウルトラマンルーブが、ゼロダークネスが両腕をL字型にして放った必殺光線・ワイドゼロショットを右手だけで払いのけて、それが炎のシャワーとなって後方に降り注いで着弾爆発しているさまを背景に、画面手前に悠然と闊歩してくる最新ヒーロー・ルーブの絶大な強さを印象づける演出も実にカッコいい!
 伏せたゼロダークネスの背中の上で側転してダークキラーにキックを浴びせたり、ロッソに変身する主人公の青年・湊カツミ(みなと・かつみ)は野球が得意だった設定を活かして、テレビシリーズ同様にピッチャーがボールを投げるように振りかぶってからゼロダークネスにパンチを浴びせるアクションも最高にカッコいい!


 ニュージェネレーション・ウルトラマン作品の主題歌メドレーが流れ出す中で、


・オーブエメリウムスラッガーは頭頂部の3本のトサカとなっているブーメランこと、緑や青のあざやかな3本のスラッガーを念動力で宙に舞わせて敵にブツける「ハイパーウルトラノック戦法!」
・エックスはゼロアーマーをゼロのヨロイであるウルティメイトイージス同様に、弓矢状に変形させて発射する「ファイナルウルティメイトゼロ!」
ジードマグニフィセントは両腕をL字型に組んで発射する、ウラ設定では77万度もある緑色の電撃光線「ビッグバスタウェイ!」――この77万度という設定はウルトラマンレオの故郷であるL77星からの駄洒落的な引用らしいことに今ごろ気づいた(爆)――
・ギンガビクトリーもゼロの必殺ワザである両腕をL字型にして発射する「ワイドゼロショット!」


をそれぞれで放つ! 各自の因縁の敵キャラを、見た目も含めて実にあざやかに倒していき、ウルトラダークキラーが率いた暗黒軍団はついに全滅する!



 とはいうものの、本作の真の黒幕でもある悪の青いウルトラマンことウルトラマントレギアは健在であり、放映もあと3回残っているのだが、個人的にはこの『ウルトラギャラクシーファイト』は、Episode9のラスト~Episode10にかけてこそが最大のドラマ&アクション的なクライマックスではなかったかと思える。
 ニュージェネレーション・ウルトラマンたちが皆、口々にウルトラマンゼロへの想いを吐露(とろ)してパワーアップをとげるさまは、彼らの背景に常に先輩として助っ人参戦や昭和的な特訓(笑)をほどこしてくれたゼロの存在があったことを最大限に象徴しているのだ。


 映画『ウルトラ銀河伝説』でウルトラセブンの息子として華々しくデビューを飾ったゼロであったが、その公開から続編映画『ゼロ THE MOVIE』に至るまでの1年の間にゼロが正規の映像作品に登場したのは、先述したビデオ販売作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』くらいのものであり、主役となるテレビシリーズを製作することはできなかった。そのために、世間にゼロの存在が充分に認知されることがないまま、作品自体の完成度は高かったにもかかわらず『ゼロ THE MOVIE』は興行的には大コケをしてしまった。ヘタをすれば、この時点でゼロの商品的価値がそれこそゼロとなってしまう危険性もあったのだ(汗)。


 だがその反省もあってか、映画『ウルトラマンサーガ』(12年)の前哨戦・宣伝の意味も込めて、ゼロは先述した再編集番組『ウルトラマン列伝』(11年)の番組ナビゲーターを担当し、後番組である『新ウルトラマン列伝』(13年)の番組ナビゲーターも含めて足掛け5年に渡って務めつづけて、その枠内では自身が主役となる短編シリーズ『ウルトラゼロファイト』(12年)なども放映された。
 『ウルトラマンサーガ』や『ウルトラゼロファイト』第2部で主演作品は一応は最後となったものの、「ちょいワル」なのに決して下品にはならずに育ちはよさげな不良少年(笑)といった絶妙な塩梅のキャラクター性で、子供たちの間でも大人気を博しつづけて、映画『劇場版 ウルトラマンギンガS』(15年)・映画『劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』(16年・松竹)・映画『劇場版 ウルトラマンオーブ』(17年)・映画『劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』(18年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180401/p1)に至るまで、ニュージェネレーション・ウルトラマンの劇場版にゼロは4年連続(!)で客演を果たしてきた。
 そして、『ウルトラマンX』(15年)第5話『イージス 光る時』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200405/p1)にゲストで登場したのにつづいて、『ウルトラマンジード』(17年)でゼロはジードとのダブル主人公としてレギュラー入りを果たす快挙を成し遂げたのだ!


 ニュージェネレーション・ウルトラマンシリーズの第1作である『ウルトラマンギンガ』では、昭和ウルトラ~『ウルトラマンメビウス』~『ウルトラゼロファイト』へと至る昭和ウルトラ直系の歴史がまたもリセットされて、せっかくの名キャラクター・ウルトラマンゼロが客演することはもうないのかも……と危惧されたものの、『劇場版 ウルトラマンギンガS』で先輩平成ウルトラマンたちと客演して以来、いつしかニュージェネレーション・ウルトラマンシリーズには欠かせない存在と化して成長していったゼロであった。
 ただし逆に云うと、ゼロの強烈なキャラクターは目立ちすぎてしまうという欠点もあり、本作ではゼロの弟子挌である若手のニュージェネレーション・ウルトラマンたちを活躍させるためにも、本作では冒頭において強敵ボスキャラによって閉鎖空間に幽閉されてしまう処置がとられている。たしかに各キャラクターの強弱バランスを取るためにもこういう処置の作劇を採るしかないだろう(笑)。


 とはいえ、ずっと幽閉されたまま、弱いまま、負けたままであっても、昭和のウルトラシリーズにおける先輩ウルトラマンたちの客演話のようになってしまって、視聴者のフラストレーション(欲求不満)も溜まってしまうものだろう。よって、本作では最後にニュージェネレーション・ウルトラマンたちの大決戦と並行して、ゼロにも大活躍を果たさせてゼロダークネスを撃破するという役回りを与えているのだ。
 ニュージェネレーション・ウルトラマンたちを主役格として立てつつも、副主人公挌のポジションとしてゼロにも最後には目立たせるという、実にクレバーな活劇としての作劇だったのであった。今さら云っても詮(せん)ないことなのだが、この点では昭和のウルトラシリーズの先輩ウルトラマン客演編も見習ってほしかったところだし、昭和の時代に映像作品でもこのようなウルトラ兄弟客演編を観たかったものだ(笑)。


 もちろん、主役となるテレビシリーズがまともに製作されず実に変則的な活躍を余儀なくされてきたゼロが、ここまでの息の長いキャラクターと成りえたのは、その強烈なキャラクター性の魅力もさりながら、単純にこの10年に渡って絶えず映像作品に露出をつづけてきたことが大きい。


 たとえば、ゼロが誕生するたかだか3年前に放映された『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)は当時は子供間でも年長マニア間でもそれなりの人気を博したものだが、映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20101223/p1)や映画『ウルトラ銀河伝説』に客演して以降は、映画『劇場版 ウルトラマンギンガS』に客演した以外は露出が皆無(かいむ)となってしまったことから、すでに放映10年後の2016年の時点では完全に「過去のキャラクター」と化してしまった感もあったのだ――もちろん『メビウス』という作品自体は特撮マニア諸氏と同様に筆者も大スキなのだけど――。


 テレビシリーズが長らく中断していた時期にビデオ販売作品などで活躍していた、そんな過去の幻のキャラクターとなってしまった平成初頭のウルトラマンたちがその怨念(笑)で闇の超人と化して、昭和の時代ほどではないとはいえ平成初頭の時代以上には人気を博しているニュージェネレーション・ウルトラマンたちに復讐を果たそうとする作品が、ライダーシリーズのそれと同様に製作されてもよさそうなほどなのだが(爆・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190804/p1)、過去作のウルトラヒーローたちのソフビ人形も売るためにか、劇場版や今回のような短編シリーズで夢の競演を重ねる方針が継続されて、放映後も露出をつづけることでまだまだ現役感を出せている2010年代以降のニュージェネレーション・ウルトラマンたちは、その意味では今後しばらくは安泰(あんたい)だと見てよいのかもしれない。


 『ウルトラマンタイガ』につづく最新ウルトラマンたちやシリーズもののテレビ特撮作品の最新ヒーローたちが、放映から10年を経てもゼロのような息の長いキャラクターとなるためにも、本作のようなヒーロー共闘作品や先輩戦士が助っ人参戦するエピソードが継続して製作されていくべきなのである!


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2020年号』(19年12月28日発行)所収『ウルトラギャラクシーファイト』評より抜粋)


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