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ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!! ~前日談『ザ・ウルトラマン』をも上回る!?

『コロコロコミック増刊号 ウルトラマンPART1』&『2』 ~『ザ・ウルトラマン』&『コロコロ増刊』ウルトラ特集記事の時代!
『ザ・ウルトラマン ジャッカル対ウルトラマン』 ~日本アニメ(ーター)見本市出展作品!
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 歴代ウルトラマンたちが大宇宙を舞台に大活躍を繰り広げるネット番組『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』(20年)が配信中記念! とカコつけて……
 ウルトラ一族が大宇宙を舞台に活躍する作品の元祖でもある、往年の大人気連載マンガ『ザ・ウルトラマン』(初出・75年)「ジャッカル大魔王」編の33年後の後日談でもあった、幼児誌『てれびくん』で2008年度に連載されたマンガ『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』評を発掘アップ!


ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』 ~前日談『ザ・ウルトラマン』をも上回る!?

(文・久保達也)
(2010年4月25日脱稿・11月10日改稿)



 第2期ウルトラシリーズの最終作である『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)の放映が終了した直後の1975年度の『小学三年生』に1年間連載された漫画『さよならウルトラ兄弟』。この作品は1978年に創刊間もない時期の児童漫画誌コロコロコミック』や『コロコロコミック特別増刊号 ウルトラマンPART1』&『PART2』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210110/p1)に『ザ・ウルトラマン』と改題・再連載されて大ヒットを放った。


 この通称「ジャッカル大魔王」編の後日談としても描かれた、2008年度の『てれびくん』にされた漫画『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』(小学館・09年5月29日発行・ASIN:B01CG0VDI4)について、本項では語らせていただこう。



 『帰ってきたウルトラマン』(71年)第45話『郷秀樹を暗殺せよ!』に登場した電磁波怪人メシエ星雲人(!)との平和調停を1週間後に控えた、ウルトラ一族の故郷でもあるウルトラの星である光の国(=ウルトラの国)……
 『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)第25話『燃えろ! ウルトラ6兄弟』にも登場したウルトラタワーが倒壊して、その地下に保管されていた平和の鐘(かね)である「ウルトラ族の心の調べ」=「ウルトラベル」と、その力で封印されていた「アーマードダークネス」――ウルトラマンメビウス(06年)がその最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070505/p1)で遂に倒した、ウルトラ一族の3万年にもおよぶ因縁の宿敵・暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が装着するはずだった鎧(よろい)!――が紛失する騒動から物語は始まる。


 手がかりがないまま1週間が過ぎて、平和調停の当日となった。
――なんとその広大な議場には、『ザ・ウルトラマン』名義の「てんとう虫コミックス」レーベルの単行本にも収録されている、1979年度の『小学三年生』に連載された『飛べ! ウルトラ戦士』が初出である『月面要塞大作戦』冒頭で描かれたウルトラの国のやはり広大な議場で開催されていた最高会議にも出席していた、アンドロメダ星雲支部代表のゾルビー長官の姿も! そのご尊顔は「ジャッカル大魔王」編で初登場した宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部隊長であるウルトラ戦士・メロスに酷似しているものの、ウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングアゴ髭(ひげ)にならったのか、ウルトラ一族の中でも年長者キャラを意味させているチョビ髭姿がなんともカワイイ――。


 このメシエ星雲人の使節団の護衛には、宇宙警備隊・勇士司令部(!)――ウルトラ兄弟の3番目・ウルトラセブン(67年)の実父が長官を務めており、ウルトラマンネオス(95年)もこの部署に所属していることでも有名!――の精鋭部隊がついていたが、何者かの攻撃でこの精鋭部隊は全滅!


 ウルトラ一族が設立した宇宙警備隊の大隊長でもあるウルトラの父は、メロスと直近テレビシリーズの主人公ヒーローであるウルトラマンメビウスを現場に派遣するが、


「私もいくわ!」


 と志願するウルトラの女戦士がいた!



ウルトラの母のほかにも、女性のウルトラ族を出してえ! 内山先生、おねがい!」(愛知県・IKさん)

(『コロコロコミック特別増刊号 ウルトラマンPART1』(小学館・78年7月24日発行・6月24日実売)『コロコロウルトラファンプラザ』(読者投稿欄))



 律義な内山まもる大先生はこの女の子の願いを忘れず、30年後にようやくかなえてくれたのであった(笑)。


 このアウラなる女戦士の出自の設定がまた秀逸である。
 『ザ・ウルトラマン』の「ジャッカル大魔王」編でウルトラ兄弟の長男・ゾフィー隊長の協力を断り、単独でジャッカル軍団と戦って苦戦したメロスをかばって命を失ったウルトラ28人衆のひとり、あの印象的なウルトラ族の一般兵士こそがアウラの父だというのである!
 たった3コマにしか登場しない、しかしとても印象深かった名シーンの名もなきウルトラの一般兵士を、ここまでの存在に昇華してしまうとは!(涙)


 メロスはその恩返しとして、アウラを一人前の宇宙警備隊員として鍛え上げたというのである! 気丈でワガママな性格もメロス譲りだとか。
 『コロコロコミック特別増刊2号 ウルトラマンPART2』(78年)巻頭のカラーグラビア『初公開! ウルトラひみつリスト ウルトラSFの世界』記事(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210110/p1)に準じるならば、おそらくはアウラもタロウ同様、優秀ってことで1万2千才で宇宙警備隊に入隊したのだろうか?(笑) しかも彼女はすでにメロスと同格である宇宙警備隊のS・P5星雲の支部隊長でもあるというのだ!


 この連載漫画『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』が再録された『てれびくんデラックス愛蔵版』の中では、『ザ・ウルトラマン』の「ジャッカル大魔王」編を


「大昔のウルトラ兄弟とジャッカル軍団の戦い」


 としてダイジェストで紹介している。


 この「大昔」(!)という表現は、幼児誌『てれびくん』のメインターゲットである2008年度の幼児層から見て、「ジャッカル大魔王」編の事件が起きたとおぼしき『ウルトラマンレオ』放映終了直後の1975年の時代がもう33年も前のことだからと「大昔」と云っているだけであって、あくまでも西暦2008年の今が舞台なのだろうか? それとも『メビウス』の時代から100年~1000年くらいが経っているような未来の宇宙を舞台とした最新テレビシリーズ『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)のように、1975年の「ジャッカル大魔王」編や2006年の『ウルトラマンメビウス』の時代からでも、すでに数千年くらいが経過した未来の時代が舞台なのだろうか?




 宇宙警備隊・勇士司令部の精鋭部隊を全滅させた敵の正体は、なんとあの数十万人の大陣容を誇るジャッカル大軍団の残党!
 メロス・メビウスアウラはジャッカルの残党どもを始末する! しかし彼らが帰還するや、光の国は怪獣軍団の攻撃を受けていたのだ!


 メガトン怪獣スカイドン・猛毒怪獣ガブラ・恐竜戦車・古代怪獣キングザウルス三世・雪女怪獣スノーゴン・さそり怪獣アンタレス! 大人気有名怪獣の復活ではないが、中堅どころのなんともシブい面子(めんつ)たちであることも嬉しい!


 内山大先生はかつて、


・『小学二年生』71年9月増刊号に『決戦 ウルトラ兄弟対11大怪獣』
・『小学二年生』72年9月増刊号にも『ウルトラ5兄弟たいヤプール人』
・『小学二年生』73年1月増刊号には『怪獣はか場のけっとう』
・『小学二年生』73年9月増刊号にも『かがやけウルトラの星』


 といった、当時は児童たちの夏休みや冬休みの時期に『小学二年生』だけで発売されていた増刊号では毎回、怪獣軍団対ウルトラ兄弟の決闘を長編漫画として描いていた。


 テレビ本編でもそんなイベント編を時には観てみたい! と当然のことながら当時の子供たちも思っていて、我々はチラシのウラやノートや教科書(爆)などにウルトラ兄弟VS怪獣軍団の戦いを落書きでしたためていたのだが(笑)、それを察知して内山大先生にそういった長編漫画を執筆させた小学館の学習雑誌の編集者の慧眼(けいがん)というよりかは、実に子供じみていたその稚気満々(ちきまんまん)ぶりを(笑)、エンタメ路線ではなくストイックなシリアス志向に走りがちだった後年のマニア上がりのつくり手たちにも見習ってほしいものである。


 メロスが突き出した両腕から放つ必殺光線、レーザーショット・アンドロメロス
 メビウスが両手を十字型に組んで放つ必殺光線・メビュームシュート!
 アウラの必殺技・アーパッシュ!――巨大な光球を作り、その中をアウラがすばやく移動しながら多数の光の矢を外に放つ技!――


 彼らの必殺技が次々に炸裂!


 怪獣軍団を全滅させることはできたが、ウルトラの母とウルトラ一族の看護組織である銀十字軍は、ジャッカル軍団に捕らわれてしまっていた!――これもまた内山先生による漫画『ザ・ウルトラマン』の「若きファイタスの挑戦」編の冒頭シーンに対するセルフ・オマージュでもあるだろう――


 さらに気を失っているウルトラの父ウルトラ兄弟たちまで、巨大な透明の球に幽閉されていた!


 そこに現れたのは、なんとあのジャッカル大魔王!!


「どうだメロス! 降伏しなければ、兄弟たちをブラックホールにつき落とすぞ!」


 待ってました大統領! しかもかつて自身がウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングによって落とされた、因縁ある超重力の天体・ブラックホールに、今度は自分が彼らを突き落としてやると豪語してみせるのだ!


 別に単なる復讐だけならばブラックホールである必然性はウスいのだが(笑)、リアリズムよりも象徴・寓意の方が優先する物語作品というものにおいては、かつての事象と共通するアイテムや手法を用いてリベンジに挑んできた方が、盛り上がりの面ではよりドラマチックになろうというものである。


 ジャッカル大魔王がメロス・メビウスアウラの攻撃をものともせずに、ジャッカル破壊光線を発しようとしたそのとき、物陰に潜んでいたウルトラの女戦士・ユリアン王女が剣を手に攻撃をかけてきた!


 なんとその剣は、『ウルトラマンメビウス』で明かされた3万年前のウルトラ大戦争で、ウルトラの父が暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人に深手を負わせた伝説の聖剣・ウルティメイトブレードだったのである!


 これもまた、ただの剣戟(けんげき)一発ではなく、そこらへんに転がっているただの剣による攻撃では、このシーンの意味合いや深刻度合いが変わってしまうのだ。


・ウルトラ世界でも由緒があり、どこかに飾られていたのだろう歴史的アイテムを持ち出さなければならなくなったほどのユリアンの悲壮なる決意!
・それにより、ただの足手まといではなく敵わずとも戦いに貢献することで、ユリアンのキャラを立てることにも成功!
・それと同時に、伝説のウルティメイトブレードすら持ち出さねばならなくなった劇中内での危機的状況ぶり!
・ジャッカル大魔王のそこまでの強敵ぶり!


 これらの一連をクドクドと説明しなくても、一挙に同時に瞬時にして四重の説明ができてしまうのである! こうした描写ができるのも、長大な歴史を持つシリーズものの利点なのである。


 しかし、この聖剣をもかわしたジャッカル大魔王!


 これに対して、ユリアンメビウスとともに、なんと『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)第49話『80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210307/p1)において合体怪獣プラズマ&マイナズマを倒した80&ユリアンの合体飛行回転技・ウルトラダブルパワーを披露する!
――オオッ! これまた、ウルトラ一族が大活躍した直近の映画『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)でも観たかった!・笑――


 これに対してジャッカル大魔王は宇宙恐竜ゼットンに変身! 1兆度の火の玉をメロスに浴びせてきた!
 異次元超人エースキラーにも変身して、メビウスユリアンをも倒した!
 さらには火山怪鳥バードンに変身して、アウラの背を猛毒のくちばしで突き刺してきた!


 往年の『ザ・ウルトラマン』こと「ジャッカル大魔王」編の導入部を再現してくれたかのような徹底ぶりであるが、ウルトラ兄弟たちが一矢も報いることなく敗退していった「ジャッカル大魔王」編よりも、敵わずとも反撃を試みたメビウスユリアンの描写があることで、この一点については本作の方に軍配が上がるかもしれない。


 この大魔王の正体は、かつてのジャッカル大魔王ではない。彼に仕えていたジャッカル四天王の生き残りのひとりが新たな大魔王となるために、なんと自らブラックホールに落ち(!)、そのエネルギーを吸収して最高の力を手に入れて、ウルトラ一族たちへの復讐に来た姿であったのだ!


 そして、遂にブラックホールに落とされてしまうウルトラ兄弟たち!


 だが、ウルトラの父が胸の中央にあるカラータイマーを自身でもぎ取って放擲(ほうてき)! 自らのエネルギーを分け与えたために、ウルトラ兄弟たちだけはブラックホールからの脱出に成功した!


 しかし、『メビウス』序盤10話の宿敵であった高次元捕食体ボガールに滅ぼされた惑星アーブに住んでいて不定形生命・アーブの民たちの精神エネルギーが結集して誕生した自身の鎧「アーブギア」の可能性に賭けて、『メビウス』第10話までの姿であった鎧をまとったハンターナイト・ツルギの姿となって(!)、落下していく父をひとりで救出に行くウルトラマンヒカリ
――このヒカリとは『ウルトラマンメビウス』で初登場した劇中内での第2のウルトラマンであり、体色が青いウルトラ戦士である――


 脱出してきたウルトラ兄弟たちを抹殺せんとジャッカル大魔王が召喚した宇宙鳥獣ガロウラー! 首長ドラゴン型の孔雀(くじゃく)と植物の合成怪獣といった趣(おもむき)で、細くて長い身体に鮮やかな緑と黄色の体色が印象的な怪獣であり、ステージでのアトラク用に着ぐるみも造形されており、本漫画が再録された『てれびくんデラックス愛蔵版』にもそのカラーグラビアが掲載されている。
 この怪獣の決定稿は円谷プロのデザイナーである丸山浩(まるやま・ひろし)が描いているとはいえ、『てれびくん』の「最強宇宙怪獣デザインコンテスト」のグランプリに輝いた6才の少年の作品が素(もと)となっている。なぜにバンダイはこの新怪獣をソフトビニール人形『ウルトラ怪獣シリーズ』で発売してあげないのか!? 「しっぽのトゲトゲの部分から虹色の光線を出して破壊する」という彼が考案した設定も、超絶破壊光線ガロウ・レインボーとして公式設定となっているのに(笑)。


 このガロウラーに大苦戦するウルトラ兄弟たち!


 そのとき、ジャッカル軍団の円盤群が謎の攻撃を受けて、次々と大爆発を起こす!


ファイタス「しっかりしろ! セブン!!」


ウルトラセブン「ファイタス! なぜ、おまえがここに!?」


ファイタス「兄貴のメロスからひそかに連絡があったのだ」


ウルトラセブン「そうだったのか。たのむ、ファイタス。ブラックホールに落ちたウルトラの父とヒカリを救ってくれ」


ファイタス「なにっ? ウルトラの父とヒカリが……」


ウルトラセブン「メロスと同じおまえのヨロイならブラックホールの力にたえられるはずだ」


ファイタス「ああ、もちろんだ。ヒカリは、かつて俺の命を救ってくれた恩人でもあるからな」


 本作にはあのウルトラ戦士・ファイタスも復活登場したのだ! そしてウルトラマンヒカリがファイタスの命の恩人であるともいうのだ!!



 
「科学者は長旅の果て、数々の研究成果を得ており、固形化した「命」によって、その対象を甦らせる研究の完成にも、彼の持ち帰った知識は多大なる貢献を果たしていた。遥かな過去に太陽の爆発で多くの同胞を喪い、誰よりも「命」への執着を持つ彼らの一族にしてみれば、それは悲願達成と呼べるものであった」

(DVD『ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ』(バンダイビジュアル・07年10月26日発売・ASIN:B000SAXNVU)解説書収録『ザ・ウルトラマンヒカリ』(絵・内山まもる 文・赤星政尚))



 『メビウス』第5話『逆転のシュート』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060704/p1)で初登場したウルトラマンヒカリこと、鎧の戦士であるハンターナイト・ツルギの前日談を描いたネット配信のオリジナルビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ』3部作の第1話であったSAGA1(サーガ・ワン)『アーブの悲劇』(06年)。
 『メビウス』本編よりも過去の話であった『SAGA1』が描いた時代よりもさらに以前の時代を描いた、DVD『ヒカリサーガ』同梱のイラストノベルだった『ザ・ウルトラマンヒカリ』では、M78星雲・光の国の宇宙科学技術局に勤めていたウルトラ一族のブルー族でもある科学者・ウルトラマンヒカリの設定を巧みに活かした物語が展開されていた。


 DVD『ウルトラマンメビウス』全13巻の解説書に連載されたイラストノベル『ザ・ウルトラマンメビウス』や、DVD『ウルトラマンメビウス外伝 ヒカリサーガ』に同梱されたイラストノベル『ザ・ウルトラマンヒカリ』によって追加された40年後や35年後の後出しの新設定(笑)によれば、以下の通りとなるのだ。


 初代ウルトラマンが主役作品『ウルトラマン』(66年)の第39話(最終回)『さらばウルトラマン』で宇宙恐竜ゼットンに殺された際に、ウルトラ兄弟の長男・ゾフィー初代ウルトラマン科学特捜隊のハヤタ隊員ふたりを分離して両者の生命を復活させるために「命」をふたつ持ってきた。なんとここで持参してきた「命」とは、ウルトラマンヒカリの発明によるものだったというのだ!


 そして、『帰ってきたウルトラマン』第51話(最終回)『ウルトラ5つの誓い』で、触覚宇宙人バット星人率いる宇宙連合軍に攻められる故郷・光の国を守るために新ウルトラマンことウルトラマンジャックが地球を去った理由。それは同作劇中でも説明されていたバット星人の連合艦隊が光の国に攻め込んでくるからであり、祖国の防衛戦争に加わるためでもあった。
 しかしここにも追加設定がなされた! この星間戦争はヒカリが発明した「命」の秘密の情報開示をバット星人たちが求めたためだったとされたのである!


 『メビウス』のメインライター・赤星政尚(あかほし・まさなお)と同作の「設定考証」を担当した谷崎あきら。この特撮同人ライター上がりの編集プロダクション・タルカスのメンバーによって、往年の学年誌や『コロコロコミック』特集記事のような良い意味での稚気満々なウラ設定が『ヒカリサーガ』などによって新たに追加されていったのだ!(大歓迎!・笑)


 この新設定を活かして、「若きファイタスの挑戦」編の結末では死亡したはずのメロスの不肖(笑)の実弟・ファイタスが、ヒカリによって新しい「命」を与えられたことになって、今回のまさかの再登場となったのである!(涙)


 なんとファイタスは自身の鎧をウルトラセブンに貸し与え、セブンをブラックホールに落ちていく父とヒカリの救援に向かわせて、自分はガロウラーとの決戦に加わることになる!


 これによって鎧を脱いだウルトラ戦士としての姿も、初登場から30年を経て本邦初公開になるという、長年のマニア垂涎(すいぜん)の大サービスもあるのだ! その姿は兄貴のメロスにもちろん似てはいるのだが、頭部にトサカ状の出っ張りがないあたりは、ウルトラマンレオと双子の実弟・アストラの頭部の形状の違いを踏襲している(笑)。


セブン「ファイタス、この剣はお前に……!」


ファイタス「行くぜ、ガロウラー!!」


 借りるのはその鎧だけだと、かつてはその剣を用いて命をかけて真剣勝負で戦った因縁(!)もあったセブンから返された、ファイタスの鎧の左腰に装着されていたフェンシングの剣のような長剣を手に、ガロウラーに立ち向かうファイタス! なんというステキな華(はな)もある演出! そしてその因縁の剣から発せられるスパイラルビーム!!


 ガロウラーはその超絶破壊光線ガロウ・レインボーをバリヤーに転用!


 必死で斬りこむファイタスの苦戦に、初代マンはかつてゼットンの動きを封じるために使用した、上空で高速回転して光のリングを放って相手を拘束する技であるキャッチ・リングで、ガロウラーを金縛りにすることで助勢する!


 そこに、


ウルトラマンジャックのウルトラフロスト!!
ウルトラマンタロウのウルトラフリーザー!!
ウルトラマンエイティのフリージングレーザー!!


 彼らの冷凍光線(!)が一斉に発射される! ガロウラーは氷漬けとなった!――こういう特定の共通項がある必殺技縛りでの合体攻撃を、『ウルトラ銀河伝説』でも観たかったなぁ・笑――


 ガロウラーをブラックホールに封じようとするウルトラ兄弟たちだが、それだけで終わってはガロウラーがやや弱く見えてしまったことだろう。氷結させていた氷が割れて、ガロウ・レインボーの光線が兄弟たちを襲う!
 敵だから最後には負けてしまうのだとしても、少しでも一矢を報いてきたり反撃してくる描写もまた実に重要なのである!(笑) 


・ジャックは左手首のウルトラブレスレットを変形させたウルトラディフェンダー
・エースはサークルバリヤー!
・エイティはハレーションミラー!
・レオはなんとウルトラマンキングから授かったウルトラマントを変形させた傘型のレオブレラ!


 盾(たて)や光学バリアー技で一斉に防御するどころか、ガロウラーの光線をハネ返した!


 その勢いでガロウラーはブラックホールに落下していく!


 そして入れ違いざまに、ファイタスの鎧を装着したセブンが、ブラックホールから父とヒカリを救出してきた!



 そして、メロス・アウラメビウスたちが危機に陥(おちい)っている光の国へと急いで舞い戻る兄弟たち! だが、ジャッカル大魔王のジャッカル破壊光線のすさまじい威力にはさすがのウルトラ兄弟もまったく敵わなかった!


 破壊光線が最大出力で発せられようとしたそのとき、なんとウルトラマンメビウスが禁断の力であり、『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』の続編である『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY(ネバー・エンディング・オデッセイ)』(08年)第9話『暗黒の鎧』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100312/p1)でもウルトラセブンがその全身にまとってしまって操られてしまったほどの暗黒の鎧・アーマードダークネスの胸と右肩・右腕のパーツ部分をまとって、その強大な悪のパワーも援用してジャッカル大魔王に一撃の光線を見舞って阻止したのだ! しかし、まとったのはアーマードダークネスの一部分だけだとはいえ、これは危うい事態でもある!


メビウス「僕はどうなってもかまわない! だがジャッカル大魔王、おまえだけは絶対に倒す!!」


 これまたいかにも純真無垢(じゅんしんむく)なメビウスらしい発言とセリフまわしである(笑)。


 だが、着用した者をエネルギーとして吸収する死の鎧は、次第にメビウスを蝕(むしば)みはじめた!


ゾフィーウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウ! メビウスにエネルギーを集中するぞ!!」


 なんとウルトラ兄弟たちは光のエネルギー体と化してウルトラマンメビウスに合体する! 映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)でも披露した、ウルトラ6兄弟とメビウスがウルトラ7重合体した強化形態であったウルトラマンメビウス・インフィニティーが登場したのだ!


 大魔王と互角に戦いを繰り広げていくメビウス・インフィニティー


 だがそのとき、全宇宙に散らばっていたアーマードダークネスのパーツが襲来してきて、メビウス・インフィニティーを覆いかぶしてしまうという再度の大ピンチが訪れた! アーマードダークネスが遂にその全身を復活させたのだ! しかし、そのとき……!!


ウルトラマンキング「邪悪な力に負けるでない! ウルトラ兄弟たちよ!」


 上空にジャッカル軍団に奪われていたウルトラベルを取り戻したウルトラマンキングが帰ってきた! 宇宙の平和を高らかに謡(うた)いあげて闇の力を一掃させる力を持ったウルトラベルの荘厳なる鐘の音(かねのね)が高らかに鳴り響く!


 アーマードダークネスの顔面部分だけが剥がれ落ちてメビウス・インフィニティーが正気を取り戻した!


 アーマードダークネスをまとったままのメビウス・インフィニティーは、映画『ウルトラマン物語(ストーリー)』(84年・松竹)でウルトラ5兄弟とウルトラ6重合体して「超(スーパー)ウルトラマン」と化したウルトラマンタロウがその両腕から放った超必殺技・コスモミラクル光線を一定のポーズの果てに発射する!


 コスモミラクル光線とジャッカル破壊光線の壮絶なるせめぎ合い! その果てに遂にコスモミラクル光線がジャッカル大魔王を降(くだ)した!


 そして、本作のドラマ面を背負っていたともいえるアウラが、聖剣・ウルティメイトブレードで父の仇であるジャッカル大魔王にトドメを刺した!


 オオッ! このシーソーバトルな攻守逆転を幾度か経てみせる、ラストバトルでの実にていねいなアクション描写と心情描写!
 最終決戦がワリとアッサリ決着がついてしまったり、ウルトラの星の軌道を司(つかさど)り、セブンが幼いころにウルトラの父がその引き金を引いたことで発射された光線が悪魔の星・デモス一等星を一撃で破壊したというカギ型の大型アイテム・ウルトラキーが、ストーリーの中盤で伏線のように扱われながらも忘却(汗)されてしまった、元祖『ザ・ウルトラマン』「ジャッカル大魔王」編のラストバトルなどよりも、これは勝(まさ)っているのではなかろうか!?



 メロスが残ったジャッカル軍団員たちを退治しようとしたそのとき……


メビウス「まってください。メロス支部隊長! 彼らにはもう戦う力は残っていません。見のがしてあげてください」


メロス「だまされるな、メビウス! かつての戦いで生きのこったジャッカル軍団に情(なさけ)をかけたばかりにこのありさまだ!! おなじ過ちをふたたびくり返すつもりか!!」


メビウス「……やさしさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、たがいに助けあい、どこの国の人びととも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気もちがなん百回裏切られようと。……エース兄さんが地球を去るときに子どもたちに残した言葉です。そうですよね、エース兄さん!!」


エース「ああ、その通りだメビウス


メビウス「ですから、彼ら軍団員にもチャンスを……」


ファイタス「兄貴だって無抵抗の者に手出しはできないんじゃないのか」


メロス「ちっ、余計なことを。……ええい、勝手にしろ!」


ファイタス「聞いたか! 地下にひそむジャッカル軍団! 今すぐ立ち去れ!!」


 降参して光の国を飛び去っていくジャッカルの軍団員たち……


 この敵軍団を全滅させないで撤退をうながすラストも、元祖「ジャッカル大魔王」編ラストと同じなのである。今回は敵への温情を示す立場を、本作の主人公であるウルトラマンメビウスに譲ることで、最後に彼を主人公らしく立ててもみせている。
 そして、彼のその温情の動機を、ウルトラマンエースが客演した『ウルトラマンメビウス』第44話『エースの願い』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070408/p1)でもエース本人が引用してみせた、往年の『ウルトラマンA(エース)』(72年)第52話(最終回)『明日(あす)のエースは君だ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070429/p1)のラストにおけるエースが地球の子供たちに送った最後の言葉である


「やさしさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助けあい、どこの国の人々とも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようと……」


 なる名セリフを引用してみせることで、メビウスがこの温情へと至った動機と、そして当のエースを、加えて歴代ウルトラシリーズが時折り内包していた高等テーマをここぞとばかりに引用して、作品の品位も最後に上げてみせるのだ!



ラストのキャプション「ジャッカル大魔王はやぶれ去った! 光の国が、かがやきを取りもどす日も近いだろう!!」




 いやはや、テレビシリーズ『ウルトラマンメビウス』で脚本家の赤星政尚と長谷川圭一が過去のウルトラシリーズからの流用ネタを散々やらかしたり、小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』(朱川湊人・光文社・09年12月25日発行・12月17日実売・ISBN:4334926924ISBN:4334766633)で披露した、作家の朱川湊人が実は結局はただのオタク・特撮マニアであったならではの(笑)、長年のウルサ型のマニアでも実に納得ができた、勝手なウラ設定や歴代シリーズの登場人物たちのその後の去就の数々に負けじ劣らずである。
 内山大先生の過去作品にとどまらず、70年代前半の学年誌やら70年代後半の各種書籍でひんぱんに披露されてきたウラ設定やら、メロスだのファイタスだのアウラだのヒカリだの、ウルトラベルだのウルティメイトブレードだのコスモミラクル光線だのメビウス・インフィニティーだのと、まさに良い意味での新旧「ごった煮」状態の作品であった。


 これらのネタの数々は大変失礼ながら、我々のように幼少時から子供時代どころか思春期・青年期に至っても、歴代ウルトラシリーズにどっぷりと浸かってきて、そのトリビアルなウラ設定をも熟知して血肉の域にまで達している特撮マニアたちとは異なり(汗)、青年期にウルトラ漫画を大量に描き下ろしてきたとはいえ、幼少時からウルトラシリーズを夢中で観てきたワケではない、今ではどうもゴルフに夢中のようであられる(爆)、終戦直後の1949(昭和24)年1月16日生まれであり、今や還暦をすぎてしまった、いわゆる「団塊の世代」でもある内山大先生のアイデアではないだろう(笑)。


 往年の学年誌に連載された『ザ・ウルトラマン』こと「ジャッカル大魔王」編などは、『小学三年生』側の担当編集者・八巻孝夫(やまき・たかお)氏が原作を担当していたという趣旨の発言が、つい最近に発売されたばかりの書籍『ウルトラコレクションボックス ザ・内山まもる』(小学館・10年10月1日発行・ASIN:B01CQLG9IC)の特典・特別復刻コミックス『ウルトラ戦士銀河大戦争』巻末の「内山まもる担当編集者に聞け!!」(「小学三年生」編集部(当時)八巻孝夫インタビュー)などでもなされている。このようなことは本作や内山大先生だけにかぎった話ではないのだろう。漫画にかぎらず小説やテレビ脚本などでも、実際には担当編集者やプロデューサーとの二人三脚でつくられていたというようなケースも多々あるのが実情ではあるのだ。
 本作の場合は名前こそ大々的には出てはいないものの、連載媒体である小学館の幼児誌『てれびくん』側の担当編集者でもあると思われる、同誌の別冊扱いとなっている歴代特撮作品の『超全集』シリーズなども編集されている間宮尚彦氏あたりが実質的な原作者なのではなかろうか? と推測するのだが……



「居村先生にウルトラマンシリーズのコミカライズをお願いする際、私はTV用脚本を簡略化したシノプシスを書いてお渡ししていました。大抵は脚本を作画家に渡し全てお任せすることが多いのですが、TVの脚本にはまんがになりにくい場面が少なくなく、アレンジを加えざるをえなかったのです。それが高じて『ウルトラ超伝説』の1年目(引用者註:『てれびくん』1981年5月号~86年3月号に長期連載されたウルトラ漫画)になると全編私のオリジナルということになります。しかし、もともとはウルトラファンの私です。そこここに見たことのある場面になっていることに気づいて、驚き呆れたこともしばしばでした」

(『ウルトラマン80 宇宙大戦争 /ザ★ウルトラマンウルトラセブン』(居村眞二ミリオン出版・04年11月16日発行・ISBN:4813020089http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110107/p1) 『アンヌへの憧憬で生まれた「三百年間の復讐」』・安井尚志)



 『てれびくん別冊② ウルトラセブン』(78年11月15日号・10月15日実売・ASIN:B0076GM1GC)で明かされた、上原正三が執筆された『セブン』の未映像化脚本「三百年間の復讐」を、編集者である安井ひさし居村眞二先生にお願いして『てれびくん』78年12月号の小冊子付録として長編コミカライズにしてしまったことと同様、この良い意味で極めてマニア上がり的なトリビアに満ち満ちた至れり尽くせりの作劇やディテールは、内山大先生自身によるものではなく、きっと「編集協力」としてクレジットされている間宮尚彦氏によるものではなかろうか?――あくまでも憶測です――。



 だから内山大先生は、ギャグ漫画家・赤塚不二夫が公言していたようにネーム(コマ割り)だけを描いてペン入れとかもアシスタントたちにやらせてラクをして、頭の中はゴルフのことでいっぱいだったのではなかろうか?――お歳のせいかもしれないが、描線がかつてとは微妙に劣るんだよなぁ。でも表紙やカラーイラストなどは往年の筆致に近いんだよなぁ…… オカシいよなぁ…… いや、大家(たいか)なのだからそれも許されます!・笑――


 本作の前年2007年度の『てれびくん』連載『ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え! ウルトラ兄弟』も同様なのである。その第7話で、怪獣軍団に苦戦するウルトラマンエースが南夕子と再合体を果たすことで(!)、エースバリヤーをも繰り出すことが可能となる! などというストーリー展開となっているのだ。
 このエースバリヤーが披露された『ウルトラマンA』第8話『太陽の命 エースの命』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060624/p1)では、メトロン星人Jr.(ジュニア)を球形のこの光学バリヤーに封印した際に、南夕子の方のエネルギーを使ってしまったことをふつうに記憶している、幼少時から再放送の度に毎回視聴してきて同話のことも何十回も鑑賞してきた我々や間宮先生ならばともかく、ここまでトリビアルなネタを内山大先生が覚えているワケがないとも思うからだ(笑)。



 もっとも本作『アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』は、内山大先生に描いてほしかったであろう、


・ジャッカル軍団ネタやメロスやファイタスの再登場
・ヒカリが発明した「命」の技術によってファイタスがすでに復活
・ファイタスが30年を経て遂に明かした素面の姿
・歴代ウルトラ戦士たちのマイナーな光線技や武器の描写


 といった、子供たちも喜ぶだろうけど、我々に対する「マニア転がし」な要素が実に充実していたというのに、作品の看板になっている肝心の「アーマードダークネス」をめぐって繰り広げられる攻防戦は、実は第2話でジャッカル軍団員が着用して以降、第10話でメビウスがまとうまでは全然置き去りだったりするのだが(笑)。
 新怪獣ガロウラーが「アーマードダークネス」の体内エネルギーによって生み出された怪獣であるという設定で、接点はかろうじて保たれてはいるけれど。



 「アーマードダークネス」という鎧つながりで、映像作品では鎧をまとうウルトラマンは、ウルトラシリーズ番外作品である平日帯(おび)番組であった『アンドロメロス』(83年)の主役ヒーロー・アンドロメロス(メロス支部隊長とは別人ですよ~・笑)やアンドロウルフにアンドロマルスやアンドロフロルを除けば、ウルトラマンヒカリまで待たねばならなかったのだが、それらをはるかに先行して1975年や78年に登場していた、鎧を装着する漫画オリジナルのウルトラ戦士であるメロスとファイタスを強引に引っ張り出してきて、この際だから「ジャッカル軍団」編の後日談的なストーリー展開にもしてしまおう! ついでに我々のような「大きなお友達」も少しでもゲットしよう! という目論見(もくろみ)はもちろんあったのだろう。


 しかし、このようなメロスやジャッカル大魔王の再登場といった目論見は、昭和ウルトラシリーズとも直結していた、その25年後の正統続編としても描かれていたテレビシリーズ『ウルトラマンメビウス』でも、実際に企画されていたことでもあったのだ!



「僕はボガール編(引用者註:『メビウス』初期10話分)のあと、ジャッカル大魔王復活編でメロスも来るよっていうのをやりたかったんですけど、十何話目でウルトラマン3人も出てこなくていいですと言われて(笑)」

(DVD『ウルトラマンメビウス』Vol.10(バンダイビジュアル・07年4月25日発売・ASIN:B000MTF2MU) 『メイキング・オブ・メビウスワールド Part2』・赤星政尚)



 そんないらんことを云うたヤツは島流しの刑に処せ! ……『メビウス』の円谷プロ側のプロデューサー・渋谷浩康あたりの発言だろうか? まぁ同氏こそが昭和ウルトラシリーズと直結する世界観に回帰させた最功労者ともいえるので、あまり責めたり犯人捜しをするのはやめておこう(笑)。


 そう、『メビウス』のメインライターであった赤星政尚は、ウルトラマンメビウスウルトラマンヒカリといった、同作に登場したふたりのウルトラマンに続いて、第3のウルトラマンとしてメロスを登場させようとしていたのだ!


 つまりは、今回論評した『ジャッカル軍団大逆襲!!』の発端ともなっている『ザ・ウルトラマン』こと「ジャッカル大魔王」編をも、ウルトラシリーズにおける正史としてしまおうとしていたのだ!――まぁ世代人であれば、あれは半ばの正史だと大勢が思っていたとは思うけど・笑――


 「ジャッカル大魔王」編を70年代前半の第2期ウルトラシリーズと1980年の第3期ウルトラシリーズの間に起きていたウルトラシリーズにおける歴史的な事実としてしまって、それをあたりまえの前提としている後日談として復活したジャッカル大魔王が地球に再襲来!
 それを追って、我らが宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部隊長であるウルトラ戦士・メロスも地球に再来訪!


 このような実に血が沸き肉も躍る、熱い展開を構想していたというのである!


 ……あぁ、なぜこれを実現してしまわなかったのであろうか? ここでジャッカル大魔王やメロスを映像作品で登場させてしまえば、漫画『ザ・ウルトラマン』こと「ジャッカル大魔王」編は完全にウルトラシリーズの正史として位置付けられて、第1期ウルトラシリーズ至上主義者たちはいざ知らず(汗)、ウルトラシリーズのマニアたちの大多数を熱狂と興奮のるつぼで包んでいたであろうというのに!!


 そして、「ジャッカル大魔王」編の単行本もついでに便乗で再販されることで、世代人ではない若年の特撮マニアたちにも啓蒙(けいもう)ができたことであろうに……


 ついでに、テレビのウルトラシリーズとはあからさまな矛盾や不整合が生じない、


・各作家先生方によるウルトラシリーズ各作のアンソロジー漫画
・かたおか徹次先生による連載漫画『ウルトラ兄弟物語』(78~79年・ASIN:B000J8GFFC
居村眞二先生による長期連載漫画『ウルトラ超伝説』(81~86年・ISBN:4886531067


 なども、昭和のウルトラシリーズの正史として組み込んで、年若い特撮マニアたちにも番外編ではなく正史として息長く語り伝えていこうではないか! というような好ましい機運も高まったのではなかろうか!?


 エッ? 『ウルトラマン80(エイティ)』(80)第1話『ウルトラマン先生』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090502/p1)で、『ウルトラマンレオ』放映終了から5年の放映ブランクを経たことを反映して、劇中でも「5年ぶりに怪獣が復活した」と云っているから、児童漫画誌コロコロコミック』79年1月号~10月号(4月号から隔月刊から月刊化)に連載されて、シリーズ中盤では地球も戦場となった『ウルトラ兄弟物語』は、この『80』第1話での描写と矛盾が生じるのでムリだって?
 ……いや、地球に出現した同作の宿敵集団・スペースサタンキングたちは、悪の宇宙人軍団であって怪獣ではないのだから、ぎりぎりセーフだ!(笑)


 エッ? 『ウルトラマンメビウス』第1話『運命の出逢い』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1)で、『80』最終回から25年ぶりに怪獣が復活したと云っていたから、『ウルトラ超伝説』を正史に組み込むのは矛盾が生じるのでムリだって?
 ……いや、あの作品の第1回も『80』最終回直後の事件だったのだから、これもぎりぎりセーフだ!(笑)


 今からでも遅くはない! 「ジャッカル大魔王」編も『ウルトラ兄弟物語』も『ウルトラ超伝説』も、ウルトラシリーズの正史に組み込んでしまって、90年前後に児童間で大ヒットしていた『ビックリマン』における天聖界と天魔界の数億年にわたる歴史年表に当時の子供たちが熱狂していたように、幼児はともかく児童たちのジャンク知識収集癖に強く訴えて、長期にわたって子供たちを空想世界で遊ばせるべきなのだと強く主張をしておきたい!



 本家『メビウス』では、序盤10話分が通称「ボガール編」、第11話『母の奇跡(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060910/p1)』~第17話『誓いのフォーメーション』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061001/p1)は「ウルトラマンヒカリ編」となっていた。このヒカリ編の中に位置する『メビウス』第16話に『宇宙の剣豪』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060928/p1)という回がある。本来はイベント・アトラク用に口が見えてMC(司会)もできるキャラクターとして生み出された宇宙剣豪ザムシャーを、メロスのような一匹狼のアウトロー的な人格を持ったキャラクターとしても描いて、赤星はウサを晴らしていた側面もあったのかもしれない……



 そのようなワケで、メロスが映像作品に登場する見込みは今のところはほとんどないだろう。メロスが大好きなオジサンもメロスを知らない若い特撮マニアたちも、今ならばまだ入手可能ですので、この『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』を収録した『てれびくんデラックス愛蔵版』を買っておいた方がいいですよ。


 ちなみに、前年2007年度の『戦え! ウルトラ兄弟』の方を収録した『てれびくんデラックス愛蔵版』(小学館・08年4月8日発行・ASIN:B01CG0VDJI)の方はオタク友だちに借りることで読めたのだけど、版元品切れのようで筆者は某通販サイトからの「入荷お知らせメール」を待っている次第です。後悔先に立たず……


2010.4.25.
(改稿)2010.11.10.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2010年GW号』(10年4月29日発行)~『仮面特攻隊2011年号』(10年12月30日発行)所収『コロコロコミック特別増刊号 ウルトラマン』評より抜粋)



編集者・後日付記:


 2020年度作品『ウルトラマンZ(ゼット)』(20年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200723/p1)と連動してネット配信されていた、ウルトラマンゼットが地球に来る前の前日談を描いたオーディオドラマ『ウルトラマンゼット&ゼロ ボイスドラマ』第23回『採用試験②』(脚本・足木淳一郎)では、サラッと「メロス支部隊長」や「アウラ支部隊長」といった語句が出てきている……。映像作品ではないとはいえ、さりげにメロスとアウラの存在がついに公認されてしまったゾ!(笑)


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ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス―ジャッカル軍団大逆襲!! (てれびくんデラックス 愛蔵版)
ウルトラマンメビウス外伝 超銀河大戦 戦え!ウルトラ兄弟 (てれびくんデラックス愛蔵版 てれびくん特別編集)
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