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ウルトラマンエース最終回「明日のエースは君だ!」 ~不評のシリーズ後半も実は含めた集大成!

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ウルトラマンエース』最終回「明日(あす)のエースは君だ!」 ~不評のシリーズ後半も実は含めた集大成!

(脚本・市川森一 監督・筧正典 特殊技術・高野宏一)
(文・久保達也)
(2006年11月脱稿)


 空を飛行する2機の宇宙船。一方がもう1機にレーザーを浴びせて追撃、それにレーザーで応酬していた宇宙船はやがて郊外の地上に墜落、炎上する。


ナレーション「正体不明の円盤同志の戦いに、TAC(タック)はただちに調査にむかった」


 撃墜された宇宙船の周囲を捜索する防衛組織・TACの面々。


山中隊員「隊長、誰もいません。死体もありません」
竜隊長「うーむ、無人の円盤だったのかな」


 北斗のガイガーカウンターのような探知機に反応が。


北斗隊員「隊長、反応があります!」


 反応があった地点へと、山道を進んでいくTACの隊員たち。


 頭でっかちで3本指の、全身が紫色の生物を3人の子供たちが取り囲んでいた。大きくてまん丸な目、開いた口からは3本しかない歯がのぞいている、どことなくあどけない表情の生物に、3人の子供が攻撃を加える。子供たちは皆、ウルトラ兄弟のお面をかぶっていた……


ウルトラマンウルトラマン、ウルトラキック!」


 そう叫ぶと、初代ウルトラマンのお面をかぶった子供は生物に飛び蹴りを喰らわせた!(汗)


ゾフィーゾフィー、M87(エム・はちじゅうなな)光線! ビビビビビ……」


 理科の実験で使用するテスターのような2本の棒を生物に突きつけ、電流攻撃を加えるゾフィー


ウルトラセブン「セブン、アイスラッガー!」


 市販の玩具のようなワリと精巧な造りもののアイスラッガーを、セブンが生物の顔面に向かって投げつける! 痛がる様子の生物……


山中「こらっ! やめろっ!」


 生物反応を追ってきたTACがその現場に出くわした。


ゾフィー「あっ、TACだ!」
ウルトラマン「そいつ、宇宙人だよ」
ウルトラセブン「円盤から逃げてきたから、追っかけてきたんだ、オレたち」
美川「まだ子供だわ、この宇宙人」
今野「泣いてるじゃないか」
竜「とりあえず、基地まで連れて帰ろう」
今野「さぁ、おいで」


 今野が生物に暖かく手を差しのべると、まるで親に甘えるかのような仕草を見せる宇宙人の子供。TACが宇宙人を保護するのがよほど意外だったのか、ウルトラマンが北斗にたずねる。


ウルトラマン「ねえ、そいつ死刑にするの?」
北斗「どうして?」
ウルトラマン「だって、宇宙人なんだろ?」
北斗「宇宙人ならみんな死刑にしていいと思っているのか? そのお面はなんだ!」
ゾフィー「オレ、ゾフィー!」
ウルトラマンウルトラマン!」
ウルトラセブンウルトラセブン!」
ウルトラ3兄弟「ウルトラ兄弟で~す!」
北斗「ウルトラ兄弟は、弱いものいじめはしない! 何もしない宇宙人の子を、ワケもなくいじめたりはしない!」


 ウルトラ兄弟のお面を取る3人の子供たち。さっきまでの威勢はどこへやら、北斗に一喝され、皆一様にしょんぼりとした表情である。


北斗「ウルトラ兄弟は、ゾフィーも、マンもセブンも、弱いものの味方なんだ!」


 ウルトラマンのお面をした少年の行為というシチュエーションで、『ウルトラ』シリーズファンは思い出さないだろうか? そう、本作『ウルトラマンA(エース)』第3クールのダン少年編中の一編である第33話『あの気球船を撃て!』(脚本・石堂淑朗http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061218/p1)に登場したウルトラマンエースのお面を付けた子役・だいすけの描写だ。
 お面を付けてエースを気取っていただいすけが気球船に乗りこもうとして女の子を転倒させた際に、第3クールのレギュラーキャラであり「ウルトラ6番目の弟」とも称されていたダン少年が、「チェッ、女の子を泣かせておいて助けようともしないくせに、なにがウルトラマンエースだ!」などと非難する場面があるのだ。おそらくこのウルトラ3兄弟のお面をつけた少年の行為はこのエピソードから引用されたものでもあるのだろう。


 そう。正義はたしかにあるハズなのだが、それを勘違いしたり誤用してしまうと、ガキ大将タイプの子供たちがよくやっていたように、自身は正義のヒーローを演じるも腕力・体力・気力に劣る子供たちを敵怪獣や敵怪人に見立てて、いじめに走ってしまうような残念な事態を、読者諸兄も子供時代にさんざんに見てきたことであろう(汗)。


 子供たちのいじめから保護した宇宙人の子供を、山中が運転するTACの特殊車両・TACパンサーで連れ帰っていく竜隊長と北斗。そして、それを今野・吉村・美川が乗るジープが追走していく……


 第6話『変身超獣の謎を追え!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060611/p1)にて言及された、その速さは光速に迫り4次元世界も覗ける可能性があるという新型ロケットエンジン。その延長線上にあるメカニックだとも想定ができる第14話『銀河に散った5つの星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)にて登場した超光速ミサイルNo.7(ナンバーセブン)といった、空想科学・近未来的な兵器を描いた一方で、


●第17話『怪談 ほたるケ原の鬼女(きじょ)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060904/p1)では、「TAC・V7(ブイセブン)ミサイル」をTAC霞峠(かすみ・とうげ)工場から大型コンテナトラックで輸送して、その前後をTACパンサーやジープで警備
●第39話『セブンの命! エースの命!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070129/p1)では、火炎超獣ファイヤーモンスを粉砕した2連装式ビーム兵器「シルバーシャーク」はジープの荷台に搭載
●第25話『ピラミットは超獣の巣』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061021/p1)では、セリフのみだが「V7」の後継である「V9ミサイル」に言及
●第44話『節分怪談! 光る豆』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070304/p1)には、「シルバーシャーク」の後継だろう新ビーム兵器「ゴールデンホーク」が登場


 などといった超兵器のみならず、それらを輸送する現有兵器的な軍用車両などについても描かれてきた本作『A』。この軍用チックなジープの登場で、『A』における地に足がついた現有兵器的なミリタリー描写も、この最終回では踏襲されているのだ。


北斗「見たところ、サイモン星人の子供のようですね」
竜「サイモン星人といえば、かつてヤプールに侵略され、宇宙を追放された遊牧星人だ」
北斗「すると、宇宙の迷い子か……」


 特撮マニア諸氏が絶賛する市川森一(いちかわ・しんいち)脚本回ではあるが、ナゼに地球人がそんな宇宙の事情を知っているのだというツッコミができる粗(あら)はやはりある。しかし、今まで作品内では描かれてこなかった事象――宇宙規模でのヤプール人による各惑星への侵略の事実をTACも難民宇宙人への聴取などで把握――もあったのだと好意的な深読みをしてあげよう。多分、天下の市川先生もそこまで深くは考えずにテキトーで唐突な新設定を思いついて執筆されたのだろうとは思うけど……(笑)


 と、そのとき、サイモンの頭上にある一本ヅノの赤いランプが危険信号のように点滅をはじめた!


山中「どうしたんだろ?」
竜「なにかにおびえているようだな」


 ただならぬ様子にパンサーとジープを停車させるTAC。しかし、不穏な様子に理由はあった。青い大空に白い幾多の亡霊が浮遊しているのを一同は目撃する!


吉村「おっ、隊長、あれを!」
竜「これはただごとではないぞ!」


ヤプールの声「地球の空をさまよう超獣の亡霊たちよ! エースの手で空に散った幾多の超獣の怨霊よ! ここに集まれ!」


 先ほどまでウルトラ兄弟を気取っていた子供たちも、このただごとではない事態を目撃した!


子供A「ユニタングだ!」
子供B「あっ、マザリュースだ!」
タケシ「カウラだ!」


●第11話『超獣は10人の女?』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060731/p1)に登場した、くの一超獣ユニタング
●第24話『見よ! 真夜中の大変身』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061015/p1)に登場した、地獄超獣マザリュースとマグマ超人マザロン人
●第16話『怪談・牛神男(うしがみおとこ)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060903/p1)に登場した、牛神超獣カウラ


 数体の超獣の半透明な亡霊が空中を舞い、やがてそれは異次元超人・巨大ヤプールの亡霊と合体する!


 われわれのようなメンドくさいマニアでは決してない当時の作り手たちがマニアックに意識してこれら超獣をセレクトしたということは多分ないのだろう。しかし偶然とはいえ、


●女ヤプール人10人が合体した超獣ユニタング
●一度は滅びたヤプール人の一個人のリベンジ・怨念色が強いヤプール老人が変身した姿であるマザロン人
●そのマザロン人が誕生に介在した超獣マザリュース
●雲水(うんすい=修行僧)の姿を借りたヤプール人が媒介していた超獣カウラ


 いずれも、第23話『逆転! ゾフィ只今参上』(脚本・真船禎・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061012/p1)において、全ヤプール人が合体して巨大ヤプールが誕生する以前の、ヤプール個々人にも直接に因縁の深い超獣たちだとの深読み的解釈もできるセレクトでもあるのだ――もちろん当時のスタッフたちはそこまで深く考えてセレクトしてはいなかったというのが事の真相だろうが(笑)――。


ヤプール「いま一度、生き返るのだ! いま出(い)でよ! ジャンボキング!」


 空中を浮遊していた超獣たちの亡霊が合体を遂げて、地上で最強超獣ジャンボキングとして巨大な姿を現した!


●カウラが牛としての本来の姿に戻ったかのような四つ足のスタイル!――ベースは同じく四つ足の変身超獣ブロッケンなのかもしれない――
●ユニタングのハサミ状の腕!
●マザリュースやマザロン人の突起状の装飾!


 それらを併せ持った最強の生物兵器の誕生である!


 進撃を開始したジャンボキングは口から火炎ミサイルを連射し、TAC隊員たちの周囲が炎に包まれる!


 隊員たちはタックガンで総攻撃を加えるが、圧倒的な火炎の量にまるで歯が立たず、TACの専用車・タックパンサーも爆発炎上してしまう!


 崖っぷちに追いつめられる隊員たち!


山中「隊長、とても応戦できません!」
美川「このままでは全滅してしまいます!」
竜「よし! 全員、基地へ待避!」


 一方、ひとりサイモンを守ってジャンボキングから逃れた北斗は、先ほどの子供たちに出くわした。


北斗「君たち、早く逃げないと危ないぞ!」
タケシ「オレたちの基地へ案内するよ」
北斗「君たちの基地へ?」


 北斗が案内された場所の明かりが灯ると、そこには防衛組織の基地内の作戦室の雰囲気が再現されて、どこから持ってきたのか各種機器類が並んでおり、ブリキ玩具のロボットや『帰ってきたウルトラマン』(71年)に登場する防衛組織・MAT(マット)の隊員人形などが飾られていた。


子供A「ここがオレたちの作戦室なんだ」
北斗「ほぉ~、無線機まであるのか」
子供B「ケガ、治してやるよ」


 救急箱を用意する子供B。


北斗「なんでも揃ってるんだなぁ」
子供B「オレんち医者だからね。どれ、足出してごらん」


 子供Bが北斗の足を治療している間に、あとのふたりの子供たちがサイモン星人の子供に和解を求める。


タケシ「さっきは悪かったな。謝るよ」


 タケシは先ほどまでいじめていたサイモン星人の子供に握手を求めた。地球人と宇宙人の子供の固い握手……


北斗「そうでなくっちゃ。彼、サイモンっていうんだ」
子供A「サイモン、よろしく!」
タケシ「仲良くしような!」


 タケシはサイモンも左腕を負傷していることに気がついた。


タケシ「おい、サイモンもケガしてるぞ!」
子供B「治してやるよ、おいで」


 だが、サイモンは治療を嫌がる素振りを見せる。


タケシ「痛くないから!」


 そのとき、基地の無線機のスピーカーから、ヤプールの脅迫の声が響いた!


ヤプール「サイモンを引き渡せ! 私はサイモンを追ってきたのだ! 地球人に用はない! もし地球人がサイモンをかばうならば、地球人も私の敵だ! サイモンを出せ! サイモンを私に渡せ! さもないとこの街を破壊して皆殺しにしてやるぞ!!」


子供A「街を壊されたら困るな」
子供B「街には友達もいるし」
子供A「パパやママだっているしなぁ」
子供B「どうする、タケシ?」


 意を決したタケシが北斗に近寄る。


タケシ「ウルトラ兄弟は、弱いものの味方だと云ったね」


 黙ってそれに力強くうなづく北斗。


タケシ「オレはゾフィーだ! サイモンはオレが守るよ! おまえたちはウチへ帰っていいよ」
子供A「オレだってウルトラマンだぞ!」
子供B「オレはセブンだ!」
タケシ「サイモンは渡すものか!」
北斗「よく云った! その気持ちがあれば、君たちは立派にウルトラの兄弟だ! 超獣はオレに任せとけ! 君たちはここでサイモンを守るんだ!」


 「君たちは立派にウルトラの兄弟だ!」。これは、暗に『A』第3クール~第4クール初頭まで登場していたレギュラー子役・梅津ダン少年がその精神性において「ウルトラ6番目の弟」だと自称や呼称をされてきたことの、その対象となる少年の範囲を拡張しての踏襲でもあるのだ。


 しかし、サイモン星人を守ってみせることで、異次元人ヤプールと地球人との全面戦争にはなってしまう…… それでは絶対平和主義・戦争放棄の立場に立って、弱者であるサイモン星人は見殺しにしてしまってもよいのか!? 単純には割り切ることができないムズカしい問題ではあるのだ(汗)。


 ジャンボキング打倒のために基地を出ていこうとする北斗の足を、サイモンがツノのランプから赤いレーザーを発して攻撃した!?


北斗「サイモン、おまえどうしてオレの足を?」
子供A「サイモンは行かせたくないんだ。心配してるんだよ。なぁ、サイモン」


 赤ん坊のような声でうなずくサイモン。


北斗「サイモン……」


 富士山麓にあるTAC基地のゲートが開き、TACの大型母艦戦闘機・タックファルコンが、主力の小型戦闘機・タックアロー2機が、ジャンボキング攻撃のために発進する!


 『ウルトラセブン』(67年)第30話『栄光は誰れのために』において、同作の防衛組織・ウルトラ警備隊の地底戦車・マグマライザーを中心にして行われた野戦訓練の場面に使用された進撃マーチ風のBGMの流用が決死の出撃に華を添える!


 高層マンションを粉々に破壊して、鼻先からの火炎攻撃で周囲を焼き尽くし、巨大な足で民家を踏み潰すなど、徹底的に猛威を奮うジャンボキングに対して、『タックの歌』のワンダバ入りインストゥルメンタルをバックに、タックファルコンとタックアローが攻撃を加える!


竜「攻撃開始! 突撃せよ!」


 特撮スタッフの操演の腕も光っている、華麗に宙を舞ってジャンボキングを攻撃するファルコンとアローだが、まるでびくともせずに進撃を続けるジャンボキング!


山中「2号機よりファルコンへ。熱光線では効き目がありません! 『アロー空対空ミサイル』を発射しましょう!」
竜「下は街だ。これ以上の強化作戦はできん。まず超獣を他の場所へ移動させるんだ。『投げ網作戦』用意!」
山中「了解!」


 「アロー空対空ミサイル」! このミサイルは使用はされなかったものの、「空対空ミサイル」という現有兵器のようなリアリスティックな兵器名がまたカッコいい!


 ただやみくもに攻撃を加えるばかりではなく、状況や超獣の特性からの的確な判断によって下される作戦命令。これこそが、次作『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)に登場する、一見コミカルがらも実はウルトラシリーズ史上最大の対怪獣作戦数を誇る防衛組織・ZAT(ザット)にも受け継がれていくミリタリー的リアリズムというものでもある。しかし、「空対空ミサイル」につづくその名称が「投げ網作戦」という即物的な作戦名称が、どことなく『タロウ』のZATの作戦名っぽくもあるのだが。結果論だが、「投げ網作戦」のような即物的な物理作戦が次作『タロウ』に登場するZATの各種作戦にも継承されていったのだと、世界観設定的にはコジツケもしてみたいのだ(笑)。


 タックファルコンの機体下部から落下した大きな網がジャンボキングをからめ取る!


 タックアロー2機がワイヤーで網ごとジャンボキングを輸送しようとする!


 しかし、あまりの重量に耐えきれずにワイヤーが切れる!


 吹っ飛ばされたタックアローは次々に墜落していく!


山中「脱出!!」


 それをあざ笑うかのように、ヤプールの脅迫の声が街中にこだまする!


ヤプール「今日は街の半分を破壊した。あとの半分は明日までとっておいてやろう。明日の朝、8時までにサイモンを渡すのだ!」


 姿を消すジャンボキング。半分が廃墟と化した街……


 それを見ていたたまれなくなったのか、サイモンが子供たちの基地から外に飛び出そうとする。


北斗「サイモン、どこへ行くんだ」
子供B「こいつ、自分からつかまりに行こうとしているんだ」
タケシ「行っちゃダメだ!」
子供A「でも、明日になったらまたあいつが街を破壊しに来るぜ」
タケシ「地球には、エースがいる!」


 一瞬ギョッとしてタケシを見つめる、その正体はウルトラマンエースでもある北斗隊員。


タケシ「エースが来てくれるまで、オレたちがサイモンを守るんだ!」
子供B「そうだ! オレたちだってウルトラの兄弟なんだ!」
子供A「ようし、みんなで力を合わせて、サイモンを守ろう!」
北斗「よし、僕はTACに帰らなければならない。ここは君たちに任せたぞ!」


 「大丈夫!」「任しとけ!」「心配すんな!」などの子供たちの声に頼もしさを感じつつ、北斗はTAC本部に帰還する――まぁリアルに考えたら、異次元人ヤプールにねらわれているサイモン星人を子供たちのバラックな秘密基地に残していくのはオカシいのだけど、そこは大目に見よう(笑)――。



 TAC基地内の作戦室。超獣ジャンボキングを各ブロック別に分けた側面図を映したモニターを前にして、解説を加えだす竜隊長。


竜「このようにジャンボキングは、これまでわれわれが戦ってきた色々な超獣たちの最も強い部分を結集して再生されている、超獣の王とでもいうべき最強の超獣だ!」
今野「一度死んだはずの超獣が、どうしてこんなかたちで生まれ変わってきたんでしょうか?」
竜「死んだとはいっても、地上でバラバラにされた超獣の分子は大気を浮遊しているんだ。ヤプールはその分子を一気に集中させたんだ!」


 ヤプールは異次元人なのだから、死んだ超獣を再生させるような人智を超える超能力くらいは持っているのだ程度で済ませてもよさそうなものを、「分子」という実在の物質単位の用語を使用して、一応の疑似科学・疑似SF的な味付けをして説得力を少しでも高めようとするセンスもまたカッコいい。


美川「そのヤプールはどこにいるんでしょうか? ジャンボキングを操っている、そのヤプールは?」
竜「残念ながら、わからん」
山中「隊長、ここは一応、ヤツの要求どおり、サイモンを渡して様子を見たらどうです」
北斗「待って下さい! そんなことをしたら、あの少年たちの気持ちを踏みにじってしまうことになります!」
山中「いいか、ジャンボキングを倒す手がないとすれば、街を守る方法はほかにないじゃないか?」
北斗「家や街は、また建て直すこともできます。しかしあの少年たちの気持ちは、一度踏みにじったら、簡単には元に戻りません! 彼らはウルトラ兄弟のように勇敢で、やさしい気持ちを持とうとしています! その気持ちだけは、大切にしてやりたいと思います!」


 街を守ろうとする山中。子供たちの気持ちを守ろうとする北斗。どちらの発言にも極めて理が感じられる、まっとうな意見ではあるのだ。


 そして、子供の心をも守ろうとするシーケンスは、第3クールのダン少年編である第34話『海の虹に超獣が踊る』(脚本・長坂秀佳http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061223/p1)における竜隊長の「子供が生きる力を失おうとしているのだとしたら、それは超獣以上の脅威だ」というセリフや、第35話『ゾフィからの贈りもの』(脚本・久保田圭司・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061231/p1)におけるウルトラ兄弟の長男・ゾフィーの忠告「弟よ、よく聞け。おまえは過ちを犯したのだ。信じるべきものを信じず、少年の心を深く傷付けてしまったのだ。おまえは償(つぐな)わなければならない」に象徴される同系テーマの踏襲でもあったのだ!


 安直な二者択一にも陥(おちい)らずに、山中と北斗双方の意見を尊重・採用した上で、竜隊長はついにある決断を下す!


竜「明日、試してみよう!」
今野「試すって、何をです?」
竜「細胞分解ミサイルだ!」
吉村「しかし、あれはまだ試作の段階では!?」
竜「やるだけのことはやってみよう。街も、子供たちの心も、破壊させてはならん!」
北斗「隊長!(喜悦)」


 細胞分解ミサイルは、前後編の第26話『全滅! ウルトラ5兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061030/p1)に登場したTACの新兵器・細胞破壊ミサイル、第27話『奇跡! ウルトラの父』(共に脚本・田口成光 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)に登場したその改良版であるヒッポリトドームを破壊する戦果をあげた細胞破壊銃のシリーズの後継発展型であろう!


 北斗が子供たちの気持ちを尊重するように、竜隊長は北斗と山中双方に理がある意見を同時に採用した。


 第30話『きみにも見えるウルトラの星』(脚本・田口成光 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061125/p1)においても、独断で封鎖地域の一角に急患の救急車を通してしまった北斗の行為に対して――しかも、結果的に救急車は超獣に襲撃されて患者(母親)と娘と救急隊員は死亡!(爆)――、例によって山中隊員が北斗を激しく責め立て、美川隊員は「山中隊員だって、もしあの現場にいたら北斗隊員と同じように……」と必死で北斗をかばい、竜隊長は「仮にもし自分がその現場にいたら……」と仮定させて隊員たちにどうしたかを聞き、今野隊員は深く悩んだ揚げ句に何も答えず、吉村隊員は「ぼくもあの現場にいたら北斗隊員と同じようにしたと思います!」と力強く答えて、竜隊長は「非常に難しい判断だったわけだ」と結論づけていた。
 同じ過ちを二度と繰り返すなと北斗を諭(さと)してみせたように、それぞれに一理がある選択に賛否・是々非々で判断がつけにくい事象に対する複数の見解を吸い上げてみせて、街と子供の心の両方を守ろうと采配を下してみせる! いつもながらの極めて理想的で公平な竜隊長の上司像を描いた一連も、これは第30話のシークエンスのリフレインに思えるのだ。


 満天に輝く星々を見上げて、決意を固める北斗。


北斗「明日はエースになろう。明日こそは、どんなことがあっても……」


 そのとき、星空の中にオーロラが輝いて、かつてともにウルトラマンエースに合体変身していて、第28話『さようなら夕子よ、月の妹よ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061111/p1)でその正体が地球の衛星・月の住民であることが判明して、月星人(げつせいじん)の仲間たちが待つ天王星へと帰っていった盟友・南夕子の姿が現れたのだ! 「月の妹」となったことを象徴するかのような、純白のロングドレスを身にまとって……


夕子「星司さん、もしあなたがウルトラマンエースだということを誰かに知られたら、あなたは二度と人間の姿に戻れないのよ」
北斗「知っている。しかし、どうして今、オレにそれを云うんだ…… 夕子!」


 夕子は何も答えてくれず、オーロラの中に消えていく……


 翌朝、細胞分解ミサイルの発射準備に取りかかるTAC隊員たち。


竜「北斗、おまえはサイモンと子供たちのところに行ってやれ」
北斗「ハイっ!」


 北斗が子供たちの秘密基地に駆けこむと、顔の広い3人のゲスト少年たちの人脈なのであろう、白いヘルメットをかぶり玩具の機関銃やバットを手にした数十人の男の子たちが気勢をあげていた! 70年代初頭という時代から、どうしても学生運動や左翼過激派の学生を連想してしまうが(笑)。
 ちなみに学生運動で大学が封鎖されてしまい、大人社会・学生運動その双方(!)にも懐疑の眼を向けてドロップアウトしている休学中の学生・篠田一郎と北斗の交流を描いていた作品が、第20話『青春の星 ふたりの星』(脚本・田口成光 http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061008/p1)でもあった。


タケシ「みんなもサイモンを守るんだってさ!」


 「みんなでサイモンを守るんだ!」などと口々に叫ぶ子供たちを頼もしく思う北斗だったが、腕時計が8時になった途端、赤く点滅を始めたサイモンのツノに疑念を抱く……


北斗「あの点滅はなんだろう? 何かを発信しているようだが……」


竜「発射用意!」
吉村「ハイ!」
竜「発射!!」


 ついに発射される細胞分解ミサイル!――映像で見るかぎり、ミサイルというより完全にレーザー光線なのだが、本編班と特撮班の連絡がうまくいっていなかったのだろう(汗)――


吉村「命中だ!!」


 だが、ジャンボキングはバラバラになるどころか、目から発した波状光線でミサイルの発射台を粉砕!


 口からのミサイル連射で、TAC隊員たちを火の海に包みこんだ!


 雑居ビルを破壊して進撃を開始するジャンボキング!


 信号機・街灯・電話ボックス・ポスト。果ては「立入禁止」の看板という細部に至るまで、緻密につくられたミニチュアセットが、圧倒的な火炎の量で焼き尽くされていく!


子供A「大変だぁ~! 超獣がこっちに向かってくるぞ!」
北斗「危ない! みんな逃げろ! 逃げるんだ!!」


 ジャンボキングがすぐそばまで迫り、危険を感じた北斗は子供たちとサイモンを避難させる。


 サイモンを守って逃げる北斗を、ジャンボキングの口ミサイルが襲って、周囲は火の海に包まれる!


 そこからジャンプして逃れるサイモン。


 続いて北斗も脱出し、「大丈夫か?」とサイモンを気遣うが、そのときサイモンは驚くべき言葉を口にする!


サイモン「北斗星司よ、私の声に聞き覚えはないか?」
北斗「……ヤプール!?」
サイモン「そのとおり、ジャンボキングを操っているのはこの私だ! まんまと罠にかかったな。早くみんなの前でエースになってやったらどうだ? 北斗星司、いや、ウルトラマンエースよ!!」


 思わずTAC隊員の専用拳銃・タックガンを構える北斗だったが、異変に気づいた3人のウルトラ兄弟の少年たちが北斗を制止する。


タケシ「なにをするんだ!?」
北斗「どくんだ!」
サイモン「フフフ…… みんなの前で私を撃つがいい。誰も私がヤプールだとは信じていないぞ。私を撃てばおまえは子供たちの信頼を裏切ることになるぞ!」


 背後にいるウルトラ3兄弟の少年の視線を感じて、どうすることもできない北斗。


北斗「クソっ!」
サイモン「人間の子供からやさしさを奪い、ウルトラマンエースを地上から抹殺することが、私の目的だったのだ!」


 意を決した北斗のタックガンの銃口がついに火を吹いた!!


 崩れるように絶命するサイモンを介抱しようとするも、そのサイモン星人の最期(さいご)を見届けたウルトラ3兄弟の少年たちが北斗を取り囲む!


子供A「なぜサイモンを殺したんだ!?」
子供B「サイモンを守れと云ったくせに、なぜ殺したんだ!?」
タケシ「こいつは超獣が怖(こわ)くてサイモンを殺したんだ!」
北斗「違う! こいつはヤプールだったんだ!」
タケシ「ウソだ! 信じるもんか!」
子供A「どうしてサイモンがヤプールなんだ! 証拠を見せろ!」
北斗「テレパシーだ。テレパシーでこいつがそう云った」
タケシ「デタラメ云うな! 人間のくせになぜテレパシーがあるんだ!」
子供A「テレパシーがあるのは、ウルトラ兄弟だけだ!」


 北斗にとって、いや子供たちにとっても絶体絶命の危機に、北斗は昨晩の夕子の警告を回想する……


夕子「星司さん、もしあなたがウルトラマンエースであることを誰かに知られたら、あなたは二度と人間の姿に戻れないのよ」


タケシ「もう、やさしさなんか信じないぞ!」
子供A「TACは超獣を倒せないもんだから、サイモンを殺したんだ!」
子供B「オレたちだって、もうおまえの云うことなんか聞くもんか!」


 激しい憎悪の形相で北斗をにらみつける子供たちを救うために、北斗はついに真実の告白をする決意を固めた!


北斗「僕がヤツのテレパシーをわかったのは…… それは僕が…… ウルトラマンエースだからだ!」


 子供たちの間に、稲妻のような衝撃が走った!


タケシ「……ウソだ……」


 そのとき竜隊長以下、TACの隊員たちもその場にやってきた。


北斗「ウソじゃない! 見ていてくれ! これがウルトラマンエース、最後の戦いだ!」


 別離の捨てゼリフを残した北斗は、子供たちやTAC隊員たちが見守る中で、ジャンボキングに向かってひた走る!


 「とりゃーっ!」と空中高くジャンプ!


 腕をクロスさせた北斗は宙で回転し、やがてそれはウルトラマンエースの勇姿となった!


 そして光の中から回転しながら巨大化していく、お馴染みの変身パターンへと続いていく!


 バックにはエースの優勢の戦いを描写する定番曲が颯爽と流れて、最後の決戦へと向かうエースを華麗にカッコよく演出する!


 北斗隊員が人間からまったく別の超人へと変身を遂げたことを強調するためにか、巨大感を演出するためにアオリで撮られたエース。


 そして、エースはその心情を吐露する。しかし、その声はまぎれもなく北斗のものであった!


 北斗を演じる高峰圭二がエースの声を当てたのはこれが初である。これまで大ベテラン声優・納谷悟朗をメインにまれに他の声優の声で演じられてきたエースの声を、この段になって高峰自身に演じさせることが、次のセリフを実に効果的に響かせることになった。


――第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060604/p1)をはじめ、第6話『変身超獣の謎を追え!』における「ウルトラギロチン!」や、第10話『決戦! エース対郷秀樹』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060709/p1)における「ウルトラナイフ!」などの掛け声は、納谷の声ではないと思われる――


エース(北斗)「彼らに真実を伝えるには、こうするしか仕方がなかった……
 さようなら、地球よ……
 さようなら、TACの仲間たち……
 さようなら、北斗星司……」


 「さようなら、北斗星司……」。このセリフは、子供たちの心を守るために、北斗自身が北斗としての人生を、人間としての人生を捨て去って、ウルトラマンとして生きることを決断したことを意味するのだ(汗)。


 エースの正体が北斗だったことを知って、エースの勇姿を感慨深く見つめる竜隊長……


 通常は戦闘シーンの後半に流れるのだが、いきなりエースのピンチを描写する定番曲が流れだす!


 ジャンボキングは口からミサイルを連続発射!


 大地が炎に包まれる!


 辛くもよけたエースは宙を華麗にジャンプ!


 ジャンボキングの頭部に跳び蹴りを喰らわす!


 しかし、ジャンボキングは今度は目から波状光線でエースの足元をねらう!


 これをかわしたエースは再び宙をジャンプして、ジャンボキングに馬乗りになる!


 しかし、降り落とされてしまい、ジャンボキングの怪力に突き飛ばされてビルを破壊してしまう!



 再度、宙にジャンプしたエースはジャンボキングにまたも馬乗りになる!


 そして、後足部の上方部にあるもうひとつの頭にパンチの嵐を浴びせる!


 しかし、ギロチンのような形をした触角からの黄色い金縛り光線にからめ取られる!


 エースは大地に降り落とされた末に、超重量級の巨体を支える足に踏みつけられてしまう!


 周囲が夕焼けに染まる中で、ウルトラマンの活動エネルギーの限界が迫ったことを示す、胸の中央にあるカラータイマーが赤く点滅を始める!


 エースに駆け寄る子供たちとTACの仲間たち!


タケシ「エース! がんばれ~っ!!」


子供たち「エース! エース!!」


 その声援に応援されてか、エースは形勢逆転!


 ジャンボキングの重量級の足から逃れたエース!


 エースは両腕を左後方に大きく振りかぶって、全エネルギーを蓄積させて、両腕をL字型に組んで必殺のメタリウム光線を放った!


 戦意をくじかれたジャンボキング!


 エースはさらに両腕を宙に高々とかざして、その両端から発する光のエネルギーをギロチン状に変化させて、トドメのギロチンショットを放った!


 首が吹っ飛んでジャンボキングの巨体は、大地にドド~~ッッッと倒れ伏した!


 いつもの超獣であれば、いつもの必殺ワザであるメタリウム光線で倒してしまってもよいのだろう。しかし、最終回に登場するような強敵怪獣に対しても、いつもの必殺ワザで倒せてしまえては、それではその強敵怪獣は通常回に登場する怪獣と同じ程度の強さしかなかったことになってしまう(汗)。やはり、強敵怪獣相手であれば、いつもの必殺ワザではダメージを与えることはできたとしてもトドメを刺すことはできなかった! そこで奥の手の必殺ワザで敵を倒してみせるようなアクション演出を施されることで、強敵怪獣の具体的な強さを! そして、それをも辛うじて上回れたヒーローの強さをも描けるのだ!


――その伝で、第23話『逆転ゾフィ! 只今参上』でシリーズ前半のラスボス・巨大ヤプールがいつものエースのメタリウム光線で倒されてしまう描写はダメだろう。第27話『奇跡! ウルトラの父』で地獄星人ヒッポリト星人がいつものエースのメタリウム光線で倒されてしまう描写もダメだろう。やはり、第23話であれば同話で一時的にであれ助成してくれたウルトラ兄弟の長男・ゾフィーも加勢して、ようやっと巨大ヤプールを倒してみせる! 第27話でもウルトラ5兄弟が全員揃っているのだから、第14話で披露したウルトラ5兄弟の合体光線・スペースQをここぞとばかりに披露してくれないと、巨大ヤプールやヒッポリト星人の強敵描写も貫徹できなかったことになるのだ――



 第5話『大蟻超獣対ウルトラ兄弟』ラストでのエースとゾフィーの別れや、第28話『さようなら夕子よ、月の妹よ』で星司と夕子の別れを演出した、放映終了20年後にアニソン(アニメソング)歌手・水木一郎アニキによって歌入れがされるまでは幻の挿入歌であった『ゾフィのバラード』のインストゥルメンタルが流れはじめて、地球の子供たちとエースとの別れが感慨深く描かれる。


 ジャンボキングに勝利したエースを笑顔で見つめる子供たちに、エースが最後のメッセージを伝える!


エース「やさしさを失わないでくれ。
 弱いものをいたわり、互いに助け合い、
 どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。
 たとえその気持ちが何百回裏切られようと。
 それが私の、最後の願いだ……」


 この場面でのエースの声は、北斗がもうエースに吸収・同化されてしまったかのように(汗)、本来のエース本人の声を務めていた納谷悟朗が荘厳なるボイスを担当している。


 子供たちのやさしさを守るための戦いに勝利したエースは、天を仰いではるか彼方のウルトラの星へと飛び去っていく……


タケシ「エース!!」


 主題歌のイントロが流れだす!


 口々に「エース!!」と叫び続けながらあとを追い、手を振ってエースを見送る子供たち。


 燃えるような夕焼け空の中、やがてエースはウルトラの星のような輝きを見せる光点となり、彼方へと消えていった……


竜「北斗……」


 そこに、竜隊長・山中隊員・今野隊員・吉村隊員・美川隊員、そして南夕子、北斗隊員などの主要キャストのクレジットが入った、本作第1話からの各隊員の名場面もエンディングタイトル風に挿入されていく。当時のウルトラシリーズや特撮ヒーロー作品では異例な、最終回のエンディングにオープニング主題歌『ウルトラマンエース』を流して、そこにシリーズを回顧するような映像も流すことで、視聴者たちに余韻も与えていくのだ。


 イメージ映像として、地球を去る直前とおぼしきタイミングの夕焼け空に照らされた勇姿を再び視聴者の前に見せるわれらのエース。続いて視聴者にその視線を向けて、「おわり」の字幕も出ることで、『エース』という作品は寂しくもあるが勇ましくも幕を閉じていく……




●初代『ウルトラマン』(66年)第39話(最終回)『さらばウルトラマン』において、科学特捜隊日本支部を破壊し、ウルトラマンをも倒してしまった宇宙恐竜ゼットン
●『ウルトラセブン』(67年)第49話(最終回)『史上最大の侵略(後編)』において、世界各都市に地底ミサイルを放ち、30億全人類の皆殺しを図ろうと画策した幽霊怪人ゴース星人
●『帰ってきたウルトラマン』(71年)第51話(最終回)『ウルトラ5つの誓い』において、ゾフィー初代ウルトラマンウルトラセブン・新ウルトラマンウルトラマンジャック)を皆殺しにする「ウルトラ抹殺計画」遂行のために、地球に宇宙恐竜ゼットン2代目を派遣して、M78星雲にもバット星連合艦隊を出撃させた触角宇宙人バット星人


 シリーズを重ねるごとに、「ウルトラマン」各作の最終回に登場した侵略者たちの野望は、そのスケールが壮大さを増すばかりであった。しかし、『A』の最終回に再び登場したヤプールの目的は「地球の子供たちからやさしさを奪い、ウルトラマンエースを地上から抹殺する」というものである。


 エースを地球上から抹殺するのは当然だとして、「地球の子供たちからやさしさを奪う」という作戦については、これまでのウルトラシリーズの最終回で描かれてきた「史上最大の侵略」と比較すると、スケールが小さくなってしまったことは否めない。それゆえに、80年代まではこの最終回はマニア間では低評価に甘んじてきたのだ。


 しかし、1960年代後半の第1期ウルトラシリーズ至上主義世代の第1世代特撮マニアにも評価の高い市川森一脚本回であることから評価が高まりだしてきた。そして、主に特撮ライター・切通理作(きりどおし・りさく)の著作『怪獣使いと少年――ウルトラマンの作家たち 』(93年・宝島社・00年に宝島文庫・[asin:4796618384])以降での好意的な記述によって、長年不当な酷評にさらされてきた1970年代前半の第2期ウルトラシリーズの1本であるのにも関わらず、この最終回だけは非常に評価が高まってきた経緯があったのだ。


 物理的にはたしかにスケールは小さくなってしまった。おそらく市川先生も最終回の1本だけではなく前後編で2本の話数を与えてくれれば、スケールの大きなストーリーを構築もしてくれたことだろう。ただ、それはそれとして、「地球の子供たちからやさしさを奪う」という作品テーマについては、高度で普遍的なものがあるのも確かなのだ。


 TACの竜隊長は第34話『海の虹に超獣が踊る』(脚本・長坂秀佳http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061223/p1)において、


「子供が生きる力を失おうとしているのだとしたらそれは超獣以上の脅威だ」


 と語っていた。物理的な大惨事があったワケでもないのに人々の「やさしさ」の欠如を嘆いてみせるような行為は、途上国ならぬ先進国に住んでいて最低限は富めている者たちのゼイタクな実存的悩みだとも云えはするのだけれども、たしかに将来における荒廃社会が招来されてしまう可能性や、今の世の世知辛(せちがら)さに生きづらさを感じている人間たちからすれば、「超獣」以上の脅威だともいえなくはないのである。


 しかし、子供たちのことを神聖視するのも間違っているのかもしれない。第3話『燃えろ! 超獣地獄』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060521/p1)においては、ヤプール


「子供が純真だと思っているのは人間だけだ!」


 などと語っていたのだ。そう、たしかにその通りなのだ。本話ではウルトラ兄弟のお面をかぶった子供たちが、異質な存在であるサイモン星人の子供をいじめる場面によって、子供たち本来の姿もリアルに描写されていたのだ。


 地方の片田舎で育った筆者の記憶をたどっても、空き地や草むらに出没したヘビ・カエル・トカゲなどを見つけては、集団で石をぶつけて棒でつつき回し、果ては腹をかち割ったりして残酷に殺して、大人たちに「なにやってるんだ!」と散々怒られたものだった(汗)。そして、これらはたしかに「小泉構造改革」などのせいではなかったのだ(笑)。


 『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)第32話『怪獣使いの遺産』において、防衛組織・GUYS(ガイズ)のリュウ隊員に狙撃されて左腕から緑色の血液を流しているメイツ星人ビオ――『帰ってきたウルトラマン』(71年)の異色作・第33話『怪獣使いと少年』に登場したメイツ星人の息子――に対して、保育園の子供たちがハンカチを手渡す場面がある。
 子供番組なのだからこれくらいのベタな描写はよしとしなければならないのかもしれない。だが、リアルに考えれば、緑色の血を流す人間を見たら子供たちはまず「こいつは人間じゃない!」と怖がるか、それこそ集団で石をぶつけるくらいが、全員ではないにしても過半の子供たちの、そして子供集団の残念ながらも本来の姿ではなかろうか?(汗)
 そして、そんな決して純真でもなく性善説でもない子供たちを誤った方向に導かないためにも、正しく諭してみせるのが長じて「理性」や「道理」を身につけたハズの大人たちの責任なのである。ストーリー展開や尺の都合もあるとはいえ、メイツ星人ビオに恐怖心を見せたり迫害しようとする子供たちに対して、斎藤とも子が演じる園長先生――東映製作の少年野球ドラマ『それゆけ! レッドビッキーズ』(80年)などに主演した斎藤の出演自体は実に嬉しかったのだが――が子供たちをとがめて、率先してメイツ星人ビオに対する「やさしさ」を示すことで子供たちを諭してみせる姿を描いた方が、リアリティーも説得力も増したのではなかったか? やはり人間、あるいは子供の中にもある「悪意」も描いてこその「善意」でなければ片手落ちであるのだ。



 異形(いぎょう)の存在であるサイモン星人の子供に対し、


「まだ子供だわ、この宇宙人」


 と思いやりを示す美川、


「さあ、おいで」


 とやさしい笑顔で暖かい手を差しのべる今野。


 いじめられていた宇宙人の子供に対し、ふたりはあふれんばかりの「やさしさ」で暖かく包んであげている。


 しかし一方、ウルトラ兄弟を気取り、サイモン星人の子供をいじめていた子供たちにも「やさしさ」は向けられる。


「こらっ! やめろっ!」


 との山中の厳しい一喝も、子供たちを誤った方向に導かないための広義での「やさしさ」の発露だとはいえるだろう。


 そして北斗は、


ウルトラ兄弟は弱い者いじめはしない! 何もしない宇宙人の子供を、ワケもなくいじめたりはしない!」


 などと叫んでみせる……


 同じく市川森一が書いた第14話『銀河に散った5つの星』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1)において、ヤプールゴルゴダ星で十字架にかけられたウルトラ4兄弟からエネルギーを奪い、それを異次元超人エースキラーに与え、エースそっくりにつくられたエースロボットを実験台にし、ウルトラ4兄弟の必殺ワザを次々と兄弟たちの眼前で披露させる。エースそっくりのロボットが苦しむ様子を見せることによって、まるで「これまでおまえたちこそが散々弱い者いじめをしてきたのだ!」とばかりに…… ヒーローの正義を特に相対化したがって何事かを云った気になりたい! という視点に立とうとすれば、これをもってしてヤプールはウルトラ4兄弟を動揺させているのだとのテーマ的な深読みも可能ではあるのだ……


 本話では北斗の眼前でウルトラ兄弟のお面をかぶった少年たちによって、ある意味ではそれが再現されることとなった。しかし、正義の相対化は必要なのだとしても、最後の最後では相対化しれきないで残ってしまう真の正義といったものもあるとは思うのだ。そして、北斗はヤプールに対してウルトラ兄弟の怪獣退治が決して弱いものいじめではなかったのだと力強く回答するのだ!


ウルトラ兄弟は、ゾフィーも、マンもセブンも、弱い者の味方なんだ!」


 北斗に諭された子供たちは、ジャンボキングの出現、そして「サイモンを渡せ!」とのヤプールの脅迫によってかえって結束し、サイモン星人を守ろうとする気概を通じて勇ましい「連帯感」を喚起されていく……


 最初に子供たちにもある異邦人や異形の者に対する差別的な感情を描いておいて、しかしその異邦人に迫ってきた危機に対しては彼を守ろうとする気概を通じて、異形の者との和解といったその心の変遷までをも描いていき、子供たちの差別感情の一掃を、そして子供たちの精神的な成長をも描こうとする作劇は、ある意味ではベタで常套的(じょうとうてき)なのだが、決して悪いものではないのだし感動的ですらあるだろう。


 しかし、この最終回は彼ら子供たちの心理的な変遷をさらにもう一度引っ繰り返してしまうのだ! それは守られるべき異邦人の正体こそが「悪の黒幕」であったというものなのである。そして、その「悪の黒幕」を倒してしまうと、物事の真相がわかってはいない子供たちには激甚なるショック、ある意味では「心の死」をもたらすようなイジワルなシチュエーションへと主人公・北斗隊員を追い込んでいくのだ。
 サイモン星人の子供に化けた異次元人ヤプール自身が倒されても、地球の未来を担っていく地球人の子供の心を心を殺してしまうことになる! つまりそれは、子供たちの心に「やさしさ」を一度は生み出しておきながら、さらにそれをよりにもよって子供たちの目前で正義の主人公自身に粉々に破壊させることで、子供たちの心に芽生えた「やさしさ」を完膚(かんぷ)なきまでに破壊し尽くすことができるということまでをも見通していた、ヤプールによる自作自演の緻密な侵略計画であったとするのだ!
 これは80年代以降のハッピーエンドな人間賛歌で終わらせるような少年漫画や特撮ジャンル作品とも異なる、いかにも『A』にかぎらず70年代前半のシニカルでヘビーな子供向け作品には時折りありそうな作劇なのである――ただし、やりすぎなところはたしかにあるので、今の時代にもこの『A』最終回のような作品を量産するべきだとまでは思わない――。


 北斗は異次元人ヤプールが化けていた存在だったとはいえ、サイモン星人の子供を子供たちの前で射殺してしまう! 北斗の「裏切り行為」に「サイモンを守れと云ったくせに、なぜ殺したんだ!」などと、その後に真相を知ることにはなるものの、たとえ一時的ではあっも子供たちの精神に深い傷を与えたことは劇中内での事実なのである。あまりにも陰険な策謀でもあり、これ以上の残酷な仕打ちはほかにないだろう。
 まさにヤプールこそ、キリスト教をはじめとする世界各国の宗教に存在するような悪の存在である「本物の悪魔」なのである。それは、はるか後年の映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)において、幾度目かの復活を遂げた異次元人ヤプールとの再会に際して、ウルトラ兄弟たちに述懐したエースの実に実感のこもったセリフでもあったのだ。


 「地球の子供たちからやさしさを奪って、ウルトラマンエースも地上から抹殺する」というヤプールの目的の半分は、すでにこの時点で達成されてしまっていたのだ!


 後年の少年漫画やジャンル作品にはシビアに過ぎるためかほとんど用いられていない70年代前半のジャンル作品特有の作劇がある。それは主要キャラクターの「善意」を逆用して、「善意」を発揮すればするほどに実は危険な状況に陥ってしまうという、観ていて必ずしも楽しい気持ちにはなれずに苦みも味あわせてくる、情操教育や道徳目的からしてもやや問題含みなストーリー展開のことである。
 この最終回の子供番組らしからぬ実にイジワルでパラドキシカルさに満ち満ちたストーリー展開は、地味に埋もれているが実は良作でもあった第19話『河童屋敷の謎』(脚本・斉藤正夫・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061007/p1)における主人公・北斗隊員がゲストの少年を信じる心、中学生時代のトラウマから少年との約束を必ず守らんとする精神までをも「逆活用」して、彼を危地に陥れんとする異次元人ヤプールの実に入り組んだ策謀を描いていた作劇に影響を受けたものだったのかもしれない。仮に同話を意識してはいなかったのだとしても、それは第19話にも通じるものがあったのだ。


●その第19話『河童屋敷の謎』において、豪邸のプールで泳いだ子供たちはカッパ人間にされる。
●第23話『逆転! ゾフィ只今参上』では、地球の子供たちが洗脳されて異次元空間に連れ去られる。
●第33話『あの気球船を撃て!』(脚本・石堂淑朗http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061218/p1)においては、気球船超獣バッドバアロンが子供たちの魂を吸い取られる(=子供らしい覇気を失うと子供たちは勉学に励むようになる・笑)。
●第18話『鳩を返せ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060907/p1)では、少年が飼育していた鳩を大鳩超獣ブラックピジョンに改造される。
●第40話『パンダを返して!』(共に脚本・田口成光・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070204/p1)では、宇宙超人スチール星人に少女は大事にしていたパンダのぬいぐるみを奪われる。


 本作『A』では従来のウルトラシリーズに比べると、子供たちが直接的な被害を受ける例が目立っている。


 東映の特撮ヒーロー作品においては、定番の「幼稚園バス襲撃」や、怪人が子供の血液を集めて爆弾を製造するなど、前者は世界制覇を企む悪の組織にしてはやることが小さいとか、後者に至ってはまったく科学的根拠がないなどと、槍玉にあげられるような「セコい作戦」がかつてはよく描かれたものである。それはたしかに長じてから、あるいは小学校の中学年以上にもなれば「セコい作品」なのである。そのような描写が子供たちを子供向け特撮変身ヒーロー番組からの卒業を早めさせてしまう悪影響もたしかにあるのだろう。しかし、これは児童にはともかく幼児たちに「身近な恐怖」を感じてもらうための配慮ではあったのだ。
 もちろんそれらの要素は、小学校中高学年にもなれば非合理的であることが目についてきたり、見ていて恥ずかしくもなったりするものでもあるのだから諸刃の剣(もろはのつるぎ)でもある。しかし、それらの身近な事件を完全に除外してしまった、大人たちだけの世界を描いた初期平成ライダー作品(https://katoku99.hatenablog.com/archive/category/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC)を、筆者はわれわれのかつての姿でもあるマニア予備軍の子供たちはともかく、大多数の子供たち一般(特に未就学児童=幼児)が心の底から楽しんでいるとは到底思えないのだ。もう少しだけ幼児にも良い意味で媚びたかたちで折衷・妥協したかたちでの特撮変身ヒーローものをつくることはできないものなのだろうか?


 ヤプールが地球の子供たちに直接の攻撃を加えることが多かったのは、『A』放映当時に子供向けヒーロー番組の頂点に登り詰めた『仮面ライダー』第1作(71年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140407/p1)などの作劇を参考にして、子供たちに「身近な恐怖」を与えるといった趣向も働いていたのだろう。


 子供向けの「特撮」番組としては「物理的な破壊」描写を見せ場・目玉にできなくしまう可能性を考えると、それは手放しでは称揚できる作劇でもないのだが、『A』第23話で子供たちが異次元へと連れ去られて、その数だけ夜空の星が増えたように見えるという、まさにそこで「死」のイメージが表現されていたことに象徴されるように、地球を壊滅させるためには将来を背負って立つ子供たちを標的にするのが、絵的には派手ではないものの真にリアルに考えれば最も手っ取り早いという意味では、実は合理的な手段だとも理論武装はできるのだ。


 ただし、この最終回では子供たちが人さらいなどの「物理的な危機」に遭遇したワケではなく、いわば「精神的な危機」に遭遇したという展開なのである。その意味では、子供たちにもややリテラシー(読解能力)を要求される高次なものなのであって、そのテーマ的な高みへの高評価ともまた別に、子供番組としては理解しづらい問題点を抱えているといった弱点も指摘しておかなければ、フェア・公平な作品評価にはならないだろう。


「もうやさしさなんか信じないぞ!」
「オレたちだって、もうおまえの云うことなんか聞くもんかっ!」


 「やさしさ」を奪われ、大人に対して不信感を抱いた子供たち。子供たちに「やさしさ」を取り戻させるために、夕子の警告があったにもかかわらず、子供たちに自分がエースであることを告白しなければならなくなった北斗。そのために、ヤプールが云ったように、ある意味ではエースはたしかに「地上から抹殺」されたことになった。


 だが、自分がたとえ地上から抹殺されて、ウルトラの星に帰還せねばならなくなるに至っても、「彼らに真実を伝えるには、こうするしか仕方がなかった」として、あくまでも「やさしさ」を守るために、エースは最強超獣ジャンボキングに敢然と立ち向かい、これに勝利する!


 しかし、北斗はサイモン星人の子供(その正体は異次元人ヤプールだったとしても)には裏切られることにはなったのだ。北斗の「善意」がサイモン星人には通じずに終わっているのである。実はこの世では「善意」は徒労で終わってしまうことが多いくらいかもしれないのであった。
 けれども、そのことに北斗は恨み言を述べたりはしていない。腐ったりはしていない。取り乱したりもしていない。愚痴をこぼしたりもしていない。どうせ「善意」が報われないのであれば、自分もテキトーに生きて小さなズルや悪もなして生きていこう! などとは思ってはいないのである。内心ではもちろん想うところもあるのだろうが、そこは子供や思春期の少年少女ならぬ一応の大人なので、グッと堪えてダンディズムで内に仕舞っているのであった。


 「善意」が報われないのであれば、どうするべきなのだろうか? そう。「善意」が報われなかったこと自体さえも「許せ」、そしてそれでも「他人を恨む」のではなく「他人にやさしくしろ」と、この最終回の「エース最後の願い」は述べているのである。子供たちへの「最後の願い」は、「たとえその気持ち(善意)が、何百回裏切られようと」も「他人にやさしくしろ」と云っているのだ。
 むしろ、そこで「他人にやさしく」できずに、他人や社会やこの世や神を恨んでしまうようでは…… 悪意が跋扈する世界などは滅びてしまえ! なぞと思っているようでは、その「やさしさ」はニセもの・まがいモノなのだ! ……は云い過ぎだとしても、二流三流の「やさしさ」でしかない! と云っているようなものなのだ。


 その広大なる心の広さ・高邁さには感銘を受けるしかない。しかし、感銘を受けること自体はある意味ではカンタンなことなのだ。それを実際に日常生活での厳しい局面においても実践できるのかとなると、これがまた心許なくなるのだ。


 ご存じのとおり、この「エース最後の願い」は、『新約聖書』でイエス・キリストが云った「七度の七十度、許せ(=無限に許せ)」という言葉に由来している。仏教にもまったく同じ意味の「慈悲忍辱(じひ・にんにく)」という言葉がある。大局においては他人を、あるいは裏切った他人をも、裏切った悪人をも許すべきだというのは、究極の慈悲の境地ではある。
 しかし、それは天地創造の神さまや救世主のような存在が達することができる境地であって、凡人がそのような境地に達することができるとも思われない。無差別殺人・強盗犯といった悪人でさえも許して刑務所にではなくシャバに放置してしまったのならば、この世は無秩序・無法地帯となってしまう…… そういう意味では、「エース最後の願い」は空に輝く北斗の星である北極星のようなものであって、永遠にたどり着くことはできないものの、指をさして目指すべき目標としては設定しておくべきものなのであろう。


 きれいごとだけでも通じないこの世の中。現実には常に弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとすることは極めて困難なことだろう。実際には悪意を持っているだろう人間に対して安易に心を許すべきではない。彼らのことを遠ざけたり、時には戦ってみせることさえも必要ではあるだろう。
 弱者や被害者を装って悪事をなすような人間や異邦人も一部にはいることだろう。しかし、そのときに弱者や被害者全員が悪人であると錯覚してもいけないのだ。仮に過去に裏切られたことがあったとしても、今度はホントウに弱者や被害者が目の前にいるのかもしれない。その可能性がある以上は「やさしさを失わないでくれ」というメッセージには普遍性もあって、やはり必要なものではあるのだった。




 「シリーズ構成」という概念には乏しかった70年代の特撮ヒーロー作品。むしろこの概念の欠如には、幼児はともかく子供たちの方がその不整合を気にしていたくらいでもある。しかし、この最終回では、『A』でシリーズ第1クールのメインライターを務めた市川が再登板を果たしたことで、『A』第2クール中盤までの「核」となっていたのにもかかわらず、惜しまれながら姿を消すこととなった「異次元人ヤプール」と「南夕子」も再登場を果たすこととなっていた。
 むしろ、この処置はメインターゲットである子供たちにこそ納得ができるものでもあっただろう――仮に「ヤプール」と「夕子」が再登場しない最終回であったのならば、やはり幼児はともかくとしても児童層の子供たちには不全感が募ったことだろう――。『ウルトラマンA』のシリーズとしての最低限の貫徹は今回の内容を達成できた最終回によって果たされることができたのだ。


 たとえば、同時期の『シルバー仮面』(71年)の春日(かすが)兄妹の末っ子・春日はるか、後年の戦隊シリーズ『バトルフィーバーJ』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120130/p1)の初代ミスアメリカ、戦隊シリーズ超電子バイオマン』(84年)の初代イエローフォーなど、やむにやまれぬ事情で女優が降板してしまったために、主演級のメインヒロインが交替してしまった例は特撮ジャンル作品にはあるにはあったのだ。
 だが、彼女たちはその後は最終回に至ってさえも、まったく顧みられることなく終わってしまっていた。そのあたりは子供心にも違和感があったものなのだ――往時はそのへんのつくり方がラフでデキトーであったので、当時の子供たちにも遺恨を強く残してしまっていた。しかし、往時の子供たちがスタッフ側にまわった今日では、役者降板などのアクシデントが発生した場合でも、あまりに無神経な処置はなされないようにもなっている――。


 ウルトラシリーズでさえ例外ではない。『帰ってきたウルトラマン』第37話『ウルトラマン夕陽(ゆうひ)に死す』において、暗殺宇宙人ナックル星人に殺害された恋人・坂田アキのことを、郷秀樹は最終回で地球を去る際にも回想さえしていないのである(にもかかわらず、バット星人に捕らえられた村野ルミ子が見た夢として、郷と彼女の結婚式が描かれるさまは、アキのことを考えてあげればやや無神経でもあるだろう・笑)。
 もちろん、坂田アキを演じた榊原るみが多忙になったことにより同作を降板したのであるが、同じ降板でも無残にも自動車に引きずられた末に投げ落とされた坂田アキと、月星人であることを北斗に明かして月に帰還するというロマンチックな退場となった南夕子と、果たしてどちらが女優に対する「やさしさ」を感じられるかは云うまでもないだろう(まぁ相対的なものではあって、どちらも「やさしくはない」処置だったのかもしれないけど・爆)。



 この最終回の欠点を指摘するならば、「ウルトラマンエース最後の戦い」に熱い声援を送る子供たちに対して、1年間を通じてのレギュラーキャラクターたちでもあったTACの隊員たちがただ茫然とエースを見上げて、静かに見守っているのにとどまっていたことである。


 『ウルトラセブン』第49話(最終回)において、主人公青年モロボシ・ダン隊員がウルトラセブンである事実をウルトラ警備隊の隊員たちはアンヌ隊員からの又聞きによって知るだけではあるのだが、双頭怪獣パンドンを攻撃する中でフルハシ隊員が「ダン、離れろ! 怪獣はオレたちにまかせろ!」と叫ぶなど、皆がセブンをダンと呼ぶことによって盛り上がりに拍車をかけていた。シリーズ中盤の第30話『約束の炎』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061203/p1)において、早くも主人公青年ミライ隊員がGUYS隊員たちの眼前でウルトラマンメビウスに変身するという異例の展開を見せた2006年現在放映中である最新作『ウルトラマンメビウス』もまた然(しか)りであった。


 北斗もまたTAC隊員たちの眼前でエースに変身を遂げているのだから、竜隊長のみが一言「北斗……」とつぶやくだけなのは、先述した例と比べるとやはり若干の物足りなさが残る。せめて特に因縁(いんねん)もあった山中隊員にだけは万感を込めて「ふぉくとぉ~~~っ!!」などと派手に叫んでほしかったものなのだが(笑)。



 巷間(こうかん)云われてきた通説とは異なり、ここまで論証してきた通り、この『ウルトラマンA』最終回は実は市川が携わっていた『A』初期編よりも、『A』第3~4クールのダン少年編や児童ゲスト編の作風に近しい。むしろ、後年のマニア間では不評であったダン少年編や児童ゲスト編をも決して否定はせずに、それをも含めて市川が『A』全体を総括的に全肯定してみせたのが、この最終回であったと筆者は推測している。当時は家庭用ビデオが普及していなかったために、これは市川が本作のビデオを観返したということではなく(笑)、最終回を執筆するにあたって、それまでの『A』のシナリオを受領して読み込んだ上での市川なりの『A』総括としての最終回でもあったのだろう……



<こだわりコーナー>


*憎々しげな異次元人ヤプールの声は、『A』シリーズ前半と同じく西川幾雄が演じたと云われている(公式資料に記述はないのだが)。西川氏はタツノコプロの名作アニメ『新造人間キャシャーン』(73年)で主役キャシャーンこと東鉄也(あずま・てつや)を演じたことでも有名。なおネット上の好事家の調査(http://www.geocities.jp/metalderfan/colums/col12_hed_nishi.htm)によれば、東映メタルヒーロー超人機メタルダー』(87年)の敵怪人・モンスター軍団軽闘士ヘドグロスは名目上(誤記?)は龍田直樹氏であるが、実際は西川氏が声を演じていたらしい。


(後日付記:ヤプールの声は西川氏ではないのではないか? という声も根強いらしい。……好事家の研究を待つ!・笑)


(さらなる後日付記:2010年前後に至って、ヤプールの声の主が好事家たちの研究により特定されて、書籍『円谷プロ画報 (1)』(13年・竹書房ISBN:4812494915)などにも掲載されている。その御仁は高田裕史。その御仁のメジャーな芸能ネームは高田拓土彦(たかだ・たつひこ)。俳優・脚本・監督も務めるマルチな才能の持ち主でもあり、『仮面ライダーV3(ブイスリー)』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140901/p1)第29話『ドクトル・ゲー 最後の挑戦!』にデストロンハンター4号役、第42話『カタツムリ人間の人体実験!』に須藤役で出演!
 土筆勉(つくし・つとむ)名義で東映の変身ヒーロー『ザ・カゲスター』や同じく東映の児童向けテレビドラマ『5年3組魔法組』(共に76年)、『(新)仮面ライダー』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210102/p1)や『仮面ライダースーパー1(ワン)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210822/p1)、そして円谷特撮においてはわれらが『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)の第1クールこと教師篇の傑作回であり、マドンナ教師・京子先生とゲスト女性宇宙人・アルマ嬢とのラブコメ的な三角関係(笑)が勃発する第10話『宇宙からの訪問者』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100704/p1)や、第2クールことUGM編の傑作回である第20話『襲来!!  吸血ボール軍団』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100912/p1)の脚本も担当していた!!
 氏は70年代のアングラ劇団の主宰者でもあったという情報がある。よって、脚本も役者も両方こなせたのであろう。……「肉・肉・野菜、野菜・肉」の掛け声で有名な1990年前後に一世を風靡したテレビCM「エバラ焼肉のたれ」を映画化した『エバラ家の人々』(91年)の監督も務めたそうである(笑)。このCMの方についても監督していたのかは不明だが、おそらくは担当していたのではなかろうか?)


*『ウルトラマン画報・上巻 -光の戦士三十五年の歩み-』(竹書房・02年10月4日初版発行・ISBN:4812408881)によれば、ジャンボキングはユニタング・カウラ・マザリュース・マザロン人・巨大ヤプールのほか、スチール星人も合体したとされている。おそらくはジャンボキング後部にあるギロチン状の装飾を、スチール星人の頭部が出典であると解釈したのかと思うが、これはマザロン人の肩の装飾ではなかろうか?


*サイモン星人の子供のスーツは断定はできないが、おそらくは第10話『決戦! エース対郷秀樹』に登場した、変身怪人アンチラ星人の改造かと思われるのだが?


*DVD『ウルトラマンA Vol.9』(デジタルウルトラプロジェクト・04年9月24日発売・asin:B00024JJII)の解説書に掲載された「星光子独占インタビュー」より。



「えっ? 出ていました私? 『エース』? 『タロウ』じゃなくて? ああ、クリスマスの回ね。これはパリに行く前の、たぶん11月くらいに撮りました。でも最終回は……。ごめんなさい。私、撮影した記憶がないんです。たぶん最終回として撮ったものではないと思います。だって私、その頃日本にいませんでしたから」



 ウ~ン、またナゾが増えた…… 強引な解釈を加えれば、第38話『復活! ウルトラの父』用に撮影された未使用フィルムを最終回で流用したのだろうか? でも、新撮ではなかったとしてもアフレコはしているのだから日本にいたのでは? ということは、忘れているだけで新撮したのではなかろうか?


*『ウルトラシリーズ・サブキャラ大事典』(小河原一博東京堂出版・02年9月発行・[asin:4490106114])巻末の市川森一インタビュー。立ち読みでの記憶で恐縮だが、途中で夕子が月に帰らなかった場合のラストの構想を市川は下記の大意で発言していた。



「僕はエースを存命させる気はありませんでした。北斗、南は普通の男女になり、二度とエースにはなれなくなる。ふたりは人間の男女として愛し合うようになり、変身することを放棄する。本気で愛することで神の力(エースの力)を必要としなくなり、ふたりはTACを退任、結ばれて地方の牧場で生活をはじめるか、故郷の広島に帰り、のち一児が誕生…… そんなエピローグになったと思います。
 ではヤプールはどうなるのか? ヤプールは人間が作り出すトラウマと考え、自分に勝てば消える幻影のようなもの。エースはヤプールを倒し、北斗と南は戦いの中で愛情に気がつく。人間の作り出す欲望の悪魔を倒せるのは愛情だけだというメッセージを残したかった」



 しかし、この構想だと、北斗と南が結ばれればヤプールは幻覚のように消えてしまう存在にすぎなくなってしまうワケであり、ヤプールは歴代ウルトラシリーズに復活しつづける生きた名悪役にはなれないことになってしまうという意味では痛し痒しの発言ではある(笑)。


*ジャンボキングを倒した必殺ワザは、通称・ギロチンショット。70~80年代の子供向け書籍各書では、この最終回で披露したワザは、ウルトラギロチンだったりスペースQだったりスペースギロチンだったりと名称が統一されていなかった。こちらも立ち読みでの記憶で恐縮だが、90年代前半の平成ゴジラシリーズ出版物のブームでマニア向けの大判書籍『ゴジラ大百科』(ISBN:4056007144)を毎年ヒットさせていた学研が放った類書『ウルトラマン大百科』(学習研究社・93年8月発行・ISBN:4056001731)のコラムによれば、シナリオには「スペースQとウルトラギロチンの複合技」と書かれていたそうな。


初代ウルトラマンのお面を終始、頭に付けていた子供を演じた高橋仁は、第3話で一角超獣バキシムの人間体、第32話『ウルトラの星に祈りをこめて』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061210/p1)でも超獣人間コオクスの人間体と、可愛らしい整った美少年な顔立ちなのに、なぜか悪役ばかりを演じてきたが、本話での3度目の出演では初代ウルトラマン(!?)とあまりに両極端に過ぎる(笑)。


*セブンのお面を付けていた子供Bは、Bパートでは終始ヘルメットをかぶっていたが、北斗が正体を打ち明ける場面ではお面が見当たらなくなっており、撮影中にお面が損傷したのかと思いきや、よく見るとちゃんとヘルメットの下にセブンのお面を付けていた!(笑)


*お面といえば第33話『あの気球船を撃て!』(脚本・石堂淑朗http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061218/p1)でお面を付けてエースを気取っただいすけちゃんが、気球船に乗りこもうとして女の子を転倒させた際、ウルトラ6番目の弟・ダン少年が「チェッ、女の子を泣かせておいて助けようともしないくせに、なにがウルトラマンエースだ!」と非難する場面がある。これもまた、ウルトラマンや変身ヒーローが本来は弱い者の味方であることを強調する意味合いがあったのだろう。
 特撮マニア諸氏に過剰に批判されてきたきらいがある『A』第3クール目以降の子供中心の展開、ハッキリ云えば、この第33話のだいすけ少年とダン少年の描写が、市川による今回の『A』最終回の着想の元であってもまったく不思議ではないとも思うのだ――もちろん、この『A』第3クールのレギュラー少年であるダン少年などに、やや鼻につく描写がある弱点が存在することを完全否定する者でもないのだが――。


 そして、『ウルトラマンタロウ』(73年)第26話『僕にも怪獣は退治できる!』(脚本・阿井文瓶・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060917/p1#20060917f1)において、小さな男の子が中学生たちにいじめられている様子を見て見ぬフリをして通り過ぎようとしていたレギュラーの白鳥健一少年は、路上に落ちていたタロウのお面を見たのがキッカケで敢然と中学生たちに立ち向かっていく!
 「弱い者をいたわり」という「エース最後の願い」は、『タロウ』において完全に成就されるに至る! その魅力についてはまた後日。ちなみに、この回で父親の紙芝居屋という職業を「カッコ悪い」とバカにして「怪獣とケンカばかりしているタロウなんかキライだ!」などと実に冷めた現代っ子である竹雄というゲスト少年を演じていたのも、先述の高橋仁である。


*こうして見ると作品中でもけっこう重要なアイテムとして扱われていたお面だが、2006年7月17日にTBS系で放送された深夜ニュース番組『筑紫哲也NEWS23(つくし・てつや ニュース・ツースリー)』の特集『誕生40年“ウルトラマンが見た日本”』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060917/p1#20060917f2)において、脚本家の市川森一は「仮面をつければどんな弱いものいじめをしても正義の行使となる」と語っていた。


 たしかに氏が書いた『A』第52話(最終回)における、ウルトラ兄弟がサイモン星人の子供をいじめる場面はそう解釈できるものである。だが、先述の健一少年のように、「タロウのお面がなかったら、僕はひきょう者になるところだった!」と、むしろ仮面によって英雄になる子供もいるのである。だから結局は「仮面」に問題があるのではなくて、それをかぶる方の「個人」の方に問題があるのではないのかとも思うのだ。


*視聴率19.1%


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)


『假面特攻隊2006年号』「ウルトラマンエース」#52関係記事の縮小コピー収録一覧
静岡新聞 1973年3月30日(金) TV欄・ウルトラマンエース=最終回=(安心堂、はごろも缶詰提供)超獣の王者が出現 ~「大超獣ジャンボキング」の記述・大枠紹介記事


※:シナリオを元にして紹介記事を執筆したと思われる直上の新聞記事によれば、この最終回評で、初代ウルトラマンのお面をかぶっていて便宜的に子供Aと記述した少年の役名はススム(高橋仁)。ウルトラセブンのお面をかぶっている子供Bと記述した少年の役名は三郎(柳下達彦)。メインの子役・タケシ(カタカナ表記で正解)を演じている子役の名前は紺野秀樹くんとのことだ。


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