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ウルトラマンメビウス1話「運命の出逢い」 〜感激!感涙!大傑作!


『ウルトラマンメビウス』評 〜全記事見出し一覧

「熱烈歓迎! 『ウルトラマンメビウス』」

(『ウルトラマンメビウス』序盤評・短期集中連載!)
(文・久保達也)


*昔子供のころにウルトラマンを観ていた、今の子供たちのパパ世代にも楽しめるような親子で楽しめる作品を期待しています! うちの家族もパパ&息子が毎週『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060311/p1)を観ては親子の会話も広がっています!


*子供でもわかるような単純なストーリー展開で進めて欲しいと思います。


ウルトラマン全員集合のような番組が観たい。


*歴代ウルトラマンの復活を望みます(昭和のウルトラマン)。


*特別企画で今まで出たウルトラマンが出てくる映画を観てみたい。


*5歳の子供は『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)が一番好きで、次に『ウルトラセブン』(67年)、『ウルトラマンA(エース)』(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)など、昔のビデオを好んで観ている。これは内容がわかりやすく割と単純だし、子供が準主役級で出てくるからです。一方8歳の子供はもうあまり興味を持たない。原点に戻ってそこに新しい今風の技法を取り入れて、幼稚園児をターゲットに展開してみるとか、歴代のウルトラマンを総出演させたりしてほしい。


*今の『マックス』のように昔の怪獣がどんどん出てくるのがいいです。また他の以前のウルトラ戦士が助けに来てくれたり、みんなでパーティをしたりと、意外なお話も入れてほしいです。


 『TFC.3(新・円谷プロファンクラブ3号)』(06年4月発行)に寄せられた「40周年を迎える“ウルトラマンシリーズ”の展開に、皆さんが期待していること」の中から代表的な声を挙げてみたが、歴代ウルトラマン再登場を望む声は筆者の予想をはるかに上回るほど多かった(もちろん今回の『ウルトラマンメビウス』(06年)の方向性に合致するような投稿を優先して掲載したということもあるのだろうが)。


 「新しいウルトラマン」に対する妙なこだわりから、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)以降の作品に歴代のウルトラ戦士を再登場させることを、円谷プロは頑として拒絶し続けてきた。
 それがひいては「ウルトラ」ブランド失墜の要因となったと考える筆者は、『ティガ』放映以降の十年間(早いよなあ、ホントに……)を「失われた十年」とひそかに呼称しているが、それについて論じるのは別の機会に譲ることにする。いや、今後の『メビウス』の展開と世間に与える影響度の大小によっては黙って墓場に持っていくかも(笑)。


 とにかく起死回生の策として、円谷プロはファンクラブに寄せられた声を素直に反映させるしかなかったのだ。
 「ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品」と銘打たれた『ウルトラマンメビウス』はこうして誕生したのであるが、第1話『運命の出逢い』を観る限りでは「皆さんが期待していること」が反映され過ぎるくらいに反映されていたのである!


 これだ! オレがこの十年間観たかったのはこんな『ウルトラマン』なんだよ! いやあ、この十年間、ウルトラの父としてシリーズを見守ってきてよかったよ!(笑)


 黄金に輝くさざなみ模様が揺れる、上も下もないような神秘的な映像空間が冒頭で映し出される。新たなウルトラの物語が今、まさに開幕のときを迎える……


 今、M78星雲のウルトラの星では、新たなウルトラの戦士が地球に送りこまれようとしていた。
 おおっ! そこにいるのはあのウルトラの父の勇姿! 『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)第38話『大空にひびけウルトラの父の声』以来、ブラウン管(笑)にその勇姿を見せるのは実に25年と4ヶ月ぶりだ!


 「今より君は、〈ウルトラマン〉だ」
 「ウルトラマン……」
 「あの星では我々をそう呼ぶ。聞いているだろう、兄弟たちから」


 ゾフィーが、初代ウルトラマンが、ウルトラセブンが、新ウルトラマンが、ウルトラマンエースが、ついにテレビシリーズの中で何十年ぶりかで姿を見せたのだ! おおっ!
 ウルトラマンレオウルトラマンエイティばかりではなく、アストラやユリアンまで揃ってるぞっ!(レオ側の列の奥にウルトラマンタロウも写っていたそうだが)
 (ゾフィー〜エースらウルトラ5兄弟勢揃いの映像には、初代マンの声で「シュワッ!」。レオ〜ユリアン勢揃いの映像には、レオ(おおとりゲン=真夏竜)の声で「イヤッ!」の芸コマな掛け声が!)(感涙にむせぶ……)


 「逢えるのですね。あの星の知性体に」
 「人間たちにな。彼らとふれあうことで、君も兄弟たちのように、大切なものを手に入れると、私は信じている」
 「大切なもの?」
 「君自身にしか、見つけられないことだ」


 ここでウルトラの父は大きくマントを翻し、手にしたウルトラアレイ(『A』第27話『奇跡! ウルトラの父』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061105/p1)でウルトラ5兄弟を救援するため、初めて地球に飛来した際に持参した鉄アレイ状の万能兵器。閃光エネルギーを放って地獄星人ヒッポリト星人にダメージを与えた)の光を新たな戦士に浴びせかける! シェ〜! ちょーカッコイイ!(またまた感涙にむせぶ)
 “地球人”ではなく、“人間”とあえて呼称させていることからも、本作のヒューマンなテーマの狙いが見て取れる。


 「わかりました! 行きます! ウルトラの父
 「若き勇者よ、行くがよい。かけがえのない星、地球へ!」


 新たな戦士・ウルトラマンメビウスは宇宙警備隊の大隊長ウルトラの父から授けられた、メビウスブレスを手に地球へと向かった。ウルトラの父、レオ、アストラ、エイティ、ユリアンに見送られながら……(そして主題歌オープニングへ)


 いきなり冒頭がこれである。これでもう男の子たちと、昭和のウルトラ作品をかつて観ていたパパたちは見事に釘づけ状態だ! しかもウルトラの父の渋い声を演じたのは西岡徳馬だっ! よくぞ引っ張りだしてくれたっ!
 平成ウルトラ作品をリアルタイムで観ていた幼児たちだって、書籍や雑誌、玩具にビデオ、イベントなどで数多く目にしていた歴代ウルトラ戦士の共演をきっと夢見たはずなのだ! そうした相乗効果で作品を盛り上げることを、なんで今まで円谷プロは軽視してたんでしょ?
 それにしても、最近まで「死語」にされていた「ウルトラ兄弟」なる言葉が今回ついに復活したのだ! 今度こそいよいよ本当の「原点回帰」か!


 これ、『仮面の忍者 赤影』(67年)や『キャプテンウルトラ』(67年)、はたまた『流星人間ゾーン』(73年)や『機動戦士ガンダム』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)みたく、アバンタイトルとして毎回流してほしいなあ。ウルトラ兄弟のゲスト出演もそんなにしょっちゅうはできないだろうけど、これさえあれば毎週ウルトラの父ウルトラ兄弟の勇姿が拝めるんですぜ。
 あと、今回やけにレオ・アストラ・エイティ・ユリアンが目立っているのは、多分今後のゲスト出演が極端に少ないか、もしくはまったくない?(笑) なんて不安もよぎるから尚更なのである。


 地球の日本(たぶん東京・笑)。赤い風船を手にして歩く可憐な幼女。だが大事そうにしていた風船がふと幼女の手から離れてしまい、空高く舞い上がってしまった。
 残念そうに空を見上げ、あきらめてトボトボと歩く幼女だが、ふと気がつくと、空に舞い上がったはずの風船を手にする、優しい微笑みを浮かべる若者が立っていた。
 彼こそウルトラの星を飛び立った新たな戦士・メビウスが地球人に変身した姿だった。幼女の目線に合わせ、膝をついて「ハイ」と風船を手渡すGジャン姿の若者……


 この場面の前に、宇宙空間〜地球〜日本〜団地、というズームがあるからこそ、赤い風船を取った若者がメビウスである、と視聴者に自然に気づかせてくれるわけであり、なかなか気のきいた、ステキな演出である。
 まあマニア的にはウルトラセブンウルトラマンレオウルトラマンエイティ、それに『80』第49話『80最大のピンチ! 変身! 女ウルトラマン』(今ならさしずめ「ウルトラウーマン」とするところでしょうが・笑)でその勇姿を初めて見せたウルトラの星の王女・ユリアンウルトラマンゼアスらと同様に、メビウスは地球人と合体するのではなく、最初から地球人に変身した姿で現れる。平成に入ってからは合体パターンでずっと通していたから新鮮な気分にもさせてくれるというものだ。


 「ありがとう!」と礼を云い、去っていく幼女。若者は思わずつぶやく。「ありがとう……」*1


 ここで早くも女の子と、特撮ヒーロー作品の新番組に出演するイケメン俳優チェックにいそしむママ(笑)も釘づけ状態! 『ウルトラマンA』第52話(最終回)『明日(あす)のエースは君だ!』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070429/p1)でエースが子供たちに語りかけた最後のメッセージも思わず脳裏に浮かぶ。


 「やさしさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友だちになろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえ何百回裏切られようと……それが私の最後の願いだ」(エースの声・納谷悟朗


 まあそんなわけで、開始からほんの数分間で『メビウス』は家族全員を釘づけにしてしまったのである!?(笑)


 宇宙空間を飛行する宇宙斬鉄怪獣(!)ディノゾール。そうとも知らず、防衛組織CREW GUYS(クルー ガイズ)のトリヤマ補佐官は定年を間近に控え、呑気にゴルフに興じていた。そこに入る「宇宙怪獣襲来」の通信。トリヤマが思わず「四半世紀ぶり」と嘆くと、マル補佐官秘書がすかさず「正確には25年と2週間ぶりです」……


 25年と2週間前……『メビウス』放映開始日06年4月8日から、25年と2週間を遡れば81年3月25日。これは『ウルトラマン80』の第50話(最終回)『あっ! キリンも象も氷になった!!』が放映された日にあたる。つまり『メビウス』は『80』の正規の続編、ひいては同じ世界観を共有していた昭和のウルトラシリーズの続編にあたるのだ! そしてそれを象徴する決定的なシーンを、視聴者は続けて目にすることになるのである!


 「ひとつ! 腹ぺこのまま学校に行かぬこと!
  ひとつ! 天気のいい日に布団を干すこと!
  ひとつ! 道を歩くときは車に気をつけること!」


 『帰ってきたウルトラマン』(71年)第51話(最終回)『ウルトラ5つの誓い』において、ウルトラの星へと帰還する新ウルトラマンに、そして『A』第10話『決戦! エース対郷秀樹』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060709/p1)においては、夜空に浮かぶ郷秀樹(=新ウルトラマン)の幻影に向かって次郎少年が声を枯らして叫んだ「ウルトラ5つの誓い」である。ここで筆者を含めた第2期ウルトラファンは見事に釘づけ状態(笑)。


 「ウルトラ5つの誓い」を叫んでいたのはCREW GUYSのアイハラ・リュウ隊員であった。そこに通りかかる、地球人に変身したメビウスもまた、リュウとともに「ウルトラ5つの誓い」を叫んだ。


 「ひとつ! 他人の力をたよりにしないこと!
  ひとつ! 土の上を裸足で走りまわって遊ぶこと!」


 「驚いたな。知ってる奴がいたなんて。これ、オレの上司の口グセだぜ。ちっちゃいころに、友だちに教わったんだと。なんでも、ウルトラマンが残した言葉らしいんだけどな」
 「ハイ、僕もそう聞いてます!」
 「(笑)。笑っちまうよなあ。ウルトラマンなんてもうとっくに伝説だし。今やこの星は、(胸のGUYSマークを叩いて)オレたちが守ってるんだからな。ウルトラマンかぁ……今はどこで何やってんだろうな」


 「ウルトラ5つの誓い」までもが『メビウス』では史実となっているのだ。そしてこの場面によって、25年と2週間もの間、地球には怪獣が出現していないことが裏づけられたのであるが、それゆえにウルトラマンという史実上の実在していたはずの存在が既に伝説と化している……
 これは確かどっかで観た。そう、『仮面ライダーストロンガー』(75年)第38話『出現! ライダー1号2号!!』におけるデルザー軍団の会話。
 「待てよ、仮面ライダーには確か1号・2号という奴らもいたはずだが」
 「1号・2号? そんなものは伝説だ!」
 いやあ、これでライダーファンも釘づけ状態(爆)。


 怪獣要撃衛星V77(ブイセブンティセブン。その名は『ウルトラセブン』における地球防衛軍の宇宙ステーションV3(ブイスリー)の型番の発展形)に迫るディノゾール。V77のビーム攻撃をものともせず、ディノゾールは口から突然伸びたムチ状にしなる細長い舌(設定では「断層スクープテイザー」と呼称!)でV77を切り裂いてしまった! 地球に迫り来るディノゾール!


 リュウ「ついにこの日が来たか」
 地球を守るため、GUYSの戦闘機群は宇宙へ出撃! このGUYSの戦闘機、『マイティジャック』および『戦え! マイティジャック』(共に68年・円谷プロ)に登場した、水空両用の戦闘攻撃機・コンクルーダーを思わせるデザインなのだが、まさかその当時のミニチュアを改造して流用してるんじゃ……んなわきゃねえわな(笑)。(後日付記:流用だったそうな・汗)
 「あれが、怪獣か……(内心の声:守るんだ。この星を、オレたちの手で!)」リュウは力強く誓う。
 セリザワ隊長「全機攻撃開始!」
 だが彼もセリザワ隊長も、GUYS全てが怪獣との実戦を経験していないため、戦闘機群は次々に撃墜されていく……


 そのころ、地上では人々がそれぞれの平和な時を過ごしていた。
 「♪おおきな栗の〜木の下で〜」
 保育園で子供たちが歌う童謡の伴奏を務めるアマガイ・コノミ。
 (美山保育園の美山(みやま)の名は、『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)第4クール目のレギュラー・美山家からの引用か?)
 「軽い練習なら大丈夫でしょう」と診断した医師に告げられ、「グラッシャス!」(どういう意味や?・笑)と喜びの声をあげるサッカー選手のイカルガ・ジョージ。
 「一生懸命勉強して院長先生になるんですよ」と母親に連れられる、医科大学に合格したクゼ・テッペイ。
 「世界選手権も夢じゃない」とカドクラ監督に告げられ、歓喜の表情を浮かべるロードレーサーのカザマ・マリナ。
 (カドクラの名は、『帰ってきたウルトラマン』の初期企画『続・ウルトラマン』B案のカドクラ牧場(『帰マン』坂田兄妹の坂田自動車工場に相当)からの引用か?)


 その平和な時を「怪獣警報」が打ち破った! パトカーのサイレンが鳴り響き、逃げる群集たち。
 子供たちを乳母車に乗せて避難するコノミだったが、ひとりの子供が「先生、ルミちゃんたちは?」と心配する。まだ残っている子がいるのか?
 子供たちを同僚に任せて保育園に戻ろうとするコノミ。だが既に非常線が張られ、警官に止められてしまう。
 「まだ残ってるんです! あの子たちにもしものことがあったら! お願いします! 行かせて下さい!」
 だがどれだけ懇願しても警官はコノミを行かせようとはしない。
 その光景に気づいて、足をつい止めてしまうマリナ、テッペイ、ジョージ。
 テッペイとジョージは互いに顔を見合わせる。
 するとジョージがサッカーボールを警官に向かってシュート! ボールは炎となって警官の顔面をかすめ、その隙にコノミは非常線に侵入する。ボールはなんとビルの壁面にめりこんだ!
 それを見たテッペイが確信の声をあげる。
 「流星シュート! やっぱりイカルガ・ジョージだ!」
 (流星シュートはもちろん、新ウルトラマンの流星キックへのオマージュ。そして映画『少林(しょうりん)サッカー』(01年・香港・02年日本公開)のように、サッカーボールが急加速のあまり空気との摩擦で炎になってしまうのは、本作はリアリズムよりもダイナミズムや非リアルなマンガ的描写や『レオ』に東映ヒーローのような人間の超人的なジャンプ等の身体描写をもアリにしますよ〜という告知か?・笑)


 これに対してジョージは「行くぜアミーゴ!」とテッペイを誘い、非常線の中に入っていく。
 「僕も……?」
 「ちょっとテッペイさ〜ん!」と過保護の母親(なんと『ウルトラマンA』の因縁の裏番組『変身忍者 嵐』(72年)で愛苦しい特A級特撮少女ヒロイン・カスミを演じていた林寛子だゾ!)が止めるのも聞かず、テッペイも意を決して非常線に突入。そしてバイクで通りかかっていたマリナもまた、コノミを乗せて保育園へと向かっていく……


 まるで運命の糸に導かれたかのように、次回からGUYSの隊員となるメンバーが集結していく構図はほとんど東映戦隊シリーズのノリであるが(笑)、こうした良い点はどんどん取り入れるべきであり、「我が道を行く」ばかりが能ではないことを実感させてくれる名場面である。
 それにしても「流星シュート!」をめぐるキザなセリフやあまりに嘘っぽい演出は、サッカー選手というよりホストの方が似合うんじゃないかと思えるようなイケメン俳優の演技やルックスも手伝い、相乗効果がバツグンとなってカッコ良さを助長している。これで間違ってチャンネルを合わせてしまった女子高生やOLも釘づけ状態(笑)。主役俳優と人気を二分しそうで、また賑やかになるなこりゃ(爆)。


 「隊長、もうオレたちだけしか……」
 GUYSの戦闘機はついにリュウとセリザワ隊長が搭乗する一機だけとなってしまった。それをも襲う、ディノゾールの断層スクープテイザー!
 「リュウ。GUYSを、頼んだぞ!」
 隊長はそう云い残し、リュウを強引に脱出させ、自分は特攻、戦闘機と運命を共にする……
 「全滅だと……」
 通信を聞き、唖然とするトリヤマ補佐官。


 『ウルトラマンA』第1話『輝け! ウルトラ五兄弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060514/p1)においても、ミサイル超獣ベロクロンによって地球防衛軍が全滅し、新たな地球の守りとしてTAC(タック)が創設されるが、主人公・北斗星児と南夕子が入隊したときには既に他のメンバーが戦闘のエキスパートとなっていたTACとは違い、全員がド素人あがりの先述のメンバーの今後の成長ぶりが今から実に楽しみでもある。


 二本の長い尾をくねらせながら、静かにゆっくりと地上に降下するディノゾール。一撃を加えられたビルから窓ガラスが散乱する! ついに破壊活動が始まったのだ!


 「あの子たちって、こいつらのことなのか?」
 思わず拍子抜けするジョージ。コノミが必死で助けようとしていたのは保育園で飼育されていたウサギだった。
 (もちろん園児もといウサギを危険もかえりみずに助けようとする自己犠牲と博愛の精神は、『帰ってきたウルトラマン』第1話で自らの命とひきかえに小犬を助けた主人公・郷秀樹へのオマージュ。彼ら4人は昭和ウルトラなら全員がウルトラマンと合体する資格があることをも示している!)


 そして、GUYSでただひとり生き残ったリュウが地上から決死の攻撃をかける! だが銃撃なんぞものともせず、ディノゾールは街を炎で焼き尽くす!


 「逃げて下さい! 怪獣が迫ってます! 早く逃げて!」
 保育園で飼われていたウサギを助けるために集結した4人の前に、若者(人間体のメビウス)が現れた。
 「この子たちは、みんなで大事に育ててるんです!」
 「突っ立ってるんなら手伝いな!」
 ジョージに導かれ、4人とともにウサギをダンボール箱に詰めるメビウス


 そうしている間にもディノゾールの破壊は果てしなく続く! 逃げまどう群集たち……


 「この子で全部です! ありがとうございました!」
 ジョージ「急げ!」
 ウサギを詰めたダンボールを手に、ようやく避難を始める5人の運命の勇者たち。
 だがついにディノゾールが彼らに迫る! ビルや報道ヘリを次々に切り裂いた断層スクープテイザーが彼らを襲う! 切り裂かれた地面から猛烈な噴煙が巻き上がった!
 ここで戦隊シリーズであれば5人に神秘の力が宿ったりするのだが(笑・でも本当に戦隊の第1話みたいだ!)、これはまぎれもなく『ウルトラマン』なのであいにくそうはならない。しかし、超人的なマリナの聴覚とジョージの動体視力で、5人は断層スクープテイザーを間一髪で避けることができたことを描写する。
 「早く逃げて!」
 4人を逃がし、ひとりその場に残るメビウス
 ディノゾールは今度は肩口からミサイル攻撃を浴びせかけた! メビウスはついに左腕のメビウスブレスを高々と掲げ、本来のウルトラマンの姿へと変身巨大化する!


 「メビウーース!!」


 この叫びがあるのとないのでは全然違うのよやっぱり。『仮面ライダー』(71年)で本郷猛や一文字隼人が「変身!」の掛け声なしに変身していたら、あれほどのヒット作となり得たかどうか? 事実無言で変身していた初期の旧1号編は低迷したわけだし(笑)。
 そして変身パターンはメビウスの輪(正確には無限大のマーク∞)をバックに次第に巨大化を遂げるという、平成作品の中では最も鮮やかな仕上がりであるが(しかも前方に突き出した右手が、大方のウルトラ戦士の巨大化シーンのようなジャンケンのグーではなく、ウルトラマンタロウのようにパー!)、それに続く場面がまた凝っている。
 多分第1話のみの演出になるかと思うが、変身パターンのあと、メビウスはまず光の粒子と化して空中高く舞い上がる。あたりは静寂に包まれ、地上の人々に上空から眩い光が照らされる。一拍おいてその一瞬の静寂を打ち破り、ズドーン! とメビウスが降下してくるのだ!
 この、神秘性を伴ったあまりに美しい演出には、ウルトラマンを神格化しがちな第1期ウルトラ至上主義者も釘づけか?(笑)


 ウルトラマンの存在を伝説と考えていたリュウが思わず漏らした一言。「マジかよ……」
 人々の前についにその勇姿を見せたウルトラマンメビウス! 初代ウルトラマンのような仁王立ちのポーズ!
 群集たちは大歓喜の声をあげ(ここでまた感涙にむせぶ)、一斉に携帯電話のカメラを向ける(笑)……


 意外にも第1話で民間人がウルトラマンを目にする場面は、『ウルトラセブン』第1話『姿なき挑戦者』と、『ウルトラマン80』第1話『ウルトラマン先生』くらいしか昭和のウルトラ作品においては描かれず、防衛組織の隊員のみしかその存在を知ることはなかった。今回これが描かれたのは、もちろん以下のセリフを引き出すためでもある。
 だっこされた幼児「あれぇ? ママが小さいころに見たって云ってた……」
 パパ「ああ、ウルトラマンだ!」
 この親子の会話にまたまた感涙にむせぶ……


 ディノゾールが浴びせる断層スクープテイザーを辛くも避けたメビウスに対し、リュウはこうつぶやく。
 「ビルを盾にしやがった……」
 その通り、メビウスの代わりにスクープテイザーを浴びた3つのビルは、切断された部分から斜めにゆっくりと崩れ落ちる!
 ディノゾールは今度は肩口から連続してミサイル攻撃を浴びせかける! 次々と爆炎が巻き起こる中、側転の連続でこれをかわすメビウス


 自転車やベンチまでもがリアルに再現された、特撮が東宝(第9ステージ)に下請けに出されていた時期の『A』や『タロウ』前半に匹敵するほどの精密なミニチュアセットが派手に破壊される中で繰り広げられる、『A』登場の超獣を思わせるほどの全身超兵器であるディノゾール対メビウスのパワフルなバトルはまさに迫力満点! バックに流れる主題歌も高揚感をあおりたてる!


 地球上での活動限界を示す胸のカラータイマーが点滅、ついにメビウスは必殺光線・メビュームシュートを放った! この発射ポーズがまた初代ウルトラマンや新ウルトラマンが時折見せた、右膝を地面につき、姿勢を低くしたスペシウム光線発射ポーズ! これにまたまた感涙にむせぶ……
 メビュームシュートを浴びたディノゾールはゆっくりと崩れ落ち、その目から生命の光が消えた。再び仁王立ちのポーズをとるメビウスに対し、人々は「やったーっ!」と拍手喝采! これぞ、変身ヒーロー作品の最大の醍醐味であるところのカタルシスと呼ぶべきものだ!


 だがただひとり、メビウスを罵倒する者がいた。
 「バカヤローッ! なんてヘタクソな戦い方だ! 周りを見てみやがれ! ……それでもウルトラマンかよ! なんも守れてねえじゃねえか! なんでそんな……。なんも守れなかった……(泣き崩れる)」
 声の主はリュウだった。これまで実戦を経験したことがない彼にとって、あたり一面が廃墟と化した街、仲間全てを失うというあまりに厳し過ぎる現実は相当こたえたのであろう。全てを守ってくれる存在であると伝説の中で聞かされていたウルトラマンでさえ、全てを守りきることはできなかったのだ(もちろん何よりGUYSの仲間や街を守りきれなかった自分自身への怒りと悲しみの発露でもある)。やり場のない悲しみをメビウスにしかぶつけることのできないリュウの心情を思うにつけ、なんともジーンとさせる名場面である。ひょっとしたらイラクに投入された自衛隊員たちも、リュウと同じ現実に直面し、意気消沈している者も多いのではないか……


 「やっぱり、ここだったんですね」。夜、ウルトラ5つの誓いを唱えた眼下を見渡せる小高い丘で、ひとりたたずむリュウのもとに、ナゼかいきなりGUYSの隊員服姿で現れるメビウス(なんでや?・笑)。


 多分マニア諸氏からは相当ツッコミがされたことと思うが、『ウルトラセブン』第1話『姿なき挑戦者』だって、ウルトラ警備隊のソガ・フルハシ両隊員の前に突然姿を現し、不審者だと思われて専用車・ポインターから特殊ガスを浴びせられてもびくともせず、あろうことかポインターの屋根に乗っかって高笑いをしたりなんてことから「風来坊」と名付けられたはずの主人公モロボシ・ダンが、ラストでいきなり制服姿で「紹介しよう。モロボシ・ダン隊員だ。今日からウルトラ警備隊員として早速任務についてもらう」とヤマオカ長官に紹介されていたではないか(リアルに考えれば、あんな戸籍も保証人もないであろう風来坊を入隊させるわけがない)。
 これは決して批判ではない。子供番組にはこれくらいの無責任なノリは必要悪であり(笑・戸籍の観念がない子供のころには我々も上記の入隊シーンに違和感をいだかなかったはずだし)、宇宙人と地球人とのはざまで思い悩むキャラばかりがマニアの間では強調されるが、実はあのモロボシ・ダンだって初登場時は昨今のヒーロー作品の主役をはるかに超えるほどのブッ飛びキャラだったのである。
 そして、あの黄色のヨット・パーカー姿は演じる森次浩司が元モデルであったことを強調するかのようで、なかなかいいセンスをしているかと思うし、イケメンヒーロー路線が決して近年から始まったわけではないことをも思わせてくれるのである。


 「一緒に戦わせて下さい。あなたと一緒に戦いたいんです!」
 「なにやる気マンマンみたいな顔してやがる! もうGUYSなんてなあ、必要ないんだよ!」
 通信機を大きく振りかぶって投げ捨てようとするリュウだが、やはりそんなことはできず、炎の模様がペイントされた通信機をジッと見つめる。
 「行きましょう。フェニックスネスト(GUYS基地)へ。貴方を待っている人がいます」


 GUYS基地。GUYSの基地内のスクリーンに映る、大型の攻撃戦闘機を目にするリュウメビウス。そこに現れるひとりの男がそれを解説する。
 「GUYS総本部は、統合攻撃戦闘機・ガンフェニックスの配備を決定した」
 「アンタ誰?」
 「本日付けで新生GUYSの隊長に任命された、サコミズだ」


 ちなみに『ウルトラマン』(66年)の主人公、科学特捜隊・ハヤタ隊員の、初期企画『ベムラー』『レッドマン』の段階でのネーミングはサコミズであった。マニアの皆さんもこれには釘づけか?(笑)


 「僕は新生クルー第1号、ヒビノ・ミライです! よろしくお願いします!」


 ラストでやっと地球人名を名乗るメビウスリュウとの初対面の際に普通名前名乗るだろ? なんてつっこむ人はオジサンです(笑)。あの時点では一期一会で終わったかもしれないわけで、そんな相手にわざわざ名前を名乗ることはしないのが普通だし、ましてや近年の若い人々はよほど親しい間柄でも互いの本名知らなかったりするらしいからね。それよりなによりラストで名乗る方が物語的にも視聴者に対してもインパクトが強調されるでしょうよ。絶対に。


 主人公のあまりに爽やかな笑顔で幕となる第1話。これだけメインターゲットの子供はもちろん女児や女性やママ・パパ・マニアら視聴者各層の欲求のツボを各所で押さえ、クドクドとしたナレーション説明をされなくとも設定や各キャラの位置が一目瞭然でわかる構成はお見事の一語に尽きるのだ。いやホントにこんな『ウルトラマン』が観たかった!
 ああ、これを「ウルトラマンシリーズ誕生30周年記念作品」でやっていたらねえ……随分と遠回りをしたもんだよホントに。
 もっとも平成ウルトラ作品だって、それまでのウルトラシリーズを嗜好する層とはまったく異なるファン層を獲得したという意味ではその功績は大だと思う。でも若い人々は知らなかったんだろうけど、ウルトラシリーズとは本来こうした『メビウス』的な面白さを備えた作品群だったんですよ。まあ25年もやってなかったんだから知らなくても当然だよねえ。オジサンとしてはこの『メビウス』をキッカケとして、これと同じ世界観を持った昭和のウルトラ作品を若い人々が視聴してくれることを切に願います。


 ホレ、♪こっちの水はあ〜まいぞ(笑)


2006.4.15.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2006年春号』(06年4月23日発行)『ウルトラマンメビウス』初期話評・合評④より抜粋)


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ウルトラマンエース#10「決戦! エース対郷秀樹」

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ウルトラマンメビウス#1「運命の出逢い」 〜感激!感涙!大傑作!

  (当該記事)

ウルトラマンメビウス#29「別れの日」、30話「約束の炎」 〜タロウ客演前後編!

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★今こそ昭和ウルトラの全遺産を活かせ!★ 〜ドラマやテーマよりも、ウルトラ兄弟・歴代怪獣・世界や年表・児童の神話的年代記やジャンク知識収集癖へ訴求せよ! 武器や鎧・テーマパークな未来都市・2回変身や等身大バトルなど身体性の快楽も!

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ウルトラマンネオス』95年版 〜Wヒーローならテーマへの多角的アプローチが可! 防衛隊も巨大ロボを持て!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971115/p1


[関連記事] 〜ウルトラシリーズ第1話!

ウルトラマンエース#1「輝け! ウルトラ五兄弟」

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ウルトラマンダイナ#1「新たなる光(前編)」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971201/p1

ウルトラマンネクサス#1「Episode.01夜襲 ―ナイトレイド―」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041108/p1

ウルトラマンメビウス#1「運命の出逢い」

  (当該記事)

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル#1「怪獣無法惑星」 〜第1シリーズ序盤合評

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1

*1:徳間書店ハイパーホビー』06年5月号(ASIN:B000EXZLT8)の別冊付録『ウルトラマンメビウス DOCUMENT MEBIUS』に掲載された、主人公ヒビノ・ミライ役の五十嵐隼士(いがらし・しゅんじ)インタビューより。

 「台本に1話1話、いい言葉が絶対にあるんですよ。その中でもいちばん気にいったのが「ありがとう」って言葉だったんですよね。ミライが1話で最初に話した言葉が「ありがとう」なんです。それが自分の好きな言葉でもあったんで。普通の言葉なんですけど、最近の日本人って「ありがとう」って使わないですよね。「すいません」になっちゃう。だから、「ありがとう」って言葉の大切さを子供たちに伝えたいし、自分でも大切にしていきたいって思いました。そういう部分もぜひ観てほしいですね」

 これにはまさしくオジサンも同感。ずっと応援するからね!(笑)