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仮面ライダーゴースト 〜中盤合評・仮面ライダーネクロム改心!


『シン・ゴジラ』 〜震災・原発・安保法制! そも反戦反核作品か!? 世界情勢・理想の外交・徳義国家ニッポン!
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『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧


 『仮面ライダーゴースト』(15年)も、2016年9月25日(日)についに最終回が放映!


 ……とカコつけて(汗)、『仮面ライダーゴースト』中盤合評を発掘UP!

仮面ライダーゴースト中盤合評 〜悪の3号ライダー・仮面ライダーネクロムが正義へと改心するドラマ顛末!

(2016年6月〜7月執筆)

仮面ライダーゴースト 〜中盤合評1

仮面ライダーゴースト』第3クール評

(文・中村達彦)


 予定通りと言うか、早くもと言うか4クール目に突入した。その前のエピソード群、前後編でやるべきであったタケルの消滅と復活を1話でみせた力技もさることながら、面白い話が続く。うち3人目のライダー、アランの成長話に目が行く。


 アランはたこ焼き屋台のフミ婆さんへ心を開き、家族に替わるこの世界での拠りどころを得たが、フミ婆さん突然の死。だがその死こそ、フミ婆さんの最後の教えでもあったのだ。敵怪人との戦いでなく、病気での死というのも、最近の作品ではないシーンであり、印象深い。
 その死を乗り越えたアラン。続いてサンゾウゴーストから与えられた試練#36〜#37の特訓話。猿・豚・河童の3人にいじめられるも、特訓を経て、お供に。続く敵幹部ジャベルとの再戦で、この3人を「仲間だ!」と言い切るシーンも「うっ!」と来た。


 なおアランを演じる磯村勇斗は、昨年公開した映画『ガールズ・ステップ』(15年)で主人公を温かく見守る幼馴染を好演していた。同映画はお勧めの学園友情話だ。ちなみに主人公たちを応援する甘味処の店長役で、10年前『仮面ライダーカブト』(06年)の仮面ライダーサソード神代剣役でデビューした山本裕典が出演しているのも見逃せない。機会があったら観てもらいたい。


 他のエピソードも、「心を繋ぐ」の言葉通り、シブヤと母の和解、科学者兄弟の和解、アイドルグループの和解と、戦いの中の一方で人々の心を修復させ、良い方にドラマを持っていく。唯の人間に過ぎない天空寺の面々、か弱い少女カノンまでが、タケルを助けて戦いにも、人々の問題解決にも尽くす姿も、観ていて気持ちが良い。
 前向きな人間ドラマと同時に、守護神ガンマイザーをコントロールしているが立場が逆になりつつある敵幹部アデルや、ディープコネクト社で陰謀を張り巡らせる敵幹部イゴールなどの伏線も並行で進んでいき、次回も気になる。


 その一方、シリアスなドラマとは真逆の数々のギャグ。#34〜#35の男性陣の童話キャラなりきり、タケルや科学者兄弟もさることながら御成のラプンツェル姿、カノンだらけに萌えるマコト、御成とアランの顔落書き合戦、#36〜#37の『仮面ライダーウィザード』(12年)のヒロイン・コヨミ(演・奥仲麻琴)が転生したようなゲスト・ホナミのアイドル話で、先の童話キャラなりきりでオアシスの役目を果たしたアイドル姿のメインヒロイン・アカリ(コンサートでホナミを復帰させるため一肌脱いだのは、やはりの展開だが、良かった)、彼女の前ではギャグキャラに落ちてしまうイゴールと、枝葉の部分でも楽しませてもらった。シリアスドラマであることをついつい忘れてしまう。


 前作『仮面ライダードライブ』(14年)の出演陣が、ドラマにグラビアにと現在、活躍を続けているように、来年は『ゴースト』出演陣も活躍してくれんことを。その前に、4クールへ突入し、様々なドラマやキャラクターの結末をどうやってつけてくれるかだが……。


(了)


仮面ライダーゴースト 〜中盤合評2

無限の魂が道を切り開く!

(文・J.SATAKE)


 第3クールを放送し終盤を迎えた『仮面ライダーゴースト』(15)。
 生き返りの期限を切った天空寺タケルの命をつないだのは父・龍の魂であった! 新たな真紅のゴースト=闘魂ブースト魂に変身するタケル。そして仙人の言葉によれば龍はいまだ死地には落ちていないらしい……。


 中盤は15の英雄眼魂(えいゆうアイコン)とタケルが改めて対話しながら事件を追いつつ、3人目の仮面ライダー・アランをめぐる展開がメインに。
 眼魔の世界を完璧だと信じ、仮面ライダースペクター=深海マコトを眼魂の力で従えるアラン。しかしその世界は人民が肉体を管理されなければ維持できないほど荒廃していた! さらにアランの兄・アデルは国王でもある父・アドニス(演・勝野洋!)暗殺の罪をアランに着せて、15体の眼魔の守護者=ガンマイザーを手中に収める。
 身内の裏切りに心破れるアランを救ったのは敵対していたはずのタケルにマコト、その妹・カノンの優しさ、そして人生を達観したフミばあちゃんの作るたこ焼きの味だった……。


 個人の感情を押しつぶさなければ成り立たない世界で育ったアランは、友であるマコトもただ自分に従う存在でなければ認められなかった。しかし皆それぞれの感情・思いを尊重したうえで自分の心に素直に行動するのが本来の人の姿。頑ななアランをそのまま受け入れつつ、たこ焼きを勧めるフミばあちゃん。彼女が人間の懐の深さを体現してくれる。
 タケルたちの世界もすべての人がそうではないがそうしてかたち作られたからこそ、魔物が闊歩する赤黒い空となってしまった眼魔の世界とは違い、青い空が広がりフミばあちゃんのたこ焼きを食べることができる。
 自分が心から素敵と思える人・世界を守りたい。アランがやっと思い直したところでフミばあちゃんは他界……。突然の悲報に落胆するも、彼女の人柄とたこ焼きの味に癒された多くの参列者が葬儀に訪れ、孫娘が跡目を継いでゆくという感動的な展開に!
 人は亡くなってもその思いは受け継がれてゆくという本作のテーマを描き、アランの復活の契機とすることで第3の仮面ライダーとしての立ち位置を揺るぎないものとした。


 こうした一連のキャラクター描写や、シリアスからコメディ調まで振り幅の大きい展開を見事にこなしてタケルたちライダーをサポートする住職・御成(おなり)と理系女子・月村アカリの凸凹コンビの存在は本作の大きな魅力となっている。
 ゲストキャラにその回の英雄眼魂が乗り移り事態を引っかき回しながらその心情を描く。第29・30話は『特命戦隊ゴーバスターズ』(12)イエローバスター・宇佐見ヨーコ役の小宮有紗嬢、第36・37話は『仮面ライダーウィザード』(12)ヒロイン・コヨミ役の奥仲麻琴嬢と特撮ファンお馴染みのキャストがそれぞれ脱出王・フーディーニ、玄奨三蔵法師の乗り移った姿=コスプレでタケルたちに迫る!
 それに対抗するように七変化ではっちゃける御成と、彼に相乗りしてさらなる混沌を呼び込んだりするも科学の力で解決をしっかりとサポートするアカリ。
 サブキャラ・ゲストヒロインを効果的に使い、バトルアクションではライダーたちのゴーストチェンジシーンやバトルアクションもカットを細かく割らず、奥から手前へと移動する視点やロングショットなどで新味を出す。
 両前後編ともにこの凝りようは……と思ったら、最近東映作品から離れていた坂本浩一監督が担当されている! 中途参加ということでシリーズの雰囲気を損ねないようにしつつも、監督独自のヒロイン愛やバトル演出で楽しませてくれる!


 こうした個々のエピソードは適度に笑わせながらほろりとさせるヒーローバトル展開で不満はあまりないのだが、物語全体としての大きなうねりが感じられないのが残念なところであろうか。
 そのひとつがゴースト&スペクターのパワーアップの経緯。タケル・マコトが眼魔の世界へ潜入してほぼ『棚からぼた餅』で新型変身アイテムであるアイコンドライバーGやディープスペクターゴースト眼魂を入手してしまう――仙人と瓜二つ? の科学者=イーディス長官の画策ではあるのだが――。タケルたちと眼魔の世界を行き来する流れを繰り返すかたちとなり、もうひとひねりあってもよかったのではないだろうか。


 タケルは15の英雄眼魂を全部乗せ! 全身の鎧に眼魂のマークをちりばめ、頭部は一本角からムサシ魂の刀の柄などを用いた冠を戴いた風貌に変化した仮面ライダーゴースト・グレイトフル魂に変身!
 各英雄の武器はもちろん、場合によっては英雄を召還――ヒラヒラしたゴーストパーカー状態ではなく黒ずくめの肉体を得た英雄が!――タケルとともに戦ってくれるのだ!!
 しかしこの英雄たちすべての声を担当しているのが特撮ファンとしても知られる声優・関 智一氏ひとりなのだ! 
 ショッカー首領の声を担当してきた故・納谷悟朗氏に代わり、その声色を見事に再現! ショッカー怪人も担当するなど驚異的な活躍をしている関 智一氏!
 邪馬台国卑弥呼など女性眼魂までやってのける達者ぶりは脱帽ものなのだが、逆にいえばそこまで予算が苦しいのか? ゲスト声優にお笑い芸人を使うのも良いが、これから先のことも考えて凄みを出せる怪人の声優も発掘していただきたい!!


 マコトはシルバーとパープルのツートンボディの仮面ライダーディープスペクターに変身! 闘魂ブースト魂と同じく眼魂を装填することでパワーアップする銃剣・ディープスラッシャーを得物に、凶々しい翼で空を斬るゲキコウモードでライダーキックもパワーアップした!


 全部乗せをやってしまったあとはどうするのか? 近年のライダーはその先のパワーアップも目指さなければならない!
 火や水、風といったエレメントを司るガンマイザーはゴーストたちを排除すべく行動を開始した! オレ魂ゴースト眼魂を破壊され霧散するタケル……。希望を失う彼を復活させたのはアカリの科学的探求心と必ず帰ってくると信じる御成・マコト・カノンたち仲間の熱き想いだった!
 人が生きること、それが命と思いをつないでゆく無限の道となる! 想いの大切さをかみしめ再生したタケル。彼の内なる熱い心が新たなるアイテム=無限大のマークをあしらったムゲンゴースト眼魂を産み出し、究極の姿=仮面ライダーゴースト・ムゲン魂に変身した!!
 オレ魂も胸部のアーマーが透明となっていたが、このムゲン魂は全身がクリアパーツ! さらに七色に輝くラメが混入されておりきらびやかさも増している!


 ガンマイザーに対抗できる力を得たタケルだが、問題はまだまだ山積している。今は戦いを避けられない状態だが、事件のなかで出会った画材眼魔=キュビちゃんや音符眼魔と心を通じあえたことから、肉体を奪われた眼魔の世界の人々を救う道をとることは必定。
 
 それがタケルと父・龍が現世に帰るために避けて通れない障害にもなるであろう。そのとき肉体を奪われたままのマコト、眼魔の世界が故郷であるアランはどう動くのか?
 夏の劇場版を含め、本作のラストをいかに締めくくるのか、しっかりと見届けたい。


(了)


仮面ライダーゴースト 〜中盤合評3

仮面ライダーゴースト』中盤評 ――帰ってきた坂本浩一監督!――

(文・久保達也)

第29話『再臨! 脱出王の試練!』〜第30話『永遠! 心の叫び!』

タコ焼きを頬張って戦うアラン=仮面ライダーネクロム!


 第30話、第2期平成ライダーシリーズではすっかりおなじみのロケ地となった(笑)、廃工場を舞台にしたクライマックスバトル!


 本作の敵役・眼魔(ガンマ=怪人)や戦闘員たちが集結する廃工場に、単身で潜入するアラン=仮面ライダーネクロムの足下(もと)がスローモーションで、カツカツという靴音を響かせながら映しだされる。
 これは次の瞬間に、視聴者の度肝(どぎも)を抜くための演出である!
 続いて映しだされるのは、なんと、左手にたこ焼きが詰まった紙箱を持ち、それを次々にほおばりながら、戦闘員とのバトルアクションを繰り広げるアランの姿である!


フミ婆「わたしの見立てどおり、よく似合ってるよ」


 たこ焼きの屋台を営んでいた、「心」暖まる老婆・フミ婆(ばあ)から、かつて「セレブの彼氏」(笑)などとからかわれた、眼魔の世界の貴族のような黒い衣装を脱ぎ捨て、まるでアランの正体がネクロムであることを知っていたかのようなフミ婆から贈られた、白の上下に黄緑のトレーナーを纏(まと)うことで、アランは「新しい自分」に生まれ変わったのである!


 フミ婆だけではない。
 アランのバトルアクションと交錯させる形で、これまでの数々の回想場面が挿入されることにより、


・天空寺(てんくうじ)タケル=仮面ライダーゴースト
・深海(ふかみ)マコト=仮面ライダースペクター


との出会いもまた、アランにとっては実に大きいものであったことが端的に、そして絶妙なまでに表現されている!


アドニス「良き友を持ったな」
フミ婆「それが、人間ってもんだよ」


 父・アドニスやフミ婆をはじめ、信じるものを全て失い、フミ婆曰(いわ)く、


「世界の終わりみたいな顔をして」(笑)


いたアランを心機一転させたのは、やはりタケルやマコト、マコトの妹・カノンであった。


アラン「私は、自分がどうしたいのかもわからない」
マコト「答えは、おまえの心のなかにあるはずだ」
タケル「自分にとことん向き合えば、きっと答えは出るはずだよ」
カノン「アランさんがそんなんじゃ、きっとフミ婆も悲しみます」


 敵地に乗りこもうとするタケル&マコトと、「心」が迷っていたアランとの間で交わされた会話だが、カノンに手渡されたフミ婆からの贈りものを目にした途端、一気に吹っ切れるアランの笑顔が実に自然でよい!


「ああ、そうだな。人間も悪くない!」


 アラン、仮面ライダーネクロムに変身!
 優勢となるも、実の兄・アデルが送りこんだ赤い殺戮(さつりく)マシン、ガンマイザー・ファイヤーの


「排除開始」
――女性による機械的な声がまた、絶妙な不気味さを醸(かも)し出している!――


により、ネクロムの変身が解けてしまう!
 ガンマイザーの攻撃の炎はCGで描かれているが、吹っ飛ばされるアランの背景では実物の炎が燃えあがるという、使い分けの妙が絶品である!


アラン改心の動機付け! 守るべき世界と人情の象徴としてのフミ婆!


アドニス「自分の心に従え」
フミ婆「心のままに、やってごらんよ」


 倒れ伏したアランの「心」に、アドニスとフミ婆が語りかける!


アラン「私の、心は……!?」


 そこに、倉庫内からの主観で、タケルとマコトがバイクを併走(へいそう)させ、入り口から乱入するさまをとらえた演出が、あまりにもヒロイックにすぎる!


アラン「私の心は、この世界の宝物を、守りたいと叫んでいる! そしていつか私の世界も、この世界と同じように、美しい世界に、人間の手で変えてみせる!」


 起き上がりながら、アランはタケルとマコトの眼前で、「心」の叫びを爆発させる!


 第29話で、フミ婆はかつて画家をめざしていたことをアランに明かし、久しぶりに絵を描きたいと願う。
 この世界に存在する、すべての「宝物」を描きたいと。


アラン「空が、青い……」


 人間界に来て最も感動したのは、空が青いことであると、アランはかつて父のアドニスにそう語っていた。
 あまりにもあたりまえにすぎる、そんな日常にごく普通に存在するもの、そして、そんな程度のものに素直に感動できる「心」こそが、『ゴースト』の世界では「宝物」であり、絶対に守らねばならないものとして描かれているのである!


 いつの間にか、アランの肩にもたれて眠りこけるフミ婆の姿が、ラストの悲劇を暗示する描写としては秀逸(しゅういつ)にすぎるものがある。
 そして、フミ婆の願いをかなえようと、画材を手にスローモーションで駆けるアランの姿と、ベンチで眠りこけるフミ婆の姿を交錯させ、アランのために用意したであろう、最後のたこ焼きの箱がその手からこぼれ落ちる描写は、定番ながらも実に泣かせるものがある!


 第30話前半、喪服(もふく)姿のエキストラを大量に動員することで、フミ婆が実に多くの人々から慕(した)われていた事実を丁寧(ていねい)に描いた演出も秀逸だが、フミ婆が生前にアランに語った


「心は、死なないんだよ」


の係り結びとなる形で、葬儀場でタケルがアランに


「フミ婆の想いは、みんなの心の中で生き続けるんだ。きっと、アランの心にも」


と語りかけ、アランが手で左胸をおさえる描写もまた、


「自分の心に、正直になりなよ」


とのフミ婆の願いを受け、アランを決意へと導く動機づけとして立派に機能しているのである!


アラン改心を受けて、3大ライダー大活躍も盛り上がる!


マコト「あいつ、限界を超えた!」
タケル「行こう!」


 タケル・マコト・アランが順に各変身アイテムに眼魂(アイコン)を装着し、レバーを作動させるさまが省略されずに描かれることにより、変身したゴースト・スペクター・ネクロムの、トリプルライダーが揃い踏み!


・倉庫内でバイクをジャンプさせるゴーストの背景で、本物の炎がハデにブチあがる!
・そして、CGで逆ウイリー状態となったゴーストのバイクの後輪を眼魔にブチあてる!
・スペクターのバイクがジャンプするさまが真下からあおりでとらえられたかと思えば、次の場面ではCGのバイクがあおりで描かれ、多数のチェーンを発射して戦闘員たちを攻撃する!
・さらにはCGではなく、ワイヤーで吊られたスペクターが必殺キックを繰り出す!


 ネクロム、ガンマイザー・ファイヤーが放ったCGの炎に包まれるも、


「この心の求めるままに!」


と、それを振り切って「心」の叫びをあげる!
 最後まで残ったガンマイザー・ファイヤーを相手に、


・ゴーストは15人の英雄の力を結集させた仮面ライダーゴースト・グレイトフル魂に!


・スペクターは、まるでクワガタ虫の大アゴを思わせるギザ状のアンテナがかっこいい仮面ライダー・ディープスペクターに!
――既に多くの人がツッコミを入れていることかと思うが、この名称、確信犯だろうけど饒舌(じょうぜつ)にすぎる外人タレントのデーブ・スペクターの名とあまりにもまぎらわしい(笑)。眼魔に乗っ取られたディープ・コネクト社の社長を演じているのが、セイン・カミュでよかった(爆)――


強化形態へとタイプチェンジを遂げる!


ゴースト「魂は、永遠に不滅だ!」
スペクター「オレの生きざま、見せてやる!」
ネクロム「心の叫びを聞け!」


 バツグンにかっこいいキメゼリフが放たれたあと、背景に黄・紫・緑と、それぞれのカラーの紋章が浮きあがるばかりでなく、ゴースト・スペクター・ネクロムの脚部に、紋章からスパークが放たれるデジタル演出が実に華(はな)がある!
 華麗に宙に舞いあがり、ガンマイザー・ファイヤーにトリプルキックを炸裂(さくれつ)させる仮面ライダー
 そして、それぞれが着地するさままでもが順にとらえられているのは、どこまでも仮面ライダーを徹底的にかっこよく見せようとするこだわりの演出であり、まさに圧巻のひとことに尽きる!
 燃えあがる炎の前に揃い踏みするトリプルライダー!
 これこそが、ドラマ演出とバトル演出のクライマックスが華麗に融合した瞬間である!


「心の要否と解放テーマ」&「偉人召喚設定」も巧妙に接合!


「心があるからこんな気持ちになるのなら、心なんていらない」


 第30話冒頭、フミ婆を失ったアランはこう嘆(なげ)いていたが、事故で失ったばかりの父親に会いたいと願ったものの、眼魔の幹部・イゴールによって復活した父が、


イゴールいわく「心など、ありません」


であったことに傷心し、


「おとうさんに会いたいなんて、思わなければよかった」


と苦悩する女子高生・ユキの物語が、


タケル「ユキさんの心はどうしたいんですか?」


などと、アランと対比させて並行して描かれていたことが、より奥深い趣(おもむき)を感じさせてくれることとなった。


 ユキは伝説の脱出王・フーディーニに何度かとりつかれてしまうさまが描かれているが、第30話のクライマックスで、フーディーニの眼魂はゴーストに力を貸す際、


「心を鎖から解き放つ手助けをしよう」


と語っている。
 アラン、そして、ユキの「心」が解き放たれる物語を描くにあたり、偉人の選定も実に的確になされていたと言えるだろう。
 それにしても、フーディーニにとりつかれている間のユキは、セーラー服の各部に切られた鎖が飾られているばかりか、それを使って戦闘員をしばいたりもする(笑)。


坂本監督の趣味!? 坂本作品常連の「小宮有沙」嬢も登板!


 ユキを演じているのは、『特命戦隊ゴーバスターズ』(12年)の宇佐見(うさみ)ヨーコ=イエローバスター役でドラマデビューを果たしたあと、


・アイドルグループでんぱ組.inc(インク)主演の映画『白魔女学園』(13年・東映)の生徒会・三雲杏(みくも・あん)役
・映画『劇場版 ウルトラマンギンガS(エス) 決戦! ウルトラ10勇士!!』(15年・松竹)のアレーナ役


などで、既に今回のユキのような、両極端な二面性のある役柄を披露し(笑)、さらに、


・大人気となったアイドルアニメ『ラブライブ!』(13年・2013プロジェクトラブライブ!)の続編である『ラブライブ! サンシャイン!!』(16年7月スタート! さあ、みんなで観よう!・爆)の生徒会長兼スクールアイドル・黒澤(くろさわ)ダイヤ役


で、遂に声優にも初挑戦することとなった小宮有沙(こみや・ありさ)である。


 今回のユキのような、前髪をおろしてメガネをかけた姿は結構かわいらしく、とても22歳には見えませんな(笑)。


 その小宮を、先述した『白魔女学園』や『俺たち賞金稼ぎ団』(14年)や『劇場版ウルトラマンギンガS』など、自身の作品でしつこく(笑)起用し続けてきたのが、今回久々に『仮面ライダー』のメガホンをとることとなった、坂本浩一(さかもと・こういち)監督である!


エネルギッシュな坂本浩一監督のライダー再登板に期待!


 坂本監督の『ライダー』への登板は、テレビシリーズでは実に『仮面ライダーフォーゼ』(11年)以来のことであり、劇場版では映画『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦(ムービー・たいせん)アルティメイタム』(12年・東映)以来、一本もライダー映画を撮ってはいない。


 当時は人気面でも商業面でも絶頂だった第2期平成ライダーが低迷を始めた要因の中には、それ以降、坂本監督が不在となったことも含まれるように思えてならないものがあるのだ。


 今回の前後編はまさに、バトル・アクションで魅せる、ハート・ウォーミングなドラマといった趣であった。
 実際第29話は、坂本監督作品としてはアクションの占める割合が意外に少なく、結構「人間ドラマ」が中心であるような印象が強い。


 それでもディープ・コネクト社本社ビル内の狭い廊下での場面でさえ、複数の仮面ライダーに複数の眼魔、戦闘員たちが格闘しているほど、バトル演出では、常に多数の仮面キャラクターが配置されているばかりでなく、屋上でのバトルではゴーストがビリー・ザ・キッドの力を借りてガンさばきを見せるなど、必ず仮面ライダーがタイプチェンジを披露しているのである。
 今回の前後編のオープニングを見ても一目瞭然(りょうぜん)であるが、通常回とは異なり、まさにスーパー戦隊並みに多数のスーツアクターの名前がクレジットされているのだ。


 近年の平成ライダーが失いかけていたものを、坂本監督がようやく取り戻してくれた。
 今回はやはり、そんな想いを抱かずにはいられないのである。


アラン「この世界の宝物は、必ず守ってみせる」


 屋上で青空を見上げながらたこ焼きをほおばるという、この世界の「宝物」を満喫(まんきつ)しながら戦う決意を新たにするアランの眼前に現れて、


「よく似合ってるよ」


と、語りかけるフミ婆の幻影にアランが笑顔を見せるラストシーンは、実に微笑(ほほえ)ましいものがあった。


 だが、筆者にはアランのラストのセリフが、本来なら我々にとって「宝物」であるにもかかわらず、シリーズが存在するのがあたりまえとなることで、すっかりありがたみが失われ、長期低落傾向にあるのに作り手もマニアの側も危機感が薄いように見える平成『仮面ライダー』を、自身が必ず守ってみせるという、坂本監督の決意表明のように思えてならないものがあるのだ。


2016.7.1.
(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2016年初夏号』(16年7月2日発行)〜『仮面特攻隊2017年準備号』(16年8月13日発行)所収『仮面ライダーゴースト』中盤合評より抜粋)


[関連記事]

仮面ライダーゴースト 〜第1クール評

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仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧(スマホの場合、画面遷移後に一番下の「PC版」を押下すると参照可)

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[関連記事] 〜平成ライダーシリーズ最終回

 (平成ライダー各作品の「終了評」の末尾に、関東・中部・関西の平均視聴率を加筆!)

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