假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

海賊戦隊ゴーカイジャー2話「この星の価値」 ~&ゴーカイ#38

『炎海賊戦隊ゴーカイジャー』1話「宇宙海賊現る」 ~&ゴーカイ#37
『炎神戦隊ゴーオンジャー』 〜ゴーオンレッド江角走輔 &ゴーカイ#35〜36
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スーパー戦隊シリーズ 〜全記事見出し一覧


『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)#38「夢を掴む力」寸評!

(文・T.SATO)


 『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)#37「最強の決戦機」〜#38「夢を掴む力」の前後編では、歴代戦隊の“大いなる力”ならぬ、ゴーカイジャー自身の“大いなる力”が発動して、後編ではハデハデな最強ロボ・カンゼンゴーカイオー(カンゼン=完全! 日本語での形容、冠言葉じゃねーか!?・笑)が登場!


 その後編である#38「夢を掴む力」では、“ゴーカイジャーの大いなる力”の正体が明かされる。それは! サブタイトルの語句そのものであったとゆー!


 いやはや、愚輩たる小生は、サブタイですでにネタバレしていたとはまったく気付きませんでした(笑)。そこまで真正面から大胆に来られるとは……。ふだんは小賢(こざか)しい重箱のスミ突つきの深読みばかりしていたせいで、精神的な貧血に陥っていたせいか、そのさらにウラを掻いてくるような(?)そんなベタな迫り方をしてくるとは思いもよらなんだ……と思ったのは小生だけであろうか?(汗)


 新ロボ自体は、「ガオライオン」と「ゴーカイオー」とが合体した「ガオゴーカイオー」がさらに「シンケンゴーカオイオー」に変形するパターンのバリエーションであった。つまり、「炎神マッハルコン」と「ゴーカイオー」とが合体した「ゴーオンゴーカイオー」がさらに「カンゼンゴーカイオー」に変形するパターンですけど、最終最強ロボ(?)にはふさわしい王者的・皇帝的な、上下ともに末広がりなハデハデしさが子供ウケしそうではあるのだし、個人的にも最終形態ロボとしてはスキなデザインだ!


 ゴーカイブルーのライバル(?)でもあった、ブルーの元・師匠が改造された姿でもあった敵ロボ幹部・バリゾーグとの決闘と決着も悪くはなかった。けれども、本作『ゴーカイジャー』は敵味方の因縁劇よりも、先輩戦隊ゲスト回といったイベント編を連発するというお祭り作品でもある特性上、ブルーとバリゾーグとの因縁をこれまでネチっこく描いてきたワケでもなかったし、点描の羅列に留まっていたところもあったので、そのかぎりでは劇中内キャラの「感情」の「蓄積」の「結果」としての落着面では多少弱いかな……とも。


 とカコつけて、ムリクリだけど、『海賊戦隊ゴーカイジャー』#2(?)合評をUP!(#1合評は先週日付記事にUP済!)


『海賊戦隊ゴーカイジャー』#2 〜合評


『海賊戦隊ゴーカイジャー』#2 〜合評1

(文・鷹矢凪弥寿士)

『海賊戦隊ゴーカイジャー』#2「この星の価値」

〈脚本:荒川稔久/監督:中澤祥次郎〉


ゴーカイレッドことマーベラス「守りたきゃ、お前は別の方法で地球を守れ!」


 (どうやって? と訊〈き〉かれて)


マーベラス「甘えてんじゃねえよ、そんなのは自分で考えろ! ……おい、この星に守る価値はあるか?」


少年「ある、どこにでも…… 海賊なら、自分で見つけろ!」


マーベラス「(苦笑して)なるほど……。じゃあな!」



☆今回のアバン・ナレーションにて


「(34のスーパー戦隊の)力を受け継いだのは、とんでもない奴らだった!」


 と紹介されたゴーカイジャー。たしかに背景や活動理由からして“とんでもない奴ら”なのであるが……。



ナビィ「『黒い服を着た人間』が、イイことを教えてくれるぞよ」


 案内役のオウム型ロボット=ナビィ〔声:田村ゆかり〕の預言〈よげん〉に従い、『黒い服を着た人間』を捜して、街を駆け回る海賊たち。


 だが、『黒い服を着た人間』はあちこちにいる。困窮していると、「黒い学生服」を着た中学生くらいの少年〔演:泉 大智〈いずみ・だいち〉〕が、


「お宝の在りかを知ってます」


 と声をかけてくる。眼を輝かせる海賊たちに、少年は“スーパー戦隊”の伝説を語る。しかし、海賊たちは戦隊ヒーローたちの姿をかたどった「レンジャーキー」を大量に持ってはいても、その謂〈いわ〉れは知らないようだった。


 すると、少年はマーベラス(ゴーカイレッド)からレンジャーキーを奪い取ろうとした!


 たちまち取り押さえられる。すると、少年はそれまでの丁寧な態度を翻〈ひるがえ〉し、「宝なんか知らない!」と毒づいて逃げ去る。


 だが、隙を突いて「レンジャーキー」のひとつを引ったくられていたと気づいて、「ギタギタにしてやる!」と憤慨して、少年を追うマーベラス!


 それを制止しようとアイム(ゴーカイピンク)もまた追いかけた! 残る3人は「マーベラスは少年の無鉄砲さに惹かれたのかも……」と語り合い、さらに追いかける。


 街を襲撃するザンギャックの行動隊長・ボンガン〔声:廣田行生〈ひろた・ゆきお〉〕。追いついたふたりに少年は告げる。


 「自分は“レジェンド大戦”で自分を庇〈かば〉ってくれた祖父の死を目の当たりにした。あんたたちに地球を守る気持ちがないのなら、自分が戦う!」……と。


少年「俺は、もうイヤなんだ。自分の周りで誰かがヤラれるのは……」



 その言葉に、マーベラスも過去を思い出す。かつて“赤い戦士”〈注9〉〔声:古谷 徹〈ふるや・とおる〉〕とともに、広大な宇宙を旅していた彼だったが、ザンギャックに追い詰められた時、赤い戦士は彼にレンジャーキーを託し、奴らの中に斬り込んで消えていった。


赤い戦士「お前との旅はここまでだ。俺の分まで生きろ。そして、宇宙最大のお宝を必ず手に入れろ。いいな!」


 マーベラスにとって、「レンジャーキー」は命の恩人との約束を果たすための、大切な預かりものなのだ。(実はナビィも、元は赤い戦士と組んでいたらしい)


〈注9〉もちろん、その「赤い戦士」とは、“戦隊”30作記念Vシネマ『轟轟〈ゴーゴー〉戦隊ボウケンジャーVS〈たい〉スーパー戦隊』[07・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110718/p1]に登場した「赤い戦士」=「歴代レッド戦士の魂を継承する」といわれている“アカレッド”(笑)のことである。ただし、胸のマークの数字が「30」→「35」などの変更が入っているが。なお、アカレッドのCVも、同作同様に古谷氏が務められていた。古谷氏は子役出身で、熱血系キャラからクールガイまで、言わずと知れた大人気野球アニメ『巨人の星』[68]の主人公・星飛雄馬(ほし・ひゅうま)から『機動戦士ガンダム』[79]の主人公アムロ・レイ少年まで、さまざまな役柄を演じられてきた大ベテラン声優であった。



 しかし、このゲスト少年の気持ちを酌〈く〉んでか、マーベラスは少年に変身アイテム・モバイレーツを手渡し、ボンガンを倒せたらキーを譲る……と告げる。


 少年は奮い立って、「レンジャーキー」でなんと『侍(さむらい)戦隊シンケンジャー』のシンケンレッドに変身!! ザンギャックに立ち向かう!!


 「戦闘員」である兵士たちはどうにか叩き伏せたが、その長でもあるいわゆる「怪人」であるボンガンには圧倒されてしまう少年シンケンレッド。打ちのめされた彼を、マーベラスが冷静かつ厳格に諌〈いさ〉める。その際の会話は、先に挙げた通りだ。これほど殺伐としたヒーローと少年キャラとの交流も珍しい。しかし、後述の心情にまで思いを巡らすと、この舌戦にさえ静かな温かみが漂う。



○互いの信条をぶつけ合いながら、どこか似通うものを感じ合ったかのようなマーベラスと少年。その証拠に、言い負かしたつもりの少年から逆にやりこめられたマーベラスは、どこか嬉しそうだ。本話ラストでアイムやハカセも指摘したが、子どもであっても容赦しない代わりに、その気概は一応認めてやったようにも映る。正義を気取らないが、冷酷でもない。そんなマーベラスの言動には、裏返しの優しささえ覗〈のぞ〉く。


 年少の視聴者は、マーベラスにどんな印象を持っただろうか。初めは怖がるかもしれない。だが一方で、むやみに甘やかさない姿を「カッコイイ」と憧れそうな気もする。シビアだがホットなヒーロー像に、密かな期待が持てる。



△ナビィ「♪ どうする どうする 君ならどうする? ♪」


 本話冒頭でナビィが口ずさむのは、往年の『電子戦隊デンジマン』ED〈エンディング〉主題歌・「デンジマンにまかせろ!」の一節であった。コレも古参ファンへのサービスであろう。……とはいえ、その歌詞の直後の一節をアレンジして、


「♪ まかせるんだ 俺たちに 海賊戦隊ゴーカイジャー! ♪」


などとならないあたりが、本シリーズのニクイところである。



□ザンギャックの旗艦〈きかん〉・ギガントホースでは、またもや殿下ワルズ・ギルが理不尽な指示を出していた。表向きはそれに従いながらも、坊っちゃん気質まる出しの司令官に対する静かな軽蔑を覗かせるダマラス。決して一枚岩でない敵軍の脆〈もろ〉さも伺える。



◇ゴーカイジャーは、ガンとサーベルを交換しながら縦横無尽に暴れ回って、戦闘員ゴーミンやスゴーミンを次々に薙〈な〉ぎ倒す。


 これは#1でも見られたが、一匹狼たちの集まりのような海賊戦隊たちだが、意外とチームワークは良いようだ。結果的に、ブルー&イエローは二刀流、グリーン&ピンクは二丁拳銃で決めている。それぞれの得手を裏打ちするアクションが巧〈たく〉みだ。


 ちなみに、のちの#8で語られるが、ゴーカイブルー=ジョー・ギブケンも「元はザンギャックの特殊部隊にいた」(!)という背景を持つ。なぜ離脱したのか、そして“ある人物”との因縁も、今後に明かされるはずだ。ちなみに、ジョー役/山田氏は本作が俳優デビューだとのことだ。しかし、それを感じさせない熱演ぶりには拍手したい。



◇ボンガンとの戦いでは、ゴーカイジャーはまず『特捜戦隊デカレンジャー』[04・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110321/p1]の特捜戦隊デカレンジャーの5人に変身し、ヤツを射撃する! 続いて、ボンガンが腕から剣を出して襲いかかってくると、『忍風〈にんぷう〉戦隊ハリケンジャー』[02・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110822/p1]の「忍風戦隊ハリケンジャーの3人」と、同作の第2戦隊であったともいえる「電光石火〈でんこうせっか〉ゴウライジャーの2人」に変身し、“超忍法・影の舞”で斬りつける! 「銃」の次は「刀」と、ゴーカイジャーが備える武器を交互にぶつけてゆく変化ある戦術が冴える。


 なお、ゴウライジャーは史上初の“ライバル戦隊”にして“二人兄弟戦隊”、そして“援軍戦隊”でもあった。また、兄のカブトライジャーのシンボルカラーは臙脂〈えんじ〉色(濃い赤)、弟・クワガライジャーは群青〈ぐんじょう〉色(濃い青)と、いずれも2011年現在では唯一の体色であった。〈注10〉


〈注10〉原典の『ハリケンジャー』では、ハリケンブルーは女性・ハリケンイエローは男性だったが、ここではゴーカイジャーに合わせてコスチュームの仕様が男女入れ替わっている。色彩まで変えるかたちで別の戦隊ヒーローに変身してしまっては、過去作を知らない一般視聴者や幼児に混乱を招くための当然の配慮だろう。また、ゴウライジャーも本来ふたりとも男性なのだが、こちらはそもそもゴーカイジャーと色彩の統一ができるわけもない(笑)。よって、ピンクが変身した群青色のGKクワガライジャーの服装は、色彩はそのままに女性仕様=スカート式になっていた。



◇そして、映画『天装〈てんそう〉戦隊ゴセイジャーVS〈たい〉シンケンジャー エピックON〈オン〉銀幕』[11]でのゴーカイジャー初登場での歴代戦隊への変身に続いて、ゴーカイジャー全員が歴代レッドに変身!


 ただし、今回はレッドから順番に、シンケンレッド・ガオレッド・マジレッド・ゴセイレッド・ゲキレッドという組み合わせ。また、『ゴセイVSシンケン』ではイエローがゲキレッドに、ピンクがマジレッドに変身したが、今回は逆になっていた。映画『ゴセイVSシンケン』では、ゴーオンレッド・ボウケンレッド・ゲキレッド・デカレッド・マジレッドという組み合わせであった。ちなみに、この時、ゴーカイイエローがゴーカイチェンジしたゲキレッドが、「ま、“海賊版”ってことで……」と、自身の姿を余裕を持って自嘲的に嘯〈うそぶ〉いていた。


 この文章では便宜的に、ゴーカイジャーたちが変身した海賊版(笑)の先輩戦隊ヒーローたちを、「ゴーカイ」の略称のアルファベット2文字を取って「GKゲキレッド」などと呼称させていただこう……


 GKマジレッド・GKゴセイレッドが炎の術で遠隔攻撃! Kガオレッド・GKゲキレッドがパンチやキックでの接近攻撃! 最後に、GKシンケンレッドの斬撃という戦術であった。同じレッドでも戦法の違いが明確に区別され、実に見栄えがあった。そして、GKシンケンレッドに変身したゴーカイレッドの呼びかけ――


GKシンケンレッド「さっきは世話になったな」


 少年の無念を晴らすようにも響く、粋〈いき〉な言い回しだ。


 ちなみに、本話での必殺技“ファイナルウェイブ”は、サーベルとガンの混合攻撃=“ゴーカイスクランブル”だった。(呼称は無し)



◇しかし、女敵幹部・インサーンの開発した装置が放った、旗艦からのエネルギー砲で、倒されたはずのボンガンとスゴーミン3体が巨大化した!


 ゴーカイジャーも、赤い帆船〈はんせん〉・ゴーカイガレオンを起動させる!


ゴーカイレッド「ド派手にいくぜ!」


 そして、ゴーカイガレオンから4つのマシンが飛び出した。


 ガレオンの“ガレオンキャノン”と4大マシンの各武器が、それぞれ巨大スゴーミン2体を撃破する!


 さらに、4マシンがガレオンを中心に合体! 巨大ロボット・“ゴーカイオー”になった!!


 ガレオンの衝角〈ラム/しょうかく=船首の体当たり戦術用突出装備〉が変形した“ゴーカイケン”を振るって、巨体に似合わず、後方回転などの身軽さを見せるゴーカイオー!


 巨大ボンガンはゴーカイオーを羽交絞〈はがいじ〉めにして、残りの一体の巨大スゴーミンとともに挟み撃ちを狙った!


 しかし、ついでにゴーカイオーの背中のダイヤルを回してしまって、胸の巨砲=“ゴーカイホー”を作動させ、スゴーミンへその砲弾を直撃させてしまう!(笑) ダイヤルは非常用の発射装置だったのだ。そして、巨砲の弾丸連射=“ゴーカイスターバースト”でボンガンにトドメだ!!


 いかにも海賊らしく少々アンフェアではあったが、地球での初戦を勝利で飾ったのであった。ゴーカイオーの装甲を開扉して、砲弾の充填もしっかりと見せて、その攻撃の段取りにも説得力を持たせる特撮映像面での演出も上手〈うま〉い。


 湾岸のコンビナート内での戦いも、戦隊巨大ロボットの大きさを納得させており、なかなか迫力があった。セットではなく合成だろうが、無茶なバトルフィールド設定も、こういった近年の戦隊シリーズのようなユルい世界観の作品であれば、そうしたムチャについても視聴者も許容できよう。



◆前話のシカバネンもそうだが、ボンガンは悪=怪人としてはステロタイプであり、個性が少々弱く、戦法も単純であった。開巻編ゆえ、主人公チームの特性や物語の背景を印象強く打ち出す必要があったため、やむを得ないとも言えるけど。



△ゴーカイジャーが駆る他の4マシンは、以下の通りだ。


・ゴーカイブルーが操る、青いジェット機=“ゴーカイジェット”
・ゴーカイイエローが駆る、黄色いトレーラー=“ゴーカイトレーラー”
・ゴーカイグリーンが走らす、緑色のレースカー=“ゴーカイレーサー”
・ゴーカイピンクが進める、白+ピンクの潜水艦=“ゴーカイマリン”


 形に似合わず、いずれも宇宙空間での活動も可能なようだ。それぞれロケット弾やレーザー砲などの武装も持っている。本話で披露されたのは、


・ジェット機首のバルカン砲
・レーサー機首のエネルギー砲
・トレーラー上部およびマリン尾翼のレーザー砲


 だが、他にも幾つかの武装があるらしい。いずれ各機でのバトルも見られよう。



 海賊船・ゴーカイガレオンには、下からトレーラー → マリン → レーサー → ジェットの順で格納されている。ロシアの民芸品“マトリョーシカ”のように入れ子式で収納されているようだ。理屈からすると物理的にもおかしいのだが、最小限の動力源と駆動システムで、内部が空洞でもふつうに動ける技術によって製作されている……といった解釈もできる。《※ のちに、「次元圧縮によって格納されている」との公式設定が発表された・笑》


 今回の戦隊マシン群のモチーフは、久々に「動物」ではなく「乗りもの」であった。『轟轟〈ゴーゴー〉戦隊ボウケンジャー』[06・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110717/p1]以来だ。子どもが憧〈あこが〉れる存在を巧〈うま〉く取り入れる姿勢は、相変わらず見事である。


 ゴーカイオーは、


・ガレオン → 頭部&胴体
・ジェット → 右腕&兜〈機体後部〉
・レーサー → 左腕
・マリン → 右脚
・トレーラー → 左脚


 という構成であった。カラフルではあるが、海賊船が中核を成すこともあり、従来の戦隊巨大ロボット群と比較しても、渋さと重厚さを強く感じさせるデザインだ。



○大空に去りゆくゴーカイガレオンを、微笑んで見送る少年。ヒーローにはなれなかったが、「別の守り方」を彼なりに見出だしていくことだろう。


 ところで、この少年の本名は最後まで語られない。少々穿〈うが〉ったクサい理由づけをすると……。「彼は、昔“スーパー戦隊”に憧れ、今でも“スーパー戦隊”に胸をときめかせる……そんな大きなお友だち(笑)である、あなたたちの投影でもあるのだよ」といった暗示でもあるのだろう。


 もちろん、“ヒーロー”に憧れることそれ自体を、純粋なものだとして手放しで賞賛しているのではない。その「ダークサイド」として、それなりの同情すべき「動機」や「理由」があったとしても、安易に変身アイテムを「盗み」までして、性急に“ヒーロー”としての力を手に入れて「安上がり」しようとするような「自堕落さ」も含めてである。もって自戒すべしなのだ。


★少年の今後に思いを馳せる海賊たち。アイムとハカセはマーベラスの配慮を褒める。しかし、ジョーとルカは買いかぶりだろう……と冷ややかだ(笑)。それを知ってか知らずか、舳先〈へさき〉に立って、静かに微笑むマーベラス。果たして、両者の見解のどちらが正しいのか? 想像してみるのも一興だろう。


 過去は垣間見えたが、いまだ底の知れぬマーベラス。そんな彼が、赤い戦士と別れたあと、いかにして海賊戦隊を結成したのか? それは、追い追い明かされていくだろう。いずれにせよ、彼らの地球における“お宝探し航海”は、まだ始まったばかりである。



★そんな彼らを静かに見送る、“黒い”ローブを纏〈まと〉った若い男がいた。


ローブをまとった男「海賊か……」


 ナビィが告げた『黒い服を着た人間』とは、どうやら彼のことであったらしい。なんとなく見覚えのある顔だが……!? そう。マジレッドこと小津 魁〈おづ・かい〉だ!〔演:橋本 淳〈はしもと・あつし〉〕〈注11〉


〈注11〉『假面特攻隊』2010年号100〜103P『侍戦隊シンケンジャー銀幕版・天下分け目の戦〈たたかい〉』[09・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100810/p1]評中、102P左段/39〜40行目にて、橋本淳氏の御名前の読みを〈はしもと・じゅん〉としてしまいましたが、正しくはこちら=〈はしもと・あつし〉です。この場をお借りして、訂正の上、お詫び申し上げます。



 早くも大波乱の様相を呈している、海賊戦隊の船出。連中がお宝探しを超え、真に地球を守るヒーローへ進化する時はやってくるのだろうか? 彼らの航海をジックリと見届けたい気分は、筆者の中で早くも高まりつつある……。



※文中引用のセリフは、一部大意です。なお、本文は初鑑賞時の気分を重んじて執筆しておりますので、のちのTVエピソードや劇場映画版、雑誌記事などで判明した固有名詞・人物&メカニック背景などについては、必要最低限の言及に留めさせていただききました。併せて、ご了承くださいませ。



●2010/12/13、声優・渡部 猛〈わたべ・たけし〉氏が、享年74歳にて逝去されました。“戦隊”に留まらず、数多くの特撮作品、そしてアニメ作品に出演されました。“戦隊”最後の御出演は、『星獣戦隊ギンガマン』[98・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20110711/p1]の宇宙海賊バルバン幹部・“破王〈はおう〉バットバス”役でした。渡部氏のご活躍に感謝し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。



※文中、以下の各誌、ならびにインターネットフリー百科事典「ウィキペディア」に於ける本作解説&関連記事を一部参考にさせていただきました。
☆『東映ヒーローMAX〈マックス〉』Vol.36・37[11/2&5・辰巳出版]
☆『宇宙船』131・132号[11/1&4・ホビージャパン]
☆『エンターブレインムック/35 SUPER HEROクロニクルfeat.〈フィーチャリング〉 海賊戦隊ゴーカイジャー公式航海ナビ』[11/6・エンターブレイン]
☆『栄光のスーパー戦隊シリーズ完全ガイド』[03・メディアワークス]


【2011/3/20〜6/25一部改訂】


(了)
(初出・当該ブログ記事。『海賊戦隊ゴーカイジャー』開巻評(#1〜2評)より#2評のみを抜粋)


『海賊戦隊ゴーカイジャー』#2 〜合評2

(文・田中雪麻呂)


 筆者の躓(つまづ)きの石はこのシーンでした。


 #1のBパート、キャプテン・マーベラス(=ゴーカイレッド)以下、5人のゴーカイジャー達が、執拗に弱者をいたぶる、ザンギャック帝国行動隊長・シカバネンと対峙した時です。シカバネンは余裕たっぷりに、こう言い放ちます。


「貴様ら、確か賞金首の海賊どもだな。(略)見逃してやるから、サッサと消えろ!」


 そこでゴーカイジャー達が悪口雑言でそれに応え、乱戦の火蓋が切って落とされるのです。気になったのは、前記のシカバネンの言葉が、ある種、ゴーカイジャーへの“仲間意識”のようなものから出ているように感じられたからです。今、侵略しようとしている地球の住人は、逃げ惑うばかりで全く抗(あらが)わないし、事のついでにとゴーカイジャーを倒しに掛かっても良いのに、敢えてそれをしなかった。


 これは筆者の想像ですが、シカバネンはマーベラスらに、かつての自分の姿を見たのではあるまいか。この悪趣味で「ドS(どエス)」なシカバネンが、生え抜きの軍人であるとは考えにくい(笑)。元はフリーな無頼の輩で何らかの経緯でその腕っ節を見込まれ、懐柔されて体制側についたのではなかろうか。……って、筆者の妄想はともかく、そう考えるとリアルではあるんだけれども、ヒーロー側が薄汚れてしまうのですね。


 また、ゴーカイジャーがハッキリとザンギャック帝国に反旗を翻(ひるがえ)すというシーンも、明確に示されていなくて残念。……て言うか見せ方が下手だなあと思いました。


 虐(しいた)げられている一介の地球人のために全くの益の無い行動を、無頼なヒーローがしてしまうというのが、#1の最大の見せ場だと思うので、『科学戦隊ダイナマン('83)』で、悪の王子メギドの尻尾をダイナレッドが切り落としたくらいのインパクトがほしかったですね。


 たとえば、司令官ワルズ・ギルの記念式典か何かに乱入して、帝国側の誇りを大きく傷付ける、とかすれば、敵さんも本腰をあげ、ヒーローの豪快さも同時に描けたかと思いますが……。



 筆者の隣で視聴していた6才の従兄弟は、別のシーンに怒っていました。


「こいつらは、ヒーローじゃないッ!」


 とまで言い放っていました(笑)。


 よくよく話を聞くと一度、ゴーカイジャーのメンツは虐げられている人々を見捨てた、と言うのです。


 ビデオを見返してみると「なるほど」、シカバネンが弱者を足蹴にしているのを唯一、アイム・ド・ファミーユ(=ゴーカイピンク)だけが発見し、ハカセ(=ゴーカイグリーン)は


「(ゴーカイガレオン=[ゴーカイジャーの宇宙船]に) 行かないの?」


 と皆をせかし、ジョー・ギブケン(=ゴーカイブルー)もルカ・ミルフィ(=ゴーカイイエロー)も、心ない言辞を弄するなど、我々のイメージするヒーロー像とは掛け離れたリアクションでした。


 否、それ以前に、シカバネンがあんな「ドS」な振る舞いをしなければ? 否、そもそもマーベラスらが、1ブロック違う道を通っていたら?


 やはり幼児なので、ヒーローとの奇跡の出会いを喜ぶというより、見捨てられていた公算の方が大きかったという恐怖の方が、ウチの従兄弟にかぎれば先に来たようです。


 もちろん、主人公たちが地球を守る義理の無い宇宙人のクルーという設定は、新機軸として確信犯的に打ち出されたものではあります。しかし、筆者などは斬新さよりも、ドラマのキャラクターとして感情移入ができるのかという不安の方が大きいです。


 で、ぶっちゃけ、あのメンツは宇宙人には見えないし(笑)。(キャストの)ファンの方には悪いけど、どうみてもドングリ眼(まなこ)の東洋人なので。アレ、ゴーカイジャーのメンツを全員、外国人にしたら良かったと思います。あんまりペラペラ喋るキャラはいないし、多少可愛げが無くても、過去戦隊をぞんざいに扱っても、外国人なら仕様が無いかなって思えるし(笑)。


 また、どうしてもレッドが無愛想ということで、『侍戦隊シンケンジャー ('09・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090712/p1)』と比較してしまうんですけど、殿(との)こと志葉丈留(しば・たける=シンケンレッド)には、忠義者の池波流ノ介(いけなみ・りゅうのすけ=シンケンブルー)や幼馴染の梅盛源太(うめもり・げんた=シンケンゴールド)など、「殿の口」になるキャラがいて、上手く物語が回っていました。けど、ゴーカイジャーは各キャラが一匹狼然としていて、緊張感はあるんだけど、ストーリーが動き辛い、って言うか、キャラ設定も仕上がり過ぎていて、いきおい、キャラ同士の化学反応も鈍い感じです。


 この作品は、“スーパー戦隊のタブー”を敢えて犯すみたいな新機軸が前述の様に幾つかあります。まず、このシリーズで“宇宙から来る”こと自体が悪側のスタンスであります。また、戦闘シーンではほぼ負けることがないといった最強の戦隊であります。


 あと、モバイレーツ(変身アイテム)はゴーカイジャー以外の人間でも使用可能という設定を早くも#2で顕在化させており、筆者などは衝撃を受けました。過去戦隊でも、変身アイテムがその使用者のみに適合するという設定は、逆に少なかったものの、敢えてこの作品のように、シリーズ序盤で第三者に変身アイテムを貸し与えて、戦隊ヒーローに変身までさせてしまうという描写は、ダイレクト過ぎたのではないかと思いますが。


 その弊害は割と早く出ています。#5でマーベラスが『特捜戦隊デカレンジャー ('04)』の宇宙警察地球署のボスであるドギー・クルーガーと共闘します。ふつうなら、『特捜戦隊〜』の主役である赤座伴番(あかざ・ばんばん=デカレッド)とペアを組むはずなのにと思っていたのですが……(実際、デカレッド役の載寧龍二(さいねい・りゅうじ)氏は出演していたので)。
 良く考えると、レッドがふたりで行動したら、マーベラスが変身アイテム・モバイレーツにデカレッドのレンジャーキーを差し込んで、赤座伴番に手渡してしまったら、そのまま彼が本来のデカレッドに変身できちゃうんですよね(笑)。


 #1冒頭の「レジェンド大戦」の説明で「戦士たちは戦う力を失った」とあったので、戦士たちは記憶を失ったり、半病人にでもなったのかと思っていたのですが、#3のマジレッド、#5のデカレッド、#7のゲキレッドと(見た目には)健在であり、いったいどういう状況なのでしょうか?


 また、先ほどの論を進めると、モバイレーツと各戦士のレンジャーキーを量産できたとして、それを34戦隊分も配れば、またレジェンド戦隊は復活するのでしょうか?(笑) もっと論を進めて、モバイレーツを量産して日本国民全員に配ったら、国民全員がレジェンド戦士になれるのでしょうか?(笑)



 今(2011年4月15日現在)のところ、個人的にはメインライターの荒川稔久(あらかわ・なるひさ)氏ではなく、#7を執筆した香村純子(こうむら・じゅんこ)氏の作品がベストです。鈴木裕樹氏が演じる漢堂ジャン(=ゲキレッド)がゲストの回です。マーベラスやルカの、一見お気楽に見えるキャラが、日々の余人には見えない鍛錬(たんれん)を励行(れいこう)していることを描いて、それに触発されたハカセの(自分なりの)高みを目指す姿勢を、暖かい眼差しでとらえた佳作です。


 ハッと気付かされることも多い一編ですが、説教臭くなく、ゲストのジャンの立ち位置も無理が無く結果、儲け役となっています。各キャラの動かし方がメインライターより、巧みで緻密なことに驚かされました。余談ながら、ジャン役の鈴木氏はもうこの役はキツいかな、と憂慮していたのですが、すんなりとキャラにハマっており、改めて役者さんの順応力には敬服しました。


 メインライターの荒川稔久氏は、ヒット作を多く手掛け、特にイベント編の執筆では、ここ何年も右に出る者はいません。しかし、本作に関しては少しバテ気味かな、と思います。些末なことに拘り過ぎるあまり、肝心なドラマの「命題」や「横糸」や「縦糸」が疎かになりがちなように思います。#6や#8などの毒にも薬にもならない「四畳半コメディ」が、もともとの荒川氏の持ち味であり、スペースオペラは荷が重すぎるのではないでしょうか。


 筆者は、荒川氏と同郷の名古屋出身なので、(そのレベルはともかく)考え方は解るような気がします。中央志向ながら、出身の出自がローカルという負い目が潜在的にあり、アイデンティティと照れ隠しが交錯し、状況によって当たり外れが激しい作風かと思います。また、独自のサービス精神が裏目に出て、作品の核がぼやけてしまうこともあります。ちなみに、本作のプロデューサーのひとりで、プレス(報道機関)へのスポークスマン(広報担当者)も務める、東映の宇都宮孝明氏も名古屋出身でした(笑)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2011年春号』(11年5月1日発行)『海賊戦隊ゴーカイジャー』序盤合評4より抜粋)



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