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ウルトラマンエース26話「全滅! ウルトラ5兄弟」


「ウルトラマンエース」総論
「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧


(脚本・田口成光 監督・筧正典 特殊技術・川北紘一
ファミリー劇場ウルトラマンA』放映・連動連載!)
(文・久保達也)
 黄昏(たそがれ)る夕陽の荒野で、ブロンズ(青銅)像にされてしまったウルトラ5兄弟が立ち尽くすビジュアルが強烈な印象を世代人や後続世代にも残した一大巨編。


 全長200メートルもの地獄星人ヒッポリト星人が街に現れ、風地獄や火炎地獄で徹底的に破壊を繰り広げ、地球人に対してウルトラマンエースの明け渡しを要求する。
 挿入歌『タックの歌』のインストゥルメンタルをバックに勇敢に出撃するTACだが星人は全ての攻撃を受け付けず、立ち向かったエースはブロンズ像にされ、はるかウルトラの星から急遽駆けつけたウルトラ4兄弟もまた……


 屈指の娯楽編であるが実は『ウルトラマン』(66年)第33話『禁じられた言葉』の悪質宇宙人メフィラス星人が一少年の心を試して地球を侵略しようとした話を、その規模を全人類の心を試すことにまで拡張したアンチテーゼ編でもある。
 力押し・武力での制圧のみではなく自主独立の人類の心・精神・魂までをもピッポリト星人はねらってきたのだ! この両者を同時にねらってきた宇宙人はピッポリト星人が今のところ空前にして絶後ではないのか?


 父をヒッポリト星人に殺された少年が


 「エースを星人に渡せば父さんは死なずに済んだんだ!」


 と竜隊長を非難するのをはじめ、TAC本部には市民から


 「エースを星人に渡せ!」


 と電話がじゃんじゃんかかってくる。地球の守り神であったハズのエースが地球の脅威になってしまうというあまりの皮肉。
 これまで再三地球の危機を救ってくれたエースを人々が厄介者扱いするのだ。そんな人々をエースは守る必要があるのか……リアル・ハード路線を志向する人々が好む「人類批判」がここでは痛烈に描かれているのである。


 だが北斗と夕子は


 「エースが最後まで地球の守り神であることを見せてやるんだ!」とウルトラタッチ!


 そして山中隊員までもが


 「いっそのことエースを星人に渡してしまった方がいいのではないでしょうか」


 と提案したのに対し、竜隊長は例によって


 「バカモン!」と怒鳴り、「我々は戦う! 断固として戦うんだ!」と力強く主張する。


 この熱い展開は確かにメッチャかっこいいのだけれど、「テロには屈しない」を主張する某国大統領や我が国の首相の姿がどうにもかぶって見えて……ダメですなあ大人になると。余計なこと考えちゃって娯楽を娯楽として楽しめなくなって……


 エースが断末魔に発したウルトラサインによってウルトラ4兄弟が救援に駆けつけるが、ゾフィー初代ウルトラマンはあっけなく透明な円筒状のヒッポリトカプセルに閉じ込められる。
 対してウルトラセブンは果敢に星人に立ち向かい、結構イイところを見せてくれるが、これは明らかに当時の子供たちの間でセブンの支持が最も高かったのを反映してのものだろう。新ウルトラマンが必死でゾフィーと初代マンをカプセルから助け出そうとしているのも、どことなく優しげな新マンのキャラが反映されていて良い(笑)。


 かくてウルトラ兄弟は皆ヒッポリト星人によってブロンズ像にされてしまった。その危機を救う者は誰か? 実は次回予告ではその正体が全く明らかにされていない……



<こだわりコーナー>
*TACの新兵器として、細胞破壊ミサイルが登場。


*少年の父が誕生祝いとして買ったエースの人形は背中のスピーカー状の穴やヒモから判断して当時マスダヤから発売されていたトーキング人形かと思われる。他にも『超人バロム・1(ワン)』(72年)や『人造人間キカイダー』(72年)、『スペクトルマン』(71年)のスペクトルマンに怪獣ゴキノザウルスなど各種出ていたが、バロムワンの声はTVと同じ村越伊知郎キカイダー人形はジロー役の伴大介の声で喋る仕様であった。果たしてエース人形は北斗星児役の高峰圭二の声で喋ったのか? まさか南夕子役の星光子の声と交互に喋ったとか?(笑) それともエースの声を演じた納谷悟朗だったとか? 劇中ひとこと喋らせてほしかった……


*そのエース人形を投げつけてエースとTACを非難する少年を演じた西脇政敏は次作『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)第33話『ウルトラの国大爆発5秒前!』、第34話『ウルトラ6兄弟最後の日!』とこれまたウルトラ兄弟勢揃いの前後編にゲスト出演している。このときも極悪宇宙人テンペラー星人と一緒になって「タロウ出てこ〜いっ!」とやっぱりタロウを非難していた(笑)。
*その姉を演じた小早川純。筆者的には第29話『ウルトラ6番目の弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061120/p1)から登場するダン少年の姉・香代子の役は彼女にやってほしかったなあ。大変失礼ながら小早川純の方が可愛いって……


ワールドフォトプレス発行『フィギュア王』№92(ASIN:4846525651)(05年9月24日発売)における「総力特集 ウルトラマンマックス」の中で、ヒジカタ隊長役の宍戸開(ししど・かい)が


 「個人的には『A』のヒッポリト星人を復活させてほしいですね」


 と語っているが、やはり「マニアでない」同世代(氏は66年9月4日生まれで筆者と2ヶ月違い)ならではの率直な感慨であろう。筆者もこの第26話をリアルタイムで観た記憶が実に鮮明に残っているから。


 個人的には『ウルトラマンマックス』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060503/p1)にヒッポリト星人を出すのであれば、3クール目を『仮面ライダーストロンガー』(75年)後半の「デルザー軍団編」みたく、ヒッポリト星人を宇宙忍者バルタン星人、分身宇宙人ガッツ星人、暗殺宇宙人ナックル星人、極悪宇宙人テンペラー星人にサーベル暴君マグマ星人らと「地球侵略連合」を組ませ、当初は優勢に立つも仲間割れやらテンペラー星人のヘマで(笑)壊滅する、なんてのをぜひ観てみたいなあ。
 あと異次元宇宙人イカルス星人が大怪獣軍団を操り、竜巻怪獣シーゴラスを東京湾に、殺し屋超獣バラバを新宿副都心に、宇宙大怪獣ベムスター四日市コンビナートに(地元(実家)なので・笑)、どくろ怪獣レッドキングを大阪に、液汁超獣ハンザギランを北海道に、大蟹(おおがに)超獣キングクラブを瀬戸内海に出現させて暴れさせ、ウルトラマンマックスが登場するや全てが合体して暴君怪獣タイラント登場! なんて劇場版でどうですか? 円谷プロ様……


*ちなみにヒッポリト星人の声は『帰ってきたウルトラマン』で新マンの声を演じていた谷津勲(やつ・いさお)。実は個人的に氏の声はジジくさくて(笑)新マンにはミスマッチだと思う。もっとも氏は『帰ってきた』4クール目では新マンと並行して星人の声を多く演じており、『仮面ライダー』(71年)でも第11話『吸血怪人ゲバコンドル』や第38話『稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦』などで怪人の声を演じているからやはりそちらの方がふさわしいと思える。
 なお全くの余談だが、『帰ってきた』放映当時に発売された小学館の学習雑誌に付録で付いたフォノシートのいくつかでは渋い声で有名な声優の柴田秀勝が「みなさんこんにちは。ぼくウルトラマンです」などと新マンの声を演じていた(笑)。


*『A』第26話が放映された秋のクール改編期でもある72年9月29日の翌日に放映された『仮面ライダー』は第79話『地獄大使!! 恐怖の正体?』であったが、ショッカー大幹部・地獄大使が怪人ガラガランダ(ショッカー怪人の総決算とでも呼ぶべき傑作である)となってライダーに破れる。
 ショッカー首領は新たな組織(のちにゲルショッカーと判明)の登場を宣言、謎の怪人ガニコウモルが「ついに我々の出番がきた。仮面ライダー、必ず消す!」と語るなど、新たな展開の含みを持たせ、視聴者の次週への関心を最大限に持続させる工夫が成されていた点は、『A』第26話と同様であった。


 これに対して本作33年後(本稿執筆05年時点)の同時期(05年9月24日)放映分『ウルトラマンマックス』の第13話『ゼットンの娘』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060315/p1)はねえ……
 やっぱ初代ウルトラマンを最終回で倒した最強の宇宙恐竜ゼットンに苦戦するマックスの場面で終わらせて、新キャラクター・ウルトラマンゼノンは第14話『恋するキングジョー』(上原先生、そろそろ……笑)に登場させた方が盛り上がっただろうに。一応前後編なんだからさあ。ゼットン出番少なすぎ! もったいないぞ。結局ゼットンより「娘」が描きたかったんだろうねえ……


*視聴率22.8%


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2007年号』(06年12月30日発行)『ウルトラマンA』再評価・全話評大特集より抜粋)


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