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宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章「嚆矢篇」 〜キナ臭い主張を期待したい(爆)

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 アニメ映画『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第一章「嚆矢編」』(17年)にあたる、TVアニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』(18年)#1〜2が放映記念! とカコつけて……(本日は#3の放映ですけれど・汗)。


宇宙戦艦ヤマト2202(ニーニーゼロニー) 愛の戦士たち 第一章「嚆矢篇(こうしへん)」』 〜キナ臭い主張を期待したい(爆)

(2017年2月25日(土)・封切)
(文・T.SATO)
(2017年4月27日脱稿)


 本誌読者の過半が生まれる前、約40年前の1978年夏の第1次アニメブーム時に大ヒットし、当時まだ上限が20歳前後だったティーン中心のアニメファンたちの涙を振り絞った映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』とそのTVお下がり版『宇宙戦艦ヤマト2』(共に78年)のリメイク版が公開。


 その第一章は『ヤマト2』初期話数のリメイクなのだけど、それだけだとツカミが弱いからか、冒頭からカネと手間をかけたドンパチを配置。遠宇宙での地球艦隊&ガミラス艦隊の数百数千艘におよぶ連合艦隊vs白色彗星ガトランティス艦隊との大海戦を描く。一進一退の攻防の末、小惑星に偽装されていたガトランティスの超巨大な大戦艦が出現して形勢は不利に。そこに地球軍の現場はもちろんガミラス全軍は一切知らなかった、地球防衛軍の起死回生の切り札・新造戦艦アンドロメダが投入されて、超兵器・拡散波動砲の一撃で敵軍を蹴散らす! さらにワープして地球に自爆特攻しようとした満身創痍の敵艦1艘を、軍命ナシに(笑)機転を利かした主人公の戦艦が追いかけて、地球に繋留中のヤマトと連携して撃破する!


 この美麗かつ迫力ある戦闘シーンには酔わせられる。いやぁ「ボクたちは敵と争う前に愛し合わなければならなかったんだ!」なんてウソだよね。あるいは事後の言い訳だよね。ボクたちはカッコいい戦闘シーンが、ひいては戦争が大スキなんだよネ!(爆)


 本誌ライター陣とは異なり、原典第1作のリメイクである前作『ヤマト2199』に対する筆者の評価は高い――ただしその良さは、『ヤマト』初作という盤石な型があった上でのディテールUPの良さであって、もうマニア間でも忘却されている巨大ロボアニメ『ラーゼフォン』(02年)の出来も見るに、メカデザイナー上がりの出渕カントクの素の手腕については疑念あり――。しかし、異星のオーバーテクノロジーである艦首の波動砲をラストで封印する展開は、その意図は判るものの、悪い意味で日本的な偽善クサい空想的な平和主義という感じで、イイ感じはしなかった――加えて出渕らオタク第1世代は重度の『ヤマト』初作至上主義であり、続編どころか続編のリメイクすら封じるかのごとき作劇は、小学生時代に『ヤマト2』もフツーに楽しみ、その続編のTV長編『新たなる旅立ち』にも狂喜した筆者としてはプチ反発も覚えている――。


 ところで続編が作られる以上は、ヤマトの目玉である波動砲を発射しないワケにもいくまい!? となれば、積極的ではなくとも消極的には波動砲――軍備や核の隠喩!――の封印を解かねばなるまい。その過程で新スタッフがキナ臭い主張を行間に込めてくれたならば! なぞと筆者は秘かに思っていたのだが(笑)。しかし、大勢の理解は得られそうもないし、この『第一章』を観たかぎりでも、ヤマト乗員たちはアンドロメダ波動砲に反対しているので、人類の手に余る超兵器への懐疑とその慎重な運用といったあたりに着地するのだろう。まぁ大勢向けをねらうエンタメとしてはそれが順当な作りではある。


 若干のキナ臭さの投入こそ『ヤマト』原作者の故・西崎義展プロデューサーの国粋的な本音に報いる道ではないのかとも思うけど(笑)、本作では「この宇宙には愛が必要だ」と豪語する白色彗星のズォーダー大帝の方に西崎Pが投影されているようでもある(汗)。


 当時はともかく今から見ると、『さらばヤマト』でヤマトが上層部を無視して、現場の独断で助けを求める異星へと旅立つ展開は、近代の軍隊にはあるまじき行為ではあった――もちろん本作『2202』では冒頭の独断行動に対して軍上層からキツいお咎めがあり、主人公青年・古代進(こだい・すすむ)がオトナの態度で神妙に拝聴している姿も描かれる――。だからあくまでも「たとえば」ではあるのだけれども、ポストモダン=近代の次の時代における軍隊vsゲリラとの非対称的な戦争では、現場での即応性・自由裁量制が求められて……などといった現代的な言い訳が、ヤマト再出撃にもほしかったところだ。だが、このへんは前作終盤のコスモリバースシステム起因か死したハズの沖田艦長の残留思念と、神田沙也加が声をアテている異星の美少女・テレサによるターゲットを絞った超指向性テレパスによるヤマト乗員への招命で、オカルト的にヤマト再出撃の動機を担保するようでもある。まぁこのへんも苦肉の策ではあるだろう。


 チベット人のごとき僧侶星人たちの大量虐殺も描かれたが、それで腐れオタとして妄想するのが、先ごろ自衛隊の撤退が決まったスーダンなどのPKOネタ。無法地帯を国際社会は見捨ててしまってもイイのか? あるいは見捨てられたと絶望する現地民ネタの寓話化である。などと書きつつ、そんな方向へと本作が進むとは筆者も思ってはいないけど(笑)。21世紀型の戦争ではなくても、戦艦モチーフにふさわしい日米太平洋戦史のトレース&アレンジでも何でもイイので、ウェルメイドな娯楽活劇作品を作ってくれればそれでOKだ。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.69(17年5月4日発行))


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