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機界戦隊ゼンカイジャーTHE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!! ~来たるTV新番組への誘導もバッチリなシリーズ45作記念の快作映画!

『魔進戦隊キラメイジャーTHE MOVIE』『騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編』 ~TV本編ともリンクさせた劇場版の作り方とは!?
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 映画『機界戦隊ゼンカイジャーVSキラメイジャーVSセンパイジャー』(22年)が公開記念! とカコつけて……。映画『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』(21年)ワクで上映された『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!』評をアップ!


映画『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!』 ~来たるTV新番組への誘導もバッチリなシリーズ45作記念の快作映画!

東映系・2021年2月20日(土)公開)
(文・久保達也)
(2021年3月5日脱稿)


 前年2020年度の『スーパー戦隊MOVIE(ムービー)パーティー』内の2本立ての1本として上映された映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO(ゼロ)』(20年・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200322/p1)は、同年3月から放映が開始されるテレビシリーズ『魔進戦隊キラメイジャー』(20年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200712/p1)に先立って、たとえ後付けで製作されたのだとしても、前日譚(ぜんじつたん)というよりかは実質的な「第1話」といっても差し支えのない作品に仕上がっていた。
 これに対して、2021年3月7日(日)に放映開始となる『機界戦隊ゼンカイジャー』(21年)に先だって公開された本作は、公開初日舞台あいさつでのキャストたちによれば、テレビシリーズの「第7話ごろ」の話だということだ。


 おそらく当初は『赤い戦い! オール戦隊大集会!!』も、本来ならば前作の映画『エピソードZERO』を踏襲するかたちで実質的な「第1話」や「前日譚」として製作して、映画を観に来た子供たちを現行の『魔進戦隊キラメイジャー』で卒業させずに、次回作『機界戦隊ゼンカイジャー』へと誘導するつもりだったのかもしれない。
 だが、本作が公開された2021年2月20日(土)は実際にも第2回目の「緊急事態宣言発令」の真っ只中(まっただなか)になってしまったように、もしも本作を「第1話」的な作品として製作して万が一、公開が延期にでもなったりすれば、それこそテレビシリーズの『ゼンカイジャー』第1話とは少々の不整合や不自然さが発生してしまった可能性もあっただろう。


 加えて、第1話よりも前の前日譚として製作されたエピソードが、テレビシリーズの第1話よりもあとに映画で公開された場合に、小学生はともかく幼児であれば「回想シーン」や「前日譚」といった時系列をさかのぼった作劇を理解ができずに、今現在での出来事だとして混乱してしまうような子供たちも相応にはいることだろう。
 往年の『仮面ライダーストロンガー』(75年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201231/p1)第2話では、第1話では描かれなかった主人公青年・城茂(じょう・しげる)がどのような経緯で仮面ライダーストロンガーになったのか、といった過去の回想が描かれていた。しかし、当時まだ幼児や小学校低学年であった世代人には「第1話と第2話が間違って逆に放映されてしまったのだろうか?」と不審に思ったという声を複数名から聞いたことがあるのだ(笑)。
――幼児の時分ですでにマニア予備軍であった我々特撮オタク諸氏には、「回想」や「前日譚」を今現在の出来事だと誤認してしまうようなリテラシー(読解能力)の低い子供は少なかったかもしれない。しかし、それは決してホメ言葉ではない。フィクション・非現実に対するリテラシーの高い子供ほど、現実世界で生きていくことが苦手なタイプが多かったりもするものなので(汗)――


 加えて、本作『オール戦隊大集会!!』を「『ゼンカイジャー』第7話ごろ」の話としたのは、仮に公開が延期になったとしても、ゴールデンウィークあたりの時期の延期公開であればちょうどよくなるし、さらに初夏以降の公開になったとしても、今現在を舞台とした作品として観てもらっても支障がないだろうという保険的な高等計算なども働いていたのかもしれない(笑)。


 ところで、80年代中盤のスーパー戦隊シリーズはリーダーの戦隊レッドだけがドラマ性を持っていて、あとの戦隊メンバーはオマケといった感もあったものだ(汗)。90年代以降になるとさすがにそういうこともなくなってくる。シリーズの序盤では週替わりの各話で各メンバーにスポットを当てて、リーダーとなる主人公青年との対立・和解などが描かれて、5人のメンバーが次第にチームとしての結束力を固めていくさまを描くのが定番の流れとなってきたのだ。


 本作『オール戦隊大集会!!』の冒頭で描かれるバトルでは、ゼンカイジャーが「仲間」としてのチームワークの良さを存分に披露している。街の人々が「ゼンカイジャ~~!!」などと声援を送る描写で、彼らが地球ではすでに周知がなされたヒロイックな頼もしい存在となっていることも示されている。
 本作が「第7話ごろ」のエピソードだというのは、スーパー戦隊シリーズの時間軸としては、細かい設定説明や登場人物説明も不要となる、実に作劇的にも都合がよい時期を舞台とするためなのだろう(笑)。


 なので、本作『オール戦隊大集会!!』は前年度の『キラメイジャー エピソードZERO』のような物語の発端(ほったん)となる事件や細かな設定紹介などは描かれてはいない。
 『ゼンカイジャー』とはトータルでいったいどのような作品であるのか? 通常編はどのようなノリであるのか? その作風・雰囲気を観客に事前に周知・広報してテレビシリーズに誘致するための、いわば「お試し視聴」版としての趣が強いのだ。


アニバーサリー作品なのに、「原点回帰」「王道復古」ではなく、「明朗」でも思いっきりの「変化球」!


 さて、2021年は仮面ライダー50周年・ウルトラマン55周年ということで、特撮マニア界隈(かいわい)も一応は盛り上がっていることと思う。
 スーパー戦隊シリーズも『機界戦隊ゼンカイジャー』で第45作目となり、日本を代表する特撮ヒーローのメモリアルイヤーが、5年ごとの恒例行事だとはいえ見事に重なっているのだ。
――個人的には各シリーズのメモリアルイヤーはバラけていた方が、各シリーズごとに目立ててよかったのに…… とも思うのだけど、こればかりは時計の針を戻せない以上は致し方(いたしかた)がないところだ(笑)――



 機界戦隊ゼンカイジャーのリーダーであるゼンカイザーの頭部にそびえる金色の大きなアンテナは「スーパー戦隊シリーズ」のロゴの背景にデザインされたローマ数字で「5」を意味する「Ⅴ」がモチーフであり、その額(ひたい)には「45」の数字がモールドされており、まさに『ゼンカイジャー』がメモリアル作品であることを象徴するデザインとなっている。


 ただし、ゼンカイザーのデザインを最初に見て、「コレ、仮面ライダーやろ!」とツッコミを入れたのは決して筆者だけではないだろう(笑)。
 両眼が青であり体色は白を基調とした全身に赤のラインが走るデザインには、『仮面ライダードライブ』(14年)の2号ライダー・仮面ライダーマッハを彷彿とした人も多かったのではなかったか?
 まぁ、それ以前に今回のクライマックスで登場した、スーパー戦隊の記念すべき第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)のリーダー・アカレンジャーのごとく、


「おまえ、赤じゃないのか!?」


などと唖然(あぜん)とした人の方が圧倒的に多かったことだろうが(笑)。


 だから、筆者のように昭和からいる古い特撮マニアや歳若くてもスーパー戦隊マニアの諸氏であれば、白地に赤のみならず青・黄・緑・ピンクのラインが添えられたデザインに、スーパー戦隊シリーズ第2作『ジャッカー電撃隊』(77年)のシリーズ後半で加入して新たなリーダーとなった白いヒーロー・ビッグワンを連想した人もいたかもしれない。
 だが、両目を中央でつなげたようなゴーグル部分、背中でマントを翻(ひるがえ)すデザインは、まぎれもなく『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャーがモチーフなのだ! そして、往年の戦隊ヒーローを模していたのは彼だけではなかった!


・赤いヒーローであるゼンカイジュランは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(92年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120220/p1)の合体巨大ロボ・大獣神(ダイジュウジン)がモチーフであり(!)、額の番号は『ジュウレンジャー』がスーパー戦隊第16作目であることを象徴する「16」
・黄色いヒーローであるゼンカイガオーンは『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011113/p1)の合体巨大ロボ・ガオキングがモチーフで(!)、額番号は『ガオレンジャー』が第25作であることを示す「25」
・ピンクのヒロインであるゼンカイマジーヌは『魔法戦隊マジレンジャー』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110228/p1)の合体巨大ロボ・マジキングがモチーフ(!)で、額番号は『マジレンジャー』の第29作と同じ「29」
・青いヒーローであるゼンカイブルーンは『轟轟(ごうごう)戦隊ボウケンジャー』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070108/p1)の合体巨大ロボ・ダイボウケンをモチーフにした(!)、額番号は『ボウケンジャー』が第30作なのと同じで「30」


 5人全員が往年のレジェンド戦隊をモチーフとしたデザインなのは、「メモリアル作品」としてのスタッフの本気度がうかがえるというものだ!


 ただ、それにしても、ゼンカイザー以外の4人が歴代レジェンド戦隊をモチーフとするも、等身大の戦隊ヒーロー&ヒロインではあるのに皆が巨大ロボとしか云いようのないデザインであることには誰もが驚いたことだろう。
 だが、こんなにゴテゴテとした造形で戦闘員たちを相手に動けるのか!? と半信半疑の観客に対して、冒頭のバトル場面は「お試し視聴」としての役割を充分に果たせたのではなかったか?
 素材の軽量化や見た目は硬質そうでも実は軟質な素材といった技術的な進歩もあったのだろうが一見、動きにくそうなゴテゴテのスーツをもスピーディにアクロバティックに動かしてしまうほどの、スーツアクターアクトレスの身体能力の高さを存分に目にすることとなったのだから!


 とはいえ、『手裏剣(しゅりけん)戦隊ニンニンジャー』(15年)のオトモ忍(笑)として登場した忍者型巨大ロボのシノビマルやロデオマル、古いところでは『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(99年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19991103/p1)の3号ロボ・ライナーボーイなど、メインとなる合体巨大ロボよりもひとまわりほど小さい巨大ロボが、ミニチュアセットのビルの屋上から飛び降りて、宙返りをしてから巨大化怪人にキックを見舞ってみせる! などといったカッコいい描写を、我々はここ20年強ほどでも何度も目にしてきたのだ。
 それらを思えば、着ぐるみの中で高下駄を履かせて、硬質な素材で実に動きにくそうにしていた初期スーパー戦隊シリーズの巨大ロボットたちとは異なり(笑)、ロボット型のスーツでもアクションには致命的な支障がないことはすでに実証済みなのであり、舞台が特撮スタジオのミニチュアセットから屋外のロケ現場に移っただけのことではあるまいか?


 既存のレオタードスーツ型のリーダーヒーローであるゼンカイザー以外のゼンカイジャーたちが一見は戦隊ヒーロー&ヒロインらしからぬ巨大ロボのようなデザインであることは、この姿に変身する前の彼ら自身もまた人間ではなく、キカイノイドなる機械生命体であったからだ…… って「メモリアル作品」なのに「王道」ではなくエラい「変化球」を投げてきたものである(笑)。


 とはいえ、実はこれとて前例がないワケではない。近年でも最終的には総勢12人(!)の戦隊ヒーローが登場した『宇宙戦隊キュウレンジャー』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180310/p1)では、オオカミ型の獣人・ガル=オオカミブルー、金色のロボット・バランス=テンビンゴールド、猛牛型ロボット・チャンプ=オウシブラック、女性型アンドロイド・ラプター283=ワシピンク、竜の頭をした宇宙人のショウ・ロンポー=リュウコマンダーなど、異形の宇宙人と地球人とが半々の混成スーパー戦隊だったからだ。
 また、その前作『動物戦隊ジュウオウジャー』(16年)でも、風切大和(かざきり・やまと)=ジュウオウイーグル以外のジュウオウジャーの4人のメンバーは異世界・ジューランドの出身であり、顔は動物だが人間のような衣装を着て二足歩行する獣人・ジューマンとして描かれていたのだ。ただそうはいっても、実際にはジューマンは人間態としての姿を採っていることが圧倒的に多かったのだが。


人間態がない着ぐるみ戦隊メンバーに想う、戦隊イケメン役者人気の40年史!


 『ゼンカイジャー』の戦隊メンバーであるキカイノイドたちは、変身前の姿もまたややスマートな機械人間たちであって、若手役者が演じるような人間態にはならないようであり、リーダーの五色田介人(ごしきだ・かいと)=ゼンカイザーのみが人間の姿であとは全員が着ぐるみスーツのキャラだというのには……
 ウ~ン、筆者のようなロートル(オールド)世代からすると、コレは正直かなりビミョーで危険な賭けをしているような気もしてくるのだ(汗)。


 いや、『キュウレンジャー』の宇宙人戦士たちや『キラメイジャー』の魔進、『炎神戦隊ゴーオンジャー』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080824/p1)の炎神(エンジン)や『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110613/p1)の爆竜、はたまた『特命戦隊ゴーバスターズ』(12年)の相棒ロボット・バディロイドなど、たとえ姿は人間ではない宇宙人や機械生命体ではあっても、声優・スーツアクター・CG担当者のコラボによる表情演技・仕草・ボディーランゲージ・口調などによって、見事に生命を吹きこまれた彼らによる「人間ドラマ」に、我々は時には涙するほどに感動させられてきたのだ。
 その実績からすれば、着ぐるみキャラのみでも彼らの関係性や心の変遷(へんせん)を描いてみせる群像劇は立派に成立するハズだと、この点では個人的にはまったく不安を抱いてはいない。


 ただ、スーパー戦隊シリーズば、『ゴジラ』シリーズや『ウルトラマン』シリーズといった古典タイトルと比べれば、70年代末期にはじまったマニア向け出版物のラッシュの時代においてはまったく顧みられることがなく、それらと比すれば一段も二段も低いものとしてマニア間では扱われてきたものだ。
 1980年に創刊された今は亡き朝日ソノラマ社の特撮情報誌『宇宙船』でも、初期の号では基本的にはスーパー戦隊作品はほぼ紹介や言及などもなされていなかった。
 しかし、往時なりに世代交代が進んで、『秘密戦隊ゴレンジャー』世代が成長して中高生や成人などの年齢に達してくる80年代中盤になると、彼らの一部がスーパー戦隊シリーズを卒業できずに鑑賞しつづけているという事態が、次第に可視化されるようになってきたのだ(笑)。


 『大(だい)戦隊ゴーグルファイブ』(82年)のゴーグルピンクこと変身前も可憐で弱そうな桃園ミキ(ももぞの・みき)や『科学戦隊ダイナマン』(83年)のダイナピンクこと立花レイ(たちばな・れい)が年長戦隊マニア間でも人気を集めて、同時期の『宇宙刑事シャイダー』(84年)に登場していた顔出しの女宇宙刑事アニー人気とも連動して、『宇宙船』誌でも表紙のモデルを務めたりカラーグラビアが掲載されたり、東映ヒロイン専門の大判の写真集なども発行がなされる。つまり、戦隊ヒロインにも執着している男性マニアがここで商業誌レベルで可視化もされたのだ。


 スーパー戦隊シリーズ超電子バイオマン』(84年)や『電撃戦隊チェンジマン』(85年)の時期になると、スーパー戦隊シリーズは「作品紹介」としても誌面を飾るようになってきた。


 そして、読者投稿欄の作品感想・イラスト投稿・文通希望欄などでも、今で云うイケメン役者の男優、戦隊ヒーローの変身前も顔出しで演じている当時のJAC(ジャック。ジャパンアクションクラブ)の若手ホープたちにも熱い声援を送っている女性ファンたちも、少なからず存在することが可視化されていくのだ――といっても、20歳以上の女性戦隊マニアはまだ存在していないような時代なので、基本的にはまだ中高生であって、今で云うオタク女子たちの元祖であった――。


 ただし、筆者も含む当時の男性戦隊マニア層は、自身たちが戦隊ピンクなどに秘かに傾倒しているのに、あくまでもファン活動とは「作品批評」をメインとするべきなのであって、役者に対するミーハー的な関心を邪道のものとして見る風潮も強かったのだけど(汗)。
 女性マニア層や子供たちのママ層の間での人気も含めた総合的なものとして、作品を評価するような流儀が一般化してくるのは、はるか後年の21世紀以降のことであった。


 こうした女性特撮ファン・女性東映ヒーローファンの存在は、主にスーパー戦隊シリーズを中心に途切れることはなかった。
 常に下の世代の女性ファンが補充されていき、そういった女性向けのイラストエッセイや短編バロディー漫画中心の同人誌なども隆盛を極めていくのだ。
――云っておくと、90年代のむかしから特撮批評・感想系同人誌のサークルの数は実は少なくて、女性向けの同人誌サークルの数の方が桁違いに多かったのだ(笑)――


 こうした水面下での主に女性オタク層による特撮変身ヒーロー人気やそれらを演じる役者さん人気は、絵を描けたり文が書けたりするというハードルを超えることができるようなマニア気質の人種であれば、当時のマニア雑誌の同人誌紹介欄での通信販売や文通希望欄などを通じて、サークル的な交流も生み出していった。
 00年前後になると、急速にインターネットが普及する。ネット上に新たに出現したファンの交流サイトや掲示板なども通じて、もちろん一般ピープル寄りではあるのだが、マニア・オタク的な感性も持っている女性層や主婦層たちが、特撮変身ヒーロー作品や役者さんたちに熱烈にハマっていたり、強く支持をしている様子なども今度はもっと大きく可視化されて、3大新聞や各種マスコミなどでも取り上げられて、ムーブメントとしても社会に認知されるようになっていく。


 それが『仮面ライダーアギト』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1)や『百獣戦隊ガオレンジャー』(00年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110613/p1)の前後に起きたイケメンヒーローブームなのであった。
 旧態依然の特撮マニア諸氏はこのブームを快くは思わなかったようだが(汗)、これによって特撮ブームは一気に加熱して、世間にもヒーロー俳優の存在を広く知らしめることとなっていく。以降は特撮ヒーロー出身の役者さんたちが番組終了後に一般のテレビドラマにも続々と主役級で出演できるようになって、往時とは比較にならないくらいに特撮ジャンルのステータスも上がっていったのだ。


 あのブームからでも2021年時点で、早くも20年が経ってしまったが……(遠い目)


 その当時と比べればやや沈静化はしているもの、たとえば東京ドーム・シアターG(ジー)ロッソで開催されているスーパー戦隊アトラクションショーでは、各作のシリーズも終盤に至った時期になると、テレビシリーズのキャストたちが出演する公演がもう30年近くも継続している。
――Gロッソの前代・スカイシアターよりも前の前身である後楽園ゆうえんち野外劇場に、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(92年)で途中加入した緑色の6人目の戦士・ドラゴンレンジャーの変身前であるブライが登場したことがおそらく初出である――


 『百獣戦隊ガオレンジャー』(01年)以降はテレビシリーズ終了直後に全国各地を公演していくキャスト総出演の『ファイナルライブツアー』もはじまって、今も隆盛を極めている。
――放映終了後のイベント自体は、規模ははかるかに小さかったもののイベント会社に在籍しているらしい特撮マニア有志によって、これもまた『恐竜戦隊ジュウレンジャー』以降は、公民館の壇上などでのキャストによる着席トーク中心の『フェアウェル・パーティー(送別会)』の名義で、やはりマニア雑誌の文通・情報欄などで告知・募集をするかたちで開催がはじまって、その事後レポートが白黒ページの小さな小さなベタ記事で『宇宙船』誌などでも紹介されていたことがあった(特撮同人誌まで含めれば、大々的なレポート記事などはあった)――


 今でも作品自体や変身後のヒーローはもちろんのこと、それぞれの変身前である「推(お)し」の若手役者たちを実際に見てみたい、あるいは会ってみることを楽しみにしている年長マニア層は増えている。
 こうした感性が自分だけではないと知って勇気づけられたり、その気持ちが高じて5年10年15年と継続して参加しているようなアクティブな特撮マニアたちも大量に存在している。そこで同好の友人を見つけたり、サークル的な交流を長年にわたって継続しているような例も多々あるそうだ。
――同じオタクでも、我々のようなインドアな評論オタク・物書きオタクたちとはちょっと人種が違っているかもしれないが(笑)――


 少子化の時代とはいえメインターゲットとなる数百万人もの子供層と比較すれば、彼らの数は2桁ほども小さいので、変身前の若手役者の欠如自体は作品にとっては致命的な欠陥でもないのだろう。
 しかし、こうしたイベント興行や役者人気のことまで考慮すれば、大きなお友達の購買意欲やイベント参加意欲には少々の影響はありそうなので、女性マニア向けの書籍や映像ソフトなり映画やイベントなどの興行などには微量に影響を及ぼすのではなかろうか?


 もちろん、そういった周辺イベントへの考慮以上に、『キラメイジャー』で主人公・キラメイレッドこと熱田充瑠(あつた・じゅうる)を演じた小宮瑠央(こみや・りお)が、放映開始からほどなくして軽度で済んだとはいえコロナウィルスに感染したことなどから、撮影中断のリスクを考慮して顔が見えないことで代役を立てることが比較的には容易であるからという理由で、複数の着ぐるみキャラを戦隊メンバーに据えてみせた可能性も高いだろう。
――後日付記:本作を担当している東映白倉伸一郎プロデューサーによれば、戦隊メンバーが着ぐるみキャラとなったことはコロナ対策ではなかったとのことだそうだが…… ホントウだろうか?(笑)――


主人公の祖母を演じる榊原郁恵は、第3次怪獣ブーム期であった70年代末期の特撮変身ヒロインだ!?


 今回の劇場版には登場しなかったが、本作『ゼンカイジャー』のトピックのひとつは、主人公・介人の祖母役として、有名タレントである榊原郁恵(さかきばら・いくえ)がレギュラー出演を果たしたことだ。
 おそらく彼女のギャラは高いだろう。それによって、彼らがいくら安月給だとはいえ(爆)若手役者をキャスティングする予算さえも捻出できなくなってしまったのだろうか?(笑)
――むろん冗談であり、この手の特撮変身ヒーロー作品は玩具コンセプトが先にありきの番組なので、玩具売上には直接に結びつかない榊原郁恵のキャスティングがまずありきで、それゆえに戦隊メンバーの方を過去の戦隊巨大ロボもどきにせざるをえなかった……などといった処置もまたアリエないのであった――


 ちなみに、元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』世代のご同輩であれば自明のことだろうが、榊原は同作の2年目が放映されていた1976年にCMや映画の端役(はやく)などで出演したあとに77年にアイドル歌手としてデビューした。
 我々的には狂乱の第3次怪獣ブーム真っ最中であった78年の熱い夏に『夏のお嬢さん』が大ヒットを飛ばしていた記憶とともにあるだろう。


 やはり当時の大人気アイドル・大場久美子とともにダブル主演を果たしたドラマ形式の30分枠バラエティ番組『マジカル7(セブン)大冒険』(78年・TBS)では、第3次怪獣ブームに便乗してウルトラマンジャック(『帰ってきたウルトラマン』)やウルトラマンタロウとも競演した経歴を持っているのだ(笑)。
 同枠の後番組でも大場久美子とダブル主演で『少女探偵スーパーW(ダブル)』(79年・TBS)にも連続出演を果たしており、同作では顔出しだが宇宙人だという設定で、赤半袖・赤ホットパンツ・赤ブーツ姿の健康的な変身ヒロインも演じていたので、そうした変身ヒーロー文脈の傍流としても彼女の存在を捉えることができるだろう。



 一応の危惧をイチャモン芸的に語ってみせたが、そうは云いながらも、本作を「お試し視聴」してみて、戦隊チームから人間の俳優が演じるキャラクターを主演のひとりだけにしたことによる、特撮変身ヒーローものとしての違和感や作劇面での弊害(へいがい)などは、実は個人的には皆無(かいむ)に近かったりもしたものだ(笑)。
 この大胆にすぎる試みが果たして吉と出るのか凶と出るのか、それは子供たちやマニア諸氏の反響次第なのだが、「メモリアル作品」であるだけに、作品それ自体のみならず、作品をめぐっての周辺状況や受け手の各層のさまざまなリアクションなども観察していきたいところだ。


スーパー戦隊シリーズ歴代の敵幹部たちが大挙復活のカタルシス! そして、その功罪とは!?


 さて、『ゼンカイジャー』のレギュラー悪はすべての「並行世界」を消し去ろうとしている「トジテンド王朝」なる軍団である。
 この作品では歴代レッドが全員集合する一応の大作風味の劇場版のゲスト敵怪人としてはまことにふさわしい、『ゴレンジャー』の敵組織・黒十字軍の首領であった黒十字総統の姿のごとく顔の周囲には大きな黒い十字型の突起がそびえており、その全身にはこれまでの悪の組織の幹部たちを象徴するパーツがゴテゴテと飾られている最強怪人・スーパー悪者(わるもの)ワルドが登場していた。
――これまた確信犯でのB級なネーミングで、80年代の戦隊マニアたちはそういうセンスをイヤがっていたものだが、今となってはそれもまたイイ意味でキッチュ通俗的)でチャイルディッシュなスーパー戦隊作品らしくて実にイイのだ!(笑)――


 このスーパー悪者ワルド怪人の呪術的なパワーによって、


・『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111107/p1)でゴーカイジャーと「宇宙最大のお宝」の争奪戦を展開した宇宙海賊のバスコ・タ・ジョロキア
・『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190402/p1)の敵組織・ギャングラーの幹部怪人で、ルパンレンジャーの家族や友人たちを氷づけにした因縁の宿敵として描かれていたザミーゴ・デルマ!
・『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(15年)の敵組織・牙鬼軍団の小姓(こしょう)で十六夜九衛門(いざよい・きゅうえもん)!
・『動物戦隊ジュウオウジャー』(16年)に登場した巨獣ハンター・バングレイ!


などなど、これまでの歴代シリーズにレギュラーやセミレギュラーとして登場してきた幹部クラスの敵怪人たちが次々と人間の世界に現れるのだ!


 クライマックスでは、


・『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)のゲスト怪人・野球仮面!
・『超電子バイオマン』(84年)のバイオハンター・シルバ!
・『轟轟戦隊ボウケンジャー』(06年)の敵幹部・闇のヤイバ!
・『天装戦隊ゴセイジャー』(10年)の敵幹部・ビッグフットの筋(きん)グゴン!
・『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)の敵幹部・ダマラス!
・『烈車(れっしゃ)戦隊トッキュウジャー』(14年)の敵幹部・シュバルツ将軍!
・『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(15年)の敵幹部・蛾眉雷蔵(がび・らいぞう)!
・『動物戦隊ジュウオウジャー』(16年)の敵幹部・クバル!
・『宇宙戦隊キュウレンジャー』(17年)の敵幹部・エリードロン!
・『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(18年)の敵幹部デストラ・マッジョ


といった、着ぐるみがまだ残存していた分であろう、ここ10年ほどの歴代戦隊の敵幹部までもが姿を見せてくれるのだ!――野球仮面だけは幹部怪人ではないけれど、出オチ怪人としてはナイスなセレクトだ!(笑)――


 敵戦闘員に至っては、『電撃戦隊チェンジマン』(85年)以降のスーパー戦隊のすべてと云わず、ほとんどの作品の戦闘員が姿を見せてくれていた!(感激)


 野球仮面とシルバは、今から10年前のメモリアルイヤーに製作された映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』(12年・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20201115/p1)の際に新規に造形され直した着ぐるみのリサイクルだろうが、着ぐるみが残存しているのであれば、やはりこういった機会にこそ再登場してほしいではないか!?


 こういった趣向をマニアしか知らない内輪ウケだとツッコミされてしまうと、たしかにそのとおりではあるのだ。そして、それゆえの危険性もたしかにあるのだ。
 しかし、そうは云っても劇場にいる観客の中に占めるマニアの比率も20世紀の「東映まんがまつり」や「東映ヒーローフェア」のむかしに恥を忍んで観に行って、ファミリー層の観客の中では大きなお友達がひとりしかいなかった(爆)ような不遇の時代と比べれば桁違いには増えており、商業的にもまぁまぁ無視はできない比率に達していることだろう。


 怪獣博士やマニア予備軍気質のある子供たちも相応にはいるのだし、やはり彼らに歴代シリーズにも関心を持ってもらい、大きくなっても卒業せずに各種アイテムで散財してもらって、いずれはバンダイのプレミアム高額商品を購入してもらうためにも、こうした趣向は有効であるハズだ(笑)。
 もちろん子供であっても、数年前の作品であれば敵幹部や敵戦闘員のビジュアルは憶えているだろうし、子供なりに懐かしく思うものだろう。やはり歴代シリーズの名悪役たちが再登場してこその「メモリアル作品」でもあるのだ!


 個人的には役者が人間態を演じていたバスコとザミーゴが再登場した際が最も盛り上がった。
 特にバスコは相棒だった着ぐるみマスコットの宇宙猿サリーを先に登場させて、バスコの背後や足下をとらえたカットで、世代人やマニア層の観客の期待感を高めていく演出が実に効果的に発揮されており、筆者が女子ならばバスコが表情を見せた瞬間にスクリーンに向かって黄色い歓声を上げたいところだった(笑)。


 また、バスコとザミーゴは衣装がともに西部劇調で、ツバが広いテンガロンハットにポンチョスタイルでありながらその色は、敵に対しても妙にフレンドリーな表情と語り口を見せるバスコが赤、めっちゃ冷淡で無愛想なザミーゴが青と、似て非なるキャラクターの違いを対比的に見せていたのも実によかったものだ。


ゲスト敵怪人・スーパー悪者ワルドの必殺ワザの名称が声優の演技ともどもイカレまくっていた!(笑)


 ゼンカイジャーはスーパー悪者ワルドに苦戦を強(し)いられる。


 そのスーパー悪者ワルドが悪の必殺ワザとして放ったのが「イーヅカリバー!」


 ……って、このワザ名は、『ゴレンジャー』の2代目敵幹部・鉄人仮面テムジン将軍や4代目敵幹部・ゴールデン仮面大将軍、『バトルフィーバーJ(ジェイ)』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120130/p1)の敵首領・サタンエゴス、『電子戦隊デンジマン』(80年)のほとんど全話のゲスト敵怪人(爆)、『太陽戦隊サンバルカン』(81年)の敵首領・ヘルサターン総統をはじめ、『天装戦隊ゴセイジャー』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20130121/p1)第1クールの敵首領である大王モンス・ドレイクに至るまで、数多くの「悪者」の声を演じてきた飯塚昭三(いいづか・しょうぞう)の名前からの引用だよな(笑)。


 そればかりか、「ソガニックビーム!」などと叫ぶや、年長マニア層には聞き覚えのある女性の高笑いとともに光線が発射されるという必殺ワザもあった!
 こちらも、『電子戦隊デンジマン』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120205/p1)と『太陽戦隊サンバルカン』(81年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120206/p1)に連続して登場したヘドリアン女王や、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』(92年)の魔女バンドーラを演じた故・曽我町子(そが・まちこ)の名前からの引用だろう。というか、あの特徴的な高笑いの音声そのものが……(爆)


 スーパー悪者ワルドの声優を務めた関智一(せき・ともかず)は、本作では明らかに先述した飯塚氏の名調子を意識して演じている。悪者ワルドによる数々の敵首領の名前や敵組織名を織り込んだ言葉遊び的なセリフも脚本上にすべての記述がなかったのであれば、その一部は氏の当意即妙なアドリブであった可能性が高い(笑)。大の特撮好きであるどころか実に濃ゆい特撮オタクとしても知られる氏ならではの、歴代戦隊や先人の声優や悪役俳優たちに対するリスペクトたっぷりでユカイ極まりない演技もまた好印象であった。


ゼンカイザーが劇場版限定アイテムで反撃開始! 銃型変身アイテムを通じた特撮評論の今昔!


 ゼンカイザー=介人は幼いころに両親からもらった、赤い歯車型で歴代戦隊レッド多数が描かれている歯車状のアイテム・センタイギアを使って、スーパー悪者ワルドに対抗しようとする。
 その介人の両親の名前が「功(いさお)」と「美都子(みつこ)」!! ……って、これまた『ゴレンジャー』の主題歌『進め! ゴレンジャー』などを歌唱した、70年代のアニメ・特撮ソングの2大レジェンドである、ささきいさお堀江美都子(ほりえ・みつこ)の下の名前からパクっていた!(笑)


 ところで、そういう目線で見てみると、介人を演じる駒木根葵汰(こまぎね・きいた)の髪型や顔の輪郭(りんかく)、太い眉(まゆ)に目つきなどは、ロカビリー歌手から俳優へと転向しようとしていた1960年代後半当時の若き日のささきいさおに似ている気がしてくるのだ(笑)。
――当時の氏は、特撮時代劇『妖術武芸帳』(69年・東映 TBS)の主演をはじめ、『怪奇大作戦』(68年・円谷プロ TBS)第14話『オヤスミナサイ』、『恐怖劇場アンバランス』(73年 製作は69~70年・円谷プロ フジテレビ)最終回(第13話)『蜘蛛(くも)の女』などのジャンル作品にも「佐々木功(ささき・いさお)」の名義で出演して、俳優への転身を図っていた。
 もちろんその後、アニメ歌手に転向する直前には、スーパー戦隊作品の元祖だともいえるタツノコプロ製作の大人気アニメ『科学忍者隊ガッチャマン』(72年)のニヒルで喧嘩っ早い副リーダーこと「コンドルのジョー」の声優も務めており、同作での名演も忘れてはイケナイ!――



 介人は「大事なものだから……」とお財布(さいふ)に入れていたセンタイギアを取り出した!
――宙に浮いたお財布からセンタイギアが飛び出してくる映像では、同時に周囲に散らばっていくおカネがCG表現による5円玉&1円玉の小銭ばかりとなっており、カッコよさと同時にここでも観客の笑いを誘っている(笑)――


 そして、そのセンタイギアを攻撃用の銃と変身アイテムを兼ねているギアトリンガーの上部のフタの中に弾倉のように格納する!
――銃口の上部にも、介人の両親がつくった小鳥型のマスコットメカ・セッちゃんにも似た黄色いクチバシの赤い鳥の顔がデザインされているのにも要注目だ!――


 さらに、ギアトリンガーの右側面にある取っ手つきのハンドルをグルグルと回し出す!


 近年の特撮ヒーローの変身アイテムには必ずこういうアナログな可動部分がついている。リアルであるか否かSF的であるか否かといったら、それらとは相反するものではあるけれど、やはり子供でもあるいは大きなお友達でも可動部分があると動かして遊んでみたくなるものではないか!?(笑)
 こういった人情の機微を玩具業界では「プレイバリュー」という概念で総称するようにもなった。特撮マニア諸氏もその観点から変身アイテムの良否を評価するようになって久しいのだ。
――実は20世紀の特撮オタクたちは、こういった玩具的な要素をガチで「子供っぽい」だの「幼稚」だの「商業主義」だのとボロカスに罵倒して、全否定的に批判をしていたのだ(爆)――


歴代の戦隊レッドが全員集合! 全員が名乗りを上げるべきだったのか!? 「間」と「テンポ」の重要性!


 ハンドルをグルグルと回してエネルギーの充填が終わるや、第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』~第44作『魔進戦隊キラメイジャー』に至るまでの歴代「45大レッド戦士」(!!)が、ギアトリンガーを通じてセンタイギアから飛び出してきて、ゼンカイジャーの眼前に大集結を果たした!!
――第42作『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』はきちんとルパンレッドとパトレン1号が2大レッド扱いで登場してくれているので、44大戦隊でも総勢45人となっていたのだ!(感涙)――


 アカレンジャー~キラメイレッドに至る歴代レッドが次々に名乗りをキメて、そこに登場作品のタイトルロゴがデジタル合成でかぶっていく!
 先述したセッちゃんがナレーション形式でその作品名を早口で読みあげていく演出には、古い世代の特撮マニアや子供たちのみならず、一般層の親たちも自身がかつて視聴していた作品が一瞬脳裏(のうり)によみがえるほどに感無量だったことだろう!


 ……と思いきや、 歴代レッドの人数が多すぎるので、次第に4分割・16分割画面になっていく。そして、そのすべてを読みあげずに「以下略!」ってなんやねん!?(笑)


 前作の『キラメイジャー エピソードZERO』の尺は約30分だったが、本作『赤い戦い! オール戦隊大集会!!』はそれよりかは数分程度は短かかったようだ――後日付記:27分枠となっていた――。
 本作と同時上映であった『キラメイジャー THE MOVIE』が約40分、『リュウソウジャー 特別編』が約15分であり、トータルで約1時間20分程度の尺数は、小学生はともかく幼児が集中力を持続することができるギリギリの時間だろうから、ちょうどイイところだろう。


 もちろん、「メモリアル作品」の劇場版としての観点からすれば、45作品をかぞえるスーパー戦隊の壮大な歴史を占めている、シリーズ中後盤の作品群についてを「以下略」にしてしまったのは惜しい。
 こういう場面でこそ、子供たちを啓蒙(けいもう)できるのだし、今の若いパパ・ママ層にも彼らが子供時代に観ていればシリーズ中期のスーパー戦隊のレッドが画面で名乗りを上げれば、その場面では懐かしがってもらえる有効なシーンともなりうるからだ。


 とはいえ、映像作品というものは、仮に脚本がまったくの同一内容であったとしても、「間(ま)」とか「テンポ」といったものの扱い・演出で、その仕上がりは天と地ほどの差が出てしまうものなのだし、実はそこで傑作か駄作かといった相違も発生してしまうものなのだ。


 全スーパー戦隊を紹介することの効能など、スタッフの全員がわかっていたことでもあろうし、しかし全スーパー戦隊を紹介することで「間延び」して「ダレて」しまったことで、そこで観客や子供たちの集中力も途切れてしまって、作品の流れも寸断されてしまい、ラストバトルも盛り上がらないとなってしまっては元も子もないのである。
――往年のビデオ販売作品『百獣戦隊ガオレンジャーVS(たい)スーパー戦隊』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011102/p1)もトータルでは傑作ではあったものの、高額なビデオソフトを購入できる年長マニア向けの趣向であったとはいえ、中盤では往年の戦隊ヒロインたちの名場面を延々と流してしまったことで「間延び」してしまっていたものだ――


 歴代レッド個々人の連続名乗りを観たい方々は、『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』で口直しをしよう!(笑)――やはり同作における25人連続名乗りくらいが限界だろう(汗)―― しかしその上で、作品自体のテンポとも調整しつつ、4分割画面のままで次第に早口になっていき、各戦隊が戦隊名ヌキでのレンジャー名だけの1~2秒程度の照会になってもイイので(笑)、全スーパー戦隊を紹介してほしかったという気持ちもやはり残るのだ。


歴代レッドのバトル増量、先代&先々代レッドからのバトンタッチ希望も、スタッフ想定内の要望か!?


 いつもの採石場いっぱいに展開されるクライマックスバトルでは、


・ゼンカイジャーVSスーパー悪者ワルド
・45大レッド戦士VS悪者大軍団


双方のバトルが並行しているハズなのだが、実はコレもゼンカイジャーVSスーパー悪者ワルドの最終決戦ばかりが映し出されるのみであった。
 そして、ゼンカイジャーが勝利するや、同時に「45大レッド戦士」によって倒されたらしい悪者たちも瞬時に消滅するといった演出になっており(笑)、「45大レッド戦士」のまともなバトルアクションは全然描かれることはなかった(汗)。
――おそらく多少は撮影されたものの、尺やテンポの都合でカットされたのだとも思われる…… いや、本作もまた突貫工事での製作だっただろうし、敵味方も含めれば総勢100名前後はいるであろう撮影なので、スーツアクターやスーツの脱着を手伝う補助スタッフへのギャラやロケ地への人員&着ぐるみスーツを運搬する複数車両のバスやトラックなどのレンタル費用や弁当代などの総額を考えれば1日だけしか拘束できなかっただろうから(2日にわたれば諸経費も2倍になるのだし・汗)、まともなバトルアクションの撮影自体がなされていなかったりして(笑)――


 なので、『ゼンカイジャー』の「お試し視聴」としてならば申し分ない出来だと思う。しかし、『赤い戦い! オール戦隊大集会!!』と名づけられた「メモリアル作品」としてはやや充実感には欠けていたかもしれない。


 突貫製作のウラ事情をも忖度(そんたく・笑)ができてしまう大きなお友達としては、それらは45歩ほど(笑)は譲ってもよいだろう。
 しかし、同時上映作品のスーパー戦隊のメンバーになることが事前にわかっていたのだから、各作での主役を張っていたキラメイレッドとリュウソウレッドにはご本人たちに声をアテてもらって、一言や二言くらいはゼンカイザー=介人に先輩としてのアドバイスやバトンタッチを与えるようなシーンも観てみたかったとも思うのだ――それとも、そういうシーンも存在はしていたけど、これもまた尺の都合でカットされたのかもしれないなぁ(汗)――。


 本作も含めた3本立て映画『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021(ニイゼロニイイチ)』(21年)の短いプロローグとして配された、キラメイレッド・リュウソウレッド・ゼンカイザーの3大レッドによる観客へのごあいさつでは、テレビシリーズに先駆けてこの映画で最速デビューを果たすことになったゼンカイザーに対して、キラメイレッドとリュウソウレッドが「君だれ~?」などとたずねる描写があった。やはりコレと係り結びとなるような場面を、本作『ゼンカイジャー THE MOVIE』の中でも観てみたかったと思うのだ。
 リュウソウレッドやキラメイレッドのちょっとした「声の出演」だけでも、予算や契約やスケジュールなどに影響してくるのだろうから大変なこともあるのだろう。しかし、「顔出し出演」した場合のギャラと比べればはるかに少額ではあるのだし、そういうところでもう一押しだけがんばってほしかった気はする。


 とはいえ、『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』のような「3本立て」映画の理想的なつくり方は、2000年代末~2010年代前半に新旧2大仮面ライダーが共演する「正月映画」として公開されていた『仮面ライダー×仮面ライダー MOVIE大戦(たいせん)』シリーズ(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101220/p1)のような3部構成だったのかもしれない。
 たとえば、『キラメイジャー』と『リュウソウジャー』各々(おのおの)の世界での物語を描いたあとに、『ゼンカイジャー』の世界に一時的に2大戦隊世界が融合してしまったり、2大戦隊のメンバーが『ゼンカイジャー』の世界に召喚されてくる、といったような作劇とするのだ。


 しかしこれもまた、アニメ作品であれば声優たちを遠方のロケ地ではなく都内の録音スタジオに集めたり、あるいはスケジュールの都合で全員集合ができなくても後日に「別録り」すれば済むだけなのだけど、他にも仕事を持っている場合もあるであろう3大戦隊のナマ身の役者さんたちを全員集合させるようなスケジュール調整は実に困難を極めることだろうし、そのために要するギャラも、低予算作品である東映変身ヒーローものではバカにはならないハズなのだ。


 ここまで述べてきたような我々アマチュアでも思いつくようなクレームは、プロのスタッフたちであればすでに想定していたことでもあるだろう。シナリオなり準備稿なり初期構想などではこれらの要素は満たされていた可能性も高いのだ。仮にそれらが満たされていなかったとしても、スタッフ間での会議や雑談などでも当然に議題にされていた可能性は高いだろう。
 しかし、理想としてはそうしたいと思っても、結局は形而下(けいじか)の雑事や些事(さじ)によって、モノづくりは限定されてしまうものなのだ。それが我らの住まう並行世界のひとつである「現実ワールド」(笑)でのキビしい現実なのである(爆)。


 だから、スタッフは限られた所与の条件下で最善を尽くすしかないのだ。「作品批評」の方でもそんなウラ事情に対してもスポットを当てたり忖度をしたりして、その上で作品を解題・批評もしていくべきなのである。


本作ではスーパー戦隊各作が独立した「並行世界」扱いでも、メタ的にはつながっている「歴史」だった!


 クライマックスバトルの直前、


・ゼンカイザーは『秘密戦隊ゴレンジャー』のアカレンジャー
・ゼンカイジュランは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のティラノレンジャー
・ゼンカイガオーンは『百獣戦隊ガオレンジャー』のガオレッド
・ゼンカイマジーヌは『魔法戦隊マジレンジャー』のマジレッド
・ゼンカイブルーンは『轟轟戦隊ボウケンジャー』のボウケンレッド


から、それぞれのスーパー戦隊のパワーを秘めているセンタイギアを授かった。


 そして、ラストシーンでアカレンジャーは変身前の海城剛(かいじょう・つよし)の姿に戻って(!)、ゼンカイジャーに激励のメッセージを贈るのだ!


 これらのシーンで観客が大きな感動に包まれてしまうのは、海城剛を演じた誠直也(まこと・なおや)が久々の客演を果たしてくれたからだけではない!
――氏登場の場面はおそらくロケ地での撮影ではなく、スタジオで撮影したものをデジタル合成したものだろうが、今の時代の技術だと素人目にはもう合成だとはわからないだろう!――


 ゼンカイジャー個々人が、各々のデザインの元ネタとなっている先輩戦隊レッドから、直々にセンタイギアを手渡しされるかたちでバトンタッチされたことで、世界を防衛する任務と正義の熱い魂が継承されたことを、観客たちもビジュアルのかたちでダイレクトに感じ取ってしまうからなのだ!


 ビデオ販売作品『超力(ちょうりき)戦隊オーレンジャー オーレVS(たい)カクレンジャー』(96年)以降、いくつかの例外はあったものの、それまでは各作が独立した世界観だとされてきたスーパー戦隊シリーズが同一世界での出来事であったとされるような大転換を迎えた。
 本作『ゼンカイジャー』ではそれをまた引っ繰り返しており、歴代スーパー戦隊シリーズ個々の作品はまたまた別世界であり、並行宇宙での出来事だとされてしまったのだ。


 しかし、そうは云ってもセンタイギアなる「メダル」のかたちで、あるいは「メダル」から召喚されたとはいえ、ニセモノではなく半ばは本人たちであるとしか云いようがない歴代戦隊レッドたちがお手軽に大量に登場してしまった以上は(笑)、もうこれは幼児が観ようが大きなお友達が観ようが、実質的には本作においても歴代スーパー戦隊シリーズは並行宇宙を越境してメタ的には「番号」(笑)でつながっている壮大な「歴史」なのだということを改めて実感させられる描写になっているのだ。
――80~90年代の戦隊マニアたちは、幼児誌でのカラーグラビア記事での歴代レッド集合写真などではともかく、いくつかの例外を除いて歴代スーパー戦隊が同一世界の出来事ではないとされていることに漠然とした不満を抱えていた(汗)。そんな過去を思い起こしてみると、かつて観たかったスーパー戦隊の在り方がとっくのとうに実現している今はまさに夢のようでもあるのだ!――



 テレビシリーズの『ゼンカイジャー』のメイン監督であり、この劇場版でもメガホンをとった中澤祥次郎(なかざわ・しょうじろう)監督は、意外にもマニア上がりではなかったようだが、10年前のスーパー戦隊シリーズ第35作の「メモリアル作品」として製作された戦隊マニア泣かせの名作『海賊戦隊ゴーカイジャー』のメイン監督でもあった。
 歴代スーパー戦隊シリーズを「一本線の歴史」だとしていた『ゴーカイジャー』とは異なる料理方法が要求されてしまう、歴代戦隊世界を「並行世界」だとして扱う『ゼンカイジャー』ではある。しかし、期待してその料理方法を注視していきたいところだ。

2021.3.5.


(了)
(初出・当該ブログ記事)


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