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ガールズ&パンツァー劇場版 ~爽快活劇の続編映画に相応しい物量戦&よそ行き映画の違和感回避策とは!?

『ガールズ&パンツァー』 ~爽快活劇に至るためのお膳立てとしての設定&ドラマとは!?
『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』 ~微妙。戦車バトルを減らしたキャラ中心の2期も並行させた方がよかった!?
『迷家―マヨイガ―』 ~水島努×岡田麿理が組んでも不人気に終わった同作を絶賛擁護する!
『SHIROBAKO』 ~2014年秋アニメ評
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[アニメ] ~全記事見出し一覧


 2019年6月15日(土)からアニメ映画『ガールズ&パンツァー 最終章 第2話』が公開記念! とカコつけて……。
 アニメ映画『ガールズ&パンツァー 劇場版』(15年)評をアップ!


ガールズ&パンツァー 劇場版』 ~爽快活劇の続編映画に必要な物量戦&よそ行き映画の違和感回避策とは!?

(15年11月21日(土)公開 バンダイビジュアル ランティス 博報堂DYメディアパートナーズ 博報堂DYミュージック&ピクチャーズ ムービック キュー・テック)


(文・久保達也)
(15年12月13日脱稿)

爽快活劇の続編映画にふさわしい、1対1ではなく物量&人員も総動員した大集合のカタルシス


 大洗(おおあらい)女子学園の存続をかけた、「戦車道」の大学選抜チームとの殲滅戦が描かれるクライマックス。
 社会人チームをも敗ったほどの(笑)、強豪の大学選抜チームの戦車30両に対し、大洗女子学園はたった8両の戦車で挑むしかなかった。
 試合開始直前、主人公・西住みほ(にしずみ・みほ)の脳裏に、おもわず不安がよぎったその瞬間……


西住まほ「待った~!」


 西住みほの姉・西住まほが率いる黒森峰(くろもりみね)女学園の戦車群が、大洗女子学園の援軍として駆けつける!


 いや、そればかりではない!


 ダージリンが率いる聖グロリアーナ女学院
 ケイが率いるサンダース大学付属高校!
 アンチョビが率いるアンツィオ高校
 カチューシャが率いるプラウダ高校
 西絹代が率いる知波単(ちはたん)学園!
 ミカが率いる継続高校!


 短期転校手続きを取るという超ご都合主義により(笑)、テレビシリーズで対戦してきた高校や、今回初登場となる他校の生徒たちが、全員大洗女子学園の白いセーラー服に身を包み、戦車を駆ってみほの元に駆けつけるのである!
 これこそまさに、「スーパーヒロイン大戦」である!(超感涙)


 『ガールズ&パンツァー』(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190622/p1)は、「戦闘メカ」と「美少女萌え」という、オタク男子たちが最も好む二大要素を掛け合わせた作品である。
 本来水と油であるハズのこれらを接合させるために、大洗女子学園の、特にみほが所属するあんこうチームの生徒たちを、戦闘的・威圧的なキャラではなく、少々弱っちくて常にアワアワしているキャラとして描いたことが――だからこそ、ひとりだけ常に冷めている、冷泉麻子(れいぜい・まこ)の低血圧キャラが活かされる――、我々に萌え感情を惹起させることとなったのである(笑)。


 また、「戦車道」を捨てるために大洗女子学園に転校したみほに声をかけ、ランチやお茶に誘ってくれた武部沙織(たけべ・さおり)と五十鈴華(いすず・はな)=ようやくできた友達が、強制的にみほを「戦車道」に勧誘しようとする生徒会からみほをかばってくれたという、良い意味での義理人情に突き動かされ、みほが再び「戦車道」を歩む決意をするという「動機づけ」。


 そして、終盤で生徒会から明かされた、大洗女子学園の廃校を阻止するために「戦車道」を復活させたこと、そのためにどうしても優勝しなければならないと、さらなる「動機づけ」を重ねることで、プラウダ高校との準決勝を盛りあげていく演出。


 そうした目的意識、クライマックスへのベクトル感のつくり方が、やはり『ガルパン』は秀逸だったかと思えるのである。


続編映画にアリがちなヨソ行きの服装に対する違和感への回避策。それは原典の「らしさ」の反復!?


 今回の劇場版では、テレビシリーズで「戦車道」の全国大会優勝を見事に果たしたことから、大洗女子学園を存続させるとした文部科学省の約束が、しょせん口約束であったことが発覚。
 優勝記念のエキシビジョンマッチに敗北したばかりの生徒たちが突然、再度の廃校決定(笑)を知らされ、再度廃校阻止に向けた戦いを繰り広げるという、単なる引き延ばしの段取りの「再バトル劇」だけではない、彼女らが切実になって戦うに足る理由「動機づけ」のドラマを反復・重奏することとなっている。
 もちろんこれは、単なる私的な勝利の高揚をめざすために戦っているだけのようでは、本来は心優しく他人に譲るような謙遜の度合いが高い彼女たちがそこまで一生懸命に再戦するようには思えないからでもある。廃校を阻止するという切迫感や一応の公益もその「動機」とすることで彼女たちが戦っている方が、元々のテレビシリーズ『ガールズ&パンツァー』らしさも出せる! といった理由からでもあるだろう。


 これは作品の大人気により製作が急遽決定した、3月の卒業式後~3月末日(笑)までを描いた続編映画『ラブライブ! The School Idol Movie』(15年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160709/p1)において、『ラブライブ!』第2期(14年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160401/p1)終盤で主人公ら9人のスクールアイドルグループ「μ′s(ミューズ)」が、メンバーである3年生の3人が卒業したら『解散』するとしていた「決意」を、再度揺らがせていたことを彷彿とさせるものがある。
 第2期の終盤で決着したハズの「μ′s解散問題」を、なぜ再び蒸し返すのか!? などと批判したファンは多かったものだが、これもまたノーテンキなお気楽ノリのプロモーションビデオ風の歌曲連発だけではなく、テレビシリーズでも非常に印象的であった「μ′s解散問題」で再度悩んだり、それを糧や「動機」にして新たな道を模索していく彼女らを描いていった方が、元々の『ラブライブ!』的な「空気」も出せるから! といった理由からでもあるだろう。
 批判した輩にはそれがわかっていない(爆)。


「バトル」や「自己犠牲」に「試練」シーンなどを盛りあげるための前段としての「ドラマ」や「点描」!


 まぁ筆者なんかは、大勢の美少女たちが歌ったり戦ったりしてるだけの場面がひたすら続くだけでも満足なのだが(笑)、やはり歌ったり戦ったりするための「動機づけ」として描かれる「人間ドラマ」も必要ではある。しかしそれも、過剰にネチネチとした陰鬱なものとはせずに、必要最小限なものに寸止めして描くからこそ、クドくなったり鼻についたりすることもなく、むしろより印象に残ったり感動的になっているような感すらある。


 解体のために大洗港を去っていく超巨大学園鑑を、


・1年生のウサギさんチームが泣きながら追いかけたり、
・「歴女(れきじょ)」のカバさんチームのウソ隻眼の左衛門佐(さえもんざ)が旗を振って見送ったり(笑)、
・普段は冷徹な印象の生徒会広報で黒髪ショートのメガネっ娘・河崎桃が泣きじゃくったり、
・逆に普段は常に気楽なノリの生徒会会長・角谷杏(かどたに・あんず)が、凛とした表情で見送ったり


と、その「リアクション」の違いによって各キャラを浮き彫りにしているのは絶妙であり、これこそ『ガルパン』で「点描」されてきた「人間ドラマ」を最も象徴する場面ではないかと思えるのだ。


 で、今回の廃校決定に最も意気消沈したのが、中心となって描かれる、みほたちあんこうチームの少女たちではなく、園みどり子(その・みどりこ)をはじめとする、全員がまるで太平洋戦争当時の少女たちみたいな黒髪のおかっぱ頭(笑)をした、3人の風紀委員であるのもウマいと思えてならないものがある。
 遅刻の常習犯である冷泉麻子と園みどり子の、後者の略称「そどこ」ネタ(笑)をはじめとする掛け合い漫才は、個人的にはテレビシリーズのお楽しみのひとつとなっていた。


 だが、血気盛んなまでに遅刻を取り締まっていたハズのみどり子が、廃校によって自分たちの存在意義までもがなくなってしまったと苦悩するさまは、コミカルに描かれながらも結構泣かせるものがある。


麻子「学校なくなったんだから早起きしなくてもいいだろ」(笑)


 そんな麻子でさえもが気になったほど、


みどり子「規則は『破る』ためにある」


と、風紀委員たちは朝礼にも出ずに閉じこもったまま……


 これもまた、前半で描かれたエキシビジョンマッチで、大洗女子学園とチームを組んだ知波単学園メガネっ娘・福田が、みほの撤退命令に背いて突撃しようとした際、みどり子が、


「規則は『守る』ためにあるのよ!」


と叫ぶ姿が描かれていたからこそ、対比が効いて、その消沈ぶりがより強調されることとなっているのだ。


麻子「規則は守るためにあるんだろ。それに、おまえたちがいないとなんかさびしい」


 全国大会に優勝した際、約束どおりに遅刻データを全て削除してくれたみどり子に恩義を感じていた麻子は、消沈したままの風紀委員たちの手をひいて、朝礼に連れていく……


 このように、登場キャラが良い意味での義理人情に突き動かされる動機づけが繰り返される「人間ドラマ」は、やはり感動の嵐を呼び起こす!
 常にぶっきらぼうだが実は「いい娘」という麻子のキャラは、『ラブライブ!』の赤髪のツンデレヒロイン・西木野真姫(にしきの・まき)にも共通するものであり、どうも筆者はこの手に弱い(笑)。


 これと同様の手法で観客を感動させたのが、大学選抜チームVS女子校混成チームのクライマックスバトルの最中、プラウダ高校の戦車隊が隊長のカチューシャを守るために、その盾となって玉砕する(爆)場面であろう。
 今回初登場の新キャラ・クラーラが、エキシビジョンマッチで副隊長のノンナと常にロシア語で会話していたのを、ロシア語がわからないカチューシャは、


カチューシャ「ちょっとアンタたち! 日本語で話しなさいよ!」


と怒鳴りまくるが、ノンナは「はい」と返事だけしておいて、再度クラーラとロシア語で会話したりする(爆)。
 こうしたギャグ描写があったからこそ、クラーラがカチューシャの盾となる場面で、カチューシャに忠誠をささげるセリフをすべて日本語で語りだすさまが、より印象強いものとなるのである!
 実におおげさな悲劇的な音楽とともに、まるでクラーラたちがカチューシャのために死んでいくかのような(爆)、錯覚をおぼえさせる演出は圧巻である!


 そしてエキシビジョンマッチの最中、ウサギさんチームの中で最もおとなしく、めったに口を開かない丸山紗希が、「ちょうちょ」と仲間たちを呼びとめたことが、ノンナの乗る戦車に砲撃されて吹っ飛ばされることとなるギャグ描写。
 これまたクライマックスバトルでは、舞台となった廃園した遊園地の観覧車を紗希が指さしたことにより、ウサギさんチームがそれを砲撃して巨大な車輪へと転じさせ、大洗女子学園チームを完全包囲していた大学選抜チームにぶつけ、形勢を逆転させる場面も実に鮮やか!
 「破壊の快感と美少女の暴力」(笑)を盛りあげるための前段・伏線としても逆算されて、「ギャグ描写」が配置されているのは見事としか言いようがない!


 まぁ、こうした「職人芸」的な演出とまではいかなくとも、みほを「大隊長」とした隊長たちが作戦会議に集結し、作戦名を決めるのにワイワイキャッキャと、単に好きな母国料理(笑)をあげたあげく、みほが『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)の防衛組織・ZAT(ザット)のごとく、「こっつん作戦」とユルユルに命名するオチは好きだなぁ(笑)。
 こうした場面でさえも、優雅で気品のあるダージリン、フレンドリーでノリのいいケイ、戦闘よりも食を優先する(笑)アンチョビなど、各校の隊長たちは皆キャラが立ちまくりであり、出てくるだけでおもわずほっこりとしてしまう。


 中盤で大洗女子学園の戦車が文部科学省に没収されることが決まった際、ケイがサンダース大付属高校が所有する巨大な輸送機に乗って颯爽と登場し、一時的に戦車を預かってくれるふところの深さを見せるのも、実に「らしさ」を感じさせてくれるものがある。
 副隊長のナオミが大洗の生徒に向け、「手間かけやがって」と、ボソっとつぶやくのもまた然(しか)り(笑)。
 ただ、大洗の生徒たちが転校先が決まるまで、一時的に共同生活をしていた山間部の廃校舎――これって「疎開」のイメージだよな(笑)――にめがけ、再び現れた輸送機が、夕焼け空の中、パラシュートで一斉に戦車を放つというのは……
 こんなハデなことをしたら、確実に文部科学省の知るところとなると思えるのだが(笑)。


前作までの「敵役」との和解と「新敵」を前にしての共闘も、ラストバトルを爽快にするため!


 テレビシリーズではいわば「敵」であったハズの実の姉である西住まほと、「主人公」である西住みほが今回共闘することとなったのは、熊本の実家に一時的に帰省したみほが、母・しほに出くわさないよう気を利かし、学園の書類にこっそりと母の署名・捺印――有印私文書偽造の大罪である(爆)――をしてあげた、姉の姿に象徴的に表れていると言えるであろう。


 田舎の風景の中、姉妹が仲良く遊ぶ姿が描かれる回想場面は、実にベタではある。
 しかしながら、戦車から勢いよく飛び降りてみたり、当たり付きアイスがハズレだったことにガッカリするみほの姿は、かつては快活なおてんば娘であったことが端的に描かれている。
 一方、みほを抱きとめたり、自分の当たり棒をみほに譲るまほの姿もまた、幼い頃からクールに見えるキャラ(爆)として描かれながらも、妹想いの良き姉であることが色濃く出ているのだ。
 厳格なしほの前では表面的には出さないものの、テレビアニメシリーズではクールな「敵役」であった西住まほがそのころから、内心では妹のことをずっと気にかけてきたことが今回後付けでも明らかにされたのは、個人的には西住まほが麻子と同じような「いい娘」に見えて、その好感度が高まったものである。


 クライマックスバトルの殲滅戦の末、西住姉妹と2対1の決戦を演じることとなった、大学選抜チームの大隊長である無口なロリチビ13歳(笑)の飛び級大学生・島田亜里寿(しまだ・ありす)が戦う動機は、勝利することによって廃園寸前のテーマパーク・ボコミュージアムを存続させるために、母の千代にスポンサーとなってもらうこと。
 これは廃校阻止に比べればいささか弱いような気がするが、それでも大事なものを守りたいとする「動機」を与えることでそのキャラを立てており、守りたいものがある我らが西住みほたちと一応は同等の立場とすることで、その存在感も拮抗させている。
 クライマックスバトルの舞台が、すでに廃園した遊園地であるのも、亜里寿の想いを象徴したものであるだろう。


 ボコ好き同志として、みほが戦いの果てに亜里寿と友情が芽生えるのもまた、テレビシリーズで描かれてきたものの踏襲であり、感慨深いものがあった。
 それにしても、姉・まほの戦車が空砲を放って妹・みほの戦車を亜里寿の戦車にぶつけるさまは、ほとんど変身ヒーローの合体技に近いものがある(笑)。


 前半で描かれた、茨城県大洗町における市街戦では、買い物客であふれるアウトレットモールに戦車が乱入、連絡通路やエスカレーターを戦車が渡ったり――「発砲禁止区域」ってあたりまえやろ!(爆)――、大洗町役場らしき建物までもが戦闘に巻きこまれ、大洗ホテルや大洗シーサイドホテルは発砲でガラガラと崩れ去る!
 あげくにアクアワールド茨城県大洗水族館までもが被害に遭う。ペンギンは無事だったようだが、死んでしもたら日本戦車道連盟はどう責任をとるつもりなんや(爆)。


 これはまさに、「特撮怪獣映画」の感覚である!
 進撃する戦車群の俯瞰カットの多用や、まさに頭上を戦車が通過していくイメージのローアングル、画面上に主砲を配置し、狭い路地をクネクネ曲がりながら敵を追跡する中、破壊された商店や信号機が手前に崩れてくるほどの、臨場感にあふれる主観カット……


 「破壊の快感と美少女の暴力」を満たすために描かれた究極の絵空事は、現実世界の街を舞台に据えた、迫真性に富む演出により、観る者を決して飽きさせることがない!
 少なくとも、JAC(ジャック。ジャパン・アクション・クラブ。現ジャパンアクションエンタープライズ)社長の金田治監督による、かったるいだけの「人間ドラマ」が延々と続く映画『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(15年12月12日公開 東映)に比べれば、本作の方がよほど「特撮映画」に近い感覚があるし、就学前の幼児ですらも、こっちの方がよっぽど喜ぶと思えるのだが。
 社長! 「アクション」主導路線に戻ってきてくださいよ!!(爆)



 ただ『ラブライブ!』もそうであったが、『ガルパン』にせよ、本来なら恋愛が最大の関心事である沙織が片想いをする男子校の生徒が登場したり、華を「お嬢」と慕う新三郎が華に告白する場面があっても良さそうなものなのだが……
 それどころか、ほかに登場する男性キャラといえば、秋山優花里の父・淳五郎に日本戦車道連盟の理事長、あとは文部科学省の役人くらいである。
 もはやハーレムものですらなく、男そのものが出てこなくなってしまうほどに、こうしたジャンルの世界観が自堕落に奇形的に進化(退行?・笑)してしまったのは、いったいなぜなのだろうか?


 それはつまり……やっぱり筆者が好きな真姫や麻子ちゃんが、他の男とイチャつく姿は観たくないからだ(爆)。
 おそらくその想いは皆同じであろう。だからこの傾向は、今後ますます顕著なものとなると思われる(苦笑)。


ガールズ&パンツァー 劇場版』公開後舞台挨拶

(15年12月6日 静岡県静岡市 シネシティザート)


 静岡では声優イベントなんぞ、なかなか開催されることもないのだが、今回の巡業はそれだけ『ガルパン』が国民的人気作品となっている証であろう。
 リアルタイムでは静岡ではオンエアすらされていなかったハズなのだが(笑)、チケット発売開始時刻にネットで申し込んでも、既に後ろから3列目の席になってしまったほどであった。


 今回はアリクイさんチームのビン底メガネ少女・ねこにゃーを演じた葉山いくみが進行役を務め、歴女のカバさんチーム・カエサル役の仙台エリ、エルヴィン役の森谷里美、左衛門佐役の井上優佳が登壇した。
 全国での舞台挨拶用に、声優たちには背中の部分に各チームのマークが入ったジャケットが用意されたのだが、井上がそれを観客に見せながら、「おケツの穴までしっかりと描いてあります」と語った際は、場内が爆笑の渦に包まれた(笑)。


 静岡の銘菓「こっこ」のCMで、『ガルパン』が放映された12年からバナナこっこちゃんの声を演じているのが森谷であることが彼女自身から語られた際、大きなどよめきが起こったほど、筆者を含め、その事実に気づかなかった人間は多かったようだ。
 また、井上は県内の掛川市に友人がいることからよく遊びに来るそうだが、「車がないと生活できない」との発言には、移動手段として公共交通機関を利用する習慣がほとんどない静岡県民としては、「地方」に住んでいることを実感せざるを得なかった(笑)。


 女児向けアニメ『Yes! プリキュア5(ファイブ)』(06年)の妖精・ミルクや、その続編『Yes! プリキュア5 GoGo』(07年)ではミルクが変身した6人目の美少女戦士・ミルキィローズを演じたことでも知られる仙台によれば、今回のアフレコは通常よりもかなり大きなスタジオを使ったそうで、総勢60人ほどの声優が集結したさまは圧巻だったらしい。
 劇場作品としても異例のことだそうだが、それでも端役を掛け持ちで演じるのを、収録現場で急に指示されることが多発したようだ。


 青森県プラウダ高校の生徒役を急にふられた井上は、青森弁は今回が初めてだったとか(笑)。
 それでも当初収録に2日間かける予定だったのを、1日でやり切ってしまったという話にはおおいなるプロ根性を感じさせた。
 ちなみに本作には台本が3冊も用意されたが、3冊目はほとんどト書きしかなかったらしい(爆)。


 声優を務めたのは『ガルパン』が初となった井上は、最後の挨拶の途中で感極まって泣き出してしまい、森谷ももらい泣きしてしまうほどであった。
 仙台によれば『ガルパン』のアフレコ現場は新人声優がかなり多く、女の子が戦車で戦うという設定も地味に見えたことから、ここまでの人気作品に成長するとは想定してはいなかったそうだ。
 「3年ひと昔」の感がある昨今、『ガルパン』が放映終了から3年経ってもいまだ人気が衰えず、劇場版を初登場第2位にランクインさせるような秘訣を、我らが特撮ヒーロー作品の関係者こそ学ぶべきではなかろうか。


 葉山の合図でおなじみの号令「パンツァー・フォー!」を全員で叫ぶことで(笑)、今回は幕となったが、やはり会場ごとに声優が異なる舞台挨拶をハシゴしてる輩は多かったようである(笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH-VOLT』VOL.73(15年12月30日発行))


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