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宇宙戦艦ヤマト 復活篇 ~肯定論!

宇宙戦艦ヤマト論 ~ヤマトと80年安保と僕らの戦後民主主義(笑)
機動戦士ガンダム ~初作劇場版3部作・来なかったアニメ新世紀・80年安保!
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか ~アニメ趣味が急速にダサいとされる80年代中盤の端境期
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 往年のTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の実写リメイクこと、映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』公開記念!


 ……とカコつけて(汗)、昨2009年公開の『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』評を今さら発掘UP!

昨日日付記事にも2万字評、『宇宙戦艦ヤマト』論 〜ヤマトと80年安保と僕らの戦後民主主義(笑) をUP!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101207/p1


宇宙戦艦ヤマト 復活篇』 〜肯定論

(文・T.SATO)
(2010年4月24日執筆)


 子供向けでなく青年向けのジャンル作品の端緒となった往年のビッグタイトルに、四半世紀ぶりの続編が登場。


 完結したハズが続編の乱発、『機動戦士ガンダム』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990801/p1)などの勃興で、70年代後半に隆盛を誇った松本アニメともども82年頃には急速に古びて見えて、損な役回りをふられたのが本作。


 以後、本作を肯定的に言及することには勇気がいる。
 意識的・無意識にしろ長いものには巻かれろ・勝ち馬に乗れで、筆者も最先端(?)の劇場アニメ『涼宮ハルヒの消失』(10年)を好意的に論じて(山寛(ヤマカン:山本寛(やまもと・ゆたか)カントク)抜けても……とかスパイスは入れたいが)、『ヤマト』を及び腰なり小バカにした方が、ウケもよくて流通もするのかもしれないが。


 コレまた古い話で若年読者が預り知らないのは罪ではないし当然のことでもあるのだが、『ガンダム』に続編『機動戦士Z(ゼータ)ガンダム』(85年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060325/p1)が登場した折、当時のマニアは『ガンダム』が『ヤマト』化する! と大いに嘆いたものだった(筆者もそのひとり)。
 今でいう中二病期の当時の潔癖マニアは、続編やリメイクを堕落であり絶対悪であると捉えていたからだ。


 しかしてその後の歴史を見れば、シリーズ化したことで『ガンダム』は懐かし作品に留まらず、若年マニアでも遡及する現在進行形の作品として命脈を長らえて、90年前後の児童向けヒット作『ビックリマン』もかくやの膨張する世界観と歴史観を提示してマニア人種を長期に渡って遊ばせる空間を提供できてきた。
 (シリーズ化されずんば、『ウルトラマン』『仮面ライダー』も、懐古番組でシワシワA型マスク(初代ウルトラマン)や後頭部にのぞく毛髪(仮面ライダー旧1号)を笑われる、カビ生えた歴史の1ページを占める番組で終わっていただろう。
 海外の『スター・ウォーズ』(77年・日本公開78年)シリーズ・『スタートレック』(66年)シリーズの流通も同様だ。安全牌の商業的要請からであろうと、続編・リメイクやBS・UHF含めて歴代作品を途切れなく放映して微量でも若年オタクを開拓しつづけるバンダイ提供の戦略的『ガンダム』再放送の功績を侮るべからず)


 今にして思えば、ジャンルの頂点から脱落しようと、相応規模で続編を製作しつづければ、『ヤマト』も『ガンダム』同様、若年オタが参照する作品たりえたとも思う。非常に残念だ。
 筆者も80年代初頭は『ガンダム』など富野アニメを神格化、あれほど持ち上げていた『ヤマト』や長浜ロボアニメ(『超電磁ロボ コン・バトラーV』(76年)・『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』(77年)・『闘将ダイモス』(78年)など)を酷評していた戦犯のひとりなのに、我ながらどの口で云っているのかだが(汗)。


 とはいえ、『朝まで生(ナマ)テレビ』(87年)のヒットに影響された90年前後の毎週金曜深夜の討論番組『プレステージ』(88年・テレビ朝日)だったかで“映画”がテーマとなった折(その回のみ司会が今は亡き山城新伍だった)、『ヤマト』の立役者である西崎義展(にしざき・よしのぶ)プロデューサーが『復活編』を作ると発言
 (83年の『完結編』の直後にも、以後の90年代にも同種の発言はあったが・笑)。
 観客席の往時の若者たちからは、「エ〜〜〜」というどよめきが(まだ作るの〜〜? もうやめようよ〜という意味)。
 そのカンゲイされざる反応に、さすがに焦っていた西崎プロデューサーの表情を今でも思い出す。



 それからでも20年。往時の『ヤマト』も当時としては格段に丁寧に作っていたにしろ、ジャンルがはるかに爛熟し世代交代も進んだ作り手たち主導で続編が作られたことは作品にとっても幸福だったと思う。


 ヘンにヒネらず旧劇場版と同様に、「無限に拡がる大宇宙」の冒頭ナレーションや旧作BGMの多用でフンイキを出してツカミをよくして、旧ファンへのサービスも折り込む。
 壮年に達して貨物船の船長に転じた主人公が小さな戦闘に際して見せる機転でキャラ立て&キャラ紹介も両立。


 何度目かの地球滅亡の危機に移民大船団を遠宇宙へ護送しつつも、ナゾの宇宙艦隊に途中で襲撃されている現況をアクション・バトルの見せ場として並立させつつ説明もする手際よさ。
 かつて轟沈するも秘かに復興を遂げていたヤマトを、計器&コクピット感覚、号令・復唱・人力工具で動力炉をアナログに起動し、たっぷり長尺で盛り上げる発進シーケンス!


 船団を今度こそ一隻も犠牲とせずにヤマトが守り切るあたりも、初作の山本機帰還を想起させて、熱くてスキだ。
 新キャラの乗員たちより主人公とその娘の親子関係が重視されるのも、ターゲットの高齢化を考えれば正解(笑)。


 ウェルメイドでわかりやすい一般性も確保しつつ──映画『ハルヒ』も冒頭に、『復活篇』と同日公開のウルトラマン映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)みたく簡単なキャラ紹介でも入れて、一見(いちげん)さんに少しでも開けた作りにナゼしない? 映画『機動戦士ガンダムUCユニコーン)episode 1:ユニコーンの日』(10年)もムダに本家の富野カントクっぽくした煩雑作劇はドーなのか?──、イラク戦争以降の世界&社会風刺も入れていく。
 セカイ系若年マニアはシャカイに関心がないので、そこがウラハラに商業的弱点にもなるが、作品の罪ではない。


 メリケンアメリカ)もどきが主導する多国籍軍も昨今の世界情勢の静的な縮図にすぎない。
 が、皮袋に新しい酒を注げば魂も宿るというものだ。


 中継地の中東風惑星で、地球を敵視する多国籍軍が地球人を差し出せ追い出せと現地人を脅す。対処方針を巡って二分する現地首脳部。
 朝鮮半島に南北の衝突でも生じて漂着したボートピープルの難民を保護すれば、一方から敵対陣営と目されることはありうる。人道的にふるまうことが平和と相容れないこともままある。この世は逆説と背理に満ち満ちている。


 一方、武士道の気風を残す一国が、自滅覚悟で多国籍軍を離脱する様は爽快。
 現実はこうも行かず、国民を養う以上、小国は大国に潰されずナメられず程度で外交アピールするのが古今東西の哲理だが
 (米ベッタリも困るが中韓越しでの「遠交近攻」も必要悪かと。印パ(インドとパキスタン)、チェコポーランドセルビアクロアチアツチ族フツ族。あぁ隣国の近親憎悪)。


 メリケンが実は異次元から来たこの宇宙の外の存在であると判明するあたりは賛否あろうが、世界情勢の縮図のまま解答のない禅問答で終わってもナニだから、最後に躊躇なく叩ける敵に再設定し直す確信犯作劇は、カタルシスを与うべきバトルもの娯楽活劇作品の作劇としては正しいとも思う。


 映画・旧『日本沈没』(73年)みたく国土喪失後の民族流浪の困難にもカスりつつ……
 (またも余談だが、中華街・コリアンタウンなどを基本作らず実はナショナルな心性が弱い日本民族は、3〜4世の段階で現地人と混交して文化・言語的には絶滅すると私見)。


 ジミでも精緻な作劇で、筆者個人の評価は高いが、本作が受容される土壌が今ナイ厳然たる現実は承知している。


 マニア向け作品が本作しかない時代ではないのだから、主人公・古代進の実娘じゃない方の乗員ヒロイン(筆者的には萌え。若年オタにとってドーかは不明・笑)を主体に、角川・日テレ的メディアミックス展開でもっと露出できなかったものなのか?
 旧作含めて参照する奇特な若年オタを、少しでも多くゲットする絶好の機会だったのに。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『SHOUT!』VOL.50(10年4月29日発行))



後日付記:
 本作は若手スタッフ主導で作られた……という前提で書いちゃっておりますが、今回も実際には車イス生活を送る西崎プロデューサーの意向がカナリ反映されているとの情報も後日聞きましたので、悪しからず。それならそれでイイ歳こいてスゴいな、という話ではあるのですが……。
 実写版封切直前に急逝された西崎プロデューサーのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。


 東京都知事石原慎太郎センセのお名前などもクレジット字幕にド〜〜ン! とデカデカと出ておりましたが、基本的には客寄せパンダ、作品にハクを付けるのが目的で、初期の会議に1回だけ出てもらったとか、西崎さんがコネを活かして参考意見を聞きに行ったとかその程度じゃないかと思います。そのこと自体が悪いということではなくて……。
 まぁかつて親米保守ならぬ反米保守に近いスタンスで、ベストセラー(アメリカに対して)『「NO」と言える日本』(89年・ISBN:4334051588)を刊行した御仁ではありますが……。


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