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パシフィック・リム:アップライジング 〜巨大ロボ×巨大怪獣×ロリチビ少女×中国大企業×東京&富士山!

(2018年9月8日(土)UP)


『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』 〜多民族が「共生」ではなく「棲み分け」(笑)する未来像!
『レディ・プレイヤー1』 〜ガンダムvsメカゴジラ! 仮想現実に逃避するオタの心理描写が秀逸(涙)
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[特撮洋画] 〜全記事見出し一覧


パシフィック・リム:アップライジング

(18年4月13日(金)・日本封切)

巨大ロボ×巨大怪獣×ロリチビ少女×中国大企業×東京&富士山!

(文・T.SATO)
(18年6月16日脱稿)


 巨大ロボット軍団vs巨大怪獣軍団の大抗争を描いた、環太平洋防衛軍こと『パシフィック・リム』(13年)の5年後の待望の続編で、前作の10年後の世界を描く。
 主人公はエピソード7こと『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15年)やエピソード8こと『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17年)でも副主人公として活躍した少々ガタイのイイ黒人青年クンが演じており、日本語吹替版ではイケメンボイス声優・中村悠一がアテている。


 しかし、副主人公でもあるヒロインは、小学校高学年みたいなメカフェチの白人ロリチビ少女であるあたり、なんだか本作も日本のいびつなオタ向けアニメみたいではある。日本語吹替版では、彼女を実力派人気声優・早見沙織がアテていた。
 先の傑作アメコミ洋画『ブラックパンサー』(18年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180607/p1)でも、ブラックパンサーの妹嬢は各種のコンピューターを自在に操る天才ロリ少女であったけど、ナンなのダこの怪しい符合は!? 巨大ロボットや巨大怪獣のことでは我らがニッポンを見習ってくれてもイイけれど、オタク男子好みの理系女(リケジョ)なロリ美少女嗜好については、世界の労働者諸君は見習わない方がイイとも思うゾ(笑)。


 巨大ロボット軍団の操縦士メンバーには、本邦ニッポンからも、我らがジャンル作品の雄・千葉真一のご子息であられる新田真剣佑(あらた・まっけんゆう)も参戦!
 世界市場・中国市場も意識してか、勃興する中国の巨大IT重工業を登場させて、往年の名作ビデオアニメ『マクロスプラス』(94年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19990904/p1)みたく、有人戦闘機(巨大ロボ)と無人戦闘機(巨大ロボ)のコンペティション・営業合戦みたいな話ともなり、クールビューティーな黒スーツに身をつつんだ美人で痩身の女社長が率いる中国企業とドローン(無人巨大ロボ)が、巨大怪獣以上にワルものの役回りになるのかと思いきや……。それとは別にラスボスがいて、女社長も実はいいヒトで、環太平洋防衛軍に最後は協力を惜しまない、今では莫大な収益を上げる中国市場を意識した(笑)展開ともなっていく。


 世界を動かすハイテク大企業の役回りを我らがニッポンが務めなくなったことに、マンハッタンを買収しまくっていたバブル期のニッポンを知るオッサンとしては隔世の感もいだく。
 しかし、ラストバトルでは、前作でも舞台としなかった本家・元祖である我らがニッポンの大東京の大都心&冬山の富士山のピーカン晴天下で、黒人青年クンと白人ロリ少女が並んで操縦する最後の1体の巨大ロボットvs敵巨大怪獣とが組んずほぐれつ超高速でゴロゴロ転がり背負い投げしたり振り回されつつ、ロケット噴射で超高空に飛翔して富士山の斜面に落下し、裂けた装甲のスキ間から外を覗きながら操縦する、ニッポンのオールドオタにはドコか既視感もあふれる実に暑苦しい超絶バトルが繰り広げられる!――富士山が背景だなんて、ゴジラ映画『怪獣大戦争』(68年)や『マジンガーZ』(72年)に昭和のあまたの東映特撮のオープニング映像みたいでもある――
 ニッポン人としては、葛飾北斎富嶽百景じゃあるまいに富士山はあんなに急峻な円錐じゃないヨ! 東京の目と鼻の数キロ程度の先に富士山が迫って見えるのはドーよ!? あんなに激しくバトルしたら富士山が山体崩壊しちゃって自然破壊だヨ! とツッコミもしたくなる(笑)。
 もちろんリアルな東京&富士山ではなく、世界の人々の脳内での最大公約数としてのニッポン&富士山イメージのあくまで虚構世界内における誇張・単純化されたかたちでの再現なのだから、小者的にウッキームッキーと反発せずに、そこはオトナの余裕ある態度で泰然自若に構えて笑って流そう。


元祖の前作と比すると本作はやはりイマイチか? その原因とは!?


 しかし、ウ〜ム。出来についてはイマイチかなぁ。前作と比すると悪いイミで少々人間ドラマ寄りかもしれん。それに世界規模での切迫した危機感があった前作と比べれば、あくまでも戦後の局地戦にすぎないスケールの事件ではあったし。
 ではドーすればよかったのか? 前作と同じような攻防劇・総力戦を描けばよかったのか? いや、前作を超えるのは困難だから、あの世界の戦後を別の角度・側面から切り取って新鮮な物語を作ってみせるべきであったのか?
 おそらく発想としては、後者であったのだろうと私見する。そして、コレが連続TVドラマ展開としての前作の続編であったなら、こーいう少々ミニマムな人間ドラマやSF設定を積み重ねていった果てに帰着するストーリーは、むしろ単発映画でのそれよりも、視聴者にさらなる感慨を催すようにも思うのだ。
 しかし、しょせんは2時間尺の戦闘シーン主体の映画では、綿密でていねいな人間描写の「積み重ね」による手法が適しているとは思われない。むしろ印象的な「点描」での人間描写の手法の方が適していると思われる。
 ……なぞと思ってしまうのも、あくまでも前作の神懸かったテンション・高揚と無意識に比較してしまうからであって、コレが独立したオリジナルの単独作品であった場合は、本作はフツーに楽しく観られた作品であった可能性も高い(笑)。げに作品評価とはムズカしい。


巨大ロボvs巨大怪獣を描く元祖『パシフィック・リム』の設定&作劇をふりかえる!


 元祖の前作『パシフィック・リム』の設定も整理してみよう。
 異次元に通じた太平洋の海溝の底から、ぞくぞくと出現するKAIJUこと巨大怪獣。
 太平洋沿岸部の各国の諸都市は巨大怪獣に蹂躙・破壊され、巨大怪獣の侵入を防ぐために、日本の漫画『進撃の巨人』ばりに万里の長城で都市を囲って生活している。広大な太平洋もまた、日本の近未来海洋戦記漫画『蒼き鋼のアルペジオ』(共に09年・共に13年に深夜アニメ化)みたく、巨大怪獣の勢海圏となって通交も途絶えている。
 そんな危機に敢然と立ち向かうのは、往年の変身ブーム時代の円谷プロ製作の特撮巨大ロボット『ジャンボーグA(エース)』(73年)やロボットアニメ『闘将ダイモス』(78年)に『機動武闘伝Gガンダム』(94年)みたく、機械と人間を接合し、搭乗者の突きや蹴りなどの動きと連動したかたちで巨大ロボットの手足身体も操ることができる、世界各国な無骨な二足歩行の巨大ロボット軍団!
 日本の往年のジャンル作品群の記憶に満ち満ちた設定&映像を、それらに影響を受けた海外のオタクたちが最高級のCG特撮を用いてハリウッドで再現した作品であった。


 クサれオタの筆者としては、奇しくも巨大怪獣vs巨大ロボット軍団の戦いを描いて、巨大ロボも2人1組で操縦していた、本映画をさかのぼることちょうど10年前の深夜アニメ、渡辺宙明センセイが楽曲を手掛けて串田アキラが主題歌を歌うことで、絶滅寸前のオールドオタクをねらいまくっていた快作『神魂合体ゴーダンナー!!』(03年)との膨大な類似なども想起したモノだ。
 しかし、「萌え」や「美少女」に急速に特化しつつあった当時の若いアニメマニマ間では空気と化したマイナー作品でもあった。残念ながら日本の後代の若いオタたちも、『ゴーダンナー』なぞ振り返らないし、ジャンルの歴史に残った作品ではないので(筆者個人の評価はまぁまぁ高いけど)、『ゴーダンナー』が『パシフィック・リム』のアイデア・ソースであった可能性は低そうだ(涙)。
 ギリシャ神話のオルフェウスと日本神話のイザナギは、共に冥界下りでカミさんを取り戻しに行くけど、日本と彼の地の間に類似した神話がナイ以上は、独自に成立したと推測されるように、神ならぬ身の人間の想像力なんてのも無限ではない以上は、パクらなくても互いに似通ったモノを創造してしまうことも往々にしてあるのだろう。エジプトと中米のピラミッドの類似もしかりだ(笑)。


 要は前作は、ロボ&怪獣がビル街・海浜・浅海・深海で戦っているだけの作品で、あるいはいかに怪獣を倒すかの作戦だけを描いた攻防劇であり、その過程でイイ意味で申し訳程度に登場人物たちの人間像を描くような作品にすぎなかったワケである。しかしそれゆえに、原初的・プリミティブな起承転結は満たしていて、観客にも敵の怪獣を倒してメデタシメデタシのカタルシスを味あわせてくれる作品にはなっており、斯界(しかい)の評価も実に高くて、筆者個人の私的評価も高かった。


元祖の勝因は怪獣の「超獣」化!? 怪獣から小難しいテーマや悲劇性を剥奪したこと!?


 もちろん感情的な好悪だけを云うのは、評論オタクに悖(もと)る行為なので、多少分析チックなことも云わせてもらおう。前作は「怪獣」がイイ意味での「超獣」化、生物兵器化していたことが、作劇の勝因であったと思うのだ。
 往時のオタク第1世代のマニアたちの活動によって、昭和ウルトラシリーズや昭和ゴジラシリーズの堕落の歴史・変遷の象徴のようにも云われて、あるいは1960年代の第1次怪獣ブームまでの作品群を神聖視して、上の世代に粗製濫造だと思わせた1970年代の変身ブームや合体ロボットアニメブームに登場した怪獣怪人・敵ロボットを揶揄するために構築された論法がある。
 60年代までの初期東宝特撮怪獣や初期ウルトラ怪獣たちは、「恐怖」や「核兵器の隠喩」や「大自然の象徴」に「大自然からの警鐘」などのテーマ性を持っていた。しかし、70年代に入るや、東宝怪獣やウルトラ怪獣はテーマや命題を抱えた「生物」としてではなく、ヒーローに問答無用で倒されてもイイように、その同情すべきかわいそうな属性は剥奪され、打倒されるだけの無個性で「武器」や「技能」などの戦闘能力に特化した存在に堕(だ)したからこそ、特撮ジャンルは70年代以降に「冬の時代」を迎えたのであるウンヌンカンヌン(大意)という論法である。
 コレはコレで一理はあったのかもしれない。しかし、今度はそれと引き替えに、マニア世代が作り手側にまわった90年代中盤以降、本邦ジャンル作品は「怪獣」を倒すことに躊躇や罪悪感を過剰にいだくようになってしまった。大怪獣ゴジラだって、水爆による被害者なのである……といったロジックによってである。
 これはこれで誠意ある態度でもあるのだが、このロジックを徹底していくと、悪人にも恋人や家族や子供がいたかもしれないと悩むことになり、怪獣モノにかぎらず勧善懲悪の娯楽活劇作品の存在自体を自己否定しなければならなくなる(爆)。ハリウッドでリメイクされた両『GODZILLAゴジラ)』映画(98年・14年)とて、この弊からは完全には逃れることができなかった。


 しかし、『パシフィック・リム』に登場するKAIJUたちは、『ウルトラマンエース』(72年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)に登場した「超獣」たち同様、異次元空間から来襲する侵略的外来種なのだ。多分、我々人類は今のところはちっとも悪くない――今後の追加設定いかんでは知らないが(笑)――。
 生物・動物ではあろうけど、我々炭素系生物とは異なり、古典SFではおなじみ懐かしのガラス・珪素(ケイソ)系生物であるから、ますます遠縁・疎遠でもある。人類とも共生できそうな愛玩動物的な愛嬌もナイ――怪獣各個の形態や得意能力に特化したデザイン的なカッコよさはあれど――。
 よって、罪悪感・同情・憐憫の余地なく、安心して心おきなく戦って、『進撃の巨人』同様に「相手を駆逐」してやる(笑)こともできるのだ。どころか、KAIJUたちには、戦い合った果てにドチラかが死んでしまっても恨みっコなしの古(いにしえ)の武人たちのような潔(いさぎよ)さ・爽快感までもが漂う。ナンという再発見であり再発明(笑)。


 もちろん、このような「相手を駆逐」してもイイ設定&作劇が特撮ジャンルの最終的な到達点であり、「怪獣」の存在にもそれなりの理や情を与えて、同情の余地や人類側へも反省の余地を求めるような作劇がまったくのムダであり寄り道であったのだと云いたいのでもナイ。それはそれでジャンルに純粋娯楽活劇的にはやや遅滞・停滞をもたらしたかもしれないが、同時にドラマ&テーマ的にはたしかに豊穣をもたらしたとも思うのだ。
 しかし、コレで3度目あたりであろうか?(笑) またまた少々煮詰まってきた感もある本邦ニッポンのジャンル作品――煮詰まってきたというのは、あくまでもフワッとした筆者の私見です(汗)――。コレを賦活化(ふかつか)するためにも、改めてキン肉バカな作品である元祖『パシフィック・リム』の設定&作劇については、我々も学ぶべきことが多いのではなかろうか?


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2018年初夏号』(18年6月17日発行)〜『仮面特攻隊2019年号』(18年12月29日発行)所収『パシフィック・リム:アップライジング』合評2より抜粋)


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