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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
(2018年4月27日(金)・日本封切)
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 〜合評1
(文・くらげ)
(2018年6月15日脱稿)
『アベンジャーズ(2012)』第3作にしていよいよ最強の敵“サノス”の登場です。やはり強敵が出ないとヒーローものっぽくないですよね。監督はシリーズ常連のアンソニー&ジョーのルッソ兄弟。かなり詰め込み気味の内容ですが、2時間半の長丁場をまったく飽きさせずに見せます。あらすじを紹介するだけでも一苦労ですが最後までお付き合い下さい。登場キャラも多すぎるのでキャスト名は割愛です。自分で調べて下さい(笑)。
さて考えてみるとこれまでアベンジャーズに登場のヴィラン(悪役)はチタウリとかウルトロンとか、数ばかり多くてヒーロー総出で戦うには地味な敵でした。ヒーローを活躍させるにはひとり強力な悪役を出すのが手っ取り早いですが、どうしても話が安易になります。
悪のラスボスがいてそいつさえ倒せば万事解決という物語はビンラディンあたりで終わって、さすがに能天気なアメリカ人にも通用しなくなってるんですね。でも今はアメリカ大統領が悪のラスボスですけどね(笑)。
そんな時代に登場するサノスは古き良きというか、人格と目的を持つ悪役らしい悪役です。原作ではメジャーなヴィランも、知らない人が見ればプロレスラーみたいなオッサンで、こんな青白いハゲ親父がアベンジャーズのラスボス? とガッカリする人も多いでしょう。彼の目的は「宇宙の生命の半分を消滅させる」ことで、そのために宇宙に6つある“インフィニティ・ストーン”を集めています。
唐突な新アイテム登場がネタに詰まった漫画のテコ入れみたいですが、すでに6つのうち5つは過去作のパワーアイテムとして登場してるんですね。『マイティ・ソー(2011)』の弟神ロキの杖とか、アベンジャーズの一員ヴィジョンの額の宝石とか。1つ1つがすでに強力なアイテムですが、6つ集めると指一つ鳴らすだけで宇宙を終わらせることができます。てっきり比喩的な表現と思えばそうじゃなかったことが分かるんですが。
今回の物語は宇宙から始まります。『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20171116/p1)からの続きですが、アスガルドから地球へ向かう宇宙船にソーとロキとハルクが乗っていてソーは何故か片目です。『バトルロイヤル』を観なかった自分には何のことやら分かりません。この宇宙船がサノスの襲撃を受けます。サノスはソーやハルクさえパワーで軽く圧倒し“四次元キューブ”に形を変えた【スペース・ストーン】を奪います。
サノスの左手のガントレットにはすでに【パワー・ストーン】が嵌められていて、これは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』に登場したザンダー星が滅ぼされたことを意味します。ハルクは間一髪地球へと転送されるんですが、ロキは奇策及ばずサノスに殺されます。
ロキには死んだと見せかけて生き返った前科があるのでみんないまいち本気にしません。「でも今度はダメなんじゃないの?」なんてやり取りが笑います。地球に転送されたハルクは、ドクターストレンジの下にたどり着き、協力を仰ぎます。
いっぽう地球ではアイアンマンとペッパーがデートを楽しむ平和な日々です。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160701/p1)の内紛でアベンジャーズは解散状態で、アイアンマンとキャプテンアメリカに至っては口も聞かない状態が続いています。
そんなアイアンマンのもとにハルクとストレンジが現れ、地球に危機が迫っていることを警告します。間もなくニューヨークに現れるのがサノスの部下のエボニー・マウで、ドクターストレンジの首飾りに埋め込まれた“アガモットの目”こと【タイム・ストーン】を奪いに来ます。
これにストレンジおよびアイアンマン&スパイダーマンの師弟コンビが立ち向かうわけですが(ハルクは変身できなくて見物だけ)このエボニー・マウが絵に描いたような参謀キャラで「愚かな地球人よ。サノス様に勝てると思うのか?」みたいな感じがいいです。
頭脳派っぽい癖にやたら強くて、指一本動かさずニューヨークを破壊していきます。普通の映画ならこの戦闘だけでクライマックスですよ。ストレンジの首飾りには呪文がかかっていて外せないと分かったエボニー・マウは首飾りごとストレンジを拉致し、アイアンマン&スパイダーマンはストレンジを追って宇宙船に潜入し、サノスの故郷、惑星タイタンへと向かうことになります。
舞台が宇宙ということで主役級の活躍を見せるのが“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の面々で、同じマーベル出身ながらなかなかアベンジャーズの一員と思えないメンバーですが、サノスとの因縁が物語で重要な意味を持つことになります。ガモーラとネビュラが実はサノスの娘とか、ドラックスがタイタン人に家族を殺されたとか、ちょっとした裏設定と思えばおもいっきり伏線だったんですね。
まあ『ガーディアンズ…』は宇宙の果ての物語にスターロード一人が地球人なのが面白かったんですが、アベンジャーズと共闘したことで一気にレア感が薄れます。彼らは宇宙を漂流中のソーを助けたことでインフィニティ・ストーンの争奪戦に巻き込まれていきます。
ソーは武器であるムジョルニアを失っていて(これもバトルロイヤルの中の事件らしい)新しい武器が必要と考えたソーは、ガーディアンズのロケットとグルートをお供に武器作りの達人、ドワーフのエイトリの住む惑星ニダベリアへと赴きます。
エイトリは小人役者のピーター・ディンクレッジが演じますが、小人なのに身長10メートルくらいの巨人なので小さいのか大きいのか分かりません。サノスはインフィニティ・ストーンを嵌め込むガントレットをエイトリに作らせたんですが、エイトリだけを残して他のドワーフは殺してしまったんですね。ソーは失意のエイトリにサノスへの復讐を誓い、新たな武器である石斧“ストームブレイカー”を完成させます。
この間にも【リアリティ・ストーン】を巡ってガーディアンズとサノスが惑星ノーウェアで鉢合わせしたり、エボニー・マウが宇宙船から放り出されたり、サノスがネビュラを拷問したり、【ソウル・ストーン】を探しにサノスとガモーラが惑星ヴォーミアに行ったり色々あるんですが(そろそろ面倒くさくなってきた)、クライマックスはアベンジャーズが地球チームと宇宙チームに分かれてサノス軍と激闘を繰り広げることになります。
地球で戦場になるのは『ブラックパンサー(2018)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180607/p1)のティ・チャラ国王が治めるワカンダ国で、アイアンマン2号のウォーマシンが黒人ヒーローのネットワークを使って(かどうか分かりませんが)ワカンダ国王テイ・チャラ=ブラックパンサーの協力を仰ぎます。開国早々自国を戦場にされるのも迷惑な話ですが、テイ・チャラは快諾します。ワカンダで生きていたウインターソルジャーことバッキー・バーンズもアベンジャーズに復帰し、キャプテンアメリカとの旧交を温めます。
そこへサノスの大軍勢が現れ、地球に残ったインフィニティ・ストーンを巡る激しい戦闘が始まります。今回ハルクは冒頭でサノスにのされたのがよほど応えたらしく後半はまったく変身できません。そこでスターク社から改良版の「ハルクバスター(巨大アイアンマン)」を借りて変身前のブルース・バナー博士のままで戦います。ハルクバスターで戦うハルクはシュールで面白いんですが、最後はハルクバスターをぶち破ってハルク復活! という場面が見たかったですね。ソーも新兵器ストームブレイカーを携えてワカンダの地に駆けつけます。
同じ頃惑星タイタンではアイアンマン、スパイダーマン、ストレンジ、スターロードがサノスを相手に凄まじい戦いを繰り広げています。すでにインフィニティ・ストーンを4つ持ったサノスのパワーは強力で、タイタンの月を瞬時に砕いて無数の隕石を降らせるとかとんでもない攻撃をして来ます。
アイアンマンとスパイダーマンのスーツはナノテクで瞬時に装着したり自己修復したりができるようになったんですが、何かありがたみが薄れましたね。産業用ロボットでガチャガチャ部品をくっつけていくアイアンマンのリアリティが好きだったんですが。
ナノテク仕様の新規スパイダースーツは背中から6本の触手が出て自由自在に動くのが目玉ですが、ヒーローというより悪役っぽくて、ライミ版『スパイダーマン2(2004)』のドクター・オクトパスみたいでした。
健闘空しくサノスにナノテクスーツを破壊され、いまにも殺されようとするアイアンマンの助命と引き換えに、ストレンジは【タイム・ストーン】を渡してしまいます。『ドクター・ストレンジ(2016・日本公開2017)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170504/p1)を観た人なら“アガモットの目”と呼ばれた【タイム・ストーン】がどれほど強力なアイテムか知ってると思いますが、あれがサノスの手に渡るわけです。
5つのインフィニティ・ストーンを手に入れたサノスにとって数万光年の宇宙を越えるなど造作もありません。あっという間に地球へとワープしたサノスは最後の1個【マインド・ストーン】を持つヴィジョンに迫ります。これを奪われたら今度こそ最後とアベンジャーズのメンバーがサノスを止めようと立ちふさがりますが、すでに5個のストーンを持つサノスの敵ではなく、一人ずつ殴り倒されて行きます。
勝ち目はないと悟ったヴィジョンはスカーレットウィッチに命の源である【マインド・ストーン】を破壊させ、ヴィジョンは死にますが、サノスは【タイム・ストーン】で時間を巻き戻し、何事もなかったようにヴィジョンを生き返らせると、額の【マインド・ストーン】をもぎ取ります。
ヴィジョンは二度殺されます。悲劇を悲しむ暇もなく、6つのストーンをガントレットに収めたサノスが指をパチンと鳴らした後で何が起こるかは自分の目で確かめて下さい。色んなヒーローものがありますが、これだけバッドエンドに終わる作品は少ないでしょう。
とはいえ、この映画の主役は最初からサノスなんですね。『インフィニティ・ウォー』はアベンジャーズにとってはバッドエンドでも、さまざまな障害を乗り越えて6つの宝を集めるサノスの旅が成就する物語であるわけです。
そもそもどうしてサノスが生命の数を半分にしようと思ったか。力を誇示する暴虐なら皆殺しでいいわけですが、サノスは半分にこだわります。サノスはこれまでも色んな惑星で知的生命体を半分に間引くということをやっていて、それが滅びゆく惑星を回復させると確信を得ています。
まずその星の住民を種族や身分に関係なく二つの集団に分け、そのうちの一つを皆殺しにする。例外を設けずランダムに半数を消滅させるわけで、特定の種族を根絶やしにする地球流のジェノサイドとは違うわけです。何にせよバランスを保つために半分殺すなんて許されるはずもなく、だからこそサノスは悪役なわけですけど。
宇宙のバランスを望んでもサノス一人の力では限界がある。そこで万能の願望機たるインフィニティ・ストーンに目を付けるわけです。人気アニメ『Fate/Zero(2011)』の衛宮切嗣ですよ。天秤の重い方を残して半分ずつ減らしていくという。サノスも昔は純粋だったんでしょうね。「僕はね、正義の味方になりたかったんだ」って。インフィニティ・ストーンは実際に願いを叶えるので聖杯よりも良心的です(笑)。
この映画がアベンジャーズでなく、美しい空を見上げる満足げな表情のサノスで終わるのは、生命の数が半分になり宇宙のバランスが回復された暗示なんでしょう。「人間の数が半分になったら いくつの森が焼かれずにすむだろうか」(これは違う漫画のセリフ)。
ヒーロー側から見れば後味の悪い物語が、悪役の視点で捉えるとまた違った物に見えます。
徒党を組んでイヤイヤ地球を守るアベンジャーズのモチベーションは、宇宙全体を視野に入れるサノスに最初から負けています。最大の難関【ソウル・ストーン】を手にするため「愛する者を代償にせよ」との試練を与えられ、葛藤の末に愛娘を手にかけるサノスなんてほとんどギリシャ悲劇で、悲しみを乗り越えて力を手にする神話的なドラマが、ヒーローでなく悪の側に用意されることでも主役がサノスの側であることは明らかです。
考えてみるとインフィニティ・ストーンが発動すればサノスの部下も半分は消滅なわけで、それを承知の上でサノスに従う部下たちも宇宙のバランスを考える立派な人たちなのかも。
ちなみにサノスの演者というかCGの素材になってるのがジョシュ・ブローリンで、2018年6月現在公開中の『X-MEN』シリーズの一篇『デッドプール2(2018)』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180625/p1)でも“ケーブル”役をやってます。同じマーベルのアベンジャーズとX-MENのかけもちで敵役やってるわけで、ごっちゃにならないか心配です。
しかしアベンジャーズの中でも比較的良心的なメンバーが消滅し、もめ事の種ばかり生き残るのは、つまりは世の中そういうものってことでしょうか。生き残ると予想された新規参入組が全滅し、マーベル参入直後のスパイディまで消滅とは。トビー・マグワイヤ版もアンドリュー・ガーフィールド版も打ち切られ、ようやくマーベルに帰還すればあっさり消滅と、スパイディの受難は続きます。
スパイダーマンの有名悪役を主役に据える公開を控えた映画『ヴェノム(2018)』は主役不在のヴィランになるんでしょうか。普通に考えれば『ドクター・ストレンジ2』も『ブラックパンサー2』もできないわけですが、ディズニーが大ヒットとなったブラックパンサーを手離すとも思えませんしね。来年の『アベンジャーズ4』はインフィニティ・ストーンをサノスから取り返して、消滅したメンバーを蘇らせる『ドラゴンボール』な展開になるんでしょうか。
ちなみにいつものようにエンドロール後にオマケがありまして、いつものあの人が「マザファッカ」を半分しか言えずに消滅するんですが、この時に現れるエンブレムが“キャプテン・マーベル”のものだそうです。壊滅状態のアベンジャーズがどうやって立ち直るのか、次作での展開に期待しましょう。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』 〜合評2
超大作だが、出来が悪いと私見。もはやブランド・権威ゆえ、思考停止で高評価・深読みされてやしないか!?
(文・T.SATO)
(2018年6月16日脱稿)
アメコミ洋画としては大ヒットを記録した本作。しかし、本作をスキな方々には申し訳ないけど、個人的にはツマラなかった(汗)。
毎春の仮面ライダー&スーパー戦隊が共闘する『スーパーヒーロー大戦』映画の出来が悪い部類を観たあとのような感慨を個人的にはいだいた。
絵的にチャチなところはもちろんナイ。しかし、AとBが戦う! CとDの気が合う同士が共闘! EとFの仲が悪い同士も共闘! というようなことは本作でも一応はやっていたかもしれないが、そのへんの楽しさがまずはあまり盛り上がってはいなかったように私見する。
最終的には本作の宇宙から来た強敵に歴代ヒーローたちが敗退していくにしても、そこに至る過程では歴代ヒーローたちも充分に強いんだゾ! カッコいいんだゾ! 善戦したのだゾ! というところを見せてくれないと。
いやまぁ2時間半の尺があっても、あまりに膨大なキャラを描くためには尺が足りなかっただろうけど、アリがちでも敵の先兵や戦闘員を設定して、まずはそれらを蹴散らすことで、ヒーローたちの壮快な強さ・カッコよさ・頼もしさ・いかにもな人となりを現わすセリフなどを補充するようなことは必要じゃネ? ラスボスの強さを描いたり、ヒーローの苦戦や敗退を描くのは、そのような助走台があった上であるべきでは?
あと敗退するにしても、一部ヒーローたちにはもっと一矢は報いたみたいな変化球も必要だったのでは? なにか予定調和でヒーローが次々と負けていったり、消えていったようにも思えて……。
ヒーローたちの半数が消滅してしまって、来年の「『アベンジャーズ4』につづく!」となるラストも、このあとドーなる!? というような圧倒的な絶望感・焦燥感はなく、あまりに淡々としていやしまいか?(汗)
ちょっとしたアクション演出に挟まれるべき人間描写、会心の一撃が決まった際の余裕の笑みや、ワザが効かなかったり劣勢になった際の焦りの表情の切り取りとか、そーした細部の短い描写の欠如ゆえに、戦闘シーンも物語もメリハリが欠如して観えてしまうのか?
『アベンジャーズ』初作(12年)ラストでもすでに登場していて、ついに登板した本作のラスボスは、CGでボリュームアップされたキン肉モリモリのマッチョな長身大男であり、いかにも強そうでワルそうではある――先のDC社のアメコミヒーロー大集合映画『ジャスティス・リーグ』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20171125/p1)の宇宙から来たラスボスのマッチョな長身大男と、その悪事に吉川英治の戦前の時代小説『鳴門秘帖』(1927年)などにはじまるアイテム争奪戦をカラめたあたりも、イメージがまるカブりだけど――。
ただし、単なる悪ではなく往年の8号ライダー・スカイライダーこと『仮面ライダー(新)』(79年)のネオショッカーのごとく、全宇宙の知的生命体を半数に減らすことを目的としているあたりで、即物的で粗暴な問答無用の悪党ではなくなってしまう。
あげく、日本のヒーロー特撮で云うなら、異形の脚本家・井上敏樹パターンで、世界規模の戦いなのに敵も味方も因縁や旧知があったりして、本作で云うなら宇宙人種族でもあるラスボスの大男は、おバカなアメコミ宇宙人ヒーロー集団『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)の顔面緑塗りのメインヒロインや、その映画第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170513/p1)では敵対して殺し合った青塗りの妹とは、原典通りではあるのだろうけど、親子関係でもあるという!
いやまぁ「父殺し」や「兄弟殺し」は、聖書やギリシャ神話の時代からの普遍の物語構造ともいえるけど、少し世間が狭い感じもするなぁ。
単純比較はしちゃイケナイかもしれないけど、直前に放たれた大傑作『ブラックパンサー』(18年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180607/p1)や、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17年)・『スパイダーマン:ホームカミング』(17年)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170901/p1)・『ドクター・ストレンジ』(16年・日本公開17年)などの、人間ドラマ部分での情緒・激情がラストバトルにもそのままなだれこむことで感情的にも盛り上がる作りの、娯楽活劇としては理想型の快作群の作劇と比すれば、本作は劣っているとも私見。
石を投げられる覚悟で云えば、世評は低いようである(汗)DC社のアメコミヒーロー大集合映画『ジャスティス・リーグ』の少々小粒良品でもまとまってはいた作りの方を、筆者個人は高く評価する。
このテのオールスター映画では、「ていねいな人間ドラマの積み重ね」などは不要。メインキャラを立てるために最後は敗退するにしても、それまでの展開で各々のキャラにオイシいところや「らしい」ところを印象的に気持ちよく見せる「点描」の羅列を主眼にした作劇にすべきだとも思う。
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