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ウルトラマンタイガ中盤評 ~レギュラー&ゲストの人間ドラマのみならず、ボイスドラマで描かれた3大主役ウルトラマンのドラマも本編に導入すべき!

『ウルトラマンタイガ』序盤総括 ~冒頭から2010年代7大ウルトラマンが宇宙バトルする神話的カッコよさ! 各話のドラマは重めだが豪快な特撮演出が一掃!
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ウルトラマンタイガ中盤評 ~レギュラー&ゲストの人間ドラマのみならず、ボイスドラマで描かれた3大主役ウルトラマンのドラマも本編に導入すべき!


(文・久保達也)
(19年11月20日脱稿)

*『ウルトラマンタイガ』、「なぜ?」の嵐(笑)


 2019年9月29日から無料動画配信サイト・YouTube(ユーチューブ)で配信されている『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200110/p1)のラストからつづくかたちで、『ウルトラマンギンガ』(13年)から『ウルトラマンR/B(ルーブ)』(18年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180826/p1)に登場した7人のウルトラマンと、映画『劇場版 ウルトラマンR/B セレクト! 絆(きずな)のクリスタル』(19年・松竹・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1)の敵キャラ・ウルトラマントレギアが、宇宙狭(せま)しと一大バトルを繰りひろげる場面から『ウルトラマンタイガ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190811/p1)第1話『バディゴー!』は開幕した。


 つかみとしてはあまりにも豪華なこの導入部の描写や、民間の警備会社・E.G.I.S.(イージス)の新人隊員で主人公の工藤(くどう)ヒロユキがウルトラマンタイガ・ウルトラマンタイタス・ウルトラマンフーマの3タイプのウルトラマンに変身する新機軸。
 そして中心となるタイガがかのウルトラマンタロウの息子であったり、「昭和」から「平成」に至る歴代ウルトラマンシリーズに登場した悪の宇宙人たちで結成された犯罪組織=ヴィランギルドの登場など、過去作品との密接なつながりと世界観の拡大を感じさせる設定の数々には、筆者に限らず今後の展開に期待した視聴者はきっと多かったことだろう。


 ただ、先述した第1話の完成度が『ギンガ』以降のニュージェネレーション・ウルトラマンシリーズの最高傑作といっても過言ではないほど高かっただけに、いや、毎回あれだけの高レベルのものを観せろ! と主張するつもりはないのだが(笑)、すでに『タイガ』は第1クール半ばくらいの時点で、先述したような序盤で示された世界観からすれば個人的にはどうにも違和感がつきまとうような作風・路線である印象が強いのだ。
 その違和感と戦いながら(爆)視聴してきた『タイガ』も、執筆時点で第20話『砂のお城』までが放映され、早くも終盤を迎えようとしている。
 そこで今回は『タイガ』につきまとう違和感はいったい何が要因で生じているのか、検証してみたい。


*「お悩み相談」のゲストとして登場する宇宙人……


 まず、『タイガ』で描かれる地球ではオープニング・ナレーションにもあるように多数の宇宙人がひそかに暮らしているが、これまでに登場した宇宙人たちを以下に並べてみる。


・第1話『バディゴー!』 → サーベル暴君マグマ星人、宇宙商人マーキンド星人、宇宙怪人セミ人間、昆虫宇宙人クカラッチ星人
・第2話『トレギア』 → 宇宙商人マーキンド星人、電波怪人レキューム人
・第3話『星の復讐(ふくしゅう)者』 → 登場せず
・第4話『群狼(ぐんろう)の挽歌(ばんか)』 → 変身怪人ゼットン星人ゾリン、健啖(けんたん)宇宙人ファントン星人
・第5話『きみの決める未来』 → ダマーラ星人
・第6話『円盤が来ない』 → 宇宙ヒットマン・ガピヤ星人アベル、サイケ宇宙人ペロリンガ星人
・第7話『魔の山へ!!』 → 暗黒星人ババルウ星人、集団宇宙人フック星人
・第8話『悪魔を討て!』 → 登場せず
・第9話『それぞれの今』 → 戦略星人キール星人、殺戮(さつりく)宇宙人ヒュプナス
・第10話『夕映(ば)えの戦士』 → 暗殺宇宙人ナックル星人オデッサ
・第11話『星の魔法が消えた午後』&第12話『それでも宇宙は夢を見る』 → 宇宙怪人ゼラン星人オショロ
・第13話『イージス超会議』 → (総集編)
・第14話『護(まも)る力と戦う力』 → 高次元人イルト
・第15話『キミの声が聞こえない』 → 頭脳星人チブル星人マブゼ
・第16話『我らは一(ひと)つ』 → 登場せず
・第17話『ガーディアンエンジェル』 → 宇宙怪人ペダン星人、昆虫宇宙人クカラッチ星人、ミード
・第18話『新しき世界のために』 → 触覚宇宙人バット星人、変身怪人ピット星人、集団宇宙人フック星人
・第19話『雷撃を跳(は)ね返せ!』 → 憑依(ひょうい)宇宙人サーペント星人
・第20話『砂のお城』 → 変身怪人ゼットン星人ゾリン、宇宙帝王バド星人エル・レイ、ミスティ


 第1話と第2話ではマグマ星人やレキューム人が怪獣を生物兵器として売買するさまが、マーキンド星人――「魔」+「商人(あきんど・笑)」――が主催する宇宙のオークション会場を舞台にして描かれたが、これはスポンサーのバンダイナムコが発売中のゲームで、ヴィランギルドのリーダー格として『タイガ』に登場するゼットン星人が出演するCMでおなじみの『ウルバト』と完全に連動した展開であるかに見えたことから、マーキンド星人主催のオークション場面は毎回の定番として描かれるものだと筆者は思っていた。
 ところがこれは第3話以降まったく描かれなくなった。決して悪の宇宙人組織=ヴィランギルドが登場しなくなったワケではなく、ババルウ星人やフック星人、キール星人にヒュプナス、ペダン星人やクカラッチ星人などはれっきとしたヴィランギルドの一員として登場はするのだが、彼らの悪事と対するE.G.I.S.やウルトラマンとの攻防がメインで描かれるワケではなく、いわば戦闘員的なチンピラ宇宙人としての扱いにとどまっているような感が強いものがある。


 ちなみにネット版の百科事典・Wikipediaウィキペディア)の『タイガ』の項にはヴィランギルドに関する説明文がなく、その存在感の薄さがうかがい知れるというものだ。
 レギュラー悪、いや、セミレギュラー悪(笑)のヴィランギルドよりも、怪獣召喚(しょうかん)士であるも本当は地球を侵略したくないと悩むセゲル星人の人間態の女性・葵(あおい)とか、50年前に地球に取り残されて故郷の星に帰りたいと願うペロリンガ星人の人間態の中年男とか――『ウルトラセブン』(67年)第45話『円盤が来た』で7歳にして(!)ペロリンガ星人が変身した男の子を演じた高野浩幸がその50年後(?)を演じたことには素直に感動させられたものだが――、故郷の惑星サラサを謎の存在に滅ぼされた魔法使いの女性・麻璃亜(まりあ)――第11話&第12話に登場――などのゲストをメインで描く話の方が、『タイガ』では圧倒的に多かったのだから。


 いや、それは仮面ライダースーパー戦隊でも初期の第1クールくらいまでは今でもそうであり、レギュラーキャラを掘り下げるためにゲストの境遇と重ねあわせて描く手法は最近の若いマニアたちから「お悩み相談方式」と呼ばれるほどに定着しているものだ。決して『タイガ』だけでも近年のウルトラマンに限ったものでもないのは確かだ。


 ただペロリンガ星人はともかく、第10話の劇中でウルトラマンジャックのシルエットが描かれたように、『帰ってきたウルトラマン』(71年)第37話『ウルトラマン夕陽に死す』&第38話『ウルトラの星 光る時』に登場した個体と同一であるようにも見えることから――もちろん別次元の別個体なのであろうが――、ナックル星人オデッサがその後50年も戦いをやめて平穏(へいおん)に暮らしていたというのは、リアルタイム世代からすればやや違和感が残り、むしろ『ウルトラセブン』第6話『ダーク・ゾーン』に登場した放浪宇宙人ペガッサ星人とかの方がふさわしいかと思える。
 また第15話でヴィランギルドのオークションで落札したベリアル細胞を元に、ウルトラマンベリアル・どくろ怪獣レッドキング・古代怪獣ゴモラを合成させて培養(ばいよう)合成獣スカルゴモラ(『ウルトラマンジード』(17年)#1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170819/p1)ほかにも登場)を誕生させたチブル星人マブゼが、スカルゴモラウルトラマントレギアに倒された途端に姿を消してしまうことにも違和感をおぼえた。
 知能指数5万(笑)であり、「宇宙最高の頭脳」を自称するほどチブル星人はプライドが高いのだから、トレギアに復讐もせずに黙っているなんぞあり得ないと思えるのだが……


 そんなヴィランギルドのような絶対悪ではない、おもわず視聴者の感情移入を誘うお気の毒な宇宙人をメインで描くにせよ、たとえば第18話なんかは


・導入部で夜の大都会での宇宙怪獣ベムラーVSウルトラマンフーマの戦いを、走行する電車のミニチュア車内の主観から描く(!)とか、
ウルトラマンタイタスが額(ひたい)にある緑色の星型のアストロスポットから、同じU40(ユーフォーティ)出身のウルトラマンジョーニアス――アニメ作品『ザ☆ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971117/p1)の主人公ウルトラマン――のごとく、星型のアストロビームをベムラーに放つ(!)とか、
・宇宙恐竜ゼットンが白昼の都会で暴れはじめる場面に、かのドボルザーク交響曲第9番『新世界より』が流れだす(!)とか――なおゼットンの着ぐるみは『ウルトラマンマックス』(05年)第13話『ゼットンの娘』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060315/p1)で登場時に新規で造形されて以来、再三酷使(こくし)されたかなりスリムなものではなく、『ウルトラマン』(66年)最終回(第39話)『さらばウルトラマン』初登場時の造形を忠実に再現したものが使用された――、
ゼットンVSタイガのバトルを『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)のようにカメラが横移動してとらえるのみならず、家屋や店舗、自転車や自販機などが配置された狭い路地からの主観でとらえ、そこに「オレの店が!」となげくラーメン店の店主や、E.G.I.S.の隊員で正体が宇宙人であることが明かされている宗谷(そうや)ホマレらが合成されるとか、
ゼットンVSタイガの巨大戦を背景に、ビルの屋上でのホマレVSバット星人の等身大バトルを描くなど、


 3大ウルトラマンゼットン、正義側の隊員たちのカッコいい活躍を強く印象づけることで、異質な存在を排除する地球人たちに復讐を果たそうとするバット星人をメインに描きつつも、過剰に湿っぽくも陰鬱(いんうつ)にもならずに「子供番組」としての体裁(ていさい)を保(たも)てていたかと思えるのだ。
――ついでにいうならバット星人の彼女として登場したピット星人の人間態が、1970年代初頭の邦画やドラマ、歌謡曲で幅広く描かれた「やさぐれ女」(笑)風だったのも、ふたりの宇宙人がこれまで地球で虐(しいた)げられてきたことを表現するのに説得力を与えていたかと――


 つまり、『タイガ』のYouTubeでの配信に序盤の時点で「重い話が多い」(汗)とのコメントが寄せられていたということは、そんなイメージを払拭(ふっしょく)できないほどに、「子供番組」「変身ヒーロー作品」としての見せ方に不足している点が多々あったということではないのだろうか?


*もっと「3大ウルトラマン」のコミカルな個性をウリにすべき!


 そもそも主人公のヒロユキがタイガ・タイタス・フーマの3種類のウルトラマンに変身するせっかくの魅力的な設定も、タイタスかフーマのどちらかが劇中一度も登場しない残念な回も多かったのだが、クライマックスバトルで登場しないにせよ、第3話でE.G.I.S.の若き女社長・佐々木カナが契約書を捨てたゴミ箱をタイガとタイタスがのぞきこむとか、話数は失念したがヒロユキが飲んでいたコーヒーのカップ内にタイガが落ちてしまい、タイタスとフーマがあわてふためくとか、本編で「重い話」(笑)を描くのなら「子供番組」としてそうした描写は必須かと思えるのだが、それも序盤で描かれた以降は極端に少なくなっている。
 これは決して子供ばかりではなく、YouTubeの配信に寄せられたコメントでも、ミクロ化したウルトラマンたちを「カワイイ」とする声が多く見られたように、実は大人をも喜ばせる要素なのだ。


 また『タイガ』では女性ゲスト、それもムダに美人女優が演じることが多いのだが、たとえば先述した魔法使いの麻璃亜をカワイイとしたタイガに対し、フーマがそれより第7話&第8話に登場した電波系霊能力ネットアイドル天王寺藍(てんのうじ・あい)の方がいいと主張、一方タイタスだけは目もくれずにひたすら筋トレに励(はげ)む(爆)とか、先述したネットの反応からすればそうした描写は大ウケしただろうし、それが拡散されることで『タイガ』がライト層に幅広く認知される効果も期待できたのではないのだろうか?
 いっそのこと『仮面ライダー電王』(07年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080217/p1)に登場したイマジン(怪人)たちのパクリと云われようが、タイガ・タイタス・フーマに憑依(ひょうい)された劇中キャラの人格が変わってしまう描写もやってしまえばよかったのにとさえ思えるほどだ。


 総集編だった第13話の予告編ではカナやホマレ、オペレーターの旭川(あさひかわ)ピリカがそれぞれタイガ・フーマ・タイタスの登場ポーズをキメていたことから、筆者はてっきり各人が推(お)しキャラとするウルトラマンが憑依するのかと思っていたのだが、せめてこの回だけはそれをやるべきではなかったのか?


 もちろん3人ものウルトラマンを登場させる以上、そんなコミカルな役回りだけをさせておけばいいというものではない。
 YouTube限定で配信されている『トライスクワッド ボイスドラマ』では、『タイガ』本編では描かれないタイガ・タイタス・フーマの出自や過去の活躍が本人の回想によって語られている。
 『ザ☆ウルトラマン』でウルトラマンの故郷として描かれた星・U40の出身とされるタイタスの父は、実はかつてウルトラマインドを悪用してU40を追放され、暗黒星雲に一大帝国を築(きず)いた反逆者・ヘラーが率(ひき)いるヘラー軍団の一員であり(!・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100118/p1)、タイタスは赤ん坊のころに父のもとを離れてウルトラ艦隊の司令・ザミアス(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090914/p1)に養育され、「反逆者の子」という出自に悩みながらもヘラー軍団との戦争での活躍でU40の大賢者に認められ、U40族の胸にある星型のカラータイマーでもあるスターシンボル(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20091102/p1)を授与されるに至ったのだ。
 またフーマはウルトラマンオーブウルトラマンロッソ&ウルトラマンブルの兄弟がウルトラマンの力を授(さず)かった星・O‐50(オーフィフティ)に訪れる戦士たちから盗みを働いていた(汗)ほどすさんでいたが、ウルトラマンの力を得るために来訪した宇宙人・ゲルグから道案内を頼まれたのを機に彼と親交をもったことで瞬間移動能力や光の手裏剣(しゅりけん)などを伝授され、O‐50の戦士の頂(いただき)でウルトラマンの力を得たとされている。


 まさに1970年代に発行された小学館学年誌で掲載された「昭和」のウルトラ兄弟の「裏設定」を紹介する役割を、「新時代」に『ボイスドラマ』が担(にな)うかたちとなっているのだが、「昭和」の第2期ウルトラマンシリーズにも感じられたように、これを「裏設定」だけで終わらせてしまうのはあまりにもったいないだろう。
 ヘラー軍団の残党がタイタスを裏切り者扱いして復讐に来るとか、育ての親・ザミアスの息子でタイタスの幼なじみ・マティアや部隊の隊長だったグリゴレオスを殺害した合成獣キシアダーがトレギアによって復活するとか、フーマを戦士の頂まで運んでその後消息不明だったゲルグがフーマのピンチに駆けつけるとか、彼らを危険視していた星間連盟がフーマをウルトラマンと認めずに攻撃に来るとか……
 そうした因縁(いんねん)で結ばれた人物相関図を群像劇として描くことで、お気の毒な宇宙人たちの「お悩み相談」よりも、よほど人物造形に厚みのある「人間ドラマ」として完成するように思えるのだ。


*本人が否定しようがタイガはタロウの息子だ!


 ちなみに『トライスクワッド ボイスドラマ』第13回から第15回の3回連続でタイガの過去が語られた『その拳は誰がために』では、宇宙警備隊の訓練生だったころのタイガが、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971121/p1)終了後に小学館学年誌でのグラビアやコミカライズ作品の連載を経て関東ローカルで放映された『アンドロメロス』(83年・円谷プロ TBS)に登場したアンドロ超戦士の仲間・アンドロアレスと出会い、まだ光線技を習得していないタイガに向けて『アンドロメロス』の敵組織・グア軍団の戦闘隊長・イムビーザが放った改造ブロッケンとメカバードン(!)を、アンドロアレスが瞬殺する活躍が描かれた。
 もちろんアンドロ超戦士やグア軍団の再登場も願いたいところだが、『帰ってきたウルトラマン』第41話『バルタン星人Jr(ジュニア)の復讐』に初代ウルトラマンに倒された宇宙忍者バルタン星人の息子・バルタン星人Jrが登場したように、タロウに倒された極悪宇宙人テンペラー星人の息子とか、火山怪鳥バードンが生んだ卵が実はひとつ残っていて(笑)、その息子が復讐に来るとかの因縁バトルもアリではないかと。


 また『ウルトラマンタロウ』第39話『ウルトラ父子(おやこ)餅つき大作戦!』で月に帰されたうす怪獣モチロンが、タロウの世話になった礼にとタイガのピンチに助けに来るなんてのを個人的には期待したかったところだ。
 ペロリンガ星人やナックル星人の50年後らしき姿が描かれたことで、『タイガ』の地球が「昭和」のウルトラシリーズとつながっているとも解釈可能ならば、番外編的にそのような試みをしてもよいのではなかったか?
 なんせテンペラー星人バードンもモチロンも皆着ぐるみがあるのだし(笑)、もっというなら『ウルトラマンA(エース)』(72年)第28話『さようなら 夕子よ、月の妹よ』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20061111/p1)で月星人としての正体を明かして退場し、『タロウ』第39話にゲストで登場した『A』のもうひとりの主人公・南夕子を演じた星光子サンにも出てもらって、「その節はお父さん(タロウ)にお世話になりました」と語ってもらうとか(笑)。


 『ボイスドラマ』第1回『未来の思い出 前編』では、常に「タロウの息子」と呼ばれることに嫌気がさしていたタイガを、光の国の宇宙科学技術局の資料庫を管理するフィリスがたしなめる描写がある――ちなみにフィリスは「頭脳労働が得意」な「ブルー族」とされているのだが、かつて小学館学年誌で「ブルー族」を「力持ちで肉体労働が得意」とされた解説を読んだ筆者からすれば、おおいに違和感があるのだが(笑)――。
 先述したテンペラー星人バードン・モチロンといった、かつてタロウと対戦した宇宙人や怪獣の再登場は決して『タロウ』ファンを喜ばせるだけではなく、父であるタロウと深い因縁があるキャラの登場により、いくら否定しようがタロウの息子である事実からは決して逃れられないことをタイガが痛感し、あらためてその責任の重さを知ることとなる心の変遷(へんせん)を描くことで、タイガの立派な成長物語となり得たかと思えるのだ。


 タイガの成長の証(あかし)として、第16話で「燃えあがれ、仲間たちとともに!」とのヒロユキの決めゼリフにより、ヒロユキ・タイガ・タイタス・フーマの合体形態で、全身に赤の配色が増し、両耳部分の角も赤く大きくなったウルトラマンタイガ・トライストリウムが誕生した。
 もちろんタイガがヒロユキやタイタス・フーマとの絆を深めた象徴として描かれたのだが、これに至る過程にて、それまで怪獣の力を秘めたリングタイプのアクセサリーを必殺技で使用し続けた結果として、タイガが闇堕(お)ちしてしまうというのは……
 『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190402/p1)のルパンコレクションとか、『仮面ライダージオウ』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191020/p1)のライドウォッチみたいに、コレクターズアイテムを集めるとごほうびがもらえる(笑)どころか、集めることで闇堕ちする(爆)のでは、バンダイ発売の玩具も子供に売れないのではなかろうか?
 『ウルトラマンジード』のウルトラカプセルとか、『ウルトラマンR/B』のルーブクリスタルなど、近年のウルトラマンに登場するコレクターズアイテムの玩具が軒(のき)並み苦戦しているだけに。


*『ウルトラマンタイガ』の弱点とは?


 思えば近年のウルトラマンシリーズは謎解き要素を強調した縦糸を主軸とする連続ものである印象が強かったものだ。


・『ウルトラマンオーブ』(16年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20170415/p1)では主人公のクレナイ・ガイ=ウルトラマンオーブが108年前の北欧での戦いに巻きこまれた少女・ナターシャを救えなかった過去がガイのトラウマとして描かれたが、中盤以降ヒロインの夢野ナオミの出自をめぐる謎解きが展開され、ナオミがナターシャの末裔(まつえい)だと判明したことで、ナターシャが実は無事だったと明らかにされた。


・『ウルトラマンジード』では主人公の朝倉リク=ウルトラマンジードが映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20101224/p1)以来悪役として描かれてきたウルトラマンベリアルの息子として設定され、それを知ったことによるリクの葛藤(かっとう)や、ベリアルに忠誠を誓う伏井出(ふくいで)ケイ=ストルム星人をヒロインの鳥羽(とば)ライハが両親の仇(かたき)として復讐の炎を燃やすも、最終回にしてそれらの関係性の劇的な変化が描かれたり、登場する各話のゲストたちも先述したウルトラカプセルを起動させるエネルギー・リトルスターを保持していることでその存在感を高めていた。


・そして『ウルトラマンR/B』では、中盤以降登場した謎の美少女・美剣(みつるぎ)サキが当初は怪獣を召喚する敵対者的なキャラとして登場するも、実は1300年前に地球を守ろうとした先代ウルトラマンロッソと先代ウルトラマンブルの妹であることが明らかにされたり、主人公の湊(みなと)カツミ=ウルトラマンロッソ・湊イサミ=ウルトラマンブル・湊アサヒ=ウルトラウーマングリージョの母・ミオが行方不明となった原因の究明や、アサヒの出自をめぐる謎解きも展開されていた。


 そういう要素が『タイガ』では皆無(かいむ)に近いような感があり、「昭和」のウルトラマンシリーズみたいな1話完結形式に戻っている印象が強いのだ。


・自身がウルトラマンに選ばれなかったことからガイに恨みをつのらせた『オーブ』のジャグラス・ジャグラー
・故郷のストルム星の崩壊から自身を救ってくれたベリアルを主君と仰(あお)いだ『ジード』の伏井出ケイ。
ウルトラマンオーブを真のウルトラマンと信じるがためにほかのウルトラマンの存在を断じて認めようとしなかった『R/B』の愛染(あいぜん)マコト=ウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツ(笑)=精神寄生体チェレーザ……


 彼ら近年のウルトラマンに登場したレギュラー悪は、深夜枠で放映されたスーパーヒーローアニメ『SSSS.GRIDMAN(グリッドマン)』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190529/p1)に登場し、自身の気にいらない人間を怪獣を使って次々に殺害するも、個人的にはかわいくてたまらなかった(爆)萌(も)え系美少女・新条(しんじょう)アカネを含め、ネット界隈(かいわい)で「円谷のヤベーやつ四天王(してんのう)」としてHOT(ホット)ワードと化したほどに、ライト層の間で「ネタキャラ」として注目を集めたものだった。


 『タイガ』のレギュラー悪・霧崎=ウルトラマントレギアも確かに「ヤベーやつ」ではあるのだろうが、本人がいたってまじめにやっていることが視聴者には「お笑い」として映ってしまう、いわゆる「ネタキャラ」であるかはなんともビミョーなところだ。
 霧崎を演じる七瀬公(ななせ・こう)、トレギアの声を演じる若手イケメン声優の内田雄馬(うちだ・ゆうま)、先述したウルトラマンオーブダークノワールブラックシュバルツも務めたスーツアクター・石川真之介(いしかわ・しんのすけ)が演じるトレギアのボディランゲージ主体のラリった演技が三位一体(さんみいったい)となった霧崎=トレギアは、最強の陰湿キャラとしての完成度があまりにも高すぎることが、その意味ではアダになってしまっているような感がある。


 それにしても、先述したジャグラー・ケイ・マコト・アカネといった「ヤベーやつ」には言動・行動の動機がそれなりに明確に描かれていたものだが、ぶっちゃけ霧崎=トレギアはそれが実にわかりにくい。
 タロウのかつての親友であり、12年前の宇宙での戦いでタイガ・タイタス・フーマを消滅させたという、本作でメインとなるウルトラマンとの強い因縁を持つハズのトレギアが、レギュラー悪として怪獣を召喚するワケでもなく、ヴィランギルドの怪獣兵器やタイガたちをただおちょくるだけの愉快犯にしか見えない描写がつづいたことには、やはり視聴者にはその立ち位置がどこにあるのかがつかめなかったのではあるまいか?
 ちなみに第7話・第9話・第11話・第20話では霧崎はトレギアへの変身どころかいっさい登場すらしないのだが、主人公と強い因縁を持つ敵キャラが登場しなくても話が成立してしまうあたりが、『タイガ』に縦軸となる要素が希薄(きはく)であることの象徴ではないのだろうか?


 『タイガ』の第1話はYouTubeでの視聴回数が1週間で100万回を超えていたが、その後右肩下がりとなり、第18話に至っては1週間で29万回と、1日遅れで配信が開始された『ウルトラギャラクシーファイト』のEpisode(エピソード)6が1週間で稼いだ62万回の半分にも到達しなかった。
 もっとも『ギャラクシーファイト』も「全世界同時配信!」を高らかに喧伝(けんでん)した、かの坂本浩一監督作品であることを思えば、62万回という数字も決して高いものではない。
 なんせ『仮面ライダー電王』や『仮面ライダーW(ダブル)』(09年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100809/p1)、『仮面ライダーOOO(オーズ)』(10年)といった10年も前の「平成」仮面ライダーが毎回50万~60万回を稼いでいたのだから、『タイガ』がそんな旧作の半分程度しか稼げないということは、やはり現在のウルトラマンの商品的価値はそんなものなのだと解釈すべきなのであろうか?


 前作『ウルトラマンR/B』の後半は同じ円谷プロ製作の『SSSS.GRIDMAN』に話題をもっていかれたような感があったが、『タイガ』もまた『ギャラクシーファイト』の配信開始によって注目度が低くなってしまっている印象がある。
 ただ、せめて最終展開や2020年春に公開されるであろう劇場版では、第1話で多くの視聴者が『タイガ』に抱(いだ)いたであろう期待を裏切らないものを観せてくれることを切に願いたいものだ。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2019年晩秋号』(19年11月24日発行)~『假面特攻隊2020年号』(19年12月28日発行)所収『ウルトラマンタイガ』中盤賛否合評5より抜粋)


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ウルトラマンジード』(17年)序盤評 ~クライシス・インパクト! 平行宇宙のひとつが壊滅&修復! その原理とは!?

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170819/p1

ウルトラファイトオーブ』(16年)完結評 ~『オーブ』と『ジード』の間隙ほかを繋ぐ年代記的物語!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170603/p1

ウルトラマンオーブ』(16年)最終回「さすらいの太陽」 ~田口清隆監督の特撮で魅せる最終回・ジャグラス改心の是非・『オーブ』総括!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20170415/p1


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『怪獣倶楽部~空想特撮青春記~』(17年)に想う オタク第1世代よりも下の世代のオタはいかに生くべきか!?

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ザ・ウルトラマン ジャッカル対ウルトラマン』(15年) ~日本アニメ(ーター)見本市出展作品!

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『ULTRAMAN』(19年) ~等身大マン・セブン・エース型強化服vs等身大宇宙人! 高技術3D-CGに溺れない良質作劇! 歴代作品へのオマージュ満載!!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190528/p1



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