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ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦 ~傑作だけど細部に不満はあり!

(2020年11月10日(火)UP)
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ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』賛否合評 ~傑作だけど細部に不満はあり!


合評1 ~『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』寸評

(文・いちせたか)


 TVシリーズ『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)第1~2クール前半までのレジェンド戦隊ゲストの扱いに不満を抱きつつ、それでも今回の映画版のゲスト陣の名前には浮かれつつ、でもやっぱり本編スチールのないゲストはどうせ……、などと少々屈折した期待と不安に揺れながら鑑賞したこの作品。


 結論から言えば、一応素直に楽しめた。


 まあ『海賊戦隊ゴーカイジャーVSスーパー戦隊』・『海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャー』・『天装戦隊ゴセイジャーVSスーパー戦隊』という3本の作品があったとして、それらをごちゃまぜにしたような感じ……だろうか。


 今回の作品の目玉の一つに、『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)1話(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111107/p1)のプロローグで寸描された「レジェンド大戦」の語り直しが挙げられる。


 開始早々、冒頭の大破・沈黙した前作『天装戦隊ゴセイジャー』(10年)の巨大ロボ・ゴセイグレートに心痛める暇もなく、宇宙帝国ザンギャックの圧倒的物量に苦戦し森へ逃げ込んだゴセイジャーとゴセイナイトに迫る危機……
 と、そこへ颯爽と現れる元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)のリーダー・アカレンジャーと『ジャッカー電撃隊』(77年)のリーダー・ビッグワン!


 ……『ゴーカイジャー』第1話でアカレンジャーの声を聞いたときもそうだったが、なんとか俳優・誠直也(まこと・なおや)氏が演ずる海城剛(かいじょう・つよし)=アカレンジャーを再び見たいと願ってきた筆者としては誠直也のボイスでしゃべるアカレンジャーと、宮内洋ボイスでしゃべるビッグワンに、スーツアクターまで当時を再現したこの2人を見ただけでもう大概のことは許せてしまいそうになる。
 まあさらに登場するデカマスター(『特捜戦隊デカンレンジャー』(2004年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041112/p1)の上官宇宙人が変身するヒーロー)やシグナルマン(『激走戦隊カーレンジャー』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110521/p1)の追加戦士である宇宙人警察官ヒーロー)たち、着ぐるみだけで人間体がない戦隊番外ヒーローたちの登場にも当然感動するのだけれど。


 そして再び描かれる「レジェンド大戦」。
 ちょこちょこ効いた小ネタを確認するにはさすがに映像ソフトの発売を待たねばならないが、大画面で観るそれにはやはり燃えてくる。


 映画のパンフレットでも語られているが、レジェンド大戦後に遠くでお互いを助け起こしている、変身が解けた戦隊ヒーローたちもなかなか…… 吹き替えだと分かっていても、こういうウソなら大歓迎!


 「あ、あれ吼太(=『忍風(にんぷう)戦隊ハリケンジャー』(2002年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021110/p1)のハリケンイエロー)だ」


 とか、判ると結構楽しいし。そう考えると『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011113/p1)のガオジャケットから定着したああいう私服ではなく制服めいた各戦隊ごとに統一された衣裳も悪くはない。まあ1回観ただけではとても隅々まで視認できなかったけれど。


 そして数年後の現在。相変わらずゴセイジャーと対峙した際のゴーカイジャーの得手勝手な言い草にはさっぱり共感できないが(笑)、それでもTVに比べて幾分説明的なセリフになっているだけまだマシかなと。


 この場面に限らず、本作には過去の歴代戦隊ヒーローに変身できる小型カギ型アイテム・レンジャーキーを始めとするゴーカイジャー側の設定について、一応の説明めいた描写が随所にあり、その点ではTVシリーズを見ていて感じていた不満がいくらか和らいだのは事実。本当はその辺りはTVで早いうちにきちんと描いてくれていれば、いたずらに不満が膨らむこともなかったのかもしれないが。


・青梅(おうめ=『電子戦隊デンジマン』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120205/p1)のデンジブルー)
ウメコ(=『特捜戦隊デカレンジャー』(2004年)のデカピンク)
・亮(=『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120109/p1)のレッドことリュウレンジャー)


の登場シーンはやはりグッと来た。


 個人的に好きな作品からのゲストばかりだったせいもあるが、なんであれこういう作品におけるオリジナルキャストの持つ魅力と説得力を改めて感じさせてくれた。


 『デンジマン』の戦隊巨大ロボ・ダイデンジンの玩具「超合金」を持っていた男の子との対比として描かれる、お笑いトリオ「我が家(わがや)」の坪倉氏演じるリストラ・サラリーマンは、子供の父親世代である大人のファンへのメッセージでもあるが、多少唐突な印象もないでもない。大空に現れた黒十字王(くろじゅうじおう)の宣戦布告で青梅たちとのシーンもやや中途半端に終わってしまったせいかもしれないが…… まあ不満というほどでもないし、お笑いゲストとはいえ意外に達者な演技に違和感はないのだけれど。


 対立から和解・共闘への流れはお約束だが、マニア的には1年間の放映を務めあげたゴセイジャー俳優陣の安定感が頼もしく見えて、成長を感じさせてくれたのは嬉しかった。
 分断された2大戦隊の3組の中ではアグリ(=ゴセイブラック)・モネ(=ゴセイイエロー)&ジョー(=ゴーカイブルー)・ルカ(=ゴーカイイエロー)組が一番面白かった。血の気の多い彼らの組と絡んだ『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080824/p1)から復活した敵幹部・総裏大臣ヨゴシマクリタインがTV本編での非情な硬派ぶりはどこへやらで笑わせてくれるのも良い……(ヨゴシマクリタインの必殺技「セイギ解散!」をやられたらどうしようかと思ってハラハラしながら観てたけど・笑)。


 偽もの戦隊ヒーロー大戦はまあ……凄いんだけどやっぱりちょっと複雑な思いで観てしまった。冒頭に「レジェンド大戦」をダイジェスト的に見せられて、本物ゲストが変身できない状況で偽ものバトルを嬉々として観る気にはあまりなれなかったので……
 ただ80年代戦隊たちの必殺武器・バズーカ兵器の発射バンク映像のあと、陣形を解く新撮カットを見せればバズーカのプロップが実際には現存していなくてもそれらしく見えるんだなあとか、『太陽戦隊サンバルカン』(81年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120206/p1)のレッドこと2代目バルイーグルがちゃんと日本刀を持ってたなあとか、そんなところは感心した。


 そして見どころの幻想空間での海城(=アカレンジャー)・番場(=ビッグワン)以下、ゲスト陣の顔出しでのメッセージ・シーン。ここは予想よりセリフが長くて嬉しかった。それぞれの主題歌などに合わせたセリフに素直に熱くなった。


 欲を言うと黒十字王の宣戦布告を切歯扼腕の様子で見ていたゲスト陣が、その後この幻想空間シーンで合流するまで全然出なくなってしまうのがちょっと残念。
 2大戦隊の背後の崖に全戦隊が出現するシーンも圧巻で、細かいことだがゴレンジャーがTVのエンディング主題歌でもやっていた『ゴレンジャー』放映1年目の大野剣友会版から放映2年目のJAC版に変更した名乗りポーズをやめてくれたおかげで、ゴーグルファイブがちゃんと名乗りポーズを取れてて良かったなと(ゴーグルファイブは『ゴレンジャー』放映2年目と同じ名乗りポーズなのだ・笑)。


 黒十字城との戦隊巨大ロボ戦は着ぐるみが現存しているもの以外はもう流用カットとCG合成の嵐だが、電光剣唐竹割が効かずに立ち尽くすバトルフィーバーロボの流用カットによるそれらしいたたずまいなど、ツボを押さえた「演出」がちゃんと感じられて良かった。後半は35大戦隊巨大ロボたちの必殺技が矢継ぎ早でなにがなんだか……という気も正直したけれど(笑)。


 クライマックスに流れた『秘密戦隊ゴレンジャー』主題歌『進め! ゴレンジャー』には感動! 選曲もさることながら、近年の『ウルトラマン』『仮面ライダー』の先輩ヒーロー客演編みたいに当時の音源がなかなか使えない状況を見ていると、普通に旧作のオリジナル楽曲が流れる幸せを感じてしまう。旧ヒーローと共演させるならやっぱりこうあってほしいと思う。


 ラスト、レンジャーキーを自らの意思でゴーカイジャーに預けるゴセイジャーが語ったその理由は注目すべき点だが、前述のようにTVでもその辺りのことを早めにちゃんと提示してくれると、いたずらにゴーカイジャーに反感を持たなくても済むのだが……
 出し惜しみせず描写しておくべきことと、謎として引っ張っていい部分のバランスは、『ゴーカイジャー』に限らずここ何年もの特撮作品に共通する問題点ではあるのだが……この辺りは改めて詳細に検証してみたい部分である。


 エンディング歌曲『スーパー戦隊 ヒーローゲッター ~199ver.』の映像は、一番観たい「合いの手」部分のゲストのカットが早すぎて分からないのでこれもソフト待ち……


 せっかくの記念作品、再見の際には改めて考えたいこともあるが、ひとまずここまで。
 これだけのものを見せてもらってなお贅沢を言うようだが、レジェンド戦隊たちの活躍や再変身に関しては、劇中のセリフを借りればまだ「あきらめたくない希望」が個人的にはあるので、近いうちにまたこんな作品が登場することを願ってやまない。


(了)


合評2 ~『海賊戦隊ゴーカイジャーvsゴセイジャー』だったともいえるけど、まぁ傑作である!!

(文・T.SATO)


 35大スーパー戦隊 & 35大戦隊巨大ロボ の登場! と喧伝されて、フタを開けたてみら毎年恒例の2大戦隊共演ものである『海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャー』でもあった!(笑 ~それがダメだというワケではない)


 冒頭は地球を守りきった『天装戦隊ゴセイジャー』(10年)の最終回アフターの物語でもあり、34大戦隊が登場する「レジェンド大戦」を先代戦隊ゴセイジャーたちの主観で描くあたりは、BGMともあいまって気分は一瞬、『ゴセイジャー』!


 34大戦隊vs宇宙帝国サンギャックの数百数千人にもおよぶ戦闘員との「レジェンド大戦」の大激闘! 「大戦」になんとか勝利! しかして歴代戦隊ヒーローたちは変身能力を失って……。


 数年後に再来襲したザンギャックと戦っていたのは、最新現役海賊戦隊ゴーカイジャー! そこに割って入って歴代スーパー戦隊のパワーを秘めた小型のカギ型アイテム・レンジャーキーを奪ったのはゴセイジャーの面々! そしてワリとあっさりゴセイジャーに再変身を果たしてしまうのであった!――いや、基本は子供向け作品ですから、展開がサクサク行く展開には異存はございません(笑)――


 ゴセイジャーにおける途中参戦の6人目の戦士、人間が変身せずにヒーローとしての姿しかないゴセイナイトの力を秘めたレンジャーキーの返還をやっぱりお約束で断ってみせる悪辣(笑)なゴーカイジャー。そして勃発するゴーカイジャーvsゴセイジャーの戦い!
 ……ゴーカイジャーたちの方が明らかに悪い!(笑) もちろん最新戦隊と直前戦隊の2大正義チームを一度は誤解からであろうが、不謹慎にも何とかバトル・力比べをさせるための「スーパー戦隊VSシリーズ」作品の作劇的な方便ではある。


 ゴセイジャーも天上界の天使たちだという設定のハズなのに、戦隊巨大ロボ「ゴセイグレート」が「シーイック・ゴセイグレート」に変形するや、その顔面が悪党面の「海賊」になるのは、ゴセイジャーの方もやっぱりオカシい!(笑)
 そして、メタ的に悪ノリしてデザインコンセプトが2年連続でカブってもいることへのセルフ・ツッコミか、ゴセイジャーの海賊巨大ロボvsゴーカイジャーの海賊巨大ロボ・ゴーカイオーとの戦いまでもが勃発! いやぁ実に稚気満々たるバカバカしいバトルだけど、観たかったマッチ・メイクでもある。


 もちろん開幕早々に正義の味方同士で雌雄(しゆう)が決してしまっては、そこで物語が終わってしまうので(笑)、敵軍団が割って入ってきて「乱戦」から「共闘」へ!


 映画オンリーのゲスト巨悪「黒十字王(くろじゅうじおう)」は、ゴーカイジャーが保持する歴代戦隊ヒーローのパワーを有する変身補助アイテム・レンジャーキーをすべて強奪して、神秘の力で歴代スーパー戦隊を悪の手先としても実体化!
 直近2大スーパー戦隊vs33大ニセものスーパー戦隊のシーンはやや長めであり、ちょっとダレたかも……という感もある。
 しかし、誤解からの正義同士のバトルではなく、悪役としての登場という点では分(ぶ)が悪いにしても、幼児の集中力を考慮した1時間20分程度の短い尺数の中で、2大最新戦隊の活躍と33大旧戦隊の勇姿・バトル・必殺ワザのバンクフィルムを集約してすべて見せるためにはウマい方策だとはいえるだろう。
 もちろん正義の味方が悪のコピー戦隊に負けるワケはなく(笑)、ついには黒十字王まで倒す!


 しかし、黒十字王自身が原典作品と同様にあの黒十字城(!)であったとして巨大化! スーパー戦隊シリーズの歴代強敵幹部も巨大化して出現!
 最大のピンチにドーする!? という場面で、ジャンル作品お約束の「奇跡」が起きて、神秘の力で歴代34大スーパー戦隊巨大ロボが降臨! 空前絶後の壮絶なる大バトルが展開する……。



 某巨大掲示板などを見ると絶賛の嵐、「号泣した!」などの感想が絶えない。
 してみると、本作は映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)のように、悪い意味ではないけれどオッサンの「思い出補正」で涙腺を刺激する映画となったようである。となると今、細かい欠点を指摘しにくくなるなぁ……などと日和(ひよ)ったことを云ってみたりして(笑)。


 筆者も充分本作を堪能はした。細部に小さな不満はあるけど、トータルでは大満足である。


 全スーパー戦隊が大活躍するアーゲードゲーム「スーパー戦隊ダイスオー」があるかぎり、女児向けTVアニメ『プリキュア』シリーズ(04年~・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20040406/p1)の毎春の映画版『プリキュアオールスターズDX(デラックス)』(09年~)のように戦隊オールスター映画を毎年やるのかも!? とも思うので――来年にはもう『スーパー戦隊205 ヒーロー大決戦』を公開するとかネ・笑)、本作への是々非々はその機会にゆずりたいと逃げよう(笑)。



追伸


 腐れ「戦隊」オタクのオッサンとしては、『バトルフィーバーJ』のエンディング主題歌として作られながらも、挿入歌止まりとなってしまった大名曲『明日(あした)の戦士たち』をエンディングでちょっとだけでも流してほしかった!


「♪ 君~が 大人に~ な~ったと~き~ やっぱり~ 悪魔~は い~る~だろう~~
 この~広い 空と海 緑の大地を~ 人の心を汚す悪魔が~~


 バト~ル フィーバー バト~ル フィーバー
 そのとき 君~は~ お~もいだすんだ 5人の~仲間を~~
 さ~あ~ 君~も~ 追いか~けて~来~い~ 
 ぼくら~のあ~と~を~ あ~し~た~の~~ 戦士たち~~」


 ……あえて1番と2番の歌詞を混ぜました(爆)。
 長じてから再聴すると「泣かせ」かつ「勇気付け」られる歌詞でもあります。


 ただまぁ一瞬だけオッサン転がしをして、もちろん最後は本編通りの35大戦隊を明朗に歌う軽快なエンディング主題歌『スーパー戦隊 ヒーローゲッター ~199ver.』で明るくシメるのがイイとは思いますが(笑)。


(後日編註:「はてなブログ」では株式会社はてな自体がJARACに一律に支払をしてくれており(!)、よって歌詞の引用も問題はありませんので念のため!)


(了)


合評3 ~トンデモない映画だった『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』

(文・フラユシュ)


 テレビ本編の『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)序盤は、同じコンセプトの『仮面ライダーディケイド』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090308/p1)に比べると、オリジナルの歴代役者たちが出ているわりに盛り上がりには欠けるかもね。アマチュア同人作家たちが二次創作を作りたいという意欲も『ディケイド』に比べると少々少ないようだ。


 で、『ゴーカイジャー』序盤における歴代戦隊役者たちのゲスト出演の物足りなさは何かに似ていると思いきや、『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)における「変身できなくなってしまった」ウルトラセブンことモロボシダン隊長を見ているようなフラストレーション(欲求不満)なのだろうな。ただ作品の序盤からしょっちゅう先輩ヒーローが共闘していたら、『仮面ライダー(新)』(79年・通称スカイライダー)後半のように主役の個性がカスむ弊害があるのも判る。


 本作のトピックは、『ゴーカイジャー』では初の先輩戦隊がついにオリジナルの戦隊ヒーロー・ゴセイジャーとして変身ができたことと、断片のみが語られてきた最新戦隊ゴーカイジャーが登場する前の歴代すべての34大戦隊が宇宙帝国ザンギャックと戦った「レジェント大戦」の全貌が映像として語られたことだ。
 いやぁ元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)のリーダー・アカレンジャーの声を演じる誠直也(まこと・なおや)氏のシブい声はむかしと変わらず衰えていないねぇ。まだアカレンジャーできますよ。サブリーダー・アオレンジャースーパー戦隊第2作『ジャッカー電撃隊』(77年)の新隊長・ビッグワンを演じた、病後の宮内洋さんもだいぶ声が戻ったようですし。


 まぁ「レジェンド大戦」時のザンギャックが攻めてきた経緯とか、全スーパー戦隊が勢ぞろいして戦うまでの詳細なドラマも観たいが、尺的にムリなことはオトナになれば事情も判るけどやっぱり観たいなぁ。


 で、今回の映画の肝心の見せ場。『ゴレンジャー』の主題歌『進め! ゴレンジャー』が流れる中での最終決戦や、今回切り込み隊長のごとく真っ先に切り込む初代戦隊ロボ・バトルフィーバーロボ! しかも見せるはあのカッコいい必殺技・電光剣唐竹割り! 判っていらっしゃる!


 しかしオッサン世代にとっての今回最大のドラマ的な見せ場は、あの不況リストラで自殺しかけたサラリーマンが子供のころに大切にしていたオモチャ(ゴレンジャーの戦闘機・バリブルーン!)を売りに行くくだり! 最初は単なる「転売厨(てんばい・ちゅう)」批判かと苦笑したけど、それを励ますスーパー戦隊OBたちのくだりで……。


 不覚にもスーパー戦隊映画で泣きそうになったのは本作が初めてである(でもこらえた・笑)。出崎統監督による名作古典児童文学(1883年)のアニメ化である名作TVアニメ『宝島』(78年)最終回の海賊シルバーかお前ら! 他にもウメコ(=デカピンク)の「何度倒しても出てくる悪の組織にうんざりするけど、それでも正義と平和を信じて戦う(大意)」と云うくだりとかさ……。


 これは子供だけでなく、かって子供のころ戦隊を愛した、今は東日本大震災原発事故やリーマンショック不況やリストラで色々とツラい大人たち全員へのエールなのだな。『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)の映画版『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年)でもこの手のオジサン泣かせのシュチュエーションはあったが、今回はかなりうまくいっている。やはり東映は円谷ものからの換骨奪胎がうまいな。円谷……。


 あと今回の作品は、ゴセイジャー側のゴセイレッド=アラタのキャラの描写がテレビ本編よりも生きていたような気がする。テレビシリーズ時は少し能天気でキレイごとすぎてそれが鼻につくところもあったが、今やこんな夢や希望のない時代だからこそ、彼のような暑苦しくはないけど底抜けの楽天主義とポジティブさと善良さがむしろ必要なのではないだろうか? 特に今回はそれがツンデレ(笑)なゴーカイレッド=マーベラスとの対比でもうまく生きたのではないだろうか?


 ただこれはテレビシリーズの『ゴーカイジャー』の方にも言えることだが、全戦隊の戦力を使用不能にしたほどのザンギャックがあまり強く見えないというのが……。敵幹部に武闘派がいなくてけっこうオマヌケだったりして、戦隊シリーズの普通の敵レベルに見えますよね? 本当にアイツらって全スーパー戦隊が出張るほどだったのか? とか、作劇的には毎年の最新戦隊VS直前戦隊の共演を描く「スーパー戦隊VSシリーズ」映画ものの域を出ていないとか、いろいろ突っ込みどころもあるが筆者は好きです、この映画!


(了)


合評4 ~『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊 199ヒーロー大決戦』

(文・久保達也)


 2011年6月12日に静岡ピカデリーZERO(ゼロ)で初回9時45分の回を鑑賞。


 最初に書いておく。たしかに面白かった。こういうお祭り映画にテーマやドラマ性の高さ、ストーリーの整合性などを求めること自体、最初から誤りであると個人的には思えるからである。


 が、どうしても2ヵ月前に公開されたばかりの映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』(11年・東映)という大傑作と比較してしまうのだが、「お祭り」映画としては今一歩の感が拭(ぬぐ)えない。
 『レッツゴー仮面ライダー』が『仮面ライダー電王』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080217/p1)の設定をうまく使いこなし、元祖『仮面ライダー』(71年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140407/p1)の続編的な世界観を舞台として立ち上げ、昭和の仮面ライダー1号・2号が主役級の扱いを受けてドラマに絡んでいたのに比べ、今回はあくまでも直近のゴーカイジャーゴセイジャーが主役であり、歴代スーパー戦隊もOB役者も本スジのドラマには絡まない代替可能な単なるサプライズゲストとしての域を出ていないように感じられたのである。


 現役スーパー戦隊であるゴーカイジャー、まだ記憶に新しいゴセイジャーが作品の中核であるのは、本来の観客である就学前の幼児の興味の中心がそこにあるに違いないのだから当然といえば当然だ。
 しかしながら半年弱前に公開された映画『天装戦隊ゴセイジャーVS(たい)シンケンジャー エピックON(オン)銀幕』(11年・東映http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20130121/p1)で先輩ではなく若輩の立場とはいえゴセイジャーは大活躍したばかりだし、今回はやはりオールスター映画という題材なのだから歴代のスーパー戦隊OB俳優にもっと華(はな)を持たせてあげてほしかった。


 テレビシリーズ第1クールに対しても同様の不満があちこちで書かれているが、せっかく多くの戦隊OB俳優が出演しているにもかかわらず、ゴーカイジャーゴセイジャーに激励のメッセージを贈るだけで変身もしないというのはどうしても欲求不満が残ってしまう。
 『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年)などの初期戦隊は、神秘の超自然的なパワーではなくの現実的な科学の延長線上の技術で、ふつうの人間が「強化服」を着ているだけなのだから――放映当時の小学館『小学三年生』では「ゴレンジャーは人間だからおならもするのだ」と紹介されていた!・笑――、超エネルギーが抜けてしまって「変身能力を失ってしまった」もへったくれもないだろう!


 ……いや、そんなリアリズム至上主義のモノサシで、このテの作品にツッコミを入れるのはヤボそのものですネ(汗)。


 まぁテレビシリーズ『ゴーカイジャー』の方はシリーズ序盤でまずは先輩ヒーローよりも現役ヒーローの人物設定を確立しなければならないので、先輩ヒーローは変身もせず顔見せ程度で留めるのは作劇的に仕方がない面もあるだろう。
 しかしテレビシリーズももう中盤に至って各キャラの人物像を盤石になった段階なのだし、せめて映画くらいは「お祭り」なのだから、先代のゴセイジャーだけでなく一時的に戦隊ヒーロー各個人のパワーを秘めたレンジャーキーを戦隊OB個々人に返却して、


誠直也アカレンジャーに再変身!
宮内洋は二役で『ジャッカー電撃隊』(77年)のビッグ1(ワン)とアオレンジャー両方に再変身!
大葉健二も二役で『バトルフィーバーJ』(79年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120130/p1)のバトルケニアと『電子戦隊デンジマン』(80年)のデンジブルーに再変身!


 『レッツゴー仮面ライダー』では『人造人間キカイダー』(72年)や『キカイダー01(ゼロワン)』(73年)や『イナズマン』(73年)や『快傑ズバット』(77年)までラストバトルに伏線もなくイキナリ参戦していたのだから(笑)、ならば大場には一人三役の一条寺烈(いちじょうじ・れつ)役で『宇宙刑事ギャバン』(82年)にも「蒸着」(変身)させ、ついでに歴代のメタルヒーローも応援に駆けつけるとか!(爆)


 いや、これは単なるオールドマニアのわがままではない。旧作を観ていた世代人はもちろんのこと、その旧作を観ていなかった子供たちやその父兄もこのテの頼もしい先輩ヒーロー客演には得体の知れない感動をもよおすことは、先輩ヒーローたちが大挙登場した『ウルトラマンメビウス』(06年)や『仮面ライダーディケイド』(09年)に対する反響でも前例があったことではないか!? これは絶対に盛り上がることうけあいなのだ!


 もっと云うなら萩原佐代子が『科学戦隊ダイナマン』(83年)のダイナピンクに変身したかと思ったら、黒十字王(くろじゅうじおう)に操られて『超新星フラッシュマン』(86年)の敵幹部であるレー・ネフェルにされてしまうとか(爆)、それくらいのマニア受けの楽屋オチ的なお遊びもあってよかった!――映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE(ザ・ムービー) 超決戦! ベリアル銀河帝国』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)でも自身の持ち役である女ウルトラマンユリアンの声を30年ぶりに演じた萩原佐代子は、あまりにも美しすぎて最初は誰だかわからなかった。30年前より今の方が美しい・笑――


 最大の不満は唯一太ももを露出している戦隊ヒロインである『バトルフィーバーJ』のミス・アメリカの出番がたったの1カット、しかもあのセクシーで健康的な太ももの下半身がまったく映らないというのはちょっとヒドすぎるのではないのか!?(最も期待していたのがコレなのに・笑)


 まぁここまでは百歩譲って中年オヤジのスケベなわがままだ。
 しかし歴代スーパー戦隊の扱い方として不満なのは、ゴレンジャーからゴセイジャーに至る34のスーパー戦隊が戦うのは、黒十字王の手先として変身アイテム・レンジャーキーから実体化させられた歴代スーパー戦隊ゴーカイジャーゴセイジャーと戦う場面であったことである。やはり偽物かつ悪者であり、しかも負けていく立場なので、あまりカタルシスはなかったと思えるのだが……


 こんなことをするのならば、黒十字王だけではなくふつうにスーパー戦隊の歴代の悪の組織と幹部怪人も復活させて、それに対抗して33大戦隊が正義の味方として一時的に復活して再度の「レジェンド大戦」をするべきだったと思えてならない。
 また歴代戦隊が再登場した際は、やはり34大戦隊すべてに簡略式でも「名乗り」をやってほしかった! これって「スーパー戦隊」では最も大事な要素ではないのか!? 先の『レッツゴー仮面ライダー』では歴代ライダーが復活する場面でエキストラたちがそのライダーの名前を連呼することで「名乗り」の代用にしていたが、やっぱりこれは必要でしょう! ――戦隊の数が多すぎて尺が足りない? いや個々人の名乗りはさすがに要求していないし、簡略式の戦隊名乗りだったら各戦隊が5~10秒で済むだろうから大丈夫だろ!――


 とまぁ、個人的には期待が少々大きすぎただけに不満もあったのだけど、真のクライマックスがあまりに圧巻だったので許してあげよう(笑)。涙なしでは聴けない名曲、元祖『秘密戦隊ゴレンジャー』の主題歌『進め! ゴレンジャー』まで流れたしなぁ。
 年々値上がりしているというJASRAC日本音楽著作権協会)への理不尽な超高額支払(汗)があるというのに、この楽曲使用が実現できたのならば、先の映画『レッツゴー仮面ライダー』でも元祖『仮面ライダー』の主題歌『レッツゴー!! ライダーキック』を流してほしかったなぁ(笑)。


 客の入りは8割程度で2回目の上映を待つ行列もかなり長かった。「ウルトラマン」の映画と違って女児の姿もやけに目についた。「ウルトラ」もいい加減にサブキャラにウルトラウーマンを登場させることを真剣に考えないとこの少子化のパイが少ない時代に、変身ヒロインが存在して女児の視聴者も相応にゲットできているスーパー戦隊シリーズとの差はつくばかりだぞ。


 本作も合格点の興行成績を稼ぐだろうが、「ライダー」と「戦隊」にここまでのオールスターものをやられてしまった以上は、「ウルトラ」の新作映画もしばらくは新旧OB俳優が大挙出演するオールスター路線で広い世代の集客に務めるべきだと強く主張したい!


2011.6.12.
(了)


合評5 ~『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』速報

(文・森川由浩)


 スーパー戦隊シリーズ35周年記念作『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)の劇場映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』(11年)がこの2011年6月11日より公開されている。


 予想を超える大ヒットを実現。観客の感想も概(おおむ)ね良好であり、これまで『仮面ライダー』映画のオマケ扱いされるような形式での上映が多かった中(2009年からの定例行事である『スーパー戦隊祭(まつり)』で上映される最新戦隊VS直前戦隊を描く『スーパー戦隊VSシリーズ』は除く)、ようやく「ライダー」の呪縛から脱し、一本立ちした印象を感じる。


 そんな本作を初日に観た上での速報を綴(つづ)ってみたい。


アカレンジャー・ビッグワン・デカマスター・シグナルマン・メレ・黒獅子リオ!


 本作の冒頭は、テレビシリーズ『海賊戦隊ゴーカイジャー』第1話の冒頭も飾った「レジェンド大戦」の描写である。だがそのライブフィルムによる再使用だけではない。


 「レジェンド大戦」の最中(さなか)、宇宙帝国ザンギャックの襲撃により『天装戦隊ゴセイジャー』(10年)が苦戦、そこに何者かの赤い鞭(むち)が飛び、彼らの窮地(きゅうち)を救った。
 その鞭の主(ぬし)はアカレンジャー(『秘密戦隊ゴレンジャー』(75年))であった!
 さらに白い鳥人・ビッグワン(『ジャッカー電撃隊』(77年))も登場する!


 2011年現在、現在40代前後の世代人なら狂喜のシチュエーションである。『ゴーカイジャー』第1話冒頭の「レジェンド大戦」では見られなかったアカレンジャーとビッグワンのツーショットが見られたのだから。


 声はもちろん本家本元の誠直也(まこと なおや)と宮内洋によるもの。しかもスーツアクターは本放送当時と同様にアカレンジャーは新堀和男(にいぼり かずお)、ビッグワンは岡本美登(おかもと よしのり)の再演。破格の扱いであり、スーツアクターが還暦近い高齢とはいえ、当時と変わらぬ動きと演技を見せてくれることに驚愕する。
 この場面での先輩2大ヒーローの扱いに、スーパー戦隊の礎(いしずえ)である『ゴレンジャー』と『ジャッカー』、その2大戦隊のリーダーのツーショットとその会話が、この戦隊35作記念を大きく重みのあるものとしている。


 思えば80年代後半から90年代前半の時期、「スーパー戦隊」はシリーズ3作目である『バトルフィーバーJ(ジェイ)』(79年)を第1作目としてカウントしだして、我々のようなオールド戦隊マニアの不興を買っていた(東映の版権管理の部署あたりが石森プロへの版権料の分与を面倒がったのだろうか? そうだとしたら、もちろん同じ東映でも版権管理には関わらず純粋に製作畑の立場にあった平山亨(ひらやま とおる)プロデューサーや吉川進(よしかわ すすむ)プロデューサーは面白くなかったのに違いない)。
 が、『五星戦隊(ごせいせんたい)ダイレンジャー』が放映中の1993年の途中で命名された「超世紀全戦隊」といった呼称で、前期2作の石ノ森章太郎原作の「戦隊」作品も含めて、改めてシリーズが統一される扱いに変わる。
 しかし幼児にはわかりにくい名称だし、言いにくい総称でもあるからか年長マニア間でも使用されず、本家・東映にしてからが幼児向けを考慮してか翌94年放映の『忍者戦隊カクレンジャー』を主役に据えて『地球戦隊ファイブマン』以降の5大戦隊が共演したイベント上映用の短編3D映画のメインタイトルを『スーパー戦隊ワールド』(94年)として、早くも「スーパー戦隊」の呼称を用いており、結局は長年馴染んだ「スーパー戦隊」のネーミングで全シリーズを統括することとなる。
 現在は知ってのとおり「スーパー戦隊シリーズ」の名称で統一されており、ここで取り上げた「超世紀全戦隊」は今では一部世代人のノスタルジーの対象として記憶の片隅に存在する程度のものになっている。以上は余談である。


 アカレンジャーとビッグワンが助っ人参戦した戦場に、戦隊シリーズでは戦隊ヒーローたちとは異なるデザインラインゆえに正規メンバーとしてはカウントされないことも多いが、各作ではシリーズ中盤からの参加とはいえ、物語を力強く牽引した番外戦士的な追加戦士たちが一堂に集結。


・シグナルマン(『激走戦隊(げきそうせんたい)カーレンジャー』(96年))
・黒騎士ヒュウガ(『星獣戦隊(せいじゅうせんたい)ギンガマン』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110711/p1))
ウルザードファイヤーマジマザー夫妻(『魔法戦隊マジレンジャー』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110228/p1))
・大剣人ズバーン(『轟轟戦隊(ごうごうせんたい)ボウケンジャー』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070108/p1))
デカスワン(『特搜戦隊デカレンジャー』(04年))
・メレ&黒獅子リオ(『獣拳戦隊(じゅうけんせんたい)ゲキレンジャー』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080817/p1))


 そして彼らをまとめるのがデカマスター!(『特搜戦隊デカレンジャー』)


 デカマスターは先輩ヒーローに対して敬語表現で、「アカレンジャー! ビッグワン! ここは我々が食い止めるから早く行って下さい!!」と戦いを執(と)り仕切る。


 そんな新撮シーンを経て、『ゴーカイジャー』第1話冒頭の「レジェンド大戦」の映像にリンクする。そして、おなじみの第1話冒頭の映像流用で、すべてのスーパー戦隊の力を集結、金色の光のエネルギーとなった全戦隊戦士の総力でザンギャック大艦隊の初侵攻を撃退するさまが再演されていく!


 戦い終わり、荒野に横たわる若者たち。その若者は先に戦っていたゴセイジャーの五人、アラタ・ゴセイレッド、ハイド・ゴセイブルー、アグリ・ゴセイブラック、モネ・ゴセイイエロー、エリ・ゴセイピンクだけでなく、


・明石暁(あかし さとる)・ボウケンレッド(『轟轟戦隊ボウケンジャー』)
・楼山早輝(ろうやま さき)・ゴーオンイエロー(『炎神戦隊(エンジンせんたい)ゴーオンジャー』(08年))
・谷千明(たに ちあき)・シンケングリーン(以下『侍戦隊(さむらいせんたい)シンケンジャー』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090712/p1))、
・梅盛源太(うめもり げんた)・シンケンゴールド


もいる。


 幸い命は取り留めたようだ。しかし変身能力は失ってしまった。地球の平和を守り通したことで、よしとする彼らであった……


 この冒頭の描写が、テレビシリーズでも絶大なインパクトがあったものの、それゆえに不足していた部分も知りたくなってしまう印象もあった「レジェンド大戦」を見事に補完してくれていた。しかし、そうなったらそうなったでワガママな要望だが、ここでの具体的な映像による活躍のなかった戦隊ヒーローたちの活躍も見たくなってくる。
 「戦隊」シリーズは「ウルトラマン」シリーズや「仮面ライダー」シリーズ以上に放映期間としての歴史は長く、登場するキャラクターの数もその分多いので、描かれなかったキャラクターが多いのは致し方(いたしかた)ない。だが、この映画で見せたその細部描写の一端は、観客の脳内補完を良い意味で進めるカンフル剤にもなっている。


 なおテレビ第1話冒頭の「レジェンド大戦」では、映画での使用を前提に撮影していたシーンもあるそうで、新撮だけでなく、それがここでようやく初のお披露目となったシーンもあるようだ。この逸話(いつわ)にはあれだけの大規模撮影、総勢数百名単位のスタッフ・スーツアクターを再集結させるのは大変なだけに、“やれることはすべて今のうちにやっておこう”といった意図を色濃く感じさせる。
 恐らくまだまだ未使用カットが多々あると推測されるので、従来はディレクターズカット版のソフト化が発売されなかった戦隊シリーズの劇場映画とはいえ、今回はぜひともそうしたバージョンによるソフト化を切に望む所存である。


海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャー』! デンジブルー・リュウレンジャー・デカピンク!


 現役戦隊としてザンギャックとの戦いを続ける海賊戦隊ゴーカイジャーは、キャプテン・マーベラスことゴーカイレッド、ジョー・ギブケンことゴーカイブルー、ドン・ドッコイヤーことゴーカイグリーン、ルカ・ミルフィーことゴーカイピンク、アイムド・ファミーユことゴーカイピンクの五人である。ザンギャックとの戦いにレンジャーキーを駆使して『地球戦隊ファイブマン』(90年)や『科学戦隊ダイナマン』(83年)などの歴代戦隊に変身、敵を撃退していく。


 だがそこに何者かが出現! 今そこで天装戦隊ゴセイジャーに変身しようとするゴーカイジャーの五人から、ゴセイジャーのレンジャーキーを奪取した。それはアラタ・アグリ・ハイド・モネ・エリの五人であった。すぐさま彼らはレンジャーキーを用いてゴセイジャーに変身! ゴーカイジャーとの戦いを繰り広げはじめた。


 この映画のタイトルにも見られるように、『ゴーカイジャー ゴセイジャー』の名が冠されていることからも、全35戦隊登場とはいえ、本来の主役はこの2戦隊である。そう、これはアニバーサリーイヤー記念作でありながら、従来なら一つのシリーズの終了に前後して送られていた『スーパー戦隊VSシリーズ』的な作品でもあるのだ。


 まだ『ゴーカイジャー』本編もシリーズが半分にも満たないのに今この時期、しかもGW(ゴールデンウィーク)と夏休みの間、梅雨時期といった気候面に祝日や祭日もなく興行的には不利で時期的なハンディもある中での6月公開は、かなり冒険しているように見受けられる。が、昨年のこの時期に、東映は『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE(ザ ムービー) 超・電王トリロジー』3部作(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110403/p1)を隔週で連続公開。いきなりの初登場で、『セックス・アンド・ザ・シティ2』(10年)・『アリス・イン・ワンダーランド』(10年)などの話題作を尻目に第2位にランクイン、大成功させている実績があってのものでもあるだろう。


 今まさに自らの力でレンジャーキーを取り戻して戦士に戻った者も入れば、一般市民として小さな幸せを満喫して暮らす者もいる。この作品世界では後者の方が圧倒的に多いのだろうが。その前者の象徴であるゴセイジャーとの対比として、次には年長マニアの視線を大いに刺激する戦隊OBが登場する。


 とある街中の幼稚園。リヤカーでアンパンを園児に配る男がいた。彼は青梅大五郎(おうめ だいごろう)・デンジブルー(『電子戦隊デンジマン』(80年))だ。青梅は大好物のアンパンを子どもたちに無償で配って歩いていたのだ。


 すべり台で遊ぶ子どもの持つロボットの玩具(ダイデンジン)に目が行く。園児の弁では父親にもらったものらしい。ノスタルジックな思いに駆られ、狂喜する青梅は、


 「大事にしてるときっといいことがあるよ」


 とアンパンを差し出す。


 青梅が次の幼稚園に向かう途中、横断歩道で歩行中の男性と配達途中の中華料理屋の自転車が衝突、そこにミニパトの婦人警官の姿が。


 自転車の主は天火星・亮(てんかせい りょう)ことリュウレンジャー(『五星戦隊ダイレンジャー』(93年)のレッド)、婦警は胡堂小梅(こどう こうめ)・デカピンク(『特搜戦隊デカレンジャー』)で、共に青梅の知り合いであった。


 亮の乗る自転車にぶつかった男性は、リストラされ生活費にも事欠くまでに陥(おちい)り、子どものときから持っていた玩具・バリブルーン(『秘密戦隊ゴレンジャー』の大型飛行メカ)を売って生活費の足しにしようと出向く矢先であった。失意のどん底に陥る男性を3人は励ます。


 現代の日本を覆う不安な現状の中、特に子どもと観ている父兄層には一層心に染みたと思われるシーンが、この戦隊OBがリストラ男性を励ます件(くだり)かと思われる。子どもを連れて来ている親の中にも、今実際にリーマンショック不況でリストラされたり、勤務している企業が倒産したり、また経営危機にあえぐ中で苦しんでいる者たちにとっては、胸が締め付けられる場面であろう。


 劇場で販売されているパンフレットに掲載された脚本家・荒川稔久(あらかわ なるひさ)のインタビューによると、小梅が発した


「今よりほんの少しでいい、未来を幸せで美しい世界にしたい」


の言葉は、『バトルフィーバーJ』の挿入歌『明日の戦士たち』の歌詞にある


「♪ 昨日よりも幸せで~ そ~して美しい~ そ~んな世界を作って欲~し~い~~」


というフレーズにインスパイアされたものだそうだ。


 特に昨今長く続く不況、そして国民を不安に陥れるような政治運営しかできない不甲斐ない総理大臣、さらに拍車をかける国家的危機状況としての東日本大震災、そこで発生した東京電力福島原子力発電所の事故といった世界的な大脅威にさらされて不安に苛(さいな)まれる中でも「勇気を持ち、ポジティブな精神を失うな!」といった、大人から子どもまでも含めた、全世代に向けてのメッセージを感じ取れる。


 この荒川は、先に手がけた『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110613/p1)で、劇中の生体巨大メカである爆竜たちが戦隊シリーズをはじめとする多くの東映ヒーローソングの歌詞、しかも主題歌はもちろん挿入歌に至るまでの幅広い曲目を出典としてそれを歌いだし、または歌詞をもじったセリフを劇中で披露、ディープな特撮ファンをニヤリとさせたことがあったが、今回の手法もその応用であることが明白だ。


 ラストで歴代の戦隊OB俳優がゴーカイジャーにメッセージを贈るシーンでは、出演作品の主題歌歌詞を引用した内容のセリフを披露しており、荒川の良い意味での“マニアックさ”“オタク感性”がいかんなく発揮されている。


 これを「オタクの自己満足」と解釈するヒネたマニアたちもいてよいし、そのような見解の持ち主たちも尊重したいが、本作では前述のように時期的な閉塞感・不安感が実際の世の中を包む中で、映画で観る者に勇気を与えようとばかりに効果的、かつポジティブに使われていると個人的には評したい。


 実際、本作に立花レイ・ダイナピンク(『科学戦隊ダイナマン』)役で出演した萩原佐代子(はぎわら さよこ)は、自身のブログにてこの映画の感想を


 「打ちのめされても、打ちのめされても、人との繋がりの中で、一生懸命に大切なものを守ろうとする若者達の姿に、まるで、今の日本を応援するようなものを感じました。」


 と書き込んでいるくらいであり、出演者もこのご時世、ヒーローを演じた者として観客にエールを贈ろうとする意識が見受けられる。


黒十字王! 33大戦隊復活! 35大戦隊ロボ登場!


 その一方で、宇宙帝国ザンギャックと同盟を結ぼうとする悪の影がいた。それは秘密戦隊ゴレンジャーの宿敵である黒十字軍(くろじゅうじぐん)の総統・黒十字王であった。彼は35年前にゴレンジャーに倒されたが、今また甦ったのだ。双方は共に手を結び、ゴーカイジャーゴセイジャーを倒し、スーパー戦隊とそれを信じる人々への復讐を企てる。
 そして一度は倒された悪の組織の総帥たち、救星主ブラジラ(『天装戦隊ゴセイジャー』)、総裏大臣ヨゴシマクリタイン(『炎神戦隊ゴーオンジャー』)、冥府神ダゴン(『魔法戦隊マジレンジャー』(05年))も復活! 対決するゴーカイジャーゴセイジャーを分断、攻撃を行う。


 レンジャーキーを奪取したゴセイジャーゴーカイジャーは対決する中、相手戦隊の良さや人間性にふれて、戦隊同士で争うよりもまずは目先の宿敵を倒すために団結して戦うことになる。力と技の団結で窮地を脱するが、今度はゴーカイジャーが持つレンジャーキーを黒十字王に盗まれ、ゴーカイジャーゴセイジャー以外の33戦隊が黒十字王の手により出現! 2戦隊に立ち向かう。


 レンジャーキーで復活した戦隊を倒した2戦隊だが、遂に黒十字王がその正体である黒十字城に変身、攻撃を始める。2戦隊は防戦するが、とても太刀打ちできない。


 その時、青梅がアンパンをあげた幼稚園児の持つ「超合金」ブランドの玩具・ダイデンジンと、リストラ男の持つバリブルーンの「ポピニカ」ブランドの玩具が人々の希望と願いの祈りの力で空に舞い上がり、実体化する! それに続いて、同様に人々が持つ玩具の戦隊巨大ロボットが次々と実体化、廃墟と化した街中に歴代戦隊ロボットの勇姿がそびえ立つ!


 バリブルーンはゴーカイジャーのロボット・ゴーカイオーの背中に合体、ゴレンゴーカイオーにバージョンアップ! 二振りのサーベル・ゴーカイケンによる必殺技「ゴーカイハリケーンカシオペア」で黒十字城を破壊する!! 平和は再び戻ったのであった……


 このシーンの目印となるものが、幼稚園児が父親からもらったダイデンジンの超合金と、リストラ男が持つポピニカのバリブルーンである。実際このシーンに「共感して泣いた」といった観客も多く、世代人が「自分の童心を思い起こされた」といった声も多々見受けられた。また同じものをむかし持っていたことから来るノスタルジーのリアクションも多かった。


 最後に人々の善意の祈りが奇跡を起こすパターンは、80年代以降の少年漫画の定番であり、『六神合体ゴッドマーズ』(81年)の最終回や『元気爆発ガンバルガー』(92年)の最終回など80~90年代の合体ロボットアニメなどでも散見されるが、特撮ジャンルでもそれこそ『ウルトラマンティガ』(96年)の最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961207/p1)以来、平成ウルトラシリーズではおなじみとなっている描写の再演である印象も与える。
 昨2010年は遂に『仮面ライダー』シリーズでも『仮面ライダーW(ダブル)』(09年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100809/p1)の劇場映画『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』(10年)で「人々の願いで奇跡が起きる」描写が登場。そして今回は遂に『戦隊』シリーズでも行われるようになってしまった。
 ただし、あまりそうしたシチュエーションが増えると、その作劇上、何かと破天荒な物事を正当化できる都合の良い設定の使い回しが批判の対象になるのでは? といったことは懸念(けねん)している。


 しかし、脚本の荒川稔久は「ウルトラ」シリーズファン、特に『帰ってきたウルトラマン』(71年)の熱心なファン(信者?)として高名であり、『帰りマン』のウルトラマンへの変身コンセプトである“人事を尽くして天命を待つ”といった旨(むね)を、ゴーカイジャーゴセイジャーの黒十字城との戦いを「人事」に例え、人々の祈りが起こす奇跡を「天命」と化させる作劇にシンクロさせたとも思える。


 そして今回、やはり40代を中心とする世代人の話題の中心となる様相を呈しているのが、『ゴレンジャー』の宿敵である黒十字軍総統の復活キャラ・黒十字王の登場だ。デザインもオリジナルのベースを守りつつ、今風のリアルタッチなアップデートが行われており、今の若い世代にも充分受け入れられるようなテイストだ。


 一昨年の『仮面ライダーディケイド』(09年)や『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091213/p1)に再登場した


・秘密結社GOD(ゴッド)機関の首領・キングダークとGOD秘密警察の第1室長・アポロガイスト(『仮面ライダーX(エックス)』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20141005/p1))
・秘密結社ゲドンの首領・十面鬼(『仮面ライダーアマゾン』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20141101/p1))


 といった、旧作の首領や幹部級の悪役キャラクターのリニューアルによる復活が好評を博したことも手伝っての登板だろう。


 だが、世代人の希望としては、黒十字王が出たなら、その手下であるユニークな「仮面怪人」たちの復活も願いたかったという感もある。先の『仮面ライダー』シリーズの前例もあり、特に代表的なギャグ怪人である野球仮面・機関車仮面・テレビ仮面・ストーブ仮面などの強烈な個性の怪人も、今風のビジュアルでお目に掛かりたかったなという思いは強い。


 そしてゴレンゴーカイオーが繰り出した必殺技「ゴーカイハリケーンカシオペア」のネーミングに見られるように、断末魔に北極星の周囲を廻る星座である「カシオペア」の五文字が出てきた。


 『ゴレンジャー』世代は納得するだろうが、元ネタである黒十字総統の弱点であるカシオペアは、ゴレンジャーのメンバーの本名の頭文字の合体ネーミング、


・海城剛(かいじょう つよし)
・新命明(しんめい あきら)
・大岩大太(おおいわ だいた)
・ペギー松山(ぺぎー まつやま)
・明日香健二(あすか けんじ)


に由来するものでもある。やや説明不足な点は若干(じゃっかん)残念な印象を抱くが、「カシオペア」という「五つ星」は「戦隊」の基本フォーマットである「5人戦隊」とも通じるものがあると容易に連想させる存在なので、大きな問題ではないだろう。


今後の『ゴーカイジャー』の行く末は!? 今回出演した戦隊OB再出演への期待!


 この映画の物語の結末は、ゴセイジャーが必死の思いで奪取したレンジャーキーをゴーカイジャーに返したところで次なる物語への橋渡しを行う。


 それは『ゴーカイジャー』の物語の軸でもある歴代戦隊のレンジャーキーが、今後どうなるか。そしてゴーカイジャーの物語がフィナーレを迎えると、レンジャーキーの役割や歴代戦隊の存在がどういった行方を迎えるかといったことにも通じていく。
 特に今回の映画はもちろん、先にテレビシリーズの『ゴーカイジャー』でも、ゲスト出演する戦隊OBはみんな変身能力を失っている。今後彼らはどうなるのか、ずっと変身できないままなのかが、非常に気になる。こうした新たなる伏線が、テレビシリーズ中盤に登場する六人目の戦士・ゴーカイシルバーの登場とともに肉付けされていき、ドラマを彩っていくのだと思われる。


 さて本作、明らかに作品の基本骨格は例年の「スーパー戦隊VSシリーズ」と同様の『海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャー』である。すると、年明けの恒例行事「スーパー戦隊VSシリーズ」では『海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャー』はもう製作されないのかも知れないといった疑問も生じてくる。35周年のアニバーサリー作品らしく型にはまらない斬新な内容の戦隊映画が登場するのか、それとも『海賊戦隊ゴーカイジャーVSゴセイジャーⅡ』といった扱いの新作を作るのか。


 それと今回の映画に登場した戦隊OB諸氏は、今後のテレビシリーズ『ゴーカイジャー』へのゲスト出演も期待できそうに思える。
 『ゴーカイジャー』にも大きく影響を与えた『仮面ライダーディケイド』では、『仮面ライダーBLACK(ブラック)』(87年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015p2)とその続編『仮面ライダーBLACK RX(ブラック アールエックス)』(88年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001016/p1)で主役を務めた俳優・倉田てつを南光太郎(みなみ こうたろう)役で20年ぶりに再登場した。
 これも元々は映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』でのゲスト出演がきっかけなのであり、その映画と連動して映画の予告編としても作られた「RXの世界」と「BLACKの世界」の前後編は『ディケイド』でも屈指の話題作となり、世代人を狂喜させたのだから。今思えば映画での出演が先であり、さかのぼってTVで先行ゲスト出演させたことが思わぬ波及効果を見せたと好例だと断言してもよいだろう。


 TVの『ゴーカイジャー』でも終盤で、再出演を快諾してくれそうな彼らが重要なポストで再登場するサプライズが望めそうな気もする。


スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』興行収入は初登場第2位! 満足度ランキングでは第1位!


 さて、この『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』は昨年の同時期に公開された『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー』同様、初登場で第2位にランクイン。全国282の劇場で公開され、2日間で約25万人を動員、興行収入は約3億といった予想以上のヒットを飛ばした。また雑誌「ぴあ」調査による6月10日・11日公開の映画・満足度ランキングではこの映画が多くのライバルを差し置いてトップに輝いている。


 アニバーサリーイヤーを飾るに相応(ふさわ)しい興行成績を上げたこの背景には、今の幼児層の子どもの親世代が、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」の休眠期(1980年代前半~中盤)に子ども時代を過ごした世代であること、つまり特撮ヒーローといえば「ウルトラ」でもなく「ライダー」でもなく正に「戦隊」シリーズという世代の台頭に起因すると思われる。
 実際、昨今の平成ウルトラシリーズの不調の背景には、親の世代が子ども時代にリアルタイムの「ウルトラマン」が存在しない年代であることも大きく関与していると思われる。事実『ウルトラマンティガ』のころは、親が60年代後半の第1期ウルトラ世代~70年代前半の第2期ウルトラ世代であったこともヒットの要因であり、親子2世代キャラクターの王道とばかりに好評を博し、マーチャンダイジングも高成績を収めていたのだから。


 そんな中、1978年度の休眠期を除けばほぼ切れ目なく作品製作を継続し、今やNHKテレビ小説、NHK大河ドラマ、そして戦隊シリーズと、日本のテレビドラマ界を代表するロングランシリーズの“御三家”に君臨するほどの成長を見せているのが我らがスーパー戦隊シリーズである。その「戦隊」の“継続は力なり”を色濃く見せられた映画でもあったということを強く痛感した。



(編:年末の冬コミ発行予定の本誌『仮面特攻隊2012年号』では、本誌寄稿者・森川由浩氏が長年にわたって独自に調査・整理してきた、全スーパー戦隊シリーズの関東・中部・関西の全話&特番視聴率表、および各クール平均視聴率表を掲載して、スーパー戦隊シリーズ特集を予定!)


(文中敬称略)
(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2011年初夏号』(11年6月19日発行)~『仮面特攻隊2012年号』(11年12月29日発行)所収『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』合評より抜粋)


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海賊戦隊ゴーカイジャー(11年)1話「宇宙海賊現る」

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宇宙戦隊キュウレンジャー(17年) ~総括・最後は全宇宙の不運な人々の盾になると誓ってみせた幸運戦隊!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180310/p1

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー(18年)前半合評 ~パトレン1号・圭一郎ブレイク!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190402/p1

騎士竜戦隊リュウソウジャー(19年) ~序盤合評

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190602/p1