海賊戦隊ゴーカイジャー#3 〜マジレッド!
特捜戦隊デカレンジャー#37「ハードボイルド・ライセンス」
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来週日曜の『海賊戦隊ゴーカイジャー』(11年)#5「ジャッジメント・パイレーツ」に、『特捜戦隊デカレンジャー』(04年)の(変身能力を失った)デカレッド・赤座伴番(あかざ・ばんばん)・バンこと載寧龍二(さいねい・りゅうじ)、デカイエロー・礼紋茉莉花(れいもん・まりか)・ジャスミンこと木下あゆ美、犬のおまわりさん(笑)のドギー・クルーガー署長ことデカマスター(に変身はするかな?)が、海賊戦隊を逮捕する(!)というオイシイ役どころで出演記念!
とカコつけて(汗)、映画『特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション』(04年)評を再UP!
『特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション』 〜賛否合評
特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション 〜合評1
(文・T.SATO)
「♪チュッチュッチュッ〜、ア〜ワアワァ〜♥」
チュじゃなくて、シュかな? 耳悪くて(笑)。 ……ゲストの新山千春(にいやま・ちはる)ちゃんも、デカピンクのコと仲良く入浴。千春ちゃんもよくOKしてくれましたネ。
最近多い(常にそーだった?)、ここ2、3年で特撮ファンになった若人にとっては、もう歴史時代の話かもしれないが、ネットの普及以前、特撮マニアの人的・物的・情報の交流がもっとも盛んだった場所は、コミケ(&同人誌通販)や、ビデオのダビング仲間に、マニアによる自主上映会、そしてアトラクショーの4つが主だった。
「若手カントク某の回が、チョット凝った映像や面白い演出でナンだか面白いゾ」。
90年代前中盤、前掲の魔空空間(笑)に棲息する人種の中でも、東宝・円谷至上主義者ではなく、最新情報ゲットのみでもない、ドラマやテーマに演出がドーコーといった、批評・感想系な会話をしたがるチョット濃い目のトライブたちの間で、そんな会話が飛び交った。
その話題の主。それは、東映『戦隊』で活躍していた、渡辺勝也&田崎竜太の若手2大カントク連だった。若手若手と思っているうちに、アッという間に早10年。いつのまにやら両者ともに、東映ヒーロー番組のメイン監督を任される重鎮となった次第。
で、そんな渡辺カントクが、一昨年の大快作『忍風戦隊ハリケンジャー シュシュッとTHE MOVIE』(02年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021112/p1)につづけて放つ、『戦隊』ムービー第2弾!
遠いレスリー星の三浦海岸(笑〜?)でたわむれる少女たちと、その大地を、金色の粉末の特殊ウィルスで一挙に機械化し、夜の世界へ化さしめ、怪重機キラータンクで蹂躙する、犯罪集団ドリンカーズ4人衆。
幕が変わると、怪宇宙船を追って、サイレン鳴らして、地球の都内の高架の高速を疾走する巨大デカバイクにまたがったデカレンジャーロボ! 重量&高さ制限は!? 思う間もなくトンネルもあったらドーすんの!?
なーんて。巨大ロボが送電線を鉄棒代わりに電線も切れないのが、『戦隊』世界でありコミカル演出なのだから、リアリズムをうんぬんするのはヤボですナ(笑)。
で、ロボから飛び降り、コンビナートで、戦隊ヒーローVSドリンカーズの等身大バトルと、開幕は大快調!
……よく見ると、と云うか、あとで資料を見ると、ゲスト悪役・遠藤憲一氏――氏が演じた『忍者戦隊カクレンジャー』(94年)のパンクロック野郎ガジャドクロこと中堅幹部の貴公子ジュニア(妖怪大魔王の息子)は筆者も大スキだったョ――といっしょにいる女怪人の人間体。
彼女は、『超獣戦隊ライブマン』(88年)&『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年)の敵幹部、『超力(ちょうりき)戦隊オーレンジャー』(95年)でもゲスト悪役で出た、クールビューティー悪女役者の天祭揚子お姐サマではあーりませんか!? さりげにそんな点でもプチ豪華。
酒場への潜入捜査、レスリー星生き残りの女宇宙刑事マリーゴールド嬢(お花の名前だね)、ウィルスに対するワクチン。
ズッと飛んで作品後半ボリュームいっぱい展開する、戦隊ヒーローとドリンカーズが1対1ごとで激突する大バトル!
デカブルーのバイクごと吊ってみせたワイヤーアクションのサプライズ(驚き)!
鉄塔からロープで同時に降下しながら互いに銃撃するデカレッドVS遠藤憲一変化した敵怪人ヴォルガー!
最後には夜の闇に包まれたレスリー星にまで押しかけ、ヴォルガー駆る怪重機VSデカレンジャーロボ映画特製バージョン(?)との一騎討ち!!
とまぁ誰が書いても同じ、最大公約数な印象に残ったシーンの列挙ばかりで、我ながら芸がナイですナ(汗)。
TV版『仮面ライダー剣(ブレイド)』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041101/p2)やら『劇場版 仮面ライダー555(ファイズ)』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031104/p1)みたく、登場人物たちの複数のカラみの妙から各人の力学関係やらジャンケン・三角・連鎖関係のキャラシフトを、やまと言葉で言語化して、ナットクなり共感なり腑に落とすといった手法は、本作には不向きであることを痛感。
だって要は、ドラマではなく、見せ場の羅列なんだもん(批判ではなく)。そーいうアクション演出を語れる専門家に本作は任せたいョ(笑)。
ウン、まぁ面白かった。満足。おなかイッパイ。幸せな気分になれた。渡辺勝也カントクの真骨頂! ……オシマイ。
ところで、同じく渡辺勝也カントクが担当した一昨年(02年)の『ニニンがシノブ伝 シュシュッとTHEドラマCD』もとい、『忍風戦隊ハリケンジャー シュシュッとTHE MOVIE』と比較したなら、ドチラに軍配をあげようか? コレは個人的な好みだけど、筆者はドッチかっつーと『シュシュッとTHE MOVIE』の方が、好悪の次元ではスキ。
理由。本作『特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション』も大スキだけど、コレは否定的なイミでないが、適度な人間ドラマや恋情ドラマは、良かったといえば良かったけどその分、その間はアクション(の高揚)や若人の熱血絶叫(笑)がなくなってしまうので、若干テンションが落ちる。
対するに『シュシュッとTHE MOVIE』は本作同様、ゲスト姫を救う騎士ものだったけど、超短尺ゆえ、ウェットなドラマは極少でほぼ全編がバトル(笑)。敵味方の全キャラ&メカの活躍・変身・武装・合体・アクションの見せ場が全てあって、常時ヒートしっぱなしだった点で比するなら、今年の本作は正直劣る。
でも、それもゼイタクな不満(?)、無いものねだりに過ぎるだろう。それに、渡辺カントク自身だって、毎回同じ方向性・題材で演出するのも食指が動かないだろうし、クリエイターであるからには、その都度異なったファクターにチャレンジしてみたいのも人情。ゆえに、主人公デカレッドとゲストヒロイン・マリーゴールドこと新山千春ちゃんとの淡いロマンスを、要所要所でふりかえって、壮大なアクション絵巻のウラにある背骨にしてみせるのも一興だし、監督としての演出冥利。
前段でテンションが少々落ちたかも……と云っておきながらナンだけど、そーいう快不快とは別次元での、喜怒哀楽の次元では、マリーゴールド嬢が自身の超能力で時間を止めて××する、とかのシチュエーションを、叙情的なシーンにしてみせたり、ダメ押し反復で主人公デカレッドが瀕死の彼女への決めゼリフにしてみせる、ベタベタにテレくさいまでにクサすぎるシチュエーションは、個人的にはけっこうスキ♥
てか、そのあまりのレッドのマジぐあいに思わず泣けてきてしまう(何か文句ある? ……ただ、小さなお友だちのオトコのコには、こーいう色恋もどきロマンスシーンはテレくさすぎてイヤかもしれないのは承知ノ介。でも、女児層ならスキではないのかな?)。
半年弱の共闘で、デカレンジャー6人のチームワークも上々! 多少は齟齬が生じても、深刻な局面には陥らないであろう、イイ意味での安心感もある。
ラストをデカレッドのロマンスで、ヒロインとのふたりだけの世界で閉じて終わるのではなく、それに対する残り5人のツッコミでコミカルに、開けて終わらせるあたり。
つづけてメタフィクションになり(笑)、映画特製バージョンのエンディング楽曲をPV(プロモーションビデオ)調のビジュアルにて――TVのイエロー&ピンク主役回の特製エンディングと同時撮影?――、6人で歌って踊ってみせてくれるエンディングまで見せつけられると、たまらなく幸福な気分になってくる。
……あぁ世界は、欠けることなく調和して完全に満たされている! と(笑〜そんなワケないんだけども、ハッピーエンドの物語でそーいう軽度の麻薬的錯覚を味わって、かりそめに癒されることも、タマには許してョ)。
で、今回は、『百獣戦隊ガオレンジャー劇場版 火の山、吼(ほ)える』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011112/p1)以来の新世紀『戦隊』ムービー4作中でも、見終ったあとで、主人公レッド&ゲストヒロインとのさわやかな淡いロマンスが、もっとも印象に残る作品となった次第。
余談:今年の戦隊ヒロイン2人はとてもレベル高いと筆者個人は思う(笑)。整った顔、きめ細やかな肌、特にイエローのクールボイス&ピンクの超音波声は、筆者の2種類ある好みの官能のツボを共に刺激して(……以下自粛)。
特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション 〜合評2 マリーに首ったけ!な映画評
ほら! そこのキミ! 「『トリビアの泉』で紹介される特撮ネタがヌルイ」 とか言わない! 一般ピーは、ドロボンも妄想セブンも知りませんよ(笑)。
……妄想セブンって今だと響きが、なんか別の想像してしまいますね。萌えセブンとか(笑)。
で、劇場版なんですが、すごいロングヒットしてるみたいです。この間(9/25)、TBS土曜昼の「王様のブランチ」の映画ランキング見てたら、第3位ですよ!
しかし、僕はこの劇場版の印象、イマイチ(ちなみに「王様のブランチ」の映画ランキング、『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』、『スウィングガールズ』が6位、7位くらいだったなあ〜。こっちのが面白いと思うけどな〜。……コラっ!)。
ま、戦隊の映画は、いつも思うことなのですが……その理由について述べさせていただきたいと思います。
ゲストヒロイン刑事・マリーが絶望して、映画のみゲストの犯罪者集団ガスドリンカーズにウィルスに渡してしまうという展開が、TVのヘルズ3兄妹編の前編(「Episode21 マッド・ブラザーズ」)に似たような話になってしまいましたね。正義側が強敵に屈する話にすると、そうなってしまうのかも知れませんが(映画の製作状況から考えると、もしかしたらこっちの脚本の方が早く出来てたのかも?)。
まず、話の流れが不自然だったように思えます。「絶望したマリーがウィルスを持ち出し、ガスドリンカーズと取引する」という展開にもっていくのであれば、マリーは母星を救うために、前からガスドリンカーズの手下として働いていて(宇宙警察SPDの機密情報を盗み出すとか)、SPDからウィルスを取り戻すべく、デカレッド=バンに近づいた……という流れが自然なはず。
だって、今まで一人で戦ってきたマリーの前に6人ものSPD(しかも一人はエリートである特キョウ)が仲間についたわけですから、ガスドリンカーズがいくら強敵であったからといって、以前ボロクソにやられた時に比べたらずっと心強かったはず。現にデカレンジャーたちの初戦は結構、善戦だったじゃん。
最初にエイリアンバーでマリーがバンを明らかに誘惑してきたので、「あ、これは敵なんだな」と思ったのですが(笑)。
かといって、マリーがラストに手錠かけられて連行されるシーンなんか見たくないし、スタッフも露骨な悪徳警察官を描きたくなかったのでしょう(しかも劇場映画で・笑)。だったら、「レスリー星が壊滅状態に追いやられ、マリーが地球署に助けを求めてやってくる」みたいなベタな話にした方が良かったんじゃないかな〜
あと、マリーの活躍シーンがほとんど無い!! ラストバトルでブラストバギーに乗って助けに来ると思ったんですがね〜
そうすると、6人目の戦士デカブレイクの活躍シーンが無くなってしまうのは分かるけど、あの展開でマリーがブラストバギーに乗らないと、マリーはまるでいいトコ無しじゃん(笑)。もしそれが難しいのであれば、デカブレイクにブラストバギーのありかを教えるとか。悲劇のヒロインも良いですが、何かしら事件解決に貢献して欲しかったのですが……
シーンは少なかったですが、マリーの二丁拳銃&エマージェンシー(変身)シーンはカッコ良すぎでした〜
こらっ! ガスドリンカーズ! 変身ポーズ中に攻撃するのは、五社協定違反だぞっ(ウソ)! せっかく、デカゴールドのスーツ、作ったのに〜(合成かな?・後日付記:デカイエローのスーツを流用した合成だったそうです)
あと、時間を止める能力をもうちょっと何か効果的に使えたら、なお良かったかな〜と。
今回、マリー役を演じた新山千春は今回のように凛とした、大人しい役を演じることが多いように思います。『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(H13)の時も、こんな感じだったと(映画『お日柄もよくご愁傷さま』(H8)の影響が強いのか? ちなみにこれがデビュー作だそうです)。僕としてはTVドラマ『リミット もしもわが子が…』(H12・NTV)の時のイカれた誘拐犯の印象が強いんですけど(インパクトありすぎ・笑)。
どっちかというと、バラエティ番組『ジャングルTV〜タモリの法則〜』(H6〜14。また例えが微妙に古いな……)なんかで「タモさん、タモさん」とか言ってる、明るいキャラの方が合ってるんじゃないかと。今度はそういう役(どういう役?)もやらせてあげてほしいかなと思いました。
それと、マリーがキスするシーンの演出。なんで引いた映像かな〜! キスシーンはアップでしょ! キスしてんだか、してないんだか、よくわかんね〜じゃん!
スローモーションで撮って、顔が近づくところで、グッとカメラが寄る。さらに唇がくっつく瞬間を三回繰り返す(by・小林義明演出・笑)!!
ラブストーリーもので、キスシーンは一番良いシーンだと思うので個人的には、もうちょっとこだわって撮って欲しかったな(最近の恋愛ドラマは簡単にキスさせすぎ! もっと、もたせろよ(笑)! やたら長回しなのもヤだけど……)。ま、去年の『劇場版 爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE(デラックス) アバレサマーはキンキン中!』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031112/p1)みたく、お姫様がホログラム(立体映像)じゃなくて良かったですよ。ホログラムは無いよぉ……
恒例のエンディングも大人しくて残念。例えば、TVで今までデリートされたアリエナイザー(敵怪人)たちが踊っていて、それを追いかけるデカレンジャーたちのカットを入れるとか。シリアスな話だったので、ラストくらいはもっとバカ、やってほしかったです。
と、色々不満を書いてきましたが、これらの事はスタッフも承知していることだと思うのですよ。でも、出来なかった。なぜなら尺が足りないから!
今年は昨年より10分弱長いそうですが(昨年は30分。今年は39分)、全くそんな印象を受けませんでした。むしろ「去年よりも短いんじゃないか?」と思ったくらいです。自分なりに頭の中でシミュレーションしてみましたが、あれ以上ドラマを組み込もうとすると、どうやっても時間が足りません。頼む、尺を1時間にしてくれ〜!
渡辺勝也監督&石垣広文アクション監督の凝りまくった、ツボ押さえまくりの見事なアクションシーンの数々! 全員の見せ場もありましたしね。
デカレッドの足元への銃連射での床の穴開けは燃えました〜!
また、演出が細かい! 例えばメイン悪役・ヴォルガーが地面に落ちるシーンは後ろにわざわざ瓦礫を飛ばしているんですよ! 分かってるな〜 瓦礫はCGじゃダメなんですよ〜! ……って、こんな事に感動してるの僕くらいですか(汗)?
ガスドリンカーズは、貴公子ジュニア(『忍者戦隊カクレンジャー』H6)、ザイドス、ガラ(共に『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』H5)、ブーバ(『電撃戦隊チェンジマン』S60)と、全員幹部クラスで最強です(笑)。遠藤憲一氏のヴォルガー以外も活躍シーンがあったらなあ〜(泣)
また『救急戦隊ゴーゴーファイブ』(H11)以降の戦隊での渡辺監督恒例の演出である、バンクフィルムを使わずに「全員が実景の同一画面上での合成込みの変身」!!
映画でやってくれましたね! 僕は毎年、いつやるかを密かに楽しみにしています。
そして「名乗りのバックで爆発!!」はカッコ良いですよ。「弾 北斗! ダイナレッド!!」 どか〜ん! というやつです(笑)。
6人並んだ横顔。それは、まさに総天然色! 戦隊の良さは彩(いろど)りだと思います。それこそ歌舞伎に通ずる華やかさこそが、戦隊の魅力だと思います。
犬のおまわりさんこと地球署々長ドギー・クルーガーが変身する7人目(?)デカマスターも、カッコ良すぎ! 「ヘリコに乗って、狙撃」というのは、やはり刑事ドラマ『西部警察』(79年)の大門(だいもん。演・渡哲也)のイメージ(笑)? やっぱ火薬銃はカッコ良いです〜
また特撮班も素晴らしい。怪重機キラータンクの集団合成、見事でした。別の星で戦うシチュエーションはやってほしかったので、ラストだけだったけど嬉しかったな〜
これらのどこをカットできようか!? ですので、結論としては「これでいいのだ!」。ストーリー部分に多少の不満はあったものの、総合的には楽しかったのでした。
最後にこの『デカレンジャー』もそうですが、最近の邦画はどれも完成度が高くて良い出来です。洋画はしばらく見てないので分かりません。『スパイダーマン2』は最高でしたが!
僕が今年(04年)見た映画は『キャシャーン』、『キューティーハニー』、アニメ映画『スチームボーイ』、アニメ映画『金色のガッシュベル!』、『海猿(うみざる)』、『スウィングガールズ』、『忍者ハットリくん』くらいかな。もちろん個人の好き好みはありますが、どの映画も1800円払って、損は無い映画だったと思います。
CG技術の飛躍的な進歩のおかげもありますが、近年の演出スタッフのセンスの高さには頭が下がる思いです。よく勉強されているのだと思います。なんだかんだ言っても「映画はセンス!」だと思います。80〜90年代の邦画の体たらくとは比較にならない! 皆さんも気になる作品がありましたら、周りの意見など気にせず、ぜひ劇場に足を運んでください。
特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション 〜合評3
(文・久保達也)
テレビシリーズ自体がハード&シリアスとまではいかなくとも一応クール・ガイ(完全な死語・笑)的な連中を主役に据えた作品なので、今回もそれを踏襲したに過ぎないのかもしれないが、全くギャグのひとつもなく、笑える場面が皆無というのは一体どうしたことなのか?
『劇場版 爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE(デラックス) アバレサマーはキンキン中!』(03年・東映)がどれだけギャグ描写を盛りこもうが、全てハズしまくりで観客の総スカンをくらってしまった(?)反動でそうなったのかもしれないが、ちょっと極端に過ぎるのではないか?
熱血バカのレッドと天然バカのピンクの存在がせめてもの救いである。『忍風戦隊ハリケンジャー』(02年)や『爆竜戦隊アバレンジャー』(03年)など、この数年のバカばかりの戦隊に馴れ親しんできた私は、デカレンジャーの面々に対して正直今ひとつ親しみが沸かないのだ。犬のおまわりさんのことは大好きなのだが(笑)。
ゲストの新山千春はあまりに美し過ぎて、イエロー&ピンクのダブルヒロインを完全に食ってしまっている。特にピンクと同じバスタブに入っているシーンはキツイ。
ファンの人々には申し訳ないが、ピンクが単なるヤンキー出身のネエちゃんにしか見えない。もっともテレビシリーズからしてイエローとピンクは、メカニックの白鳥スワン(しらとり・スワン)こと70年代アイドル歌手出身の石野真子(いしの・まこ)に食われているような気がしてならないが(ってここまでくると単に私の見方が歪んでいることを露呈させているだけであるが・笑)。
しかしそんなことより潜入捜査でたまたま出合っただけのレッドに対して新山がいきなり恋におちるとか、今回の悪役からしてワクチン売って銭儲けなどという、いささか俗世間めいた点が気になってしかたがなかった。
『未来戦隊タイムレンジャー』(00年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001102/p1)の第1話に対しても、未来からやってきた悪者が先ずやらかしたのが銀行強盗である点に夢を感じられずに興醒めしたものだが、このあたりに対して子供たちはやはり敏感。01年からの戦隊&ライダー劇場版を毎年観に来て、初めて戦隊の上映中に館内をうろつき回る子供を目にしてしまった(ライダー上映中にウロウロする子はこれまでにも存在したのだが・笑)。
しかも「ブレイド(『仮面ライダー剣』)、まだ始まらないの?」と親にたずねる子供が何人もいた。これも今まであまりお目にかからなかったことである。本当に子供をナメてはいけない。
確かに今回登場の怪人たちはカッコ良かったし、冒頭からの派手な特撮シーンにも惹かれっぱなしで、ヘリでボスが助けに来る場面なんかは『西部警察』(79年)のショットガンを抱えた大門を連想したが(笑)、ビジュアル面さえ充実させておけば子供は喜ぶという考えが誤っているのは、ミレニアム『ゴジラ』シリーズと同時上映の劇場版『とっとこハム太郎』(01年〜)に対する子供たちの反応の悪さが毎年立派に証明しているではないか。
と云うか、どうも子供たちの反応を観ていると『デカレンジャー』をあくまで「前座」と捉えているように思えてならないような気がしたのだ。それともひょっとして『デカレンジャー』って子供にあまり人気がないのか???(筆者が観た劇場での反応だけで一般化もできないが)
特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション 〜合評4
(文・sugi)
全体展開は悪くないし面白いとは思ったけど、正直「ゲスト女優の裏切り」パターンが2年連続ってのは芸がないな、とか『百獣戦隊ガオレンジャー劇場版 火の山、吼(ほ)える』(01年)以来四年もやっているんだから劇場版ならではの展開、というのが合体ロボのバリエーションのみというのもそろそろマンネリという気がしたのも事実。
折角ゲストがデカレンジャーたちと同じ宇宙警察の一員という設定なんだから、せめてクライマックスは映画のみの助っ人キャラに変身させてデカレンジャー8人揃い踏み! とかすれば映画ならでは、となったろうし、それがだめでもせめて1回くらいデカレン7人全員揃い踏みの場面を作っておいてもバチは当たらんでしょ。せっかくの劇場版なんだからデカマスターがヘリコプター特撮のシーンだけというのはもったいない。
と、書いたところで……EDクレジットで特別出演の山本梓と福澄美緒の役名を「フラビージョ」と「ウェンディーヌ」とかいう『忍風戦隊ハリケンジャー』(02年)の敵幹部つながりという小ネタをやるなら、いっそハリケンジャーとの共闘を…… 悪の大ボスは久しぶりの遠藤憲一の悪役(=同じ忍者モチーフの『忍者戦隊カクレンジャー』(94年)の敵幹部ガシャドクロ)なんだし…… って絶対無理か。
(すいません、このネタにもっていくためにそんなに大きくもなかった不満をあえて書いてみました・笑)
特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE フルブラスト・アクション 〜合評5 ハーフブラスト・ムービー
(文・鷹矢凪弥寿士)
好評を以(もっ)て迎えられた『爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE・アバレサマーはキンキン中!』[03]に続き、9月公開となった『特捜戦隊デカレンジャーTHE MOVIE・フルブラスト・アクション』ですが、正直言って前作ほど楽しめませんでした。
簡単に先の読めるストーリー展開、甘過ぎるラストなどなど、TVシリーズの弱点が全く改善されていませんでした。
ストーリー的に最大の“売り”であるべきバンとマリーの触れ合いにしてからが、予定調和の印象を拭えなかった(窮地に陥ったマリーに対するバンの「あのセリフ」と、ラストにおけるある人物の「あの行動」だけは、ちょっと惹かれたが)。
自分にとっては“フルブラスト”どころか“ハーフブラスト”でした。確かにアクション&バトルだけは、タイトルに偽りなく“フルブラスト”していましたが……。
クロージングタイトルのアレはマァ面白かったけど、本編がああだから爽快感に欠け、却って白けてしまいましたとさ。TVシリーズにノレない自分としても、本映画にはそれなりに期待していただけに、一層残念でした。
ただ二つだけ良かったこと。
それは、今回の敵“ガスドリンガーズ”のボス・ヴォルガー役=遠藤憲一氏の御熱演(ハッキリ言って、コレがなかったら下手すれば史上最低の“戦隊映画”に推していたかも*1。
そして『五星戦隊ダイレンジャー』[93]で敵=ゴーマ幹部・ガラ中佐&ザイドス少佐をそれぞれ演じられていた、天祭揚子(あままつり・あきこ)&田村円(たむら・まろし)両氏の御出演〜ジーン&ブランデル役〜でした。懐かしいのみならず、お二方の御健在自体が嬉しく感じました。ちなみに天祭氏は『超獣戦隊ライブマン』[88]の敵組織=武装頭脳軍ボルト女幹部のドクター・マゼンダ=仙田ルイ役も担当されました(当時「来栖明子(くるす・あきこ)」名義)。
余談。
酒の名前をもじった“ガスドリンガーズ”のネーミングから『名探偵コナン』[96〜]で主人公=江戸川コナンが追う“黒ずくめの組織”を連想したのは、私だけではないはずだ*2。お茶の名前をもじったデカレンジャー6人の変身前の通称に対応させているのだろうが。
『假面特攻隊2005年号』「特捜戦隊デカレンジャー」関係記事の縮小コピー収録一覧
・中日新聞 2004年7月16日(金) ミニみニ 晴れて“新戦士”に 〜6人目の戦士デカブレイク吉田友一(よしだ・ともかず)ミニインタビュー
・朝日新聞 2004年9月11日(土) TVフェイス 俳優 載寧龍二さん 異端“レッド”が突っ走る 〜デカレッド載寧龍二(さいねい・りゅうじ)インタビュー
・読売新聞 1994年8月14日(日曜版) ●映画の脚本を執筆中 〜『忍者戦隊カクレンジャー』の敵幹部・貴公子ジュニアで出演中の遠藤憲一、『刑事貴族(でかきぞく)』4回分や映画の脚本も執筆中!
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