『ウルトラマンX』5話「イージス光る時」・8話「狙われたX」・9話「われら星雲!」 ~ゼロ・マックス・闇のエージェント客演!
『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』 ~イイ意味でのバカ映画の域に達した快作!
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『ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED(ゼロ・アンド・ジード)』(20年)にて、映画『劇場版ウルトラマンギンガS(エス) 決戦!ウルトラ10勇士!!』(15年)の編集映像が放映記念! とカコつけて……。『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』評をアップ!
『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』 ~第2期ウルトラの「特訓」「ドラマ性」「ヒーロー共演」「連続性」も再考せよ!
『劇場版ウルトラマンギンガS』合評1 ~第2期ウルトラの「特訓」「人間ドラマ」「ヒーロー共演」「連続性」も改めて考える!
(文・T.SATO)
(2015年3月28日脱稿)
ウルトラセブンの息子にしてウルトラマンレオの弟子、我らがウルトラマンゼロ!
ゼロは巨人サイズのままで、ウルトラマンギンガ&ウルトラマンビクトリーの変身前こと人間サイズ(!)のヒカルとショウをその特殊能力で生じさせた手錠でつなぐ!
そして、崖から岩石をふり落とし、それを避けつづけろ! という「特訓」をほどこす!
もうコレは「特訓」ではない。「虐待」である(笑)。とはいえ、この感慨は半分はネタツッコミであって、もちろんネタにガチでマジレスして憤慨したり慨嘆しているワケではナイ。
「特訓」描写自体が、良くも悪くも往年のいわゆる第2期ウルトラシリーズ(71~74年)における『帰ってきたウルトラマン』(71年)序盤、特に『ウルトラマンレオ』(74年)シリーズ前半のように、鬼気迫るリアルなモノや重苦しい危険な描写ではまったくナイからだ。
――優劣ではなく云うのだけど、同時期の70年代前半の昭和の第1期『仮面ライダー』シリーズ(71~75年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140407/p1)における「特訓」は、比較的にリアル・写実的な撮り方をする東宝・円谷作品におけるそれらと比すれば、イイ意味で様式美的な東映時代劇・歌舞伎的・牧歌的・記号的・段取り的な描写に留まっていて、巨大鉄球も発泡スチロールのようなカルさが感じられて(爆)、第2期ウルトラシリーズにおける「イヤ~ン」な感じまでをも惹起する深刻感・切迫感・重苦しさはまるでなかったのだ(笑)――。
ドー見ても、本作『劇場版ギンガS』における「特訓」描写は非リアルで漫画チックではあっても、往年の『レオ』における「特訓」のような深刻味はなくって、非常にコミカルで笑えるものともなっている。
歴史的なことを云えば、第2期ウルトラシリーズにおけるこのような70年代前半のスポ根(スポーツ根性)的なドロくさい描写を、「クールでスマートで知的でSF的ではナイからダメなのだ」として否定する第1期ウルトラシリーズ至上主義者という構図が大むかしにはあったのだ。
が、今ではそのような批判は見当たらない(多分・笑)。その逆に、今になって模倣される第2期ウルトラの「特訓」描写こそが、一点の曇りも問題点もなく非常に優れていたのだ! なぞというようなムチャを云う気も筆者には毛頭ナイ。
第2期ウルトラにおける「特訓」描写なり「ドラマ性」や「テーマ性」の挑戦は、子供番組としてはヤリすぎであり相応の偏りもあったとしても、それなりに非常に高度な達成を見ていたとは思う。逆に云うなら、「エンタメ性」や「SF性」の点ではやや劣ってしまっていたのだとしても……。
そしてそれゆえに、第2期ウルトラシリーズは子供たちにアメよりもムチを、ニガいモノや重たいモノを与えすぎてしまった面もあったのではなかったか? そしてそのことが、主人公青年が寄宿する先の欠損家族でのホームドラマや民間人ヒロインとの青春ドラマ性を重視して、怪獣攻撃隊内部での隊員同士の不和や葛藤までをも描くことで、第1期ウルトラシリーズとはまた異なった角度で長じてからのオトナの鑑賞にも堪えうる作品にも仕上がった大きな要因ともなってはいる。しかし、それはコドモの鑑賞にはややキビしい作品に仕上がったともいえるのではなかったか?(笑)
ドラマ性はややウスくて、30分ワクの前半Aパートから早くも敵怪人が登場して、それに対してヒーローもさっさと変身し、相対的にはドーしても狭く感じられてしまう特撮セットではなく、野外であれば半ば無限の自由度で舞台を設定できる広大な荒れ地や住宅造成地や郊外のコンクリ建造物を舞台に、特撮巨大ヒーローでは再現不可能な、走ったりバイクで移動したりジープで引きずられたりするアクションが見られる等身大ヒーローの肉体的万能性の方に、当時の子供たちがやや開放感&あこがれを抱いてしまったたのはやむをえまい。
このことが、ややシビアで重めな第2期ウルトラシリーズが、相対的には若干ユルめでアクションの爽快感に主眼を置いていた同時期の変身ヒーローもの――昭和の第1期『仮面ライダー』シリーズ――や、巨大ロボットアニメ――『マジンガーZ』シリーズ(72年~75年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200119/p1)――に、エンタメ性&人気面では少々の後塵を拝してしまった一因だとも思うのだ。
そう。かつて、「第2期ウルトラにはドラマ性が乏しい」という論法で、第1期ウルトラ至上主義者たちは大いに批判をしていたモノなのだが、実態は逆なのだ。むしろドラマ性の過剰のゆえに子供番組としてはやや問題があって、それゆえに昭和ライダーやロボットアニメに負けたと見るのが正しいのだ。
そう考えると、「特訓」描写をギャグのオブラートに包むのは、むしろ正解だとも思う。
今回の劇場版のゲスト悪役・超時空魔神エタルガーが作り出した精神世界で、レギュラーの怪獣攻撃隊の隊員たちが苦手なモノ――中国妖怪キョンシー・野菜のトマト・カブト虫――を克服してみせるだけの、一応のテーマ&ドラマ(笑)も、軽快な肉体アクションを主軸に据えてコミカルにサクサクと見せていく。
コレによって、ややもすると付与されたかもしれない説教クサさは大幅にウスれたワケだから、この方法論の作劇術を個人的には大いに肯定したい。
もちろん本映画の主眼は、ドラマ性やテーマ性ではなくイベント性にこそあった。
●開巻早々に描かれる、原典たるTVシリーズ『ウルトラマンギンガS(エス)』(14年)の2号ウルトラマンであるウルトラマンビクトリーvsゲスト悪役・超時空魔神エタルガー!
●原典のTVシリーズ『ウルトラマンコスモス』(01年)や映画『ウルトラマンサーガ』(12年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20140113/p1)に登場した懐かしの遊星ジュランでのウルトラマンコスモスvs超時空魔神エタルガーの激闘!
●超時空魔神エタルガーに斜め上空からキレイなキックを見舞う、銀色のヨロイ・ウルティメイトイージスをまとったウルトラマンゼロ!
そしてラストは、あまたのジャンル作品でパクられて、35年も前の幼児誌『てれびくん』連載のコミカライズ『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)最終4編の宇宙を舞台としたオリジナル展開『ウルトラマン80 宇宙大戦争』でもすでにパクられていた(笑)、ブルース・リーのカンフー映画『死亡遊戯』(78年)を彷彿(ほうふつ)とさせる展開となる!
浮遊する超巨大な怪しく黒ずんだ「時空城」の各階で、歴代ウルトラマンたちが順次、「ここはオレに任せろ!」と復活した歴代の宿敵との再バトルを演じるのだ!
そこにかかるは新録音(?)ではあるけれど、往年の平成ウルトラ作品のウルトラマンの活躍シーンを彩(いろど)ってきた、懐かしの高揚感あふれる印象深い名BGMの数々!
この恥じらうことなく照れることなく、ベタにベタを重ねていく王道の熱さ!
まぁ、冷静になって比較論をしてみるのならば、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)・ビデオ作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』(10年)・映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10年)・映画『ウルトラマンサーガ』(12年)・短編『ウルトラゼロファイト』(12年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20140115/p1)などの方が、個人的には神懸かった大傑作に思えたし、演出も密度感があり、映像的にもカネがかかっていたとも思う。
そのことは認めつつ、そして児童文化の中での「ウルトラ」が大苦境下にあることも認めつつ、本映画におけるコミカルさ・熱さ・イベント性には何モノにも替えがたい良さがあり、それらを忘れずに、たとえ現今の児童文化のメインストリームには立ってはいないとしても「ウルトラ」にもまだまだ延命していってほしいと願ってやまない。
2015年3月31日から『新ウルトラマン列伝』(13年)ワク内にて放映が開始される、ウルトラマンビクトリーを主役とする短編シリーズ『ウルトラファイトビクトリー』(15年)が、同番組内にて長尺で予告された。
●かつての『ウルトラゼロファイト』同様のハイクオリティな映像で、異空間の空が窓ガラスのように割れて、そこからミサイル超獣ベロクロン・一角超獣バキシム・蛾超獣ドラゴリーが出現!
●大蟻超獣アリブンタ・異次元超人エースキラーもお目見え!
●ウルトラマンエース・ウルトラマンレオ&アストラ兄弟・ウルトラマンキング・ウルトラマンヒカリに、巨大ヤプールや満月超獣ルナチクスまで!
調べてみると、TV版『ギンガS』や今回の『劇場版ギンガS』も手掛けた、メリケン帰りのかの坂本浩一カントクがまたも登板してくれている。
心はすっかり『ウルトラファイトビクトリー』に移ろいでいる今日このごろである(笑)。
『劇場版ウルトラマンギンガS』合評2 ~ギンガ&ビクトリー、真のラストバトル!
(文・J.SATAKE)
(2015年3月24日脱稿)
TVシリーズ『ウルトラマンギンガS(エス)』(14)の放映を無事に終えて、今回は前作『ウルトラマンギンガ』(13)の劇場版『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル』2本(13・14)の小規模公開よりも規模を拡大しての公開となった『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!!』(15)。本編60分あまりをバトルアクションでつないでゆく展開で見せきってしまう坂本浩一監督の演出には拍手を送りたい。
まずはウルトラマンコスモスVS超時空魔神エタルガー! 鏡の世界に封印されてしまうコスモスと、エタルガーを追いつづけるウルトラマンゼロの描写で敵の強大さを印象付ける!
一方、TVシリーズ『ギンガS』最終回の強敵怪獣・ビクトルギエルの襲撃で基地を破壊されるも、立ち直った怪獣特捜チーム・UPG(ユーピージー)には大きな変化が。
『ギンガ』初作ではウルトラマンギンガと合体していた主人公・ヒカル青年に敵対するかたちで登場し、『ギンガS』では怪獣特捜チームの博士ポジションでも連続登板した一条寺友也青年の力で再生した、やはり『ギンガS』では敵の手下キャラとして登場しながらも地球人の味方となったマナ=美少女アンドロイド・ワンゼロ。そしてウルトラマンビクトリーことショウ青年と同様に地底人・ビクトリアンでもある少女・サクヤ。このふたりがともに制服姿でUPGにすでに入隊している姿を描くことで、ロボットとも地底人とも力を合わせている先進的な怪獣特捜チームも描かれるのだ。
彼らに立ちふさがる時空魔神エタルガーと、鏡を操る王女・アレーナ。ウルトラマンだけでなく、キャスト陣にも身体を張った壮絶なアクションを通じて、その心情とドラマを描かせようとする坂本監督ならでは。アレーナ王女のウルトラマンに対する憎しみに、彼女以外の意志を感じ取り、手を差し伸べる決意をするヒカル。
アレーナ役の小宮有紗(こみや・ありさ)嬢は『特命戦隊ゴーバスターズ』(13)イエローバスター=ヨーコはもちろん、坂本組ではマナ役の最上もが嬢と東映製作の映画『白魔女学園』(13)でも共演して、そこでも見事にアクションをこなしていた。今回もふたりでのバトルがありだ!
故郷と両親を失った悪夢にさいなまれ、ウルトラマンコスモス=春野ムサシや、ゴウキ・アリサ・サクヤらUPGの隊員たちを苦しめるアレーナ。
自分の苦手なものに襲われる恐怖に身がすくんでしまう三人――苦手なものにはトマト・キョンシー・カブト虫をラインナップしており、メインターゲットの幼児たちにも共感、わかりやすいものにもなっている(笑)――。
それを解放したのは……。
ウルトラマンゼロの課した特訓をやりとげ――その際のイタズラっぽい口調がこれまたゼロらしい――、新たな力を得たヒカルとショウだ! ふたりの意識をひとつにするため、両者の腕はリングでつながれて、筋トレやダッシュで走り込み! 最後は岩壁をよじ登り、落ちてくる岩石の上に「せーの!」で次々に乗っかって上方へとジャンプを連発して、ついに岸壁の頂上へとゴール!
この熱血マンガ的な展開はやはりウルトラマンゼロのキャラクターに引っ張られたためだろう。ウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリーが合体して、この劇場版で初登場するウルトラマンギンガビクトリーが、理由もなく登場して勝利しても安直にすぎるのだし、合体変身にもフィクションなりの理由&必然性を担保するためにも、そして関連玩具を魅力的に描いて少しでも売上を上げるためにも(笑)、合体変身を可能とさせる変身アイテム「ウルトラフュージョンブレス」を手に入れさせるステップとして、この「特訓」描写はやはり必要ではあるだろう。
――このオモチャおもちゃした変身道具も、ウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングが用意したアイテムだと言及されることで、設定的な重要感をいや増すこともできている。その際、坂本監督お気に入りのウルトラマンレオ&アストラ兄弟もキングのお付きとしてワンカットだけれども登場!――
苦手なもの、そして大切なものを失う怖さというものは、身も心も萎縮させてしまうものだ。だが、勇気をもって立ち向かうその心も、自分のなかから生まれるのだという、古典的でも普遍的なところに一応のドラマやテーマを落とし込む。
その自信を得たヒカルの言葉に勇気をもらい、
●トマトにかぶりつくゴウキ隊員!
●札を張り付けてキョンシーを撃退するアリサ隊員!
●シュワッチ! と精神世界で巨大化を果たして(笑)、カブトムシをつまむサクヤ隊員。
そしてムサシが、アレーナと6枚の鏡の中にとらわれていた6大・平成ウルトラマンたちを解放する。これらの一連でも幼児・子供たちが飽きないかたちで心理描写・ドラマを挿入できている。
エタルガーはウルトラマンギンガの宿敵・闇の巨人ダークルギエルを復活させる! いよいよヒカルとショウの力をひとつにするときがきた!
その際のアクションや掛け声は、両者が空中で一回転してタッチする、往年の「ウルトラタッチ!」だ!!
その原点は、北斗隊員と南隊員ふたりの男女が合体変身して誕生する『ウルトラマンA(エース)』(72・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)である。往年の印象的な変身シーンを、現在のウルトラシリーズでリビルドする。ここにも坂本監督のウルトラ愛があふれている。
ヒカルのフュージョンブレスとショウのビクトリーランスを交差させて合体変身した、ウルトラマンギンガビクトリー!!
ビクトリーのカラーパターンにギンガのデザインを組み込んだボディ。クリスタルパーツで有機的なラインのトサカを備えた頭部はウルトラマンらしいスマートさだ。ギンガとビクトリーが融合を果たしたギンガビクトリーの前ではダークルギエルもなにするものぞ! 一撃で退けるパワフルさを見せつける!!
ギンガビクトリーのもとにゼロがコスモスが、解放された歴代の平成ウルトラマンたちも集結! 合体変身後のギンガビクトリーのフュージョンブレスからエネルギーを分け与えられる。
ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ・ウルトラマンガイア・ウルトラマンコスモス・ウルトラマンネクサス・ウルトラマンマックス・ウルトラマンメビウス・ウルトラマンゼロ!
以前ギンガはウルトラマンタロウたち昭和のウルトラ6兄弟の必殺技の力を秘めた、やはり左手首にハメる変身アイテム・ストリウムブレスをタロウから授かったが、今回は平成ウルトラヒーロー8勇士の必殺技を使うことができるのだ!
アレーナのとらわれた時空城に向けて横並びで歩を進めるシーンは、「ウルトラマン」シリーズではあまり見られないかたちのヒロイックさをアピール!
エタルガーはTVの『ギンガS』シリーズ前半最大の敵・合体怪獣ファイブキングを送り出す!
ギンガビクトリーたちを先に行かせるため立ち上がったのは、ティガ・ダイナ・ガイア。
合体怪獣でもその素体となる怪獣たちは、ティガ・ダイナ・ガイアが一度は倒した人気怪獣。昭和とは異なる平成ウルトラマンたちの最大の特徴であるタイプチェンジを駆使して戦い抜く!――これも近年の映画『ウルトラマンサーガ』(12)などで先輩平成ウルトラマンたちが客演した際には省略されてきた要素であったので大歓迎だ!――
パワータイプティガ・ミラクルタイプダイナ・スプリームバージョンガイアが、強敵ファイブキングを撃破!!
ここからは怒濤の宿命対決!
●悪の超人ダークメフィスト対ウルトラマンネクサス――ネクサスは赤いアンファンスから青いジュネッスブルーにタイプチェンジ!――
●スラン星人対ウルトラマンマックス――スラン星人の分身技に対してトサカ部分を分離して放つブーメラン攻撃・マクシウムソードも多数に分身!――
●エンペラ星人対ウルトラマンメビウス――メビウスは強化形態バーニングブレイブにタイプチェンジして発熱体当たり技・バーニングメビュームダイナマイトを仕掛ける!――
●ウルトラマンベリアル対ウルトラマンゼロ――互いに再戦を喜んでいるのが彼ららしい!――ストロングコロナゼロ・ルナミラクルゼロ・シャイニングウルトラマンゼロに次々チェンジして全力で立ち向かう!
ライバル対決のつるべ打ちや、仲間のために盾となる。これまた熱血マンガ定番の展開で熱くなること間違いなし!
レジェンドゲストもコスモスことムサシ役の杉浦太陽氏をはじめ、声のみの出演としてダイナ役・つるの剛士(つるの・たけし)氏、ガイア役・吉岡毅志(よしおか・たけし)氏が参加。セリフ出演が叶わなかった方々もウルトラマン自身の掛け声は当時のバンク音声の流用なので、マニアは各自脳内補正していただきたい。
各階層を抜けてアレーナのもとへ。コスモスが再び彼女の心を開き、ヒカルの差し出した手を受け、本来の優しさを取り戻した!
エタルガー対ギンガビクトリー! 主題歌『英雄の詩』をバックにスピーディにパワフルにバトルをくりひろげ、ギンガビクトリーはゼロを筆頭に歴代平成ウルトラマンたちの光線技を放つ!!
平行世界を巡ってきた巨大な時空城を破壊したのは、全ウルトラマンが四方から囲んで、各々の必殺光線を発射するクロスオーバーフォーメーション!
遠く離れた異星の王女・アレーナとも手を取り合うことができたヒカル。ムサシに導かれる彼女と別れを告げ、ゼロたち先輩ウルトラマンにも思いを馳せる。
地球人たちもウルトラマンたちにも負けない仲間たちとの絆を紡ぐ。ヒカルに次いで修行に出ていた地底人・ショウをUPG隊員として迎え入れた陣野隊長。チームとしてより結束を強めるヒカルたちは、立ち止まることなく前へと進む!
TVシリーズ終盤では使命を果たし散華した美少女アンドロイド・マナの再生、そして地底人種族・ビクトリアンがUPGに参加することで、種族の壁を越える共存が達成されつつある『ギンガS』の作品世界を披露する。
先輩平成ウルトラマンたちとの邂逅と共闘で、特撮ヒーロー定番の魅力とタイプチェンジや複数ヒーローのフュージョン、静ではあるもののヒロイックな特撮カットなども呈示して、新たな魅力を提示した本作。『ギンガS』のフィナーレを飾るにふさわしい熱い物語であったと思う。
『劇場版ウルトラマンギンガS』合評3 ~『劇場版ギンガS』寸評
(文・仙田 冷)
(2015年8月1日脱稿)
今回も一時間程度の短めの尺だったが(それでも直前2作の『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル』よりは長い)、それだけに凝縮されたアクション中心の展開になっていて楽しめた。クライマックスのウルトラマンギンガビクトリー対超時空魔神エタルガーの戦闘で、『ウルトラマンギンガS(エス)』(14年)の主題歌、アルフィーが歌う「英雄の詩」が流れたときは感動すら覚えた。ほんと、円谷って、映画ではこういう純粋エンタテインメントができるのに、TVだとなんで変にドラマ寄りにして興ざめさせてしまうのか、わけがわからない。
ひとつ不満があるとすれば、エタルガーの超巨大宇宙船・時空城に突入したウルトラマンたちの前に、過去の強敵たちが次々と現れたとき、ウルトラマンマックスだけわりと普通の宇宙人であったスラン星人のダミーだったというのが、微妙に納得いかないものがある。ウルトラマンメビウス相手には暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人のダミー、ウルトラマンゼロ相手にはウルトラマンベリアルのダミーを繰り出しているのだから、マックスのときにはたぶん一番の強敵だった完全生命体イフのダミーを繰り出すくらいのことはしてほしかった。
まあ、パンフを読むと、『マックス』は怪獣着ぐるみの現存率が低く、あんまり残ってないらしいとはわかるんですけどね。
『劇場版ウルトラマンギンガS』合評4 ~坂本浩一監督が贈るノンストップ・ウルトラバトル・アクションムービー!!
(文・久保達也)
(2015年3月15日脱稿)
ヒカル&ショウ「ウルトラッ! タァッッチィィ!!」
ついに坂本浩一(さかもと・こういち)監督、やってくれました!(感涙) ウルトラマンギンガとウルトラマンビクトリーが合体することにより、今回誕生することとなったウルトラマンギンガビクトリーの変身シーン!あの『ウルトラマンA(エース)』(72年)のダブル主人公・北斗星司(ほくと・せいじ)と南夕子(みなみ・ゆうこ)が、宙をジャンプしてウルトラマンエースに合体変身するパターンの再現なのである!
今回はヒカル=ギンガとショウ=ビクトリーが北斗と南同様にトランポリンで宙返りする体を張ったアクションを画面2分割で映しだしたあとに「ウルトラタッチ!!」するさまを、グリーンバックを駆使したデジタル合成で表現するという平成流のアレンジが施(ほどこ)されているのだ――まぁ、グリーンバックを使うにしろ、ヒカルとショウをワイヤーで吊(つ)るす作業自体は「アナログ」なのだけど(笑)――。
なんせ今回登場する「ウルトラ10勇士!!」は、すべて平成のウルトラマンたちである。「ウルトラマンせいぞろい!」自体は嬉しいものの、昭和のウルトラマンで育った筆者としては、鑑賞前は正直ものたりなさを感じていたものだ。それだけに、昭和世代の観客をもおもわずほっこりとさせてしまう、こうしたサプライズ演出には狂喜せずにはいられないのである!
『ウルトラマンギンガS(エス)』(14年)で、ギンガがウルトラマンタロウの力を借りて誕生したウルトラマンギンガストリウムは、ヒカルがタロウから貸与されて左手首に装着したブレスレット・ストリウムブレスのダイヤルを回すことにより、ウルトラ6兄弟の必殺技を駆使して戦っていた。
ウルトラマンゼロ「キングの爺(じい)さんから預かってきた」
このセリフのシーンでは、同じ坂本監督による大傑作映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ・ムービー)』(09年・ワーナー)から、ウルトラマンレオとその弟のアストラを従えたウルトラマンキングの登場場面を流用! 『ウルトラ銀河伝説』当時のインタビューで、最も好きなのは『ウルトラマンレオ』(74年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090405/p1)だと語っていた坂本監督ならではの演出ではある。だが、レオとアストラが『ギンガS』についに登場することがかなわなかったことを思えば、これは実に心憎い配慮である!
ウルトラ一族の長老・ウルトラマンキングを「爺さん」呼ばわりするのも実にゼロらしいが、ウルトラマンギンガビクトリーもまた、キングが貸与した変身アイテム・ウルトラフュージョン(融合)ブレスにより、
●ウルトラマンメビウスのメビュームシュート!
●ウルトラマンゼロのワイドゼロショット!
など、平成ウルトラマンたちの必殺技を使用することができるのである!
そればかりではなく、ウルトラマンビクトリーが右腕に、
●どくろ怪獣EX(イーエックス)レッドキングの豪腕を装着したEXレッドキングナックル!
●宇宙怪獣エレキングの電撃を放てる長大な尻尾を装着したエレキングテイル!
●宇宙ロボット・キングジョーカスタムの右腕のミサイルランチャーを装着したキングジョーランチャー!
●古代怪獣グドンの腕のムチを装着したグドンウィップ!
●地底怪獣サドラの腕のハサミを装着したサドラシザース!
など、怪獣たちの最強の部位を装着して戦っていたように、ギンガビクトリーもまた
●宇宙恐竜ハイパーゼットンの腕を装着したハイパーゼットンシザース!
●地底聖獣シェパードンが聖剣化したシェパードンセイバー!
をも駆使することができるのだ!
今回の宿敵・超時空魔神エタルガーが復活させた、ギンガの宿敵でもあるデタラメにデカすぎる(笑)悪の黒い巨人・ダークルギエルを、
「ギンガビクトリーブレイカー!!」
なるドテっ腹への体当たりの一撃貫通だけで粉砕(ふんさい)してしまうという、これまたデタラメな強さ(笑)が、その圧倒的な超絶パワーを絶妙に表現する!
このウルトラマンギンガビクトリーを中心にして、クライマックスでミニチュアセットのビル街に
●ウルトラマンティガ!
●ウルトラマンダイナ!
●ウルトラマンガイア!
●ウルトラマンコスモス!
●ウルトラマンネクサス!
●ウルトラマンマックス!
●ウルトラマンメビウス!
●ウルトラマンゼロ!
が「せいぞろい」し、総勢9人のウルトラマンが、横並び一列でエタルガーに向かって進撃するさまは、まさに圧巻のひとことに尽きる!
だが、ここからはじまる平成ウルトラマンたちの最終決戦がまた、文字通りの「ノンストップ・ウルトラバトル・アクションムービー」として完成されているのである!
それは『ギンガS』の特撮演出にも見られたように、
●ウルトラマンと怪獣のバトルを、オープンセットで超あおりでとらえて、砂塵(さじん)を派手に巻き上げて「重厚感」と「巨大感」を演出
●『ウルトラマンタロウ』(73年)や『ウルトラマンレオ』(74年)でもよく描かれていたように、ビルの内部からの主観でバトルをとらえて「臨場感」と「遠近感」を演出
●CGによるデジタル特撮でウルトラマンが空中から怪獣にキックをかましたり、反撃された勢いで猛烈に吹っ飛ばされるなどの絵で「立体感」と「スピード感」を演出
といった、匠(たくみ)の技術ばかりではない。
『ギンガS』第7話『発動! マグネウェーブ作戦』&第8話『朝焼けの死闘』の前後編に登場した、超合体怪獣ファイブキングが再登場!
ファイブキングは、
●『ウルトラマンティガ』(96年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961201/p1)に登場した超古代怪獣ゴルザと超古代竜メルバ!
●『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971215/p1)に登場した宇宙海獣レイキュバス!
●『ウルトラマンガイア』(98年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19981206/p1)に登場した奇獣ガンQと宇宙戦闘獣超(スーパー)コッヴ!
が合体した怪獣でもあるのだ。
ファイブキングとティガ・ダイナ・ガイアが上空に時空城が浮かぶ地上で、3対1の「宿命の対決!」に挑(いど)む!
そしてコスモス・ネクサス・マックス・メビウス・ゼロ・ギンガビクトリーは、エタルガーの要塞(ようさい)である、宙に浮かぶデタラメにデカすぎる暗黒の時空城に突入! その各階において、
●ネクサスVS暗黒巨人ダークメフィスト!
●マックスVS高速宇宙人スラン星人!
●メビウスVS暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人!
●ゼロVS暗黒のウルトラ戦士・ウルトラマンベリアル!
と、次々に「宿命の対決」が展開されていくのである!
――監督は異なるが今回もまた短編ながらも大傑作である『ウルトラゼロファイト』(12年)同様、決闘前にゼロとベリアルがガンを飛ばし合ってタイマンを張り合うなど、相変わらずこいつらはガラが悪い!(爆) この演出は、ゼロのスーツアクター・岩田栄慶(いわた・ひでよし)と、ベリアルのスーツアクター・岩上弘数(いわがみ・ひろかず)のアイデアが採用されたものだそうだ。それもまた、彼らが長年両者を演じ続けたことで、双方のキャラを熟知していればこそのものである!――
エタルガーは、かつて平成ウルトラマンたちを苦しめた「宿敵」たちのダミーを次々に差し向けたのだが、これはまさに、
●初代ウルトラマンVS宇宙恐竜ゼットン!
●ウルトラマンジャックVS暗殺宇宙人ナックル星人&用心棒怪獣ブラックキング!
●ウルトラマンエースVS異次元超人エースキラー!
●ウルトラマンタロウVS火山怪鳥バードン!
と、ジャッカル大魔王が次々に「宿敵」に変身してウルトラ兄弟を倒していった、故・内山(うちやま)まもる大先生の大傑作マンガ『さよならウルトラ兄弟』――小学館『小学三年生』75年4月号~76年3月号に連載。78年に同社『コロコロコミック』に『ザ・ウルトラマン』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20160914/p1)と改題して再録――の序盤の展開を彷彿(ほうふつ)とさせるものがある! 1970年生まれの坂本監督は世代的にも後者の『ザ・ウルトラマン』を愛読していたと思われることから、これを再現した可能性は極めて高いだろう!――実際『ウルトラ銀河伝説』自体がそうである。ウルトラマンベリアルの設定はジャッカル大魔王そのものなのだ!――
もっとも坂本監督によれば、今回のラストバトルの展開は、香港映画で活躍した伝説の格闘家である、故ブルース・リーの主演映画『死亡遊戯(しぼうゆうぎ)』で、主人公が塔を昇りながら敵と戦い、最上階で最強の敵を倒していたクライマックスに対するオマージュである。
この『死亡遊戯』は1972年にクライマックスのアクションシーンのみを撮影後、ブルース・リーが急逝(きゅうせい)したことから長らくお蔵入りとなっていたが、主演に代役を用いてハリウッドの豪華俳優を出演させることで、リーの出世作『燃えよドラゴン』(73年)のロバート・クローズ監督が完成させた作品である。日本では第3次怪獣ブームが起きていた78年に公開されて大ヒットを記録したことを世代人は覚えているだろうが、同じころに『ザ・ウルトラマン』ばかりでなく坂本監督はこちらにも熱を上げていたようだ(笑)。
思えばこの『死亡遊戯』は、『烈車戦隊トッキュウジャー』(14年)第33話『カラテ大一番』でもオマージュを捧げられていた。『トッキュウジャー』のメインライターである小林靖子(こばやし・やすこ)もまた世代人、ブルース・リーのファンでもあるようだ(爆)――。
たしかにこれらは『死亡遊戯』なのだが、個人的には江戸時代前期である元禄(げんろく)時代の赤穂四十七士(あこう・しじゅうしちし)による吉良上野介(きら・こうずけのすけ)邸への討ち入りという実話を描いた『忠臣蔵(ちゅうしんぐら』の討ち入りをも彷彿とさせるものがある。
『忠臣蔵』は「元禄」の昔から平成に至るまで、歌舞伎(かぶき)・演劇・映画・テレビドラマと、何度となく題材として用いられてきたものである。本作における「時空城」とは「吉良上野介邸」でそれへの「討ち入り」でもあり、このようにラビリンズ・迷路のような家屋や城内などの敵地で徐々に牛頭人身のミノタウロスやラスボスに迫っていくパターンは、それだけ「勧善懲悪(かんぜんちょうあく)」バトルを描いて盛り上げていくためには持ってこいのお膳立てのバトルステージであり、「王道」の展開でもあるということなのだ!
そうした「ウルトラ死亡遊戯」「ウルトラ忠臣蔵」の討ち入り(笑)において、
●近年のウルトラ劇場版では描かれないことが多かった、平成ウルトラマンたちの最大の特徴である「タイプチェンジ」を、今回はウルトラマンたちが存分に披露しながらラストバトルを繰り広げる!
●平成ウルトラ作品群のバトルシーンに流れていた、印象強く残る「名曲」劇伴音楽を、それらのバックでメドレーで流すことでおおいに盛り上げる!
たとえば、
ウルトラマンダイナ「本当の戦いはここからだぜ!」
ウルトラマンメビウス「最後まであきらめず、不可能を可能にする! それが、ウルトラマンだ!!」
などの各作品で印象深かった決めゼリフを、ウルトラマンたちが改めて口にしたあとでバトルを開始する! などという演出が描かれたのは、平成ウルトラシリーズを長年見守ってきた者からすれば、まさに「感涙」の嵐である。
これらには1996年の『ティガ』から2015年の『劇場版ギンガS』へと至る、まる「20年」にもおよぶ平成ウルトラシリーズの歴史の「重み」が凝縮(ぎょうしゅく)されて積めこまれている、と感じさせずにはいられないものがある。ちなみに、ヒカルを演じる根岸拓哉(ねぎし・たくや)が96年3月12日生まれであり、まさに『ティガ』放映開始の年に生まれ、今回の劇場版公開直前に19歳を迎えたことを思えば、平成ウルトラシリーズの歴史が誇る「重み」が実感できようというものである。
もっともこのクライマックスバトルを描くにあたっては、
●平成ウルトラマンのスーツを新造する予算がなく、現存するスーツを修復するものの、スーツが縮(ちぢ)んでしまっており、アクターが着用するのにも苦労した
●平成ウルトラ作品の音楽担当者は相当な数にのぼるため、権利関係をすべてクリアしなければならなかった
●『ウルトラマンマックス』(05年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060311/p1)に登場した怪獣の着ぐるみはすでにほとんどが現存せず、かろうじて残っていたのがスラン星人くらいだった――ほかのウルトラマンたちに比べ、マックスの「宿敵」だけが妙に小粒(爆)なのは、そうした事情によるものなのである――
●『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)で主人公のヒビノ・ミライ=メビウスを演じた五十嵐隼士(いがらし・しゅんじ)がすでに芸能界を引退したなどで、声優が声の代役を務めたウルトラマンも多かった――特にメビウスの「セアッ!!」にはじまる各種掛け声は五十嵐が務めていたバンク音声だったことから、セリフのアフレコも五十嵐本人にぜひともお願いしたかった――
など、相応の困難があったようであるが、それをものともせず、まさに平成ウルトラを「総決算」させた坂本監督には敬服せずにはいられない。後述するが、それこそがまさに本作のテーマでもあり、坂本監督は自らそれを示してみせたのである!
時空城の最上階でエタルガーと決闘するのは、ギンガビクトリーとウルトラマンコスモスである! コスモスの活躍が多いのは、もちろんコスモスに変身する春野(はるの)ムサシを演じる杉浦太陽(すぎうら・たいよう)が今回のメインゲストであり、平成ウルトラ俳優の中ではメジャーな存在となっていることから、今回のドラマにも濃厚に絡めて、主人公とともにラストバトルにも参戦してもらい、コスモスにイイところを与えて彼のキャラを立てるためにほかならない。
だがそればかりではなく、ウルトラマンギンガが故郷の星を滅ぼしたなどという、偽(いつわ)りの記憶をエタルガーに植えつけられていた女戦士・アレーナを本来のやさしい「王女」に戻すという、本映画のメインの人間ドラマパートを担当するのは、「慈愛(じあい)」の戦士・コスモスが最もふさわしいワケであり、それを活かすかたちで物語が組み立てられたといったところなのだろう。
――アレーナ王女は『特命戦隊ゴーバスターズ』(12年)でイエローバスター=宇佐見(うさみ)ヨーコ役だった小宮有紗(こみや・ありさ)が演じているが、エタルガーの声をヨーコの相棒である等身大ロボットだったウサダ・レタスを演じた鈴木達央(すずき・たつひさ)が担当しているのは、なんと小宮が坂本監督に提案したことで実現したものだそうである! まぁ、坂本監督は小宮のことも大の「お気に入り」のようなので(笑)――
それにしても、クライマックス直前の場面でアレーナとの肉弾バトルを演じたムサシが、何度も横っ飛びに大開脚回転して華麗に宙を舞うのには目を見張ったが、アレはやっぱり円谷プロのアクションチーム・キャスタッフなどの連中による吹き替えなのだろうか? 坂本監督のムチャ振りでご本人をワイヤーで吊って強引にアクションさせたのであろうか?(笑)
ちなみにアレーナを演じた小宮は、すべてのアクションを吹き替えなしで自ら演じているそうだ。
特に防衛組織・新生UPG(ユー・ピー・ジー)の隊員となったアイドルグープ・でんぱ組inc(インク).の最上もが(もがみ・もが)演じるアンドロイド・マナとの、足を高々とかかげた回し蹴り合戦を、坂本監督お得意のフェチアングルでとらえた場面は見物である(笑)。
ゼロ「よっ、ムサシ。ひさしぶりだな」
冒頭でコスモスが『ウルトラマンコスモス』(01年)や映画『ウルトラマンサーガ』(12年・松竹)にも登場した懐かしの遊星・ジュランでエタルガーとバトルを展開するのもそうだが、このゼロのセリフもまた、映画『ウルトラマンサーガ』でゼロがムサシ=コスモスと共闘したことを受けてのものである。
ゼロはテレビシリーズ『ギンガS』や前作『ウルトラマンギンガ』(13年)には最後まで客演せず、最新ウルトラマンのギンガとの共演はついに描かれることはなかった。今回ようやくそれが実現したのは遅きに失したという感はあるものの、やはり素直に喜ばずにはいられないものがある。
●伝説の白銀の鎧(よろい)「ウルティメイトイージス」を装着して「ウルティメイトゼロ」の姿となったゼロが、上空に出現したワームホールから並行宇宙を超えて出現、ヒカルたちの前にも初登場を披露するのが、エタルガーに斜め急降下キックをかます姿だったり!
●「ウルティメイトイージス」を「弓矢」に変型させて放つ技「ファイナルウルティメイトゼロ!」が、その飛んでいく「矢」の主観映像(!)で高速でエタルガーに迫っていくさまがとらえられたり!
●その「矢」の部分を右腕に装着させた長剣「ウルティメイトゼロソード!」でエタルガーを一刀両断したゼロが、オープン撮影での超巨大な爆炎を背景にカメラの方に振り返って右腕のソードを大きく振りかざして大見得(みえ)を切ったり!
「ウルティメイトイージス」自体はアベユーイチ監督が手掛けた『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111204/p1)で初登場したアイテムなのだが、ゼロのデビュー作である『ウルトラ銀河伝説』を手がけて、この手の玩具チックな武器や鎧や必殺技なども大好きそうな坂本監督だけにやはり力の入り具合がハンパではなく、あまりにも「華(はな)」がある! 評論オタクとしては個人的な好みはあまり語るべきではないのだろうが、やっぱギンガよりゼロの方がカッコええわ(笑)。
また、スーツアクターのノリノリの演技による、その独特のフィンガーアクションを主体にしたボディランゲージもさることながら、ゼロの声を務め続ける声優の宮野真守(みやの・まもる)のセリフ回しも、今回も絶好調そのものであった。
ゼロ「タロウから聞いてるぜ、おまえらのこと」
『ギンガ』第1期、および『ギンガS』にウルトラマンタロウを登場させて、タロウとゼロの故郷であるM78星雲つながりで、タロウの帰還後に当然ありうるだろうタロウがゼロに対してギンガのことに言及したというウラ設定をひとつ設けたことで、ゼロ・タロウ・ギンガの世界観を無理なくフュージョン=融合させることが可能になり、並行宇宙をまたいでウルトラ世界をひとつにすることができているのである。
それにしても、ヒカルとショウを「頼りない」と語ったゼロが、オリジナルビデオ作品『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』(10年・バンダイビジュアル・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111201/p1)で、サロメ星人がつくったゼロそっくりの黒い巨大ロボット兵士・ダークロプスゼロに向けて放った、
「2万年早いぜ!」
なる名セリフを、『サーガ』につづいて再三ここで口にした際は、こみあげてくる笑いを我慢するのに苦労させられたものである(笑)。
なんといっても今回のゼロの最大の見せ場は、ヒカルとショウに「特訓」を課す場面であろう。思えば『ウルトラ銀河伝説』では、ゼロは師匠(ししょう)のレオから特訓を受けていた。そのレオ=おおとりゲンもまた、ゼロの父であるウルトラセブン=モロボシ・ダンから特訓を受けていたワケであり、セブン ⇒ レオ ⇒ ゼロ ⇒ ギンガ&ビクトリー へと引き継がれていく不屈の精神性・魂の系譜は、これもまたウルトラが誇る歴史の「重み」を感じさせてくれる名場面となっているのである!
それにしても、巨大な姿のままのゼロが崖(がけ)を崩して等身大サイズのヒカルとショウに岩をぶつけようとするとは…… ダンですらも、ゲンに対してそこまで過酷(かこく)なことはしなかったものだが。やってることがオヤジよりもひでえじゃねえか!(笑)
まぁ、ショウが上半身裸で筋骨隆々(りゅうりゅう)の姿をさらけ出しているのは坂本監督いつものことだが、特訓中にゼロの超能力によってヒカルと手錠をはめられて常にいっしょにいるなんて、そこまでやるともう「BL(ボーイズ・ラブ)」同人マンガの世界である(爆)。
しかし、腕立て伏せがエタルガーに勝つための役に立つとはどうしても思えない(笑)。
ショウ「こんなことして、なんになるんだ!」
ゼロ「オレを信じろ!」
ゼロがドーン! と大地をたたいたことで起きた地響きにより、ヒカルとショウがふらつく描写は絶妙なギャグとなっているが、大胆な合成が光る隠れた名場面ともなり得ている。
ヒカル「反抗したのは、こっち(ショウ)でしょ!」
ゼロ「ここはおまえたちの星でしょ! おまえたちが守らなくてどうすんの!」
ショウと比すれば線が細いヒカルにつられるかたちで、普段ガラの悪いゼロがおもわず「~でしょ!」なる女言葉を口にしてしまうのもまた、ある意味、お調子者のゼロらしさの本領発揮でもある(爆)。だが、大特訓の成果により、ヒカルとショウをつないだ手錠がウルトラフュージョンブレスに変化し(笑)、それによってふたりが合体変身を遂(と)げるという流れは、ふたりが「一心同体」となるさまがあまりにストレートに描かれることで、就学前の幼児にも理解しやすいものにはなっている。
これと並行して、時空城に突入したUPGのゴウキ隊員・アリサ隊員、そして『ギンガS』ではショウと同じく地底人・ビクトリアンの少女として登場し、今は見習い隊員となったサクヤが、アレーナによって「恐怖」の幻覚を見せられる描写もまた、ビジュアル的に実にわかりやすい。
●お化けが苦手なアリサを、80年代中盤に大ブームとなった中国の愉快なゾンビ妖怪・キョンシーが襲撃する!――この場面でアリサが何の必然性もなく、美脚を丸出しにした黒のホットパンツ姿であるのは、坂本監督が趣味に走りすぎたせいだろう(笑)――
●トマトが苦手なゴウキを、巨大なトマトが襲撃する!
●虫が苦手なサクヤを、巨大なカブト虫が襲撃する!
オリジナルビデオ作品『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION(ネクスト・ジェネレーション)』(14年・東映ビデオ)でも描かれていたように、その気になれば坂本監督は結構グロい怪奇演出も可能だったハズである。だが、「恐怖」をそのようにマニア受けで真正面から描くのではなく、「マニア向け」のVシネマではない「子供番組」の劇場版として明確に差別化し、むしろマイルドなギャグ描写に転化してしまうという、坂本監督の健全で常識的なセンスは賞賛に値しよう。
ヒカルとショウがゼロの特訓を克服し、ヒカルがどんな障害や困難にもあきらめずに立ち向かえ! などと3人に呼びかけるや、この手の作品の常套(じょうとう)のご都合主義なのだが、形勢は大逆転!(笑)
●アリサはキョンシーにお札を張りつけ、回し蹴りをくらわす!
●ゴウキは山盛りのトマトに次々にかぶりつく!
●サクヤはウルトラマンへの変身音とともに、『ウルトラQ(キュー)』(66年)第22話『変身』のように、オープンセットの密林の中で巨大化し、カブト虫をつまみあげる!!
「恐怖の克服」というよりも単に「苦手なものの克服」なのだが、それがかなり戯画的(ぎがてき)にわかりやすく描かれることで、イヤ~ンな感じで重苦しくなりすぎた「恐怖」描写であるとリアリズムの方が先に立ってきて、さすがにその解決方法は安直だろうと思えてしまっただろうが、本作の「恐怖」描写は最初からコミカルなので、安直な解決方法でも鼻につかないどころか、むしろカラッとしていてスナオに楽しめる(笑)。
ゲスト主役であるハズのアレーナでさえも、惑星ザントの王女であるという出自がわずかに語られるのみであるほどに、本作ではいわゆる「人間ドラマ」がほとんど描かれてはいない。だが、それらがなくともビジュアルインパクトが極めて強いこれら一連の「特撮」演出や「アクション演出」の中に点描的に「人間ドラマ」や「道徳テーマ」が散りばめられることによって、必要最小限のメッセージは観客に充分に的確に伝わるのである。
そして「恐怖」を克服したサクヤは、テレビ『ギンガS』で天寿をまっとうした地底聖獣シェパードンのスパークドールズ(怪獣人形)に秘められた地底世界の聖なる超水晶物質・ビクトリウムの力によって、アレーナの魔鏡に閉じこめられたウルトラマンたちを救出するほどの大活躍を見せる!
これは破格の扱いだが、せっかく往年の実写版『美少女戦士セーラームーン』(03年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20041105/p1)のセーラールナや『仮面ライダーキバ』(08年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080225/p1)のヒロインを務めた小池里奈(こいけ・りな)を起用しながらも、『ギンガS』ではサクヤの出番がやや少なかったことを思えば――これもまた『ギンガS』が「アクション主導」であり「ドラマ主導」ではなかったことの証(あかし)であったようには思える――、ここまでの優遇も許されるべきであろう。まぁ、坂本監督は自身の映画『赤×ピンク』(14年)に彼女をサードヒロインとして出演させるなど、小池のことも相応に「お気に入り」のようである(笑)。
UPGが最も苦手なものを克服したのに続いて、ウルトラマンたちもまた、それぞれの最強最大の「宿敵」を、
●マックスの光の剣「ギャラクシーソード!」
●メビウスの体当たりの大技「バーニングメビュームダイナマイト!」
など、必殺技のオンパレードで次々に粉砕していく!
ここで今回特筆すべきなのは、平成ウルトラマンたちが、昭和の仮面ライダーや往年の合体ロボットアニメの主人公たちのように、技の名称を叫びながら必殺技を繰り出していたことである。
昭和の時代から振り返っても、必殺技の名を叫んでいたウルトラマンはタロウ・ゼロ・ギンガ・ビクトリーの4人のみであったことを思えば、これはまさに画期的なことである。
昭和30年代までのふつうの人間が覆面をしただけのヒーローたちとは異なり、宇宙人や改造人間などの超人を主人公とした近代的なヒーローの始祖である昭和のウルトラマンは、当時のつくり手たちに深いねらいがあったとは思えないけど、そもそもめったにしゃべらず、掛け声のみを発することで、結果的に未知の宇宙人・超人ヒーローとしての神秘性を醸(かも)していた。
しかし、昭和40年代後半(1970年代前半)の変身ブーム(第2次怪獣ブーム)で状況は一変! 仮面ライダーやデビルマン(72年)やマジンガーZが、必殺技の名称どころか変身時の掛け声やスーパーメカへの搭乗時に大声でオオゲサなボディーアクションも込みで号令する姿に、子供たちに大いに夢中になってマネまでしだしたのだ。
それらを見て、円谷プロ側のスタッフも考え直したのであろう、『ウルトラマンタロウ』(73年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20071202/p1)はタメのポーズを取りながら長々と「ストリウム~こぉぉぉせん(光線)」とエコーを付けた掛け声を叫んでから必殺光線を発射するようにまでなったのだ!
これをそれまでのウルトラシリーズを観てきて中高生の年齢に達していた原マニア層が観たならば、もちろん違和感や抵抗はあったのだろうが、まだ幼児であった筆者の世代などはいっさい抵抗や反発を覚えなかったものである。マニアとは異なる一般の子供たちの反応なんて、そんなものなのだ(笑)。
筆者も今まで必殺技名を叫んでこなかった昭和のウルトラ兄弟が急にそれを叫んだら違和感を持つだろうが、これから新しく登場するウルトラマンたちには必殺技名を叫ばせた方が子供受けもよいだろうし、ヒーロー性も高まるのではなかろうか?――その技名は地球人には聞こえていないという設定でもよい―― スタッフたちの今後の善処に期待したい。
これらのバックには、『ギンガS』の主題歌だったTHE ALFEE(ジ・アルフィー)の『英雄の詩(うた)』がフルサイズで流れる。
――2015年1月28日にNHK-FMで放送された『THE ALFEE 終わらない夢』では、『英雄の詩』を作詞・作曲した高見沢俊彦(たかみざわ・としひこ)がこの件に触れるや、メンバーたちが、
坂崎幸之助(さかざき・こうのすけ)「いい映画ですね!」
桜井賢(さくらい・まさる)「これはみんなで観に行かなきゃいけませんね!」
などとアピールしてくれていた。著名なアーティストが主題歌を担当することは、こうした莫大(ばくだい)なメリットがあるのは確かである――
そのラストを飾るのは、地球の外に逃れてきたエタルガーに向け、ギンガビクトリーがウルトラフュージョンブレスに込められた8大平成ウルトラマンたちの力を結集させて放った合体光線「ウルトラフュージョンシュート!」である!
テレビシリーズ『ギンガS』でも、金色の背景をバックにギンガの周囲に昭和のウルトラ6兄弟が本人そのものではなく超パワーのシンボルとして輪を描くように宙に浮かんでいる全身像が登場してからギンガが最強必殺光線を放つシーンがあったが、今回も同様に8大平成ウルトラマンがギンガビクトリーを囲んでから「ウルトラフュージョンシュート」を放つことで、映画版にふさわしい別格で超強力な必殺光線であることが観客にも示唆されるのだ!
そして超巨大な時空城も、その周囲を囲んだティガ・ダイナ・ガイア・コスモス・ネクサス・マックス・メビウス・ゼロの、一斉光線発射によって粉砕された!
先述した『ウルトラマンサーガ』冒頭の宇宙空間でのゼロの初戦では、ゼロがつくった新宇宙警備隊・ウルティメイトフォーズゼロことミラーナイト・グレンファイヤー・ジャンボット・ジャンナインが参戦しておらず、ラストバトルの初代マン・セブン・ジャック・エース・レオたちウルトラ兄弟 VS 磁力怪獣アントラー・双頭怪獣キングパンドン・用心棒怪獣ブラックキング・ミサイル超獣ベロクロン・暴君怪獣タイラントといった怪獣兵器軍団との特撮戦闘場面もせっかく撮影しながら、製作遅延や尺の都合や特撮合成予算などの都合もあってか、泣く泣くの苦渋の末の決断ではあったのだろうが、そんな最もおいしい場面をカットしてしまうという事態になってしまっていた。
――公開から1年半以上が過ぎた2013年12月にこのシーンを復活させたバージョンがイベント単館上映、2014年1月から『新ウルトラマン列伝』の枠内ではこのバージョンを5分割したものが放映されている。以降はこのバージョンが正規のウルトラ正史となるのだろう(笑)――
そして、そもそも『ウルトラマンギンガ』や『ウルトラマンギンガS』では、ソフビ人形化されるも意識は残していてヒカルたちと行動をともにしてきたウルトラマンタロウやレギュラーの少年少女たちがスパークドールズで変身した歴代ウルトラマンたちを除けば、歴代の先輩ウルトラマン本人たちと共闘することはなかったのだ。
ややフラストレーション(欲求不満)がたまってきたところで、『サーガ』や『ギンガ』とは異なり、坂本監督はここで歴代ウルトラマンたちにも大活躍の場を与えて、ちゃんと「華」をもたせてくれたのである!
上映終了後、「もう1回観たい!」と、親にせがむ子供の声が聞こえてきた。
本作はギンガとビクトリーを主人公としながらも、直近の先輩としてはゼロを、中堅の先輩としてはコスモスを配置し、彼らを入り口に主人公を務めたことがある平成ウルトラマンたちを総登場させて――本作の短い尺の都合で物語が始まった時点ですでにほとんどが囚われの身ではあったものの(笑)――、最後に映画ならではのスペシャル感が漂う10大ヒーローせいぞろいを実現させてくれた。そして、思う存分に彼らのカッコいいアクションや必殺技を披露してみせてくれた。これ自体は坂本監督の手腕というよりかは、製作会社・円谷プロや玩具会社・バンダイのプロデューサー陣による本作の大元の企画それ自体の成功でもあるのだろう。
本作を受け継ぐかたちで、『新ウルトラマン列伝』の枠内で15年3月31日放送分から、『ギンガS』の2号ウルトラマンことウルトラマンビクトリーを主人公に据えた番組内短編シリーズ『ウルトラファイトビクトリー』なる新たな展開がスタートする。
ちなみに、東映の「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」の劇場版の上映終了直後には、次に控える同系列のライダーや戦隊映画や新番組の「特報」が常に必ず流れて、観客をワクワクさせている。今回の『劇場版ウルトラマンギンガS』の上映終了直後にも、『新ウルトラマン列伝』自体は全国ネットではないので観られない地域での上映があっても、BS放送なりネット配信がある今の時代、この『ウルトラファイトビクトリー』の特報は絶対に流すべきではなかったか!?
『ウルトラファイトビクトリー』に関する告知が、入場者プレゼントとして配布されたカードに封入された、ちっちゃな案内のみというのが…… だれかこういうことに口を出すような、機転の働く円谷やバンダイや広告代理店側のスタッフはいないのですかね?(汗)
「ウルトラマン生誕50周年」の記念すべき来年2016年を迎えるまで、本作の盛り上がりを絶やすことなく持続させねばならない。それを思えば、『ウルトラファイトビクトリー』のみではなく、たとえ『ウルトラマンギンガ』第1期のように夏と年末に2部構成で放映する変則的な形態に戻ったとしても、夏から年末にかけては『ギンガS』の続編や新作『ウルトラマン』シリーズを、『新ウルトラマン列伝』の枠内にて放映させることが望まれるところである。
最後にツッコミをひとつだけ。
アレーナの故郷である惑星ザントは、「鏡」の能力を自在に操ることのできる世界であるとして語られている。であるならば、ゼロの仲間・ウルティメイトフォースゼロの一員である「鏡の騎士」ミラーナイトとも縁があって、最後に魔鏡に封印されたウルトラマンたちを救いに登場してもよかったのではあるまいか? サクヤも3大ウルトラマンを救ったけど、残りの3大ウルトラマンはちょうどその場にようやく遅れて現れたミラーナイトが救ってくれたのだ! とかにして(笑)。
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つーか、正直に云わせてもらえば、今回は『決戦! ウルトラ10勇士!! feat.(フィーチャリング)ウルティメイトフォースゼロ』にしてほしかった(笑)。
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