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マクロスプラス MOVIE EDITION


マクロスF最終回「アナタノオト」 〜キワどい最終回を擁護!
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(95年10月7日封切)
(文・T.SATO)
(04年1月執筆)
 減らず口でワンパク小僧あがりのイサム。見た目無骨だが芯は熱い不屈の男ガルド。
 異星の空を飛ぶ古代翼竜に憧れ、人力飛行機を飛ばし、子供のころから、大空をめざしてきたふたり。
 そして、彼らに常に寄り添い、何よりも歌うことが大好きだった少女ミュン。
 幼なじみで大の親友だった3人の関係は、7年前のある事件を境に途絶えていた……。


 次期戦闘機の競争試作。イサムはYF−19のテストパイロットとして故地に戻った。対抗機YF−21のパイロット、それは奇しくもガルドだった。ふたりの間には気まずい空気が。
 競争テストが続く日々。そこにバーチャルシンガーのシャロン・アップルの巡業で、敏腕の音楽プロデューサーに出世したミュンも来訪。3人は思い出の地で偶然にも再会する。


 『マクロス』といえば、歌と三角関係と可変戦闘機バルキリー。本作は、惑星エデンの乾いた大地と高い空を気持ちよく雄飛する2機、仮想歌姫の幻惑世界をバックに、ミニマムな事件を、当時最先端の作画&CG&音楽で綴った隠れた名作だ。


 公開前年94年にリリース開始されたOVA(オリジナリビデオアニメ)全4巻の編集モノだが、元が劇場用に構想された物語なので、人物関係・セリフや各種伏線の符合や完結感は、劇場版の方が断然高い。


 血気と挑発と殴り合いのバカ男ふたりに、歌を捨てて裏方に廻った女の苦悩。
 空とスピード、歌と感動させることへの憧れ。そしてそれらのダークサイド。
 特にミュンの心情は表現欲求を持つ者の葛藤を描破していて、切なくて泣けてくる。
 彼女の深層心理の願望が托されていた仮想歌姫の大暴走で、2機の戦闘機が乱舞する中、全ての要素がイッキに収束。
 バカ野郎ふたりのすばらしき男の友情と、彼らとミュンが交感していくラストの凄味と感動は必見!


 実は本作は何度もの鑑賞にも堪える作りにもなっている。物語の骨格はシンプルだが、仮想歌姫がもたらす洗脳描写が何気に深い。
 暴走というには多義的な、3人の個々の美意識・価値観の深淵に感動を与えんとする行為。
 本作は、何時から、何処までが、歌姫の掌(てのひら)の上の出来事だったのであろう?


 余談だが、登場人物のひとりが、『マクロス』初作の敵ゼントラーディとのハーフだから云々(うんぬん)というウラ設定。
 私見では、物語の普遍性を奪いかねず、劇中での言及も特にないので、出自ゆえではなく若者一般によくある過ちだったのだと筆者個人は解釈しておきたい(笑)。


(了)
(初出・商業誌『新映画宝庫VOL.8 男泣きアニメ劇場』(04年2月発行・ISBN:4813007899))


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