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劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生! 〜合評

『仮面ライダー電王』 〜後半評 複数時間線・連結切替え!
『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』
『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』
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『仮面ライダー』シリーズ映画評 ~全記事見出し一覧
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『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』

(2007年8月4日封切)
(脚本・小林靖子 監督・長石多可男 アクション監督・宮崎剛 特撮監督・佛田洋

『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』 〜合評1

(文・T.SATO)


 『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』(07年)は、怪作・異色作・破綻(笑)ぞろいの平成『ライダー』映画の中では、イイ意味でTVのノリを失っていないイベント編かつコンパクトにも品良くまとめた佳品で楽しめた。なにか大イベントがあっても、ラストはTVと同じノリの浪花節(なにわぶし)のちょっとイイ人情話でホノボノと締めるあたりも好感。


 そして、前作で下落した興行収入を上昇させるためか、映画を宣伝するために、数話に渡って映画とTV本編のリンクやら前日談やら並行を試みて、映画への興味を視聴者に惹起(じゃっき)する!
 映画のみの登場と喧伝されてきた仮面ライダー電王・ウイングフォームも、その舌の根も乾かないうちに、映画で登場前にTVで初お披露目!(笑)


 こーいうビジネスライクなノリはきっと東映白倉伸一郎プロデューサーの発案なのだろう!?


 映画とTVで製作時期が異なり――TV#23と#24(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061112/p1)の間に位置するとされた映画版が、TV#1(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060625/p1)製作以前に撮影――、宣伝のためのリンクや辻褄合わせがいくらでも容易だったハズの『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)でも、全国同時ネット放映ではなかろうとも、正直見習ってほしかったところだ。


 (映画公開時期の9月放映分は数週間(数話)連続で、映画の舞台・神戸でのウルトラ兄弟VS宇宙人軍団の事件を点描しつつも、並行してメビウスがいない東京で防衛組織・GUYS(ガイズ)と映画に登場しないウルトラマンヒカリが怪獣(超獣)と戦うエピソードを作るとか!)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『仮面ライダー電王』後半&終了合評1より抜粋)


『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』 〜合評2

仮面ライダー電王劇場版『俺、誕生!』の存在と影響を再検証

(「仮面ライダー電王劇場版から占う今後の仮面ライダー」 〜改訂版)

(文・森川由浩)
(2007年8月執筆・2010年6月加筆改訂)


 21世紀に入り、日本特撮界夏の定番行事になった『仮面ライダー』『スーパー戦隊』両シリーズ劇場映画の興行。


 それこそ昔を知っているファン(1990年代も今や遠い昔?)からすれば、「帰ってきた東映スーパーヒーローフェア」*1という趣(おもむき)を感じるこの“夏の定番”行事だ。
 2007年度は前売り券の売り上げが良好だったことや、多彩なゲストの活躍もあり、前年以上に興行収入も良く、久々に面目躍如たる結果を見せてくれた。


 時をかける電車・デンライナーの時間航行能力と、イマジンという寄生生命体(怪人)の存在を軸にし、それらの特色を生かした作劇でドラマを自在に操れる『仮面ライダー電王(でんおう)』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080217/p1)シリーズが、映画版に当たる『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』(07年)にて挑んだもの、


・タイムスリップ先で主人公・野上良太郎(のがみ りょうたろう)(演・佐藤健(さとう たける)が、小学生時代の自分(演・溝口琢矢(みぞぐち たくや))と対面


・少年時代と現在の“ダブル良太郎”の活躍が目印としてアナウンス


・記憶喪失になった良太郎に代わって子どもの良太郎・別名小太郎(こたろう)が変身するサプライズ


 などの要素も勿論(もちろん)見ものだ。


 が、やはり例年以上に豪華なゲストスターの配役とその活躍に目が行く。今回はそのゲストスターの活躍を中心に、『電王』劇場版を回想し、そしてその存在と波及効果を検証していこう。



 デンライナーの劇中でのタイムスリップ先はテレビシリーズとは違い、数日・数年前後といった単位ではなく、恐竜時代や戦国時代といった大昔の世界に迷い込むが、この戦国時代のシーンが大きな見所となる。関西人なら小学生の遠足で一度は足を運んだ京都・太秦(うずまさ)にある東映京都映画村・オープンセット内での、「俺、参上!」のセリフこそが「クライマックスだぜ!」とでも言いたげである。


 勿論、話題の人気タレントのゲストシーンもこの場所での活躍がメインとなる。いささか「無理矢理」という感がなくもない京都での撮影だが、毎年年中行事として戦隊シリーズで行われている京都ロケ編、戦隊OBキャストを招いて製作するVシネマ*2との兼ね合わせやその実績もあっての京都ロケである。


 その東映京都撮影所も、レギュラーで製作するテレビ時代劇が2007年9月まで放映されていた松方弘樹主演『素浪人 月影兵庫(すろうにん つきかげひょうご)』(07年 松方の父・近衛十四郎(このえ じゅうしろう)が主演した65年版のリメイク)で一旦最後になった。年数回のテレビスペシャルやVシネマが数本という状態にまで陥っているのに加えて、無理矢理でも撮影所の機能を働かせないと、本当にこの東映京都撮影所が売却される事態にまで発展しかねない状況に陥っている。関係者は売却反対署名運動をネットなどで展開、太秦の聖地を守るべく奮闘している次第である。


 このいささか“強引”なタイプスリップの背景にはこうした東映社内の、ひいては日本映画界の遺産を守るべく裏事情が反映されているのだ。


 そして関西ロケと並行して、東映映画村内でのキャストによるイベントも開催され、関西地区のファンを中心に地方在住の視聴者へのアピールを図っているのもポイントであろう。



 今回のメインゲスト俳優は三名。しかも有名どころであるが、うち二人は「仮面ライダー」オーディション落選組という過去がありながらも、現在は芸能界で確固たる地位を築いているのが興味深い。


 デンライナーをジャックする本作のゲスト主役・ワニの口がモチーフの仮面ライダーガオウに変身する牙王(ガオウ)を演じるのは渡辺裕之(わたなべ ひろゆき)。この悪役ライダーの名は肉食動物の咆哮(ほうこう)に由来するが、渡辺も出演していたテレビ東京系の深夜枠特撮番組『牙狼(ガロ)』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060317/p1)も意識しての命名かとも思われる。
 『ゴジラ』『ガメラ』『ウルトラマン』と日本特撮界を代表する三大人気シリーズに加えて四大シリーズへの出演を遂に成し遂げ*3、しかも『仮面ライダースーパー1(ワン)』(80年)のオーディションを受けたが、惜しくも落選した過去を出演に際して一般に初披露。雪辱戦とばかりに今回は気合の入ったアウトロー・ヒーローを熱演している。


 徳川家康の孫娘にして豊臣秀吉の遺児・秀頼の妻である千姫(せんひめ)役のほしのあき(本作では星野亜希名義)も、30歳を超えたグラビアアイドルを売りに、男性向け週刊誌のグラビアから『笑っていいとも!』(82年〜放映中)などのバラエティまでと幅広く活躍するマルチタレントとして有名。彼女も具体的なシリーズ名まではコメントしていない(記憶していないのか? 実は『戦隊』だったりして?)が、『仮面ライダー』シリーズのオーディション落選組の一人で、タレントとしてのネームバリューを上げての堂々の登板である。


 最後の一名は、関西ではすっかりおなじみだったのだが、関西以外の方には今年2007年2月にあの人気女優・藤原紀香(ふじわら のりか)との“格差婚”(2009年3月に離婚)で一躍名を挙げ、認識されたお笑いタレント・陣内智則(じんない とものり)。彼が、豊臣方の武将・真田幸村(さなだ ゆきむら)役に抜擢されたことも大きな話題である。


 彼の名をまず関西で広めたのが読売テレビ日本テレビ系)の『なるトモ!』(04〜09年)で、ウィークデーのブランチタイムの顔といった印象の強いタレントだった。この時期は東京での新妻・紀香との「愛の巣」から大阪・読売テレビへの連日新幹線通勤の生活、その合間を縫っての撮影であるが故、出番はさほど多くないが、関西人には嬉しいキャスティングだろう。これも芸能界の常識を打ち破るような“格差婚”が生んだ波及効果であり話題性である。


 本当なら陣内夫人の藤原紀香を呼んでほしいと思う男性ファンも多いだろうが、さすがにこれは多くの障害があり、今すぐには困難であろう。仮に実現させるとするなら、藤原と親交が深く、披露宴にも出席した芸能界きってのライダーファン・京本政樹の力があれば、実現はすると思うが……。



 それと“関西系”お笑いタレントのキャスティングの要素も、その源流をこじつけがましく解釈すれば、元祖『仮面ライダー』(71〜73年)は、大阪の毎日放送が同じ大阪の朝日放送が誇る人気ローカル裏番組『部長刑事』(58〜02年)に対抗して誕生させた作品という面もあり、どこかしら関西系の匂いが必要な作品なのかも知れない。今は『仮面ライダー』はすっかり関東圏主導のテレビ朝日が製作になり、また関西での放映が毎日放送から朝日放送へと変更、昔とは逆転してしまったとはいえ。


 尚『仮面ライダー』と関西系お笑いタレントのジョイントは別にこれが初めてではない。『仮面(スカイ)ライダー』(79年)でも落語家・桂都丸(かつら とまる)が演じるずっこけヒーロー・がんがんG(ジー)なるギャクメーカーがレギュラメンバー加入している前例に見られるように、既に“関西系お笑いタレント”の起用には先輩が存在するのである。


 『仮面ライダー』以外でも、東映京都製作作品で探せば、


・『大忍術映画・ワタリ』(66年)の、ルーキー新一松竹芸能所属の漫才トリオレッツゴー三匹の正児の実兄。現在故人)


・特撮時代劇『妖術武芸帳』(69年)最終回では、ベテラン漫才コンビ中田ダイマル・ラケット


 が出演した実例もあるので、今回の陣内智則出演はそちらの系列にも属するケースとして東映特撮史に記憶されるべき事象だろう。以後、


・『仮面ライダーW(ダブル)』(09年)での、なだぎ武(たけし)による刃野幹夫(じんの みきお)刑事としてのセミレギュラー出演


 はもとより、


・『炎神(えんじん)戦隊ゴーオンジャー』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080824/p1)27話「孫娘ハント!?」での、エド・はるみのゲスト怪人・蛮機獣(ばんきじゅう)ダウジングバンキの声でのゲスト出演(ダウジングとの連想で得意の持ちネタ、親指を突き立てて「○○グゥ〜」のセリフも披露!)


 東映以外でも、松竹の


・『トミカヒーローレスキューフォース』(08年)では、安田大サーカスが敵の三幹部の声でレギュラー出演


・劇場映画『トミカヒーローレスキューフォース 爆裂MOVIE(ムービー) マッハトレインをレスキューせよ!』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090404/p1)には、南海キャンディーズの“山ちゃん”こと山里亮太(やまさと りょうた)が、メイン悪役でゲスト出演


 円谷プロウルトラシリーズでは、


・映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(ザ ムービー)』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1)に、宮迫博之(みやさこ ひろゆき)、岡村隆史(おかむら たかし)が声や素顔で出演


 こうした人気お笑いタレントの特撮ヒーロー作品出演が近年増加しているが、その口火を切った存在として本作への陣内智則の出演は認識されることだろう*4


 
 この映画ではこうしたタイムスリップもののスタンダードとなった映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85年 アメリカ)という代表選手に範(はん)を得てか、過去の自分の家族との出会いを描くのも特色である。


 特に良太郎の両親は既に物故しており、2007年現在の良太郎が宝石泥棒に憑依(ひょうい)したイマジンを追って7年前の過去の世界(西暦2000年)にタイムスリップ。イマジンを倒すも新たに出現してデンライナーを強奪した牙王を並走して追いかけ、列車の扉から見下ろす牙王に蹴られたショックで記憶を失い、この時代の実家であり閉店中の喫茶店・ミルクディッパーに逃げ込み、小学生時代の自分と出くわすハプニングが彼を迎える。


 歴史を駆け巡った戦いが終わり、少年時代の良太郎こと通称・小太郎を元の西暦2000年の世界に戻す前に、デンライナーの車窓から見えたものは、良太郎が生まれた1988年12月の世界で、夜空に雪が舞う中、産院より彼の両親と姉・愛理(あいり)が出てくる姿だ。


 まだ生きていたころの両親、幼き姉の三人に囲まれる生まれたばかりの自分の姿を二人の良太郎は確認するのであった。


 ここで描かれる子ども時代の自分との遭遇が、両親との写真をいつも持ち歩いていたために写真を紛失したことを悔やむ小太郎を慰める良太郎を経(へ)て、生誕時の自分との遭遇と、今は亡き両親への再会に結びつくのが興味深い。このシーンが本作のタイトル『俺、誕生!』を意味する描写であった。



 この映画のシナリオタイトル(仮題)は「―神の路線―」とされている。が、劇中でドラマの鍵となるどの時代にも行くことができる「神の路線」を副題に冠するのではなく、「主人公の素性に関与する状況」を意味し、本作のもう一人の主役であるイマジン・モモタロスの決め口上である「俺、参上!」をもじって置き換えたこのタイトルの方が、『電王』らしく思える。特に女性ファンにはその方が受け入れやすく、より共感できるということもあったのかもしれない。



 前述の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように若き日の親と直(じか)に会うわけではないが、相手が気付かない、意識しない状態でも良太郎は両親に再会できたわけである。


 自分が実際に今生きる2007年の世界に帰還後、姉が切り盛りする喫茶店・ミルクディッパーに戻り、そこにさっきデンライナーの車窓より確認した生まれたばかりの自分を囲む家族の姿を描いた絵を発見(恐らく愛理が良太郎のなくした写真を思い出しながら描いたのだろう)。


 姉の温かい微笑みに見守られながら、亡き両親の姿に再会できた不思議な感触と、心のつかえが取れ満たされた思いがにじみ出る笑顔の良太郎で、映画は幕となる。


 
 本来亡くなった人には会えない、会うことはできない、勿論会ってはいけないというものが暗黙の了解として世間的な通念では存在する。だがほんの一瞬とはいえ、言葉を交わすことはできなかったが、遠くから眺めるだけでも亡き両親に良太郎は会えた。これは両親を早く亡くしたためその思い出が少ない良太郎の気持ちに同情するハナ(演・白鳥百合子)の思いが、オーナー(演・石丸謙二郎)に通じたからこそ、彼の粋(いき)な心遣いにより実現したものだ。


 観る側にも


 「良太郎良かったね。お父さんやお母さんに会えて」


 と思わせ、感情移入させることに成功している。


 余談だが、こうした亡き家族との思わぬ再会と、禁じられた再会であるが故の別れを描いたジャンル作品として、最近では女児向けテレビアニメ『フレッシュプリキュア!』(09年)第28話「大切な記憶! おじいちゃんとの思い出!!」がある。敵の戦法で「思い出の世界」に封じ込められた主人公の桃園ラブ(ももぞの らぶ)・キュアピーチの幼いころに亡くなった祖父・源造との思わぬ再会が、視聴者の涙腺を緩めた。


 本項の本題である映画『俺、誕生!』もここで引き合いに出した『フレプリ』第28話も、公開時期や放映時期がお盆休み*5という時期的なものも手伝って、亡くなった家族の存在を絡め、思い出が少ない、記憶が薄い状況がゆえに加速させる故人への思慕が物語の軸となる。


 「亡くなった人の思い出はもう作れないし、会うことだって絶対できない。だから今生きている周りの人々との思い出を大事にしてね」


 といったメッセージが伝わってくるのが特徴だ。



 歴史や時間それ自体を消し去ろうとする牙王は、タイムスリップしてもタイムパラドックスの影響を受けない“特異点”である良太郎の1988年12月26日の誕生日の日を消去しようとして、街を廃墟と化す。


 子ども時代の良太郎こと小太郎の仮面ライダー電王ならぬミニ電王への変身は勿論、瓦礫と化した街でのラストバトルでは記憶を取り戻した良太郎の戦列復帰に加え、いろいろな各時間の良太郎(勿論成長した時代、テレビシリーズ25話や26話の良太郎)をあと3人呼び出し、レギュラーであるウラタロスやリュウタロス、キンタロスのイマジンたちがそれぞれ憑依することにより、


仮面ライダー電王ソードフォーム
仮面ライダー電王ロッドフォーム
仮面ライダー電王アックスフォーム
仮面ライダー電王ガンフォーム


 が勢ぞろいする史上最強の電王戦隊を結成して、宿敵・仮面ライダー牙王への戦いに挑む。


 このサプライズを実現し、キャラクターを縦横無尽(じゅうおうむじん)に使うことにより“何でもあり”を確立した当映画のシステムが、のちに続く『電王』の思わぬ方向への進路を今にして思えば決定してしまうのであった。



 特にこの映画公開後の『電王』テレビシリーズでは9月2日(日)放映の第31話「愛・ニード・侑」から、ハナ役の女優・白鳥百合子(しらとり ゆりこ)が本人の都合上で突如出演できなく(しなく?)なる。9月16日(日)放映の第33話「タイムトラブラー・コハナ」以降、彼女が演じるハナが大人から突然子どもになったといういささか強引な設定で別人の子役・松元環季(まつもと たまき *6)を起用する大英断に踏み切って窮地を脱し、最終回までを切り抜けるどころか、以後製作される『電王』シリーズの映画にも引き続き出演。
 今となっては大人の白鳥百合子版ハナの存在が失礼ながらやや忘れ去られて、コハナがSF設定上も本来のオリジナルキャラクター化している状況にまで成長しているのも承知の通りであり、電王戦隊同様の“何でもあり”作劇の一例である。


 この設定の申し子として、のちに映画『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEO(ネオ)ジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100524/p1)でも、時空の歪(ひず)みにより子ども化した良太郎という設定を用いて、『俺、誕生!』で活躍した子役・溝口琢矢を再登場させた。『鬼ヶ島の戦艦』の前作『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』(08年)にて事実上の卒業を遂げた主演の佐藤健の不在後も、主人公・野上良太郎を登場させることができる理由の裏づけとなっている。


 また『鬼ヶ島の戦艦』では更に、少年時代の桜井侑斗(さくらい ゆうと)(演・中村優一)ことユウ(演・沢木ルカ)という子役を事実上の主役にシフト。オリジナル役者の多忙を逆手に取って、彼のこれまで語られなかった過去を描いて、多彩なキャラクターの肉付けによる作品世界の密度の向上と展開の拡大にまで影響しているのが興味深い。


 主人公の存在のみならず、本映画ではその姉・野上愛理(のがみ あいり)(演・松本若菜(まつもと わかな))の存在にも注目だ。例え出番はそう多くはないにしろ、この映画でも物語の始まりと終わりに登場、要所を締め観る側に安らぎを与えてくれる。
 テレビシリーズでは、ナオミやハナ・コハナの存在に隠れた感があったが、いかにも日本人好みの慎ましく、古風な昔ながらの“大和撫子やまとなでしこ)”的印象を持つ彼女の好感度は高く、自己主張の強い現代っ子的なヒロインが幅を効かせる中、物静かな彼女が見せる「理想の姉」としての存在も地味ながら大きい。
 だからこそ、愛理と侑斗(愛理の婚約者である本来の桜井侑斗と、本来の桜井侑斗が過去の若いころの自分に干渉して別の歴史・人生をたどった仮面ライダーゼロノスこと少年の桜井侑斗)の三角関係を軸に、純愛ドラマとしての要素を前面に出した続編映画がのちに誕生するのである。


 尚ラストの1988年世界での、デンライナー&ゼロライナー連結バージョン VS 牙王操るガオウライナー というCGの列車同士のスピーディーで組んずほぐれつ絡まりつつの大空中戦も大迫力であった。


 加えて、タイムパラドックスで消失した歴史や存在も、それを記憶する人間さえいれば復活できるとする、テレビシリーズ後半のSFギミックとなる本作独自のSF設定への伏線が張られたことも、重ねて記しておこう。



 だが、この映画の母体であるテレビシリーズの人気も、90年代前半以来久々の映画化を実現した『仮面ライダーアギト』(01年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20011108/p1)時代に比べて、いささか下降気味の気配を感じていた。21世紀の特撮シーンを塗り替えた“イケメンヒーローブーム”も最早(もはや)過去の遺物といった印象が強く、またその下降時期にうまく割り込んできたテレビ東京の裏番組『ポケモン☆サンデー』(04年〜放映中)の快進撃の煽りを受け、視聴率は下降気味だった。『電王』も例外ではない。


 それから映画版の興行収入は、『劇場版 仮面ライダー555ファイズ) パラダイス・ロスト』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031104/p1)の15億円を頂点に上下を繰り返していた。が、『電王』公開年度は前年よりも上昇したのだ。


 平成ライダーシリーズの映画版はそれまでテレビシリーズとはパラレルワールドの独立した内容であったが、前年度の映画版の興行収入が低落したことへの対策か、『電王』テレビシリーズでも映画版の宣伝として、映画との連動・リンクが大々的になされた。


・23〜24話では、映画独自の新ライダーであると宣伝されてきた仮面ライダー電王ウイングフォームとその契約イマジン・ジークがいきなり登場。
・25〜26話では、睡眠中の良太郎が映画の世界の侑斗に拉致される。
・27話では、映画版導入部に少しだけ登場する敵のイマジン怪人&そのイマジンと契約する泥棒が登場して、中途半端に終わるも映画版に続くことが示唆された。
・28話冒頭では、映画の戦闘シーンが流される。


 こう切り出すと、前年度作品に当たる『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE(ゴッド スピード ラブ)』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060820/p1)の業績が非常に悪かったように受け取られるかもしれないが、実はあの大好評を博したライバル映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)よりも興行収入の絶対値自体は高かったのだ(前者・9億5千万円、後者・6億8千万)。


 実際、一時期『仮面ライダー』も一旦終了のうわさが時折出ていた。『仮面ライダー響鬼(ヒビキ)』(05年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070106/p1)前半の文芸スタッフであり、各種特撮関連誌で活躍しているフリーライター・片岡力(かたおか・ちから)が書き下ろしした『仮面ライダー響鬼の事情』(五月書房刊 07年・ISBN:4772704620)によると、実は『仮面ライダー響鬼』が往年の特撮時代劇『変身忍者 嵐(へんしんにんじゃ あらし)』(72年)のリメイク企画の変動による誕生作品であることが公表されており、バンダイテレビ朝日側の意向はともかく東映側の動向としてはこれが単なる噂レベルの話でなかったことを立証している。
 (個人的にも2000年代半ばの当時、流石(さすが)に息切れの感も強く、一旦休止してみるのも良いかとは思っていた。特撮が『戦隊』だけになるという危惧感もあるとはいえ)


 テレビ朝日に製作が移動してからの『仮面ライダー』シリーズは、『仮面ライダークウガ』(00年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001107/p1)以降、切れ目なく新作を作り続けている。同時期に放映中の平成ウルトラマンシリーズが、低視聴率に苦戦し、その影響の最たるものとして放映ネット局の減少、そして基盤である製作会社・円谷プロの“たらいまわし”売却事情といった苦境に立たされているのとは実に対照的で、安定した放映枠で継続して放映、当初の予定であった関西の毎日放送(TBS系)枠を獲得できなかったハンディをチャンスに変え、ヒットに結び付けているのが印象的だ。


 一作一作がバラエティ溢れる作品世界を提供しているが、年長のファンも、かつての『クウガ』『アギト』時代の高視聴率やそれを受けての各種展開の拡大、メディア露出などのムーブメントの大きさを知っているのか、2000年代半ばのシリーズにはやはりパンチ不足を感じている者も多い。特に“イケメンヒーローブーム”なる単語が登場、その代表的存在として平成仮面ライダーの露出がマスコミにて増え出した時の関連記事や特別番組を見て、「ようやく“ジャリ番”から脱出できるんだなぁ」的な気分になり、これからは一層年長者向けメディアでの展開拡大がなされ、それが特撮ファンダムの向上に繋がるという風に、未来展望を希望に溢れるものとして予想していたファンとしては。


 2007年8月3日(金)に放映されたテレビアニメ『クレヨンしんちゃん』(92年〜放映中)とのジョイント特番『クレヨンしんちゃん 真夏の夜にオラ参上! 嵐を呼ぶ電王vsしん王60分スペシャル!!』(07年)はオリジンの『電王』を超える視聴率を獲得、話題となったが、逆に言えば番組単体での人気が衰えてきたという見方もできなくもない。


 だがそんな時代に様々な諸展開を見せ、映画は久々の大ヒットを放ち、歴代ライダーシリーズの映画史上でも、この時点で歴代仮面ライダー映画最高の成績を上げた『仮面ライダー555・パラダイスロスト』や第2位の『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』(02年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20021104/p1)に次ぐ第3位の13億8千万円もの興行収入を記録。東映の2007年度公開劇場映画中でも時代劇映画『大奥』(07年)の22億円に次ぐ年間第二位の座を勝ち取り、『電王』人気を決定付け、特に以後劇場映画シリーズが続々製作される起爆剤となった。ひいては平成仮面ライダーシリーズの延長展開の貢献者としての存在を確立している。


 さて本作以後『電王』の劇場映画が続々製作されるようになった。翌年2008年に当初Vシネマとして企画されたが、春休み明け興行に選抜されて新旧ヒーローのジョイントを描いた『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(デカ)』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080810/p1)が公開、同年秋には『仮面ライダー電王』シリーズ一応のピリオドとして『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』を制作するが、後者は主役の佐藤健を特別出演として招き、佐藤への事実上の「さらば電王」としての見送りを行った。


 だが今言及した完結編、本来は“最終電車”となる予定だったとはいえ、これが予想もしない方向への“始発電車”になろうとしていた。



 そう、知っての通り『電王』の『超・電王』シリーズとしての映画での再出発である。その“始発電車”は、テレビシリーズ『仮面ライダーディケイド』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090308/p1)とのジョイントを描き、“平成仮面ライダー10TH 春の陣”の副題を冠した映画『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』だ。


 2009年度は「平成ライダー10TH」と銘打って、平成仮面ライダーシリーズ誕生10周年記念としてのアニバーサリーイヤーを盛り上げる諸展開が目白押しだったが、その中にも当然『電王』の映画がラインナップされた。だが、アニバーサリーイヤー作品であるテレビシリーズ『ディケイド』の大人気、『ディケイド』の映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大(だい)ショッカー』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091213/p1)、『仮面ライダーディケイド 完結編』と『W』の序章である『仮面ライダーW ビギンズナイト』の二本立てでもある映画『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010(ムービーたいせん にせんじゅう)』(09年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101220/p1)の大ヒットにより、『電王』の存在が薄れてきたのが気になった。既に誕生から3年目の『電王』、この年度のニューヒーロー・ディケイドの大人気や話題性の大きさに、“新旧世代交替”を痛感させられたのだった。


 本当に『電王』の時代は終わったのだろうか……?


 しかし、2010年度に入り、忘れ去られようとしていた『電王』の新作映画の情報がファンの耳に入る。


 2009年度開始時期とは違い、『ディケイド』の大ヒット、続く『W』の好評は、一時期低下気味の傾向を見せていた平成仮面ライダーの人気や視聴率の再浮上に見事成功した。夏に『W』の新作映画公開、秋に『W』の後番組にあたる新作『仮面ライダー』テレビシリーズを控え、その嚆矢(こうし)となるべき使命を受け、初夏に向けて『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE(ザ ムービー) 超電王トリロジー』(10年)と題し、しかも全三部作を二週間交代で連続上映するシステムの作品を公開することになったのだ。


 主人公は三作とも異なり、第一部『EPISODE RED(エピソード レッド) ゼロのスタートウィンクル』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110403/p1)は、良太郎の姉・愛理と桜井侑斗の愛のドラマを描く。
 第二部『EPISODE BLUE(エピソード ブルー) 派遣イマジンはNEW(ニュー)トラル』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110516/p1)では、良太郎の孫・幸太郎(演・桜田通(さくらだ どうり))とイマジン・テディの契約終了による危機を迎えての戦いを見せる。
 第三部『EPISODE YELLOW(エピソード イエロー) お宝DE(デ)エンド・パイレーツ』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120701/p1)では、『仮面ライダーディケイド』のサブライダーである仮面ライダーディエンド・海東大樹(かいとう だいき)(演・戸谷公人(とたに きみと))を主役に、時空警察の黒崎レイジ(演・古川雄大(ふるかわ ゆうた))が変身する仮面ライダーG(ジー)電王との対決をトリに持ってくる。


 今と違い昭和30年代の邦画黄金期は、一週間単位で上映プログラムが交代というのが当たり前だった。テレビの普及していない時代の映画メディアの存在と経済効果の大きさが窺(うかが)い知れる。が、娯楽の多様化で映画の存在も昔ほどは大きくなくなった中、昔の短い公開時期ゆえの集客効果を招くことができた状況に範を得たのかは定かではないが、今でも映画の観客動員は公開直後の2週間に集中していて、複合施設であるシネコンが普及しきった現在、子持ちの若い家族たちが週末はシネコンで映画を観て、同時に買い物や昼食・夕食も外食で済ますことが多いという統計結果をマーケティング的に見据えたものなのであろう、公開時期を縮めることで観客の熱の冷めないうちに新作を連打。長期休暇から外れた時期、しかも6月には知っての通り祝日がないというハンディがある状況でも、観客のライフスタイルにも合った新たな形式で関心を喚起して映画をヒットさせようとするスタッフの意欲と野心を強く感じる。
 やはり『電王』、終わってはいなかったのだ。



 これだけの継続展開が、漫画や小説、イベントや舞台でなく、あくまで本来の展開の根幹である映像、しかも劇場映画で継続されているのだから、基点であり起点でもあるテレビシリーズ『仮面ライダー電王』、および最初の映画化作品である『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』が与えた影響の大きさ、その存在の偉大さをより痛感している。


 更に来年2011年は、『仮面ライダー』誕生40周年の記念イヤーである。平成のみではなく、昭和時代の初代ライダー誕生から40年ということだ。そんな記念イヤーに『電王』が何もせずに沈黙を保つようになるとは思えない。『電王』もまた来年、新たなる驚きを彩るアニバーサリー作品で「俺、参上!」することを期待している。



*2007年8月脱稿。2010年5月に加筆。
*本文中での映画興行収入の出典は全て「映画年鑑」(時事映画通信社刊)より。

(文中敬称略)


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『劇場版 仮面ライダー電王』評より抜粋して加筆改訂)


『假面特攻隊2008年準備号』「仮面ライダー電王」関係記事の縮小コピー収録一覧
サンケイスポーツ 2007年7月25日(水) 「仮面ライダー」試写会 陣内大ボケ!どこに出てた? 〜お笑いタレント陣内智則(33)が完成試写会の舞台挨拶。妻の藤原紀香(36)からのアドバイス内容明かす。『ゲキレンジャー』ゲストの小野真弓(26)にボケかます


『假面特攻隊2008年号』「仮面ライダー電王」関係記事の縮小コピー収録一覧
・各話視聴率:関東#43・中部#41・関西#41まで。各クール平均・全話平均視聴率
・電王映画宣伝特番&『クレヨンしんちゃん』電王編「オラ参上」関東・中部・関西視聴率
スポーツニッポン 2007年10月17日(水) 渡辺ライダー51歳 ウルトラ長野35歳 〜渡辺サントラ盤CDデビュー&「大決戦!超ウルトラ8兄弟」・大枠記事
夕刊フジ 2007年5〜6月X日(日付失念) 太秦映画村大変身の内幕 特撮、ネット配信…異色作続々リリース 黄門様“孤軍奮闘”の非常事態 〜『超忍者隊イナズマ!!SPARK』リリース、『メタル侍』配信・大枠記事 
夕刊フジ 2007年8月11日(土) OTAKUフジ 東映太秦映画村の挑戦㊤ 「特撮時代劇」で新たなファン開拓 『超忍者隊イナズマ!!SPARK』「戦隊」「ライダー」京都ロケ敢行も 〜『超忍者隊イナズマ!!』第1作はDVD1万枚を売る大ヒット!
夕刊フジ 2007年8月18日(土) OTAKUフジ 東映太秦映画村の挑戦㊦ 本物「レッド」大集合!時代劇復活は子供から 「ゲキレンジャー」「電王」トークショー大盛況 未来のファン開拓 特撮が“入り口”面白さ伝えたい 〜東映太秦(うずまさ)映画村は、ユニバーサルスタジオジャパンなどのテーマパークの影響で、年間入場者数がピーク時の260万から100万に減


『假面特攻隊2008年冬号』「仮面ライダー電王」関係記事の縮小コピー収録一覧
静岡新聞 2008年1月7日(月) よるらじNo.1491 2008年1月5日放送分 J−POP TOP20 SBS RADIO SATURDAY 21:00〜23:30 〜2位が「Climax Jump DEN-LINER form」。13位が初登場のオタ向け大人気・美少女アニメらき☆すた』Re-Mix002で、『らき☆すた』に勝ったゾ(笑)
朝日新聞 2007年3月27日(火) はてなTV Qなぜ2月に新しく 〜『仮面ライダー』シリーズはなぜ1〜2月に新番組に切り替わるのか?・大阪府アルバイト30歳女性・テレビ朝日の梶淳Pが「TV番組改変期は避けて少しでも注目を集められる時期に。4月の進級時に心機一転、子供番組を卒業されないよう、その前に放映開始してゲットの意図も(大意)」と解答


仮面ライダー電王』はじめ、「スカイライダー」(79)〜「仮面ライダーW」(09)関東・中部・関西の全話視聴率表および、平成ライダーの玩具売上高と劇場版の興行収入を、09年末発行の『假面特攻隊2010年号』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20091201/p1)「平成ライダー東西視聴率10年史」大特集に掲載!


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*1:東映スーパーヒーローフェアは、1993年のGW(ゴールデンウィーク)時期の東映邦画系興行のプログラムで、雨宮慶太(あめみや けいた)監督による新作映画『仮面ライダーZO(ゼットオー)』(93年)をメインとして、当時放映中のテレビシリーズ『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20111010/p1)『特捜ロボ・ジャンパーソン』(93年)それぞれの劇場新作映画との三本立てで構成された、全てが実写特撮作品による「東映まんがまつり」のバリエーションによる新規興行。
 春・夏・冬休みに公開されていた「東映まんがまつり」(69年)が「東映アニメフェア」(90〜2002年)にモデルチェンジし、題目の「アニメフェア」の文言に起因する理由からか実写特撮作品の上映がなくなって3年後の93年、「変身ブーム世代」の特撮マニアは勿論、現役児童にもアピールできる特撮オンリーのプログラムが誕生した。
 以後1994年に『仮面ライダーJ(ジェイ)』(94年)、1995年は『人造人間ハカイダー』(95年)といった新作映画にテレビシリーズ劇場版の併映形式で通算3年に渡り、GWの定例行事として続くが、観客動員的に年々下降傾向になっていって、自然消滅(93年度4億8千万、94年度3億5千万、95年度2億2千万。以上は映画館の取り分である「配給収入」基準の数字。「配給収入」の約2倍が21世紀以降の指標となった「興行収入」(総売上高)に相当)。
 今思えば早すぎる展開だったのかもしれない。

*2:東映映画村が製作するVシネマで、番組が終わった戦隊・ライダーの出演俳優を起用しての本格派時代劇『イケメン新撰組』(04年)が最初で、続く『弁慶と義経』(05年)と、同時期放映のNHK大河ドラマ新選組!』(04年)と『義経(よしつね)』(05年)の題材をモチーフに製作されているのがポイントである。
 また映画村開村30周年記念作として前述の作品とは別の流れで製作された『超忍者隊イナズマ!』(06年)は、これまでの戦隊京都ロケ編で、自らが愛好する『仮面の忍者 赤影』(67年)へのオマージュを炸裂させた演出を連打した渡辺勝也がその嗜好を全面に発揮、続編『超忍者隊イナズマ! SPARK(スパーク)』(07年)が制作された。

*3:平成ガメラ三部作(『ガメラ 大怪獣空中決戦』(95年)『ガメラ2 レギオン襲来』(96年)『ガメラ3 邪神(イリス)覚醒』(99年))に連続出演を成し遂げ、『ウルトラマンガイア』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)、『ゴジラモスラキングギドラ 大怪獣総攻撃』(01年)、そしてこの『仮面ライダー電王』を含めて日本特撮四大シリーズ制覇ということである。
 尚このガメラ、ウルトラ、ゴジラ、ライダーの四大シリーズを渡辺裕之より先に制覇した俳優として、元祖“おやっさん”こと小林昭二(こばやし あきじ)の存在を忘れてはならない。

*4:尚平成『仮面ライダー』シリーズの後座枠のアニメ『プリキュア』シリーズでも、人気お笑いタレントの声優としてのゲスト出演が近年見られる。
 『Yes! プリキュア5 Go Go!(イエス! プリキュア ファイブ ゴーゴー!)』(08年)第17話「たむけんさんの宝物」にたむらけんじ、『フレッシュプリキュア!』(09年)第27話「夏だ! 祭りだ! オードリー!!」にはオードリーがそれぞれ出演しているが、両者とも本人役としてのゲスト出演である。
 そのためキャラクターもタレント自身に似せて描かれている。
 また前述のエド・はるみも劇場版『映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス) みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』(09年)に、ダンスコンテストの司会者役で出演しているのは有名な話だ。

*5:『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』は2007年8月4日(土)封切り、『フレッシュプリキュア!』第28話「大切な記憶! おじいちゃんとの思い出!!」は2009年8月16日(日)放映であるが、この『プリキュア』は製作局である大阪の朝日放送テレビ朝日系)のみが毎年行なっている夏の高校野球中継のために、同年8月24日(月)朝10時30分よりの振替延期放送となった。
 ちなみに2009年度は春に全国で猛威を振るった新型インフルエンザによるGW前後の学級閉鎖の分を補充するため夏休みを短縮、8月24日が始業式になったため、この日は通学で見られなかった視聴者もいると思われる。今はビデオ録画機器があるから、それで録画すれば帰宅後に視聴可能だが、録画ミスしたケースを考えると見ることのできなかった視聴者の悲劇も理解できる。
 内容からも明らかにお盆休みという時期的なものを意識して放送したというのが理解できるだけあって、盆明けに放送されても時期外れで残念な印象がある。
 尚ものはついでに蛇足(だそく)ではあることを承知の上言及するが、『ウルトラマンティガ』(96年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)の第49話「ウルトラの星」も、1997年8月9日(土)の放映でちょうどお盆を直前に控えた時期のオンエアであった。
 特撮監督・円谷英二つぶらや えいじ)、一(はじめ)父子や、脚本家・金城哲夫(きんじょう てつお)などの今は亡き「ウルトラマンを作った男たち」への脚本担当の上原正三(うえはら しょうぞう)による送り火だったと思う。

*6:松元環季は、映画『20世紀少年』(08年)で常盤貴子(ときわ たかこ)演じるユキジの子ども時代を演じたことがトリビアとして語られるが(他にも人気アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(08年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20081005/p1)にレギュラー出演)、実は実写版『美少女戦士セーラームーン』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041105/p1)でも第34話「はなしあう親子」にて幼少期のセーラーマーキュリー水野亜美を演じているのだ。
 松元が成長すれば、彼女がセーラーマーキュリーを演じる『美少女戦士セーラームーン』新シリーズが見たいと思うのだが。当然実写で。