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ファミリー劇場『ウルトラ情報局』ウルトラマンタロウ編 〜1


「ウルトラマンタロウ 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧
[ウルトラ] 〜全記事見出し一覧

ウルトラマンタロウ』再評価・全話評! 連載開始!


(文・森川由浩)
(07年7月執筆)

2007年5月号 田口 成光(たぐち しげみつ)(脚本家)

 元は脚本家志望で、円谷プロに入社、『ウルトラセブン』(67)特撮班助監督として活躍、以後円谷プロ企画室に移籍、脚本家としては『帰ってきたウルトラマン』(71)がデビュー作で、以後『ミラーマン』(71)『ウルトラマンA(エース)』(72)『ジャンボーグA(エース)』(73)と続き、この『ウルトラマンタロウ』(73)では第一話を担当、以後後期第二期ウルトラシリーズのメイン文芸陣として活躍するようになる。

・新シリーズのコンセプト

 「“タロウ”という名前からしてそうなんですけど、日本の昔話の主人公の名前は大体“太郎(タロウ)”なんですよ。“日本の男の子”っていう名前かな。僕らの中では現代版おとぎ話かな、ネオメルヘンなんて言い方をしたりしたんですけど、新しい民話というか、童話をウルトラシリーズでやってみようというのが最初の発想だったんですね」(談)


 「シリーズはプロデューサーの思想というか、考え方が非常に反映されるので。『ウルトラマンタロウ』のときは一種の「総集編」というのかな? 積み重ねていった最後の形にしたいなというのがあって、そのためにシリアスな話もディフォルメした形っていうんですかね。隊員の名前も頭に東西南北とつけたり、(メカニックの)デザイン的にも非常にオモチャキャラのようなカラフルなものだったり。BGM(劇伴楽曲)も結構コミカルなノリに。怪獣も今までの怪獣と違って、水に溶けたりとか、煙になってしまうとか、ちょっと摩訶不思議なものがあったんですけどね」(談)

ホームドラマのテイスト

 「白鳥(しらとり)家という家を設定しまして、そこに東光太郎(ひがし こうたろう)が、下宿なんですけどね、自分の帰る家があるという設定になっていますね。弟のような彼(健一)もいるし、妹のような、恋人のような(笑)女の子(さおり)がいたりしましたよね」(談)
 「『タロウ』の場合、頭からお母さん出てくるから。ファミリー(の要素)が強い」(談)
 「観ている側のファミリー、女の子が結構観てくれた。今までのシリーズとはそこが一番違うかも知れませんね」(談)

・子どもの視線

 主人公が子どもというのが多いが。
 「これは僕の視点よりも、(プロデューサーの)橋本(洋二)さん、橋本イズムというか、そういう子ども達にも見せてあげたいとか、見て欲しいという願いがあったんでしょうね。だから割と判り易い、明るい、優しい。SFアクションドラマでないニュアンスが強いですよね」(談)
 「監督は山際永三さんという方で、国際放映で『チャコちゃんケンちゃん』(67・TBS)、『コメットさん』(初代・67・TBS)とか、ああいう子ども向けの実写を随分やっていた方なんで、子どもの気持ちを捉えやすいというか、新しい視聴者の開拓というのはありましたね」(談)

・個性的なZAT隊員

 演技なのかなと思うようなやり取りが特徴。
 「余りはまった“クサい”芝居じゃなかったねぇ」(談)
 「三本くらいやりますと、それぞれ役者の持ち味とこっちの意図した部分が段々馴染んできますから」(談)

・主人公・篠田三郎

 「清々(すがすが)しさと云うのかな? 爽やかさと云うのか。人柄もあると思いますが。(主演が)初めてということもあって、多少不器用なところもあったけども、意識的にそうしたら役柄とマッチしたんでしょうけど。結構汚い言葉使ってるんですよ。「チキショー!」とか、「バカヤロー!」とかね。彼が叫んでも嫌みにならない。いい効果というか、味は出してますよね」(談)

・時代を象徴するゲスト

 「ファミリーということで、一緒にテレビ見ているお母さんがご存知の方、例えば第一話でタロウに変身するバッジを与える緑のおばさんは、『帰ってきたウルトラマン』の隊長さん(伊吹隊長 演・根上淳)の奥さんで、ペギー葉山さんという有名な歌手なんですよね。秘密の話なんですけども、1話で怪我してる光太郎を抱き上げて、マフラーを結んでくれるんですけども、本当はお母さんなんだよというのを判らせるために、お母さんが光太郎の傷に口づけするんだよね。治るおまじないといって。血の繋がりが描かれているというか」(談)
 「ボクシングのところに出てくるオーナーみたいなオジサンがいるんですが(第2、3話)、あの当時キックボクシングがすごく流行ってて、その解説*1をやっていた寺内大吉(作家)さんという有名な方なんですよね」(談)
 「それと我々脚本家の大先輩で石堂淑朗さんが6人の子持ちのお父さんで出てきたり(第24話)。本当にファミリーで作ってる番組でしたね」(談)

・東光太郎への思い

 「僕がこのシリーズ始めた頃に丁度子どもが生まれましてね。実は光太郎って名前付けようかなって思ってたんですけどね、親戚の子に光太郎ってのが生まれまして(笑)、今年生まれた孫に光太郎って付けたんですよ。だから自分の生まれた子どもが東光太郎のようになって欲しいなという思い入れがありましたね」(談)

・最後のメッセージ

 「数ある『ウルトラマン』シリーズの中で、たっぷり“ウルトラ”の世界を見られるのがこの『ウルトラマンタロウ』です。皆さん、じっくり見て下さい」(談)

(解説)

 『ウルトラ情報局』は『ウルトラセブン』放映時期に続いて二度目の出演になる田口成光。
 今回は前回の特撮助監督ではなく、脚本家としての登場になる。話題も本作のみに絞り、その前後に手掛けた他作品の話題は無かったが、『タロウ』のみに絞った濃密な話題で送る『ウルトラ情報局』『ウルトラマンタロウ』編第1話の幕開けを飾った。
 尚本作の頃、田口は円谷プロを退社、『刑事くん』(二作目・73)や『走れ! K−100(ケー ひゃく)』(73)といった他社のドラマにも進出しているが、そんな時期にメインライターを務め、フリーとして一本立ちした田口の成長を顕著に代表する作品がこの『ウルトラマンタロウ』だろう。
 田口は大ヒットした実写児童番組『あばれはっちゃく』シリーズ(79〜)に参加し、アニメでは『草原の少女ローラ』(75)『新竹取物語 1000年女王』(81)『六神合体ゴッドマーズ』(81)『機甲艦隊ダイラガーXV(フィフティーン)』(82)『特装機兵ドルバック』(83)『ゴッドマジンガー』(84)も執筆。


2007年6月号 岡村 精(おかむら まこと)(監督)

 TV『怪奇大作戦』(68)の助監督で円谷プロ作品に初参加、以後映画『男一匹ガキ大将』(71・勝プロ 助監督)などを経て、『帰ってきたウルトラマン』(71)で再び円谷プロに帰って来た。以後『ウルトラマンレオ』(74)までの第二期ウルトラシリーズや『ジャンボーグA』(73)『怪奇ロマン・君待てども』(74)『土曜ワイド劇場 怪奇! 巨大蜘蛛の館』(78)等の円谷作品で活躍。
 マニア間では映像派の監督として知られる。

円谷プロ作品への参加

 『帰ってきたウルトラマン』で助監督、『ウルトラマンA』で監督に昇進。
 「当時熊谷(健)さんっていうプロデューサー知ってまして、まぁ親しいから「ちょっと無い?」って、「空きがあるから来ないか」て言われて。だから一年通してやったとか、そういうことでは決して無いんです」(談)
 「当時の社長の円谷一つぶらや はじめ)氏、一年に一回夏ごろにスタッフを集めてパーティー、会食をするんですよね。その席でね「岡村君に今度やってもらうから」と言われて、関わったのが『A』だったんですよね」(談)

・初監督作品『ウルトラマンA』第30話「きみにも見えるウルトラの星」

 (http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061125/p1
 「多少意地っていうかね、こういう言い方は失礼かもしれないけど、「違うんだよ」という意識は凄くもっていたけど、答えは同じような思いだったかも知れないし。脚本も良かったと思うけども」(談)

・命の尊厳・1

 「バクの話(『A』第31話「セブンからエースの手に」・(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061204/p1)も撮ったんですよ。怪獣を殺さなくていいだろうという僕の中の意識が強かったから、特撮の監督にも「これは殺さないでくれ」という形を採ったのが印象に残ってますね。今の時代、何でも殺しちゃう社会現象に似てると。それには抵抗があったから、強いて言えばそういう意識は強かった。気持ちは演出する上で、心の中に充分持って仕事に関わってきたというのは事実ですね」(談)

・『ウルトラマンタロウ』への参加

 第8話「人喰い沼の人魂」で登板。
 「(主役の)篠田さんのイメージってやっぱり、強いとか、暗いとかそういうイメージじゃないよね。ソフトで好青年というイメージが強かったから、そういうこともやっぱり演出する上で多少は考えなければいけないという頭が僕の中にあったのかな。子どもに神経が行ったというところはありますよね。それも好青年だったし、一生懸命真面目に取り組んでいた印象はありますね」(談)

・プロデューサー・熊谷健(くまがい けん)

 「彼も作家精神が豊富な方で、(ウルトラシリーズ)初期の脚本家で金城(哲夫 きんじょう てつお)さんって沖縄の方がいらっしゃいましてね、金城とは僕、学生時代一緒に学生演劇やってたんですよ。その関係である日会ったのが円谷でプロデューサーやってる熊(谷)さん。よく酒飲んだりね。激高するタイプで無いしね。ソフトで相手の話も充分聞いてくれる、優しい、知的なセンス持ってる人なんですよ」(談)
 「あの当時フィルムだからね、「もっとフィルムくれよ!」とか言って「出せないんだよ!」て。普通の長さ×(カケ)3倍っていうんだけど、それが規定だ。もう5倍くらい使うと書類書いてね、「熊谷さんすいません」て渡して(笑)。「ケチ!」なんて酒を飲んだときは時々言っていた」(談)


 そんな岡村作品に熊谷健がゲスト出演!?
 「モブで通る(怪獣トンダイルに殺される)、あれが熊さんです(笑)。あのときフィルム足りないから「フィルム出して」て言ったけど中々いい返事しないんでそのまま撮影に行ったので、「何だ、熊(谷)殺しちまえ!」て(笑)。そんなことしたからって別に怒りもしないしね。僕とは今でも親しい関係ですよ。真面目な話もしたし、信頼できる関係でしたね」(談)

・俳優・大泉滉(おおいずみ あきら)

 岡村作品には『A』第30話と『タロウ』第8話に出演。数多くのTV、映画でその個性を際立てた有名バイプレーヤー(脇役)の登場。
 「「死ぬまで俺は主役じゃなくちゃ嫌だ!」というタイプの人ではないんで、人間のいい面が出てるんですよね。ちょっといい加減だなぁというイメージがあるけども、「本人は結構一生懸命やってるんだ!」という、でもいい加減ではないんだというのは感じられる人でしたね」(談)


 大泉の起用は岡村の指名か?
 「プロデューサーと話し合ってね、この役誰がいい? 大泉さんどう? という程度で、「何が何でもこの人」とかそういうことはありませんけどね」(談)

・命の尊厳・2

 最後死んだと思った父親は生きていて、息子と再会する演出にドキリ。
 「まぁまぁ、関わったスタッフとか出演者が、それなりに頑張ってくれたから、本当そう感じる人はいいだろうね。そういうところが原因だと思いますよ」(談)

ウルトラシリーズへの思い

 「あのね、夢を感じさせてね、僕の方にも。やってる人も結構夢っぽい部分と現実の部分を、みんなそれぞれ全員というわけに行かないけどね、一部の仲の何人かは、そういうことを意識してやってくれたような。僕の気持ちを伝えても、それなりの手応えは、テレビだから短い期間だからね、二週間くらいで二本撮っちゃうような、もっと短かったかもしれないね。苦労はあるんだけどもそれなりに楽しく僕は仕事できました」(談)

・最後のメッセージ

 「僕も今から30年くらい前の監督作品で、演出上稚拙な部分が沢山あるかもしれませんけど、どうぞ『ウルトラマンタロウ』みなさん見て下さい。宜しくお願いします」(談)

(解説)

 『ウルトラ情報局』の『ウルトラマンタロウ』編第2回は監督・岡村精登場である。
 岡村は同時期の円谷プロ作品『ジャンボーグA』での活躍の方が多く、『タロウ』では第8話と続く第9話「東京の崩れる日」の二話分しか担当しておらず、メイン監督に比べての印象は弱いかもしれないが、プロデューサー・熊谷健との親交や俳優・大泉滉に纏(まつ)わる秘話、そして児童向け番組の良心を司る「命の尊厳」の自作での描き方などの言及といった興味深い話題が続出、見る者の関心を大いに誘った。
 また本番組中、助監督時代の経歴で『怪奇大作戦』への言及が無かったのも不思議だが、これはたまたま本人が失念していただけなのか、または現在欠番扱いの第24話「狂鬼人間」での登板ゆえ、編集でカットされたのではないかと邪推しているが……。
 尚岡村精の表記は、『怪奇』はもとより、『タロウ』本放送当時は岡村「精」表示になっているが、今回の当番組出演時には、旧字体の「精」(編:つくりの「青」が旧字体。「月」が「円」。「はてなダイアリー」では表記できず)で表記されている。


2007年7月号 瑳川 哲朗(さがわ てつろう)(俳優 ナレーター)

 テレビ時代劇『大江戸捜査網』(70〜84・テレビ東京)の井坂十蔵役が代表作の有名俳優。『スペース1999』(イギリスITC 74・77に日本放映)の主役コーニッグ指揮官、『スタートレック』映画版(アメリカ 79〜)のミスター・スポックのTV放映吹き替えも担当し、SFファンとしても知られる。
 橋本洋二プロデュース作品には『ガッツジュン』(71)の平賀部長役で出演、以後『ウルトラマンA』竜隊長役へと連投、本作でナレーターに転身、続く『ウルトラマンレオ』まで通算四年ものロングランで活躍する。

・TACの竜隊長!

 瑳川は竜隊長をどういうキャラクターとして捕らえたか?
 「ウルトラマンはご存知のとおり人間、地球人ではない。ですから地球人として、ウルトラマンに近い、こうありたいと思うような人間像を演じたいと思いました。地球人だから、人間として欠点もあるし、悩みもある。その中で、「正義」といいますか、「人間がこうあるべきだ」みたいな生き方をしている一人の人間像という風に思いました。出てくる隊員はそんなに多くないんだけど、実際は物凄い数の人間が防衛軍には居るわけですよ。その中の隊長として出てくるんで、それはかなり意識しました」(談)

・印象に残るエピソード

 「ウルトラシリーズというのは、子ども対象の作品ですよね。でも作ってるスタッフはその裏側に、ちゃんとドラマを考えてらしてたみたいで、『A』のシリーズなんか特にそうなんですけども、裏側に凄いドラマを、ウルトラシリーズというSFの形をして作ってるという要素がかなりあったんですね。
 それが全部記憶に残りますよね。ゴルゴダの丘とか、はりつけになるような話(第13話「死刑! ウルトラ5兄弟」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060803/p1)第14話「銀河に散った5つの星」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060805/p1))があったんですよね。哲学的なテーマ」(談) 

・子どもたちからの支持

 隊長役に選ばれたとき、瑳川は多忙で「ちょっと無理じゃないか」と返したが……。
 「そしたら「瑳川さんそれは考え違います。見ている人は子どもだけど、いずれ大人になります。大人になって多分貴方を支持します。それは凄い俳優にとって大事なことなんです」てなこと言われたんですよ」(談)
 「まさかそんなことはないだろう」と思ったんですが、結果的に何十年経ちましてね、そのとおりでした。僕は今芝居(舞台)の仕事多いんですけど(註:世界的な舞台演出家・蜷川幸雄(にながわ ゆきお)の舞台の常連!)、楽屋口で、30歳〜40歳くらいの大人が「サインして下さい」て待ってるんですよ。何人もズラ〜っと。「え? なんでこんなに男性のファン多いの?」みたいな(笑)」(談)
 「つまり『A』、ウルトラマンのファンなんです。これは、びっくりしたのと嬉しかったのと、ああ、自分達の仕事というのは、こうやって人の中に何かを与えて、夢でもいい、それがこのままずっと何十年たってもまだ生き続けている。特にあの我々が作ろうとした裏側のテーマを子どもが何かでキャッチしてそれをずっと持ち続けている。僕は自分の俳優の仕事としてすごい嬉しかった。こういうことが「夢を持ち続ける」ということにつながるのかな。子どもが受け取ることは強いんですよね。これはずっと生きています。いまだに」(談)

・ナレーターとして続投

 隊長役から一転、翌週よりナレーターに転職(?)。
 「ウルトラシリーズのスタッフは、かなりファミリー的要素がありまして、一編仕事すると、結構繋がりが深いんですよ。だんだん深くなってきてね。次の企画のときに「この人に参加してもらいたい」みたいなことだったと」(談)
 「だって映像(え)で出るわけいかないですよね。その前『A』でやってる」(談)


 ナレーターとして意識したことは。
 「非常に意識的に「クリア」にというか、はっきり明瞭に、喋ってますね。普通のナレーションよりは。自分の中でも聞いてる対象がお子様だったりすることもあって、よりよく伝わるようにと意識したと思います。シーンの内容の表情といいますか、ニュアンスというか、普通よりちょっと強調しているみたいですね。シンパシーというか、かなり心情的に入り込んだ、接近した語りというのをやってるんですよね。そういう意味でより演技している実感があるというか。ウルトラシリーズを知った上で尚且つそれをやっているという。それ自分ではすごい楽しかった」(談)


 声だけの演技は?
 「難しいですよ。イメージと内容と、それと色んなもの、同時にニュアンスで伝えなければいけない。シーンによっては声の色というか、表情もかわらなければいけないじゃないですか。そういうものも要求されるから音は重要ですね。作品として」(談)
 クレジットを見れば竜隊長と同じ人。
 「自分の中ではダブってないし、別のものだと思ってますけれども。『タロウ』の作品内容をよりよく伝えるかということも含めて、何か苦心していたみたいですね」(談)

・予告編のナレーション

 「本編中のはね、明瞭、かつ判りよく、次の話のイメージがはっきり伝わることですよね。予告編というのはちがうんですよね。「来週見てね」ですから、かなり期待を持たせる。短いんだけども、ドラマチックに。「面白いよ!」というのを出すという風にやったみたいですけど」(談)

・3年間のシリーズ参加

 次回作『ウルトラマンレオ』にもナレーターで続投。
 「『レオ』って作品が違ってましてね。『タロウ』という名前が、日本人の男の子の代表的な名前じゃないですか。だから『タロウ』には男の子というもののイメージを託すというのがあったけど、『レオ』は雰囲気が違った作品だったので、ちょっと変えましたね」(談)
 「3年連続というのは私だけかもしれません。光栄に思います」(談)

・最後のメッセージ

 「ウルトラマンシリーズというのは、素晴らしい作品だと私は思っております。私はそれに出演できて関われたことをとても誇りに思っております。皆さんもこの作品の中から、その裏側にあるメッセージなりドラマなり、いろんなものがありますので、それを汲み取って、それを自分の夢として、これからも大事に持ち続けていただきたいと私は願っております。みなさん、いい大人になりましょう」(談)

(解説)

 『ウルトラ情報局』の『ウルトラマンタロウ』編第3回は、前述のように隊長&ナレーションで通算三年もの長い間、第二期ウルトラシリーズを支え、文字通り「ウルトラシリーズ最多出演」記録を誇り、第二期ウルトラシリーズの顔でもある俳優・瑳川哲朗の登場である。
 尚インタビューのみならず、今月は7月分放映分の『タロウ』エピソードガイドのナレーションも、番組ナレーターの真地勇志(まち ゆうじ)ではなく、瑳川自らが手掛け、視聴者を驚愕させた。実際瑳川は近年、『ウルトラマンA』〜『ウルトラマンレオ』DVDプロモーションの店頭上映用映像の新録ナレーションも担当、現役振りを我々に刻印しているのは周知のとおりである。
 まず『ウルトラマンA』の竜隊長役での話題も勿論(もちろん)だが、ナレーターとしての秘話も披露、俳優が顔出しのみならず、声のみ、しかもナレーターという影に徹し、番組を盛り上げるという重要な位置付けの役どころをこなしているのが、今回の証言で更に裏づけされた。


2007年8月号 西島 明彦(にしじま あきひこ)(俳優 上野孝隊員役)

 公開劇ヒーロー番組『突撃! ヒューマン!!』(72・日本テレビ、モ・ブル)でヒューマン二号・岩城淳二郎役を演じ、以後『流星人間ゾーン』(73・日本テレビ東宝映像)にゲスト出演、そして本作でZAT隊員・上野孝役として第8話「人喰い沼の人魂」より活躍する。

・出演のきっかけ

 「三ツ木清隆(西田隊員役)さんが、違うお仕事*2という形になりまして、私が代役で転勤という設定で、出させていただきました」(談)
 ウルトラシリーズは見てましたか?
 「『ウルトラQ』(66)の、こういう映像(OP(オープニング)のタイトルロゴの回る映像をジェスチャーで再現)の頃から見てましたね」(談)

・ZATの和の中に

 「普通のお家の中に、突然行くお客様みたいな感じがして、行く前までは本当に気が重かったんですけど。でも本当に撮影始まると、東野さんはパパだし、東(篠田)さんは兄貴だし、その他の方たちもみんな、途中から来たという感覚が全くなく、すごく溶け込みやすくやらさせてもらいました」(談)
 「篠田さんはお仕事してるときに、突然不思議な動きをされてるんですね。「何をされてるんですか?」て聞いたら、「西島くん、人間はまっすぐ立ってることはないんだよ。僕はちゃんとそういうの研究してるんだ。表現したいんだ」なんて言ってて、そんなところまで掘り下げるんだぁってすごくびっくりした記憶がありますね」(談)


 篠田三郎と一緒に行動することが多かった。
 「ただ当時免許を持ってなかったんで、篠田さんに運転して頂いて、ラビットパンダやウルフとかみんな、何故か僕が助手席にいたという不思議なところがあるんですけど(笑)」
 「本当にお世辞でなくて、中でもああいう隊員だし、外に行っても本当仲良くて、みんな揃って。ロケが随分ありますんで、行く先々で合間にお弁当食べたりお店行ったり、それはもう楽しいですね」(談)

・タロウの印象

 「ウルトラマン集合とか、その中でもって一際目立つ存在で、特に自分が出ていた番組ですから、その存在感が一番目に飛び込んでくるということでした」(談)

・上野隊員の活躍

 上野隊員は若く、活発で優しいイメージ。
 「結局これをやってる最中に、篠田さんなんかも「上野」とか「上野隊員」とか色々やってくれる、ああいう優しさがそのまんま流れていくんで、自分としてはそれの流れに乗ってればやれちゃったという感じですね」(談) 
 自然の流れで。
 「周りの人たちの援助というか、勿論自分ひとりで演技してるわけではないですし、そういうときに本当に自然に盛り立ててもらえた」(談)


 アクションシーンが多い作品だが、台本にその旨(むね)ト書きで書かれていたときは?
 「これはしめた! という感じですね。そのときには私が出れるわけですし、思い切り演じることも出来るし、ましてそういう跳んだり跳ねたりが大好きだったので、ずいぶん派手なことやってたなというのは、後になって思いますね」(談)
 「いくらセットとはいえ、灯台の手すりから落っこちていくなんていうシーン(第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」)では夢中になって一回転して、落っこったりとか」(談)

・印象に残る監督

 「山際永三さん、特に子役さんとの絡みが結構多いんですけれど、子役さんを上手く使ってくださったり、イコール我々も上手く使ってくださるということで、出番も随分増やしてもらったり、すごく楽しくやらしてもらいましたね」(談)
 アドバイスを受けたことは?
 「どちらかというと、難しく考えるよりやってみろってことでしょう。「こんな感じだよ」というベースを下さるんで。すごくいいヒントで」(談)

・印象に残る作品

 「『タロウ』の場合、隊員さんを主役的に扱って下さる話があって、ムルロア(怪獣)のやつ(第25話「燃えろ! ウルトラ6兄弟」)、自分がそういう役で、あれは相当印象に残ってるというか、時々見ると嬉しいなと思ったりします」(談)
 「これもムルロアの頭の上に乗っかったりとか、結構アクションで、大分長い時間宙吊りになったりとかありましたけど」(談)

・子どもたちと

 子ども達に人気、その子どもとの交流は?
 「半分残念でもあるんですけども、九州のロケに行ったときに、みんなで小学校で歓迎会みたいなことをやってくださったんですけども、あんまりにも人が集まりすぎちゃって、バスで校庭を回ってご挨拶をする。車から降りて自分達を見せることが出来なかったんで。そのくらいの歓迎をしていただいちゃって」(談) 
 子ども達の反応は?
 「もう本当にロケに行ったときに声援なんかも時々聞こえたりして」(談)

・副隊長と二人で……!

 今だから話せる秘話? 西島は車の免許は持ってないがバイクは持っていて、バイクで撮影に出かけていた。そこで……。
 「そのときに東野さんが「じゃあ僕もバイク乗って来るよ」ってバイクに乗って来て下さって。当然ロケが多いので移動というのがあるんですけど、街の中を副隊長(東野)と一緒に、隊員服のまんま、ホントにバイクで移動した凄い思い出がありますね。みんなビックリですよね。突然街の中をビューっと走ってるわけですから(笑)」(談)

・『タロウ』での日々

 「とにかく、夢中になってやれることの嬉しさ、楽しさというのを習った。「早く明日が来ないかな?」。行けば夢中になってやっている。夢中になってやれることの楽しさを、教わった気がします」(談)

・最後のメッセージ

 「出演者、それからスタッフのみなさんの思い出が一人一人いっぱい詰まった番組が出来ました。皆さん、また宜しくお願いいたします」(談)

(解説)

 途中からとはいえ、第35話まで活躍したZAT隊員・上野役の西島明彦の登場だが(余談ではあるが西島が先に出た『突撃! ヒューマン!!』も実は途中からの参加である)、現在のその姿を見ての感想は温厚で、ソフト且つ丁寧な口調で楽しかった青春時代の思い出を語るその姿には、実に好感が持てる。そして壮年になっても爽やかさをもっているのに驚かされた。
 そしてその西島を迎えるスタッフ、キャスト諸氏の話題も微笑ましいものが多く、作品に溢れるソフトで明るいムードは、演出や脚本だけではなく、製作現場の雰囲気からも如実に伺えることが今回の証言にて立証された。
 西島は以後も歌手としてレコードを出したりしていたが、今は芸能界を引退、キャラクター商品を扱う企業の専務として活躍中である。勿論円谷プロの作品も取り扱っているとのことであり、ウルトラマンシリーズも西島務める会社で扱われているのは、何かの縁であり、運命的なものもあるのだと思う。

(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『ウルトラマンタロウ』再評価・全話評大特集より抜粋)


[関連記事]

*1:『キックボクシング』(68〜79)。月曜夜7時からTBS系で放映されていたもので、当時橋本洋二が手がけていた「ブラザー劇場」枠(月曜7時30分〜8時 ブラザー工業・ブラザーミシン販売提供)の前座番組。番組開始時の「キーック ボクシング!」というタイトルコールが世代人には懐かしい。あの『キックの鬼』として知られるボクサー・沢村忠(さわむら ただし)の試合をこの枠で放映していた。だからアニメ『キックの鬼』(70・TBS、東映動画)(『帰ってきたウルトラマン』の前番組でもある)はTBSが放映権を獲得したのである。

*2:特撮時代劇『白獅子仮面(しろじしかめん)』(73・日本テレビ、大和企画、http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060306/p1)の主役・剣兵馬(つるぎ ひょうま)である。ちなみにこの作品を制作した大和企画の前身・日本電波映画株式会社(『宇宙Gメン』(63 日本テレビ)、『幻の大怪獣アゴン』(64製作・68放映 フジテレビ)、『ジャングルプリンス』(65製作・70放映 日本テレビ))の社長は、俳優・国広富之(くにひろ とみゆき)の実父である。