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ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI 天空大作戦 2007年師走~08年正月! 一番くじ ウルトラセブン

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ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI 天空大作戦』・『一番くじ ウルトラセブン

(文・久保達也)

ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI 天空大作戦』 ~2007年師走~08年正月!

(2007年12月6日〜2008年1月20日・六本木ヒルズ森タワー52階 森アーツセンターギャラリー)


 といっても、筆者は出かけたわけではない。


 「ヒルズ族」なる連中に異常なまでの嫌悪感を抱く筆者(に限らず、大半のマニアがそうか?・笑)からすれば、その気になれば数時間で行ける範囲に居住しているにもかかわらず、意地でも六本木ヒルズなんて場所に足を運びたくはなかったのである。


 そうでなくとも、六本木ヒルズ、いや、そもそも六本木という土地柄そのものが、我々にとっては非常に敷居が高い場所であるように感じられる。そんな場所にオタクが足を踏み入れてもよいのか? 警報ブザーが鳴りはしまいか? 地雷が炸裂するのではないか?(爆)


 CDショップ・HMVで、特撮ヒーロー作品のDVDが発売されるたび、記念イベントが一時期頻繁に行われたものだった。
 だが、『仮面ライダーV3』(73年)の主役・風見志郎を演じた宮内洋や、『帰ってきたウルトラマン』(71年)のスーツアクター・きくち英一、防衛組織MAT(マット)の南隊員を演じた池田駿介ら、豪華なゲストにはぜひお目にかかりたいと思いつつ、HMVの店内に足を踏み入れることに多大な勇気を必要としたくらいであった。


 いわゆる「シブヤ系」とでも形容するにふさわしい、店の内装も店員も客層も「おしゃれ」で埋め尽くされた場所で、なぜそのようなイベントを催すのか不思議で仕方がなかったものであり、グラビアアイドルの写真集やDVDの発売記念握手会のように、どうして石丸電気ヤマギワソフト(笑)でやらないのか、素朴に疑問だったものだ。



 これは本誌2008年号で主宰のT.SATO氏も書いていたように(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080302/p1)、「世界SF大会日本SF大会」同時開催(07年)に参加している外人と、六本木で豪遊する外人たちとは「人種が違う」のであると同様、我々と「ヒルズ族」「シブヤ系」とは明らかに「人種が違う」のであり、彼らが生息する場所は本来ならば我々にとって、「デンジャラス・ゾーン」なのである(笑)。
 やはり我々にとっては毎週日曜に女性アイドルグループ「AKB48」(エーケービーフォーティエイト)のライブが開かれる秋葉原のような(東京に居住していたら毎週通いたい・笑)、雑然とした居住空間がふさわしいのである。もっとも「虚実入り乱れた街」という意味では、秋葉原も六本木も同じようなものかもしれないが。



 閑話休題
 そんなわけで、ぴあが07年12月26日に発行した、今回のイベントの図録をヤフーオークションで定価とさして変わらぬ価格で入手(しかし入札したのが筆者だけだというのもなんだかなあ……)、少しでも行った気分に浸ることにした(笑)。


 なんといっても今回の目玉は、第1期ウルトラシリーズの人気を子供たちに定着させた最大の功労者である、名編集者・大伴昌司(おおとも・しょうじ)と、怪獣絵師たちが残した足跡(そくせき)の数々の展示である。


 従来の少年誌でゼロ戦戦艦大和などの戦記物の特集にて展開された「図解」という手法を、大伴が応用して編み出した「怪獣解剖図解」は、添えられた「虚実入り乱れた」数値や能力の解説が、不思議な説得力とリアリティを生み、大人たちには「荒唐無稽」な設定に思えても、むしろ子供たちには怪獣が身近でリアルな存在となったのだ。


 『ウルトラマン』(66年)第2話『侵略者を撃て』に登場した宇宙忍者バルタン星人を例にあげれば、作品内で披露した分身術やハサミから出す赤色の冷凍光線に対し、


 「脳 - テレパシー頭脳。これで分身術を使い、人の目をくらます」
 「手のはさみ2 ー 冷凍液の袋。赤色の霧を作る」


 といった具合に特殊能力の発生原理をそれらの解剖図解に添えて説得力を与えるばかりでなく、


 「目 - 5000個の眼細胞からできた目。1万メートル先の米粒が見える」
 「手のはさみ - 厚さ20センチの鉄板をジョキジョキ切り裂く力がある」
 「すね - 無色の腐食液。バルタン星人の歩いた跡に付いていて、これに触ると肉が腐る」


 など、劇中には登場しない設定をも具体的に数値で解説。当初の円谷プロの基本設定に後づけを加え、無限の想像力でどんどんと膨らませ、再構築していったのである。


 そればかりではない。自ら考案した個々の怪獣の設定を比較させることにより、「怪獣ジャンプくらべ」「怪獣飛行耐久力コンクール」、はたまた「怪獣特売場」(怪獣がいくらで売れるのかを競わせた企画であり、最高額はどくろ怪獣レッドキングの4500万円、最低額は怪奇植物グリーンモンスの50万円・笑)、そして速さ、力、スタミナ、乱暴さ、食べる量などから10点法で採点した「びっくり成績表」など、怪獣をカテゴライズした大胆企画!
 これらにより、怪獣たちは文字通り「生きている存在」となり、子供たちの間での怪獣人気を不動のものとし、空前の「第1次怪獣ブーム」を巻き起こす原動力となったのである!



 そして怪獣たちを「生きている存在」として子供たちに印象づけたもうひとつが、講談社少年マガジン』のグラビアや、おびただしく刊行された怪獣図鑑にとどまらず、フォノシートや文房具、菓子のパッケージにまで描かれた迫力あるタッチの「怪獣決戦画報」である!


 怪奇植物グリーンモンスに空手チョップ、どくろ怪獣レッドキングにとび蹴り、透明怪獣ネロンガスペシウム光線と、必殺技を次々に繰り出すウルトラマンを描いた「ウルトラマンの三段連続わざ」、数十匹の怪獣たちが市街地を破壊しながら決闘を繰り広げるさまを描いた「超ワイド画報 オール怪獣大激闘」(絵師は共に南村喬之(みなみむら・たかし))などの大パノラマは、当時はまだ珍しかった本編のカラースチール以上に、子供たちに絶大なインパクトを与えたのである!


 これらは『少年マガジン』の初出後に『続・怪獣画報図解・怪獣図鑑』(大伴昌司・秋田書店・67年3月1日発行。――現・皇太子殿下が小遣いで初めて買った書籍として名高い)や、『カラー版・怪獣ウルトラ図鑑』(大伴昌司・秋田書店・68年5月30日発行。――『ウルトラセブン』(67年)欠番第12話『遊星より愛をこめて』に登場した、「ひばく星人・スペル星人」に対する抗議運動(70年10月)の槍玉にあげられた書籍として名高い)などに流用され、劇中では描かれなかった、怪獣たちの「夢の対決」を夢想することの楽しさを、子供たちに与え続けたのである!



 「『ウルトラセブン』開始時に視聴者の年齢を上げることになった。つまり幼児を切り捨てて、中学生も対象に入ってきたわけです。それで事実僕なんかは『セブン』で1回外れたの。京都へ時代劇を撮りに行ってた。でもターゲットを上げたために、当時視聴率が40%とかとってたのが20%台の前半になってしまった。そして十数%まで下がったときに大変だっていうので呼び戻された。つまり『マン』のときは円谷一つぶらや・はじめ)とか僕とか、直球が投げられるピッチャーがいた。それでたまに変化球投げても、直球がいってるから。でも『セブン』はずっと変化球だから難しいんだよね」


 「だからね、追悼はいいんだけども、実相寺(昭雄監督・06年11月29日、胃ガンのため逝去)風は作っちゃいけないと思う。リメイクでオリジナル作るんだったらいい。でも実相寺がこれですよ、っていうことを後追いしてやるのは、リビルドしちゃうのはダメ」


(「色褪せない想い出」対談・飯島敏宏&桜井浩子より、飯島敏宏監督の発言を抜粋)



 我々スレたマニアたちが手前味噌ながら10数年前から主張してきたことを、飯島監督の発言が裏打ちしてくれている。『ウルトラセブン』が中期以降視聴率が低迷したのは、大伴昌司の「怪獣解剖図解」や、怪獣絵師たちによる「怪獣決戦画報」的な「直球」の魅力が半減し、「実相寺」風の「変化球」が目立つようになってしまったのが一因であるのはもはや明確であろう。


 昨07年、アニメ・特撮ライターのベテラン・氷川竜介氏が、『特撮ニュータイプニュータイプ・ザ・ライブ)』誌2007年03月号(07年2月1日発売・ASIN:B000MV7ZTG)での自身の連載『特撮ディナーショー第29回 《追悼》実相寺昭雄監督とその映像言語』において、アクロバティックな論法で


「『異端』と云われている実相寺こそが、実は映画の撮影の基本に最も忠実であった『王道』だったのだ(大意)」


 という趣旨のロジックを展開していたが、これはあまりに奇を衒(てら)いすぎた言葉のお遊びに過ぎる論理展開であって、いかがなものかと思う。


 往年の『シルバー仮面』(71年)において王道であるべき第1話で、暗くて何をやっているのかわからないような映像演出で仕上げてしまった失敗を思い出せば(ひいては作品の子供層への浸透の失敗、視聴率・商業的失敗にもつながった)、そのへんは一目瞭然のことだと思うのだが。


 飯島氏の発言どおり、ウルトラを再生するには近年の作品のように「実相寺」風を繰り返すことではなく、「直球」勝負一本で行くしかないのではないか?
 どうしても「実相寺」風をやりたいというのなら、『セブン』のNG台本『宇宙人15+怪獣35』ならば許すのだが……(『ウルトラセブン』放映40周年を記念するなら、『ウルトラセブンX(エックス)』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080413/p1)ではなく、この未映像化作品を劇場版でやってほしかった!・笑)



 BS11(イレブン)で絶賛放映中の『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)は、まさに怪獣絵師たちが描いた「夢の対決」の具現化であり、「怪獣博士」の隊員が「身長・体重・出身地・得意技」を解説するのはまさに「大伴」的(笑)。
 やはりこの路線は正解だ! 地上波でウルトラが復活するのなら、ぜひともこの路線を貫いてほしいと思う。いや、断固貫かねばならないのだ! 頼むでホンマに……


 なお『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』は08年4月25日以降、バンダイビジュアルから毎月DVD(ASIN:B0012LEGDI)がリリースされることが決定! BS受信していない筆者は、それまで楽しみに待ってます。
ウルトラマン大博覧会 ROPPONGI天空大作戦


一番くじ ウルトラセブン

バンプレスト・2007年12月29日発売)


 コンビニエンスストア、およびホビーショップ等で発売。
 「空くじなし」とはいえ、何が出るかわからないものに500円の出費は痛い。せめて300円くらいにするべきでは?


 まあ、どの景品もヤフーオークションに腐るほど出品されているので、送料込みでも安く入手でき、くじをひく機会はほとんどなかったが。


 ただ「発光フェイスディスプレイ賞」と「ジオラマフィギュア賞」(セブン対宇宙怪獣エレキング、幻覚宇宙人メトロン星人、宇宙竜ナース、宇宙ロボット・キングジョー、再生怪獣ギエロン星獣、甲冑宇宙人ボーグ星人が対決するさまを立体化した、まさに「怪獣決戦画報」の具現化!)だけは必ず高騰してしまうので、さすがに手が出ない。


 発売開始時にくじを全部買い占め、ダブった景品をヤフオクで売るのが最も効率の良い方法か?(そんな予算はない!)
一番くじ ウルトラセブン『発光フェイスディスプレイ賞』

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(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年冬号』(08年2月10日発行)『近作評EXTRA』合評より抜粋)


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