假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

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Nippon2007(第65回世界&第46回日本SF大会)に見る外人オタらの同じ匂い

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Nippon2007(第65回世界&第46回日本SF大会)』に見る外人オタらの同じ匂い

(07年8月30日(木)〜9月3日(月)開催)


(文・T.SATO)
(07年12月執筆)


 神奈川県民である筆者にとってはご近所でもある横浜(ドア・トゥ・ドアで1時間)での開催なので、真夏〜残暑の盛りに(当日は少し涼しくて助かった)、今回は特別例外イベントのために数万円(!)もするという高い参加費を払って、同人誌販売ブースに出店。
 ただし、勤め人だから全日参加ではなく、8月31日(金)〜9月2日(月)のみ。毎度SF大会では売れない売れない。古い作品を扱った同人誌しか(笑)。


 ……まあそんな私的なことはドーでもイイのだが、筆者のようなシニカルな人間にとっては、気になったことが一点。


 世界SF大会ということで外人のSFオタたちも多数来日。
 しかし、その外人たちには我々日本のオタたちと同じような匂いが……。


 もちろん物理的な匂いのことではない。見た目の風貌やそれから連想されるナイーブ(内気)そうな気質のことである。背スジ伸びてなくて輪郭亡羊、周囲の空気・空間もドヨ〜〜ンとゆがんでいるような(笑)。


 コレまた私事で恐縮だが、同じく別口で日本のSF大会に毎年参加していたという畏友に偶然遭遇。その彼ほか数名と参加期間中の毎晩餐の度に、彼も評していわく


 「明らかに六本木とかにいるスマートな外人たちとは人種が異なっている!」。


 もちろんコレは別に彼らをバカにしているワケではない。我々も同類ではあるのだし。……まあホメてもないかもしれないが(笑)。


 また、その彼の観察するところ、


 「白人ばかりで黒人がほとんどいない。いわんやヒスパニック系をや(大意)」。


 筆者個人はSF至上主義者ではない。
 しかしそのこととは別に、SFにおいて描かれたものが高みある普遍性に到達・抵触するものであったとしても、それを理解し享受する側である読者の側の問題。
 筆者はマルクス主義者ではないが、マルクスの云う下部構造(歴史・経済のこと)。


 別に金持ちブルジョワやインテリではなくともアッパーミドル(中流以上)で、上品ではなくとも最低限の安定した家族、経済的ひいては精神的な余裕がなければ、それにさらに加えてストリートには出掛けないインドアなイケてない系でなければ(笑)、SFファン(やサブカルチャーのジャンルファン)などという人種にはならないものなのかもしれない。


 もしもスラム街に生まれて、育ちの悪い同世代とのサバイブ・ポジショニングに明け暮れて、家の中でも両親がナベかま飛び交うようなケンカをくりひろげていたならば、心が安まらない状況に育つなら、SF小説などという一応の知的高等遊戯などに喜びを見出すこともなく、ヒマ人か軟弱性格タイプの余興にしか見えないことだろう。
 外人とはいってもほとんどアメリカ人だろうが、そんな貧富やら背景やら性格類型やらをも筆者らは垣間見た。
 しかも向こうでのジャンルの歴史も日本より長いし、長期の海外旅行もできるご身分だから、還暦前後の太めでメタボな高齢者が多い!(高度大衆消費社会下でのジャンクフードとジャンクカルチャーの関係なんてのもあったよね?・汗)


 とはいえ、海外(欧米)でもSF全般、特に中核たるSF小説の商業的苦戦、SFジャンルの拡散、ファンタジーなどの代替ジャンルの勃興による若年世代が減少・流入してこないことによるSFファンの高齢化などを危惧し、それに対処するため若年層・初心者をゲットするためのジュブナイルやマイルドな作品、隣接ジャンルの取り込みなどの改善案・代替案を模索する企画・トークが催されていたり(英語企画でバイリンガル企画ではなかったようだが)、ジャンルに対する問題意識を抱えている企画パネラーがいたことも、SF大会のカタログや後日の『SFマガジン』掲載のSF大会パネルレポートから確認できた……。


 かたや日本側の企画は、美少女アニメ涼宮ハルヒの憂鬱』(06年)のエンディング曲「ハレ晴レユカイ」(ASIN:B000EPFRDG)をみんなでおどろう! みたいな(笑〜もちろんネタとして極論化して云ってます)。


 欧米においても、「SF冬の時代」である日本におけるSF状況と、事態は本質的には変わらないようだ。
 そしてそれは、我ら(初出媒体:特撮同人誌)が棲まう「特撮」ジャンルの状況〜一般層や隣接層への拡散・流通というプラス事象と同時に、良くも悪くも中核を担うべきコアなマニアの若年層の数やジャンルマインドの減少というマイナス事象〜とも相似形であるともいえる。


 要はふだんから本誌の主要メンバー(全員ではない)が主張している、昨今の「特撮」ジャンル自体が抱える問題点に我田引水・牽強付会してみせているワケだが(笑)、したり顔でため息まじりに嘆いてみせて事足れり、で終わりではなく、この問題に対する代替案・善処策については、本誌の次号以降においても積極的に論考、扱っていくつもりだ。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『近作評EXTRA』より抜粋)


後日付記:


 コレらはなにもSF大会にかぎった話ではない。


 2006年3月中旬、東京都内、都の西方、中央線某駅徒歩10分の会場で開催された『美少女戦士セーラームーンオンリーイベント同人誌即売会)に、友人の同人屋の売り子手伝いのために出掛けたところ(そーいうオタ友だちがいて、しかも出掛ける筆者も筆者だけど・汗)、やはり92年のTV放映開始以来、15年近い歴史をほこる作品だけにファンの高齢化も著しく……。


 ではなく(笑)、やはり超絶人気をかつてほこったビッグネーム『セラムン』だけあってか、外国人の男女オタもチョビチョビ来場(在日米軍横田基地(横田飛行場)が比較的近いゆえであろうか?)。それはイイのだけれども……。
 過半が明らかに十代の外人男女オタ。しかも、いかにも教室のスミっこにいそうな、服装も顔つきもジミで控えめでアカぬけない、運動神経や体力はなさそうな、しかし繊細ナイーブ、心優しそうなコたちで……。ウ〜ム。


 もちろん筆者自身のことは棚にあげるけど(汗)、海の向こうでも、オタには一定の傾向があるな……と。日本のオタクに相当するナードやギークという名の人格類型の実物をそこでも見てしまいましたとサ……というお話でした。


来週日曜日付で、『SFマガジン』連載・宇野常寛ゼロ年代の想像力」 〜と、浅羽通明(あさば・みちあき)のミニコミ流行神(ハヤリガミ)』での同連載批判――&東浩紀(あずま・ひろき)『ゲーム的リアリズムの誕生』批判&大塚英志(おおつか・えいじ)批判――を勝手に紹介 〜をUP予定!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080309/p1


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