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劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜合評


『仮面ライダーアギト』 〜全記事見出し一覧
『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧


(01年9月22日封切)
(脚本・井上敏樹 監督・田崎竜太 アクション監督・山田一善 アクション監督補・宮崎剛 特撮監督・佛田洋

劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜評1

(文・T.SATO)
 超能力者をねらう未確認生命体アンノウン(敵怪人)。彼らは自衛隊の超能力研究施設を襲った。自衛隊でも対アンノウン用に強化スーツ計画に着手(小沢真珠(おざわ・まじゅ)演ずる才媛自衛官の独走?)。警視庁の強化スーツのデータを盗用して、死に至る新強化スーツG4を戦線投入する……。


 上映2日目だが、最終回上映というのにお客さんが意外と入っていたのにはビックリ。『劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』(01年)池袋初日最終回上映なんてガラガラだったのに(汗)。
 しかも若いヒトやカップルもけっこういる! こんな光景、90年代前半の『東映スーパーヒーローフェア』や平成『ウルトラ』映画、『ゴジラ』や『ガメラ』映画で見たことない! 新宿という土地柄もあるにしろ。


 まぁ及第点。大きな不満はない。ただ、映画だからちがう方向性をねらうのはわかるけど、個人的にはいつものTV版の方が面白いと感じる。
 映画でやってるドラマは、レギュラーたちがTV版でやってるドラマのウィットや滋味とはそーとー異なっている。そのことが良い悪いとは単純には云えないけど、個人的好みと断るなら多少ノれなかったかな。


 小沢真珠演ずる才媛自衛官。強化スーツ装着員を道具扱いするテッテイ的に冷酷な人物像として描かれる。
 フィクションだから別にイイんだけども、リアル寄りの『アギト』の作劇だから個人的には少々ひっかかりが……。要はステロタイプ・記号的な悪役に見えた。筆者の周囲のマニア間でも他に反発の声を聞かなかったので、大半の観客は劇中内悪人としてスナオに認知し、その結末に喝采を送っているのでしょうけれど。
 しかし古代や中世の暴君じゃあるまいし、あんなヨソごととしてならともかく、顔を見知った部下の生命に頓着しない人間なんてヤーさんの世界ならともかく官僚や近代的軍隊の世界にいるワケねーという気が。いたとして世論がうるさかったり組織が事なかれでブレーキかけるだろ、とか思ってしまうのは……やっぱ無粋かな?
 しょせんフィクションだから、別に筆者もホンキでツッコミを入れようとかそーいうヤボなふるまいをする気はさらさらないけども(笑)。


 ただ、死を背負う自衛隊・水城G4、生を軽薄な意味ではなく謳歌する翔一アギト、その中間で揺れる氷川刑事G3−X……の三者三様の三分法の構図自体はよかったな。
 単純に生を肯定するだけだったら陳腐・凡庸な作劇だけど、翔一アギトのようにも水城G4のようにも生きられない氷川G3−Xの配置は良し。
 これが平成『ウルトラ』の長谷川圭一氏だったら、『ウルトラマンダイナ』(97年)#33「平和の星」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971207/p1)みたく、80年代価値相対主義の時代から幾星霜も経ってるのに、“圧制”か“自由”かで、街で遊ぶ若者を単純肯定してしまう安直二元論に陥りそう(その中間はねーのかよ!(笑)。長谷川氏の業績を全否定してるワケじゃないのは念のため)。


 ……でもあんまり大声では云えないけど、死を背負うことで光るタイプの性格類型も、一定程度の比率で常に古今東西いるとも思う。それも、虚無感や他者の生命の軽視につながらないならオッケーではないのかとも。そのへん話すと純粋な作品論じゃなくなるので触れるに留めるけど。
 まぁあらゆる文芸作品のテーマ上の価値判断提示なんて、作品によって自己犠牲が善になったり悪になったり、ロボットが心持って善になったり反乱起こしたり人間疎外の象徴となって悪になったり、あらゆるものはバリエーションという気もしないでもないんで何でもイイんすけれどもネ(オイオイ・汗)。


 パンフでの田崎カントクのインタビューによると、井上脚本とのウラ構想では、才媛自衛官は政治的に先を見通してしまえる天才で日本の国力の低下を危惧している人物だそうな。……でも、政治的天才には見えなかったけどなぁ(笑)。


 全編デジタル撮影。現段階でのデジタルハイビジョンはフィルムと違って細かな速度調整ができないと聞いてたけど、アクションシーンは若干テンポアップした倍速撮影ぽい映像があり、しかも妙に残像のブレがない映像なのは新技術のせい? でも『未来戦隊タイムレンジャー』(00年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001102/p1)の残像流線あふれるオープニング主題歌映像もデジカメだったと聞くし、するとシャッタースピードのせい? そもそもハイビジョンとはいえ要はビデオにシャッターってあるの? 教えて! エラいヒト!(笑)
 (後日付記:高速シャッターという技術だそうです)


 ……この『劇場版』がTV版のどのへんの時系列に位置するのか疑問に思う方もいて当然だと思うけど、個人的にはそーいうのをケムに巻いてテッテイ的にボカしまくるのが製作者のイキな姿勢という気がする(笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』号数失念(01年10月発行)〜『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)所収『仮面ライダーアギト』後半合評4より抜粋)


劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜評2

(文・内山和正)
 あくまでも敵は人間でありアンノウンは第三者にすぎないところがやや違和感ある(そういう作品も製作可能になったことは評価すべきだろうが)。おもしろいけれどスペシャルとちがいこの作品がなくても『アギト』は成立するのがやや不満。
 子供たちが生活のために不法なことをやる姿を見せていくのも倫理をとるべきか意義を認めるべきか評価のわかれるところだろう。
 特撮雑誌『宇宙船』で特撮評論家・池田憲章氏もあげていた氷川の言葉に一瞬水城が生への執着をしめすところが最高のシーンだった。
 才媛自衛官・深海理沙(ふかみ・りさ)の最期がホラー的な処理なのが後味わるい。
 アギトシャイニングフォームへの変身が愛の力でなされるところが効果をあげている。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)『仮面ライダーアギト』後半合評8より抜粋)


劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜評3

(文・伏屋千晶)
 今年(2001年)の9月下旬頃といえば、何時、米軍がアフガニスタンに対しての攻撃を開始するか、その“Xデー”を巡って世間では様々な物議を醸していた、物騒な頃合です。そんな微妙な時期に


 「戦闘開始!」


 と大きく書かれたポスターを街中で見かけた時には、ちょっと退きましたネ、さすがに。
 ウ〜ン! 東映って、ホントに無神経でアバウトな会社だなー。


 ――閑話休題


 今迄の体験からして、この種の作品を新進気鋭の監督が手掛けると、気負い過ぎてワケわからないシャシン(『RED SHADOW 赤影』(2001年)みたいな?)を作ってしまうのが常でしたが、本作はその陥穽を見事に免れています。


 これは、ひとえに、旧来のヒーロー活劇のフォーマットの長所を生かすコツを存分に心得た田崎竜太監督の手腕によるもので、『PROJECT G4』は、従来の特撮キャラクター作品に致命的に欠けていた、一本の“映画”としての「構造」を確かに備えています。なかんずく、「ドラマ」と「アクション」双方へのウェイト配分のバランス感覚が素晴らしい!



 私見で恐縮ながら、個人的に大好きな東映キャラクター物の劇場作品のベスト3は、


 『仮面ライダー対ショッカー』(1972年)
 『宇宙刑事シャイダー 追跡! しぎしぎ誘拐団』(1984年)
 『機動刑事ジバン』(1989年)


 なんですが、何故好きなのかっていうと、いずれの作品も、山田稔田中秀夫・小西通雄といった職人気質のベテラン監督が、高橋一俊(カシラ)・金田治・山岡淳二といった名殺陣師を得て、彼等の能力を存分に引き出す事に成功しているからです(『ジバン』の場合、雨宮慶太もSFXの面で本領を発揮しています)。


 そういった意味で、田崎監督はとてもヴィヴィッドにそのラインを継承しており、下級アントロード(敵怪人)の大群(ほとんど戦闘員!)を相手に共闘する4人ライダーの見せ場をタップリと見せてくれました。
 埠頭でのG4(岡元次郎)獅子奮迅の大暴れ、アギトフレイムフォームの十人斬り等は、本当に久しぶりに、王道のヒーロー・アクションを堪能できます。



 ドラマ面では、深海理沙&G4以上に、子役2人に重点を置いた演出方針が的確だったと思います。なにしろ、今どき“浮浪児”の生態をマジメに描こうとしたセンスは凄い!


 『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年)のパクリ・ノウハウに於いても、『鉄甲機ミカヅキ』(2000年)に比べて、元ネタの翻案の仕様が格段にスマートになり、井上敏樹センセも久しぶりに本気を出してるなァ、と感じさせてくれます。
 特に、深海理沙をアンノウンに惨殺させた上、敢えて氷川自身の手で水城に“止め”を刺させた結末のエグさは、絶大なインパクト。ただし、心理描写に於いて、[水城 vs 氷川][深海 vs 小沢]の二重の確執をもっと掘り下げて欲しかった。([深海 vs 北絛]のカラミも見たかった?)



 ところで、アギトシャイニングフォームの戦闘場面のBGMに、主題歌(ASIN:B000059WS1)が使用されたのは、やはり『仮面タイダークウガ』(2000年)第10話の対メ・ギイガ・ギ戦での「BGM差し替え事件」(編:本来はラストの戦闘シーンに主題歌を挿入。初登場のクウガタイタンフォームがゆっくり前身しつつ敵怪人メ・ギイガ・ギの光弾を被弾するタイミングが逐一主題歌の曲調に合致するので好事家はお試しを。本作に関してはベタを嫌った高寺氏の意向で差し替え。関連記事:『仮面ライダークウガ』#10「熾烈」 〜BGM差し替え真相分析!・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001110/p1)に対するアンチテーゼでしょうか?


 私、2回見たんですけど、ヒロイン真魚(まお)ちゃんの「翔一クンが死んじゃう!」辺りから余りにも興奮し過ぎて、ディテールをサッパリ覚えていません。初見の時には、


 “♪ 揺るぎない愛と  get on!”


 でライダーキックが放たれた瞬間、ホントに涙をボロボロ流しちゃいました。かっけー! ワシは、こーゆーのを見たかったんや! DVD、早く発売されないかな……



 本作は1ヶ月延長のロング・ランの末、02年11月上旬で興収は14億円に達して(後日補足:公称12億は公開1カ月分で延長終了時は20億弱との説もあり)、大コケした『RED SHADOW 赤影』『GO』の穴を埋めたそうです。
 この予想外の大ヒットを受けて、東映では、早くも来年度の「夏休み」の枠でライダー&戦隊の劇場用作品を製作する事を決定しました。尚、絶対に『クウガ』ではあり得ないとの由。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)『仮面ライダーアギト』後半合評10より抜粋)


『假面特攻隊2002年号』「劇場版 仮面ライダーアギト」関係記事の縮小コピー収録一覧
スポーツニッポン 2001年7月10日(火) 仮面ライダーのナゾ明かされる生誕30周年作品発表〜劇場版の制作発表(丸の内の東京会館
スポーツニッポン 2001年7月28日(土) 藤岡共演アギト「仮面ライダー…」ロケ〜1号ライダー藤岡弘がゲスト・さいたまアリーナでのロケ参加


[関連記事] 〜平成ライダーシリーズ劇場映画評

劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜合評

  (当該記事)

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