假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4 〜賛否合評

『仮面ライダーアギト』最終回・総括 〜終了評 ―俺の為に、アギトの為に、人間の為に―
『仮面ライダーアギト』後半合評2 ~アギト設定考察・個々人の正義が激突!
☆☆☆☆☆
#####


『仮面ライダーアギト』 〜全記事見出し一覧
『仮面ライダー』シリーズ映画評 ~全記事見出し一覧
『仮面ライダー』シリーズ評 〜全記事見出し一覧


『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 〜賛否合評

(2001年9月22日封切)
(脚本・井上敏樹 監督・田崎竜太 アクション監督・山田一善 アクション監督補・宮崎剛 特撮監督・佛田洋)

『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 〜合評1

(文・伏屋千晶)


 今年(2001年)の9月下旬頃といえば、何時(いつ)、米軍がアフガニスタンに対しての攻撃を開始するか、その“Xデー”を巡って世間では様々な物議を醸していた、物騒な頃合です。そんな微妙な時期に


 「戦闘開始!」


 と大きく書かれたポスターを街中で見かけた時には、ちょっと退きましたネ、さすがに。ウ〜ン! 東映って、ホントに無神経でアバウトな会社だなー。


 ――閑話休題。


 今迄の体験からして、この種の作品を新進気鋭の監督が手掛けると、気負い過ぎてワケわからないシャシン(『RED SHADOW 赤影』(2001年)みたいな?)を作ってしまうのが常でしたが、本作はその陥穽(かんせい)を見事に免れています。


 これは、ひとえに、旧来のヒーロー活劇のフォーマットの長所を生かすコツを存分に心得た田崎竜太監督の手腕によるもので、『PROJECT G4』は、従来の特撮キャラクター作品に致命的に欠けていた、一本の“映画”としての「構造」を確かに備えています。なかんずく、「ドラマ」と「アクション」双方へのウェイト配分のバランス感覚が素晴らしい!



 私見で恐縮ながら、個人的に大好きな東映キャラクター物の劇場作品のベスト3は、


 『仮面ライダー対ショッカー』(1972年)
 『宇宙刑事シャイダー 追跡! しぎしぎ誘拐団』(1984年)
 『機動刑事ジバン』(1989年)


 なんですが、何故好きなのかっていうと、いずれの作品も、山田稔・田中秀夫・小西通雄といった職人気質のベテラン監督が、高橋一俊(カシラ)・金田治・山岡淳二といった名殺陣師(めい・たてし)を得て、彼等の能力を存分に引き出すことに成功しているからです(『ジバン』の場合、雨宮慶太もSFXの面で本領を発揮しています)。


 そういった意味で、田崎監督はとてもヴィヴィッドにそのラインを継承しており、下級アントロード(敵怪人)の大群(ほとんど戦闘員!)を相手に共闘する4人ライダーの見せ場をタップリと見せてくれました。


 埠頭(ふとう)での仮面ライダーG4(岡元次郎)獅子奮迅の大暴れ、仮面ライダーアギト・フレイムフォームの十人斬り等は、本当に久しぶりに、王道のヒーロー・アクションを堪能できます。



 ドラマ面では、才媛自衛官・深海理沙(ふかみ・りさ)&G4以上に、子役2人に重点を置いた演出方針が的確だったと思います。なにしろ、今どき“浮浪児”の生態をマジメに描こうとしたセンスは凄い!


 『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220306/p1)のパクリノウハウに於いても、『鉄甲機ミカヅキ』(2000年)に比べて元ネタの翻案の仕様が格段にスマートになり、井上敏樹センセも久しぶりに本気を出してるなァ、と感じさせてくれます。
 特に、深海理沙をアンノウンに惨殺させた上、敢えて氷川自身の手で水城に“止め”を刺させた結末のエグさは、絶大なインパクト。ただし、心理描写に於いて、[水城 vs 氷川][深海 vs 小沢]の二重の確執をもっと掘り下げて欲しかった。([深海 vs 北絛]のカラミも見たかった?)



 ところで、アギトシャイニングフォームの戦闘場面のBGMに、主題歌(ASIN:B000059WS1)が使用されたのは、やはり『仮面タイダークウガ』(2000年)第10話の対メ・ギイガ・ギ戦での「BGM差し替え事件」(編:本来はラストの戦闘シーンに主題歌を挿入。初登場のクウガタイタンフォームがゆっくり前身しつつ敵怪人メ・ギイガ・ギの光弾を被弾するタイミングが逐一主題歌の曲調に合致するので好事家はお試しを。本作に関してはベタを嫌った高寺氏の意向で差し替え。関連記事:『仮面ライダークウガ』#10「熾烈」 〜BGM差し替え真相分析!・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001110/p1)に対するアンチテーゼでしょうか?


 私、2回見たんですけど、ヒロイン真魚(まお)ちゃんの「翔一クンが死んじゃう!」辺りから余りにも興奮し過ぎて、ディテールをサッパリ覚えていません。初見の時には、


 “♪ 揺るぎない愛と  get on~~!”


 でライダーキックが放たれた瞬間、ホントに涙をボロボロ流しちゃいました。かっけー! ワシは、こーゆーのを見たかったんや! DVD、早く発売されないかな……



 本作は1ヶ月延長のロング・ランの末、01年11月上旬で興収は14億円に達して(? ~後日補足:公称12億は公開1カ月分で延長終了時は20億弱との説もあり?)、大コケした『RED SHADOW 赤影』『GO』(共に2001年)の穴を埋めたそうです。
 この予想外の大ヒットを受けて、東映では、早くも来年度の「夏休み」の枠でライダー&戦隊の劇場用作品を製作することを決定したとか。尚、絶対に『クウガ』ではあり得ないとの由(よし)。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)『仮面ライダーアギト』後半合評10より抜粋)


『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 〜合評2

(文・T.SATO)


 超能力者をねらう未確認生命体アンノウン(敵怪人)。彼らは自衛隊の超能力研究施設を襲った。自衛隊でも対アンノウン用に強化スーツ計画に着手(小沢真珠(おざわ・まじゅ)演ずる才媛自衛官の独走?)。警視庁の強化スーツのデータを盗用して、死に至る新強化スーツ・G4を戦線投入する……。


 上映2日目だが、最終回上映だというのにお客さんが意外と入っていたのにはビックリ。『劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』(01年)池袋初日最終回上映なんてガラガラだったのに(汗)。しかも、若いヒトやカップルもけっこういる! こんな光景、90年代前半の『東映スーパーヒーローフェア』や平成『ウルトラ』映画、『ゴジラ』や『ガメラ』映画で見たことない! 新宿という土地柄もあるにしろ……(後日付記:新宿バルト9の前身である新宿東映の時代です・汗)。


 まぁ、及第点。大きな不満はない。ただ、映画だからちがう方向性をねらうのはわかるけど、個人的にはいつものTV版の方が面白いと感じる。映画でやっているドラマは、レギュラーたちがTV版でやってるドラマのウィットや滋味とはそーとー異なっている。そのことが良い悪いとは単純には云えないけど、個人的な好みと断るならば多少ノれなかったかな。


 小沢真珠演ずる才媛自衛官。強化スーツ装着員を道具扱いするテッテイ的に冷酷な人物像として描かれる。フィクションだから別にイイんだけれども、リアル寄りな『アギト』の作劇だからか個人的には少々ひっかかりが……。要はステロタイプ・記号的な悪役に見えたのだ。筆者の周囲のマニア間でも他に反発の声を聞かなかったので、大半の観客は劇中内悪人としてスナオに認知し、その結末に喝采を送っているのだろうけれど。
 しかし、古代や中世の暴君じゃあるまいに、あんなヨソ事としてならともかく、顔を見知った部下の生命に頓着しない人間なんて、ヤーさんの世界ならともかく官僚や近代的軍隊の世界にいるワケねーという気が。いたとしても世論がうるさかったり組織が事なかれでブレーキかけるだろ、とか思ってしまうのは……やっぱ無粋(ぶすい)かな? しょせんフィクションだから、筆者も別にホンキでツッコミを入れようとか、そーいうヤボなふるまいをする気はさらさらないけども(笑)。


 ただ、死を背負う自衛隊員・水城=仮面ライダーG4(ジーフォー)、生を軽薄な意味ではなく謳歌する翔一=仮面ライダーアギト、その中間で揺れる氷川刑事=仮面ライダーG3−X(ジースリー・エックス)……の三者三様の三分法の構図自体はよかった。


 単純に生を肯定するだけだったら陳腐・凡庸な作劇だけど、翔一アギトのようにも水城G4のようにも生きられない氷川G3−Xの配置は良し。


 これが平成『ウルトラ』の長谷川圭一氏だったら、『ウルトラマンダイナ』(97年)#33「平和の星」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)みたく、80年代価値相対主義の時代から幾星霜も経ってるのに、“圧制”か“自由”かで、街で遊ぶ若者を単純肯定してしまう安直二元論に陥りそう――その中間はねーのかよ!(笑)。長谷川氏の業績を全否定しているワケではないのは念のため――。


 ……でも、あんまり大声では云えないけど、死を背負うことで光るタイプの性格類型も、一定程度の比率で常に古今東西いるとも思う。しかしそれも、虚無感や他者の生命の軽視につながらないならばオッケーではないのかとも。そのへんを話し出すと純粋な作品論ではなくなるので触れるに留めるけど。


 まぁ、あらゆる文芸作品のテーマ上の「価値判断提示」なんて、作品によって「自己犠牲」が善になったり悪になったり、「ロボット」が心を持って善になったり反乱を起こしたり人間疎外の象徴としての悪になったり、あらゆるものはバリエーションという気もしないでもないので、何でもイイでんすけれどもネ(オイ・汗)。


 パンフでの田崎カントクのインタビューによると、井上脚本とのウラ構想では、才媛自衛官は政治的に先を見通してしまえる天才で日本の国力の低下を危惧している人物だそうな。……でも、政治的天才には見えなかったけどなぁ(笑)。


 全編デジタル撮影。2001年現段階でのデジタルカメラはフィルムと違って細かな速度調整ができないと聞いていたけど、アクションシーンは若干テンポアップした倍速撮影っぽい映像があり、しかも妙に残像のブレがない映像なのは新技術のせい? でも『未来戦隊タイムレンジャー』(00年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20001102/p1)の残像流線あふれるオープニング主題歌映像もデジカメだったと聞くし、するとシャッタースピードのせい? 教えて! エラいヒト!(笑) (後日付記:「高速シャッター」という技術だそうです)


 ……この『劇場版』がTV版のどのへんの時系列に位置するのか疑問に思う方もいて当然だとは思うけど、個人的にはそーいうのをケムに巻いてテッテイ的にボカしまくるのが製作者のイキな姿勢という気がする(笑)。


(了)
(初出・オールジャンル同人誌『DEATH−VOLT』号数失念(01年10月発行)〜『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)所収『仮面ライダーアギト』後半合評4より抜粋)


『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 〜合評3

(文・内山和正)


 あくまでも敵は人間(自衛隊)であり、TV本編の敵種族であるアンノウン怪人は第三者にすぎないところがやや違和感がある(そういう作品も製作可能になったことは評価すべきだろうが)。面白いけれど、秋の番外編特番『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20011105/p1)とちがい、この作品がなくても『アギト』という作品は成立してしまう出来であるのがやや不満。子供たちが生活のために不法なことをやる姿を見せていくのも、倫理を採るべきか意義を認めるべきか評価のわかれるところだろう。


 特撮雑誌『宇宙船』で特撮評論家・池田憲章氏もあげていた、氷川の言葉に一瞬、水城が生への執着をしめすところが最高のシーンだった。才媛自衛官・深海理沙(ふかみ・りさ)の最期(さいご)がホラー的な処理なのが後味悪い。アギト・シャイニングフォームへの強化変身が愛の力でなされるところが効果をあげている。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2002年号』(01年12月30日発行)『仮面ライダーアギト』後半合評8より抜粋)



『假面特攻隊2002年号』「劇場版 仮面ライダーアギト」関係記事の縮小コピー収録一覧
・スポーツニッポン 2001年7月10日(火) 仮面ライダーのナゾ明かされる生誕30周年作品発表〜劇場版の制作発表(丸の内の東京会館)
・スポーツニッポン 2001年7月28日(土) 藤岡共演アギト「仮面ライダー…」ロケ〜1号ライダー藤岡弘がゲスト・さいたまアリーナでのロケ参加


[関連記事]

同時上映『百獣戦隊ガオレンジャー 火の山、吼える』

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20011112/p1



[関連記事] 〜『仮面ライダーアギト』全記事一覧

『仮面ライダーアギト』 〜全記事見出し詳細一覧

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20080106/p1

『仮面ライダーアギト』前半合評 ~ブレイク前の混沌期!

katoku99.hatenablog.com

『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』 〜賛否合評

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20011104/p1(当該記事)

『仮面ライダーアギトスペシャル 新たなる変身』 〜合評

katoku99.hatenablog.com

『仮面ライダーアギト』後半合評1 ~大ブレイク!変身大会!!

katoku99.hatenablog.com

『仮面ライダーアギト』後半合評2 ~アギト設定考察・個々人の正義が激突!

katoku99.hatenablog.com