假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

「『エース』同人誌の歴史2」に対する厳重抗議


「ウルトラマンA 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧


(文・T.SATO)
 当該2007年4月1日付けの記事「ウルトラマンエース#〜『エース』同人誌の歴史2」に対して、同年7月13日付けで「厳重抗議」をFAXにて受けました。
 それに対して、同年7月31日付けにて、当サークルからの「回答文」を返信いたしました。


 当該日付記事における「追記」として、「厳重抗議」の全文、およびそれに対する同年7月31日付けの当サークルからの「回答文」の全文を掲載、そしてその最終的な顛末をここに記します。

(2007年9月30日)




ブログ記事への厳重抗議(三サークル連名)


サークル假面特攻隊代表・T.SATO様


 貴サークルのブログ・假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/)の、2007年4月1日付記事「ウルトラマンエース#〜『エース』同人誌の歴史2」において、我々がかつて作成した同人誌が紹介されている記事を確認いたしました。
 現物は確認しておりませんが、このブログの記事は会誌からの転載とのことですので、会誌にも同じ記事が掲載されているものと考えて本文を進めます。


 私たちは、同人誌といえども不特定多数の方々の手に取っていただいているということは自覚しておりますので、私たちの作品を評価していただきご賛同やご批判を承ることはむしろ望ましいことと思っております。特撮作品を愛し、その思いを同人誌という形で表現し、志を同じくする方からご意見を承ることは、我々にとっては喜びでもあります。
 しかし、それは主義主張は違えど、同じ作品を愛する者どうしがフェアに評価し合うということが大前提です。その意味において、今回の御批評掲載は我々が趣味を同じくする者としてとうてい納得できるものではなく、その点においてここに3サークル連名で抗議を申し入れます。



問題点その1


 今回拝見した久保達也氏の文章は、かなりの部分が私たちの会誌の引用や要約から成り立っております。表現者同士で引用の自由はもちろん認められていますが、それは批評文が主、引用が従という関係が成り立っていることが前提です。
 今回の文章は、私たちの文章やコメントを再録しその間に久保氏の意見、主張をはさむという形を取っておられますが、字数の比率ではほぼ半分が私たちの記事の転載、あるいは要約で占められています。(『夢倶楽部』やコミック版については除く)これは引用と言うにはあまりにも多すぎ、引用の要件として必要な主従関係があきらかに逆転しています。
 また、同人誌の記事に終わらず、カットアンドペーストによる複写や改変の容易なブログへと再転載されていることについては、我々が本来紙媒体を意識して制作した記事が、執筆者や編集者のあずかり知らないところで公開のデジタルコンテンツにされてしまったということになり、この点でもご配慮が必要であったと考えます。



問題点その2


 これは見解の分かれるところと思いますが、久保氏の文章は転載元の同人誌に対して礼を尽くしつつ引用し、その上で御自身の見解を構築している文章とは思えません。その1で挙げた引用過多=無断転載の箇所を踏み台にして、御自身のエース観、同人誌観を語っているに過ぎないという印象です。久保氏自身の見解と合致する部分は誉め、合致しない部分には茶々入れをすることで、久保氏自身の感想を補強するために利用しているという印象を強く受けます。
 この点については、この文章を採用しデジタルコンテンツにまで転載した。T.SATO様のご意見を是非明らかにしていただきたいと思います。



問題点その3


 今回の記事の中において『大怪獣倶楽部』の記事で「贔屓の引き倒し」と嘲笑された(ご丁寧に該当の文の文末は(笑)で)“川北監督のアイデア”の件ですが、これについては該当の記事をお読みになればお分かりの通り、事実を断定したものではなく著者の願望をパロディ化したジョーク的な記事です。その後、該当のアイデアが監督のアイデアではないことは御本人に取材して確認済であり、その情報は小沼自身が複数の同人誌に明記しております。その件はT.SATO様も承知されているはずです。他人の著作を批判的に引用する際には慎重さが求められるものと思いますが、この件に関して執筆した久保氏とそれを採用しデジタルコンテンツにまで転載したT.SATO様の行動は、同人誌に関わるものとしてあまりにも軽率ではないでしょうか。見解をお願いします。



 今回の記事そのものについて我々が抗議する問題点は以上ですが、周辺のことについても御見解を承りたく思います。
 当該のブログにおいては「知友のコメントは禁止」とのルールがあり、その一方で同人誌批評に関しては引用について引用元の異議を認めないとの断り書きも記されております。しかし、同人誌についてお互い批評し合う上で、「不当な評価」「事実誤認」「引用過多」等のトラブルは生じうるものです。そうしたトラブルの際に、引用元としてはどこに異議を申し立てればよいのか、その手順の明記は必要です。貴会のブログのルールを素直に読むと、知人関係にある同人誌制作者は貴会に何を言われても文句を言えないという解釈も成り立ちます。それは、あまりにも無責任ではないかと考えます。
 また、T.SATO様は今回やり玉に挙がった同人誌の制作者である矢的や小沼とは面識があり、連絡を取り合うことのできる立場ですが、事前の連絡についてはT.SATO様の御見解を認めるにせよ、事後の連絡もいただけなかったことは同人誌仲間としてアンフェアと考えます。今回は我々の誰も、貴会の該当の会誌を購入しておらず、ブログに転載されたものを偶然目にしなければ久保氏の記事を知らないまま過ごしていたことになります。
 知人同士の関係にある者が作った作品を、問題のあるやり方で批評し、それを相手に知らせずじまいで済ませることは、同人誌制作者として以前に人間同士の関係としていかがなものかと考えます。


 最後に、今回の件について、どこまでが久保氏の責任でどこまでがT.SATO様の責任なのかを明確にした上で、御見解および今後の方針を承りたく思います。ブログの記事に関しては、消去、改稿、削除等はせず、今後何か対応していただける場合は追記の形でお願いできればと思います。


 なお、この抗議は貴会による私たちの作品への批評ではなく、批評のやり方に対してのものであることを明記し、誠実でフェアな方法であれば批評そのものはいつでも承る用意があることを強調しておきます。


 以上、2007年7月末日23時59分までに何らかの形で責任ある回答をお願いいたします。


2007年7月13日


帰ってきたウルトラマン私設FCスタビライザー 代表:矢的八十郎
サークル グループG対策センター水戸 代表:小沼祐治
サークル 少年タイムズ社 代表:新伴仙司




「ブログ記事への厳重抗議(三サークル連名)」に対する回答文


サークル・スタビライザー 代表:矢的八十郎様  および
  サークル・グループG対策センター水戸 代表:小沼祐治様
  サークル・少年タイムス社 代表:新伴仙司様


 弊サークルの同人誌、およびネット上のブログ媒体の両者に掲載いたしました、過去の特撮同人誌レビュー(『エース』同人誌の歴史2)に対する、書簡『ブログ記事への厳重抗議(三サークル連名)』の方、たしかに受領いたしております。


 貴重なご意見・ご忠告の数々をどうもありがとうございました。大変興味深く読ませていただきました。ご指摘の数々については、真摯に受けとめさせていただく所存です。
 まず、心象面・感情面等で、ご不快な思いをさせてしまったこと自体については、まことに申し訳なく思っている次第です。その点につきましては、お詫びを申し上げる所存です。


 また、サークル・スタビライザーさま、およびその代表の矢的八十郎さまにおかれましては、過去数年、各種のご迷惑やご心労をおかけしてしまったことについても、これらの件に関しましては、当方側に非と責任があることを確認し、改めてこの書簡にて、重ねて謝りを申し上げる次第です。


 今回の問題に関しましても、「ブログの記事に関しては、消去、改稿、削除等はせず、今後何か対応をしていただける場合は追記の形でお願いできればと思います」との、理性的にしてフェアなご対応のご方針につきましても、ご寛容にふるまってくださり、とても感謝いたしております。


 そのうえで、和解なり妥協や接点、もしくはそれが叶わないようであれば、「追記」のかたちによる3サークル連名の厳重抗議文の掲載、もしくは両論併記なり事後の報告、といった何らかの落とし所に当てはめていくことが可能であれば幸いなのですが。



 それでは、今回ご指摘いただいた「問題点」3種について、回答をさせていただこうと思います。


 まず、順序は前後いたしますが、「問題点その2」についてから述べさせていただきます。
 まことに勝手ながら、要約させていただくと、「礼を尽くしての引用ではない」「引用を踏み台に執筆者自身の『エース』観・同人誌観を語っているのに過ぎない」の2点に尽きるかと思います。
 後者のご指摘については、“事実”としてはまさにその通りであると認めたいと思います。ただし、それ(自身のエース観・同人誌観を語っているのに過ぎない)に対する“価値判断”につきましては、私見を述べさせていただければ、3サークルの方々には大変に申し訳ないのですけれども、それが必ずしも悪いことであるとは、当方は考えてはおりません。


 過去同人誌の紹介、および紹介に必然的にまつわるものとしての「要約」。
 そして、『エース』という作品や各エピソードに諸要素、あるいは過去の特撮同人誌における『エース』の批評・感想文を改めて読み直して、執筆者たる久保達也氏自身が、『エース』という作品を今回の再評価を行なうのに際して用いている、価値観や美意識に論理・論法などを、便宜的なモノサシ・尺度として、各対象に当てはめてマッピングして、たとえばレビュー対象の同人誌における各所の記述についてのその是非を(是是非非や保留も含めて)彼なりの文脈で価値判断していき、位置づけていく。それによって、同時に執筆者自身の『エース』観や同人誌観をも、浮かび上がらせていく、といった方法論、記述の仕方が誤っているとは思ってはおりません。


 学者の論文にしろ、あるいはオタク系書籍で現在、手に取りやすいもので例に挙げれば、東浩紀の「ゲーム的リアリズムの誕生」など、先行の研究者の論文や著作(東であれば大塚英志の著作)に批判的に言及することで、自説を開陳していく手法は、きわめて通例的なものであるとも思っております。
 逆に、過去同人誌の紹介・要約・引用のみで100%になっており、自身の価値観による批評や見解、位置づけが0パーセントである記事であった場合の方が、よほど問題があるかとも思っておりますし。
 (いみじくも喝破されている通り、『エース』同人誌のレビューを行ないつつ、執筆者自身の『エース』観や同人誌観をも浮かび上がらせるという方法自体が、弊サークル代表であるわたくしT.SATOが、久保氏にまさに今回の記事のコンセプトとして要求したことでもありました)


 また、過去の特撮マニアによる、『エース』に対する典型的、ないし独創的な否定的言及、または好意的言及、もしくは『エース』を擁護するための、魅惑的なり説得力ある論法を発見した場合に、それをピックアップ・引用することで、強調・特筆大書していくことも、ごく普通のことかと思います。
 「礼を尽くしての引用ではない」という見解についても、もちろん「批判的な文脈での引用自体が不可である」という意味ではないとは思いますが、当方が見るところでは、久保氏による引用が、批判・否定的な文脈ではあっても、その記述が特別に礼を失したものになっているとは見ておりません。



 次に「問題点その3」。「贔屓の引き倒し」うんぬんの箇所について。
 まず大前提としてお断りしておきますが、この箇所のみ当方ことT.SATOが、久保氏の初稿を一読したあとで、当該の旨の加筆を、久保氏に具体的にお願いをした箇所でもありました。もちろん久保氏も同様の感慨を自分もいだいたとの前提の上で同意していただいた末に加筆をしてもらっていますが、経緯の内訳を鑑みれば、この記述の責任というのは、当方ことT.SATOに存在すると思います。
 執筆者の小沼氏による本来の意図は、「願望をパロディ化したジョーク的記事」であったそうで、そのことを今回初めて知りましたが、当方は不肖ながらこの記事を発行当時そのようには読まず、あくまで小沼氏による事の真相の憶測記事であり、少々踏み込みすぎであるな、と感じておりました。
 また当時、数人の特撮同人ライターの友人たちと雑談をしていた折に、当該同人誌におけるウルトラ5兄弟のブロンズ像が川北監督のアイデアであるかのように記述されている一点については「あれはどうかな?」と話題になり、小沼氏には大変失礼ながら「やはり……」と思った経験もありました。
 もちろんこれをもってして、当方の感慨の方が普遍性があるとは申しませんし、当方の周囲の友人たちの方が例外・特殊である可能性も多分にありますので、統計的調査も行なえない以上は、何ともいえませんが、読めばそれと解かる自明なものではなく、申し訳ございませんが、一定の比率で誤読が生じうる隙のある表現ではなかったかと思います。
 さらに言うと、久保氏の加筆文では文末には、(笑)マークは存在しておりませんでした。当方の方で、「これでは断定調で表現がキツくて冷たい。純然たる批判・否定として読めてしまう」と考え、表現をやわらげる意図と、そのような憶測も川北監督への愛ゆえのご愛嬌、というニュアンスを付加するために、また久保氏の了承を得た上で、(笑)マークの加筆を行なわせていただきました。
 決して誓って、嘲笑の意図によるものではありません。しかし、これこそまさに「一定の比率で誤読が生じうる隙のある表現」だと返されれば、その通りかと思います。当方の意図はどうあれ、結果責任というものもあると思いますので、誤読が生じうる隙のある表現を用いたことに関しては、非を認めて小沼氏や他の不快な思いをさせた関係者や読者の方々に、この書簡にて謝意を表したいと思います。


 また、その後の追跡調査の結果による事の真相を、小沼氏自身が複数の同人誌に明記しておられることも、寡聞ながら存じ上げておりませんでした。この世界にいながらお恥ずかしいかぎりです。この件に関しては明らかに当方の失態であると認めて、謝り申し上げたいと思います。「追記」のかたちにて、ぜひ謝罪とともに、追跡結果を記述した複数の同人誌を誌名だけでもご紹介させていただき、書誌一覧のかたちにしたいと思います。当該の複数の同人誌の誌名をご面倒でもご教授くださると幸いです。



 次に「問題点その1」。批評文と引用文の主従について。
 これについては釈明するのに少々苦しいところですが、ブログ記事でも明言している通り、あくまで久保氏個人の『エース』観や同人誌観を披瀝する批評文の方に、主体があって文章をリードしていると当方は見ており、基本的には問題がないとの立場を取ります。引用文の方が主であって、批評文の方が付焼刃の従になっている、つまりは「引用の要件として必要な主従関係があきらかに逆転して」いるとの見解を当方は取りません。
 ただし、ひいき目に見ても、文量の比率は半々であるところには弱みがあると思っています。よって、これについては、批評文と引用文の文量の比率の形式には不備があることは認めたいと思い、その旨を「追記」することには、まったく異存はございませんので。
 以後は、批評文と引用文との主従関係を、文量の比率の面でもより明瞭にすることに努めたいと思いますし、そのことを「追記」に明記することで、若干なりともご容赦くださると幸いなのですが。


 本来紙媒体(アマチュアによるミニコミ媒体)を意識して制作した記事が、第三者による複写や改変が容易なデジタル媒体に転載されることへの配慮については、これも引用や言及自体が絶対に不可であるという意味ではないと思いますけれど、たしかに執筆者の意図とは異なる、批評者による別の文脈で掲載される点についての齟齬は、心情的にも理解はできますし、その点に関する配慮なり、あるいは配慮の明文化は必要であったかとは思うので、ご指摘には賛同いたします。この件につきましても、「追記」のかたちで、一筆させていただけると幸いです。



 最後に「周辺のこと」に関しても、ご回答を申し上げます。
 まず、今回の件に関して、どこまでが久保氏の責任で、どこまでがT.SATOの責任であるかの件について。先にも少々ふれましたが、当該の『エース』特集自体は久保氏発案の企画ですが、「同人誌の歴史」は久保氏の想定していた企画ではありませんでした。
 あの企画自体は、私のものであり、本来は当方ことT.SATOが執筆を予定していたものでした。しかし諸般の事情で多忙ゆえに執筆の時間が取れず、代理を久保氏に依頼したものであります。文章の内容・形式(同人誌の紹介・引用・それに対する自身の見解)といったコンセプト自体も、当方が最初に想定していたものであり、代理執筆にあたって久保氏に伝授したものです。
 久保氏については、おそらく特に矢的氏にあらせられては、その評価は低いと思われますし、人物批評もまたそれぞれの個人が決定していくことでかまわないとは思いますのでそれに異存を挟む気は毛頭ないのですけれども、当方の久保氏に対する評価と信頼は非常に高く、また価値観や嗜好についても当方ともっとも近しいタイプでもあるし、肝胆相照らす仲でもありますので、「『エース』同人誌の歴史」についても、今回の厳重抗議文によって発覚した不備について賛同できる箇所は除きますが、3サークルの方々には重ね重ね大変に申し訳ないのですけれど、トータルの出来としては当方は満足しております。当方が執筆したとしても、ほぼ同様の体裁(要約・引用・見解)に仕上がったかと考えております。よって、どこまでが誰の責任か? という線引きはむずかしいのですが、当方の意向が相当程度に深く入っているという点では、執筆者は久保氏でも、責任はすべて当方に帰すべきだと考えます。


 「同人誌についてお互いに批評し合う上で、「不当な評価」「事実誤認」「引用過多」等のトラブルは生じうるものです。そうしたトラブルの際に、引用元としてはどこに異議を申し立てればよいのか、その手順の明記は必要です」。
 この件に関しても、当方の不備を完全に認めたいと思います。考えが及びませんでした。以後、異議申し立て先については、知人関係の者で当方の住所やFAX番号を存じている方は郵便やFAXで、それ以外の方はブログの当該記事へトラックバックなりコメント欄に一報をお寄せいただきそこでやりとりするか、公開ではないプライベートなやりとりを希望された場合には、通信手段をその際に検討する、という方針を明記することで、善処をしていきたいと思います。(メアドは当方個人の諸事情により、知己もふくめて公表はしない予定ですので、ご了承くださると幸いです)


 「事前の連絡についてはT.SATO様の御見解を認めるにせよ、事後の連絡もいただけなかったことは同人誌仲間としてアンフェアと考えます」「問題のあるやり方で批評し、それを相手に知らせずじまいで済ませることは、同人誌制作者として以前に人間同士の関係としていかがなものかと考えます」とのご指摘については痛み入ります。
 この件に関しては、少々後ろめたく思っているのも事実です。連絡すべきか否か迷わなかったわけではなく、実際には迷ったのですけれど、知己の同人サークルの方々には連絡して、非・知人の方々に連絡をしないのもダブルスタンダードか? などと迷ったり。
 悪い意味ではなく、当方も含めたいわゆる普通の日本人の人情・心理としても、事後に何らかのかたちにて(書簡等にて)ご連絡を差し上げた方がよかったか? その方が少なくとも、批評の次元ではともかく人間関係面では最低限のスジは通せたか? とは感じており、その点では後悔しております。このへんは、合理や論理よりも、対人間としての心情を重視すべきであったと痛感いたしております。
 ただし、必ずしもレビューについて事後報告をするのが、普遍のルールでも世界標準でもないとは思いますけれど、商業媒体ではないミニコミ媒体で発表した、日常生活や趣味活動では認知しにくく見逃してしまいやすい批評文を、批評された側が検証し、反・批判の機会を提示するためには、ダブルスタンダードについては諦めて、連絡のできる方には、事後報告をした方がまだしも誠実であったと、ご指摘されたゆえではありますが、現時点ではそのように考えており、反省もいたしております。

 

 「問題点」3種および「周辺のこと」についての回答は、だいたい以上のようになるかと思います。
 反省すべき箇所、改善すべき箇所については善処をしたいと思います。ただし、双方ともに見解が異なりすぎて、埋めようのない相違についても多々あったかと思われます。
 おそらく、「追記」については、「厳重抗議文」に対して、基本的には当方の謝意・釈明を表明する場をイメージされている可能性が高いと思われます。基本的にはそれに賛同するものの、当方の立場や見解をも表明することに、はたして3サークルの方々がご賛同いただけるのであるのや否や。
 もちろん、当方の今回の問題に関する立場や見解を表した回答に、“価値判断”の次元で、3サークルの方々が共感・同意としてのお認めをしていただく必要はないのでありますが、“事実”の次元では、立場や見解の相違がたしかに発生していること自体をまずはお認めいただけると幸いなのですが。
 その上で、異なったままで併存していけるのか?(両論併記でご納得いただけるのか?) それとも、異なった箇所についても正邪の問題であって、正さずにはいられないというような、大雑把にいいますと2つのご対応の可能性があるかと想定されます。


 ちなみに、双方で異なっている見解の箇所については、大変に恐縮なのですけれども、当方としてはこれ以上あまり歩み寄りの余地がないように考えております。よって対面などでの話し合いをしたとしても、平行線・水掛け論になることは目に見えており、その点での本質論のような正邪の議論を行なうことはあまり有益ではないと思います。
 双方で異なった見解のままで、「追記」をどのようなかたちで仕上げるかの技術的・取り決め的な議論を行なっていった方が、より有益のように思うのですが、いかがでしょうか?


 このあたりの判断がやっかいであるかと思います。批判・抗議があった旨と、それに対する説明と謝意のみを「追記」に求められていて、当方の言い分についての言明についてはオミットされたいのか、それとも当方の言い分も控え目にはしますが、言明をしてもよいものなのか。
 いっそ、当該の「厳重抗議」と、当方によるこの回答書面を、そのままに前後にならべて掲載してもよいのではないかとも思ったり、でも後段に配置される文章の方が有利に見られがちな問題点等があるのなら、数ヶ月間は「厳重抗議」のみを掲載し、そのあとにはじめて当方の立場の言明を直後の文として追加UPするなどはいかがか? 等々とりとめもなく考えているところであります。


 もちろん、まずはなによりも、当方のこの回答にも、なかなかに3サークルの主要関係者の方全員のご承諾をいただくのはむずかしい可能性があるとも予想はしております。当方も望んで対立したいわけでは毛頭ありませんし、なるべくならば穏便に済ませたいとは、切に願っております。
 あるいは不幸にも、妥協点が見いだせなかった場合には、「厳重抗議」の旨を3サークル様の同人誌や自サイトにて公表されることも、批評に対する批評なり、反・批判はあって(内容にではなく手法に対するものではあっても)然るべきであるとも考えておりますので、仕方がないとは考えてはおります。残念ではありますが、身から出た錆ゆえに、そのような事態になった場合には、甘んじて受ける所存であります。


 以上となります。長々と当方の一方的な弁明を読ませてしまいまして、ご不興でしたらまことに申し訳ございません。
 当該の書簡をもとに、また3サークルの方々とご協議をされることと存じます。当該のFAXでは、書簡の保存やFAX送信、共有などには適さないかと思いますので、数日中に当該書簡を印刷した書面を3部ずつ、今回は矢的さまの方にまとめてご郵送させていただきますので。


 それでは。3サークルの方々のご協議の結果をお待ちしております。



2007年7月31日
仮面特攻隊 代表:T.SATO 拝




最終的な顛末

(文・T.SATO)
 直上の「回答文」を送付後の同年8月18日、夏コミ2日目の会場において、当該の問題に関しての先方3サークルからの最終的な要求を、先方3サークル連名の書簡の形式にて受領しました。


 勝手ながら、その主要な要求箇所を抜粋いたしますと、


 「一、一連の経過と私たちからの抗議文を、該当のブログおよび2007年冬コミケ以降に最初に発行される貴会誌に掲載すること(別刷りの会報、レジメ、チラシ等は不可)。ブログへの掲載は、2007年9月末日までに行うこと。」


 「二、一について、貴会、またはT.SATO様、久保様からの反論、弁明、謝罪等を公開されるのは自由ですが、その際に虚偽情報の記述や私たちへの責任転嫁は行わないこと。」


 以上の通りとなります。


 弊サークルとしましても、先の07年7月31日付けの「回答文」の中にてこちらから提言した通り、この最終的な要望自体については、異存はありませんので、同年9月30日付けにて、「厳重抗議」およびそれに対する「回答文」を、弊ブログの07年4月1日付けの記事「『エース』同人誌の歴史2」に対する「追記」として、ここにUPをいたす次第です。



 また、3サークル連名の書簡とは別に、スタビライザー代表・矢的氏から、弊サークル代表・T.SATOに対して、


「1 貴君のスタビライザーへの参加をお断りします。セミオープン参加制のスタビライザーとしては除名処分と同等の扱いとお考えください。
 自分から去った方を追って除名扱いしたことはありますが、強制的に出ていっていただくのは、スタビライザーの長い活動の中でも初めてのことであり、その重大さを受け止めてください。」


 との勧告を含む書簡も受領いたしました。
 当方に対する「除名処分」について、謹んで甘受いたしたいと思います。


 また、矢的氏からは、「『エース』同人誌の歴史2」記事における、氏のサークルが製作された会誌(同人誌)「RETURN」紹介文中にて引用しました「4人分の会員コメント」の掲載について、8月18日付けの書簡にて、特に強い不満を表明されたことを付記しておきます。
 ウルトラ5兄弟のブロンズ像のアイデア川北紘一特技監督によるものではなかった、との小沼氏自身による追跡調査の結果は、同じくスタビライザー様が発行されている会誌(同人誌)のバックナンバーに掲載・発表されている次第です。


(了)
(以上、特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)にも掲載)



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