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ファミリー劇場『ウルトラマンAのすべて』 〜高峰圭二!


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ファミリー劇場ウルトラマンAのすべて』レポート

(文・森川由浩)


 『ウルトラ情報局』(02〜放映中)は、CS衛星放送「ファミリー劇場」(361ch)での円谷プロウルトラシリーズ放映にシンクロして誕生した番組で、シリーズ第一弾『ウルトラQ(キュー)』(66)放映開始と共に2002年12月よりスタートした。
 その内容は同局で放映されるウルトラシリーズの関係者を招いてのインタビューと、『ウルトラ』はもちろん、他の円谷プロ作品に関するDVD、玩具、各種グッズのインフォメーション、視聴者からの質問に答えるコーナーで構成された情報番組である。


 ナビゲーターは『ウルトラマンコスモス』(01)のヒロイン・森本綾乃(アヤノ)隊員役の鈴木繭菓(すずき まゆか)、構成・演出は円谷プロ作品のDVD、CD、書籍などの解説・構成で80年代後半から活躍する秋廣泰生(あきひろ やすお)が担当する。
 一ヶ月単位で番組が更新、最初の放映は各月の第三木曜日の20時30分で、以後一ヶ月は同じ番組が別の時間帯で何回も再放送される。


 これまで、レギュラー俳優、メインスタッフはもちろん、一回だけのゲスト俳優やこれまで各種書籍などにインタビューの載らなかった関係者の登場もあり、ファン括目の情報番組として、根強い人気を誇る番組だ。


 昨06年5月から一年間放映された『ウルトラマンA(エース)』(72・
http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070430/p1)の放映と連動し、最初に別枠で放映される特番『ウルトラマンAのすべて』に主人公・北斗星司役の高峰圭二を招き、以後『ウルトラ情報局』では、脚本家・美術デザイナー・監督・特撮監督はもとより、先に発売された『A』DVDにもインタビューの収録されなかったTAC(タック)隊員の俳優も出演、非常に密度の濃い顔触れによる初公開秘話続出のディープな内容になった。
 既存の各種ムック本だけでは伺えない、関係諸氏による『A』秘話は、以後の作品研究や検証、分析などの一助になる事は間違いない。


 だが、CSやケーブルTVに加入しないと、このファミリー劇場で放映される番組は鑑賞できない。
 諸事情で受信・契約できないために視聴のできないファンも多いとは思う。
 そこで、そうしたファンにも番組内で公開された作品秘話を知って頂こうと、『Aのすべて』『ウルトラ情報局』での『A』関連ゲストによる秘話をここにまとめてみた。
 今後ビデオやDVD、再放送などで作品を楽しみ一助になれば幸いである。


特番『ウルトラマンAのすべて』

ナビゲーター  市瀬秀和(いちのせ ひでかず)(俳優 『ウルトラマンコスモス』フブキ隊員役)
ゲスト     高峰圭二(たかみね けいじ)(俳優 『ウルトラマンA』主人公・北斗星司役)

・『ウルトラマンA』出演のきっかけ

 当時関西在住だった高峰。『刑事くん』(パートI.71)にゲスト出演*1のため上京。
 その時番組担当のTBSプロデューサー橋本洋二から「円谷(つぶらや)行ってカメラテスト受けないか?」と声がかかる。
 そのカメラテスト時のフィルムも番組で初公開(サイレント)。
 主役に決まり、東京に出るきっかけを掴んだ。

・TACの隊員達

 高峰圭二・沖田駿一(山中)・山本正明(今野)は同い年。佐野光洋(吉村)は年下。男性隊員四人は撮影が早く終了するといつも近所の飲み屋に行く。
 一番印象的なエピソードは第46話「タイムマシンを乗り越えろ!」。
 (http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070319/p1
 当時、隊長役の瑳川哲郎が時代劇(『大江戸捜査網』(70〜84)か?)で馬に乗るのを見て、「瑳川さん、チャンバラやりたい!」と会話。
 プロデューサー(個人名は出なかった)曰(いわ)く「タイムマシン乗ったらどこの時代にもいけるじゃないですか」と。
 その後希望を取り入れた脚本(作・石堂淑朗)が完成した。

・途中からの単独変身

 「仮面ライダーよりかっこいい変身ポーズを!」と、関西時代からの親友・櫻木健一と変身ポーズを考え、スタッフに披露するが、
 「いいけどね、ウルトラマンはそんな長い変身ポーズはいらないんだよ」と、最後の決めの部分だけOK、実際のポーズになった。
 当時は残念だったが、時が経つと「これ(実際)の方が良かった」と痛感。
 「役者は自分のことしか考えない。さすがプロデューサーとか監督はちゃんと見てるな」と感心。

北斗星司の視点

第23話「逆転! ゾフィ只今参上」
 (http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061012/p1
 仲間に信用して貰えず、孤立する。北斗は子供のような純粋さ、向こう気の強さ=大人から見れば非常識(?)
 北斗は子供の目線でも物事を見るため、大人と対立。
 TAC作戦室内セットを360度長廻しで撮影、カメラマンも照明も俳優も大変。
 これまで細かいカット割で演技を区切っていた高峰に監督・真船禎(まふね てい)は、
 「そんなの嘘だよ! とにかく命賭けて説得するんだから、間もクソもあるか!」と一喝。
 高峰は「とっても勉強になりました」と痛感。

北斗星司の変遷

 合体変身のときは北斗は夕子に甘えられる。
 前半=若作りで芝居していた、少年の部分が出ている、夕子は女性の優しさで北斗をカバー。
 後半=独りになる。加入したダン少年の存在(北斗の少年時代とダブるイメージ)、スタッフが子どもを意識しない。同等に扱う。
 「こんな内容で子どもに判るかな?」(高峰)
 「大丈夫だよ、本能でわかるんだから」(スタッフ)。

・映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06)に出演。

 (http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1
 「60歳になって北斗星司で変身できるとは当時は夢にも思わなかった(笑)」
 映画に入る前、「今だったらギリギリで走れるしね、動けるから!」とアピールしたが、現場は「大事にしてくれた(笑)」。

・最後のメッセージ

 「必ず、(作品)一本一本に何らかのメッセージみたいなものが『A』の中には入ってると思うんですよね。ウルトラマンシリーズっていうのはあくまでも、「絶対教育番組」でもないし、そんな「こうでなければ!」みたいな大上段にテーマを振りかざして作ってる訳でもないけど、だけどオブラートに包んで「どうですか?」ていう、優しい問いかけみたいなのは、絶えず問いかけていたと思うんだよね。僕らみんな、スタッフがね」


解説

 これまでのオープニング特番『ウルトラ○○のすべて』で、初の主演俳優登板による特番が放映された。
 それがこの『ウルトラマンAのすべて』である。
 映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』への言及もあり、『A』放映のみならず、『メビウス』への期待も沸いてくる特番であった。
 知ってのとおり高峰圭二は、一時芸能活動を引退していたが、この『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』、『ウルトラマンメビウス』(06)TVシリーズ第44話「エースの願い」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070408/p1)で、再び北斗星司を演じ、ファンの前に復活したのは、多くのファンを驚愕、そして喜ばせた。
 35年の時を経て、振り返り、再度演じるヒーローへの想いが伝わる特番であった。


(了)
文中敬称略

 ……つづきのファミリー劇場『ウルトラ情報局』〜ウルトラマンA編・06年5月号〜10月号は翌日UP!


[関連記事]

ファミリー劇場『ウルトラ情報局』ウルトラマンタロウ編〜1

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『エース』同人誌の歴史1 〜『A』再評価の端緒を築いた伝説の名同人誌『全員脱出!』

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*1:第23話「九州から来たあいつ」。