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魔進戦隊キラメイジャーTHE MOVIE・騎士竜戦隊リュウソウジャー特別編 ~TV本編ともリンクさせた劇場版の作り方とは!?

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『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』&『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』 ~TV本編ともリンクさせた劇場版の作り方とは!?


映画『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』

東映系・2021年2月20日(土)公開)
(文・久保達也)
(2021年3月5日脱稿)

*新型コロナ禍に翻弄された『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』


 スーパー戦隊シリーズの放映終了間近の最新作と直近の前作の世界観とをクロスオーバーさせた夢の競演作品は、1996年の東映Vシネマ・ブランドのビデオ販売作品『超力(ちょうりき)戦隊オーレンジャー オーレVS(たい)カクレンジャー』(96年)ではじまった。
 2009年の『劇場版 炎神(エンジン)戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』(09年)以降は、東映映画の「新春興行」としても昇格する。
 さらに、2010年の『侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG(バン)!!』(10年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20110124/p1)からは、放映開始目前である次回作の新スーパー戦隊をもお披露目させる役割も兼ね備えてきた。
 そんな冬期恒例のスーパー戦隊シリーズの映画『スーパー戦隊 MOVIE(ムービー)レンジャー 2021(ニイゼロニイイチ)』が公開された。


 周知のとおり、2021年1月7日(木)に新型コロナウィルス感染拡大防止の政策として首都圏をはじめ関西や中部などの地域に2度目の「緊急事態宣言」が発令された。当初は2月上旬までの予定であったハズが3月7日(日)までに延長されたために――首都圏以外は2月末に解除されたが――、「またしても公開延期か!?」という不安がマニア諸氏の脳裏をよぎったことだろう。


 前年度の2020年2月8日(土)封切だった新春興行『スーパー戦隊MOVIEパーティー』(20年・東映)では、


・最新作とその前作であるスーパー戦隊の競演を描いた「スーパー戦隊VS(ブイエス)」作品のかたちを踏襲して、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20191102/p1)と『快盗戦隊ルパンレンジャーVS(ブイエス)警察戦隊パトレンジャー』(18年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190402/p1)をコラボレーションさせた映画『劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVS(ブイエス)ルパンレンジャーVS(ブイエス)パトレンジャー』(20年・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220507/p1
・放映を直後に控えた新番組『魔進(マシン)戦隊キラメイジャー』(20年)の実質的な「第1話」として製作された映画『魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO(ゼロ)』(20年・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200322/p1


 以上の2本立てであり、次回作の新スーパー戦隊をそれ単独の1本の映画としてお披露目させる手法が採られるまでになっていた。


 しかし、本年2021年度の『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』では、新型コロナ禍による製作遅延の影響か、残念ながらこの時期の恒例であった「スーパー戦隊VS映画」の公開はなかった。
 その擬似的な代替処置なのだろうが、新旧2大スーパー戦隊それぞれの単独映画と次回作の新スーパー単独映画として、


・当初は半年前の2020年7月23日(木・祝)の公開だったハズが7ヶ月も延期されてしまった映画『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE(ザ・ムービー) ビー・バップ・ドリーム』(21年・東映
・『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の続編ではなく、第32話『憎悪(ぞうお)の雨が止(や)む時』~第33話『新たなる刺客(しかく)』の間に起きた出来事を描いた短編映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』(21年・東映
・2021年3月7日(日)に放映が開始されるスーパー戦隊第45作『機界戦隊ゼンカイジャー』(21年)の初披露となる映画『機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!』(21年・東映


の豪華3本立てとなっていたのだ。3本立てといった多数の作品を上映する形式に、年長オタク世代は東映の往年の子供向け興行で完全新作とテレビシリーズのアニメや特撮のブローアップ版を上映していた『東映まんがまつり』(63~89年)を彷彿(ほうふつ)とした人もいたことだろう。
――『東映まんがまつり』自体も2019年春には復活して、2020年春にも公開! のハズだったのだが、これまた新型コロナ禍の影響によって同年夏休み時期に延期されている――


 2020年度には新型コロナウイルスによる病死や重たい後遺症を背負ってしまったり、ワクチンによる重度の副反応や失業してしまった人々のことをも配慮すれば、やはり不要不急のプチ・ブルジョワ的なゼイタク品にすぎなかったのだともいえるエンタメ業界は(汗)、どうしてもこの影響を抜きにしては語れないものがある。
 今回の『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』にもそういったことが色濃く表れていた。そのことも念頭に置きながら、各作品について語らせていただこう。


映画『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』


 本来は2020年夏興行の作品であり、本作と同時上映の予定であった作品が、同年12月18日(金)まで公開が延期されることになった映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME(リアルタイム)』(20年・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211114/p1)である。
 同作は撮影自体が新型コロナ禍の影響で延期となったこともあり、『仮面ライダーゼロワン』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200517/p1)のテレビシリーズ終盤のストーリー展開の中で起きた出来事ではなく、その最終回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200921/p1)から3ヶ月後に起きた事件を描いた続編・後日談へと内容が修正されることになった。
――そのことが功を奏して、おそらく当初に想定されていた内容よりも観客たちにより深い感動を与えることになったと思えば、「善悪はあざなえる縄のごとし」なのであって、この新型コロナ禍も全面的には悪いものでもなかったともいえるのだ――


 本作『魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム』が公開延期の果てについに公開されたことに対して、『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』のパンフレット(東映事業推進部・2021年2月20日発行)に掲載された山口恭平(やまぐち・きょうへい)監督やキャストたちへのインタビューによれば、以下のような経緯となっていたようだ。


・本来は2020年春に予定されていた撮影自体は延期になった
・4~5月当時に出されていた第1回「緊急事態宣言」が解除されて間もない6月~7月にかけて撮影されていた
・そのために、8月最終週に放映されたテレビシリーズ最終回の撮影後に改めて映画の撮影が再開されることになった『劇場版ゼロワン』とは異なり、公開延期による内容自体の変更は生じていない


 以上の発言を100パーセント、真に受けてしまうのはマニアの態度としてはいかがかとは思うものの、概略としてはこのとおりであったのだろう。


 つまり、本作は時系列的にはやはり「夏映画」なのである。よって、この時期のテレビシリーズとも連動していたために、エピソード25『可愛いあの巫女(かわいいあのみこ)』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220501/p1)にて鮮烈なデビューを飾った、敵組織・ヨドン軍の首領・ヨドン皇帝直属の女秘書官・ヨドンナは残念ながら登場していないのだ。


 ただ、すでに夏前に撮影が終了していた映画が、実に半年以上も公開を延期せざるをえなくなった理由の一端を、この劇場版限定で登場したゲスト敵キャラの設定に対して、マニア諸氏も直感的に求めてしまったのではなかろうか?


壇蜜が演じる劇場版ゲスト悪役・ミンジョはテレビ本編の悪役・ヌマ―ジョの妹だった!(ことが公開延期の一端か!?)


 2009年に遅咲きのグラビアアイドルタレントとしてデビューし、特撮マニアから見れば70~80年代自主映画上がりの鬼才・河崎実(かわさき・みのる)監督のバカ映画『地球防衛未亡人』(14年・トラヴィス)主演や、雨宮慶太監督&井上敏樹脚本コンビによる深夜特撮『衝撃ゴウライガン!!』(13年)出演をはじめ、多方面で活躍中のタレント・壇蜜(だん・みつ)が演じるヨドン軍の「悪夢のマエストロ」(笑)を自称する魔女・ミンジョ。


 このゲストキャラクターは、『キラメイジャー』エピソード21『釣れ、ときどき達人』~エピソード22『覚悟はいいか そこの魔女』に登場した「淀(よど)みの海」に棲(す)む魔女・ヌマージョの妹として設定されていたのだ!
――ちなみに、パンフ掲載のインタビューによれば、1980年生まれの壇蜜は世代的に、『電撃戦隊チェンジマン』(85年)や『仮面ライダーBLACK(ブラック)』(87年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015/p2)どころか『世界忍者戦ジライヤ』(88年・東映 テレビ朝日)まで観ていたそうだ(笑)――


 姉であるヌマージョが目から上の部分に紫色の仮面をつけて、顔の下半分はナマ身の白い肌の鼻と口が露出したような造形の小顔のマスクだったことを踏襲して、ミンジョの方も怪人態になると赤い仮面に黒い衣装になっている。杖(つえ)でもある死神が持つ大鎌(おおかま)のような武器を手にするも、シースルーの黒いレースの布地のようなマントに黒網タイツ、青い和装の靴を着用することで「妹らしさ」も演出している。
 この怪人態は壇蜜が演じる人間態がマスクを付けただけの趣(おもむき)になっているが、網タイツ姿の軽装で戦う女敵キャラなどは、それこそ先述した『ジライヤ』に登場した女忍者たちを彷彿とさせる。マニア的にはスーツアクトレスのどなたが演じていたのかも気になるところだ(笑)。


 ヌマージョが登場したエピソード21~22は、2020年8月30日(日)と9月6日(日)に放映された。
 周知のとおり、『キラメイジャー』は新型コロナの影響による撮影の中断で、序盤の第1クール終盤の時点で放映を5週にわたって休止していた。
 これが理由でヌマージョがまだ登場していないのに、その妹だと名乗ってみせるミンジョの方が先に登場してしまうのは矛盾となってしまうことから、公開も延期になったのだ……と推測したのだが、エピソード21~22は本来ならば7月26日(日)と8月2日(日)の放送だったのだ(汗)。
 つまり、「夏映画」が予定どおりに公開されてもミンジョの登場は7月23日(木・祝)だったりするので、筆者の直感的な推測とは異なり、コロナ禍による放映中断があろうがなかろうが、実はミンジョの方がヌマージョよりも先に登場していたのであった(爆)。


 これまでのスーパー戦隊シリーズの劇場版では、レギュラー悪の組織とは縁(えん)もゆかりもさしてないポっと出のゲスト悪役なども登場したものだ。それはそれでテレビシリーズ本編のストーリー展開には影響を与えないで済むという利点はある。だとしても、テレビシリーズの悪役キャラとも何らかの因縁があるゲスト敵キャラが登場した方がドラマチックではあるので、ミンジョの出自設定それ自体は好ましいものではあるのだ。


 ただまぁ、劇場版というものはテレビシリーズを観ている子供たちの全員が観に行くような性質の作品ではない。その割合は良くも悪くもかなり低いものにはなるだろう。
 しかしその逆に、劇場版を観に来た子供たちのほぼ100パーセントは、原典であるテレビシリーズを鑑賞しているであろうことは間違いがないことなのだ(笑)。
 その意味では、劇場版に先行して登場していたゲスト敵キャラが、あとからテレビシリーズにおいて回想シーンなどのかたちで言及されたとしても、未見の幼児たちにとっては未知の事象でもあるから、「そうなっていたのだ」ということの認知はできても、少々の違和感や疎外感は残ってしまったことだろう。
 しかし、テレビシリーズの方で先行登場していた敵キャラの妹が、のちに公開された劇場版の方に登場する分には、こういったリスクはほぼなくなるのだ。
 テレビシリーズでも以前に見掛けたことがあったあのキャラの血縁者だ! 2代目! 3代目! ジュニアだ! 再生! 改造だ!……といったかたちで(笑)、劇場に観に来ていた子供たちにもおおいにナットクがいくことでもあるだろうからだ。


 その伝で、テレビシリーズの方で姉のヌマージョが先行登場した上で、改めて劇場版の方にもその妹のミンジョが登場したという、その一点においてだけは、当初の半年後になってしまった公開タイミングもあながち悪かったワケではなかったのでもなかろうか?
 その意味では結果論ではあっても、本作もまた公開延期が功を奏して、新型コロナという天災を、転んでもタダでは起きないとばかりに天祐(てんゆう=天の助け)へと変えてみせたのではなかろうか?


 ヌマージョが初登場するエピソード21~22の放映は実際には8月最終週~9月第1週となった。その撮影も放映1~2ヵ月前の7~8月だとすれば、この劇場版の撮影時期である6~7月にはヌマージョ登場場面もまだ撮影ができていなかった可能性はある。
 つまり、テレビシリーズに放映中断が生じていても、この劇場版が予定どおりに「夏映画」として公開できた場合には、テレビシリーズにおけるヌマージョ登場の回想場面は挿入ができずに、説明セリフのみでの言及で終わってしまった可能性も高いのだ。
 先のインタビューでは、公開延期による内容の修正はなかったとのことであった。しかし、この劇場版では回想シーンとして挿入されたテレビシリーズでのヌマージョ登場場面については、一度は「夏映画」として完成したバージョンには実は間に合っておらず(笑)、あとから編集で改めて追加された可能性も高いのではなかろうか?


 けれど、仮にコロナ禍がなかった場合でも、たとえ劇場版の方でテレビシリーズのヌマージョ登場よりも数日だけ先行してミンジョを登場させること自体は、製作ウラ事情などがわかってはいない子供たちにとってはやや不親切なことではある。しかし、この日数程度の微差であればたしかに些事(さじ)ではあるのだ(笑)。
 テレビと夏映画で同時期にヌマージョ&ミンジョの姉妹を登場させることで、視聴者&観客にも鮮烈に印象づけるという戦略自体も間違ってはいないのだし、有効にも機能しただろうとは思うのだ。
 そうした試みが頓挫したこと自体が『キラメイジャー』という作品にとっては致命的な弱点になっている……などといった極端なことまでは思わないものの、やや不運なことではあっただろう。


*夢の中の世界! 「夏映画」にふさわしい「夏祭り」! キラメイブルー時雨も大活躍!(笑)


 本作では、先述した映画『キラメイジャー エピソードZERO』において描かれた、ヨドン軍による宝石の国・クリスタリアの侵攻の渦中に、本劇場版におけるキーアイテムである宝石・ドリームストーンを実はミンジョが持ち出していたという「もうひとつの真実」が語られている。
 加えて、テレビシリーズでもレギュラーの敵幹部を務めている鬼将軍・ガルザを陥(おとし)入れたことで、ガルザに代わってミンジョ自身がヨドン軍での君臨(くんりん)をたくらんでいるなどといった強敵悪党ぶりも見せつけてくれていた。
 もちろん後付けではあろうが、『エピソードZERO』も含めたテレビシリーズ前半で描かれてきた世界での出来事にも接点を持たせたキャラクターとしつつ、敵幹部クラスにも匹敵する潜在的な実力を兼ね備えた存在だとして描かれていたことについては、おおいに評価したいところだ。


 この劇場版ではミンジョが宝石・ドリームストーンに呪(のろ)いをかけたことで、ストーンが「夢の宝石」ならぬ「悪夢の宝石」と化して、熱田充瑠(あつた・じゅうる)=キラメイレッドと射水為朝(いみず・ためとも)=キラメイイエローのコンビが、加えてクリスタリア宝路(くりすたりあ・たかみち)=キラメイシルバーが、それぞれ睡眠中に夢の世界・ユメーリアに閉じこめられてしまうという事件が描かれている。
 そして、速見瀬奈(はやみ・せな)=キラメイグリーン、押切時雨(おしきり・しぐる)=キラメイブルー、大治小夜(おおはる・さよ)=キラメイピンクらが、充瑠らを取り戻そうと夢の世界に潜入して奮闘する展開になっている。


 ストーリーのほぼ全編に渡ってキラメイジャー各自を分断させるという手法は、もちろん最後に6人が「強者集結」して「逆転勝利」をおさめるスーパー戦隊ならではの「カタルシス」をもたらすための実に「王道」的な作劇だともいえるだろう。
 そしてこの手法は、個々のキャラの活躍を存分に描くことで各キャラの人物像をさらに掘り下げるためでもあり、それがクライマックスのバトルシーンでも、バトルとドラマを遊離させずに、バトル自体にも高いドラマ性をもたらすこととなっていたのだ。



 夢の世界への行き来が可能だという追加設定(笑)がなされたクリスタリアの王女さまで、キラメイジャーの後見人のひとりでもあるレギュラーキャラ・マブシーナ姫の協力で、キラメイジャーでもある瀬奈・時雨・小夜の3人は制限時間付きでのユメーリアへの潜入に成功する。
 しかし、ユーメリアの世界の中にあった白昼下(はくちゅうか)であることを映像処理的に強調した「夏祭り」の縁日(えんにち)の屋台が並んでいる神社の境内(けいだい)の場で、3人はミンジョから徹底攻撃を受けてしまう!


・瀬奈と小夜は浴衣(ゆかた)姿
・時雨は夏祭りの青いハッピ姿


 夢の世界の中での3人の出で立ちは、完全に「夏映画」を想定して製作されていたことの名残りなのだろう。山口監督によれば、撮影現場ではコロナによる公開延期の可能性を想定して「夏」を意識した場面はやめておこうという声は上がらなかったようだ。


 そういえば、キラメイジャーの後見人で地球防衛組織・CARAT(カラット)の代表・博多南無鈴(はかたみなみ・むりょう)も、「夏映画」でもないのに年中、アロハシャツ姿であった(笑)。


 それは冗談だが、「夏祭り」といっても夢の中の世界での「幻想性」「非日常性」を前面に押し出すということが、このシーンのコンセプトである。だから、公開時期がズレて「夏映画」ではなくなったとしても問題はなかろうという判断だったようで、それもまたもっともなことではあったのだ。
 だが、それと同時に「夏祭り」という素材自体をどうしてもハズせなかった、きわめて重要な描写があったことも大きかったのではあるまいか?


 それは大きめの「カキ氷器」の存在である(笑)。ミンジョの魔法によって、時雨が頭部の左右から「カキ氷器」でサンドイッチされて(!)、その頭上の頭髪に大量の「カキ氷」が降ってくる描写があるからだ(爆)。


――この一連の前後における、ミンジョの魔法でミクロ化されて金魚鉢(きんぎょばち)の中に閉じこめられてしまった小夜の主観で、鉢の外からのぞきこんでくるミンジョを、中央が膨らんで周囲が遠景に退いて映って見える魚眼レンズでとらえたカットや、小夜を金魚すくいのアミですくってビニール袋につめこんで「ホ~~ラよ!」っと放り投げるミンジョを演じる壇蜜の愉快犯に徹した演技も実によかった――


 その際に、回想としてエピソード3『マンリキ野郎! 御意見無用』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200712/p1)の映像が流用されていた!
 このエピソードは同話のゲスト敵怪人・マンリキ邪面によって大きな万力(まんりき)を頭部の左右からハメられてしまった時代劇俳優でもあるイケメンの時雨が、本当は痛くて痛くてタマらないのにもかかわらず、人前ではカッコ悪い部分を見せたくないがために必死でヤセ我慢をして、なぜだか不条理にもそのままの格好で時代劇映画の撮影が続行されていく(爆)といった珍エピソードでもあったのだ。


――ちなみに同話のサブタイトルも、東映の往年の人気映画シリーズ『トラック野郎 御意見無用』(75年・東映)のパロディである(笑)――


 『エピソードZERO』やエピソード1~2では、クールなイケメン役者として描かれたばかりの時雨が、エピソード3で早くもネタキャラと化したことには、近年のスーパー戦隊シリーズではいつものことだとはいえ(爆)、当然に賛否両論はあるだろう。
 21世紀以降のスーパー戦隊シリーズでも、時雨のようなクールなキャラがコミカルな面を見せるのは第3クール以降などの場合が多かったものだ。しかし、個人的には時雨が開幕早々にネタキャラ化したことには賛同する立場だ。


 前作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のバンバ=リュウソウブラックなどは終盤までコワモテのままで、それもまたひとつの個性ではありキャラの立て方でもある。
 しかし、やはり今時の「子供番組」として主人公たちの親しみやすさを強調することを、ストーリーや作劇的技巧などではなく登場人物の演技などでも表現するのであれば、『キラメイジャー』の明朗快活な作品カラーからしても、カッコいい系はもうひとり為朝がいるので、時雨のネタキャラ化もアリだったとは思うのだ。


 頭に「カキ氷器」をハメられてしまった時雨は「悪夢の再来!」だのとあわてふためく(笑)。
 我々視聴者・観客たちにとっても、時雨といえば即座に頭を巨大な万力に挟まれた姿(爆)が思い浮かぶほどに、あのエピソード3はカッコいいのにコミカルな時雨のキャラを確立した、90年代以降のスーパー戦隊シリーズらしさに満ちあふれた良編ではあった。
――70~80年代まではゲスト敵怪人はコミカルなことをやらかしても、戦隊メンバーたちはここまでオーバーアクションのコミカルな演技は披露しなかったものなので(笑)――


スーパー戦隊恒例の途中参加の「6番目の戦士」が「夏映画」で活躍することの困難!(笑)


「キラメイシルバーの登場は例年の追加戦士よりも早かったので、そこはラッキーでした。去年の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の映画も観たのですが、タイミング的な問題で、リュウソウゴールドのカナロは冒頭に出てきてナンパするだけだった(笑)。宝路は、他のメンバーと別行動が多かったとはいえ、最後は6人で変身して、みんなで一緒に戦っているので、そこは良かったなって」

(クリスタリア宝路役 庄司浩平(しょうじ・こうへい)インタビュー 『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』パンフ掲載)



 早いといえば、『キラメイジャー』では「6番目の戦士」ことクリスタリア宝路=キラメイシルバーは、第1クール終盤のエピソード12『ワンダードリルの快男児』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220501/p1)で初登場していた。
 テレビシリーズの放映中断がなければ、同話は本来は2020年5月24日(日)、つまり同年7月23日に公開されたハズの「夏映画」の2ヶ月前の放映を予定していたのだ。
 氏の話にもあるように、『リュウソウジャー』の夏映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ! 恐竜パニック!!』(2019年7月26日(金)公開・東映https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190818/p1)においては、「6番目の戦士」ことカナロはリュウソウゴールドにはいっさい変身せずに、ホントにナンパするだけであった(爆)。
 カナロが『リュウソウジャー』に初登場したのは第14話『黄金の騎士』だったが、同話が放映されたのは2019年6月23日(日)であり、「夏映画」公開の1ヶ月前のことだったのだ。


 「夏映画」は映画作品であるだけにテレビシリーズよりも時間をかけて撮影する。前準備として通常は複数体が新規に登場する着ぐるみゲストキャラのデザインや造形などでも各々で1ヶ月は要することだろう。イベント性の高い映画だけに見応えと相応の尺数を要した特撮シーンのカット数や合成シーンにかける後処理なども必然的に多くなることから、テレビシリーズ中盤から参加する「6番目の戦士」登場編の撮影どころかその脚本執筆よりも数ヵ月は先行して製作に着手していることが常でもあるのだ。
 そして、スレたマニア諸氏からすれば、「6番目の戦士」の「変身前の中の人」と「変身後のヒーロー」の前後がともにあとから撮影した「別撮り」であって編集で追加挿入していることまでわかってしまったりもするだろう(笑)。


 夏映画『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン・フィルム)』(18年)などでも、途中参加の戦士であるルパンエックスおよびパトレンエックスでもあった高尾ノエルが登場早々に退場してしまったりなど(汗)、スタッフたちのギリギリのところでの苦渋の撮影や編集が偲ばれてしまう。
 「6番目の戦士」であったリュウソウゴールドなどもおそらく着ぐるみスーツの造形自体も間に合わないと見込まれたために、特に玩具会社・バンダイあたりにはお詫びを入れに詣(もう)でに行ったり(爆)、特定個人が独断で決定できるような事項でもない重大事なので、スタッフやプロデューサー連中も会議を重ねた末に、涙を飲んでやむをえず……といったところでの処置だったのではなかろうか? などといった憶測なども想起されてしまうのだ。


 とはいえ、このへんの反省もあってスケジュール調整もうまく行ったのか、この劇場版では「6番目の戦士」ことキラメイシルバーも活躍ができている!――実際にはテレビシリーズの5週分が放映休止となったために、初登場のエピソード12が放映されたのは2020年6月28日であり、カレンダー・ベースでいえば、実は前年度のリュウソウゴールドよりも遅くなってしまったのだけど(笑)――


 そのおかげで、今年度の「夏映画」では宝路=キラメイシルバーもふつうに活躍しており、冒頭からキラメイシルバーVSミンジョの対決も描けている。
 宝路の義理の妹であるマブシーナ姫の回想として、平和だったころのクリスタリア国で、父のオラディン王、母のマバユイネ妃(ひ)、母国を裏切る前の叔父(おじ)のガルザとともに宝路が楽しく過ごしている描写なども挿入することで、地球とクリスタリアをまたがっている宝路の特殊な出自を改めて「絵」として観客に示すこともできていたのであった。


*「レム睡眠」モチーフの怪人! 輪投げモチーフの巨大怪獣! 夜霧の巨大特撮バトル!


 この「夏映画」のゲストキャラとしては、ミンジョが従えているゲスト敵怪人こと闇獣・レムードンなる等身大の怪人が登場している――夢を見ている際の睡眠状態を意味する「レム睡眠」の「レム」から採ったネーミングなのだろう(笑)――。
 相手を眠らせるという能力から、ヒツジがモチーフとなっているのは当たり前にすぎるものの、腕やヒザ、胸や腹など身体の各所にヒツジの頭部、それもヒツジというよりかは猛牛を思わせる獰猛(どうもう)な紫色の顔が造形されているカオス的なデザインである。劇場版ならではのボリュームがある造形によって、最強怪人としての趣が濃厚に感じられるのは好感が持てるところだ。


 加えて、このレムードンのみならず、先述した縁日の場面にはゲスト巨大怪獣であるワナゲヒルドンを登場させている――輪投げ用の棒を頭部のモチーフとした邪面獣であった(笑)――。
 この巨大怪獣の登場によって、瀬奈の相棒・魔進マッハ、時雨の相棒・魔進ジェッタ、小夜の相棒・魔進ヘリコといった、同作おなじみのクルマやメカ型でも意志を持ったレギュラーの巨大メカ生命体たちが颯爽(さっそう)と駆けつけてくるカタルシスにあふれた場面も構築できている。
 実景との合成による特撮巨大バトルが用意されているのも、物語の中盤で子供たちを飽きさせないための配分としては実に妥当なところだろう。


 ラストでは、巨大化した敵怪人ことレムードンにミンジョ自身が巨大な「邪面」と化して合体したミンジョレムードンVS戦隊巨大ロボ複数体とのバトルも描かれる。
 海面を手前に夜の湾岸を再現した特撮ミニチュアセットには夜霧(!)まで発生させており、それを照明で照らすことでリアルさと幻想性を両立させた特撮場面となっていて、いつものテレビシリーズともまた異なる劇場版ならではの「スペシャル感」をも醸(かも)し出していた。
 新造ミニチュアなのだろう背の高い鉄骨コンビナート群の工業地帯で展開される特撮巨大バトルも実にすばらしかった!


*魔進ザビューンもテレビ本編でのヌマージョとの因縁を忘れずに言及してみせることの意義!


 そこにサメと特急列車の特性を兼ね備えた、魔進ザビューンも駆けつけてくる!


 この魔進ザビューンもまた、テレビシリーズを鑑賞してきた方々であればご存じのとおり、ミンジョの姉・ヌマージョが登場したエピソード21~22でデビューを飾った意志を持ったメカ生命体であるのだ。


 そして、ミンジョがあのヌマージョの妹だと知っていたザビューンは、


「オレにとって因縁の相手だ!」


などと叫んでみせている!


 ヌマージョ&ミンジョの姉妹とともに魔進ザビューンもまた、本来ならば前年2020年の夏にテレビシリーズと劇場版で同時期に活躍を描くことで、視聴者と観客にちょっとしたサプライズを与えるねらいもあったようだ。


 『キラメイジャー』テレビシリーズでは、レギュラーの正義側と悪側のキャラクターに人物相関図的な関係性を多数持たせることで、その対角線同士の関係性を順繰りで描いていくことだけでも、人間ドラマを発生させることができている。
 しかし、「夏映画」限定のゲスト敵キャラの点描程度の出自設定だとはいえ、テレビシリーズの一時放映中止や劇場版の公開延期のために、劇場版とテレビとで敵キャラの設定が同時連動! といったことが果たされなかったことは、スタッフたちにとってはやや不本意なことだったかもしれない。


 けれど、逆に云うならば、先にテレビシリーズでヌマージョがまだ登場する前なのに、魔進サビューンに「ヌマージョの妹だ!」などと云われても「?」となってしまったことだろう。
 よって、子供たちにも先にテレビシリーズでヌマージョに対する認知をさせた上で、公開が伸び伸びになっていたこの劇場版を観に来た観客の100パーセント近くが知っているであろうヌマージョの妹を登場させた方が「!」といったサプライズがあったことだろう。
 つまり、このミンジョが登場する劇場版がこの時期に公開されたこと自体もまた、映画の神さまの配剤ではなかったか? とコジツケすることもできるのだ――あくまでもコジツケ・文学的レトリックであって、ガチでそこにオカルト的な神意などを観ているワケではありませんヨ(笑)――。


発端は敵幹部ガルザ! 今後のガルザの「光落ち」の伏線でありつつも、その困難をも同時に描く!


 本稿の発表は公開からまだ間もない時期を予定しているために、あまりにネタバレな詳細に対する記述は控えておこう。
 などと云いつつ、最大のネタバレをさせてもらうが(笑)、圧巻なのは本作で描かれた事件自体がテレビシリーズではレギュラー敵幹部として登場しているガルザが睡眠中に見ていた「夢」が発端(ほったん)であったと明かされたことだ。


 マブシーナ姫によれば、人々を夢の世界へと誘(いざな)うという宝石・ドリームストーンを使うことで、かつてのオラディン王は時々、マバユイネ妃・マブシーナ姫・義兄の宝路・叔父のガルザたちに心地よい夢を見させてくれてもいたというのだ――麻薬による幻覚や現実逃避のようにも見えてしまう映像なので、やや引っかかるところもあるのだが(笑)――。
 つまり、ガルザは過去にこの夢の世界・ユメーリアに来たことが幾度もあったということにもなるのだ!


 クライマックス直前の場面では、いまだに夢の中の世界からの脱出ができていない充瑠と為朝が、いつもの「鬼将軍」としての鎧(よろい)を脱ぎ捨てて、その素顔をさらしていた本来のガルザに遭遇する。そしてその場所は、かつて兄のオラディン王が見せてくれた夢の中の舞台であった、美しい花々が咲き乱れる平穏な庭園だったのだ!


 夢には人々の願望が反映されているとはよく云われるところではある。もしもガルザが完全に「鬼将軍」に染まりきっていたのならば、オラディン王が見せてくれた「良き想い出」としての場所なぞは、夢にも出てこなかったことであろう。
 つまり、ガルザは心の奥底では平和だったころのクリスタリア国にまだ未練が残っているということを、未就学児童に対してもビジュアルだけで理解させることができる描写となっているのだ。


 その一方で、自分を出し抜こうとしたミンジョに対してブチ切れたガルザは、その首をつかんで高々と持ち上げて、「キラメイジャーを倒したら許してやる!」などと無慈悲で激昂気質である悪党ぶり全開の捨てゼリフを残して、この映画からは退場していくのであった……


 同一キャラに対して、その善悪の両面を描いてみせるあたりがまたタマらないのだ。
 ガルザの声を担当している中村悠一(なかむら・ゆういち)による、悪党ではあってもイケメンなボイスによる演技もまた、このガルザの善悪両面性を感じさせることに貢献していた。



 ともすれば、劇場版限定のゲスト敵キャラを強調するがあまりに、テレビシリーズのレギュラー悪がまともに登場しない場合も、かつてのスーパー戦隊シリーズの劇場版では見られたものだ。
 それはそれで、悪の組織が劇場版での出来事を引きずらなくてもよいので整合性を考慮する必要性が減るという製作側での利点や便宜(べんぎ)もあったのだろう(笑)。
 しかし、連続テレビドラマとしてはそれはやや不自然なことではあったし、何よりも物語的にはイマイチ面白くない趣向なのだ。
 だから、テレビシリーズと劇場版が相乗効果で盛り上がりを得られるように計算されて作劇されており、シリーズ終盤でのガルザの改心の可能性をも伏線として描写できていたという意味では、「夏映画」としては公開ができなかったとしても「秋映画」としては公開してほしかった気はするのだ。
――ただし、繰り返しになるけど、そのことが『キラメイジャー』という作品の致命的な弱点などにはなっていないことはくれぐれも念のために指摘しておきたい。小さな瑕瑾(かきん。宝玉に付いていた小さなキズ)という程度ではあったのだ――


 この劇場版ではメインゲスト悪役とスーパー戦隊の活躍を描いたのみならず、ある意味ではこの劇場版の本スジからは脱線もしているガルザの「光落ち」の可能性までもが描けていた。こういったシーンは脚本や準備稿にはあっても尺の都合で撮影されなかったり、撮影されても最終的にはカットされてしまいそうなシーンではあるのだ。
 しかし、これらのシーンはきっちりと残されていた。これは近年のスーパー戦隊の「夏映画」が約30分だったことに対して、今回は約40分と尺が長くなったことも大きかったのだとも思われる。
 これもまた、比較的に長尺の映画『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』とは同時上映にはならなかったことによる、公開延期が招いた功の部分であったのかもしれない。



 最後になるが、実に中性的で神秘的なドリームストーンの声を演じたのはナンと! かの庵野秀明(あんの・ひであき)監督の代表作にして、完結編映画『シン・エヴァンゲリオン』(21年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220306/p1)の公開も押し迫っているSFロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズ(95年~)の主人公少年・碇シンジ(いかり・しんじ)の声などで知られる、今ではベテランの緒方恵美(おがた・めぐみ)であった!
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映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ』


 「騎士」と「恐竜」をモチーフとした『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。「恐竜」をモチーフとしたスーパー戦隊であることから、歴代の恐竜モチーフ戦隊たちとも同様に、関係各位は「王道」「明朗」「戦闘活劇」をねらっていたことは明白ではあった。
 しかし、特撮ヒーロー作品初参加のメインライターによるシナリオは、実際には近年の特撮ヒーロー作品としてはやや人間ドラマ志向のマジメな作風となっており、これが災いしてか「王道」「明朗」「戦闘活劇」といった方向にはハジけきれずに、近年のスーパー戦隊作品としてはやや「変化球」でシメっぽい印象が残ってしまったことが残念ではあった。
――もちろん、我々年長世代の原体験作品でもある70年代の日本のヒーロー特撮の方が、同作よりもよほどダークであったりシメっぽかったりもするのだが、今時の子供向け特撮としては、もっと明るく躁的な作風の方が、子供たちにも年長マニアたちにも好まれるであろうし――。


 中でも最も惜しいと思ったのは、リュウソウジャーたちの姿にもよく似ている紫色の最強の鎧(よろい)であったガイソーグ(鎧装具)の扱いだ。
 このカッコいいダーク戦隊ヒーローといったルックスのガイソーグは、シリーズを通じて複数人の変身者を経由していくといった変化球の「悪の鎧」扱いであった。
 しかし、最終的には「光落ち」してリュウソウジャーの「7番目の戦士」の変身スーツとして颯爽とカッコよく大活躍して、作品自体の活劇色やヒーロー性をも高めてくれるハズだと、子供たちも年長マニア諸氏も皆がそのように思っていたことであろう(笑)。


 リュウソウジャーたちと同じく恐竜時代のリュウソウ族出身の好青年に見えたものの、実はガイソーグに心を支配された敵役としての正体を明かしたナダ青年。
 リュウソウジャーの助けによって鎧の呪縛(じゅばく)から解放されて、第32話ではようやく仲間となることができていた。
 関西弁の戦士にして、この手の新人養成番組としては珍しく、演じている役者さんにも一番ナチュラルな演技力があって、主役としてキャスティングされても不思議ではなかったような存在感もあった彼であれば、第33話以降にレギュラーである「7番目の戦士」こと紫色の戦士・ガイソーグなりリュウソウパープルなどと名乗って大活躍して、作品自体の血液温度もおおいに高めてくれるのかと思いきや……
 いきなりの「退場」(爆)となってしまったことには、意外性はあってもカタルシスには欠如した詐欺的な意外性でもあったのだ(笑)。


*『騎士竜戦隊リュウソウジャー』第32.5話でもある哀感あふれる短編作品の是非!


 今回の「特別編」はその第32話と第33話の間に起きていた出来事を描いた「第32.5話」でもある。
 『リュウソウジャー』の東映側のチーフプロデューサーだった丸山真哉(まるやま・しんや)が自ら脚本を執筆し(!)、同作のメイン監督ではなかったものの、実は『リュウソウジャー』の監督陣では最も多く登板していた坂本浩一監督がアクション監督も兼任した、わずか15分の短編である。


 おそらく本来であれば、この『スーパー戦隊MOVIE』は「冬映画」恒例の『スーパー戦隊VS映画』であるところの映画『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』(21年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220507/p1)をメインディッシュに据えたいところだっただろう。
 しかし、このコロナ禍でそれが叶わなかったための代替処置として、


・本作『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の短編映画
・前述してきた公開延期に見舞われてきた『魔進戦隊キラメイジャー』の単独映画の初披露
・後述するスーパー戦隊次回作『機界戦隊ゼンカイジャー』の短編映画


 以上の3本立てで、看板的には前年度と同様の3大スーパー戦隊を登場させることで、例年の「冬映画」にも劣らない「お祭り感」や「メジャー感」を醸そうといったところが趣旨だったのであろう。
 その意味ではこの短編映画『騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編』もまた、『魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー』の代替の一環として急遽、製作が決定したのであって、ロケ地も1カ所のみに限定されているので(!)、いかにも1~2日だけで撮影も完了(爆)させたような突貫工事で仕上げたのであろうことも偲ばれてしまうのだ(笑)。


 テレビ特撮『ウルトラマンタイガ』(19年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210606/p1)においても、昭和のウルトラマンタロウの因縁(いんねん)の敵として設定されながらも、その出自や行動の動機については結局は語られなかった同作のレギュラー悪であるウルトラマントレギアを、動画無料配信サイト・YouTube(ユーチューブ)にて配信された短編作品『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀(いんぼう)』(20年)では、後付けであってもようやく掘り下げていた。


 こういった発信媒体をまたいだキャラクターの個性や去就(きょしゅう)の補完はややマニアックにすぎる部分もあるかもしれないが、おそらく年長マニアのみならず子供たちでも喜びそうな趣向ではあるだろう。
 よって、テレビシリーズでは語られなかった秘史を描くような手法には筆者個人もおおいに賛同はするのだ。


 加えて、ナダ青年の早すぎる死亡にはスタッフ側にも未練はあっただろうから、東映側のプロデューサー直々の脚本と、先の『ウルトラギャラクシーファイト』も手掛けた坂本監督の意向もあってか、本作でもナダが「退場」する要因となった「隠された真実」が明かされている。


 リュウソウジャーの一員には選ばれずに長年の間、鬱積(うっせき)してきたナダの憎しみの感情は、関係各位の尽力で第32話でついに解消されることとなった。
 しかし、そのことでナダがガイソーグを装着変身する際に使用していた恐竜の横顔をモチーフにした小型変身アイテム・ガイソウルは、彼の憎しみを燃料としていたためにエネルギーも空っぽになっており、そのために超人ヒーローとしてのパワーをすでに発揮できない状態になっていたとしたのだ。
 劇中ではここまで明瞭にはセリフ化されてはいないものの、それがつづく第33話にてコウ=リュウソウレッドをナダが救出した際に致命傷を負ってしまった遠因となったのだとも明かされるのだ。


 そういった意味では、ヒーローたちにも何らかのダークサイドや哀しい過去・負い目などを与えて「哀愁」を漂わせるような手法は、実は往年の1970年代のヒーロー像にも近しいものがあったのだ。


 ゲスト悪役としては、『ウルトラマンZ(ゼット)』(20年)第8話『神秘の力』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20210828/p1)でも変身怪人ピット星人姉妹の姉の人間態を務めた宮原華音(みやはら・かのん)が演じる、人間型のマイナソー(!)――『リュウソウジャー』における人間のマイナス感情が具現化したゲスト敵怪人――が登場している。
 彼女と変身前のリュウソウジャーとの壮絶なバトルも描かれているが、これもまた着ぐるみ敵怪人を新造する予算がなかったゆえの苦肉の策ではあったのだろう(笑)。
 敵組織・戦闘民族ドルイドンの幹部・ワイズルーとクレオンは登場している。しかし、そもそもリュウソウジャーに変身するのがコウ=リュウソウレッドだけでほかのメンバーが変身しないあたりは、「子供向け」映画としてはいかがなものだろうか?(汗)


 まぁ、『キラメイジャー THE MOVIE』や『キラメイジャーVSリュウソウジャー』の興行形態の変更で、突貫工事で用意せねばならなくなった企画なのだろうから、時間のない中で再度集結してくれて、低予算の中でも1本の作品として成立させていたキャストやスタッフ陣にはやはり感謝すべきではあるのだろう。


 明朗な作風で仕上げた巻頭作『キラメイジャー THE MOVIE』と巻末作『ゼンカイジャー THE MOVIE』の間をつなぐための箸休めとしての短編の役回りをも背負った本作なので、メインディッシュの作品ではない以上は、緩急をつける意味でもちょっとハズしてやや哀しげな作風とすることもアリだったとは思うのだ。
 あくまでも今時の子供向け番組のつくり方としては傍流ではあるのだろうが、シメった哀しげな余韻を残している本作もまた、子供たちへの情操教育としての効能もおおいにあるだろうから、完全に否定されるべきものではないことも確かなのだ。


*ナダ青年が7人目の戦士として、6人のキラメイジャーとも共闘する作品が観たかった!(笑)


 そこまで強調した上であえて云わせてもらうのだが、彼の未来にはたとえ「死」が待っていることが確定しているのだとしても、ナダ青年が再登場するのであれば、皆が観たかったのは、ゲスト敵怪人の横暴に遭遇して、彼が7人目のキラメイジャーへと変身し、6人の仲間たちとともに名乗りを上げたり、切った張ったの大活躍をする戦闘シーンだったのではなかろうか!?


 もちろん、ゲスト敵怪人を新造するのにも、スーツアクターを集めるのにも予算がかかったり、予算の確保ができてもスケジュールの調整で断念せざるとえないことがあるということも、スレたマニア的にはよくわかることなのだ(笑)。
 慈善事業ではない期限も決まったビジネスでもある以上は、「完成させられませんでした!」などではなく(汗)、つくり手には断腸の思いでも「断念」することを決断して、その枠の範疇の中で最善を尽くすことが必要である場合もあるのだ。そして、それは我々の人生や実社会での仕事においても同じことなのである(汗)。


 ラストは「みんなで卓球やろう!」というシーンで終わっている。つづく第33話の冒頭でリュウソウジャーの面々が卓球に興じる描写があったので、それにつなげているのは好ましい趣向ではある。熱心なファンの方々にとっては実に嬉しい趣向だろうし、このような処置程度であれば同作を未見の観客にも疎外感や内輪ウケ臭を抱かせるようなものでもないのだし、むしろ積極的にやっておくべきことでもあるだろう。
――ただし、この第33話の冒頭シーン自体は、劇的「イベント」ではなく単なる「日常」描写なので、多くのマニア諸氏もすでに忘れていたことであろうが(笑)――
騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ/機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会! ! [DVD]

2021.3.5.


(了)
(初出・当該ブログ記事)


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