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ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY ~賛否合評・万人が超人たりうる一般性を宿命性の物語に回帰させた是非!

『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』 〜合評
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ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』 ~賛否合評・万人が超人たりうる一般性を宿命性の物語に回帰させた是非!

(2000年3月11日封切)
興行収入・6億円)
(脚本・長谷川圭一 監督&特技監督・村石宏實)

合評1・極私的『劇場版ウルトラマンティガ』論 ―「ヒロイックファンタジー」から「スペースオデッセイ」へ―

(文・JIN)


 「外界から隔離された謎の島」
 「封印から解き放たれた太古の悪魔」
 「世界の危機に立ち向かう宿命の男」
 「そうした男を見守り続ける決意の女」....


 なんと絵に書いたような「ヒロイックファンタジー」の世界!


 『ウルトラマンティガ』という作品自体、元々、最初のTVシリーズ(96年)からして「ヒロイックファンタジー」としての性格もある作品である。それを最初にアピールした設定こそが、誕生編たる1話「光を継ぐもの」(脚本・右田昌万 監督・松原信吾 特技監督・高野宏一・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)における「ティガの神像」であることはいまさら言うまでもない。


 もちろん、その設定の前身が栄光の初代『ウルトラマン』7話「バラージの青い石」におけるウルトラマンの姿をしていた数千年前の「ノアの神の像」の設定であり、俗に第一期ウルトラ至上主義者といわれる層の主張する「神格的ウルトラマン」の原イメージであることも間違いないところである。同じく『ウルトラマン』19話「悪魔はふたたび」を思わせるかのような超古代からの「タイムカプセル」の設定の併用もそうしたイメージを高めることに大きな役割を果たしているといえる。
 それらの設定を土台にした上で『ウルトラセブン』(67年)にも通じるかのような「硬質感の高いドラマ」を組み合わせたことによって、いわゆる第一期至上主義層からも実に高いまでの支持を受けることともなったといえるわけである。
(ちなみに私個人としては「第一期」だの「第二期」だのといった区分などはその優劣論争も含めて余りにも無意味にして不毛であるとしか思えない。ただし説明上の区分として話が通りやすいということで使用しただけの話である)


 設定的にそれを受けての本作であるが、近作の映画作品『ウルトラマンティガウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』(98年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971206/p1)と『ウルトラマンティガウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(99年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)が「複数ウルトラマンの同時共演」を最大の基本目的とし、それに準ずる形でその設定とドラマを構築しているのと同様、本作の場合、「映画作品としての『ティガ』」の実現にある。


 そしてスタッフが着目した部分こそが、TVシリーズの1・2話における「ティガの復活」において提示された「ダイゴが光になる」という設定。つまり「超古代人類の勇者のDNAを継承する者」という「宿命性」の設定である。


 周知のように、この「宿命性」の設定は、「どうしておまえがウルトラマンなんだ?」という疑問提起テーマの44話、イーヴィルティガ編「影を継ぐもの」などの諸編を経て、最終的に「誰もが光になれる」という「一般性」への物語へと拡散開放されいくわけである。



 過去のヒーロー作品群においては、「一般性」のストーリーとして始まりながらも途中から「宿命性」を強めていくことがむしろ自然であったことを考えてみれば、これは実に画期的なことである。ある意味『ティガ』の真に革新たるべき特筆部分は正にここにあるといってもよいわけだ。


 ちなみに「一般性」のヒーローとして始まりながらも次第に「宿命性」のドラマを高めていった例としては、『電子戦隊デンジマン』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20120205/p1)や『宇宙刑事シャリバン』(83年)といった、初期ウルトラシリーズにも関わってきた上原正三脚本作品群がなんといっても代表的。これらの伝説的作品群については批評的には既存の言説に付け加えられるものは何も無いといってもいいほどに語り尽くされている。
 ただし個人的には、そうした設定的な「宿命性」の設定を随所に暗示させつつも、「子供」ならではの視点を中心に、内容的にはシリーズ前作『絶対無敵ライジンオー』(91年)以上に「一般性」のドラマを追求完成させた、子供向け合体ロボットアニメ『元気爆発ガンバルガー』(92年)を第一に推したい。実際、暗黒魔王ゴクアークとの決戦を描く最終回一本前の46話「おれたちは元気爆発!」(脚本・金巻兼一 演出&コンテ・河本昇悟 作画監督・藁谷均・ASIN:B000EBDFK2ASIN:B0002UA3TQ)において、町の人々が「光」(!)となって最終合体ロボ・グレートガンバルガーを合体させる展開などは、正にTV版『ティガ』最終回を先取りしているといっても過言ではないのだ!


 その意味でこうした「宿命性」の設定に基づくドラマやストーリーの再登場ないし復活は、TVシリーズのテーマからの「逆行」という否定的な観点で語ることも実に容易である。
 ただし、それはそれとしても、本作における「太古からの宿縁」によるという設定については、やはり非常に多くの魅力的な要素があることは否めない。冒頭に掲載してみた各事項以外の部分をも含め、あの説明不要の女児向けTVアニメ『美少女戦士セーラームーン』(第一作・92年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041105/p1)の超過去・前世などの「宿命性」にも通じるものがあるといっても決して過言ではない。


 「ヒロイックファンタジー」としては正に最高の舞台設定であるといってもいいのだ。そしてそうした「宿命性」重視の傾向は、特にTVシリーズの3話「悪魔の預言(よげん)」以来、続編『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971209/p1)にまで続く地球平和連合TPCワールド(『ティガ』〜『ダイナ』)における「語り部」的な位置づけを与えられていた、イルマ女性隊長においても実に顕著である。


 別役者が演じていたTVシリーズに対して、「一人二役」の形を取ったことによって、ダイゴと同様、「超古代人・地球星警備団団長ユザレの系譜を引く者」としての設定がより明確なものとなり、正に初代『ウルトラマン』(66年)7話「バラージの青い石」(脚本・南川竜&金城哲夫 監督・野長瀬三摩地 特技監督・高野宏一)における古代からある中東の町・バラージに住む超能力を持つ謎の巫女「チャータム」により近いイメージに位置づけが施されることとなったわけである。
 御都合主義との解釈もあるだろうが、この場合、キャラクターの持つ整合性や必然性として、むしろこれは「画竜点睛」というべきものであろう。


 ともあれ、シリーズ全体の必然や流れからしても、いわゆる「ヒロイックファンタジー」としての一面の『ティガ』のドラマはここにおいて遂に完成したのだ。



 となれば、次にファンが望むのは当然に映画版『ウルトラマンダイナ』である。TV版最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971211/p1)で「スターゲイトに消えて帰還しなかった主人公アスカ」の「その後」をはじめ、「どうしてアスカがダイナに選ばれたのか?」などといったTVシリーズ時点での「謎の解明」をも含めた「完結編」であってほしい。恐らく大方のファンにとっても『ティガ』以上にその実現が待たれているはずである。


 また「平成ウルトラ三部作」の中でも特に『ダイナ』を推す自分としても、「ヒロイックファンタジー」としての『ティガ』と同様、「スペースオデッセイ」としての『ダイナ』のドラマの最終完成については大いに期待したい。


 その意味で、今回において注目だったのが、のちの防衛隊・スーパーGUTS(ガッツ)メンバーの客演場面。「これがGUTS最後の作戦や!」というホリイ隊員の劇中台詞にも見られたように、TVシリーズ以来の疑問であった「GUTSからスーパーGUTSへの組織再編」劇を描くにあたってもこれ以上の舞台設定は無かったはずである。


 『ダイナ』に登場する大型宇宙ステーション・クラーコフの開発を匂わせる劇中台詞の登場もあって、今回、大型母艦アードデッセイは壮絶な轟沈を遂げるのではなかったかと思ってしまったくらいだった。(実際、大画面において大写しにされたアートデッセイの発進場面は映画館で鑑賞する本映画の映像的ハイライトの一つと言ってもいい)


 それと最後のラスト場面。自分としては、ダイゴやレナと同様に私服ないし現在の部署の制服に身を固めたGUTSメンバーの前に、新たに結成されたばかりにして新制服を着用したスーパーGUTSが挨拶に加わるという場面などが見たかったわけで、その画面登場時には名曲「テイク・オフ!! スーパーGUTS」(ASIN:B00005GO7OASIN:B00005GO5J)のワンダバ・イントロがかかるといった演出などもあれば最高だったかというところである。


 もちろん、単に役者のスケジュールの関係だったのかもしれないが、その意味で少々残念だったのがラストにおけるアスカとダイゴの一瞬の遭遇場面。慌てているとはいえ、いかにも品行方正な無言の「敬礼」などよりも、むしろ「カッコイイ〜」などといったミーハーな台詞の一つもアスカが吐いてくれれば、より「それらしい」感じが出たのではなかったかというわけだ。


 つまり単なるその場限りの「ファンサービス」というだけでなく、次なる作品に向けての積極的な「布石」というものをも感じさせて欲しかったわけであり、かなりマニアックなことを承知で敢えて拘わってみたという次第。とにかく「完結編」としての「劇場版ダイナ」の実現を望んで止まないこの頃。その成否を含め、松竹や円谷プロなどの今後の動きに注目し続けていきたいところである。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2001年準備号』(00年8月13日発行)「ウルトラマンティガ」映画評より抜粋)


合評2・映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』の当時におけるビミョーな評価(汗)

(文・T.SATO)
(2021年10月20日脱稿)


 往年の『ウルトラマンティガ』(96年)の「NEXT GENERATION」を謳(うた)った『ウルトラマントリガー』(21年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20211021/p1)に登場するレギュラー悪である「闇の3巨人」。ご承知の通り、この悪のウルトラマン3人衆は96年に放映が開始された原典『ティガ』に登場したキャラクターですらない。次作『ウルトラマンダイナ』(97年)も終了して2年ほどが経ってからの西暦2000年に公開された、『ティガ』と『ダイナ』の間の7年間の空白の時代を描いた映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』が初出である闇の3巨人をリメイクしたキャラクターなのである。


 当時を知らない年若い特撮マニア諸氏が、原典たるTV版『ティガ』とその後日談たる映画版『ティガ』をワンセットで同質なモノとして捉えて認識するのは仕方がないしムリからぬところもあるのだろう。しかし、当時の時代の空気を知っているロートル特撮オタクたちは覚えているハズだ。この映画版『ティガ』はその設定や内容が小出しに公表された時点で、そしてまた同作が公開後にも、特に熱烈なTV版『ティガ』ファンからは冷ややかな反応やプチ反発が上がっていたことを……。


 まず、TV版『ティガ』においてはカナリ不充分ではあっても終盤の#45「永遠の命」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961207/p1)にて、超古代文明が滅亡した理由が一応は明かされていた。そこでは超古代人類が快楽&怠惰に溺れたゆえに滅亡したとされたのだ。しかし、映画版『ティガ』ではその真相とはまったく直結してこないまるで別モノな設定、すなわち超古代文明を襲撃してきた超古代怪獣軍団を撃退した超古代ウルトラマン軍団の内部においても、闇に落ちた者がいて内紛劇が勃発したのだとされたのだ……。
 もちろんコレについても、知られざる秘史があったのだとして好意的に脳内解釈してあげることも可能だ。しかし、それはTV正編にもあった何らかの点描を後付けでも「伏線」として改めて見立て直すことによって、パズルのピースがピタリとハマった! というような「知的快感」などもまるでない、#45「永遠の命」で明かされた超古代人類が滅亡した一件よりも以前のことなのか? 以降のことなのか? それすらもが歴史年表的にも判然としてこない、ホントウにあまりにも取って付けた感が強くて、どころか不整合が生じたとすら感じられる描写であったあたりでプチ反発が広まったのだ。
 そして、『ティガ』世界におけるウルトラマンティガウルトラマンダイナといった、素体としては「光の巨人」としての属性しか持っていなかったハズである平成ウルトラマン像とも大幅にズレがあったことにも、当時のマニア諸氏は引っかかりを覚えていた。加えて、肝心のティガ自身も超古代においては「闇の巨人」であったという、やはりあまりにあんまりな追加設定にもプチ失望が広まった。
 コレはもう昭和の1970年代の「ウルトラ兄弟」の設定を「原点たる初代ウルトラマンウルトラセブンの神秘性を毀損するものだ」として、第1期ウルトラシリーズ至上主義者たちが批判していたことをも、はるかに超えてしまうくらいに振り幅がある平成ウルトラマン像の改変でもあったのだ(汗)。


 TV正編ではカルく一言で言及された程度で、詳細には説明されることがなかったが、超古代怪獣や宇宙人に襲撃されていた太古の地球における超古代文明を救った超古代のウルトラマンたちは、その後にその身体だけは巨石像として地球に残して、その本体である魂・精神・意識としての「光」は、「星の雲」という表現がなされた宇宙の彼方の星雲へと帰っていったとされていた――当時のマニア向け商業誌の各誌でも作品紹介的に説明されていた事項なので、TV正編での不明瞭な説明よりかは商業誌での説明のイメージが当時もう年長マニアであった世代人たちには強いかもしれない――。
 つまり、3000万年前のウルトラマンティガ自身の本体・意識はすでに宇宙の彼方へと去っており、その抜け殻であるティガの巨石像自体にティガ本人の意識はもうすでにないハズであるのだ。ティガという存在はある意味では巨大ロボットのようなモノであり、それに主人公青年たるダイゴ隊員が搭乗して操縦しているだけのモノであったハズなのだ。


 それが! 映画版『ティガ』における悪の女ウルトラマンことカミーラは、ティガをかつての恋人・ティガダーク本人だとして執拗にストーカーのようにして執着してみせる。……いや、現代のティガは抜け殻であって、その意識は現代人の主人公青年たるダイゴ隊員そのものなのであるから、そーいう不整合な描写はさすがにちょっと……(汗)。


 そーいう妄執的な恋情ドラマを展開するのだとしても、


①ティガ本来の本人である魂・意識でもある「光」がティガの身体に帰還してきて、無言でカミーラとも対峙なり拒絶(!)をしてみせる!
②カミーラは妄執で精神に異常を来しているので、ティガとダイゴが別人格であることがわからないほどに病んでいる!


などといったエクスキューズ描写が必要ではあっただろう――しかし、それであってもムリは生じてしまう。「闇の3巨人」自身も元は人間じみた卑小な感情からは解脱している「光の巨人」であったハズなのだ(多分)。実は太古において地球の超古代人類の人々と合体して、カミーラもティガダークもその人間の劣情や恋情によって悪影響を受けてしまったのだ! などといった、さらなる追加設定でもなければ言い訳がつかないモノなのだが、超古代のウルトラマンたちが人間と合体して地上に滞在していたというウラ設定もなかった以上は、この解釈もまたキビしいモノなのだ――


 そーいうワケで、清冽な雰囲気だったTV版『ティガ』正編とは空気感も含めてまるで別モノのややドロドロとしたものであり、超古代文明時代の歴史設定面では矛盾すらをも来たしてしまったビミョーなる評価を頂戴してしまったのが、当時の映画版『ティガ』であったのだ。
 なので、TV版『ティガ』と映画版『ティガ』をまとめて一枚岩のように『ティガ』的なるモノとして捉えている御仁も一部にはいるようだが、それもまた的ハズレではあるだろう。それは「平成ウルトラ」&「昭和ウルトラ」といった「東京」&「大阪」程度の相違でしかないモノを、地球の「北極」&「南極」や「極右」&「極左」のような二項対立・敵対図式で極端に捉えて、その片方を徹底的に撲滅せんとしてムダに戦いだしてしまうような(笑)、心理学でいうところの「認知の歪み」というモノだ。評論オタクを自認しないのだとしても未開の原始人ではないのだから、「昭和ウルトラ」・TV版『ティガ』・映画版『ティガ』といった3作品を直線上の両極端ではなく東京・名古屋・大阪の3地点に相当するモノとして測定したり、あるいは東経・北緯・西経・南緯のいずれの地点にマッピングするのが妥当であるのか? といったかたちで物事を認識できないようではマズいだろう(汗)。


 ただまぁ、映画版『ティガ』以前に、TV版『ティガ』単独だけで観た場合であっても問題がなくはなかった。そもそも超古代文明の実態やその滅亡の理由を小出しに明かしていくようなタテ糸・シリーズ構成が『ティガ』本編には存在しなかったからである。
 よって、#1で落下してきた隕石内から回収されて、超古代の巫女・ユザレからのメッセージを立体映像で投影する円錐型でハイテク金属製の「タイムカプセル」といったシリーズを通じたキーアイテムたりうる存在も忘れ去られて――マニア上がりの川崎郷太が脚本&監督を務めた#28「うたかたの…」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961204/p1)でだけ復習的に現物映像ヌキ(汗)でのセリフのみにて言及――、終盤では「タイムカプセル」もヌキにしてユザレの霊体だけが単独で出現してしまうなどで、統一感がないところもあったのだ。


原典たるTV版『ウルトラマンティガ』再論! 超古代怪獣と超古代文明は劇中で有効に活用されていたか!?


 四半世紀前に感じていた『ティガ』に対する少々の不満を愚痴ってみせるのも実に見苦しいことではあろうが(汗)、せっかくの機会なので少々語ってみせたい。『ティガ』において、作品の看板の一角を占めなければならなかったハズである「超古代怪獣」たちのことである。
 #1(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)では一挙に2種もが出現した「超古代怪獣」は、明らかにティガこと「光の巨人」像の破壊を意図的に目論んで日本に襲来していた。であれば、『ティガ』世界における「超古代怪獣」にカテゴライズされる怪獣たちは、通常の野良怪獣とは異なる独特の意図や特性を持った存在として描くべきであった。そして、#1以降も「超古代怪獣」種族を時折りは登場させて、それらには野良怪獣たちとは明瞭に異なる行動を取らせて、ネルフ本部の地下深くにある「リリス」を目指して襲撃してくる「使徒」怪獣よろしく、「タイムカプセル」や「光の巨人」目当てで防衛軍基地を目指して襲撃するパターンなどに統一する! そして、その行動パターンの徐々なる認知や「タイムカプセル」解読なども契機にして、「超古代文明」の実態や滅亡の真相も我らが「現代文明」が抱えている数々の難問との類似などでも風刺性を出しながら小出しにしていくべきだったのであり、そのようなストーリーであった方が『ティガ』という作品はもっと盛り上がったのではなかろうか?


 『ティガ』#23「恐竜たちの星」では、サイボーグとして改造された恐竜が登場した。太古の恐竜に対する人為的な改造の形跡! すわ3000万年前の超古代文明ネタとも関連させるエピソードが登場か!? と思いきや、かの超古代文明とはまったくの無縁の出来事として描かれてしまうどころか、たとえ結果的には無関係であっても、その可能性すら想起もされずに終わってしまうのだ……(遠い目・笑)。
 #23に先立つ#18「ゴルザの逆襲」では、#1で取り逃した超古代怪獣ゴルザが再登場を果たした回であった。が、ゴルザとの対決は同話でアッサリ決着してしまう……。ウ~ム。ゴルザを『ティガ』における特別格の怪獣扱いとして、このリベンジ戦でも「引き分け」で終わらせて、さらに幾度かの再戦を演じさせてあげてもよかったのではなかろうか? 2度目で決着が付いてしまうようではやや物足りないのだ。
――シリーズを通じて最低3度は対決してイイ勝負も演じてくれないと、強敵感なり好敵手感がイマイチ出せないという意味では、後年の『ウルトラマンメビウス』に登場した宇宙剣豪ザムシャー(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060928/p1)、あるいは『ティガ』以前に放映された『仮面ライダーブラックRX』(88年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001016/p1)における前作『仮面ライダーブラック』(87年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20001015/p2)での悪の宿敵ライダー・シャドームーン復活編にも同じ問題点があるのだが(もちろん1回戦だけで終わってしまった場合と比すれば、2回戦でもやってくれた方がマシですよ。トリガーダークもコレに同じ)――


 そして、都合3種目の「超古代怪獣」が登場したのは、ズッとはるかに飛んでシリーズも3/4を消化してしまった#39「拝啓ウルトラマン様」に至ってのことだった。しかし、この回はゲストキャラによる人間ドラマ主導回であって、それはそれでイイとしても、そこに登場するのが「超古代怪獣」である必然性はない回であったのであり、その怪獣の特性や由来が主眼となることもなかったのであった(笑)。
 #44「影を継ぐもの」に登場した超古代狛犬怪獣ガーディーはいわゆる超古代怪獣ではなく、「光の巨人」に列する「光の巨犬」であろうからコレは除外とする――ティガやイーヴィルティガなどの巨人像とは異なり、巨犬像ことガーディーに超古代時代の意識が残っているあたりは設定的には不整合だが……カワイイから許す(笑)――。すると、あとは最終章3部作に登場した超古代尖兵怪獣ゾイガーのみとなる。そう、『ティガ』においては「超古代怪獣」というカテゴリーに当てはまる怪獣はたったの4種しか登場していなかったのだった(汗)。


 コレは次作『ダイナ』における#1~2のあとは第3クール後半にならないと登場しない「スフィア怪獣」や、「根源的破滅招来体怪獣」が結局あまり登場しない次々作『ガイア』にもいえる欠点である。むろんのこと全話に登場する全怪獣を「超古代怪獣」などに統一すべきだった! なぞという単調な主張をしているのではない。「魔王獣」というその作品独自の怪獣カテゴリーを登場させた『オーブ』や、宿敵が変身アイテムで怪獣に変身するのが基本であった『ルーブ』では、官僚主義的に硬直化したパターン化をさせずに時折りは野良怪獣も出現させていた。シリーズの「主敵」を異次元人ヤプールが繰り出す「超獣」としていた『ウルトラマンエース』における#7「怪獣対超獣対宇宙人」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060618/p1)よろしく、ストーリーや登場怪獣のバリエーションにも変化を付けており、そういったパターン破り・柔軟さはむしろ子供の方こそ喜ぶようなモノだろう。
 しかし、シリーズの1/3くらいの話数は、その作品独自の「主敵」となるカテゴリーに含まれる怪獣を登場させることで、「超古代文明とは何か?」「人類の宇宙進出を妨害する銀球スフィアとは何か?」「根源的破滅招来体とは何か?」といった議題を小出しに並走させていくようなシリーズ構成にはなっていないことに対する批判は、特撮評論同人界などでは当時も少数ながらあったことは記録に残しておきたい。


 『ティガ』と同一世界の後日談作品である次作『ウルトラマンダイナ』でも、#10「禁断の地上絵」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971201/p1)では南米にある超古代文明遺跡ネタ、#14「月に眠る覇王」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971202/p1)でも月面上の超古代文明遺跡ネタが登場している。作品の世界観的にもソレらは前作『ティガ』に登場した3000万年前の超古代文明とも接点があるとして描いてあげた方が、当時の子供やマニア諸氏こそ狂喜したのではなかろうか?
 その意味で、地球ならぬ火星の大地にも3000万年前の超古代文明の遺跡があったとして描いた『トリガー』は、本来かくあるべき『ティガ』ならぬ『ダイナ』もココにある!(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971204/p1) といった感もあるのだ(笑)。


――その伝で、本作『トリガー』では「超古代怪獣」ならぬ「~闇(やみ)怪獣」という、怪獣たちの「別名」によって本作独自の怪獣カテゴリーを作っているけど、シリーズも半分を消化した#13の時点で、原典『ティガ』とは異なりすでに4種もの「闇怪獣」が登場しているあたりもまた、児童レベルでの怪獣博士的な知的好奇心(笑)もくすぐってくるので好印象である――


 ……いやまぁ、超古代に飛来したウルトラマンたちが超古代怪獣&宇宙人の猛攻から辛うじて防衛を果たすも、甚大なる被害を受けた超古代文明は衰退していった……というような活劇チックでスケールのデカい真相が明かされるのかと思いきや、超古代怪獣や宇宙人の襲撃にはまったくふれずに、単に超古代の麻薬植物の快楽に溺れて超古代人類は自滅していった……なぞといった、TV版『ティガ』において明かされた真相もまたあまりに卑小で片手落ちに過ぎて、その時点ですでに落胆の念を覚えていたマニア諸氏もいたことも、歴史の片スミにひとつの証言として残させてもらいたい。


 そう。TV版『ティガ』本編にもその後日談たる映画版『ティガ』にも相応にスキや粗があるという評価は当時も少数ながらあるにはあったのだ。しかし、たしかに全員とはいわず当時の特撮マニアの大勢は、TV版『ティガ』本編については筆者が指摘してきたようなことどもは些事にすぎないとも見たようで、熱烈な絶賛を送っていたというのは事実ではある。
 けれど、映画版『ティガ』に対しては、酷評という域ではないにせよ冷ややかな評価を与えていたというのが、その当時にすでに子供ではなく成人マニアの年齢に達していたロートルな筆者による歴史証言となる。


(了)
(初出・当該ブログ・2021年10月21日記事・『ウルトラマントリガー』前半総括より『映画ティガ』への言及箇所のみ抜粋)


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  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200820/p1

『劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』(15年) ~第2期ウルトラの「特訓」「ドラマ性」「ヒーロー共演」「連続性」も再考せよ!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200404/p1

『劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』(17年) ~イイ意味でのバカ映画の域に達した快作!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200406/p1

『劇場版ウルトラマンジード つなくぜ!願い!!』(18年) ~新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与で説得力!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20180401/p1

『劇場版ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』(19年) ~小粒良品で好きだが、新世代ウルトラマン総登場映画も観たい!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20190407/p1

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(20年) ~ヒーロー大集合映画だが、『タイガ』最終回でもあった!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20200704/p1

『シン・ウルトラマン』(22年)徹底解析 ~賛否渦巻くワケも解題。映像・アクション・ミスリードな原点回帰・高次元・ゾーフィ・政治劇・構造主義・フェミ!

  https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220618/p1



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劇場版『ティガ』賛否! 『トリガー』にティガがゲスト出演記念!
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劇場版『ティガ』合評 万人が光ではなく宿命性の物語に回帰させた是非!
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