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ウルトラマンダイナ20話「少年宇宙人」 〜中盤合評2 19話「夢幻の鳥」〜44話「金星の雪」

『ウルトラマンダイナ』27話「怪獣ゲーム」・30話「侵略の脚本」・33話「平和の星」ほか 〜中盤合評1
『ウルトラマンダイナ』#38「怪獣戯曲」 〜実相寺昭雄監督回・合評!
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『ウルトラマンダイナ』中盤合評2 ~20話「少年宇宙人」・19話「夢幻の鳥」〜44話「金星の雪」


『ウルトラマンダイナ』 〜中盤評6

(各話の「脚本・監督・特技監督」と「関東・中部・関西の視聴率」は後日加筆予定)
(文・内山和正)


#19「夢幻の鳥」


 昔のヒーローものなら作り得なかったであろう気色悪いデザインと細かな造形、CGによる表情の変化を見せる凶獣・姑獲鳥(コカクチョウ)には圧倒されたものの、本放送のときはつくられる必要のない作品に個人的には感じた。


 前作『ウルトラマンティガ』(96年)28話「うたかたの…」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961204/p1)ラストでの、防衛隊GUTS(ガッツ)のヤズミ隊員との接近で、かつての恋人であるスピードレーサーのタクマの死(同作15話「幻の疾走」)を多少ふっきれたように見えただけに、あのあとヤズミとは恋愛関係には至らなかったにしろ、これほどの傷跡をかかえたままマユミ(TPC医務局に勤めるシンジョウ隊員の妹)が七年をすごしてきたとは思っていなかった。
 また、本作の姉妹編にあたる『ティガ』の傑作、15話「幻の疾走」が、円谷一夫社長がファンである石橋けい(マユミ役)に捧げた作品と受けとれ「石橋にロマンスを演じさせてやりたい、しかし他の男にとられたくない」という気持ちがほのみえていたように感じたのに対し、本作は円谷プロのレースチームの青年たちのために石橋を利用したようにも感じ、不快になったのだ。


 僕自身は石橋には想いはないが、もし社長の立場であったのなら、自分の作品に好きな女優(いま(98年)なら前田愛)が出ていたらやはり作品を捧げているだろう。その意味で社長が石橋をないがしろ(?)にしているのは快く思えなかったのだ。


 だが、見返してみたら青年たちを宣伝したい気配は濃厚ながらも、石橋を粗略にあつかっているとは感じなかった。


 不幸が起きるときに現れるという中国の伝説の鳥・姑獲鳥とタクマの夢を見て、また悲劇が起こると不安がるマユミ、
 タクマの霊の励ましで、戦う歴史を良い方向へ向ける存在としてのダイナ、
 マユミとは対照的な新しい世代としてのマイの活かし方や、
 姑獲鳥の一見、霊的な能力や行動に、科学的な理屈のうらづけを与えていること、
 少しずづ歴史が良い方へ変わっていると信じ、明るい方向へ歩きだすマユミ……


 と、(地味ながらも)むしろワリとよい仕上がりに感じた。


#20「少年宇宙人」


 幅広くさまざまな作品で活躍し、ウルトラシリーズファンには映画『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』(97年)の星見勇気少年でおなじみの崎元大海(現・崎本大海。さきもと・ひろみ)くんをゲスト主役にした回。正直言って、彼の持ち味なくして、この古い香りをただよわせつつ、新しさも感じられる秀作は成立(成功)しなかったのではないかと思う。


 突然、自分がラセスタ星人であることを母から告げられ、未知の宇宙へ未知の同族と出会い、新しい星をさがす旅に一人で出なければならぬ運命を知る十歳の少年サトル(岸悟)。その寂寥。理不尽な運命。


 そんな友のために思い出をつくってやろう、出発まで守ってやろうとするタッチャンとミノッチ。サトルが彼らにみずからラセスタ星人だと明かすところや、


 「おばさん、大丈夫です。誰にも言いません。サトルがラセスタ星人だってことは」


 とタッチャンらが聞かれてもいないのに、何事でもないようにサトルの母に言ってのけるところは、90年代ならではの感覚がある。


 はじめての飛行にのぞむサトルに


 「変身したら、すぐ飛びだすんだぞ。シュワッチ、シュワッチだぞ」


 と教えるところは、わざとらしいイヤな気持ちと、くすぐったいような、ほほえましいような気持ちが、筆者や視聴者のなかにも半々にあるだろう。


 残された二人はサトルに再会するために、宇宙飛行士とロケットをつくる科学者になろうと決意する。遠い夢に向かって出発する。


 まだウルトラシリーズが「空想特撮シリーズ」とよばれていたころ(60年代)の中川晴之助監督や飯島敏宏監督などが担当された児童ドラマ編――『ウルトラQ』(66年)6話「育てよ!カメ」、15話「カネゴンの繭」、18話「虹の卵」地底怪獣パゴス編、初代『ウルトラマン』(66年)9話「電光石火作戦」ウラン怪獣ガボラ編、『ウルトラセブン』(67年)38話「勇気ある戦い」ロボット怪獣クレージーゴン編など――の手ざわりを持った少年の夢。泣けた。


 そして、この回と次の回の面白さにより、本放送時、しばらくはまじめに観てみようかと思ったのだった。


#21「発熱怪獣3000度」


 予告を観て、「なんだ、(初代『ウルトラマン』32話「果てしなき逆襲」の灼熱怪獣)ザンボラーか」。


 しかし、観てみたら、予想外のお笑いモノで楽しめた。


 意外なオチもあり、ザンボラーを彷彿させるだけでなくパワードザンボラー(『ウルトラマンパワード』(93年))、『新世紀エヴァンゲリオン』(95年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20220306/p1)の空調故障回を意識した部分もあって、さすが『宇宙船』編集部(当時)の古怒田健志(こぬた・けんじ)氏の脚本と感心した。


#22「ツクヨの兵士」


 リョウの先輩の美人で秀才だという綾野塔子博士役が片桐はいり!!


 失礼ながら博士に会った隊員たちが、噂と異なるお姿にあぜんとしてしまう展開なのだろうと思っていたら、そうではなかった(何事もなかったかのように話は進む)。


 恐怖という感情をテーマによくまとまった話だとは思うが、セリフを聞き逃さないことが肝心。初見のときは聞き逃したところがあって楽しめなかった。


#23「夢のとりで」


 この怪獣はディプラスという名前だったのか、観返してみてそれに気づいたほど怪獣の名前を覚える気力をなくしていたらしい。この怪獣自体は海蛇をモチーフにして着ぐるみではなく印象的・魅力的であったというのに。


 (『ザ・ウルトラマン』(79年)19話「これがウルトラの星だ!! 第1部」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20090913/p1)に登場した、爬虫怪獣ジャニュールを意識しているのではないかと思ったのだが、同作は不当に低評価を与えられていたり、そもそも鑑賞されていないと思うのので、そういうオマージュなどはなかったのかもしれないが)


 ドラマのつながりからすれば問題はないし、「夢の砦を守る」という言葉でつながっているとはいえ、コウダ隊員の亡くなった友人(演じるは『五星(ごせい)戦隊ダイレンジャー』(93年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20111010/p1)のレッドことリュウレンジャー・亮を演じた和田圭市。『ダイレンジャー』のメイン監督でもあった東映出身の映像派・小林義明監督のキャスティングなのだろう)の「回顧話」と、「救出ネタ」とがバランス的(?)に折り合っていない感がある。


 救出劇および危機突破劇は魅力的で、潜水艦ガッツマリンにつっこむ深海竜ディプラス、あわや…… とのタイミングが最高。


#24「湖の吸血鬼」


 スーパーGUTSのナカジマ隊員が釣りに出かける冒頭を観て、「いま子供たちに流行っている“釣り”がネタなら、子供を出せばよいではないか」とグチっていたが、結果的には楽しく観た。


 自分が子供のころに興味をひいた要素が、今の子供たちの心にも有効なのか自信は持てない。しかし、自分のはじめての『ウルトラ』体験であった『ウルトラセブン』(67年)で印象に焼き付いたものが何だったかというと、すりかわりネタのワイアール星人やフック星人、異次元侵入モノのイカルス星人やベル星人、命を吸い取るワイルド星人などの未知なる恐怖であったように思う。そのことからすると、未知なる恐怖を描いた本作は、子供の気を引く可能性を持っているかもしれない。


 ナカジマが被害にあわないことがご都合主義的ながら、自動車を覆う吸血生命体・小型マリキュラの群れ、会話をかわすような奇怪な音を立てて転がっていく群れ、湖からの歌声などがこわい!!


 そして、戦いになると一転して愉快に、ウルトラマンダイナが「毬」状態になった巨大マリキュラを蹴る・転がす……とダイナミック! 「これが僕の望んでいた、ヒーローものにおける戦い方だ!」という痛快な気分になれた。


#25「移動要塞(クラーコフ)浮上せず!(前編)」

#26「移動要塞(クラーコフ)浮上せず!(後編)」


(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも、他ライターによるレビューを所収)


 本編とは直接の関係はないが、かって天使の歌声と呼ばれたナディアちゃん(現ナディア・ギフォード。87年生まれのハーフ少女)が円谷プロダクション芸能部所属と聞いて、ウルトラシリーズの主題歌を彼女に歌ってほしいと思ったことがある。
 一応、番外編のアニメ映画『ウルトラニャン』(97年)の主題歌「MY SWEET LOVE SONG」(ASIN:B00005G72C)と同時上映映画『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』に登場するデジタルカネゴンのテーマ曲「マンボ de カネゴン」(ASIN:B00005G9PK)や、95年に『ウルトラマンパワード』(93年)・『ウルトラマングレート』(90年)がTV放映された際の円谷プロ自身のCMで『恋ってなんだろう』(ASIN:B00005EK74)を歌っているとはいえ、それだけではもったいないと思ったのだ。
 98年現在、彼女はテレビ朝日『えいごKids』とNHK−BS2『フルーツサンデー』のレギュラー番組二本をかかえお忙しいご様子だが、もう円谷プロ所属ではないらしくて(?)残念だ。


 今回お名前は存知ないが、敵に破壊される南極海底基地アイスキャッスルの主任の娘・サオリ役で子役が登場。


 彼女および彼女の声を盗用したスヒュームによりエンディング曲『君だけを守りたい』(ASIN:B000064CCA)のカバーバージョンが流れるのが魅力的。これを通常エンディングに使ってほしいと思ったほどだ。もっとも、次回以後エンディング自体別の曲に変わっているので、サオリの歌声が悪魔の嘲笑としても、マイへのはげましに至る小道具としてもつかわれるこの前後編は、この曲への追悼のストーリーともいえるかもしれない。


 アイスキャッスルに半魚人兵士ディゴンたちが侵入して所員たちをおそうあたりから興味をひかれ、危機とスーパーGUTS全員の活躍が光る回でもあった。ただ、第二期あたりのウルトラシリーズなら、主任やサオリにももう少し出番を作ったのではと思われ残念。また、特撮変身ヒーロー『七星闘神(しちせいとうしん)ガイファード』(96年・東宝)の中野刑事役だった友金敏雄氏が演じる上司・エジリの存在は、はじめて見たとき理解のない上司を持つと大変だと実感したものだが、観返してみると極端なバカすぎて滑稽に感じた。


 水棲生命体スヒュームは海棲の生物。1〜2話に登場した宇宙球体・スフィアは「岩」にとりつくとの明確なちがいが存在するものの、何か似ているように、錯覚するのは僕だけだろうか?


#27「怪獣ゲーム」


(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも、他ライターによるレビューを所収)


 この回からのエンディング歌曲「ULTRA HIGH(ウルトラハイ)」(ASIN:B000064CCG)は、1970年代後半の伝説のロックバンド・レイジーの復活だそうだ。しかし、「ウルトラ」の語句を繰り返した、ありきたりの語句ならべているだけに感じた。毎週聴くうちに慣れてきて、今では口ずさんでもいるけれど。「ありきたりの言葉をならべているだけなのが、ロック音楽の基本なのであって、楽器編成といい曲調といい、実は演歌的・様式美的なものなのでもあるのだが。


 武力にすぐれた者と知力にすぐれた者の二人一組の宇宙人(双体宇宙人チェーン星人(レフト・ライト))が、それぞれのやりかたで、どちらがダイナを倒せるか競うというモノ。


 これに知力の宇宙人側の作戦として、TVゲームの怪獣トーナメントを利用して子どもたちに強力な怪獣をつくらせて、それをウルトラマンダイナと戦わせるという、コンピューター世界を舞台にした円谷プロのTV特撮『電光超人グリッドマン』(93年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20181125/p1)的なネタと、子どもたちの生態描写が加わっている。結局のところ、時間が足りずに、描き足りない部分が出てしまっている。


 この宇宙人はダイナに倒されるのではないミジメな最期(さいご)を遂げている。しかし、この回で死なせずに、もう一度でもダイナと戦わせてほしかった。


 子どもたちにはダイナと怪獣の戦いにより壊されていく街も、ゲームの舞台のようにしか感じられなかったとの視点は、まぁまぁ面白い。しかし、街には自分たちの住居もあることを思えば、やはり不自然なのでは?


 自分では友達もつくれない(とマスコミでは評されている)この時代の子どもたちに、野球を教えて友達づくりをさせようとする結末は、アスカのキャラクターこそ出ているとはいえるものの、過密なスケジュールに追われている子どもたち、などという現状も出てきている(とマスコミでは評されている)ことも真に受けるのであれば、楽天的な作風の『ダイナ』であるとはいえ、あまりにも楽観的なオチなのでは?


#28「猿人の森」


(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも、他ライターによるレビューを所収)


 巨大猿人ギガンテスの表情が変わるところを予告で観て、インパクトを受けた(ドラマを見て唇をつきだしているのだとわかった)。動きは露骨にCGなのだが、ウルトラマンダイナの初期の変身巨大化シーンや戦闘機ガッツイーグルの分離・合体のCGとは違って違和感がないうえに、元の着ぐるみの猿人表現にあきらかな進歩がうかがわれて感心する。


 猿人と人にめばえる情。開発と現住生物の命。オーソドックスな設定だが、猿人が暴れる理由は新鮮。しかし、リョウのお見合い写真、男女研究者ゲストであるソウとリンの関係などを伏線にして描かれる、「メスの気をひくために強さを示す」という真相は、ナマ臭すぎて拒否感を抱いた。


 『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971121/p1)4話「大空より愛をこめて」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20100523/p1)など、わざと怪獣に敗けてあげるウルトラマンは前例もあるのだが、怪獣の恋のためというのはスゴイ。


 猿人が飾りのついた塔をむしりとって、花を捧げるようにメスに差し出すシーンを無邪気によろこぶか、悪気がなくても建築物を破壊するのは道義的に問題アリと考えるか、動物なのだから人間の倫理はわからなくて当たり前、と捉えるのかを含めて、好き嫌いの別れる作品だろう。


#29「運命の光の中で」


 父が携(たずさ)わりながら果たせなかった、光速で飛ぶゼロドライブ計画にアスカが実験機・プラズマ百式でいどむ話。アスカがウルトラマンダイナに選ばれた(という言い方が正しいかは不明だが)理由と、ダイナの秘密が明らかになるかと期待したのだが、その面ではガッカリした。


 ただ、父・カズマがプラズマ百式で光速で飛ぶうちに、前方に現れた光に呼ばれているように感じ、光に向かっていった……との設定は伏線なのだろうか? カズマが進化したのがウルトラマンダイナなのかとも思うのだが?


 ハードな大人っぽい雰囲気にひかれる反面、大人ぶりたいタイプの小学生はともかく、メイン視聴者の幼稚園児にわかるのかとも思えて、「こんな話つくるなよ」という矛盾した怒りにもかられてしまう。


 父・カズマの親友にして、月面基地・ガロワの鬼教官でもある技術班長ダイモンの人物像など、類型的で単純な話ではあるが、それだけにツボをついた佳作といえる。


 結局は宇宙から帰還しなかった父が出発前夜、幼かったアスカに星を見ながら言った


 「怖いさ……、とても怖い……。でもな、父さんは必ず帰って来る。次に空を飛ぶために……、その次に空を飛ぶために……」


 を思い出しながら、


 「父さん……。俺……、生きてるぜ……」


 とアスカがつぶやくラストが胸をつく。


 なお、ラストシーンのタイプライター風ノ字幕(テロップ画面)によれば、少なくとも光速航法をやりとげた本話の舞台は西暦2018年であった。『ウルトラマンティガ』の初期設定の2007年から11年が経過していることがわかる。(劇中でも明かされている通り、『ウルトラマンティガ』最終回(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961207/p1)の7年後が、『ウルトラマンダイナ』1話(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971201/p1)に相当している)


#30「侵略の脚本(シナリオ)」


(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも、他ライターによるレビューを所収)


 13話「怪獣工場」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971202/p1)に登場した知略宇宙人ミジー星人・三人組が再登場。既存のキャラクターということで、今回は前回よりも最初からお笑いネタとしてつくられており、宇宙人という超然とした存在ではなく、現実的な生活苦にあえぐミジメな存在として描かれている。


 売れない脚本家の脚本に目をつけた彼らが、スーパーGUTSやダイナに勝利するためのシナリオを書かせる……というスジで、フィクションとして書いたためにシステムのわかっていない兵器を登場させたので、三人組がこの脚本をボツにするなど、年長視聴者に対してニヤリとさせるくすぐりがある。


 冒頭の怪獣映画『厳海超人タラバマン』の撮影シーンに登場する怪獣(恐竜?)も、リアル感がなくて笑える。


 「これだけの怪獣災害が起きている以上、きまじめな話つくれるわけない」


 とのセリフがあるため、そういった劇中内設定に合わせた着ぐるみなのか? それとも、既存のなにかの着ぐるみの使いまわしなのか? このシーンだけのためにつくったぬいぐるみなのだとするとゼイタクだ。


 このセリフだが、たったひとりの少年が子供の首を切っただけで(もちろん大事件ではあるが……編:97年の酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)事件こと神戸連続児童殺傷事件)、さまざまな番組が放送中止になった我が国の心のせまい現状を思うと、実際に怪獣が出現している世界では、怪獣モノ自体が製作できなくなるのではないかと、ヤボながらも思う。


#31「死闘! ダイナVSダイナ」


 本サークル主宰のT.SATO隊長が特撮雑誌『季刊 宇宙船』読者欄に投稿して掲載されていた実現希望企画のひとつである、「道場破り」テーマのバリエーションとでもいうべきもの(それが採用されたというワケではないのであろうが)。しかし、T.SATO氏に対しては申し訳ないものの、僕個人はT.SATO氏の希望していたアイデアのなかでは、このネタにはあまり興味は感じていなかった。もっとも、この作品がT.SATO隊長の望んでいたかたちであるのかは不明なのだが。


 内容については、まとまってはいるものの教訓クサい。テレビカメラの役目の宇宙船とか、街をリングに変えてとか、ケレン味はあっても、名作漫画『あしたのジョー』(67年・70年にTVアニメ化)の矢吹ジョーvs力石徹(りきいし・とおる)のように、クロスカウンターパンチで勝負を決するなど、型にはまりすぎているようにも思った。


 スーパー必殺怪獣デゴマーグの回(27話「怪獣ゲーム」)につづき、この作品では街でのダイナと怪獣の戦いを、人々が観戦するという認識ができあがったようだ。


 仕事に恵まれていないことはないものの、中学生になって以来「可愛い」と思える役には出会えなかった子役出身のゲストの藤原まゆか。アスカをおどし、からかいながらも、真実を見抜いているナツミ役は、彼女のなかにまだ残っていた子供っぽい面も出ていて、可愛いキャラクターに仕上がっていたと思う。



(編:10年後の2008年現在のヤボな編集者付記。弊ブログ主宰者たるT.SATOごときの道場破りパターンという誰もが考える、ジャンル作品でもよくあるストーリーではあるので、自分のアイデアが採用されたかも! などと思ってしまうほどに自我が肥大しているつもりはございませんけども(笑)……。


 それはともかく、本話は当方が望んでいたような展開ではありませんでした(汗)。当方が望んでいたのは、ゲスト悪役もヒーローと対等・拮抗・同格であって、彼にも一理があるような存在。最後には圧倒的に分が悪くて負けて死んじゃうようなチンケな存在ではなくて、もっと潔(いさぎよ)い気持ちのいいキャラでした。
 たとえば、『影武者徳川家康』(86年・93年に新潮文庫・ISBN:4101174156)などで知られる時代小説家・隆慶一郎(りゅう・けいいちろう)こと脚本家・池田一朗氏が独立スタアプロ(映画スターの独立プロ)を中心にあまた手がけてきたTV時代劇『座頭市(ざとういち)』シリーズ(74年・ASIN:B000LE13D8・76年・ASIN:B000MQ4YUO・78年・ASIN:B000PDZN4U・79年・ASIN:B000T7QDE6)ほかの脚本執筆回によく登場する、「英雄は英雄を知る」といった、主人公と同格であって、互いに認め合いもするゲスト剣客や代官のような存在とのバトル! そして痛み分け! といったストーリー!


 『ウルトラマン』関連でいえば、『コロコロコミック増刊 ウルトラマンPART2』(78年)が初出の内山まもる先生の漫画『ザ・ウルトラマン』(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20160914/p1・小学館のてんとう虫コミックスで単行本化(78〜80年・全4巻・ASIN:B000J8L868。98年に小学館コロコロ文庫に所収・ISBN:4091941214。その後も新書サイズなどで度々再販。同98年に双葉社ASIN:4575935514。00年に小学館ASIN:4091402410))の一編に登場した


●宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部隊長アンドロメロスの弟“ファイタス” VS ウルトラセブン!


 同じく『コロコロコミック増刊 ウルトラマンPART4(だっけ?)』(79年)に掲載されたTVアニメ『ザ☆ウルトラマン』(79年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971117/p1)コミカライズに登場した、


●ウルトラマン(ジョーニアス)の旧知の宇宙人 VS ウルトラマンジョーニアス!



 とはいえ、筆者の要望は、後年の『ウルトラマンメビウス』(06年・https://katoku99.hatenablog.com/entry/20070506/p1)#16「宇宙の剣豪」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/20060928/p1)における


●ウルトラマンメビウス vs 宇宙剣豪ザムシャー!
●ウルトラマンヒカリ vs 宇宙剣豪ザムシャー!


 の2マッチにおいて、ようやっと満たされたのでありました(笑)。まぁザムシャーも、その後は最終章にしか再登場を果たさなかったのは不満であって、誰でも思うでしょうけど、途中の回でもう1回くらいは文字通り、剣を交えてほしかったのですけども……)


#32「歌う探査ロボット」


 ひさしぶりに山田まりやが演じるマイ隊員の軽い面を強調し、アイドルロボット・ラブモスの溺愛ファンになった彼女がそれゆえに事件解決に貢献するというもの。


 個人的にはあまりひかれなかった回である。ロボット・ラブモスを操っていたのがダレなのかが、正確に解明されないのが本作の場合、難に思う。ラブモスがTPCのメカ群を地下倉庫から吸収して、巨大ロボ・サタンラブモスをつくるシーンと、最後にそれらを元に開放するシーンのCGは、それ自体は面白いものの、前作『ティガ』の巨大宇宙戦艦・アートデッセイ号までお手軽に宙を飛ばされ取り込まれていて、リアル感に欠けており気が抜ける。


#33「平和の星」


(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも、他ライターによるレビューを所収)


 GUTSの後継組織が戦闘性を強化し、頭脳面で劣る(ように思える)スーパーGUTSなのは何故なのか? 番組の企画の方向性の違いだからと言えば納得するが、ドラマ内での理由づけは。だれもが感じる疑問を題材にした回。


 とはいえ、どう答えたところで詭弁になることは否めない。そこで結局は答えをそらし転換。人工的に戦意などのマイナスエネルギーを消去し平和の星をつくりあげていた宇宙人がマイナスエネルギーをとりもどして快感にひたる姿や、スーパーGUTSの成り立ちや武装化に疑問をもっていた平和主義者の渋谷哲平演じる新聞記者ハスミが敵宇宙人を攻撃することで答えにしている。


 それだけでは暴力主義だと批判されるだろうから(ではないかも知れないが)、ヒビキ隊長に親子関係のうまくいっていなかった娘ソノカに対し


 「俺を憎んでもかまわねえ、それが本当のおまえなら受けとめてやる!(大意)」


 と叫ばせることで感動へとつなげていく。


 好意的に深読みすれば、16話「激闘! 怪獣島」(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971203/p1)で「怪獣をクローン化して人間と共存させ、外敵を迎えうたせる」とのオオトモ博士の考えは制限条件さえ付ければ必ずしも正しくないとは言い切れないのに、悪い考えであると劇中で価値判断されてしまっていたように、ここでも生命(今回はありのままの心)には手を加えてはいけないとの『ダイナ』のテーマ性の一端がうかがえるのかもしれない。


 ヒビキに娘がいたという事実は、前作『ティガ』のイルマ女性隊長に25話「悪魔の審判」で息子がいたことが判明したのとは違う意味で驚きだった。現実的には子供がいても不思議ではないのだが、これまでのウルトラシリーズの隊長で家庭があることが明確だったのは、『帰ってきたウルトラマン』(71年)の怪獣攻撃隊MAT(マット)の伊吹隊長くらいなのでイルマに子供がいたときは驚きだった。
 ヒビキの場合極端なキャラクターであったし、スーパーGUTSメンバーは休暇やパトロールをのぞき、基地内の自室で待機しているイメージがあったので家庭を持っている気色がなかったのだ。


 ハスミがめざめると彼の住居に不思議な少女ソノカが入りこんでいる設定、ソノカが異常を主張する若者たちの変化をドキュメンタリータッチで描写する手法などが、時によって魅力的にも感じ、時には(特に後者は)子供番組の枠を逸脱した悪しき行為にも感じる。


 前作『ティガ』のサワイ前TPC総監も元気になったら火星を訪れることになっていると第1話で語られたが、その訪問が行なわれたことを示す出版記事がさりげなく置かれていたり、『ティガ』でイルマ隊長とムナカタ副隊長が一緒に飲んだときの写真がまだバーに貼られていたりする配慮がうれしい。


#34「決断の時」


 「もし大と小とどちらかを取ることになったらどうする」


 ヒビキ隊長に質(ただ)されたコウダ隊員に、すぐさまその選択を求められる事態が起こる設定はつくりものめいているが、スーパーGUTS基地にせまる宇宙スパーク大怪獣バゾブをたおすべきか怪獣の腹につきささった宇宙ステーションにいる隊長の命を守るべきかを題材に、怪獣の特殊能力も活かした怪獣攻防もののエンターメントが楽しめる。コウダらしい選択にキャラクターが生きる。
 ダイナが光の粒子になって戦闘機ガッツイーグルに合体し、力を合わせようと隊員たちに呼びかけて必殺ビーム・トルネードサンダーといっしょに射出されるのが魅力的だが、あの状態でコウダも隊長らも救うというのは無理な気がする。その姿が青いウルトラマンダイナ・ミラクルタイプであることで多少納得できるとはいえ。


#35「滅びの微笑(前編)」

#36「滅びの微笑(後編)」


●スーパーGUTSと元GUTSメンバーとダイナの共闘
●元GUTSホリイ隊員の妻子の登場
●2話以来やっと再登場したスフィアとその合成獣


 ……と盛りだくさんの内容。
 冥王星表面に浮かぶ氷山・ミススマイルだの、太陽系全体の惑星をつなぐコスモネットだのの設定や、TPC首脳部の会合だのの硬の部分も持ちながら、中心は娯楽編でヒーローものとしての妙味を楽しめる。ただマニアにはうれしくとも、GUTSという存在が子供たちへのウケがイマイチであったと思われる(?)だけに、制作者の方々が意図したほどの効果があったかは疑問。


 初代『ウルトラマン』26・27話「怪獣殿下」前後篇を意識したという、ホリイの子供たちがアスカの落とした変身アイテム・リーフラッシャーを届ける趣向は作為ばかりが露骨で不自然。ホリイの妻ミチルがスーパーGUTSを目にしてわざわざ「GUTS」と言うのも、父を格好悪いと思っていた子供たちが父を見直す結末に向けるための手法とはいえ不自然さが気になる。


 『ウルトラマンダイナ』という物語の鍵(かぎ)と思われる存在なのに、長いあいだ登場しなかった宇宙球体スフィアだけに、正体が今回もわからぬままなのは大いに不満で、前作『ティガ』の超古代怪獣や超古代文明のようにさして描かれもせず、解明もしきれぬままに終わるのだろうかと不安になる。


#37「ユメノカタマリ」

(『ウルトラマンダイナ』中盤合評1(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971207/p1)にも他ライターによるレビュー所収)


 逆さに映った団地。それが自動車に写ったものとわかる。自動車にかかれた横長の文字、生き物のように動く携帯電話…… 凝った映像ではじまり、それが全編におよんだのなら映像美の作品として高い評価を受けたのだろうが最初だけで尽きてしまう。


 ゴミ問題をあつかった作品で、ショートショート(短編小説よりも短い小説)を得意としたSF作家・星新一の名作『おーい でてこい』(1958(昭和33)年・ISBN:4061485520ISBN:4652020813)を思わせる部分をはじめ色々な要素があるのだが、どれも中途半端に終わり呆気にとられた。


#38「怪獣戯曲(かいじゅう・ぎきょく)」

(『ウルトラマンダイナ』#38「怪獣戯曲」合評(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971209/p1)にも他ライターによるレビュー所収)


 冒頭の舞台シーンは推理作家・江戸川乱歩の『鏡地獄』(1926(昭和元)年・ASIN:B000JARIA6ISBN:4041053218)のイメージだろうか? 昨96年の実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)監督作品、『ティガ』37話「花」、40話「夢」同様わかりにくく、ナレーションで説明する手法に反対ではない僕でも、核心部分までナレーションに頼らずにいられないつくりであるのには批判的になってしまう。
 ただ、バロック怪獣ブンダーがらみのシーンは美しく、豪華な特撮で、『ダイナ』のバトル中でも上位に位置するよろこび。


#39「青春の光と影」


 1話でアスカとスーパーGUTS入隊を争ったあのフドウが死んでいた。その弟のフドウ・ケンジが兄の席を奪いながらも、やることの甘いアスカを責めるというありがちな話で、まとまってはいるのだが辛気くさい。
 以前、コウダの友人が死んだ話があったと思ったら(23話「夢のとりで」)、今度はアスカのライバルまで死んでいたとは。フドウには活躍するかたちで再登場してほしかった。前作のエボリュウ細胞も何度登場させたら気が済むのかと個人的にはいやになる。前シリーズとつなげさせた利点でもあるのだが。


 ハッキリ語られていないので正確なところはわからないが、負傷して気を失っていたケンジも、アスカが変身したウルトラマンダイナの一部になって合体していたから、無事に帰還できたということか? そういうヤリ方は好きだ。TPCのゴンドウ参謀の武力主義が発展したかたちでドラマに活かされているのも良い。


#40「ジャギラの樹(き)」


 ナカジマ隊員のロマンスに、なつかしい味わいのおとぎ話がらみの怪奇性を加えて、前半は楽しく見たが、結局はそれほど優れた話でもなかった。
 怪獣・宇宙魔樹ゴッドジャギラと融合してしまったゲストヒロインが原型をとどめたまま怪獣のなかにいるというのはオーソドックスで、平成ウルトラらしくない気もするが、彼女を救うための方法がアレだったのはありがちながら、却って意表をつかれて楽しかった。ラストのおまけのオチもありふれてはいるものの気が利いている。


#41「ぼくたちの地球が見たい」


 木星で生まれた第一世代の(地球人の)子供たちがあこがれの地球に向かうが、彼らの乗った輸送客船に怪獣・宇宙大昆虫ダイオリウスが卵を産みおとし、地球で幼虫が変態を起こすと大惨事になるため、TPC側は客船を撃ち落とすことを決意するというモノ。


 憎まれ役ゆえTPC幹部連のなかで一番めだつキャラクターとなったゴンドウ。今回の彼の主張は現実的でうなづける面もあるものでありながら、その非情さにより完全な悪役となった。


 ありがちながら残酷さと危機的状況下での救出劇という題材は興味をそそるが、時間不足のためかスーパーGUTSの苦闘は魅力的に描かれない。パニックものの常套ともいえる乗組員とヒロインである女の子の英雄的活動が多少目立つくらいであると個人的には思う。


 川崎郷太(かわさき・きょうた)監督が『ティガ』終了後にゲスト演出したNHKの児童向け番組『天才てれびくん』(93年)のドラマコーナー『妖怪すくらんぶる』(97年)で、主役である小学生のカップル(といっても男の方はオクテで完全な恋人ではないのだが)を演じた相ケ瀬龍史(あいがせ・りゅうじ)と井上知香(いのうえ・ちか)が、今回は弟と姉の役で登場。
 あのドラマではあまり演技がうまくないところから始めて約一年かけて上達をなしてきた二人だけに、番組を降板することになったのは残念で、むしろこれから真価を見せるべきだと思っていたから、その意味では本作への出演はうれしい。井上知香もあの作品より綺麗になったように感じた。


 しかし、彼ら子供たちのキャラクターは描きこまれておらず、これも時間不足ゆえかと不満だったが、ラストシーンで命の助かった姉を、スーパーGUTSの隊員たちや彼らが用意した(NG状態のまま修復する時間のもてなかった)歓迎の旗とともに迎える相ケ瀬龍史クンの表情演技を見ると、人物描写を極力けずったのは、傷だらけの地球到着を示すこのシーンのための監督の判断だったのかとも思う。


#42「うたかたの空夢」

(『ウルトラマンダイナ』#42「うたかたの空夢」賛否合評(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19971210/p1)にも他ライターによるレビュー所収)


 夢オチの作品であることは、サブタイトルで表記されていなくとも途中で察しがついてしまうだろう。それを承知で遊んだ作品。
 個人的には好きではないが、このような作品においてレギュラーのみならず前作『ティガ』のキャラクターまで動員して大盤振る舞いするところに円谷プロの豪気さを、前作28話「うたかたの…」を連想させるサブタイトルと予告編で期待させ、それを無惨に裏切ることに川崎郷太監督の主張を感じるとは言えるかもしれない。
 TVアニメ『宇宙海賊キャプテンハーロック』(78年)やアニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(88年・だよね。あの作品は見てないけれど、マニア向けムックで見た絵の記憶からすると)など、アニメ等のパロディがいっぱい。好き嫌いが激しい一編ではないか?


#43「あしなが隊長」


 『ティガ』と『ダイナ』をむすびつけた結末をむかえるらしい番組のクライマックスに向けてだろうと思われる、『ウルトラマンティガ』1話(https://katoku99.hatenablog.com/entry/19961201/p1)や18話に登場した超古代怪獣ゴルザの再々登場。


 『ティガ』怪獣のなかからゴルザが選ばれたのは超古代怪獣というその出自と、彼の倒された回がGUTS以外のTPC職員が大量に出動して避難民の誘導などに携わった回(18話「ゴルザの逆襲」)であったため、その中に今のヒビキ隊長が混じっていたとしてもおかしくないと考えてのことだろう。しかし、残念ながらそれを実感させてはくれない。ゴルザの姿のみでないあの回の映像を組み合わせてもっと臨場感を出せなかったものか?
 ラストにいたって、このゴルザが、何者かが終焉の地(で今回の舞台でもある)・霧門岳(きりもんだけ)に残されていたゴルザの細胞から復元したものではないか? もしかして宇宙球体スフィアか? という、本編中でも特に根拠がなくて否定されてしまう推測がなされるものの、結局は今回確定的なことはなにもわからず小出しにすらされず、このシリーズらしくまたまた謎が持ち越されてしまうのには物足りなさを禁じえなかった。


●ダイナがゴルザと戦うことにドラマ的な意義が感じられないこと
●テーマである「怒りの奴隷になると勝てない」ことがいまひとつ生きていず、ワザとらしさが強いこと
●子供たちがゴルザのいる山の中に入りこんでいったのが、ヒビキらを入山させるキッカケをつくるだけでしかなかったこと


 ……と不満は大きい。


#44「金星の雪」


 バクテリアにより金星の環境を変えようというプロジェクトのなか、バクテリアが変異した怪獣・灼熱合成獣グライキスが現れ……とのプロット。


 前半は専門用語・科学用語が多く、低知力者の僕はもちろん幼児などにはとっつきにくいのではないか? 気圧の問題などがわかってこそ本当に楽しい作品と思うので(いくら無教養でも、さすがに最低限のことは僕でもわかるが)、小さな子供にもわからせる配慮ができないものか?


 内容的には「夢をあきらめない」とのテーマの再確認と、今回も正体はわからないスフィアの登場だが、更なる謎の提示と本格的な戦いで興味をもたせる。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊99年準備号』(98年8月15日発行)「ウルトラマンダイナ」中盤合評1後半より抜粋)


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