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大決戦!超ウルトラ8兄弟 〜ティガあっての新作だ!

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大決戦!超ウルトラ8兄弟 〜賛否合評 賛!

映画『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』=“ティガ”あっての新作だ!

(文・森川由浩)
(08年10月1日執筆)


 思えばテレビシリーズ『ウルトラマンメビウス』(06・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)の劇場版に位置する映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)で、平成ウルトラマンのルーキー・ウルトラマンメビウスと、昭和ウルトラマンの代表選手であるウルトラ6兄弟の共演を、可能な限り変身前の地球人体の演者としてオリジナルキャストを招聘(しょうへい)、熟年になっても変に若者ぶらず、俳優の実年齢に合わせた役作りで先輩ヒーローを好演させて、その活躍は多くの観客を感動に導いた。


しかしオリジナルキャストの再演が実現すれば次はこうしてほしい、ああしてほしいという欲が出るのも観客の本音である。
多くのファンの中でも特に若い世代、しかも平成ウルトラシリーズで育った年代には、


 “長野博つるの剛士(たけし)、吉岡毅志(よしおか たけし)といった変身前のオリジナルキャストも登場する平成ウルトラマン中心の新作映画が見たい”


 という声が高まっても不思議ではない。



 事実昭和ウルトラ世代が親になり、その子どもたちと楽しんだ記憶も新しい(?)平成ウルトラシリーズ(大阪の毎日放送による製作時期)は、新世紀の特撮ブームのイントロダクションを務めた作品として、今尚人気は高い。


 既に平成ウルトラマンシリーズの口火を切った『ウルトラマンティガ』(96・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961201/p1)放映開始より干支(えと)は一周、続く『ウルトラマンダイナ』(97・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971215/p1)で十一年、『ウルトラマンガイア』(98・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19981206/p1)でからも満十周年を迎えるだけの時の経過がある。
 まだ二十歳(はたち)前後だったキャストも今や三十代に突入、またはその直前。大人になった平成ウルトラマンたちによる新作映画も見たくなる気持ちはわかる。



 それに呼応するかのごとく、長野博つるの剛士、吉岡毅志も着実にタレントとしての成長をみせている。


 長野はジャニーズ事務所の人気ユニット・V6(ブイシックス)のメンバー。V6も今やSMAP(スマップ)に次ぐジャニーズの看板グループ。そのメンバー故(ゆえ)に長野は同事務所所属タレントの中でも今やベテランの域にまで成長した。


 つるのはフジテレビの人気バラエティ『クイズ!ヘキサゴンII』(05〜放映中で)の珍解答で注目を集め、今や“おバカさん”タレントブームの火付け役になり、その番組共演者と結成したユニット“羞恥心”(しゅうちしん)の活躍で2008年を代表する人気タレントの一人にまで成長した。


 吉岡毅志は前述の二人に比べ地味ではあるが、劇団を主宰、今年は東海テレビ製作(名古屋のフジテレビ系)の昼ドラ『花衣夢衣(はなごろもゆめごろも)』(08)でアウトロー役に挑戦、ウルトラマンから十年目の役者としての成長を見せ、その一方GW(ゴールデンウィーク)の中日劇場ウルトラマンプレミアステージ2』(08)では、映画公開に先駆けて舞台でヒーローを再演、映画への期待を煽らせてくれた。



 それぞれが主役を演じたウルトラマンのシリーズ終了から十年以上の時が経ち、彼らを主役にした新作映画が誕生しようとしていた。しかも最初から、テレビオリジナルストーリーとは違う次元世界での物語を念頭に置き、それを正面に押し出しての製作になる。
 別世界で、しかも普通の人間として生活する主人公たちが、何ゆえにウルトラマンに変身し、怪獣を倒すのか? そのまさかと思った破天荒なプロットの導入により、夢は現実となった。映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』(08)がそれである。



 本作のイントロダクションは、まるで映画『ALWAYS(オールウェイズ) 三丁目の夕日』(05・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080316/p1)を思わせるレトロな情景に始まる。
 そう、あの『ウルトラマンティガ』第49話「ウルトラの星」(*1)でも描かれた初代『ウルトラマン』(66)が始まった昭和40年代の様子を描き出すのだ。昔は町中に溢れていた駄菓子屋、家庭での食卓を囲んでのテレビタイム、将来の夢を語り、夕暮れが来ても遊び続けた子ども時代の古き良き思い出のシーンが描かれる。その世界にヒーローである主人公が住んでいるのだ。


 本作の主人公でありヒーロー・“ウルトラマンティガ”であるマドカ・ダイゴをはじめ、“ウルトラマンダイナ”ことアスカ・シンに、“ウルトラマンガイア”こと高山我夢(たかやま がむ)の三人が活躍するのは、オリジナルのテレビシリーズとは違い、我々が住む世界に近い、“ウルトラマンがテレビで放映されているこの世界”である。
 子ども時代ウルトラマンをテレビで見、熱中してヒーローの勇姿に夢を抱き、そうして大人になり現実の世界に進出するというシチュエーションがこの映画のイントロダクションである。


 それを強調するのは1966年7月17日・日曜日の夕方。行きつけの駄菓子屋でラムネを飲んでいる三人組が店の主人(二瓶正也 にへい まさなり)に時間を聞き、慌てて帰宅するシーンから、時間に間に合い、あの『ウルトラマン』放映開始の瞬間を待ち、オンエアと共に番組に驚愕する描写である。


 リアルタイムで体験していなくても、当時既にこの世に生を受けており、子ども時代を過ごした年代層はもちろん、多くの特撮マニアのようにあとから各種書籍などで仕入れた情報により、この1966年7月17日・日曜日が単なる一日でなく、特撮史上に大きな刻印を刻んだ日であることは承知の事象である。
 それを映画の画面で見せ、世代人はもちろん、多くの特撮ファンにも追体験・共感させる描写でもある。幼い子どもにとっても、昭和時代の子どもの生活と今の自分たちの違いを微妙に感じながらも、遠い昔話を身近に感じるだろう。



 そこから現代に作品世界はシフト、成長した主人公が現れる。おなじみ長野博演じるマドカ・ダイゴである。
 彼はここでは防衛組織・GUTS(ガッツ)隊員ではなく、横浜市役所の観光課の職員。上司は『ティガ』で副隊長だったムナカタ(大滝明利)。


 子ども時代からの親友アスカは横浜球場のボールボーイ、


 我夢は横浜マリンタイムミュージアム学芸員



 彼の身の回りにいる熟年紳士たち。


 自転車屋の“初代ウルトラマン”ことハヤタ・シン(黒部進)、
 ハワイアンレストランの“ウルトラセブン”ことモロボシ・ダン森次晃嗣・もりつぐ こうじ)、
 自動車修理工場の“帰ってきたウルトラマン”こと郷秀樹(団時朗・だん じろう)、
 手焼きパン屋の“ウルトラマンエース”こと北斗星司(高峰圭二


 と、慣れ親しんだ作品世界とはかなり違った設定での登場。



 このアイデアだけを見れば、まるでファン製作の創作同人誌レベルの設定にしか思えないと言うファンもいるだろう。それに加え、近所のオジサン連中も実はヒーローになるという設定もそれを強調していると感じなくもない。


 この熟年紳士の夫人役も、知っての通り往年のテレビシリーズでヒーローの相手役を務めた女優である。
 ハヤタの妻はアキコ(桜井浩子)、ダンの妻はアンヌ(ひし美ゆり子)、郷の妻はアキ(榊原るみ)、北斗の妻は夕子(星光子)。


 ハヤタの娘・レナ(黒部進の実の娘・吉本多香美)とダイゴは恋愛関係にある。他にも見覚えのある顔が随所にちらほらと。


 輪廻転生(りんねてんせい)なのかそれともタイムパラドックスか、はたまた劇中でも話題に出た多次元宇宙論か……?



 見る者の謎が解けようとする中で、考え直すと更に矛盾を感じなくもない。そんなまるで“理屈なんかどうでもいいから目の前に展開するアンバランスゾーンを楽しみなさい”とでも言われているかのような作品感である。
 石坂浩二のナレーションも、オリジナルの『ウルトラQ』(66)OP(オープニング)ナレーションをベースに、観客をこの奇抜なアイデアの世界に誘い込む案内人のような役割を果たしている。



 その現実的な世界の住人である若者たちが、突如非現実の世界に引き込まれ、そこでその衝撃に押しつぶされずに戦うというコンセプトを持ち、それは主人公たちが一度は現実の壁に押し潰されて断念した人生の“夢”に、再度立ち向かう勇気を得ることともリンクしているのが特徴である。


 ここまで書けば、アイデアにハチャメチャさを感じる方もおられるだろう。しかしそのアイデアは描き方、それを演じる役者、そして観る者を引き付けるパワーさえあれば観客を引き込み、感動させることが可能なことを立証する。


 「不可能を可能にする、それがウルトラマンだ!」


 前作『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟」で主人公のヒビノ・ミライ(五十嵐隼士・いがらし しゅんじ)が発した科白(せりふ)は、今思えば次なるサプライズの予告編でもあったのだ。今度の新作も不可能を可能にしたのである。


 とはいえ、嘘を嘘で塗り固めているとの声もあろう。ご都合主義との批判も耳にする。パラレルワールドものの難しさを改めて痛感した。


 多少のアラはあるだろうが、自分としては見ていて気持ちの良い映画だった。いきなり結論を出したが、アラも感じつつ楽しめる、共感できる作品である印象が強い。



 物語の粗筋や科白の再録まで行うと、少ない誌面を無駄食いするため、作品の詳細はここでは割愛する。


 まず主人公をダイゴにしたのは、もちろんジャニーズアイドルであることのセールスポイントの高さでもあろうが、それだけではない。
 かつて「ティガ伝説完結」と銘打って映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(ファイナル・オデッセイ)』(00・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961209/p1)が公開されたあとに、平成ウルトラ三部作放映終了後、その後の続編を描いたビデオ新作(*2)が製作された。
 『ダイナ』『ガイア』はオリジナルキャストの再集結を原則とし、もちろん主人公は同じ俳優が同役を演じるというものだった。


 が、知ってのとおり『ティガ』のみが主役の長野博を招くことができず、物語をダイゴ・レナ夫妻の息子・ツバサ(山口翔吾 のちに特撮変身ヒーロー『魔弾戦記リュウケンドー』(06・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061225/p1)にも主演)が成長して、二代目のウルトラマンティガに変身する内容で製作された。
 ただ舞台を古代にタイムスリップしたことにより、嘗(かつ)てのGUTS隊員役の俳優を、その先祖らしき古代人の役で配役することによる出演は実現できた。


 2001年夏のイベント「ウルトラマンフェスティバル2001」で上演されたライブステージ(要するに着ぐるみのウルトラマンと怪獣のアトラクションショー)では、初代ウルトラマン黒部進ウルトラセブン森次晃嗣ウルトラマンダイナをつるの剛士ウルトラマンガイアを吉岡毅志と、それぞれ変身前の主人公を演じた俳優がヒーローのアフレコを担当して話題になった。
 が、ウルトラマンティガ長野博でなく、『ティガ』のシンジョウ隊員役の円谷プロダクション芸能部所属でもある影丸茂樹が演じたこともあり、尚更長野が新たに演じるティガは既にもう幻のものとしての認識を強(し)いられたことがあった。


 こうしたことからも、長野博によるマドカ・ダイゴの再演はもう無理なものと多くのファンは思っていた。でも長野演じるダイゴが変身するウルトラマンティガの勇姿が見たいのが本音だった。その夢や希望、悲願が実現したのだ。



 今度の新作も、書籍「大決戦!超ウルトラ8兄弟 超全集」(2008 小学館刊 ISBN:4091051200)などの記述によると、何とウルトラマンタロウを主役にしての企画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟2』からスタートしたそうだ。
 これはやはり前作『メビウスウルトラ兄弟』で篠田三郎ウルトラマンタロウこと東光太郎(ひがし・こうたろう)役で登場しなかった(*3)こともあり、今尚篠田の登場を希望するファンのコールに応えての企画だと推測されるが、諸事情で2007年度のウルトラ映画は実現せず、ティガを主役に配する2008年度の本作に変貌を遂げる。


 また現在では最新の、そして一番の若手ウルトラマンであるメビウスを主役にといった声もあるが、実際ビデオオリジナルシリーズによる続編『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス STAGE1(ステージワン) 滅びの遺産』(08・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080914/p1)、『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス STAGE2』(08)の製作・販売もあり、メビウスでの展開は十分と考えてか、天下のジャニーズ事務所が主役としての出演でなければ許可しなかったのか、そこで平成ウルトラの人気を決定付けたティガこと長野博の登板という別のミラクルを実現させることになった。


 だがまだ新人の色合いの強い五十嵐隼士よりも、既に三十代半ば、四捨五入で四十歳の域に達した感もあるとはいえ、ジャニーズ事務所のアイドルグループV6の長野博を主役に回した方が、子どもたちへのアピールはともかく世間的アピール度も高いのは周知の通りだ。



 実際『ウルトラマンティガ』放送開始前にその情報が世に出た頃、ジャニーズアイドルがウルトラマンの主人公と聞いた時、年長のマニア、特に男性からは余りいい印象を抱けないという声の方が強かった。
 だがジャニーズといえば軟派な男性アイドルしかいないといった昔の時代ではないのだ。
 今やテレビから歌謡番組が減少したこと、世間が求めるアイドル像が高嶺の花からクダケた身近さも要求されるように変化したこと、所属タレントを使い捨てではなく息長く売って稼いでいく方針になって、アイドル歌手業だけでなく、役者業やバラエティ・トークなどもこなす若手男性エンテーティナーの総本山に成長しつつある。


 既にジャニーズを代表するトップレベルの国民的知名度を持つグループ・SMAPも、
 「週刊少年ジャンプ」連載漫画(85)のアニメ化『聖闘士星矢』(せいんと せいや)(86〜89)のミュージカル版(91 *4)でメンバーそれぞれが聖闘士に扮し熱演。
 そしてテレビアニメでは草彅剛(くさなぎ つよし)が、月刊少女漫画誌『りぼん』連載漫画(90)でテレビ東京・スタジオぎゃろっぷ制作の魔法少女アニメ『姫ちゃんのリボン』(92)、
 香取慎吾が、同誌連載(92)の後番組の魔法少女アニメ『赤ずきんチャチャ』(94)で声優として活躍していたこともあり
 ――フジテレビの人気テレビドラマ『古畑任三郎(ふるはた にんざぶろう)』(94・96・99)のスペシャル版『古畑任三郎 VS SMAP』(99)に香取が本人役でゲスト出演した際にも、劇中で主演の田村正和に「『赤ずきんチャチャ』のリーヤの声は香取さんでしたねえ。いい作品でした」と言及されていた(笑)――、
 またこれら2作品の主題歌はSMAPが歌唱し、
 同じくジャニーズ所属のTOKIO(トキオ)もNHKの子ども向けテレビアニメ『飛べ! イサミ』(95)の主題歌を担当し、
 また一方ジャニーズ所属の少年隊は、東宝川北紘一が特撮監督を担当した(本編監督は『ゴジラVSスペースゴジラ』(94)も演出した東宝山下賢章)、一部で知る人ぞ知る佳作と評価の高い東宝製作のSF映画『ⅩⅨ(XIX ナインティーン)』(87)で主役を演じたことからも覗えるのだが、1996年の時点でもジャニーズアイドルは決してジャンル系作品とは疎遠ではなかったし、ジャニーズ事務所でも次代のファン層の開拓のためか子ども向けジャンル系作品との提携を実は既に開始していた。



 1995年デビューとはいえ、既に1996年当時にはブレイク中であり全くの“新人”とはいえないキャリアを身に付けていた長野博を主役への抜擢は、思えば企画書には「ジャニーズ風の美青年」程度でしか書いてなかったことに始まり、円谷プロ側の意向ではなくテレビ局側の意向とはいえ、本当にジャニーズ事務所所属のアイドルを主役に起用してしまったパワーは、この作品がただの「ウルトラマン」に終わらないことを暗示していたのかも知れない。


 多くの不安を抱えながらスタートした『ウルトラマンティガ』。
 1996年当時“癒し系”という言葉のない時代、その先駆けとでもいうべきキャラクターで設定された主人公のダイゴは、派手さはないものの、演じる長野博の実直なキャラクターが受け入れられ、アイドルファン以外にも多くのファンを獲得。
 その活躍の舞台もSF性を高めたストーリー、ダイゴとレナのロマンスの明確な描写もあり、大人の層にもアピール。やがて1998年度日本SF大会の第29回『星雲賞』の映画演劇部門・メディア部門を受賞するにまで至り、単なる「ウルトラマン」の新作であるといった認識には収まらないものとなった。


 視聴率の絶対値では敗れても、これが『ザ☆ウルトラマン』(79・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100430/p1)『ウルトラマン80(エイティ)』(80・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)の時代に実現していれば、世間の「ウルトラ」や日本のSFテレビの歴史は今よりもはるかにステータスが高くメジャーになっていたのでは? と当時小生は思わされた。


 この“奇蹟のキャスティング”が実現しなければ、今日の平成ウルトラの隆盛はなかっただろうと断言できる。無茶を承知の上ハードルを上げたことが、全てに幸いし、以後にも好影響を与えているのは知ってのとおりだ。
 今後円谷プロが再度「ウルトラマン」の新作を製作するには、それ以上の無理を行わないと、世間的注目を集めることは難しいだろう。



 『ウルトラマンメビウス』で、ようやく昭和のM78星雲「ウルトラ」の作品世界の継承者的作品が誕生したが、もし『ティガ』(の時点)でいきなり昭和のウルトラの続編作品を製作しても、恐らく『メビウス』の域には達さなかっただろう。当時の製作スタッフの嗜好的にも作品の質的にも。やはり試行錯誤やノウハウを立て直す様々なプロセスが必要だったのだ。


 以後の平成ウルトラ製作のプロセスは『ティガ』という作品的完成度の高さからの出発ゆえに実現したものである。こうした面からも『ティガ』は平成の初代ウルトラマン的存在であることが顕著である。


 円谷プロで歴代のウルトラシリーズに関与したスタッフの満田かずほ(現「ウルトラマンランド」名誉館長)も、ウルトラマンの人気の永続性やその秘訣などの質問が来ると、常に


 「最初のウルトラマンをきちんと作っておいたことに尽きます」
 (出典「放送文化」(日本放送協会出版(NHK出版)刊)1996年12月号特集「ウルトラマンはなぜ帰ってきたか」内での記述より)


 というような内容の返答を常にしている。


 『ウルトラマンティガ』もそうした中での製作状況であったことは百も承知である。あの緊迫感溢れる作風にそれを感じていた。
 「これはひょっとして本当に平成の“初代ウルトラマン”になるかも?」と思いながら小生も見ていた。実際、作風は『ウルトラセブン』寄りでも、作品の存在位置は過去のウルトラシリーズを断ち切り、0(ゼロ)からのスタートによる、正に平成のウルトラマンに成り得ていた。



 よく『ティガ』放映開始当初、古くからのファンの中には過去のウルトラ兄弟の出ないことに不満を抱く声が聞かれた。
 が、それも彼等のキャラクターを活かせるだけのアイデアやストーリーが必要になる中、ただ単に出すだけでなく、それに相応(ふさわ)しいドラマを用意できてというなら判るが、あの時点では果たしてそれだけのシナリオを準備できたかは判断に苦しむ。
 ウルトラマン80が客演した『メビウス』第41話「思い出の先生」(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070218/p1)などのように高い完成度を持つストーリーなら、登場も嬉しいのだが。


 それより若いスタッフは、自分たちが理想に抱く“SF性の高いウルトラマン”を作り出そうとしていたのだから。その志の高さは大いに評価している。
 この新作映画で改めて『ティガ』=ダイゴ=長野博のキャラクターのマッチングと、平成ウルトラの出発点が『ティガ』であったことの幸いさを痛感させられた。



 ダイゴはもちろんだが、アスカや我夢、そしていわゆるダンディー4(フォー)の昭和ウルトラ戦士たちもこの映画の主人公である。そしてヒーローとヒロインのそれぞれが男女関係で結びつく要素が特徴だ。
 彼等の作品での設定を全て書き連ねると長々しくなるので詳細は省略するが、旧作というかオリジナルシリーズでの要素を断片的に引き継いだり、またダンとアンヌのように俳優自身の私生活に密着した設定(*5)もあったり、年長のマニアには細部の元ネタ探しで充分楽しめる設定でもある。


 そしてその本来のM78ウルトラワールドと映画の舞台である異世界との媒介人が最新のウルトラマンウルトラマンメビウスことヒビノ・ミライである。
 彼はウルトラマンが戦士として活躍する本来の世界の人物であり、彼がこの次元世界に立ち入ったことにより、別世界での昭和と平成のウルトラマンたちのの共演というミラクルが実現した。


 別世界のハヤタたちを見つけ、自分の生活している次元のウルトラ兄弟と同一人物だと思い込んで接し、何も知らないというかまだ覚醒していない彼等のリアクション、それに驚愕するミライの対比も笑わせつつの見所ではある。
 本作でのミライ=メビウスの立ち位置は、まあ無難なところであるといった感だ。自分的には不満はない。他に代替案があるなら、具体的に示してもらいたい。


 とはいえ、本来の作品世界が違う上、実現できないと思われていたダイゴとミライとの共演シーンも、両作品のファンの夢の実現ではあるだろう。M78ウルトラマンと地球発ウルトラマンふたりの出発点の違いと終着点の共通性を感じる二人の出会いのシーンには、映画としてやはり心惹(ひ)かれるものがある。



 その他のウルトラOB俳優の助演ももちろん見所ではあるが、坂田自動車工場に坂田アキの兄・坂田健(さかた けん)の遺影が飾ってあるシーンにはジンときた。もちろんあの名優である故・岸田森(きしだ しん)の姿だ。これだけでも岸田森ファン感涙(かんるい)である。
 かつて映画『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』(90)で、一の谷研究所のシーンにて、元祖『ウルトラQ』の登場人物・一の谷博士(江川宇礼雄 えがわ うれお)の遺影が飾ってあり、その場にその息子(らしき?)一の谷(中山仁 なかやま じん)が登場するが、その時を思い起こさせるオールドファンには嬉しいサービスだった。


 でも欲を言えばアキが老人(ウルトラQの副主人公・戸川一平を演じた西條康彦)をかばい、重症を負い病院に担ぎ込まれたシーンで、娘のメグ(松下恵)が


 「おじさんお願い! お母さんを助けて!」


 と健の遺影に祈るシーンがあれば、もっと多くのファンが涙しただろう。



 昭和ウルトラキャストより、助演陣は平成ウルトラキャストの方が多い印象があるが、中でもやはり川地民夫(かわち たみお)演じるサワイ国連事務総長の存在は大きい。
 知ってのとおり川地は、邦画黄金期の1958年に日活でデビュー、以後アクションものや任侠もので名を上げた、今や半世紀以上の芸歴を持つベテラン俳優である。
 一見特撮作品には縁がなさそうだが日活時代、同社唯一の特撮怪獣映画『大巨獣ガッパ』(67)で主演しただけでなく、意外にも日活所属でありながら東宝で活躍していた円谷英二とも親交が深かったのである。『ティガ』でのサワイ・ソウイチロウTPC総監役での出演もそうした所以(ゆえん)で、その孫である96年当時社長の円谷一夫の指名での(*6)登板となったわけである。



 その川地が登場するラストシーン。
 ダイゴの夢だった宇宙飛行士、アスカの夢だったプロ野球選手、我夢の夢だった科学者。3人は転身に成功。それぞれが人生本来の夢を叶えたのであった。
 横浜港に停泊する日本丸を宇宙船に改造、三人は未知のM78星雲に向かって旅立つのだ。サワイや群衆が彼らを見送る。


 その日本丸船内にはダイゴの妻となったレナ、その娘ヒカリ、それにアスカの傍らにはリョウ(斉藤りさ)、我夢の隣には敦子(あつこ 橋本愛)もいる。


 その日本丸を護衛するかのように航行する見覚えのある飛行機が。ジェットビートル、ウルトラホーク1号、マットアロー1号、タックスペースである。
 コクピットにはそれぞれハヤタ夫妻、ダン夫妻、郷夫妻、北斗夫妻の姿が!! しかも各組織の隊員服ではなく、8人お揃いの宇宙服だ。
 そして彼らが宇宙の彼方へ旅立つフィナーレで幕を閉じた。


 これはどう解釈していいのか……。余りにも唐突な、度肝を抜く展開・演出で、さすがにこれは否の声も多い……。自分も否定までとは行かなくても、少し、いやかなりやり過ぎな印象を強く受けた。


 とはいえ、「夢をあきらめるな、歳に関係なくもう一度トライするのだ」とでもいうべきテーマは伝わって来る。そのメッセージを児童や少年だけでなく熟年層、特に子どもを連れて劇場に姿を現した親の世代への媒介人として、今回の昭和ウルトラヒーローが存在するのだろう。


 パラレルワールドの作品世界整合の難しさは今回も痛感した。しかし、頭を空にして目の前の状況だけを追う見方の鑑賞も良いな、と思わされるそんな映画だ。



 かつての怪獣映画『ゴジラVSキングギドラ』(91)はタイムパラドックスを扱い、パラレルワールドとのジョイント、尚且つパワーで押し切る作風であったゆえ、後から整合性を俯瞰するとかなりアラのある映画ではあった。しかし鑑賞中にはパワフルな映像と作品世界に熱中できる作品との印象を感じた。


 パラレルといえば、前後のウルトラシリーズの存在を一切断ち切り、ウルトラセブンオンリーの世界観で製作した元祖『ウルトラセブン』(67)の続編に属する平成『ウルトラセブン』シリーズ(94、98、99、02)も、結局は『ウルトラマンメビウス』以降、『ウルトラ』の正史には含まれなくなった感がある。
 これは一部スタッフの自己満足にしか映らないあの内容ゆえに致し方ないだろうが。実際それ以後平成セブンの続編は製作されていない。


 今度のウルトラ映画も『ゴジラVSキングギドラ』に通ずる魅力を持っている。尚且つメッセージ性は個人的にはこちらの方が共感できるものがあるのもあって、魅力は大きい。


 今の児童層には、もう少し大きくなってからでも、機会があれば見てほしい映画だと思えた。ちょうどウルトラにおける洋画『Stand by Me(スタンド バイ ミー)』(86)的な存在(*7)なのかも知れない。
 見終わっても想いが溢れてくる映画だ。人間が大人になるにつれ失う純粋さや(純粋さは現実社会での生活のためには磨滅することもあるゆえに)、夢への情熱、自分の当初の気持ちに向かい合いそれを取り戻すことは、恥ずかしいことではないといった意図は伝わる。
 それは大いに評価したい。挫折を味わい、押しつぶされそうになった時に見てほしい映画であるとも思える。

 

 また今回の映画の商業展開で注目すべき事項は、この映画でティガが主人公であることに起因し、バンダイより子ども用のGUTS隊員服やティガの変身スーツ、変身道具・スパークレンスの再販が行われていることである。


 ダイナやガイアも映画に出るのだから、リーフラッシャーやエスプレンダーの変身アイテム、スーパーGUTSやXIG(シグ)の子ども用隊員服も再販すれば良いとは思うが、さすがにあれもこれも出せないのかして、こちらは「ウルトラ兄弟変身アイテムセット2」にて廉価(れんか)版変身アイテムがセット売りされるのみに終わっている。


 尚このスパークレンスは2000年春の映画『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』公開に合わせての『ウルトラマンティガ』主要都市ネット再放送(*8)に連動しての再販以来8年振りのリリースになる。
 CS・TBSチャンネルでも今年08年の9月より『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンメビウス』再放送が開始(両者ともアンコール放送)された。
 また地上波の方では08年10月現在、テーマパーク・ウルトラマンランドがある熊本県熊本放送(TBS系)で『ウルトラマンティガ』の再放送が行われている(毎週日曜朝五時半)。ちなみにこれは熊本地域での『ウルトラセブンX(エックス)』(07・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080413/p1)後番組としての放映になるのが特筆すべき事項である。



 今回、主人公を平成の毎日放送ウルトラシリーズのヒーローに置いて昭和ウルトラマンとの共演を行った本作は、既に前作『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』を越える観客動員を見せているようだ。
 昭和ファン、平成ファン、双方の夢の実現という要素も大きいが、それには公開初日を含めた三連休(9/13〜15)に各地で行われたキャストの舞台挨拶も大きく影響しているだろう。


 初日・9月13日(土)のトップを飾る東京・新宿での舞台挨拶は長野博を筆頭に素顔のヒーロー8人が勢揃い。
 以後グループを分散、関東地区はもとより、つるの剛士と吉岡毅志はその日のうちに大阪にまで飛んでの活躍を見せる。
 また9月15日(祝・月)の大阪・堺市と京都、名古屋では昭和ウルトラファン括目のダンディー4&ビューティー4、昭和ウルトラヒーロー&ヒロインの8名による参加となる。
 特に京都では高峰圭二星光子による36年振りのウルトラタッチが実現、昭和ウルトラファンには時を越えた夢の実現を目の当たりにしての壮大な盛り上がりを見せた。


 それ故、今後も今回漏れた他のウルトラシリーズとのジョイント作品も夢ではないとの希望も持てるだろう。でもそれだけに生半可な作品は、逆にファンの失望を買うことを製作側はより認識して製作に取り組まなければならないことでもある。
 16年振りのテレビシリーズ「ウルトラマン」復活への熱意が起こした奇蹟は、以後の作品では有り得ないのだから。


 主演の長野博はアイドル界で成功してからも『ティガ』をずっと誇りに思ってきていることもあり、だからこそ今三十代半ばにしての再変身を実現したわけである。これはメジャーになった途端に過去自分が演じたヒーロー歴を隠そうとしている俳優とは対照的で好感が持てる。そうした姿勢も作品の好感度を上げるのに貢献しているだろう。


 特に名古屋の中部日本放送CBC)製作(TBS系)に移行してから、低視聴率やマーチャンダイジングでの不調、そしてTBS系の枠を死守してもローカル局が買い取らずに未放映地域の増大という悲惨な現状を見せてしまい、『ウルトラ』の商品価値の下落が顕著な昨今だからこそ、尚更『ウルトラマンティガ』の存在と残したものの大きさが痛感されるのだ。


 だがこれ以上『ティガ』に頼ることも難しい。今後に新作ウルトラマンをもし作るなら、今回の路線の二番煎じ、三番煎じはもう効かないかも知れない。もちろん今回の新作はファンとしても嬉しいが、今後のウルトラの存続の厳しい状況も半面感じさせる。



 次なるミラクルを円谷プロは本当に見せてくれるのだろうか? それとも凋落(ちょうらく)の一途を辿(たど)るのだろうか?



*1
 円谷プロ出身の脚本家・上原正三(うえはら しょうぞう)が自らの思い出をベースに、主人公が突如昭和四十年の円谷プロに迷込むプロットを立ち上げ、円谷英二を筆頭に、円谷一つぶらや はじめ)、金城哲夫(きんじょう てつお)、満田かずほ(みつた かずほ)、熊谷健(くまがい けん)など当時の円谷プロスタッフが空想特撮テレビ映画『ウルトラマン』を生み出すプロセスをドラマに絡めて描いた作品で、いわば「上原版ウルトラマンを作った男たち」的作品。
 多くのファンがご存知のように、この話で怪獣・宇宙恐竜ヤナカーギーの猛攻に苦しむウルトラマンティガを救ったのは初代ウルトラマンであった。
 これも別世界とのリンク、しかも“ウルトラマンがテレビ放映されている世界”と言う要素では、どことなく本作の根幹要素の一部に繋がる作品として興味深い。


*2
 2001年2月から5月に掛けて、順次バンダイビジュアルよりリリースされた平成ウルトラシリーズ続編のビデオオリジナル新作。『ウルトラマンティガ外伝 古代に蘇る巨人』(01)『ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー』(01)『ウルトラマンガイア ガイアよ再び』(01)の三作。


*3
 シナリオの準備稿の段階では、東光太郎も配役されていた。しかし諸事情で篠田三郎本人が出演できなかったため、結果ウルトラマンタロウは変身した姿でのみの登場になり、しかもその声は映画『ウルトラマン物語(ストーリー)』(84)でタロウの声を演じた石丸博也が担当、以後テレビシリーズ『ウルトラマンメビウス』はもちろん、バンダイより発売された玩具「プレイムービーシリーズ DXウルトラコクピット」に封入されたDVDでも石丸がタロウの声を演じている。ちなみにこのDVDで初代ウルトラマンウルトラマンA(エース)までの4兄弟は、黒部進をはじめ変身前のヒーローを演じたオリジナルキャストが演じている。


*4
 アニメシリーズも既に終了して数年の歳月が経った1991年8月15日より9月1日まで青山劇場で上演。
 配役は青銅聖闘士(ブロンズセイント)がペガサス星矢=中居正広、ドラゴン紫龍(しりゅう)=草彅剛、アンドロメダ瞬=香取慎吾フェニックス一輝(いっき)=稲垣吾郎キグナス氷河=森且行(現在引退)。海闘士(マリーナ)の海皇ポセイドン/ジュリアン・ソロ=木村拓哉の面々。
 尚敵側の黄金聖闘士(ゴールドセイント)のメンバーは何とTOKIO(トキオ)のメンバーが予定され、ムウ・城島茂、シャカ・国分太一、ミロ・松岡昌宏アルデバラン山口達也アイオリア小島啓(こじま ひろむ、現在引退)でキャスティングされたそうだが、実際には彼らではなかったとの声を耳にした。余談だがこの小島の脱退後にTOKIOに加入したのがあの長瀬智也である。
 のちのテレビアニメ『美少女戦士セーラームーン』(92)の舞台化に先駆けて、アニメのグループキャラクターものをライブで実現した稀有(けう)な例。今尚ビデオやLD、DVDなどの映像ソフト未発売が惜しまれる幻の公演である。


*5
 ダン役の森次晃嗣シャンソンバー「ジョリー・シャポー」、アンヌ役のひし美ゆり子は中華料理店・「台北飯店(たいぺいはんてん)」を経営。


*6
 これは小生が実際に川地民夫に会う機会があり、その時に本人から伺った内容である。あの『ウルトラマンティガ』第49話「ウルトラの星」で川地が円谷英二作品の思い出を語るシーンで愛着と実感がこもっていたのはそういうことからである。


*7
 1950年代末を舞台に少年を主人公にしたノスタルジックな映画の傑作。ここでこの作品を引きあいに出したのは「人生において二度観る映画。一度目は少年時代に、二度目は大人になってから」と評されている面に着目してである。
 尚余談だが、近年の女児向け魔法少女アニメでも『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』(02)第17話「ひみつ基地を守れ!」(シナリオタイトル「STAY GOLD」)が本作の影響を如実に感じさせる作品で、『Stand by Me』同様少年の冒険心や自立心、夢が描かれる内容になっているのが興味深い。


*8
 毎日放送(関西)を中心に、TBS(関東)、中部日本放送(中京)、RKB毎日放送(福岡)の4地区で1999年秋よりスタート。2000年3月公開の映画『ティガ』に合わせて、シリーズ前半・半年分の放映であったが。
 もちろんバンダイがスポンサードしての再放送で、各種玩具の再販だけでなく、寸劇仕立てのミニコーナーとして『ウルトラマンナイス』(99)というコミカル系のウルトラ新ヒーローを誕生させたのが特徴で、単なる再放送ではない力の入れ具合が記憶に残る。2008年現在地上波でこうした展開もできない現状には、嫌でもテレビ番組としての『ウルトラマン』商品価値の下落を思い知らされる。


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年秋号』(08年10月5日発行)〜『仮面特攻隊2009年号』(08年12月28日発行)所収より抜粋)



『假面特攻隊2009年号』「大決戦!超ウルトラ8兄弟」賛否合評・記事一覧
・1「ダンディー4&ビューティー4 in京都舞台挨拶レポート」
・2「“ティガ”あっての新作だ」 〜賛!
・3「ALWAYS 三丁目の夕日」 〜是々非々!
・4「ウルトラ兄弟最後の戦い!?」 〜否!
・5「銀河に夢を賭けた8つの星」 〜是々非々!


[関連記事] 〜『ウルトラマンティガ』(96年)評

ウルトラマンティガ』#1〜15評 〜序盤合評1

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ウルトラマンティガ』 〜前半寸評

  (後日UP予定!)

ウルトラマンティガ』 〜後半寸評

  (後日UP予定!)

ウルトラマンティガ』最終回 最終章三部作・#50「もっと高く!〜Take Me Higher!〜」・#51「暗黒の支配者」・#52「輝けるものたちへ」

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ウルトラマンティガ』 〜総評

  (後日UP予定!)

ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY(ファイナル・オデッセイ)』(映画・2000年)

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19961209/p1

平成ウルトラマンと(本当の)視聴者たち

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[関連記事] ~ウルトラシリーズ劇場版

ウルトラマンUSA』(89年) ~日米合作80年代アニメ!

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『劇場版 新世紀ウルトラマン伝説』(02年) ~今こそ昭和のウルトラ兄弟が復活するべきだ!

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『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年) ~ティガあっての新作だ!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1(当該記事)

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年) ~岡部副社長電撃辞任賛否!

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