假面特攻隊の一寸先は闇!読みにくいブログ(笑)

★★★特撮・アニメ・時代劇・サブカル思想をフォロー!(予定・汗)★★★ ~身辺雑記・小ネタ・ニュース速報の類いはありません

ウルトラマンタロウ3話「ウルトラの母はいつまでも」 ~母登場・2大怪獣・ZATも怪獣を撃破!

(CSファミリー劇場ウルトラマンタロウ』放映・連動(?)連載!)
『ウルトラマンタロウ』1話「ウルトラの母は太陽のように」 ~人物像・超獣より強い大怪獣・母・入隊・ヒロイン・5兄弟の正統タロウ誕生を漏れなく描いた第1話!
『ウルトラマンタロウ』2話「その時ウルトラの母は」 ~怪奇性・コミカル性・基本設定紹介の鼎立達成!
拙ブログ・トップページ(最新10記事)
拙ブログ・全記事見出し一覧


「ウルトラマンタロウ 再評価・全話評!」 〜全記事見出し一覧


ウルトラマンタロウ』3話「ウルトラの母はいつまでも」 ~母登場・2大怪獣・ZATも怪獣を撃破!

(脚本・田口成光 監督・山際永三 特殊技術・山本正孝)
(文・久保達也)


「フヒャハハハハ…… ハ〜~ハハハハハハ……」


 多摩川(たまがわ)の河川敷で、人間に似た声でひたすらに笑い続ける、まるで笑い袋のような出っ腹姿の再生怪獣ライブキング!


 いったい何がおかしくて笑っているのか? 動物的な怪獣ではなく、ここまで人間のように笑い続ける怪獣はウルトラシリーズでも初の部類だろう。


 ある意味では、『ウルトラマンタロウ』という作品が持っているカラーの何たるか? 陽性である! おフザケもあり! 何でもアリ! といったことを、高らかにマニフェスト(宣言・公約)している、『タロウ』という作品を象徴している怪獣でもあったのだ!


 しかし、「ナメとんのか〜!?」とばかりに旧体制の象徴として(笑)、ライブキングに突進していく液体大怪獣コスモリキッド!


 けれど、勢いあまって対岸沿いの建物に、顔面を突っ込んで転倒してしまう!


 それを見て、またもさもオカシそうに、大きな手をバタバタとさせて腹をかかえて笑い続けるライブキング!


 対するに、多摩川にしゃがみこんで悔しそうに足をバタバタとさせる、擬人化された動きのコスモリキッドは、フザケた笑い声を発しているライブキングであればともかく、それまでは実にカッコよかった鋭角的なデザインであるコスモリキッドであったので、賛否両論があるのもわかる(汗)。しかし、『タロウ』という作品のユルい世界観の許ではそういうものだと思って観るようになってくると、実にカワイらしい!


 それでも、まだ笑っていたライブキングに対して頭に来たコスモリキッドは、川沿いにあったガスタンクをつかみあげて、ライブキングのどデカい腹に向かって投げつけた!


 腹の上で大爆発するガスタンク!!


 前話の終盤でライブキングのお腹の中に閉じ込められてしまった主人公青年・東光太郎(ひがし・こうたろう)が危険だ!(笑)


 しかし、スレた特撮マニア視点で見てしまうと、ライブキングの中に入っているスーツアクターも危険だ!(汗)


健一少年「ZAT(ザット)は何をしてるんだ!? 助けてよ!」


 ライブキングのお腹の中に閉じ込められた主人公青年・東光太郎と、健一の飼い犬・ポチの身を案じて、本作におけるレギュラーの防衛組織・ZATに喰ってかかるレギュラーの白鳥健一(しらとり・けんいち)少年!


南原隊員「あっ! 隊長機だ!」


 大空を飛んでくるZATの大型戦闘機・スカイホエールの勇姿! 搭乗しているのは朝日奈隊長だった!


朝日奈隊長「いいか、光太郎を救いだしたら、総攻撃をかけるんだ!」
南原隊員「しかし隊長、どうやって東を助けるんですか!?」
朝日奈隊長「ワシだってムダに年をとっちゃおらんよ。四十二歳の知恵を見ろってんだ」


 四十二歳! 21世紀の今だと40代でも重みに欠けているが、70年代前半の40代だと熟年の重みがあった年齢でもある。


 ZAT活躍の勇ましいようでも脱力したかのようなBGM(笑)とともに、スカイホエールの機体下部からせり出してきたドラム缶から、白い粉末が大量に2大怪獣に向かって噴出された!


 ZAT隊員たちと健一の頭上にもそれは降り注がれた!


 ただし、本編班と特撮班の連絡がうまくいっていなかったのか、本編班の粉末は茶色であるのが惜しい……


 一同は猛烈なクシャミをあげる!


北島隊員「そうか、わかったぞ!」
南原隊員「何がですか〜~?」
北島隊員「怪獣にクシャミをさせて、いっしょに東を飛び出させるんだ!」
南原隊員「なるほどねえ……」


 光太郎を救出するために、朝日奈はコショウを1トンも、ZATのツケで買って(笑)、「コショウ作戦」を決行したのであった!


 「ハァ〜~クションッッ!」とクシャミをあげるライブキングの鼻の穴から、猛烈な砂塵が吹き上がる!


 コスモリキッドも青い煙のような咳を、口から吐き出した!


 特撮マニア的には、火炎放射ばかりではなく、こうした凝ったギミックを着ぐるみに仕込んでみせるように、着ぐるみの改造に邁進した特撮スタッフや造形スタッフ陣の工夫には頭が下がってしまう。


 そして、ライブキングが何度もクシャミをした末に、ついに鼻の穴から光太郎とポチが吹き出されてきた!!


 ライブキングの顔面を背景に、鼻の穴からそれこそ歴代ウルトラマンたちの変身巨大化パターンの特撮カットのごとく、ポチを抱えた光太郎が画面手前に向かって勢いよく飛び出してくる合成カットだ!


 土手の木の上に不時着して、隊員たちに「オ~~〜イ」と力なく手を振っている光太郎!


 そのヒザの上にはおっとりとした表情のポチ! そして、


「どうだ、成功したろ」


 と、ボソッとつぶやく朝日奈隊長。


 しかし、ユルユル感が漂っており、ほとんど緊張感はゼロである(笑)。だが、ユルユル感だけでは終わらない! 締めるべきところは締めるのだ!


「東京の街に足を入れさせるな!」


 朝比奈隊長が隊員たちに厳命したように、ここから2大怪獣とZAT、そしてタロウとの死闘が展開されるのだ!


 あいかわらず猛烈なクシャミを続けて苦しんでいる2大怪獣を相手に、ZATが決死の攻撃をかける!


 空からはスカイホエールが赤いレーザー光線を発射!


 地上からは隊員たちがZAT隊員たちの専用拳銃であるザットガンで一斉に射撃!


 南原隊員は大量の燃料とともに高度なメカが詰まっていると思われる、銀色のランドセル状のタンクを背負って、スーパーナパームで火炎攻撃だ!


 そのとき、多摩川(たまがわ)に架かる鉄橋を新幹線が通りかかった!


 クシャミが止まらずに頭に来ていたコスモリキッドが、鉄橋ごと新幹線を多摩川の川面(かわも)へと叩き落とす!


 まぁ、ふつうに考えれば、2大怪獣が出現してからでもかなりの時間が経過しているから、大雨・大雪・地震などでもすぐに運転を休止してしまうような新幹線であれば、リアルに考えれば運転休止になっているハズである。80年代初頭のMANZAI(漫才)大ブームのころに、お笑いタレント・ビートたけしが「雪でも新幹線、停まるのに、どうしてゴジラで停まらないんだ!」などというネタを披露していたものだ(笑)。


 それはさておき、そこは子供向けのフィクション。東京都と神奈川県の境い目である一級河川多摩川が舞台だということもあって、付近には破壊できる高層ビルなどはないので、多摩川の鉄橋を通過する新幹線が「破壊のターゲット」の栄誉(笑)に選ばれたといったところだろう。もっとも、この新幹線のミニチュアは、前作『ウルトラマンA(エース)』第37話『友情の星よ永遠に』(特殊技術・川北紘一)(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070114/p1)で鈍足超獣マッハレスに破壊された新幹線に比べて、やや出来は劣るような感じはする。


 そして、ライブキングは多摩川から、おそらく東京都側の街に向かって進撃を開始する!


 それを阻止せんと、光太郎は対怪獣用の大型砲である、書籍『ウルトラマン画報 上巻 −光の戦士三十五年の歩み−』(竹書房・02年10月4日発行・ISBN:4812408881)によれば「無反動砲」を抱えて、ライブキングを追撃した!


 だが、ライブキングはなんと! フザケてオドケた見た目とは相反することに火が吐ける! 口から猛烈な火炎を吐いて光太郎を襲ったのだ!


 光太郎の周囲で次々に爆発炎上する火炎弾!


光太郎「まだまだ、負けないぞ!」


 燃え盛る炎の中で、光太郎は変身アイテム・ウルトラバッジを高々と宙に掲げる!


 そして、ウルトラマンタロウへと変身した!!


 華々しく登場したウルトラマンタロウ!!


 それに対して、コスモリキッドとライブキングの2大怪獣が双方向から突進する!


 だが、タロウは素早く前転して、これをかわした!


 2大怪獣は正面衝突!!


 タロウはライブキングにパンチの嵐を見舞う!


 その勢いでライブキングは多摩川の川面の上にひっくり返った!


 それでも、まだ笑い声をあげていたライブキングが、タロウに猛烈な火炎を浴びせてきた!


 タロウは宙に舞い上がり、三段飛びでこれを逃れた!


 この様子を見ていたコスモリキッドが、タロウに思わず舌ナメずりを見せる!


 頭部のみの大きなギニョール(指人形)を使用し、開口部からベロンと舌を出して、口の周囲をナメ回すという芸コマな特殊撮影!


 着地したタロウの首を、その長い舌でカラめとった!


 そして、その長い舌で多摩川へとブン投げられるタロウ!


 ライブキングがその巨大な足でタロウの左腕を踏みつける!


 起き上がろうとするタロウの足に、コスモリキッドが長いシッポで一撃を加える!


 タロウを挟んでド突きまわす2大怪獣!


 タロウが逃れて、勢いあまって河岸の建物の上にひっくり返るライブキング!


 やっとの思いで態勢を立て直したタロウは、


「ウルトラ、フリ~ザ~~!」


 と叫んで、水平に伸ばした右腕を一回転させたうえで、両腕から青い冷凍光線を2大怪獣に向けて放った!


 そして、荒垣副隊長もスカイホエールの朝日奈隊長に向かって「パンチ弾攻撃」を要請する! 液体怪獣の打倒策として、光太郎が「冷凍してコチコチにして、強い圧力を加えれば……」と進言していたからでもあった!


 スカイホエールの機体下部からブラ下げられた、トゲにおおわれた黒い鉄球が氷漬けのコスモリキッドに一撃を加えた!


 ついにバラバラに砕け散っていくコスモリキッド!!


 なんと! ウルトラマンタロウがトドメを刺したのではない! 早くも第3話にして、地球人の防衛隊が怪獣にトドメを刺してみせたのだ!!


 個々の怪獣の特性を正確に分析してその弱点を突いた「対怪獣作戦」は、その「作戦名」自体は即物的なユルさでSF的・科学的なカッコよさはないけれど(笑)、これからの本作では多種多様な物理的に合理的な作戦を見せていくことになるのだ! そして、先の「コショウ作戦」に続いて、ここでも成果をおさめたどころか、怪獣を最終的には倒してみせたのだ!


 第2期ウルトラシリーズでは防衛組織の戦闘機がよく簡単に撃滅されてしまうといった弱点があった。幼児はともかく児童の年齢になれば、クソ生意気にも子供たちも防衛組織の意義については疑問視をするものだ(笑)。しかし、作り手たちの方でも無策であったワケではない!
 本作『タロウ』では、本話のコスモリキッド、第10話に登場した再生怪獣デッパラス、第13話に登場した虫歯怪獣シェルター、第19話に登場した火山怪鳥バードンの卵、第24~25話に登場した宇宙蛾と宇宙大怪獣ムルロア、第30話に登場した改造ベロクロン二世、そして改造ベムスター、第43話に登場したモットクレロンの宇宙船、第52話に登場した泥棒怪獣ドロボン、第53話(最終回)に登場した宇宙海人バルキー星人! ZATに歴代ウルトラシリーズ最多クラスで敵怪獣を撃滅させてみせていたことで、華(はな)を持たせてはいたのだ!



タロウ「ストリウム、光~線!」


 タロウは大気中からも膨大な数の光の粒状のエネルギーを吸収し、ついに伝家の宝刀を抜き放って、両腕を逆L字型に組んだ部位から必殺ワザ・ストリウム光線を発射した!


 ライブキングの方でも死に際にも関わらず、フザケた大笑いの声を上げながら爆発四散していった!


 だが、ライブキングの「再生怪獣」という特性から、このシーンは「スローモーション」と「フィルム逆回転」を用いて、爆発して吹き飛ぶ破片が、何度も元に戻って再生を試みているかのような不条理なサマを表現してみせる、実に凝った特撮演出も成されているのだ!



 そして、ひとつの破片が神社の境内(けいだい)へと吹き飛ばされていく……


南原隊員「タロウとZATが力を合わせりゃ『ザッと』こんなもんよ!!」
西田隊員「シャレてる場合じゃないでしょ! 東隊員を助けなきゃ!」


 南原隊員はダジャレを云うようなユカイな先輩隊員で、若手隊員の西田の方がマジメで抑えにまわるキャラクターだということを、まだシリーズも序盤なので、こういったシーンでもレギュラーの登場人物たちに対して的確に肉付けしていくのだ。



 左腕に重傷を負って包帯を巻かれて、頬には紫色の鋭いキズを負った光太郎は、パジャマ姿で白鳥家のベッドに寝かされていた。


 胸元に白いフリルの付いた赤いワンピース姿で現れて、心配そうに光太郎の顔をのぞきこんでいる、本作のメインヒロインでもある白鳥さおり嬢。


 そして、庭先では健一少年がポチと戯れながら……


「ポチ、ボクといっしょに『ウルトラの星』にお祈りをするんだ。光太郎さんのキズが早く治りますように。それから、『穴の怪獣』をやっつけてくれて、ありがとうございました。それから、え〜と、新学期は(成績表が)オール3になるようにがんばると、『お母さんの星』に伝えてください。でもホントウはいちばん光太郎さんのキズが治りますように……」


 なんと健気で思いやりに満ちあふれた良い子であることよ! 『お母さんの星』といった語句も出てきたことで、健一クンの母はすでに他界して、白鳥家は父親が船長で豪邸に住まって裕福ではあるものの、父子家庭であることもわかるのだ……


 前作『ウルトラマンA』第29話『ウルトラ6番目の弟』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061120/p1)においては、主人公青年・北斗星児(ほくと・せいじ)が語るところによれば、同話からレギュラーとなったダン少年が「負けるもんか!」と思ったときにだけ見える星だとされていた「ウルトラの星」。
 「今度こそ必ず勝ってみせるぞ!」と闘志を燃やしていた光太郎の勝利を信じ、ライブキングの腹の中に閉じこめられた光太郎の生還を信じて、そして成績がオール3になるようにがんばると宣言する健一の目には「ウルトラの星」は見えてはいなかった。見えてしまうとストーリーやドラマの意味合いが変わってきてしまうので、そういった描写がなくてもよいのだけど、しかしまったくの無関係だったワケでもなくて、そうった前作の要素にもユルやかに通底して、それをホンのちょっとだけ連想させようとしていた描写ではあったのだろう。


 光太郎の額に置かれたタオルを手に取って汗をぬぐってあげているさおり。枕元には第1話にも登場した「光太郎の母親(演・ペギー葉山)のモノクロ写真」が写真立てに入れられて飾られていた。


さおり「光太郎さん、元気出して」


 献身的に看病し、光太郎を元気づけようとするさおり。だが、光太郎は夢の中で、別の女性の声に励まされていたのであった……


ウルトラの母「光太郎さん、元気を出しなさい。あなたのキズは、自分の限界を超えようとする努力の結果、受けたキズです。そういうキズはすぐ治ってしまいますよ。いいこと、光太郎さん。やりかけたことは最後までおやりなさいよ」


 燃え盛る太陽の中に浮かび上がってくるウルトラの母のシルエット(ちゃんとウエストがくびれている!・笑)


 その姿は大きくなるにつれて、ウルトラの母のバストアップの映像へと変わっていった。


 そして、「やりかけたことは最後までおやりなさいよ」といったセリフ。それは第1話で光太郎のケガを治療して包帯まで巻いてくれた交通指導員「緑のおばさん」が掛けてくれたセリフとも同一でもあったのだ! そして、その声音も同じであったのだ!


 ということは、やはり「緑のおばさん」の正体は「ウルトラの母」だったと解釈しても問題はないだろう。……云いたいところだけど、あくまでも「夢の中」での出来事だとして、そこまで断言はせずに、「夢」だけの出来事なのかもしれないし、テレパシーでウルトラの母が実際に光太郎に語り掛けてきたのかもしれないし…… とボカすところが、物語作品としてはイキなのだ!


 やがて、ウルトラの母の姿も消えていって、本作『タロウ』と同じく円谷プロが製作した特撮巨大ヒーロー『ミラーマン』(71年)のオープニングタイトル映像のバックや、『ウルトラマンレオ』(74年)において防衛組織・MAC(マック)のモロボシ・ダン隊長こと変身できなくなったウルトラセブンが「ウルトラ念力」を発する際に合成されていた、七色の光の布目が舞い踊るようなイメージ映像へとなっていく。


 「ウルトラファミリーの設定がウルトラマンから神秘性を奪った」などと第1世代の特撮マニアたちは主張してきた。しかし、ファミリー設定が付与されてもなお、実はウルトラファミリーたちに対してこうした「神秘的」な映像演出が随所随所に織り込まれていたことで、ウルトラ一族の「神秘性」それ自体もまた決して失われてはいなかったのだ!


光太郎「お母さん!」


 思わずさおりの手を取った光太郎! 「やった!」とばかりに幸せ絶頂の表情になるさおり!(笑)


光太郎「キレイだ…… (目を開けて)なんだ、夢か……」


 天にも昇る絶頂から奈落の底へと突き落とされて、むくれた表情になるさおりがまたカワイイ。しかし、マザコン男を世の女性はキラっているのが定番だから、絶対に母親についての夢だったことをさおりに話してはいけないのだ!(笑)



 一方、夜の神社の境内に怪しい気配を感じた健一少年が、地面に空いている「穴」に耳を近づけるや、「ウヒャヒャヒャヒャ……」という不気味な笑い声を聞きつけた!


 やがて、その「穴」は砂に埋まっていく。しかし、「穴」それ自体(!)が地面に痕跡を残しながら地面をヨコへと移動していき、ニワトリ小屋に近づいていく…… そして、小屋の中の地面にも「穴」が開いてしまって、今度は次々とニワトリが地底へと落下していくのだ!!


 一転して、ホラー演出の極みとでもいうべき怪奇描写!


 実際に『タロウ』の序盤に登場する怪獣を見てみると、


●超獣オイルドリンカーをも腹の口から吸収してしまった宇宙大怪獣アストロモンス!
●人間を常食とし、液体化して移動する能力を持つ液体大怪獣コスモリキッド!
●自分の子供の卵を食べた人間たちの全身に不気味な「亀甲模様」を浮かび上がらせて、彼らに復讐を果たそうとする大亀怪獣クイントータス!


 といった具合に、怪獣というより妖怪に近いような怪奇色が濃厚なヤツらが多い。


 しかし、前回の第2話評でも記したが、それらをストレートに映像化してしまったら、子供個々人のパーソナリティーにもよりけりだろうが、幼児にとってはやや怖すぎるかもしれないだろう。


 1969年~70年にかけて円谷プロが製作した『恐怖劇場アンバランス』(07年7月27日にデジタルウルトラプロジェクトからDVDが発売・ASIN:B000PGVH3I)は、第12話『墓場からの呪いの手』(ASIN:B000Q365M8)など初期製作話の怪奇描写があまりに怖すぎて、スポンサーがつかずに放映が『タロウ』放映直前の73年1月までオクラ入りになってしまっていたそうだ。大人向けに製作された作品でさえ、そういう扱いを受けたのだから、企画書では「怪奇描写」を目指された『タロウ』だが、あくまで「子供向け」作品である以上は、そこは自然とオブラートに包みこむのは当然のことであろう。


 とはいえ、そうした「怪奇描写」は『タロウ』においては次第に鳴りを潜めていく。しかし、そうなると「企画書にあった怪獣の怪奇表現の強調は完全に投げ出された」だの「不必要なドタバタばかり」だのと、第1世代の特撮オタクたちは放映当時にではなく本邦初のマニア向けムックが発行された70年代末期以降のことになるのだが、そうした批評がまかりとおるようにもなってしまったのだ(汗)。
 けれど、「怪奇描写」の強調うんぬんは、しょせんは企画書レベルでのエクスキューズかスポンサーや関係各位向けの前作との差別化アピールで、もともとそんなにホンキではなかったとも思われる(笑)。『タロウ』にかぎらず作品とは水モノでもある。放映がスタートしてみて、キャストやその他が醸し出してくる結果的な作風ありきで、それらの良さが最大限に活かされるように、その場のノリで「面白い」「最善だ」と思う方向性へと舵を切っていくことは往々にしてあるものだろうし、そしてそれが一番よいことでもあるのだろう!


朝日奈隊長「なに、怪獣が再生した? 東、おまえ、キズがヒドくてボケたんと違うか?」


 ナチュラルな演技なので、あっさりと受け入れて流してしまうけど、それまでの歴代ウルトラシリーズの隊長では、こんなにトボケた、しかして乱暴なセリフを部下には発しなかったハズである。しかし、それが決して乱暴なセリフとして聞こえないところがまた、演じる名俳優・名古屋章(なごや・あきら)の人格・人となり、そして自然な演技ゆえでもあったのだ!


 都内のあちこちで、健一少年が聞いたのと同じような不気味な声が聞こえ始めた。工事現場・橋の下・ホラ穴と、周囲に大量のヤジ馬役のエキストラを動員することで、ZAT隊員たちが調査を行う描写がリアリティにあふれていて実に良い! そして、ZAT隊員たちはブタやニワトリを大量に用意して、造成地でライブキングの出現を待つ「おびき出し作戦」(笑)を決行する!


 そして、ライブキング接近を知らせる大型スピーカーから、例の人を喰ったような笑い声が響きわたってきた!


北島隊員「この声、聞いてると、こっちの頭がおかしくなってくらあ!」


 頭をカキむしりながら悲鳴をあげる北島隊員のセリフが実感がこもっていて実によい! 我々のような視聴者にはともかく、劇中ではそれほどライブキングの笑い声は不快なものだと認定されているということでもある!


西田隊員「出たあ~~〜っっ!!!」


 前話の第2話でも用いられていたが、この際もライブキングの出現シーンは、白昼の自然光でのオープン撮影にて地底からライブキングの着ぐるみがせり出してくる演出が採られていて、実に実在感と巨大感にもあふれている!


 ZATの中型戦闘機・コンドル1号! ZATの特殊車両・ラビットパンダのバズーカ砲! そして、隊員たちによるザットガンの一斉射撃!


 ライブキングの巨大な出っ腹に命中して炎上!!(……オトナになってから再鑑賞すると、スーツアクターが危険そうで心配になるなぁ・汗)


 お腹に開いた風穴から白い煙も吹き出した!(着ぐるみに仕込まれた多彩なギミック!)


 カエルのように巨大な両手をバタバタとさせて、やはりカエルのようにピョンピョン飛びはねながら、ライブキングが光太郎に迫ってくる!


 そして、ZAT隊員たちの攻撃でひっくり返ったライブキングが、光太郎を下敷きにしてしまった!


 6万5千トンもの体重に押し潰されたら、生きていられるはずがない!(笑) しかし、そこはインチキでも、運よく隙間にハマったのか、ライブキングの体表組織がやわらかかったかで生存しており、そこから必死に逃れようとする光太郎を描くことで、一時的な安息と次のさらなる危機感・緊迫感をあおることが、ドラマ・物語といったものなのでもあった!


 コスモリキッドの舌に続いて、ライブキングのブツブツとした体表の一部が、人間との共演を想定して実物大サイズの巨大造形物で用意されていたことが絶大な効果を上げている!



 そのとき、空の彼方から……


健一少年「ウルトラの母だ!!」


 地球人の前に姿を見せるのは本話が初めてのハズ。健一クン、なんで知っとんのや〜!(笑) まぁ、女性型のウルトラマンで、前作『ウルトラマンA』ですでにウルトラの父も地球に出現していたことを思えば、その母性あふれるシルエットや姿を見て「ウルトラの母」だと直感することにも合理性はあるのだろう!


 そして、健一少年に抱かれていたポチもまた、ウルトラの母に尊敬のまなざしを向けていることに注目してしまう! 夜の境内の地底に潜んでいる怪獣ライブキングの気配を察知して、吠え立てていたポチのことだ。ウルトラの母が人類の味方であることをすぐに理解したのであった!(……ホントか!? ただ単に脳ミソ空っぽのままで、無心に見とれていただけだったりしてェ(笑)。……しかし、芸達者なワンちゃんだなぁ)


 押しつぶされている光太郎を救うために、怪獣ライブキングをどけようと努力するウルトラの母


 ライブキングにつぶされそうになっている光太郎の背景に、のぞきこんでくるウルトラ母の顔が合成されたカットまで挿入されている!


 ついに脱出に成功した光太郎!


 左腕の包帯をほどいて、ライブキングが火炎を吐き出す中でタロウへと変身する!


 ただし、この変身シーンでは光太郎は無言であり、のちの「タロウ~〜~~!!!」なる変身時の定番の掛け声のパターンも確立されていなかったためか、タロウへの変身パターンを熟知したあとになってからの再鑑賞だと、「掛け声がないじゃん! 物足りない!」などと少々違和感を持ってしまうシーンになってしまったのは惜しいところではあるが、当時の試行錯誤の製作現場的には不可抗力でもあった(笑)。


 やはりタロウ定番の、変身直後に空高くジャンプして高速で空中回転!!


 そして、そのまま高空からライブキングにキックを浴びせる!


 加えて、ライブキングの顔面と腹部へパンチの嵐も浴びせる!


 しかし、ライブキングは卑怯にもその鋭いツメでタロウの左腕を徹底的に痛めつけた!


 タロウを投げ飛ばして、火炎を浴びせかけるライブキング!


 愛する息子を守るために、その火炎に立ちふさがってみせるウルトラの母


 しかし、ライブキングはタロウにのしかかって、やはり左腕を中心にその怪力で攻撃の手を加えた!


ウルトラの母「マザ~~、光~線!!」


 タロウのストリウム光線同様に、ペギー葉山によるボイスがお風呂場のようなエコー(反響)を付けたかちで響いて、ウルトラの母の左腕のブレスレット状の青い部分に右手を当てたあとに、その右腕をまっすぐに伸ばしてピンク状の光線をタロウの左腕に照射する!


 すると、痛んでいたタロウの左腕はたちまちのうちに完治した!


 そして、ライブキングに反撃を開始する!


 鋭いツメと怪力で襲いかかってくるライブキングに、タロウはヒザ蹴りを喰らわして投げ飛ばした!


 そこに必殺のストリウム光線発射の構えを見せたが……


健一少年「ダメだ! ここでバラバラにしたら、また怪獣になっちゃうぞ!!」


 健一クンのごもっともで、しかも合理的な指摘にうなずいたタロウは、同じ轍(てつ)は踏むまいと、ライブキングを地球上で葬るのではなく宇宙へ運ぼうとする!


 しかし、出っ腹な巨体のライブキングを横倒しに持ち上げたまではよいものの、そのあまりの超重量に両足が地面にメリこんでしまった!


 そこにウルトラの母も助け舟を出してきて、ふたりしてライブキングを持ち上げる!


 そして、彼らの飛行能力で空へと飛び上がって、そのまま宇宙へと運び去っていった……


 その姿を見上げながら、朝日奈隊長は「またしても、やられたな……」とつぶやくのだった。


 安堵の気持ちとともに、コスモリキッドを倒せたとはいえ、ライブキング退治にはウルトラマンの力を借りざるをえなかったZAT。特に深刻な懊悩といったことでもないけれど、軽い自嘲でもあるような複雑な感情表現を意味しているセリフでもあったのだ。しかし、こういったセリフが朝比奈隊長には実にハマっているのも、名古屋章が演じていたゆえだろう。このあたりの機微については子供のころにはスルー、というか理解ができていなかったところだ(汗)。


 星空も輝いている広大なる宇宙空間……


 ライブキングを中央にして、ロング(引き)の映像の左右斜めの対角線のスミっこには、タロウとウルトラの母が挟み込んだかたちで対峙してみせる。


 タロウはストリウム光線を発射!!


 ウルトラの母も右腕から発する黄色いリンク状の光線・マザー破壊光線を発射!!


 2大光線を受けてライブキングは爆発四散する!!


 ……真空の宇宙空間であれば、捕食対象もいないので、いかに再生能力が強くても、その破片も次第に干からびて死滅していくことであろう…… 多分(汗)。……いつの日にか、後続のウルトラシリーズでの体組織の破片からのライブキングの復活を希望したい(爆)。



 ウルトラの母に右手指で勝利のVサインを見せたウルトラマンタロウ


 ウルトラの星へと帰還していくウルトラの母に手を振って見送ったあとに、我らが地球へと戻っていく。


 そのままウルトラの母も去っていくのかと思いきや…… 振り返り直して、タロウを見つめている描写が、着ぐるみキャラとはいえヒューマンな情感あふれるシーンにも仕上がっているのだ。



健一少年「光太郎さん、まだやるの? 大丈夫?」
光太郎「君との約束を果たしに行くんだ。オレにとっては大事なことなんだよ」


 青系のボーダーシャツに白いパンツ、赤いジャンパーを羽織った光太郎が、再びボクシング・ジムに挑戦しに行くのだ。この前後編の前話でも姿を見せていた老紳士が光太郎に声をかけた。


老紳士「君はたしか東くんといったね。なんでもZATの隊員じゃそうじゃないか。ZATでもボクシングが役に立つことがあるのかね?」
東「いえ、ボクシングは自分のためにやってるんです」
老紳士「ボクシングもね、人生と同じなんだよ。チャンピオンになっても、いつまでも戦い続けなければならないんだな。楽しみにしてますよ、東くん」


 再びリングに上がって、勝利をめざす光太郎!


健一少年「ジャブ、ジャブ! ストレート!! 光太郎さん! がんばれ~〜っ!!」


 リングサイドで勝利を信じる健一を背にして、白いランニングに白いパンツ姿で赤いグローブを構えた光太郎のさわやかな姿がストップモーションとなって、その勝負の決着は描かれずに、本作『タロウ』の各話のエンディングで多用された青春ドラマのようなBGMの盛り上がりとともに、本話は大団円を迎えていった……



 光太郎と健一くん。副次的にはタロウとウルトラの母。彼らの絆を主軸にして、本格的怪獣映画・ホラー演出・コミカル路線・青春ドラマと、多彩な要素が30分尺のなかに巧妙で技巧的にも織り込まれた一級の娯楽作品にも仕上がっている。しかも、ストーリー面でも破綻はしておらず、整合性も高いのだ。随所に散りばめられた緻密なディテールの巧みさも、全編にあふれた勢いにも満ちている。


●第1話でも、2大怪獣の登場! ウルトラ5兄弟! その6番目のタロウ登場!
●第2話と第3話が、早くも前後編! 新たな2大怪獣も登場! 
●第2話の前半Aパートで、早くもタロウが登場! 怪獣も撃破!
●第2話の後半Bパートでは、別の怪獣が出現! 先の怪獣も復活! タロウへ2度も変身!
●第3話の前半Aパートでも、早くもタロウが登場! しかもZATが怪獣を撃破!
●第3話の後半Bパートでも、タロウへ2度変身! ウルトラの母も助っ人参戦! タロウと母で怪獣を撃破!


 続いて、第4話と第5話も前後編で、3大親子怪獣が登場! ウルトラセブンも登場するイベント編なのだ! 70年代前半で各社が膨大な数の変身ヒーローを放った「変身ブーム」のピークの渦中で、シリーズの序盤からいかにイベント性とパターン破りで、子供たちの興味関心を引こうとしていたかもわかるだろう。


 特撮評論同人ライター・黒鮫建武隊氏による数百ページにもおよぶ大冊研究同人誌『ALL ABOUT THE ★ ウルトラマンタロウ』(95年8月1日発行)においては、「『ウルトラセブン』をフランス料理のフルコース、『タロウ』を幕の内弁当」に例えた論評がなされていた。
 セレブの連中はきっと「幕の内弁当」をバカにすることが多いことであろう。だが、「フランス料理」も「幕の内弁当」も、双方ともに味わい深いものであることに変わりはない。要素要素ごとの優劣はたしかにあっても、総合的には単純には優劣を決められるものではないのだ。どちらか一方は劣ったものであるから、それを撲滅してもよい! といったものではない。トップだけがその存在を許されて、それ以外の2位や3位やそれ以下の存在は撲滅されても構わない! といったことにはならない。80点も60点もその存在を許されてしかるべきなのだ! エベレストも富士山もキリマンジャロも、それぞれごとに高さ・面積・容積・山容・見た目といった尺度ごとの優れた要素があるのであって、まとめてそれらはその全存在を全肯定もされて多様性として共存し、各々で評価をされるべきなのだ!


 よって、『ウルトラセブン』や第1期ウルトラシリーズを否定しようという意味では決してない。長年の酷評に甘んじてきた『ウルトラマンタロウ』を、そして『タロウ』も含む第2期ウルトラシリーズの再評価を、第1期ウルトラシリーズ至上主義者にも理解や納得ができる論理的な合理性を持ったかたちで、これからも末永く尽力していくつもりだ。



<こだわりコーナー>


*ボクシング・ジムで光太郎に声をかけている老紳士を演じたのは、作家でスポーツ評論家でもあった寺内大吉。『野獣になるんだ』(桃園書房・73年)・『男の生きざま 強靭な精神をつくる24の行動学』(KKロングセラーズ・79年3月・ASIN:B000J8IX5W)など、光太郎が好みそうな著作もある(笑)。しかし、『念仏ひじり三国志 法然をめぐる人々』1〜5(毎日新聞社・82年10月〜83年8月・ASIN:B000J7J1CMASIN:B000J7HNBSASIN:B000J7GBZCASIN:B000J7EUGYASIN:B000J7CWB4)・『心のやすらぎを求めて 日本人と仏教』(みくに書房・83年・ASIN:B000J7BBTS)など、仏教関連の著作も多数残しておられる。
(編:寺内大吉氏は、2008年9月6日、心不全で逝去されました。享年88歳。合掌。小説の代表作としては、『化城の昭和史 ―二・二六事件への道と日蓮主義者(上・下)』(88年・毎日新聞社ISBN:4620103489・96年に中公文庫・ISBN:4122027179)になるかと思います)


*本話のZATの戦闘を見ると、朝日奈隊長がコンドル1号やスカイホエールにひとりで搭乗し、他の隊員の全員が地上で攻撃するというパターンで貫かれていた。これは朝日奈隊長を演じた故・名古屋章のスケジュール調整が難しく、他のレギュラー隊員たちとの共演やロケに同行することが困難だったために、都内の撮影所でのスタジオ撮影だけで済ませるための苦肉の策、別な意味ではクレバーな策(脚本)だったのだと思われる。しかし、それによって別格感、指揮官としても大所高所からの采配ができる「頼もしい隊長」だとの印象が強く残る結果となったことも事実だ。


*ライブキングが出現した際、南原隊員が自身が吸っていたタバコを投げ捨てる描写がある。そのむかしは大人気長寿刑事ドラマ『太陽にほえろ!』(72〜86年・日本テレビ東宝)の第1話の冒頭などが象徴的だが、刑事ドラマにおいては張りこみをしていた刑事が容疑者が姿を見せるや、タバコを投げ捨てる描写が散見されたものだ。しかし、「嫌煙権」が普及した現在においては、作品内でタバコを吸う描写自体がタブーとなっている。90年代の大人気刑事ドラマ『踊る大捜査線』(97年)の第1話の冒頭では、『太陽』1話のパロディーとして主人公が一度はタバコを投げ捨てるも急いで拾っているシーンがあった(笑)。
 個人的には西田隊員が南原隊員を「タバコ(の吸い口と先端が)、さかさま〜」と大笑いする場面などは大好きなのだけど。ただ、飲酒にしてもそうだが、筆者が子供のころはそうした描写をテレビドラマで鑑賞して、大人になることへの憧れを抱いたものだった。……と、キーボードを叩きながら煙をくゆらせている筆者であった(汗)。


<はみだしコーナー!・『ウルトラマンA』追加情報>


 2007年7月26日(水)にテレビ朝日系列で放送された朝のワイドショー『スーパーモーニング』(93~11年)の1コーナーである「ニュース・テンポアップ」に、『ウルトラマンA』で防衛組織・TAC(タック)の美川のり子隊員を演じた西恵子さんが出演していた! 老舗百貨店・三越伊勢丹資本提携の件を報じた際に、東京・日本橋三越前で、街頭インタビューに答えた人の中に西さんがいたのである! 西さんは現在は日本橋で喫茶店を経営していることから、三越に通っていたとしてもなんら不思議はない。DVDの解説書に掲載された近影にもそっくりだったことから、あれは絶対に西さんご本人であった! ただひょっとしたら、取材した一般人にテレビ写りがいい人がいなかったことから(笑)、番組のスタッフが元・女優である彼女に依頼した「仕込み」であったと考えられなくもない(笑)……


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2008年号』(07年12月29日発行)『ウルトラマンタロウ』再評価・全話評大特集より抜粋)


『假面特攻隊2008年号』「ウルトラマンタロウ」関係記事の縮小コピー収録一覧
静岡新聞 1973年4月6日(金) TV欄:後7・0新番組ウルトラマンタロウ ウルトラの母は太陽のように(はごろも缶詰、大同薬品提供) 〜#1を大々的に紹介・篠田三郎ペギー葉山のバッジ手渡し2ショット大写真
・「ケイブンシャの原色怪獣怪人大百科(第3巻)(昭和48年版)」(1973年)宇宙大怪獣アストロモンス
静岡新聞 1973年3月19日(月) 「新番組の紹介」頭に二本角、太陽バッジで変身、「ウルトラマンタロウ」、一層SF的に
・読売新聞 1973年4月27日(金) 「てれび街」人気上昇中のウルトラの母 〜想像図募集に10万通、4割が女児
静岡新聞 1973年3月26日(月) 最新武器持ち、奇想天外の特撮 〜怪獣にしがみついたり和製アラビアンナイト
毎日新聞 1973年4月5日(木) 木曜の夜は 金曜の夜は 〜TBS73年春の新番組広告・7〜10時台全てドラマ
静岡新聞 1973年4月6日(金) TV欄「超能力を持つ」 〜タロウ#1紹介記事


[関連記事] 〜ウルトラの母・登場編!

ウルトラマンタロウ』#1「ウルトラの母は太陽のように」 ~人物像・超獣より強い大怪獣・母・入隊・ヒロイン・5兄弟の正統タロウ誕生を漏れなく描いた第1話!

d.hatena.ne.jp

ウルトラマンタロウ』#2「その時ウルトラの母は」 ~怪奇性・コミカル性・基本設定紹介の鼎立達成!

d.hatena.ne.jp

ウルトラマンタロウ』#3「ウルトラの母はいつまでも」 ~母登場・2大怪獣・ZATも怪獣を撃破!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071216/p1(当該記事)

ウルトラマンメビウス』序盤10話! 総括5 〜#9「復讐の鎧」・#10「GUYSの誇り」

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060706/p1

ウルトラマンメビウス』#29「別れの日」・30話「約束の炎」 〜タロウ客演前後編!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061203/p1

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(09年) ~岡部副社長電撃辞任賛否!

  http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101224/p1

ウルトラマンジード』(17年)最終回「GEED(ジード)の証」 ~クライシスインパクト・幼年期放射・カレラン分子・分解酵素・時空修復方法はこう描けば!?

d.hatena.ne.jp

『劇場版ウルトラマンジード つなくぜ!願い!!』(18年) ~新アイテムと新怪獣にも過去作との因縁付与で説得力!

d.hatena.ne.jp


[関連記事] 〜ウルトラの星! ウルトラの星が見える! ウルトラの星に祈りを込めて!

ウルトラマンエース』#29「ウルトラ6番目の弟」 〜ダン少年編の意外に高いドラマ性! 名脚本家・長坂秀佳登板!

d.hatena.ne.jp


[関連記事]