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ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO 5〜8話 キール星人グランデ・暴君怪獣タイラント・偽ウルトラマン!

テレビ東京ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』放映開始記念!
 #1・序盤・前半・後半・終盤評・随時連動連載!)


ウルトラギャラクシー大怪獣バトル#1「怪獣無法惑星」 〜第1シリーズ序盤合評
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO#1「レイオニクスハンター」 〜第2シリーズ!
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO#2・3・4 〜敵宇宙人の劇画的キャラ立ち!
『大怪獣バトル』 〜全記事見出し一覧


テレビ東京にて、09年12月31日より毎週木曜17:30放映中)

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY#5「暴走の果てに」・#6「史上最強のレイオニクス」・#7「困惑の再会」・#8「潜入者を撃て!」

(文・久保達也)
(昨09年7月執筆)


 さてさて、BS11(ビーエスイレブン)で好評のうちに放映を終了した『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY(ネバー・エンディング・オデッセイ)』(08年)。


 だが、放映中期の作品、第5話から第8話(09年8月25日にバンダイビジュアルから発売のDVDに収録される)については、個人的には正直いまひとつものたりなさを感じ、少々フラストレーション(欲求不満)がたまる内容となっていた。


 その最大の理由は、登場する着ぐるみキャラの絶対数の圧倒的少なさである。


 第5話『暴走の果てに』(脚本・赤星政尚 特撮監督・菊池雄一 監督・アベユーイチ)は、幻覚宇宙人メトロン星人、一角超獣バキシム、古代怪獣ゴモラ


 第6話『史上最強のレイオニクス』(脚本・小林雄次 監督・梶研吾)と第7話『第二覚醒』(脚本・荒木憲一 監督・梶研吾)は、暴君怪獣タイラント、宇宙怪獣エレキング、原始怪鳥リトラ(これはCGだが)、ゴモラ


 第8話『潜入者を撃て!』(脚本・増田貴彦 監督・梶研吾)は、凶悪宇宙人ザラブ星人&にせウルトラマンゴモラ


 と、正義のレギュラーのゴモラ・リトラ・エレキングの三大怪獣以外のゲスト怪獣・超獣・宇宙人がわずか1、2体のみの登場に終わっていたのである。



 通常の特撮シリーズであれば、それでも十分に豪華すぎるくらいなのであるが、前作『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)第1シリーズでは、


 第5話『ベラルゴシティの罠』(脚本・長谷川圭一 監督・北浦嗣巳)が、超古代怪獣ファイヤーゴルザ、アースロボットタイプビースト・バンピーラ、奇獣ガンQ、岩石怪獣サドラにゴモラ


 第7話『怪獣を呼ぶ石』(脚本・荒木憲一 監督・村石宏實)が、アンフィタイプビースト・フログロス(B)、透明怪獣ネロンガにどくろ怪獣レッドキング、四次元怪獣ブルトンに地底怪獣テレスドンゴモラとリトラ。


 第9話『ペンドラゴン浮上せず!』(脚本・赤星政尚 監督・村石宏實)が、土塊怪獣アングロス、宇宙礫岩怪獣グロマイト、宇宙有翼怪獣アリゲラ、巨大魚怪獣ゾアムルチ、宇宙怪獣リムエレキングエレキング


 と、同じ中期の作品でレギュラーの三大怪獣以外のゲスト怪獣が4、5体登場し、乱戦に次ぐ乱戦を展開していたことを思えば、今回はやはり、「サビし〜っ!」と感じざるを得なかったのである……



 まあ今回はレイオニクスバトルによって壊滅した50年後のペダン星から全てのレイオニクス戦士を抹殺するため、過去に干渉しにやってきたレイオニクスハンター・ペダン星人ダイルの登場により、ある程度ドラマ主導の展開になるかもしれないとの危惧は当初あったのだが、実際にはこの中期において、「大怪獣バトル」を興醒めさせるような陰欝なドラマは展開されてはいないのだ。


 それどころか、第6話から登場したキール星人グランデは、『仮面ライダー555(ファイズ)』(03年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20031102/p1)において不慮の事故で指を痛めて夢を失い、怪人オルフェノクとして覚醒するや人間たちに復讐を誓うようになった屈折した天才ギタリストのレギュラー・海堂直也(かいどう・なおや)を演じた唐橋充(からはし・みつる)が扮しており
 (今年09年はさらに『侍(さむらい)戦隊シンケンジャー』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20100131/p1)のライバル悪役・腑破十臓(ふわ・じゅうぞう)をレギュラー熱演)、


 「よっ、おまえ、強そうだな」


 「そーです。私がキール星人です」


 「さあ、オレと遊ぼうぜ!」


 「うん、そうだよ。それでいいよ。サッサとモンスロードしちゃいなよ。ホレホレ、やらないんならこっちから先にいっちゃうよ」


 「はい、ごちそうさまでした」


 といった具合に、平成ライダー諸作品(https://katoku99.hatenablog.com/archive/category/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC)で脚本家・井上敏樹が描いているような、躁(そう)と鬱(うつ)を行ったり来たりする妙なテンションの情緒不安定キャラ(笑)であり、ウルトラにもこんなキャラがほしいと思っていた筆者的には、彼の登場は今回の最大のトピックスであったくらいだ。


 第7話では肉体を持たない精神体として現れたケイト(前作のセミレギュラーキャラ。主人公レイの姉)を前に、


 「すげえべっぴん」


 とつぶやいていたが、キール星人のオリジナルが登場した『ウルトラQ』(66年)第21話『宇宙指令M774』で、ルパーツ星人ゼミがキール星人の操る宇宙エイ・ボスタングの地球進入を地球人に警告してくれたのは、ひょっとしてキール星人がゼミにちょっかいを出したためでは?(笑) なんて解釈もしたくなってくるほどである
 〜最近久々に観たが、確かにゼミ(地球では一条貴世美と名乗っていた女性型ヒューマノイド)を演じた水木恵子はなかなかの美人だった〜。


 まあ「キール星人があんな軽薄であるはずがない!」などと怒るような、頭の固いマニアもいないだろうが(いるのかやっぱ・笑)。



 それはともかくとしても、彼の乗る宇宙船はなんとエイの形状をしており、ボスタングは実は怪獣ではなく、キール星人の宇宙船が変形した戦闘メカだったのでは? なんて妄想も膨らんでくるほどであり、古いマニアとしては実に嬉しい配慮である。



 そして彼がアイテム・バトルナイザーの中の怪獣カードからモンスロード(召喚)して登場させたのが暴君怪獣タイラント


 人気強敵怪獣たちの怨霊の合体怪獣として『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)登場怪獣の中では特異な位置に存在するほどの絶大な人気を誇りながらも、第2期ウルトラの怪獣が大挙再登場した『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)に登場は果たせず、改めて登場するはずだった劇場用作品『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟2』も幻と消えたことを惜しんでいた筆者としては超嬉しい!


 ゴモラの必殺技・超振動波をタイラントの腹部である宇宙大怪獣ベムスターのどんなエネルギーでも食する腹の口に吸収してしまう描写も嬉しかったが、なんと耳(タイラントのとがった耳はイカロス星人の大きな耳)からは異次元宇宙人イカルス星人の必殺技・アロー光線(無数の針状の光線)を発射!
 (『ウルトラセブン』(67年)第10話『怪しい隣人』においては、イカルス星人は広げた両腕から発射している)


 これはオリジナルのタイラントには見られなかった描写であり、ZAP SPACY(ザップ・スペーシー)の貨物宇宙船スペースペンドラゴンをかばい、光線の直撃をくらってしまった怪獣エレキングを絶命させてしまうほどの絶大な威力を誇っていた!


 ケイトによれば、怪獣の死はレイオニクスの最期(さいご)を意味する。
 にもかかわらず、エレキングが死んでもレイが命を失わなかったのは、エレキングが断末魔にレイとのリンクを自身で断ち切ったからなのであった。


 ZAPのオキに


 「エレキング、なんてけなげな奴なんだ!」
 

 と云わしめたほどの献身的行為であったのだが、それとは実に対照的に、グランデはタイラントゴモラに敗れて大爆発しても、


 「生きてて悪かったな。タイラントの消滅前にこっちからリンクを切ってやったんだよ。あの怪獣にもいい加減飽きてきてたしな」


 となんとも薄情な行為を!


 もう完全にペダン星人ダイルを食っちまうキャラとなり得ており、50年後の未来云々(うんぬん)の話はどっかに行ってしまっていた(笑)。



 また第8話はZAPの紅一点、副長・ハルナに化けてペンドラゴンに侵入したザラブ星人がZAPの誰がレイオニクスなのかを探る中、オキをレイオニクスだと思いこむ全編コメディタッチの異色作
 (オキのデータファイルの中に自身の「内部図解」があるのを発見してギョッとするザラブ星人の描写には、往年の怪獣図鑑や雑誌グラビアに掲載された「怪獣解剖図解」世代の筆者にはたまらん!)。


 オリジナルのザラブ星人が登場する『ウルトラマン』(66年)第18話『遊星から来た兄弟』でも描かれた、涙で切れてしまう拘束具でハルナが縛られたり、平日帯番組『ウルトラ怪獣大百科』(88年)、映画『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟』(06年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070128/p1)に続き、オリジナル同様青野武ザラブ星人の声を担当、さらには正体を見破られたザラブ星人がにせウルトラマンとして巨大化するなど、ある意味サービス精神満点の内容とはなり得ていた。


 それにしても、ザラブ星人がオキをレイオニクスと思いこんだ妄想の中で、


 「いっちゃえ! モットクレロン!」


 と、オキが『タロウ』第43話『怪獣を塩漬にしろ!』に登場した、食いしん坊怪獣モットクレロンをモンスロードしようとする描写がなんとも……奴がエネルギー源とする野菜は惑星ハマーに存在するのか?(笑)



 まあ、それなりに楽しめる要素はあったのだけれど、仮にも「大怪獣バトル」を看板に掲げている以上は、やはりそれをもっとテンコ盛りにしてほしいという、ぜいたくな欲求が個人的にはどうしても出てきてしまうんですな、これが……


 実際『ウルトラマン』第1話の1週前に放映された『ウルトラマン前夜祭・ウルトラマン誕生』(66年7月10日)から名古屋・中日劇場の『ウルトラマンプレミアステージ』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070513/p1)に至るまで、観客の反応を見るにつけ、やはり最大の関心はハデなバトルであるわけだ。
 隕石怪獣ガラモン・人工生命M1号・コイン怪獣カネゴンの『ウルトラQ』怪獣と、宇宙忍者バルタン星人・磁力怪獣アントラー・どくろ怪獣レッドキング・有翼怪獣チャンドラーの『ウルトラマン』怪獣が、東京の杉並公会堂で「大怪獣バトル」を繰り広げた『ウルトラマン誕生』にしても、


 「やれやれ〜、やっちまえ〜っ、もっとやれ〜っ!」


 と声援を送っていた子供たちが、科学特捜隊員の挨拶(あいさつ)のころになると退屈してガヤガヤしてたりするわけで。


 便宜上第28話としてカウントされている『ウルトラQ』最終回の『あけてくれ!』を本放送では放映を見送り、『ウルトラマン誕生』に差し替えた措置は極めて妥当だったと思えるのね。


 もちろん日頃から現実逃避ばかり夢見る筆者としては、


 「連れていってくれ〜、俺も連れていってくれ〜、どこへでも連れていってくれ〜!」


 と異次元列車(小田急ロマンスカー・笑)に叫びたいくらいに『あけてくれ!』は好きな作品であるのだが、それもくたびれ果てた中年男となった現在であるからこそ真価もわかるわけで、怪獣目当てに『ウルトラQ』を観ていた当時の子供たちが、「最終回」としてあの作品を観たら、肝心の仮面ライダーが一切登場せず、全国の子供たちが泣きわめいたとして名高い『仮面ライダークウガ』(00年)の最終回(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090907/p1)放映時と同様の反応が起こったと思うのだ。


 だから「SFシリーズ」として製作されていた『アンバランス』が、怪獣路線の『ウルトラQ』に改題・路線変更されたのはもっと正解で、『あけてくれ!』のような路線で製作が続けられていたならば、そもそも「怪獣ブーム」自体が巻き起こらず、ひいては『ウルトラマン』自体が製作されることもなかったのでは? と考えると、背筋が寒くなる思いである……


 コミカル描写も決して否定するわけではない。
 いや、むしろ個人的には歓迎したいくらいだが、『ウルトラマンプレミアステージ2 命の星』(08年ゴールデンウイークに名古屋・中日劇場で公演)でスベりまくり、観客の笑いがほとんど得られなかったギャグの数々は痛々しく、そのセンスが問われるところだ
 (正直あんなことをやっているとは思わなかった。個人的にはおおいに興をそがれた)。


 あいかわらずハヤタがベータカプセルと間違えてしゃもじで変身しようとする演出があったが、『メビウス』の過去作品の小ネタを散りばめた回には「元ネタを知らなければ楽しめない」という批判が常にまとわりついていたことを思えば、それを笑いへと昇華させようと思えばよほど慎重に扱わねばならないのではなかろうか。
 個人的には『ウルトラマン』第34話『空の贈り物』のベータカプセルとスプーン取り違えネタはいい加減にやめておいた方がよいかと思うが、その意味では今回の第8話はギリギリセーフといったところか。

2009.7.20.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2009年準備号』(09年8月14日発行)『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』評より分割抜粋)


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