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ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO 9話「暗黒の鎧」・10話「新たな戦いの地平で」・11話「ある戦士の墓標」 〜ペダン星人ダイル死す!

テレビ東京ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』放映開始記念!
 #1・序盤・前半・後半・終盤評・随時連動連載!)


ウルトラギャラクシー大怪獣バトル#1「怪獣無法惑星」 〜第1シリーズ序盤合評
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO#1「レイオニクスハンター」 〜第2シリーズ!
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO#2〜4 敵宇宙人の劇画的キャラ立ち!
ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO#5〜8 キール星人グランデ!
★ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO最終回#12〜13「惑星崩壊」 〜終盤評・総括!★
『大怪獣バトル』 〜全記事見出し一覧


テレビ東京にて、09年12月31日より毎週木曜17:30放映中)

ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY#9「暗黒の鎧」・#10「新たな戦いの地平で」・#11「ある戦士の墓標」

(文・久保達也)
(昨09年7月執筆)


 さて第9話『暗黒の鎧』(脚本・増田貴彦 監督・村石宏實)。
 極悪宇宙人テンペラー星人とのレイオニクスバトルに敗れてしまった悪質宇宙人メフィラス星人
 (『ウルトラマンメビウス』(06年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070506/p1)第43話〜第47話(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070422/p1)同様、オリジナルの『ウルトラマン』(66年)第33話『禁じられた言葉』でも演じた加藤精三が三度声を担当している!)。


 彼は『メビウス』終盤のラスボスにしてウルトラマン一族の宿敵・暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人が全身に纏(まと)うはずだった悪魔の鎧(よろい)・アーマードダークネスと遭遇、力を授かりアーマードメフィラスへと強化変身!
 テンペラー星人が怪獣カードからアイテム・バトルナイザーでモンスロード(召喚)した宇宙有翼怪獣アリゲラ*1テンペラー星人もろとも剣で一刀両断!


 さらには、


 「甦れ、暗黒の鎧よ!」


 とアーマードダークネスを覚醒させる!


 だがアーマードダークネスはダークネストライデント(アーマードダークネスが装備する巨大な三つ又の槍!)でメフィラスを串刺しにした!


 アーマードダークネスとわれらが正義側の主役怪獣ゴモラ&リトラとの決戦の火ぶたが切って落とされる!


 ダークネスブロード(アーマードダークネスが左腰脇に装備している暗黒剣!)から発する紫色の光に呼び寄せられるように明滅するブーメラン武器アイ・スラッガー
 地球人のレイオニクス戦士(怪獣使い)・青年レイが第3話『大暴走! レイオニックバースト』から所有しているアイ・スラッガーをアーマードダークネスに投げつけるや、右目の部分が破れ、なんとウルトラセブンの目が現れた!
 セブンは闇の力を封じこめるため、かつてのウルトラマンヒカリ同様(ビデオ作品『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』(08年)・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080914/p1)、自らアーマードダークネスを纏って、本来はセブンの頭頂部に装着するアイ・スラッガーだけを縮小化してレイに託していたのである!


 ゴモラの必殺技・超振動波を浴びてアーマードダークネスは完全に破壊され、セブンは殉職したエレキングの代わりに自身のカプセル怪獣ミクラスをレイに託し、空の彼方へと消えた……



 2008年度より、小学館『てれびくん』で展開された『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ジャッカル軍団大逆襲!!』(ISBN:409105126X)、講談社『テレビマガジン』で展開された『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス ウルトラ7兄弟大活躍!』(ISBN:406344435X)、アトラクショーの舞台『ウルトラマンプレミアステージ2 命の星』、そしてバンダイビジュアルから発売されたDVDオリジナル作品『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』(STAGE1(ASIN:B00154DRBO)は08年7月25日、STAGE2(ASIN:B0018RC49Y)は08年8月25日に発売)と、様々な媒体で展開されてきた『ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス』が、ここにきて『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』とも連動!
 まさにカードゲームとテレビシリーズとの連携により、営業的に成功をおさめた前作『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』(07年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20080427/p1)の続編『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEVER ENDING ODYSSEY(ネバー・エンディング・オデッセイ)』(08年)ならではの、衝撃的な怒涛の展開である!


 前回まで「中だるみ」の印象を感じていた筆者であったが、第7話『第二覚醒』のキール星人グランデのセリフを借りれば、


 「こいつぁ〜俄然おもしろくなってきたぜぇ〜!」


 である(笑)。



 その頂点を極めたのが第10話『新たな戦いの地平で』&第11話『ある戦士の墓標』(脚本・長谷川圭一 監督・村石宏實)である!


 第10話冒頭、いきなり変身怪人ゼットン星人がモンスロードした地底怪獣テレスドンと、集団宇宙人フック星人がモンスロードした彗星怪獣・再生ドラコのガチンコ対決!
 『ウルトラマン』第37話『小さな英雄』における大岩山でのバトルがここに再現!
 それだけならともかく、バック転を決めるわ、ジャンプして頭から再生ドラコに体当りをかますわ、なんとも身軽なテレスドン! ホントにこいつ、体重が12万トンもあるのかしら?(笑)


 再生ドラコがテレスドンを抱え上げて投げ捨てようとするや、猛烈な大爆発が巻き起こる! 前作終盤にも登場した宇宙ロボット・キングジョーブラックが奴らを始末したのである!


 そしてレイオニクス・ハンターであるペダン星人ダイルが現れ、ゼットン星人と命乞いをするフック星人を容赦なく射殺!
 あくまでレイオニクス戦士たちを全滅させることに執念を燃やすダイルは、まるでウルトラ兄弟の抹殺に執念を燃やす異次元超人・巨大ヤプールさながらであり、やはり『メビウス』で平成の世にヤプールを見事に復活させた長谷川ならではのキャラだ(笑)。


 次いで分身宇宙人ガッツ星人がモンスロードした宇宙凶剣怪獣ケルビムにカプセル怪獣ミクラスをさし向けるレイ!
 これまた『メビウス』第4話『傷だらけの絆』でのケルビム対ミクラスのバトルの再現(この際の特撮監督も今回と同じ村石氏だった)だが、やはり『メビウス』同様に、長谷川氏は過去作品からの引用を積極的にやっている(笑)。


 相撲の四股(しこ)を踏んで気合を入れるミクラスだったが
 ――ウルトラシリーズでは『ウルトラマンA(エース)』(72年)第15話『夏の怪奇シリーズ 黒い蟹(かに)の呪い』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20060828/p1)、第48話『ベロクロンの復讐』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20070402/p1)において、ウルトラマンエース対大蟹超獣キングクラブ、ミサイル超獣ベロクロンⅡ世のバトルで演出されたのが端緒。共に特殊技術(特撮監督)は東宝の田渕吉男。のちに『ウルトラマンタロウ』(73年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20071202/p1)第39話『ウルトラ父子(おやこ)餅つき大作戦!』、『ウルトラマン80(エイティ)』(80年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971121/p1)第40話『山からすもう小僧がやってきた』、『ウルトラマンダイナ』(97年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/19971201/p1)第8話『遥かなるバオーン』などでもウルトラマンたちが四股を踏んでいる。こういう演出を第1期至上主義者は極度に嫌うが、撮影現場での即興の演出ではなく、これをまさか脚本で長谷川が書いていたのだとしたら、氏の心変わりはいよいよ本物!?――、
 中距離は口からの火球、近距離は尻尾攻撃、そして至近距離は頭部の鋭い角(ツノ)と、攻守ともに完璧なケルビムから逃げ出して座りこんでしまう。
 近年はともかく、70年代後半〜90年代までは特撮マニア連中に猛烈に批判されまくってきた、コミカルでかわいらしく擬人化された怪獣の演技がここでは繰り広げられる。


 ウルトラセブンから託された怪獣だから強い怪獣だと思いこんでいたZAP(ザップ)隊員たちは一同茫然……だがレイが


 「おまえの力はそんなもんじゃない!」


 とゲキをとばした途端、目がCGで怒り目に変化、ケルビムの連続火球攻撃の中を猛然と突進するミクラス


 ケルビムをその長い尾でグルグル巻きにし、パンチの嵐! 角で突撃、と遂にケルビムに勝利してしまった!


 なんでや?


 「きっとレイが強くなったから。彼にはもう恐れも迷いもない。そのまっすぐな想いが、ミクラスにも通じたんじゃないかしら」


 紅一点の副長・ハルナがそう云うんだから、まあええやないか(笑)。


 だが、例によってダイルがまた宇宙船スペースペンドラゴンに不法侵入(笑)、レイたちを徴発する!


ダイル「地球人よ、貴様ら俺に云った。戦いは望んでいない。この男と地球に帰りたいだけだとな。だが、帰らなかった! それどころか、今ものうのうとレイオニクスバトルを続けている! この嘘つきめ!
 最後まで勝ち残り、レイブラッドの後継者になるつもりだな。全宇宙を支配するつもりか! そして、わがペダン星を!」


レイ「違う! 俺が戦っているのは、レイブラッドの後継者になるためなんかじゃない!」


ダイル「嘘だ!」(レイにつかみかかる)


レイ「嘘じゃない!」


ヒュウガ船長「レイはな、この戦いを一刻も早く終わらせるため、あえてこの星に残ったんだ」


ダイル「なに?」


ヒュウガ船長「レイの望みはな、破滅や混乱ではない。この宇宙の平和だ! そのためにレイは戦っている!
 勝ち残って、レイブラッド星人を倒す! それが彼の目標だ!」


ダイル「……本当なのか?」


レイ「ああ!」


ダイル「……フフフフ、ハハハハ……」


ヒュウガ船長「なにがおかしい!」


ダイル「レイブラッド星人を倒すだと? そんなこと、本気でできると考えているのか!」


ハルナ「できるわ! レイなら、きっとできる!」


クマノ「そうさ、レイは今までだって、何度も不可能を可能にしてきた! 俺以上の魔法使い、いや、怪獣使いだ!」


オキ「君も信じなよ! レイならきっと未来も救える! 君の故郷だって!」


ダイル「だまれ! そこまで云うなら、証拠を見せてもらおう! まずはキングジョーブラックを倒してみろ! 寝言はそのあとに聞いてやる」


 四機の宇宙船が合体して登場するキングジョーブラック!
 レイがモンスロードし、出現するゴモラ


 バトルの最中、本当に足が高々とよく上がるキングジョーブラックとゴモラ


 第5話『暴走の果てに』を観たときも思ったのだが、『メビウス』第24話『復活のヤプール』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061112/p1)から着ぐるみを多分流用した(それともアトラク用の改造か?)超獣バキシムゴモラの着ぐるみを比較すると、明らかにゴモラの方が一回り小さく作られており、いかに今回「大怪獣バトル」がしやすいように考慮され、着ぐるみが製作されているかがわかるというものだ。


 ゴモラの長い尾の連続攻撃にビクともしないキングジョーブラック! 勝ち誇ったように叫ぶダイル。


ダイル「ハ、当然だ! キングジョーブラックは過去の戦闘データを元に、常に改造を繰り返している。たとえば、惑星ボリスでの戦い。進化したEX(イーエックス)ゴモラのデータも全て記録され、わがペダン星に送信されていたのだ。そして、キングジョーブラックはさらに数倍パワーアップされた! 貴様とゴモラに万にひとつの勝ち目もない!」


 ここで前作第13話(最終回)『惑星脱出』(脚本・荒木憲一 監督・菊池雄一)から、EXゴモラの伸縮自在の長い尾がキングジョーブラックを串刺しにして放り投げる場面を流用!


レイ「ハ、それはどうかな。ゴモラ、おまえの持つ力を全て燃やすんだ!」


 ゴモラ、全身を赤熱させ、レイオニックスバーストにパワーアップ!


レイ「戦え! ゴモラ!」


 ゴモラ、砂塵を巻き上げ、地面にすべりこみをした勢いのまま、キングジョーブラックに両足でキック!
 さらに飛び蹴りをくらわし、側転して長い尾で一撃!
 超振動波で遂にキングジョーブラックを葬り去った!


 戦いが終わり、帰路につこうとするレイ。


ダイル「待て! まだ戦いは終わっていない!」


レイ「いや、もう終わったはずだ」


 レイの背後に銃口を向けながらも、引金をひくことができないダイル……


 所変わって、ペダン星人の一般兵士2人の前に姿を現すキール星人グランデ。銃口を向けられるや、


グランデ「問答無用ってか? ためしてみるかい?」


 グランデがモンスロードしたのはどくろ怪獣レッドキング! ペダン兵士は何やら小型の機械をレッドキングに向け、


ペダン兵士「レベル3(スリー)、キングジョーブラックの敵ではない」


 とナメてかかるが、新たに登場したキングジョーブラックはレッドキングのパンチの猛襲によろよろモード。


ペダン兵士「なぜだ! 戦闘レベルは段違いのはず。あの程度の怪獣に押されるはずが……」


グランデ「普通はな、でも俺は、普通じゃない」


 レッドキング、パンチと頭突きの連続、サバ折り、ジャンピングキックと、特に必殺技も持たないのに怪力だけで押しまくり、遂にキングジョーブラックを倒してしまった!


グランデ「(手をたたいて)ハイ俺の勝ち〜! じゃあ今日はここまで。じゃあね〜」


 バイバイまでして面白すぎるグランデ役の唐橋充(からはし・みつる)の演技(笑)。
 あくまで瓢々(ひょうひょう)としながら去っていくグランデにペダン兵士が銃を連射する!


グランデ「わっ、あぶねっ!」


 慌てて走り去っていくグランデ。


 そのころペダン星指令母艦の中では……


ダイル「あのレイオニクスは特別です! 彼は、レイはもしかしたら、未来を救えるかもしれません! わがペダン星の未来を!」


 なぜ地球のレイオニクスを真っ先に始末しないのか、ダイルを責めていたのはペダン星のハーラン司令。
 80年代の戦隊シリーズに登場していた悪の女性幹部みたいなコスチュームに身を包んで演劇チックな大芝居をしていたのは、『ウルトラマンネクサス』(04年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20041108/p1)でおっとりホンワカ癒し系ヒロインの斎田リコを演じていた中丸シオン。
 なんともエラい豹変ぶり! 小劇団の舞台あたりで場数を踏んだのだろうか? グランデ流に云わせてもらえば、「すげえべっぴん」!(笑)



 第11話『ある戦士の墓標』の冒頭、火山怪鳥バードンをモンスロードさせたのは、『ウルトラマンレオ』(74年・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20090405/p1)とその主人公・おおとりゲンを再登場させ、われらを涙させた『ウルトラマンメビウス』第34話『故郷(ふるさと)のない男』(http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20061224/p1)に登場した光波宇宙人リフレクト星人!


 「さあ戦いなさい」 「やりなさい」


 などとなぜか敬語でバードンに命令するキャラもそのまんま(笑)。


 ゴモラを相手に翼で猛烈な風を巻き起こすバードン
 高速飛行でゴモラめがけて突撃するが、ゴモラはそれを長い尾で叩き落とした!
 さらに鋭いくちばしでゴモラを狙うバードン


オキ「気をつけて! そのくちばしには猛毒が!」


 『タロウ』第18話『ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!』でウルトラ兄弟の長男ゾフィーウルトラマンタロウを一旦は絶命にまで追いこんだバードンのくちばしだが、長谷川先生、やっぱ今では第2期ウルトラ怪獣が好きなんじゃないのか?(笑)


 ゴモラバードンのくちばしを両手で押さえつけ、すかさず超振動波を見舞う! たまらず大爆発を起こすバードンだが、地球最強の怪獣とも称されるバードンゆえ、少々尺が短すぎる気も……


 一方、ペダン星司令母艦では……


ダイル「私はレイという男に、無限の可能性を感じたのです!」


ハーラン「ダイル、その男を連れてきなさい。私が直接会い、その真価を見定めましょう」


 ペンドラゴンでくつろぐレイとオキ。


オキ「バトルナイザーを最近よくそうやって見てるね」


レイ「ああ、戦いが終わったあとにゴモラたちに声をかけると、嬉しそうに答えてくれるんだ」


オキ「へえ〜、怪獣たちとしっかり心がつながっているんだね」


 まさにペット感覚というか、これぞ『ポケットモンスター』(97年)感覚であり、怪獣を視聴者の子供たちに身近な存在だと感じさせてくれる秀逸な場面である。
 これも元はといえば『ウルトラセブン』に登場したウインダム、ミクラス、アギラのカプセル怪獣が元祖なのだから、『メビウス』のマケット怪獣に至るまでの間に、こうした感覚が味わえる場面になかなかお目にかかれなかったのが、いまさらながら惜しまれる
 (『レオ』第34話『ウルトラ兄弟永遠の誓い』には、セブンことモロボシ・ダン隊長の新しい兵器として新ウルトラマン帰ってきたウルトラマンウルトラマンジャック)が届けてくれた怪獣ボール・セブンガーが登場するが、単発に終わっちまったからなあ……)。


ダイル「なるほどな、それがおまえの強さの秘密か」


 またしてもペンドラゴンに不法侵入しているダイル!


ダイル「レイ、俺と一緒に来てほしい。そしてハーラン司令に会ってもらいたい。もしおまえが、本当にこの戦いを終結させる力があると認められれば、われらは未来へと帰る。もう過去には干渉せず、50年後の未来で壊滅に瀕(ひん)したペダン星の復興に尽力する」


 罠かもしれないと止めるオキだが、ダイルを信じたレイはハーラン司令のもとへと向かう!


ハーラン「おまえですね。レイという名の、地球のレイオニクスは」


レイ「そうだ」


ハーラン「なるほど。確かに特別な力を感じます」


ダイル「では彼の力を認めて下さったのですね……よかった」


 ダイル、そしてレイに笑顔が浮かぶ。だが……


ハーラン「その力、われらペダンのために使ってもらいます! 最強の、兵器として!」


 ハーランの取り巻き兵士たちが一斉にレイに銃口を向ける!
 『セブン』第15話『ウルトラ警備隊西へ 後編』において、ライトンR30(アール・さんじゅう)爆弾を開発したドロシー・アンダーソン女博士になりすまし、ペダン星に対抗する兵器の開発をやめれば地球侵略を中止すると、モロボシ・ダンと交わした「宇宙人同志の約束」を簡単に破ったペダン星人の汚いやり口は、まったく変わっていなかったのである!
 先に宇宙開発をはじめた地球人の方が悪者かもしれないという善悪を相対化するようなハイブロウなSF作品ではなく、善悪を明瞭にして悪をやっつけるカタルシス(快感)を主目的とする大衆向け娯楽活劇作品としては、これこそ正しい作劇なのだ!


ダイル「一体どういうことです!」


ハーラン「ダイル、おまえは知らなかっただろうが、ペダン星司令部はレイオニクス抹殺計画において、ある修正案を検討していたのです」


ダイル「修正案?」


ハーラン「レイオニクスを洗脳することで、そのパワーをわれらの兵器として利用する考えです」


ダイル「そんな!」


ハーラン「ご覧なさい」


 ペダン兵士たちに捕らえられたボスことヒュウガ船長、ハルナ、クマノ、オキの姿が!


レイ「ボス! みんな!」


ヒュウガ「レイ!」


 オキの手がなにかに触れ、やけどのような症状を起こす!


ハーラン「電磁ネットの檻(おり)です。誰ひとりあの中から出ることはできません」


レイ「すぐに仲間を解放しろ!」


ハーラン「いいでしょう。でもその前に、おまえを洗脳させてもらいます。
 最強のレイオニクスであるおまえを、我らの兵器として改造すれば、レイブラッド星人も倒せるに違いありません。
 されば必然的に未来も変わる。50年後の破滅も回避できるはず。
 ダイル、おまえの望みがかなうのですよ。そして全宇宙の覇権はわれらペダンが手にし、全ての生命体がわれらの前にひれ伏すのです。われら科学力の前に。
 どうです。すばらしい計画だと思いませんか?」


レイ「そんなことはさせない!」


ダイル「お待ち下さい! ハーラン司令は私と約束してくれたはずです。もう過去に干渉するのはやめ、未来に戻り、荒廃したペダンの復興に力を尽くすと!
 レイオニクスを兵器に利用するなど、間違ってます! この世界には、力より大切なものがある!」


 ハッとするハルナ。


ハルナ「この宇宙には、力より、もっと大切なものがある!」


 それはかつて、ハルナがダイルに向けた言葉だった……


ダイル「争いを起こせば、また新たな争いを招くだけです! その繰り返しです! その結果、ペダン星は……」


 ハーランは手にした短いステッキ状のアクセサリーに隠された銃口からダイルに発砲した! 倒れこむダイル!


ハーラン「ペダンに、憶病者は不要です」


レイ「貴様〜!」


 怒りを爆発させたレイがゴモラをモンスロードさせる!


レイ「ゴモラ、ボスたちを救え!」


 そのとき司令母艦から舞い降りる数え切れないくらいの宇宙船の群れ!
 それらは全て合体を遂げ、何十体、いや何百体(!)とも思えるほどのキングジョーブラックの大群となって大地に着地した!
 マルチ分割の画面が絶大な効果を発揮する!


ハーラン「さあ見せてごらん。特別なレイオニクスの、その実力を!」


 電磁ネットの檻の中からハルナが叫ぶ!


ハルナ「レイ、逃げて! いくらあなたでも、この数相手に勝てるはずがない!」


ヒュウガ「よせハルナ!」


ハルナ「でも!」


ヒュウガ「レイは逃げたりはしない。どんなに強大な敵を目の前にしても。そして、絶対に勝つ!」


 ヒュウガをあざ笑うかのように大行進をするキングジョーブラック大軍団!


レイ「戦え! ゴモラ!」


 ゴモラ、全身が赤いレイオニックバーストにパワーアップ!


レイ「行け! リトラ! ミクラス!」


 三大怪獣惑星ハマー最大の決戦!
 画面で判断する限りはキングジョーブラックの着ぐるみは2体しか製作されておらず、一部は多数のソフビ人形を撮影したようだが(笑)、CGのマジックによって見事なまでに数えきれないほどの大群と三大怪獣が戦っているように錯覚させてくれる。赤いキングジョーも混ざっているが、キングジョースカーレットというらしい。


 また『ジャイアントロボ』(67年・東映)で矢島信男特撮監督がよく演出していたような、オープン撮影でのあおりという古典的な手法も併用され、ゴモラミクラス、キングジョーブラックの巨大感が絶妙に表現されており、これぞ「大怪獣バトル」である!


ハーラン「やっておしまい!」


 キングジョーブラック大軍団、ゴモラミクラスに一斉砲撃! 紅蓮(ぐれん)の炎に包まれるゴモラミクラス


クマノ「くそ! やはり数が多すぎる!」


ヒュウガ「いや、レイはまだ本当の力を出しきれていない!」


ハーラン「フフフ、安心しろ。殺しはしない。でも二度と抵抗する気が起きないくらい痛めつけておかないとね」


ハルナ「ボス、レイがまだ力を出しきれていないってどういう……」


 電磁ネットの檻にダイルが這(は)ったまま近づく。


ダイル「気にしているからだ! レイは貴様らとの絆で強くなった。だが同時にそれはレイの弱点でもある。馬鹿な奴だ! そんな甘さがなければ無敵だというのに!」


 ハーラン、ペダン兵士がダイルの様子に気づく!


ペダン兵士「その装置から離れろ!」


ハーラン「殺(や)れ!」


 無数の銃弾を浴びるダイル。


ダイル「俺はペダン星の誇り高きハンター! レイ、未来を頼んだぞ……」


 断末魔に電磁ネットの檻を開放するダイル……


レイ「ダイル〜〜!!」


ハーラン「奴らを逃がすな! ひとり残らず撃ち殺せ!」


 辛(から)くも脱出したZAP隊員たちはスペースペンドラゴンに搭乗、レイとともに逆襲を開始する!


レイ「戦え! ゴモラ! リトラ! ミクラス!」


ペダン兵士「ハーラン司令、危険です! すぐ撤退を!」


ハーラン「だまれ! 撤退など許さぬ! 偉大なるペダンの科学力が、たかが怪獣などに!」


ヒュウガ「心を持たぬ科学は、悪魔の力だ! それを今、おまえたちに返してやる!」


クマノ「ペダニウムランチャー、発射準備完了!」


 ペダン星人ダイルが第2話『レイオニクスバトル』で、ZAP隊員たちの宇宙船スペースペンドラゴンに勝手に装着して宇宙大怪獣ベムスターを一発で撃破するも、ハルナが「ペンドラゴンは戦闘艦じゃない!」と云って封印してきたペダニウムランチャー。
 今やダイルの形見となってしまったそれが、遂に時宜(じぎ)を得て、火を噴いたのだ!


 「心を持たぬ科学」うんぬんは、たしか『セブン』第18話『空間X(エックス)脱出』ラストシーンにおけるウルトラ警備隊・キリヤマ隊長の警鐘セリフであった「神無き知恵は、知恵有る悪魔を作る」へのオマージュでもあるだろう!


 ペダニウムランチャーの一斉砲撃に、さしものキングジョーブラック大軍団も壊滅!


 吹っ飛ばされたキングジョースカーレットの一体の首がハーランの頭上に天罰のように襲いかかった!!


クマノ「ボス、キングジョーブラックは全滅です!」


 ペダン星司令母艦は彼方へと逃げ去った。


 キングジョーブラックの残骸が無限に広がる荒野の中、建てられた墓標にダイルのヘルメットが供えられた。


ヒュウガ「勇敢な戦士に……」


 敬礼するZAP一同……


 二千年後に宇宙に災いをもたらすとされた地球生物を抹殺するためにやってきたウルトラマンジャスティスが登場した劇場用作品『ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス THE FINAL BATTLE(ファイナル・バトル)』(03年・松竹 脚本・長谷川圭一&川上英幸 監督&特撮監督・北浦嗣巳)と同様のネタを扱いながら、あのような陰欝な作風に陥らず、格段に面白くお約束でも熱い仕上がりになっている!


 全編に渡って繰り広げられる大怪獣バトル、ハーランの徹底した悪役ぶり、レイとZAPとの強い絆ゆえの燃える展開、ともう云うことなし! の一級のエンターテイメントである!


 クライマックスのロケ地など、ぶっちゃけその辺の空き地みたいな場所で、特別なセットが組まれているわけでもなく、ペダンの一般兵士なんかたったの4人だけであり、いかにも低予算であることをいやでも感じさせたが(スタジオ内からロケに出られただけでもこの作品としては豪華だが・笑)、それをすっ飛ばしてしまうほどの劇的な盛り上がりが凄い!


 まあダイルの心変わりについてはよくあるネタというか長谷川氏の定番路線だったりするが、「心変わり」は氏の永遠のテーマなのかもしれない。
 今回の作品を観る限り、氏のウルトラに対するスタンスには10数年前の平成ウルトラ3部作のころに各マニア誌で発言していた第1期ウルトラ至上主義・第2期ウルトラ蔑視的な観点とは異なり、充分に良い意味での「心変わり」が見てとれると思うのだが。



 劇場用作品『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』(08年・松竹・http://d.hatena.ne.jp/katoku99/20101223/p1)が、熱心なマニアに散々つっこまれるほどのアラが多い仕上がりになってしまった理由は、「俺が書きたいのはもうこんな路線じゃねえんだ!」といった氏のささやかな抵抗か、すごく出来のよかった『ウルトラマンメビウスウルトラ兄弟2』準備稿(『大決戦! 超ウルトラ8兄弟』DVDメモリアルボックスASIN:B001J2UJVS)の特典として収録)をNGにされ、半ば投げやりな態度になってしまったからかもしれない。投げやりではなくてもノリノリでの執筆はできなかっただろうとは思うのだが。
 筆者が氏の立場なら、絶対に適当な仕事をしてしまうと思う
 (……いや、氏はそんないい加減な人間ではないと思いますが!・笑)。

2009.7.20.


(了)
(初出・特撮同人誌『仮面特攻隊2009年準備号』(09年8月14日発行)『ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO』評より分割抜粋)


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*1:登場場面があまりに短かったこともあったのだが、筆者は大変恥ずかしながら、宇宙有翼怪獣アリゲラが一体何の作品に登場した怪獣だったか、一瞬わからなかった。
 『メビウス』の第38話『オーシャンの勇魚(イサナ)』に登場していたのだが、これ脚本が太田愛だったんだね……太田愛ファンには大変申し訳ないけど、筆者がいかに彼女の作品を真剣に観ていないかが、この事実で明白となった(笑)。